JP6638150B1 - 防汚性金属、防汚性金属のコーティング方法及び防汚性金属の修復方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、一般的な金属表面にポリフルオロエーテル基を含有する化合物を含むコーティング層を形成することで良好な指紋付着防止性を付与することができる(特許文献1)。
具体的には、例えば、建材、キッチン機器、TV・IT機器、オーディオ機器、車載用金属材、エレベーターのドア・操作パネルなど、目に触れ、さらに触る機会の多くある身の回りの金属部材に適用される。
しかしながら、これらの意匠金属は、油、汚れ、指紋等が付着しやすく、また目立つために意匠性を損なうという課題があった。
そこで、金属表面の油、汚れ、指紋の付着しにくい、または、視認しにくくすることを目的に、意匠金属表面に防汚層を付与する方法が知られている。
例えば、シリコーン化合物とポリフルオロカーボン鎖を含有する化合物からなり、さらに表面粗さが0.2μm以上である層を形成することにより指紋が視認しにくい意匠金属表面とすることができる(特許文献2)。
そのため、金属表面の汚れを清掃する必要があり、最近ではより簡便に清掃するために、アルカリ電解イオン水などのアルカリ水で清掃する場合が多い。しかし、清掃時のアルカリ雰囲気において、アルカリ水を同時に使用して清掃する、あるいは洗剤や水で清掃した後にアルカリ水で清掃する場合や、さらにアルカリ水の清掃に加えて擦るなどの機械的な清掃時に、防汚層が変質したり、あるいは徐々に剥離して、短期間で防汚効果が消滅してしまう場合がある。
そこで、本発明は、指紋付着防止性能などの長期持続性の防汚性能を有し、アルカリ雰囲気と機械的耐久性の高い意匠金属を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、表面をアルカリ雰囲気において機械的に清掃しうる金属であって、パーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物からなる材料で当該表面をコーティングされた防汚性金属が提供される。
前記のパーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物からなる材料が、0.01μm以上0.1μm以下の膜厚であるコーティングされた防汚性金属であることが好ましい。
さらに、前記の金属が、表面を粗面化及び/又は着色した意匠金属である防汚性金属であることが好ましい。
前記の、表面をアルカリ雰囲気において機械的に清掃しうる金属の表面が、パーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物からなる材料でコーティングする防汚性金属のコーティング方法であることが好ましい。
さらに、表面をアルカリ雰囲気において機械的に清掃しうる金属の表面を粗面化及び/又は着色し、パーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物からなる材料でコーティングする防汚性金属のコーティング方法であることが好ましい。
前記の防汚性金属表面を修復する方法が提供される。
本発明にかかる金属は、建材、キッチン機器、TV・IT機器、オーディオ機器、車載用金属材、エレベーターのドア・操作パネル等に使用されるものである。金属の材質としては、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム及びアルミニウム合金、銅及び銅合金等が挙げられる。例えば、ステンレス鋼は本発明の表面処理された金属の典型的な金属であり、耐食性、加工性に優れているため、多くの分野で使用されている。
さらに、アルカリ電解イオン水などのアルカリ性水溶液とは、PH8〜PH12のアルカリ性水溶液が使用される。
また、「機械的」とは、洗浄する方法において、布で擦る、拭くなどの外部からの力学的な作用のあることを示す。
パーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物からなる材料は、反応性基を有するため金属表面に接して強固な被膜を形成し、良好な密着性を有する。このことから、金属の材質の制約なく、金属表面の上に強く保持される。さらに、良好な滑り性も付与できるため、良好な防汚性とアルカリ雰囲気に対する長期安定性及び機械的耐久性を実現できるという効果が得られる。
さらに、粗面化された表面及び/又は着色された意匠金属表面に対しても上述した効果が発現できる。加えて、意匠性を損なわない薄膜で防汚性と機械的耐久性を同時に満足することができる。
例えば、具体的には、パーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物、パーフルオロポリエーテル基含有アクリレート化合物などが好適である。
具体的には、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロモノエーテル、パーフルオロモノエーテル、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロアルカン、パーフルオロポリエーテル、フッ素原子含有アルケン、フッ素原子含有芳香族溶媒、フッ素原子含有ケトン、フッ素原子含有エステルなどを用いることができる。
例えば金属の材質に対するn−ヘキサデカンの接触角は、SUS304、鉄、超硬刃、アルミニウム等で20°以下でn−ヘキサデカンが濡れ広がるのに対して、パーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物のコーティング層に対するn−ヘキサデカンの接触角の例は、50°以上である。従って、上記のような接触角が観測されることにより、パーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物のコーティング層の存在が確認される。
具体的には、パーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物からなる材料でコーティングされた防汚性金属を作成し、その後の長期に渡る使用で防汚性が低下した場合に、パーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物をフッ素系溶剤で希釈した溶液を塗布することで、容易に表面のコーティング層を修復することができる。
さらには、上述の防汚性金属を使用中に、経時的な防汚性の低下を防止するため、定期的あるいは不定期に当該溶液を塗布し、防汚性を維持させることもできる。
加えて、当該溶液は、金属表面の洗浄性も有するため、使用の際に汚れた一般的な金属や意匠金属表面の清掃及び洗浄を兼ねた修復剤して使用することもできる。
粗面化及び/又は着色していない一般的な金属として、表面の平均粗さ(Ra)が0.1μmの片側を鏡面仕上げしたSUS304(長さ150mm、幅70mm、0.7mm厚)の表面に、炭素数6のパーフルオロアルキルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートとの共重合体からなるパーフルオロアルキル化合物含む溶液(溶媒:1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)を塗布、乾燥して被膜を形成した。
片側を鏡面仕上げしたSUS304(長さ150mm、幅70mm、0.7mm厚)の意匠金属表面に、炭素数6のパーフルオロアルキルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレートとの共重合体からなるパーフルオロアルキル化合物含む溶液(溶媒:1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)を塗布、乾燥して被膜を形成した。
(実施例1、2、比較例1、2)
(接触角)
塗布した金属表面のオイルのはじき性をn−ヘキサデカンの接触角で評価した。n−ヘキサデカンのはじき性は、1μLのn−ヘキサデカンを金属表面に滴下して、そのときの接触角を測定した。n−ヘキサデカンの接触角が50°以上の場合を○、50°未満の場合を×とした。
金属表面に油性マジックで2mm程度の長さの波線を書き、市販のティッシュペーパーによるふき取り性を評価した。ふき取り性は、ふき取りにより油性マジックが消えた時を1回として数え、同じ個所を書いて消す操作を5回以上繰り返すことができた場合を○、2回以上の場合を△、1回も消すことが出来なかった場合を×とした。
金属表面に市販のアルカリ電解イオン水(PH12)1ccを滴下し、その後、室温で1時間放置した。次に、市販のティッシュペーパーで100回擦り、機械的耐久性を評価した。耐久性は、表面状態の観察、並びに1μLのn−ヘキサデカンを金属表面に滴下したとき接触角を測定した。被膜に擦れなどの外観変化がない場合を○、多少傷がついた場合を△、擦り取られている場合を×とした。また、n−ヘキサデカンの接触角が50°以上の場合を○、50°未満の場合を×とした。
実施例1、2については、いずれの評価においても、防汚性及びアルカリ電解イオン水に対する機械的耐久性ともに良好な結果を示した。特に、実施例2は、バフ研磨した意匠金属であり、凹凸の頂点部も含め接触角の低下と被膜の剥がれがないことから良好な機械的耐久性を示した。一方、比較例1、2は、いずれの評価においても実施例1〜2と比較して劣る結果となった。
以上の結果より、本発明の表面処理された金属であれば、アルカリ雰囲気における高い機械的耐久性を付与することが可能であり、結果として防汚性を向上させることができる。
Claims (2)
- パーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物からなる材料でコーティングされたエレベーター用防汚性金属の表面に、パーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物をフッ素系溶媒で希釈した溶液を塗布することで表面のコーティング層を修復することを特徴とするエレベーター用金属の表面コーティング修復方法。
- 前記請求項1のパーフルオロポリエーテル主鎖を含む化合物をフッ素系溶媒で希釈した溶液の濃度が、0.005質量%以上0.5質量%以下であるエレベーター用金属の表面コーティング修復方法。
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