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JP6635284B2 - 金型の冷却構造 - Google Patents

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本発明は、金型の冷却構造の改良に関する。
樹脂材料の射出成形において、金型を閉じた際にキャビティとコアとが形成する金型の空洞部に溶融状態の樹脂融液を充填し、樹脂が冷えて固まってから金型を開け、成形品が取り出される。冷却に要する時間は、一連の成形サイクルの50%程度を占めており、生産性の向上の観点から、冷却に要する時間の短縮が強く求められている。そこで、キャビティ面やコア面の近傍に冷却穴や冷却孔を形成し、水等の冷却媒体を流通させる冷却構造を採用した射出成形用金型が存在する。
また、鋳造用金型においても、金型表面の温度を均一にするために、同様の冷却構造を採用したものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
かかる冷却構造において、冷却性能を向上させたりするために、冷却孔又は冷却穴の内部に、銅やアルミニウム等の熱伝導率の高い材料からなるパイプを差し込み、その内部に冷却媒体を流通させることが知られている。このとき、冷却孔又は冷却穴とパイプの外壁面との間に空隙が存在すると、空気により断熱されるため、冷却能力が却って低下するおそれがある。そのため、金型の冷却構造において、冷却孔又は冷却穴と、その内部に差し込まれるパイプの密着性を高めるためのいくつかの方策が提案されている。例えば、特許文献2には、金型の突起部に設けた管状の水冷穴の奥に挿入したインサート部材の孔に入れたロッド棒をガイドにして銅パイプを水冷穴に入れ、先端をインサート部材の溝に嵌め込み、垂直にした水冷穴にカシメ用パンチを入れ加圧してインサート部材及び銅パイプを接合後、垂直にした水冷穴にバルジ用パンチを入れ加圧して内側から押し広げるバルジ加工を行い、金型水冷穴への高密着銅配管を行う方法が開示されている。
特許文献3には、冷却穴と、その内部に嵌装された内筒体とを具える金型冷却構造において、前記内筒体を膨張弾性変形しやすい肉薄の金属で形成し、前記内筒体が、液圧によってその内筒体内面を加圧して膨張塑性変形させることにより、前記冷却穴の内壁に密着させる方法が開示されている。
特開平4−308705号公報 特開2007−136512号公報 特開平11−156520号公報
しかしながら、特許文献2及び3に開示された方法において、金型に形成された冷却孔又は冷却穴とその内部に差し込んだパイプとの密着性を高めるために、パイプを塑性変形させる方法を採用している。そのため、パイプの取り外しが困難で、メンテナンス性の点で問題を有している。
また、冷却能力を向上させるための他の方法として、冷却孔又は冷却穴の内面積の増大(直径の増大)、冷却媒体の流速の増大等が挙げられるが、冷却孔又は冷却穴の配置、冷却媒体の温度調整及び循環装置の性能上の制約等の理由で困難である場合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、冷却能力に優れると共に、メンテナンス性に優れる金型の冷却構造を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明は、少なくとも一部がキャビティの近傍を通過するように貫通形成された複数の直線状の冷却孔を有する金型本体と、前記冷却孔の少なくとも一部に装入され、両端が開口した直管状のインサート部材を備える金型の冷却構造において、前記インサート部材は、その外周部が前記金型本体の冷却孔の壁面と密着するように前記冷却孔の少なくとも一部に装入され、前記金型よりも熱伝導率の高い材料からなり、かつ、一方又は双方の先端から、反対側の先端に向かう方向に、複数本のスリットが、前記インサート部材を分断しないように形成されていることを特徴とする金型の冷却構造を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明に係る金型の冷却構造において、前記スリットが、前記インサート部材の軸心方向に平行な方向に沿って形成されていることが好ましい。
本発明に係る金型の冷却構造において、前記インサート部材に形成されるスリットの幅が、前記インサート部材の外径の0.02〜0.4倍であることが好ましい。
本発明に係る金型の冷却構造において、前記インサート部材の一方の先端を起点として形成されたスリットの本数が、2本以上8本以下であることが好ましい。
本発明の金型の冷却構造において、冷却孔又は冷却穴の内部に装入されるインサート部材の、一方又は双方の先端から、反対側の先端に向かう方向に、複数本のスリットが、インサート部材を分断しないように形成されている。このようなスリットにより、インサート部材の径方向に伸縮性を付与することが可能になるため、冷却孔又は冷却穴への装入時に、インサート部材の先端を径方向に縮小させることにより、冷却孔又は冷却穴の内径とほぼ等しい外径のインサート部材を用いた場合であっても、装入を容易に行うことが可能になる。また、装入後は、インサート部材の弾性により、冷却孔又は冷却穴の壁面に密着するため、カシメ加工やバルジ加工等のインサート部材の塑性変形を伴う加工が不要になる。そのため、本発明の金型の冷却構造によると、インサート部材と冷却孔又は冷却穴の密着性を確保しつつ、インサート部材の着脱を容易に行うことが可能になる。したがって、本発明の金型の冷却構造は、簡素な構成により、高い冷却能力とメンテナンスの容易性の両立を可能にするという効果を有している。また、インサート部材の肉厚や、スリットの幅及び本数を変更することにより、冷却媒体とインサート部材との接触面積や冷却媒体の流速等を制御できるため、金型本体の加工を伴うことなく、冷却能力を容易に制御できるという効果も有している。
本発明の一実施の形態に係る金型の冷却構造を含む射出成形金型の断面構造を示す概略図である。 同金型の冷却構造に適用されるインサート部材の構造を示す斜視図である。 同インサート部材を一端側から見た図である。 実施例1において、冷却孔及び冷却穴にインサート部材を装入した場合のキャビティの表面温度と、冷却孔及び冷却穴にインサート部材を装入しなかった場合のキャビティの表面温度の測定結果を示すグラフである。 実施例2において、インサート部材の外径に対するスリットの幅の比と、金型の冷却孔壁面における冷却性能との関係を熱流体解析で評価した結果を示すグラフである。 実施例3において、インサート部材に形成されるスリットの本数と、インサート部材と冷却孔もしくは冷却穴壁面との間の接触熱抵抗との関係を評価するための作図による検討例を示す。斜線部分はインサート部材と冷却孔もしくは冷却穴との接触していない領域を示す。 実施例3において、インサート部材に形成されるスリットの本数と、インサート部材と冷却孔壁面との間の接触熱抵抗との関係を評価した結果を示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る金型の冷却構造を含む金型の一例である射出成形用金型10は、金型本体の可動側12に、少なくとも一部が、可動側入れ子12aに形成されたキャビティ13の近傍を通過するように貫通形成された複数の直線状の冷却孔15の少なくとも一部に、外周部が冷却孔15の壁面と密着するように装入され、両端が開口した直管状のインサート部材17を備える金型の冷却構造を含んでいる。インサート部材17は、金型本体の可動側12よりも熱伝導率の高い材料からなり、図2に示すように、両方の先端のそれぞれを起点として、反対側の先端に向かう方向に、複数本のスリット18が、インサート部材17を分断しないように形成されている。金型本体の固定側11及び可動側12に設けられた冷却孔15の両端には、ホース固定具20が取り付けられており、冷却媒体の流通路となるホース21が接続されている。
また、金型本体の固定側11には、先端がキャビティ13の近傍に達するように形成された直線状の冷却穴16の少なくとも一部に、外周部が冷却穴16の壁面と密着するように装入され、両端が開口した直管状のインサート部材17aを備えている。インサート部材17aは、金型本体の固定側11よりも熱伝導率の高い材料からなり、インサート部材17の場合と同様、両方の先端のそれぞれを起点として、反対側の先端に向かう方向に、複数本のスリット18aが、インサート部材17aを分断しないように形成されている。なお、インサート部材17aの冷却穴16への装入を容易にするために、キャビティ13を形成する突出部を取り外し可能な固定側入れ子11aとして構成しており、インサート部材17aは、固定側入れ子11aを取り外した状態で装入するようにしている。金型本体の固定側11を一体構造とする場合には、インサート部材17aの冷却穴16への装入を可能にするために、冷却穴16を金型本体の固定側11の底面に開口するようにし、インサート部材17aを装入後、底面の開口を止め栓で塞ぐようにする。
また、冷却穴16の内部には、図1に示すように、冷却穴16を2分するように仕切るバッフル板19が設けられており、バッフル板19で仕切られた冷却穴16のそれぞれが、冷却媒体の流入口及び流出口として機能するようにしてある。
射出成形用金型10において、金型本体の固定側11に設けられた冷却孔15にはインサート部材17が装入されていないが、金型本体の可動側12と同様、インサート部材17が装入されていてもよい。また、金型本体の固定側11に冷却穴16を設けず、可動側12の場合と同様、冷却孔15のみを設け、インサート部材17を装入するようにしてもよい。また、冷却穴16は、金型本体の固定側11及び可動側12の双方に設けられていてもよい。さらには、冷却孔15を金型本体の固定側11及び可動側12の一方にのみ設けるようにしてもよい。
[金型本体]
金型本体は、固定側11と可動側12とからなり、両者が合わさった状態の際に形成されるキャビティ13に溶融状態の樹脂が射出され、冷却されて成形品となる。なお、図1では、金型の開閉機構、ガイドピン、スプルー等については図示を省略しているが、それらについては、任意の公知のものを特に制限なく用いることができる。金型本体の固定側11及び可動側12を構成する材料としては、金型に用いられる任意の公知のものを特に制限なく用いることができる。図1では、2枚金型の例について説明しているが、成形品とスプルーを離して形成する3枚金型等であってもよい。金型の大きさやキャビティの形状についても特に制限されない。また、図1では、冷却孔15として、断面に直交する方向に延びるものを、固定側11及び可動側12について各1本だけ模式的に図示して説明しているが、勿論、冷却孔15の本数はこれに制限されず、冷却孔15の径、冷却孔15が延びる方向及び複数の冷却孔15の配置等についても特に制限されない。また、冷却穴16の径及び複数の冷却穴16の配置等についても、冷却孔15の場合と同様、特に制限されない。
[インサート部材]
インサート部材17の斜視図及び一端側から見た概略図を、それぞれ、図2及び図3に示す。本実施の形態に係る金型の冷却構造に適用されるインサート部材17は、両端が開口した円筒状の形状を有し、両端のそれぞれを起点として、反対側の先端に向かう方向に、互いに対向する2本のスリット18が、軸心方向に平行に形成されている。スリット18の長さは、インサート部材17を2つ以上の部位に分断しないために、インサート部材17の全長よりも短い必要がある。このようなスリット18をインサート部材17の両端側に形成することにより、インサート部材17の全長に亘って径方向への伸縮性を付与することができる。それにより、冷却孔15の径に近い外径を有するインサート部材17を用いた場合にも、装入時にスリット18が形成された部分を径方向に縮小させることにより、冷却孔15への装入が容易になると共に、装入後は弾性により径方向に拡大し、冷却孔15の内壁に密着する。そのため、冷却孔15とインサート部材17との間の空隙の形成を抑制できる。また、スリット18の側面の分だけ表面積が増大すると共に、インサート部材17の内径が冷却孔15の径よりも小さいため、冷却媒体の流速も増大する。これらが相俟って、金型の冷却性能の向上が実現できる。
インサート部材17は、金型本体の固定側11及び可動側12の構成材料よりも熱伝導率の高い材料で構成されている。このような材料によりインサート部材17を構成することにより、金型本体から冷却媒体への熱の伝達効率を向上させると共に、インサート部材17の長手方向に沿う熱移動の効率を向上させ、冷却性能を向上させることも可能になる。金型本体の固定側11及び可動側12の構成材料よりも熱伝導率の高い材料の具体例としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。
図3に示すように、インサート部材17に形成された計4本のスリット18は、それぞれの終端を反対側の先端まで延長した場合、インサート部材17の端面を4等分するように配置されている。スリット18の配置、本数は、ここで挙げた例に限定されず、冷却性能が向上する限りにおいて、任意の本数、配置でスリット18を形成することができる。例えば、スリット18の数を両端のそれぞれについて2本より多くしてもよく、スリット18の配置についても、端面の円周を等分しない不規則な配置にしてもよい。一方のスリット18は、任意の切削加工手段および方法を用いて形成することができるが、その具体例としては、ワイヤーカッター、フライス盤等が挙げられる。
図3では、インサート部材17の両方の先端を起点として、反対側の方向に向かうスリット18が形成されている場合について図示しているが、スリット18は、冷却孔15に装入する側の先端にのみ形成されていてもよい。
インサート部材17の外径は、冷却孔15の径や形成するスリット18の本数、インサート部材17の長さ等に応じて、装入が容易で、かつ装入後の密着性が確保できるよう適宜決定されるが、冷却孔15の径とほぼ等しいことが好ましい。インサート部材17の外径が大きすぎると、装入後に応力が発生して、冷却孔15又はインサート部材17を破壊するおそれがあり、インサート部材17の外径が小さすぎると、冷却孔15との間に空隙が生じて、冷却能力が低下するおそれがある。
インサート部材17の外径と内径の比、形成されるスリット18の本数、長さ(スリット18の長さとインサート部材17の長さの比率)及び幅(スリット18の幅とインサート部材17の外径の比率)は、インサート部材17の構成材料、外径、長さ、金型本体の構成材料、冷却媒体の種類、冷却媒体の温度調整・循環装置の性能等により適宜決定されるため、一義的に決定することが難しいが、モデル系による予備実験、熱流体解析等により決定することもできる。
スリット18の幅(図3におけるw)は、インサート部材17の外径(図3におけるR)の0.02〜0.4倍であることが好ましい。
実施例1:冷却孔及び冷却穴へのインサート部材の装入の効果
図1に示すような構造を有する射出成形用金型を用い、冷却孔(16mmφ)及び冷却穴(25mmφ)にインサート部材(アルミニウム合金製、外径:25mm、内径:16mm、長さ:90mm、スリットの本数:一方の先端側に各4本、スリットの幅:2mm、スリットの長さ:60mm)を装入した場合としなかった場合において、冷却口及び冷却穴に冷却媒体(水、温度:40℃、流量:冷却孔1本あたり10L/分)を流しながら射出成型(樹脂の種類:AES、温度:220℃)の際のキャビティ表面の温度の経時変化を測定した。
冷却孔及び冷却穴にインサート部材を装入した場合のキャビティの表面温度と、冷却孔及び冷却穴にインサート部材を装入しなかった場合のキャビティの表面温度の測定結果を図4に示す。図4より明らかなように、インサート部材を装入した場合の温度Taは、インサート部材を装入していない場合の温度Tbよりも低くなっている。例えば、冷却終了温度を63℃(図4中、破線で示した温度)に設定したとすると、インサート部材を装入したことにより、冷却時間が5秒程度短縮するという結果が得られた。
実施例2:インサート部材に形成されるスリットの幅とインサート部材の外径の比と、金型の冷却孔壁面における冷却性能との関係
図5は、インサート部材(アルミニウム合金製、外径:25mmφ、内径16mmφ)に形成されるスリット(各先端側に4本:計8本、長さ:60mm)の幅とインサート部材の外径との比率と、冷却孔及び冷却穴壁面の冷却性能との関係を熱流体解析で評価したものである。例としてインサート部材を直径10mmと16mmの冷却孔に装入した場合の同一流量における冷却性能を比較したものである。尚、冷却性能は冷却孔壁面での単位時間あたりの熱交換量を示しており、インサート部材を設置していない場合を1.0としている。スリットの幅が狭すぎると、隣り合うスリット側面に形成される互いの速度境界層が干渉して熱伝達率が低下し、冷却性能が低下する。またこれを解消するためにスリットの幅を広げすぎると、表面積の減少とインサート部材内面の平均流速が低下するため、冷却性能が低下する。冷却性能の観点から、インサート部材に形成されるスリットの幅が、インサート部材の外径の0.02〜0.4倍が適切なスリットの幅であることが確認された。
実施例3:インサート部材に形成されるスリットの本数と、インサート部材と冷却孔壁面との間の接触熱抵抗との関係
インサート部材に形成されるスリットの本数による、インサート部材と冷却孔もしくは冷却穴壁面との間の接触熱抵抗を以下の方法で評価を行った。
図6に示すように、冷却孔及び冷却穴の直径をRとし、装入するインサート部材の直径をrとする。スリットの無いインサート部材を装入した場合の断面を見ると、冷却孔及び冷却穴の壁面に対し、図6(a)のように1点で接触するものとし、斜線部分がインサート部材と冷却孔及び冷却穴とが接触していない領域となる。
スリットを1本形成した状態でインサート部材を装入した場合は、弾性変形は考慮しないものとし、1点で接触しているものとする。従って、スリットの無いインサート部材を装入した場合と接触していない領域(斜線部)は同一とする。
スリットを2本形成した状態でインサート部材を装入した場合の断面を見ると、冷却孔及び冷却穴の壁面に対し、1方向に弾性変形可能とし、2点で接触するものとする。図6(b)のように、冷却孔及び冷却穴の壁面の2点で接触するように、直径rの円を2つ作図し、その2つの円の外部領域と直径Rの円の内部領域とが重なる領域(斜線部)を、インサート部材と冷却孔及び冷却穴とが接触していない領域とする。
スリットが3本の場合は、3方向に弾性変形可能であるとし、図6(c)のように接触する点は3点となり、直径rの円を3つ均等に配置する。その3つの円の外部領域と直径Rの円の内部領域とが重なる領域(斜線部)を、インサート部材と冷却孔及び冷却穴とが接触していない領域とする。
スリットの本数による斜線部の領域の面積から、接触熱抵抗を評価した結果を図7に示す。図7に示したように、スリットの本数を増加することで、接触熱抵抗が低減しており、インサート部材の弾性による変形の自由度が増すために、インサート部材と冷却孔の壁面との密着が良くなり、接触熱抵抗が低減している。スリットの本数が合計4本以上形成されていることで、スリットを設けない場合を基準として、接触熱抵抗が約90%低減される。
本発明の金型の冷却構造は、樹脂の射出成形金型における冷却時間の短縮や、鋳造金型の温度制御を初めとする金型の冷却に適用可能であり、それにより、生産効率の向上や成形品の品質の向上が、簡素な構成により達成できる。
10:射出成形用金型
11:固定側
11a:固定側入れ子
12:可動側
12a:可動側入れ子
13:キャビティ
15:冷却孔
16:冷却穴
17、17a:インサート部材
18、18a:スリット
19:バッフル板
20:ホース固定具
21:ホース

Claims (4)

  1. 少なくとも一部がキャビティの近傍を通過するように貫通形成された複数の直線状の冷却孔を有する金型本体と、前記冷却孔の少なくとも一部に装入され、両端が開口した直管状のインサート部材を備える金型の冷却構造において、
    前記インサート部材は、その外周部が前記金型本体の冷却孔の壁面と密着するように前記冷却孔の少なくとも一部に装入され、前記金型よりも熱伝導率の高い材料からなり、かつ、一方又は双方の先端から、反対側の先端に向かう方向に、複数本のスリットが、前記インサート部材を分断しないように形成されていることを特徴とする金型の冷却構造。
  2. 前記スリットが、前記インサート部材の軸心方向に平行な方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項記載の金型の冷却構造。
  3. 前記インサート部材に形成されるスリットの幅が、前記インサート部材の外径の0.02〜0.4倍であることを特徴とする請求項1又は2記載の金型の冷却構造。
  4. 前記インサート部材の一方の先端を起点として形成されたスリットの本数が、2本以上8本以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の金型の冷却構造。
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