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JP6744673B2 - 関節機能改善組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、関節機能を改善することが可能な組成物に係り、詳しくは、グルコサミン及び特定の他の成分を有効成分とする組成物に関する。
高齢化が進むにつれて、膝や肘の痛みのような関節痛に悩まされる人口が増加しつつあり、このような関節痛を和らげる医薬品等が望まれている。関節痛の要因の1つである関節炎の改善に効果を有する素材としては、例えば、グルコサミン等のアミノ糖が注目されている(特許文献1参照)。
特開2003−325136号公報
本発明の課題は、軟骨を保護して、関節機能を改善することが可能な組成物を提供することにある。
本発明者らは、関節機能を改善すべく、関節部分に存在する軟骨に関し鋭意調査・研究したところ、グルコサミンと特定の他の成分とを組み合わせることにより、高い軟骨保護効果が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、グルコサミンと、軟骨保護能がほとんどないか、その能力が小さい特定の他の成分を組み合わせることにより、軟骨をより有効に保護することができることを見いだした。
すなわち、本発明は、グルコサミンと、下記(a)〜(f)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とを有効成分として含有することを特徴とする組成物に関する。
(a)大麦、長命草、葛、稲、マキベリー、及びショウガから選ばれる少なくとも1種の植物素材
(b)アスパルテーム、ショ糖脂肪酸エステル、及びステアリン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種の機能性添加剤
(c)アラニン、アスパラギン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、チロシン、バリン、及びS−アデノシルメチオニンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸
(d)没食子酸、及びクロロゲン酸から選ばれる少なくとも1種のポリフェノール
(e)ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD3、パントテン酸ナトリウム、ナイアシン、ビオチン、ビタミンK、β−カロテン、カルシウム及びセレンから選ばれる少なくとも1種のビタミン・ミネラル類
(f)プロテオグリカン、及びII型コラーゲンから選ばれる少なくとも1種の軟骨成分
本発明の組成物は、軟骨の保護作用を有する関節機能改善剤として用いることができる。
本発明の組成物は、グルコサミンと(a)〜(f)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とからなる有効成分を添加して得たものであってもよい。
また、本発明の組成物は、経口用であることが好ましく、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、又は液剤であることが好ましい。
また、本発明は、上記本発明の組成物を摂取させることを特徴とする関節機能改善方法(ただし、医療行為を除く)に関する。
本発明の組成物によれば、軟骨を保護して、関節機能を改善することができる。
本発明の組成物(グルコサミン+植物素材)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左上図が植物素材として大麦を用いたものを示し、右上図が植物素材として長命草を用いたものを示し、左下図が植物素材として葛を用いたものを示し、右下図が植物素材とし稲(米ぬか)を用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+植物素材)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左上図が植物素材としてマキベリーを用いたものを示し、右上図が植物素材として赤ショウガ(Zingiber officinale var. Rubra)を用いたものを示し、左下図が植物素材としてショウガ(Zingiber officinale)を用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+機能性添加剤)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左上図が機能性添加剤としてアスパルテームを用いたものを示し、右上図が機能性添加剤としてショ糖脂肪酸エステルを用いたものを示し、左下図が機能性添加剤としてステアリン酸カルシウムを用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+アミノ酸)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左上図がアミノ酸としてアラニンを用いたものを示し、右上図がアミノ酸としてアスパラギンを用いたものを示し、左下図がアミノ酸としてグルタミン酸を用いたものを示し、右下図がアミノ酸としてヒスチジンを用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+アミノ酸)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左上図がアミノ酸としてイソロイシンを用いたものを示し、右上図がアミノ酸としてロイシンを用いたものを示し、左下図がアミノ酸としてフェニルアラニンを用いたものを示し、右下図がアミノ酸としてプロリンを用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+アミノ酸)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左上図がアミノ酸としてセリンを用いたものを示し、右上図がアミノ酸としてチロシンを用いたものを示し、左下図がアミノ酸としてバリンを用いたものを示し、右下図がアミノ酸としてS−アデノシルメチオニン(SAMe)を用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+ポリフェノール)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左図がポリフェノールとして没食子酸を用いたものを示し、右図がポリフェノールとしてクロロゲン酸を用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+ビタミン・ミネラル類)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左上図がビタミン類としてビタミンAを用いたものを示し、右上図がビタミン類としてビタミンB1を用いたものを示し、左下図がビタミン類としてビタミンB2を用いたものを示し、右下図がビタミン類としてビタミンB12を用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+ビタミン・ミネラル類)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左上図がビタミン類としてビタミンCを用いたものを示し、右上図がビタミン類としてビタミンD3を用いたものを示し、左下図がビタミン類としてパントテン酸ナトリウムを用いたものを示し、右下図がビタミン類としてナイアシンを用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+ビタミン・ミネラル類)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左上図がビタミン類としてビオチンを用いたものを示し、右上図がビタミン類としてビタミンKを用いたものを示し、左下図がビタミン類としてβ−カロテンを用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+ビタミン・ミネラル類)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左上図がミネラル類として化石サンゴCaを用いたものを示し、右上図がミネラル類として貝殻焼成Caを用いたものを示し、左下図がミネラル類として貝殻未焼成Caを用いたものを示し、右下図がミネラル類としてミルクCaを用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+ビタミン・ミネラル類)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、ミネラル類としてセレン用いたものを示す。 本発明の組成物(グルコサミン+軟骨成分)を軟骨細胞(NHAc−kn)に適用した場合のMMP3の発現量を示す図であり、左図が軟骨成分としてプロテオグリカンを用いたものを示し、右図が軟骨成分としてII型コラーゲンを用いたものを示す。
本発明の組成物は、グルコサミンと、下記(a)〜(f)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(以下、他成分ということがある)とを有効成分として含有することを特徴とする。グルコサミンと共に用いられる下記(a)〜(f)の成分は、1種単独(例えば(a)成分)で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。他成分を2種以上組み合せて用いる場合、グルコサミンと相乗効果の高い他成分同士を組み合わせることが好ましい。
本発明の組成物(関節機能改善組成物)は、軟骨細胞の破壊を抑制することにより軟骨を保護して、より有効に関節の痛みを改善(予防を含む)することができ、関節機能を十分に発揮できるようになることから、関節機能改善剤として用いることができる。また、本発明の関節機能改善組成物は、全身の軟骨を保護して、全身の関節の痛みを改善することができるが、特に腰、股関節、膝関節の軟骨を保護し、かかる箇所の痛みを改善することができ、これにより関節機能を改善できる。
[グルコサミン]
本発明のグルコサミンとしては、グルコサミン及びその塩、N−アセチルグルコサミンを用いることができる。塩としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等を挙げることができる。かかるグルコサミンは、生物由来のものであってもよく、化学合成されたものであってもよい。
[他成分]
(a)植物素材
本発明の関節機能改善組成物においては、グルコサミンと共に、有効成分として、大麦、長命草、葛、稲、マキベリー、及びショウガから選ばれる少なくとも1種の植物素材を用いることが好ましい。
これらの植物素材は、葉、茎、根、花、実、幹、枝等、植物のいずれの部位であってもよく、植物素材そのもの(乾燥物を含む)の他、その粉砕物、搾汁、抽出物等の植物素材処理物を用いることができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、溶媒としては、例えば、水(熱水)、エタノール、含水エタノールを用いることができる。これらの植物素材は、市販されているものを使用することができる。
大麦としては、二条大麦、六条大麦等を用いることができる。本発明の植物素材として用いる部位としては、茎、葉が好ましく、特に若葉が好ましい。
長命草は、セリ科カワラボウフウ属に属するボタンボウフウとも呼ばれる多年草植物である。本発明の植物素材として用いる部位としては、葉、根が好ましい。
葛は、マメ科クズ属のつる性の多年草植物である。本発明の植物素材として用いる部位としては、花、根が好ましく、花が特に好ましい。葛花としては、蕾から全開した花までのいずれの過程で採取したものを用いてもよく、各過程で採取したものを混合して用いることもできる。葛の種類としては、特に制限はないが、プエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)、プエラリア・ロバータ(Pueraria lobata)、プエラリア・スンバーギアナ(Pueraria thunbergiana)等を例示することができる。
稲は、イネ科イネ属の植物である。本発明の植物素材として用いる部位としては、玄米の外皮や胚が好ましく、具体的には、玄米を精白する際に副産物として得られる米ぬかを用いることが好ましい。稲の種類としては、特に制限はなく、ジャポニカ種、インディカ種等を挙げることができる。
マキベリーは、チリのパタゴニアを原産地とするポルトノキ科の植物であり、学術名は、Aristotellia chilensisである。本発明の植物素材として用いる部位としては、果実が好ましい。
ショウガは、ショウガ科ショウガ属の植物であり、例えば、学名がZingiber officinaleである三州生姜、黄生姜を挙げることができる。また、インドネシアやインドで栽培されている学名がZingiber officinale var. Rubraである赤ショウガ(現地名はJahe merah)も好ましく用いることができる。本発明の植物素材として用いる部位としては、根茎が好ましい。
(b)機能性添加剤
本発明の関節機能改善組成物においては、グルコサミンと共に、有効成分として、アスパルテーム、ショ糖脂肪酸エステル、及びステアリン酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種の機能性添加剤を用いることが好ましい。アスパルテームは甘味料等として、ショ糖脂肪酸エステルやステアリン酸カルシウムは滑沢剤等として用いることができる。
(c)アミノ酸
本発明の関節機能改善組成物においては、グルコサミンと共に、有効成分として、アラニン、アスパラギン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、チロシン、バリン、及びS−アデノシルメチオニンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸(塩を含む)を用いることが好ましい。塩としては、例えば、ナトリウム塩、塩酸塩等を挙げることができる。
(d)ポリフェノール
本発明の関節機能改善組成物においては、グルコサミンと共に、有効成分として、没食子酸、及びクロロゲン酸から選ばれる少なくとも1種のポリフェノールを用いることが好ましい。
(e)ビタミン・ミネラル類
本発明の関節機能改善組成物においては、グルコサミンと共に、有効成分として、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD3、パントテン酸ナトリウム、ナイアシン、ビオチン、ビタミンK、β−カロテン、カルシウム及びセレンから選ばれる少なくとも1種のビタミン・ミネラル類を用いることが好ましい。なお、本発明のミネラル類としてのカルシウム、セレンは、これらの金属を含む化合物の形態を含む。
(f)軟骨成分
本発明の関節機能改善組成物においては、グルコサミンと共に、有効成分として、プロテオグリカン、及びII型コラーゲンから選ばれる少なくとも1種の軟骨成分を用いることが好ましい。
プロテオグリカンは、タンパク質をコアとして、コンドロイチン硫酸やデルマタン硫酸等のグリコサミノグリカンが共有結合した複合多糖であり、動物組織、特に軟骨組織に多く存在する。プロテオグリカンは生体内で、コア蛋白質がさらにヒアルロン酸に結合した構造で存在することも知られており、その分子量は、数万〜数千万と大きい。本発明で用いるプロテオグリカンとしては、具体的に、動物由来のプロテオグリカンを挙げることができ、市販品を使用することができる。
II型コラーゲンは、軟骨に多く含まれるコラーゲンであり、例えば、鶏、豚等の軟骨から抽出したものを用いることができ、市販品を使用することができる。
本発明の関節機能改善組成物は、軟骨の保護作用を有する関節機能改善剤として用いることができ、かかる関節機能改善剤は、グルコサミン及び所定の他成分を含有し、関節機能改善に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではない。例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに関節機能改善効果の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、化粧品や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品等を挙げることができる。いわゆる健康食品においては、「膝や腰の悩みに」、「健やかな歩みに」、「軽やかな動きに」、「関節機能を整える」、「関節の動きをなめらかにする」、「関節機能を改善する」、「関節の動きの悩みを緩和する」、「関節の動きを助ける」、「関節の動きをサポートする」等を表示したものを例示することができる。本発明の関節機能改善組成物は、上記の効果が気になる人であれば性別や年齢に関係なく摂取することができるが、本発明の関節機能改善組成物の効果をより有効に享受することができることから、疾病者を除く健常者が摂取することが望ましく、特に上記の悩みをもつ高齢者が摂取することが望ましい。
本発明の関節機能改善組成物は、経口用又は外用として使用することができる。外用剤としては、皮膚、頭皮等に塗布して用いるものであれば、特に制限はなく、その形態としては、軟膏剤、クリーム剤、ジェル剤、ローション剤、乳液剤、パック剤、湿布剤等の皮膚外用剤や、注射剤等の形態を挙げることができる。
また、本発明の関節機能改善組成物を経口剤として用いる場合、その形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、粒状剤、棒状剤、板状剤、ブロック状剤、固形状剤、丸状剤、ペースト状剤、クリーム状剤、カプレット状剤、ゲル状剤、チュアブル状剤、スティック状剤等を挙げることができる。これらの中でも、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤の形態が特に好ましい。具体的には、サプリメントや、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料や、水(湯)、牛乳、果汁、青汁等に溶解して飲むためのインスタント粉末飲料、インスタント顆粒飲料を例示することができる。これらは食事の際などに手軽に飲用しやすく、また嗜好性を高めることができるという点で好ましい。
本発明の関節機能改善組成物におけるグルコサミン及び他成分(有効成分)の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。
一般的には、本発明の関節機能改善組成物が医薬品やサプリメント(錠剤,カプセル剤)の場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.01〜100質量%含まれていることが好ましく、0.1〜85質量%含まれていることがより好ましく、0.5〜70質量%含まれていることがさらに好ましい。
本発明の関節機能改善組成物が容器詰飲料(液剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.01〜15質量%含まれていることが好ましく、0.03〜12.5質量%含まれていることがより好ましく、0.05〜10質量%含まれていることがさらに好ましい。
また、本発明の関節機能改善組成物がインスタント粉末飲料(粉末剤)、インスタント顆粒飲料(顆粒剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.1〜80質量%含まれていることが好ましく、0.5〜70質量%含まれていることがより好ましく、1〜60質量%含まれていることがさらに好ましい。
本発明の効果をより有効に発揮させるためには、有効成分が乾燥質量換算で本発明の関節機能改善組成物全体(水分を除く)の80質量%以上含まれていることが好ましく、90質量%以上含まれていることがより好ましく、95質量%以上含まれていることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。さらに、本発明の関節機能改善組成物が成分(a)〜(f)のいずれかを含有する場合、その含有される成分は、本発明における有効成分のみで構成されることが好ましい。すなわち、本発明の関節機能改善組成物が例えば成分(a)(植物素材)を含む場合には、大麦、長命草、葛、稲、マキベリー、ショウガ以外の植物素材を含まないように構成することが好ましい。
本発明の関節機能改善組成物の摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、1日当たりの有効成分の摂取量が、500mg/日以上となるように摂取することが好ましく、800mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、1000mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は特に制限されないが、例えば、5g/日であり、好ましくは4g/日である。なお、グルコサミン塩酸塩の一日の摂取量は、500〜4000mg/日となるように摂取することが好ましく、1000〜3000mg/日となるように摂取することがより好ましく、1500〜2500mg/日となるように摂取することがさらに好ましく、1850〜2250mg/日となるように摂取することが特に好ましい。
本発明の関節機能改善組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2〜3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
グルコサミン及び他成分の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.5:1〜70:1の範囲であることが好ましく、0.75:1〜60:1の範囲であることがより好ましく、1:1〜60:1の範囲であることがさらに好ましく、1:1〜50:1の範囲であることが特に好ましい。グルコサミン及び他成分の配合比が、上記範囲であることにより、本発明の効果をより有効に発揮することができる。
本発明の関節機能改善組成物は、必要に応じて、経口剤又は外用剤として許容される有効成分以外の成分を添加して、公知の方法によって製造することができる。
また、本発明の経口剤としての関節機能改善組成物としては、有効成分を含有する関節機能改善組成物の他、食品に対して有効成分を添加して得た関節機能改善組成物(関節機能改善食品)を挙げることができ、例えば、通常の食品(天然の食品を含む)に比して本発明の有効成分含有量を増加させた食品や、本発明の有効成分を通常含まない食品に対して有効成分を添加した食品を挙げることができる。有効成分の添加は、それぞれの成分を別々に添加してもよいし、同時に添加してもよく、また、有効成分以外の他の成分と共に添加してもよい。
本発明の関節機能改善食品としては、例えば、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料、スムージー、青汁等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳、ヨーグルト等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及びその加工食品;ソース、醤油等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、牛丼、ハヤシライス、オムライス、おでん、マーボドーフ、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール、各種ソース、各種スープ等のレトルトパウチ食品などを挙げることができる。
本発明の関節機能改善方法としては、上記説明した本発明の関節機能改善組成物を摂取させることを特徴とするが、医療行為は含まれない。本発明の関節機能改善組成物は疾病者を除く健常者が摂取させることが望ましく、特に上記の悩みをもつ高齢者に摂取させることが望ましい。本発明の方法としては、例えば、レストラン等の飲食店において、本発明の関節機能改善食品を提供することにより、関節機能改善効果を得る方法を挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
[実施例1]
(1)軟骨細胞(NHAc−kn)を5×10cells/mLとなるよう10%FBS−DMEMにて調製し、それを200μLずつ96 well plateへ播種し、最終的に1×10cells/wellとなるように調整した。
(2)1〜2日間前培養後、下記のようにサンプル添加を行った。各サンプルは目的の終濃度の4倍にて濃度調整を行った。
なお、水に不溶のサンプル(他成分)に関してはDMSOにて溶解した後、4倍濃度サンプル in 1%DMSO−10%FBS−DMEMとなるよう調整した。塩化カルシウム以外のCaサンプルは1N HClに溶解した後、4倍濃度サンプル in 1/50N HCl−10%FBS−DMEMとなるよう調整した。IL1b溶液は、10%FBS−DMEM15mLに対して10μg/mL IL1bを2μLの割合で調整した。なお、グルコサミンとしては、市販のグルコサミン塩酸塩を用いた。
(3)サンプル添加より約18時間後、CellAmp Direct RNA Prep Kit for RT−PCR(Takara)にて細胞を回収した。その後、One Step SYBR(登録商標)PrimeScriptTM RT−PCR Kit IIを用いてMMP3の発現量を測定した。なお、内部標準としてRPLP0の測定も行った。なお、MMP-3発現量が高い場合は、関節軟骨細胞の破壊が進行していることを示し、MMP-3発現量が低い場合は、関節軟骨細胞の破壊が抑制され、関節軟骨細胞が保護されていると解される。
その結果を表4〜表10、及び図1〜図13に示す。
各図は、左から、「コントロール」、「IL1b添加」、「(IL1b添加に対する)グルコサミンの単独添加」、「(IL1b添加に対する)他成分の単独添加」、「(IL1b添加に対する)グルコサミン+他成分添加」の結果を表す。また、グラフ下部の説明における数値は、サンプル濃度を示し、例えば、図1の左上のグラフの「G_100」は、グルコサミン100(μg/mL)を示す。添加成分の濃度単位は、すべてのグラフにおいて、μg/mLである。
大麦については、若葉の乾燥粉砕末を用いた。
長命草については、生葉の微粉砕末を用いた。
葛については、花の熱水抽出物(乾燥粉末)を用いた。
米ぬかについては、市販品を用いた。
マキベリーについては、市販品の果実の乾燥粉末を用いた。
赤ショウガ(Zingiber officinale var. Rubra)については、根茎の熱水抽出物(乾燥粉末)を用いた。
ショウガ(Zingiber officinale)については、根茎の熱水抽出物(乾燥粉末)を用いた。
レモンバーベナについては、葉の乾燥粉砕末を用いた。
表4〜表10、及び図1〜図13に示すように、グルコサミンと、本発明の特定の他成分を組み合わせることにより、MMP-3発現量が相乗的に低下した。したがって、本発明の関節機能改善組成物によれば、炎症が抑えられるとともに、関節軟骨細胞を保護(関節軟骨細胞の破壊を抑制)し、より効果的に関節の痛みを改善することができる。
[実施例2](錠剤の製造)
下記成分からなるタブレット(6粒で3000mg)を製造した。
グルコサミン塩酸塩 2000mg
プロテオグリカン 5mg
化石サンゴCa 150mg
ステアリン酸カルシウム 50mg
β−カロテン 10mg
ビタミンB1 5mg
ビタミンB2 5mg
ビタミンB12 5mg
ビタミンD3 2.5mg
長命草末 300mg
プロリン 30mg
結晶セルロース 50mg
ショ糖脂肪酸エステル 30mg
麦芽糖 残部
上記錠剤は6粒を一日に2〜3回に分けて、噛み砕いて服用するか、又は水と共に噛まずに服用する。
[実施例3](カプセル剤の製造)
下記混合物をソフトカプセルに封入し、カプセル剤6粒を製造した。
グルコサミン塩酸塩 1500mg
プロテオグリカン 5mg
米ぬか抽出物 20mg
マキベリー末 100mg
貝殻焼成Ca 120mg
ビタミンE 30mg
ナイアシン 5mg
クロロゲン酸 10mg
プロリン 20mg
セレン 5mg
パントテン酸ナトリウ 10mg
麦芽糖 残部
上記錠剤は6粒を一日に2〜3回に分けて、水と共に服用する。
[実施例4](顆粒剤の製造)
下記成分を混合して常法により顆粒剤(3000mg)を製造した。
グルコサミン塩酸塩 1800mg
プロテオグリカン 5mg
貝殻未焼成Ca 200mg
ショ糖脂肪酸エステル 50mg
セレン 5mg
ビタミンE 50mg
大麦若葉末 800mg
ナイアシン 10mg
ビオチン 10mg
プロリン 5mg
デンプン 残部
[実施例5](インスタント粉末剤の製造)
下記成分を混合して常法によりインスタント粉末(6g)を製造した。
グルコサミン塩酸塩 2500mg
プロテオグリカン 5mg
貝殻未焼成Ca 200mg
大麦若葉末 1000mg
長命草末 500mg
ショウガ末 250mg
セレン 5mg
ビタミンE 300mg
ビタミンK 200mg
ナイアシン 50mg
ビオチン 50mg
プロリン 30mg
バリン 30mg
ロイシン 20mg
イソロイシン 20mg
アスパルテーム 300mg
オリゴ糖 500mg
デキストリン 残部
[実施例6](液剤の製造)
下記成分からなる液剤(50mL)を製造した。
グルコサミン塩酸塩 2000mg
II型コラーゲン 25mg
ミルクCa 200mg
アスパルテーム 800mg
赤ショウガ抽出物 300mg
ショウガ抽出物 200mg
葛花抽出物 150mg
プロリン 100mg
アスパラギン 50mg
バリン 25mg
ロイシン 20mg
イソロイシン 20mg
没食子酸 10mg
ビタミンC 5mg
香料 適量
水 残部
本発明の組成物は、高い関節機能改善効果を有し、経口剤又は外用剤として用いることができることから、本発明の産業上の有用性は高い。

Claims (1)

  1. グルコサミンと、葛花とを含有することを特徴とする関節機能改善用剤
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