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JP6743459B2 - 炭酸ガス発生シート - Google Patents

炭酸ガス発生シート Download PDF

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JP6743459B2 JP2016074474A JP2016074474A JP6743459B2 JP 6743459 B2 JP6743459 B2 JP 6743459B2 JP 2016074474 A JP2016074474 A JP 2016074474A JP 2016074474 A JP2016074474 A JP 2016074474A JP 6743459 B2 JP6743459 B2 JP 6743459B2
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Description

本発明は、炭酸ガス発生シートに関し、特に、皮膚に貼付して用いることや、清掃時のふき取り用途などに適した炭酸ガス発生シートに関する。本発明の炭酸ガス発生シートは、化粧品、医薬部材品、医薬品、清掃用品、雑貨等の分野において使用されることができる。
炭酸ガスを皮膚に作用させると皮膚の血行が促進されることが知られている。そのため、炭酸ガスを発生する材料は、顔面、頭皮、および手、首、足等の他の部位の皮膚に適用する皮膚外用剤として使用されている。また、炭酸ガスは、気泡による物理的な力と、弱酸性であることとにより、たんぱく質や水垢などの汚れを落とすのに有効であることが知られている。
炭酸ガスを発生する材料として、炭酸塩と酸とを含む炭酸ガス発生剤は従来知られている(例えば、特許文献1および2参照)。炭酸ガス発生剤に対して化粧水等の水を供給すると、炭酸塩と酸とが水により反応して、炭酸ガスを発生する。
特許文献3は、炭酸ガス発生剤として、炭酸水素ナトリウムと、クエン酸またはクエン酸二水素ナトリウムと、を採用し、通水通気性不織布と、炭酸水素ナトリウムと、粗目の不織布と、クエン酸またはクエン酸二水素ナトリウムと、通水通気性不織布と、を順に積層して得られる5層構造のシート状パック材を開示している。
特許文献3の構成では、使用者がシート状パック材に化粧水等の水を含浸させると、水は通水通気性不織布を通して炭酸水素ナトリウムとクエン酸またはクエン酸二水素ナトリウムとに供給される。炭酸水素ナトリウムおよびクエン酸またはクエン酸二水素ナトリウムは、いずれもが水に溶解する。そして、溶解した溶液が粗目の不織布を通して接触し、反応を開始して炭酸ガスを発生する。
また、特許文献3のシート状パック材においては、炭酸ガスの発生時間を延長させる目的で、炭酸水素ナトリウム、およびクエン酸またはクエン酸二水素ナトリウムのうちのいずれか一方に、水溶性のカルボキシメチルセルロース(CMC)が混合されている。
特開2004−83498号公報 特許第5531177号公報 特開2014−65707号公報
特許文献3では炭酸ガス発生剤に対してCMCを併用することで炭酸ガスの発生時間を延長させることを示しているが、別の構成により炭酸ガスの発生を持続させることへの要求がある。
本発明の目的は、炭酸ガス発生の持続効果に優れた炭酸ガス発生シートを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、以下の態様を有する。
1. 炭酸塩層および酸層を備える積層体であって、前記炭酸塩層および前記酸層は隣接して設けられており、前記炭酸塩層および前記酸層のうちの少なくとも一方は吸水性材料を含む層であることを特徴とする炭酸ガス発生シート。
2. 前記炭酸塩層および前記酸層の両方が前記吸水性材料を含むことを特徴とする、1.に記載の炭酸ガス発生シート。
3. 前記積層体の少なくとも1つの外層の上面に通水性または吸水性シートを備えることを特徴とする、1.または2.に記載の炭酸ガス発生シート。
4. 乾式法により製造されたことを特徴とする、1.から3.のいずれか1つに記載の炭酸ガス発生シート。
5. 前記通水性または吸水性シートは、吸水性材料を含むことを特徴とする、3.または4.に記載の炭酸ガス発生シート。
本発明の炭酸ガス発生シートは、炭酸塩層および酸層を備える積層体であり、炭酸塩層および酸層は隣接して設けられており、炭酸塩層および酸層のうちの少なくとも一方は吸水性材料を含む層である。
吸水性材料を含む層において、炭酸塩または酸は、吸水性材料の存在により層の厚み方向に分散して存在することができる。さらに、吸水性材料は、水分を徐々に浸透させることができる。そのため、炭酸ガス発生シートの使用時において、炭酸塩と酸との間の反応開始の時間に幅を持たせることができ、その結果、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間を長くすることができる。
また、吸水性材料を含む層において、特に吸水性材料が繊維状である場合、炭酸塩または酸は、吸水性材料の存在により層内に維持されやすくなる。また、炭酸ガス発生シートは、炭酸塩層および/または酸層に吸水性材料が含まれることにより、形状維持がされやすくなる。そのため、炭酸ガス発生シートの製造時、保管時および使用時において、炭酸塩および/または酸の歩留まりを向上させることができると共に、例えば折り畳まれるなどの変形を受けた場合でも、粉落ちを防止することができる。したがって、炭酸ガス発生剤のロスが防止され、コスト削減に繋がる。また、吸水性材料自体の選択によっても、コスト削減を図ることができる。
本発明の炭酸ガス発生シートの構成例を示す図である。 本発明の炭酸ガス発生シートの製造方法において使用可能なウェブ形成装置を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の態様について説明するが、本発明はそれらの実施の態様に限定されない。
図1を参照して、本発明に係る炭酸ガス発生シートの層構成および作用効果について説明する。
<炭酸ガス発生シート>
本発明の炭酸ガス発生シートは、炭酸塩層および酸層を備える積層体であり、炭酸塩層および酸層は隣接して設けられており、炭酸塩層および酸層のうちの少なくとも一方は吸水性材料を含む層である。本発明の第2の態様に係る炭酸ガス発生シートは、製造工程中における炭酸塩と酸との間の反応を防止するために、乾式法で製造される。
(層構成および作用効果)
図1は、本発明の炭酸ガス発生シートの構成を限定目的ではなく例示目的で示す図である。図中において、同一の符号は同一の構成要素を示す。同一の構成要素に関しては、重複する説明を割愛する場合がある。
図1(a)および(b)は、それぞれ、炭酸塩層および酸層のうちの一方が吸水性材料を含む層であり、他方が吸水性材料を含まない層である例である。
詳細には、図1(a)に示す炭酸ガス発生シートは、吸水性材料を含む酸層200と、吸水性材料を含まない炭酸塩層120と、通水性または吸水性シート300と、を順に積層した構成を有する。また、図1(b)に示す炭酸ガス発生シートは、吸水性材料を含む炭酸塩層100と、吸水性材料を含まない酸層220と、通水性または吸水性シート300と、を順に積層した構成を有する。
図1(a)および(b)の構成においては、炭酸塩層および酸層のうちの一方に吸水性材料を含むため、層の厚み方向における炭酸塩または酸の分布を広げると共に、使用時に水分を徐々に浸透させることができる。したがって、炭酸塩と酸との反応開始の時間に幅を持たせることができる。また、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生を持続せることができる。
図1(a)および(b)の構成においては、通水性または吸水性シート300を表面に含む。そのため、使用時に、化粧水等の水を十分に透過させて炭酸塩と酸との反応を促すことができる。また、通水性または吸水性シート300は、吸水性材料を含まない層120、220の上面を覆って設けられていることから、炭酸ガス発生シートからの炭酸塩または酸の粉落ちを防止することができる。なお、通水性または吸水性シート300は、本発明に必須の要素ではない。
図1(c)は、炭酸塩層100および酸層200の両方が吸水性材料を含む層である例である。炭酸塩層および酸層の両方に吸水性材料を含むため、炭酸塩または酸の厚み方向における分布を広げると共に、使用時に水分を徐々に浸透させることができ、炭酸塩と酸との反応開始の時間に幅を持たせることができる。したがって、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生を持続させることができる。
図1(d)および(e)は、図1(c)に示す構成に対して片面または両面に通水性または吸水性シート300をさらに積層した例である。通水性または吸水性シート300を表面に含むため、使用時に化粧水等の水を十分に透過させまたは保持して炭酸塩と酸との反応を促すことができる。なお、本発明の炭酸ガス発生シートにおいて通水性または吸水性シート300の層が複数含まれる場合、それらは必ずしも同一の材料でなくともよい。表面にシート300を設ける場合、酸もしくは塩基が肌と直接触れるのを防ぐことができるため、酸もしくはアルカリによる刺激を緩衝させる効果がある。
図1(f)に示す炭酸ガス発生シートは、図1(d)に示す構成に対して、通水性または吸水性シート300を有さない方の表面に相対的に通気性の低いフィルム400を設けた例である。
図1(f)の構成においては、片面に相対的に通気性の低いフィルム400を有するため、使用時に発生した炭酸ガスがフィルム配置側の面から放出されることを防止または抑制することができる。そのため、フィルム配置側の面とは反対側の面を皮膚に適用することにより、皮膚に対し炭酸ガスを集中的におよび/または長時間にわたって適用することが可能になる。
以上、図1(a)から(f)を用いて本発明の炭酸ガス発生シートの構成を説明した。しかしながらこれらは例示であり、これ以外の構成、例えば図中、炭酸塩と酸との関係が逆の構成例も本発明の範囲に含まれる。
(炭酸塩層)
炭酸塩層は、炭酸塩および/または重炭酸塩を含有する層である。炭酸塩または重炭酸塩としては、化粧料として使用する場合は、化粧料で使用できるグレードのものであれば特段の限定無く使用でき、その他の用途で使用する場合は、特段グレードを規定しない。例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、重炭酸カルシウムもしくはその誘導体等を用いることができる。炭酸塩および/または重炭酸塩は2種以上を併用しても構わない。炭酸塩および/または重炭酸塩は、固体状の組成物であり、例えば粒子の形態であることが好ましい。炭酸塩および/または重炭酸塩は、例えばシリカ等の担持体に担持させた形態であってもよい。炭酸塩および/または重炭酸塩は結晶水として水を含んでも良い。結晶水を含むと水への溶解度が高くなり、反応性が向上する。ただし、保存安定性の観点から、炭酸塩層は、加水分解や酸との反応が開始される等、変質の原因となる水分を含まないことが好ましい。炭酸塩層には、炭酸塩および/または重炭酸塩の他、熱融着性樹脂や、効果促進剤を含有させることができる。本発明に使用する炭酸塩または重炭酸塩としては、平均粒子径5〜5000μmの粒子が好ましい。平均粒子径5〜5000μmであれば、粒子の脱落が少なく、適度な粒状感により、良好な使用感が得られる。
(酸層)
酸層は、固体の酸を含有する層である。酸としては、化粧料として使用する場合は、化粧料で使用できるグレードのものであれば特段の限定無く使用でき、その他の用途で使用する場合は、特段グレードを規定しない。例えば、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、ヒアルロン酸、リン酸二水素ナトリウムもしくはその誘導体、加水分解されて酸を生じる物質等を用いることができる。酸は2種以上を併用しても構わない。酸は、固体状の組成物であり、例えば粒子の形態であることが好ましい。酸は結晶水として水を含んでいてもよい。結晶水を含むと水への溶解度が高くなり、反応性が向上する。ただし、保存安定性の観点から、酸層は、加水分解や炭酸塩との反応が開始される等、変質の原因となる水分を含まないことが好ましい。酸層には、固体の酸の他、熱融着性樹脂や、効果促進剤を含有させることができる。
本発明に使用する酸としては、平均粒子径5〜5000μmの粒子が好ましい。平均粒子径5〜5000μmであれば、粒子の脱落が少なく、適度な粒状感により、良好な使用感が得られる。平均粒子径を小さくすると溶解速度が速くなり、水に濡らしてすぐに反応が進むため、使用初期のCO2ガス発生量が多くなる。また、肌に使用する場合は、粒状感を低減することができる。一方、平均粒子径を大きくすると、水と接触した際、溶解が徐々に進むため、炭酸ガス発生の持続時間を延長する効果がある。また、平均粒子径を大きくすることで粒子脱落を少なくする効果がある。
(吸水性材料を含む層)
本発明においては、炭酸塩層および酸層の少なくともいずれか一方に、吸水性材料を含有させることを構成要件とする。この吸水性材料を含有させた層が、本発明における吸水性材料を含む層となる。
(吸水性材料)
吸水性材料としては、パルプ、麻、綿、絹、羊毛、鉱物繊維等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリ乳酸、ナイロン、ポリビニルアルコール(PVA)、高分子吸収繊維(SAF)等の合成繊維を用いることができる。吸水性材料は、例えば解繊ショートカットファイバーの形態で用いることができる。吸水性材料は、2種以上を併用しても構わない。また、吸水性材料として、吸水性樹脂粒子等の粒子の形態の助剤を用いることもできる。吸水性樹脂粒子の例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールや高分子吸収体(SAP)などが挙げられる。
炭酸塩または酸は、吸水性材料の存在により、層内で分散し、厚み方向において分布が広がって存在することができる。また、本発明の吸収性材料は、炭酸ガス発生シートの使用時に、水および水に溶解した炭酸塩または酸と接触してこれらを吸収し、保持する一方で、徐放することができるので、炭酸ガス発生シート内で、水分を徐々に浸透させることができる。したがって、炭酸ガス発生シートの使用時において、炭酸塩と酸との間の反応開始の時間に幅を持たせることができ、その結果、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間を長くすることができる。
(効果促進剤)
本発明の炭酸ガス発生シートには、その用途に応じて、1つまたは複数の効果促進剤を配合することができる。
効果促進剤としては、例えば:油性基剤、保湿剤、感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘・ゲル化剤、溶剤、噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、キレート剤、pH調整剤、酸、アルカリ、粉体、無機塩、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類およびその誘導体類、消炎剤、抗炎症剤、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、酵素、核酸、香料、色素、着色剤、染料、顔料、金属含有化合物、不飽和単量体、多価アルコール、高分子添加剤、消炎鎮痛剤、抗真菌剤、抗ヒスタミン剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌性物質、抗てんかん剤、冠血管拡張剤、生薬、補助剤、湿潤剤、収れん剤、増粘剤、粘着付与物質、止痒剤、角質軟化剥離剤、油性原料、紫外線遮断剤、防腐殺菌剤、抗酸化物質、液状マトリックス、脂溶性物質、高分子カルボン酸塩、添加剤、金属セッケン等、が挙げられる。
効果促進剤は、例えば、炭酸塩層および酸層のうちの一方または両方に配合することができる。また、他の層に加えることもできる。
(熱融着性樹脂)
本発明における熱融着性樹脂は、吸水性材料および炭酸塩または酸を結着させるバインダ樹脂となる。また、熱融着性樹脂は、炭酸ガス発生シートにおける強度付与の効果があり、形状が維持されやすくなる。
熱融着性樹脂は繊維状であってもよいし、粒子状であってもよい。強度がより高くなる点からは、熱融着性樹脂は繊維状であることが好ましい。熱融着性樹脂は、例えば、ショートカットファイバーの形態であってもよい。
熱融着性樹脂としては、例えば、融点が95℃〜130℃の低密度ポリエチレン(PE)、融点が120℃〜140℃の高密度ポリエチレン、融点が160℃〜165℃のホモポリマーまたはブロックコポリマーからなるポリプロピレン(PP)、融点が135℃〜150℃のコポリマーからなるポリプロピレン、融点が110〜190℃の低融点ポリエチレンテレフタレート(PET)、融点が100〜130℃の低融点ポリアミド、融点が110℃〜150℃の低融点ポリ乳酸、融点が115℃のポリブチレンサクシネート等が挙げられる。融点が110℃を超える熱可塑性樹脂は、本発明において好ましく使用される。熱融着性樹脂は2種類以上を併用しても構わない。
熱融着性樹脂が繊維状である場合、熱融着性繊維の繊度は1dtex〜120dtexであることが好ましく、1dtex〜85dtexであることがより好ましい。また、熱融着性繊維の平均繊維長は1〜100mmであることが好ましく、1〜60mmであることがより好ましく、2〜30mmであることがさらに好ましい。熱融着性繊維の繊度および平均繊維長が前記範囲であると、ウェブ層の形成が容易であり、均一な結着力や分散状態を得やすい。
熱融着性樹脂が粒子状である場合、熱融着性粒子の平均粒径は、1〜1,000μmであることが好ましく、10〜800μmであることがより好ましい。熱融着性樹脂の平均粒子径は使用する炭酸塩と酸粒子を完全に被覆しない範囲で適宜選択することができる。
(熱融着性樹脂の複合体)
熱融着性樹脂は2成分以上の複合体であってもよい。たとえば、融点の異なる樹脂を複合化した芯鞘繊維、長手方向に垂直な断面で異なる樹脂を使用したサイドバイサイド繊維、コアとシェルとを有するコアシェル粒子等が挙げられる。これらの中でも、異種の樹脂を容易に複合化できることから、芯鞘繊維が好適に用いられる。
芯鞘繊維としては、芯部分の融点よりも鞘部分の融点が低い芯鞘繊維が好適に用いられる。例えば、ポリプロピレン繊維(融点160℃)からなる芯部分と、該芯部分の外周に形成された、ポリエチレン(融点130℃)からなる鞘部分とを備えたPP/PE複合芯鞘繊維が挙げられる。
また、他の芯鞘繊維としては、例えば、PET/低融点PET複合芯鞘繊維、高密度ポリエチレン/低密度ポリエチレン複合芯鞘繊維、ポリエチレン/低融点PET複合芯鞘繊維、ポリアミド/低融点ポリアミド複合芯鞘繊維、ポリ乳酸/低融点ポリ乳酸複合芯鞘繊維、ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート複合芯鞘繊維等が挙げられる。 一般的な芯鞘繊維は鞘部分の融点が110℃を超えるものが多く、そのような芯鞘繊維は本発明において好ましく使用される。
本発明の炭酸ガス発生シートに芯部分の融点よりも鞘部分の融点が低い芯鞘繊維を用いた場合、鞘部分の融点以上であって芯部分の融点よりも低い温度に加熱されると、鞘部分の樹脂は溶融し、芯部分の樹脂は形状を維持する。これにより、鞘部分の溶融した樹脂は、炭酸塩層中に炭酸塩および/または重炭酸塩を保持し、および/または酸層中に酸を保持するとともに、吸水性材料と芯部分の繊維とにより構成される構造体の構成成分同士を結着する効果を示す。そのため、本発明の炭酸ガス発生シートは、シート内の空隙を確保した上でシート強度を付与し、柔らかで強度に優れたシートを提供することが可能となる。
(通水性または吸水性シート)
通水性または吸水性シート300としては、水分を通す性質(通水性)を有するシート、および水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートのうちから任意のシートを用いることができる。水分を通す性質(通水性)を有するシートとしては、水を通しさえすればよく、何ら限定はない。水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートとしては、水分を内部に取り込んで保持することができるとともに、内部の水分を放出することができるシートを使用することができる。すなわち、本発明に適用することのできる水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートは、水を通す性質(通水性)を有するシートの一種であるといえる。通水性または吸水性シート300は、JIS L1907規格に規定される沈降速度の測定方法に準じて測定される吸水速度が60秒以下であり、30秒以下であることがさらに好ましい。もしくは、JIS L1907規格に規定される滴下法による吸水(もしくは通水)速度が60秒以下であり、30秒以下であることがさらに好ましい。
通水性または吸水性シート300は、吸水性が低いほど水を通す速度が速く、これを用いた炭酸ガス発生シートでは、炭酸塩と酸との反応が迅速に進み、炭酸ガスを短時間に集中的に発生させることができる。また、通水性または吸水性シート300は、吸水性(水分の保持力)が高いほど、炭酸塩と酸との反応の開始を遅らせることができるので、炭酸ガス発生シート全体での炭酸ガスの発生の持続時間を長くすることができる。通水性または吸水性シート300は、例えば、不織布、布または他のメッシュ構造を有するシートであることができ、例えば、ワリフ(登録商標)などの特殊不織布であることができる。
また、意匠性付与や、清掃用品として使用する場合のふき取り性向上を目的として、炭酸ガス発生シートの外層となる通水性または吸水性シートの表面には、凹凸などの表面加工を施してもよい。
表面に使用する通水性または吸水性シートとして、厚手のシートや密度の低いシートを使用することで、炭酸ガス発生シートの外面に現れる粒状感を低減する効果がある。一方、薄手のシートや通水性、通気性の高いシートを使用すると、炭酸ガス発生シートの表面からの水分の浸入および発生した炭酸ガスの外部への放出が妨げられにくく、炭酸ガス発生の即時効果を得やすい。用途や目的に合わせて、通水性または、吸水性シートは適宜選択される。
(フィルム)
フィルム400としては、炭酸ガス発生シートを使用時に皮膚や曲面に沿って適用することができるような柔軟性を有し、炭酸ガス発生シートの他の層、特に、通水性または吸水性シート300と比べて通気性が相対的に低い、任意のフィルムを用いることができる。
フィルムは、通気性が低いほど、炭酸ガス発生シートの使用時に発生した炭酸ガスのフィルム配置側の面からの放出防止/抑制効果は高くなる。そのため、フィルム配置側の面とは反対側の面を皮膚または、洗浄したい部位等に適用することにより、皮膚や適用部位に対し炭酸ガスを集中的におよび/または長時間にわたって適用することが可能になるという効果を奏する。その一方で、通気性が低いと使用時の蒸れが生じ易くなるため、フィルムは適度な通気性を有していてもよい。例えば、日本工業規格JIS L1096:2010に規定される「織物及び編物の生地試験方法」によって測定される通気度が、好ましくは150cm3/cm2/s以下で、より好ましくは200cm3/cm2/s以下フィルムを用いることができる。この通気度は、所定の圧力を加えた時の単位面積、単位時間あたりのフィルムを透過する空気量であり、値が大きいほど通気性が高いことを示す。炭酸ガス発生シートの他の層、特に、通水性または吸水性シートと比べて通気性が相対的に低いフィルムを使用することで、炭酸ガスの透過に指向性を持たせることができる。
フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
(各成分の含有比率)
炭酸ガス発生シートにおける炭酸塩および酸は、コストの観点からは、それぞれ化学当量で使用されることが好ましいが、肌への影響を鑑みると酸を過配合にして、反応後のpHが5程度となるように調整することもできる。また、炭酸塩および酸の粒子径等の要因による溶解性の違いにより、炭酸塩及び酸の好ましい配合比率は異なる場合があり、適宜、調整することができる。
炭酸塩層および酸層のそれぞれにおいて、炭酸塩または酸と熱融着性樹脂との含有比率(質量基準)は、例えば2/98〜98/2であることができ、5/95〜95/5であることができ、10/90〜90/10であることができる。比率が前記範囲にあると、炭酸ガス発生シートの面内方向の炭酸塩および酸が均一に配合でき、粉落ちを抑制することができる。
炭酸塩層および酸層のそれぞれにおいて、さらに吸水性材料が含有されている場合は、炭酸塩または酸と熱融着性樹脂と吸収材料との含有比率(質量基準)は、例えば2/49/49〜96/2/2であることができ、6/47/47〜94/3/3であることができ、10/45/45〜90/5/5であることができる。比率が前記範囲にあると、炭酸塩および酸は、炭酸ガス発生シートの面内方向で均一に配置されることができるとともに、吸水性材料の存在により、層内で分散して存在することができる。また、本発明の吸収性材料は、炭酸ガス発生シートの使用時に、水および水に溶解した炭酸塩または酸と接触してこれらを吸収し、保持する一方で、徐放することができるので、炭酸ガス発生シート内で、水分を徐々に浸透させることができる。したがって、炭酸ガス発生シートの使用時において、炭酸塩と酸との間の反応開始の時間に幅を持たせることができ、その結果、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間を長くすることができる。
その他、炭酸塩層、酸層および他の層のうちの1つまたは複数の層に、1つまたは複数の効果促進剤を、適量、配合することができる。
(坪量)
炭酸ガス発生シートの坪量は、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、30〜300g/m2であることが好ましい。
<炭酸ガス発生シートの製造方法>
本発明の炭酸ガス発生シートの製造方法として、例えば、エアレイド法を採用するウェブ形成装置で吸水性材料を含む層を作製し、これに対し他の層を別途積層させる製造方法を用いることができる。そのような方法として、炭酸塩または酸を含有する吸水性材料を含む層の表面に、酸粒子または炭酸塩粒子と例えばポリエチレン(PE)のような融着性バインダ粒子との均一混合物を配置し、融着性バインダを熱により溶融させて接合する方法がある。あるいはまた、エアレイド法を採用するウェブ形成装置で吸水性材料を含む層を作製する際に、ウェブ層を搬送するためのキャリアシートに本発明の通水性または吸水性シートを用いることによって積層体を形成して、本発明に係る層構成を有する炭酸ガス発生シートを得てもよい。また、別途作製した炭酸ガス発生シートの各層を、エンボス加工やヒートシール加工により接合させてもよい。また、炭酸ガス発生シートの各層の接合面の少なくとも一方に粘着層を設けて、各層を接合させる方法などもある。製造時における炭酸塩と酸との反応を防ぐために、本発明において、これらの積層は乾式法にて行う。
乾式法により積層を行うことにより製造された本発明の炭酸ガス発生シートにおいて、酸粒子および炭酸塩粒子は、それぞれ別個の層の中に粒子の状態で存在していることができる。そのため、本発明の炭酸ガス発生シートは、酸粒子および炭酸塩粒子が同一の層に配合されている構成と比べて、周囲雰囲気中の水分によって両成分が容易に反応することが抑制され、安定性および貯蔵保存性に優れる。
(エアレイド法を採用する炭酸パックシートの製造方法)
エアレイド法を採用する本実施形態の炭酸パックシートの製造方法は、解繊工程と混合工程とウェブ形成工程と結着工程とを有する。
(解繊工程)
解繊工程は、ショートカットファイバーの形態の材料を、空気流によって解繊して解繊ショートカットファイバーを得る工程である。
ショートカットファイバーの空気流による解繊方法では、ブロアー等によって空気流を形成し、その空気流にショートカットファイバーを供給し、空気流の攪拌効果によって解繊する。
解繊方法としては、旋回する空気流で解繊することが好ましい。旋回する空気流を利用した解繊方法によれば、ショートカットファイバーを充分に解繊することができ、エアレイド法によってエアレイドウェブを形成する際に、解繊ショートカットファイバーの分散性をより高めることができる。
旋回する空気流を利用した解繊方法としては、例えば、ブロアーの中にショートカットファイバーを投入してブロアーにて解繊する方法が挙げられる。また、ブロアーによって円筒容器内に、周方向に沿うように空気を送って旋回流を形成し、その旋回流の中にショートカットファイバーを供給し、攪拌して解繊する方法が挙げられる。
空気流の流速は、ショートカットファイバーの量に応じて適宜選択されるが、通常は、10〜150m/秒の範囲内である。
(混合工程)
混合工程は、解繊ショートカットファイバーの形態の吸水性材料と炭酸塩または酸とを混合してウェブ原料を得る工程である。このとき同時に、任意の他の材料を混合することができる。任意の他の材料の形状は、繊維状でも粒子状でもよい。任意の他の材料の例としては、熱融着性樹脂、吸水性樹脂粒子、効果促進剤等の必要に応じて添加される助剤等が挙げられる。これらの材料の添加順に特に限定は無く、また、これらの材料は、混合工程よりも後の工程で、例えば散布等によって添加することもできる。
混合に際しては、解繊ショートカットファイバーの分散性を向上させるために、解繊ショートカットファイバーと他の材料とを攪拌することが好ましい。ただし、解繊ショートカットファイバーの破断を防ぐために、機械的剪断力を利用した攪拌ではなく、空気流を用いた攪拌を適用することが好ましい。
混合工程は、解繊工程の後でもよいし、解繊工程と同時でもよい。混合工程を解繊工程と同時とする場合には、解繊工程での空気流を利用して、解繊ショートカットファイバーと任意の材料を混合する。また、後述する粒子散布工程で解繊ショートカットファイバーのウェブ形成ラインに任意の粒子を投入し、混合してもよい。
(ウェブ形成工程)
ウェブ形成工程は、エアレイド法によってウェブ原料からエアレイドウェブを得る工程である。ここで、エアレイド法とは、空気流を利用して繊維を3次元的にランダムに堆積させてウェブを形成する方法である。
(粒子散布工程)
粒子散布工程は、既知の方法よってウェブ原料に粉体を配合する工程である。繊維に粉体を混合してウェブを形成する方式もしくはウェブの表面もしくはキャリアシート上に散布する方式のいずれを用いてもよい。
本実施形態におけるウェブ形成工程では、例えば、図2に示すウェブ形成装置1を用いる。このウェブ形成装置1は、コンベア10と透気性無端ベルト20と繊維混合物供給手段30と第1のキャリアシート供給手段40と第2のキャリアシート供給手段50とサクションボックス60と備える。
ここで、コンベア10は、複数のローラー11によって構成されている。透気性無端ベルト20は、コンベア10に装着されて回転するようになっている。繊維混合物供給手段30は、透気性無端ベルト20に繊維混合物を空気流と共に供給するものである。第1のキャリアシート供給手段40は、透気性無端ベルト20に向けて第1のキャリアシート41を供給するものである。第2のキャリアシート供給手段50は、透気性無端ベルト20を通過した第1のキャリアシート41に向けて第2のキャリアシート51を供給するものである。サクションボックス60は、透気性無端ベルト20をその内側から吸引するものである。
ウェブ形成装置1においては、繊維混合物供給手段30は透気性無端ベルト20の上方に設置され、第1のキャリアシート供給手段40は透気性無端ベルト20よりも上流に設置され、第2のキャリアシート供給手段50は透気性無端ベルト20よりも下流に設置されている。
上記ウェブ形成装置1を用いたウェブ形成工程では、各ローラー11を同方向に回転させることによりコンベア10を駆動させて透気性無端ベルト20を回転させる。また、透気性無端ベルト20の上に接触するように、第1のキャリアシート41を第1のキャリアシート供給手段40から繰り出す。
次いで、サクションボックス60によって透気性無端ベルト20を吸引しながら、繊維混合物供給手段30から空気流と共に繊維混合物を下降させ、透気性無端ベルト20上の第1のキャリアシート41上に繊維混合物を落下、堆積させる。これにより、エアレイドウェブAを形成する。
次いで、エアレイドウェブAの上に、第2のキャリアシート51を第2のキャリアシート供給手段50より供給して、エアレイドウェブ含有積層シートを得る。
(結着工程)
結着方式は、水を使わずに結着させる観点から、サーマルボンド方式を使用することが好ましい。サーマルボンド方式による結着工程は、エアレイドウェブを加熱処理して、解繊ショートカットファイバー同士を熱融着性樹脂によって結着させる工程である。
エアレイドウェブの加熱処理としては、熱風処理、赤外線照射処理が挙げられ、装置が低コストである点では、熱風処理が好ましい。
熱風処理としては、エアレイドウェブを、周面に通気性を有する回転ドラムを備えたスルーエアードライヤに接触させて熱処理する方法(熱風循環ロータリードラム方式)や、エアレイドウェブを、ボックスタイプドライヤに通し、エアレイドウェブに熱風を通過させることで熱処理する方法(熱風循環コンベアオーブン方式)などが挙げられる。
本実施形態のように、エアレイドウェブが第1のキャリアシートおよび第2のキャリアシートに挟まれて積層シートになっている場合には、積層シートのまま熱風処理してもよい。第1のキャリアシートおよび第2のキャリアシートは、熱風処理後にエアレイドウェブから剥離することができる。加熱処理温度は、熱融着性樹脂が溶融する温度とすればよい。例えば、一般的にサーマルボンド方式に使用されるPP、PEなどの材料を使用する場合、加熱温度を115℃以上に設定することが望ましい。
結着工程の後には、炭酸ガス発生シートの厚みおよび密度を微調整する目的で、加熱ロールに通して圧縮処理してもよい。
(作用効果)
上記製造方法では、粒子と吸水性材料の繊維とを、吸水性材料を含む層中に、効率良く含有させることができる。そのため、材料のロスが少なく、コスト削減が図れる。また、風合いの良いシートを容易に製造できる。
炭酸塩または酸は、吸水性材料を含む層において、吸水性材料の存在により層の厚み方向に分散して存在することができる。吸水性材料は、水分を徐々に浸透させることができ、炭酸ガス発生シートの使用時において、炭酸塩と酸との間の反応開始に幅を持たせることができる。その結果、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間を長くすることができる。
(炭酸ガス発生シートの用途)
以下に、本発明に係る炭酸ガス発生シートの用途を例示する。
炭酸ガス発生シートの用途としては、(1)防護用、(2)医療用、(3)建材・土木用、(4)衛生用、(5)ワイパー用、(6)農業・園芸用、(7)生活資材用、(8)工業資材用、(9)実験資材用などが挙げられる。
(1)防護用としては、例えば、防護用品が挙げられる。前記防護用品の具体的な例としては、マスク等である。
(2)医療用としては、例えば、ガーゼ、マスク、シーツ類、抗菌マット、パップ剤基布、湿布剤基布、過喚起症候群治療剤などが挙げられる。
(3)建材・土木用としては、例えば、遮水シート、保護材、防触材などが挙げられる。
(4)衛生用としては、例えば、おむつ、生理用品、救急用品、清浄用品、おしぼり、マスクなどが挙げられる。前記おむつの具体的な例としては、紙おむつ等である。前記生理用品の具体的な例としては、ナプキン、タンポン等である。前記救急用品の具体的な例としては、ガーゼ、救急絆創膏、綿棒等である。前記清浄用品の具体的な例としては、ウェットティッシュ、化粧綿、母乳パッド、清拭シート、汗吸収シート(顔・脇・首・足等用)、抗菌・除菌シート、抗ウイルス性シート、抗アレルゲンシート、抗菌防臭シート等である。前記マスクの具体的な例としては、使い捨て立体マスク等である。
(5)ワイパー用としては、例えば、ワイパー、ウェットワイパー、油こし用、複写機クリーニング材などが挙げられる。
(6)農業・園芸用としては、例えば、苗床用シート、べたがけシート、防霜シート、防草シート、園芸プランターなどが挙げられる。農業・園芸用として使用する場合、例えば、嫌気環境を作り出し、促成栽培を行うために使用することができる。
(7)生活資材用としては、例えば、包装資材、掃除用品、袋物、食品用、生活雑貨、台所用品、スポーツ用品、美容資材などが挙げられる。前記掃除用品の具体的な例としては、ワイパー、化学雑巾、たわし等である。前記袋物の具体的な例としては、乾燥剤袋等である。前記食品用の具体的な例としては、ティーバッグ、コーヒーバッグ、食品バッグ、鮮度保持材、食品吸水用シート、炭酸注入剤、食品添加物等である。前記生活雑貨の具体的な例としては入浴剤、アイマスク、冷感シート、温感シート、ネックスカーフ、手袋、防臭シート、芳香剤基材等である。前記台所用品の具体的な例としては、水切りシート、消火布等である。前記スポーツ用品の具体的な例としては、疲労回復材料等である。美容資材としては、フェイスマスク、パフ、美容パック、美容手袋等である。
(8)工業資材用としては、例えば、工業資材、電気資材、電池、製品材料、OA機器、AV機器、ロール、機器部材などが挙げられる。
(9)実験資材用としては、例えば、嫌気環境形成材、麻酔剤、虫の誘引剤などが挙げられる。
本発明の炭酸ガス発生シートは、特に、美容シート、および生活資材用シート、ガーゼなどの医療用および衛生用シート、掃除用シート、ワイパーなどの用途に好適に使用されることができる。また、上記分類に限定されることなく、同一の炭酸ガス発生シートを、多岐に亘る分野および用途において使用することができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
[実施例1]
<炭酸ガス発生シートの製造>
ショートカットのレーヨン繊維(3.3dtex、繊維長5mm)を、旋回流式ジェット気流解繊装置を用いて解繊処理して、解繊ショートカットファイバーを得た。
次いで、解繊ショートカットファイバーと、芯部分がポリエチレンテレフタレート(PET)であり鞘部分がポリエチレンテレフタレート(PET)である芯鞘型の熱融着性複合繊維(PET/PET複合芯鞘繊維)とを、70/30の割合(質量比)で空気流により均一に混合して繊維混合物を得た。
次いで、図2に示すウェブ形成装置1を用い、繊維混合物からエアレイドウェブを形成したシートを得た。
具体的には、コンベア10に装着されて走行する透気性無端ベルト20の上に、第1のキャリアシート供給手段40によって、ナイロンスパンボンド不織布(30g/m2、通気度295cm3/cm2/s)からなる第1のキャリアシート41を繰り出した。
サクションボックス60によって透気性無端ベルト20を吸引しながら、その第1のキャリアシート41の上に、繊維混合物供給手段30から空気流と共に上記繊維混合物およびクエン酸粒子を落下堆積させて、エアレイドウェブを形成した。その際、エアレイドウェブ部分あたりの繊維混合物の坪量が30g/m2となるように、繊維混合物を供給し、クエン酸粒子を50g/m2となるように配合した。
次いで、エアレイドウェブ上に炭酸水素ナトリウム粒子を50g/m2となるよう散布し、堆積させた。その上に6ナイロンスパンボンド不織布(30g/m2、通気度295cm3/cm2/s)からなる第2のキャリアシート51を積層して、エアレイドウェブ含有積層シートを得た。
得られた積層シートを、熱風循環コンベアオーブン方式のボックスタイプドライヤに通し、140℃で熱風処理して、坪量190g/m2の炭酸ガス発生シートを得た。
[実施例2]
ショートカットのレーヨン繊維を針葉樹化学パルプに変更し、エアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、針葉樹化学パルプと芯鞘型の熱融着性複合繊維(PET/PET複合芯鞘繊維)とを70/30の割合(質量比)で空気中で均一に混合しつつ、エアレイドウェブを形成した以外は実施例1と同様にして、炭酸ガス発生シートを得た。得られた炭酸ガス発生シートの坪量は190g/m2であった。
[実施例3]
第2のキャリアシートの代わりにティッシュ(坪量14g/m2)を積層し、その上にEVA系のホットメルト樹脂を5g塗布し、PEフィルム(坪量40g/m2)を貼合した以外は、実施例2と同様にして坪量219g/m2の炭酸ガス発生シートを得た。
[実施例4]
第2のキャリアシートの代わりにコットン/PETスパンレース(坪量40g/m2)を積層した以外は、実施例2と同様にして坪量200g/m2の炭酸ガス発生シートを得た。
[実施例5]
<炭酸ガス発生シートの製造>
パルプ(NBKP)と、芯部分がポリエチレンテレフタレート(PET)であり鞘部分がポリエチレン(PE)である芯鞘型の熱融着性複合繊維(PET/PE複合芯鞘繊維)とを、60/40の割合(質量比)で空気流により均一に混合して繊維混合物を得た。
クエン酸とPEパウダーとを75/25の割合(質量比)で混合し、クエン酸/PEパウダーの粒子混合物を得た。
次いで、図2に示すウェブ形成装置1を用い、繊維混合物からエアレイドウェブを形成したシートを得た。
具体的には、コンベア10に装着されて走行する透気性無端ベルト20の上に、第1のキャリアシート供給手段40によって、レーヨンスパンレース不織布(坪量28g/m2、通気度292cm3/cm2/s)からなる第1のキャリアシート41を繰り出した。
サクションボックス60によって透気性無端ベルト20を吸引しながら、その第1のキャリアシート41の上に、繊維混合物供給手段30から空気流と共に上記繊維混合物および炭酸水素ナトリウムを落下堆積させてエアレイドウェブを形成した。その際、エアレイドウェブ部分あたりの繊維混合物の坪量が100g/m2となるように、繊維混合物を供給し、炭酸水素ナトリウムを50g/m2となるように配合した。
次いで、エアレイドウェブ上にクエン酸粒子とPEパウダーの粒子混合物を100g/m2となるよう散布し、堆積させた。その上にティッシュ(坪量14g/m2)からなる第2のキャリアシート51を積層し、140℃で熱風処理した後、得られた積層シートを、熱風循環コンベアオーブン方式のボックスタイプドライヤに通した後、加熱したプレスロールで加圧した後、その上にEVA系のホットメルト樹脂を5g塗布し、PEフィルム(坪量26g/m2 )を貼合して、坪量323g/m2の炭酸ガス発生シートを得た。
[実施例6]
炭酸水素ナトリウムを100g/m2となるように配合し、クエン酸粒子とPEパウダーの粒子混合物を50g/m2となるよう散布し、堆積させた以外は、実施例5と同様にして、坪量373g/m2の炭酸ガス発生シートを得た。
[実施例7]
レーヨンスパンレース不織布の代わりにエアレイド不織布(キノクロス:坪量40g/m2)を使用した以外は、実施例5と同様にして、坪量335g/m2の炭酸ガス発生シートを得た。
[実施例8]
クエン酸とPEパウダーとを75/25の割合(質量比)の代わりに25/75の割合(質量比)で混合してクエン酸/PEパウダーの粒子混合物を得た以外は、実施例5と同様にして、坪量323g/m2の炭酸ガス発生シートを得た。
[比較例1]
ショートカットファイバーを配合しない以外は実施例1と同様にして、炭酸ガス発生シートを得た。得られた炭酸ガス発生シートの坪量は160g/m2であった。
実施例および比較例で得られた炭酸ガス発生シートについて、以下の測定および評価を行った。
(炭酸ガス発生シートのガス発生時間の測定)
得られた炭酸ガス発生シートを幅50mm、長さ50mmに裁断して、試験片を作製した。その試験片をフラスコ内に入れ、蒸留水10mlを加え、チューブにつながれたゴム栓で蓋をしてチューブの先を水槽の中に入れた後、チューブの先から出る泡の発生時間を測定した。
(評価結果)
表1に、測定試験の結果を示す。
本発明に係る炭酸ガス発生シートは、比較例に係る炭酸ガスシートと比べて、シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間が長かった。また、本発明の炭酸ガス発生シートは、粉落ちが少なく、肌触りが柔らかく風合いが良好であった。
1 ウェブ形成装置
30 繊維混合物供給手段
41 第1のキャリアシート
51 第2のキャリアシート
A エアレイドウェブ
100 吸水性材料を含む炭酸塩層
120 吸水性材料を含まない炭酸塩層
200 吸水性材料を含む酸層
220 吸水性材料を含まない酸層
300 通水性または吸水性シート
400 フィルム

Claims (5)

  1. 炭酸塩層および酸層を備える積層体であって、前記炭酸塩層および前記酸層は、隣接し
    て設けられており、前記炭酸塩層および前記酸層のうちの少なくとも一方は吸水性材料を
    含む層であり、
    前記炭酸塩層は第1の熱融着性樹脂と炭酸塩とを含み、前記酸層は第2の熱融着性樹脂と
    水溶性酸とを含み、
    前記炭酸塩層および/または前記酸層がエアレイド法により製造され、
    熱により前記熱融着性樹脂を溶融することにより得られたものであることを特徴とする炭酸ガス発生シート。
  2. 前記炭酸塩層および前記酸層の両方が前記吸水性材料を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の炭酸ガス発生シート。
  3. 前記積層体の少なくとも1つの外層の上面に通水性または吸水性シートを備えることを
    特徴とする、請求項1または2に記載の炭酸ガス発生シート。
  4. エアレイド法により製造されたことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記
    載の炭酸ガス発生シート。
  5. 前記通水性または吸水性シートは、吸水性材料を含むことを特徴とする請求項3または
    4記載の炭酸ガス発生シート。
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