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JP6635033B2 - 水蒸気透過度評価方法及び水蒸気透過度評価装置 - Google Patents

水蒸気透過度評価方法及び水蒸気透過度評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、水蒸気透過度評価方法及び水蒸気透過度評価装置に関する。より詳しくは、ガスバリアーフィルム等の水蒸気透過度及び当該水蒸気透過度の面内のばらつきを同時に評価する水蒸気透過度評価方法に関する。
従来、プラスチック基板やフィルムの表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム又は酸化ケイ素等の金属酸化物を含む薄膜(ガスバリアー層)を形成したガスバリアーフィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスによる変質を防止する目的で、各種ガスの遮断を必要とする物品を包装する用途で広く用いられている。また、上記包装用途以外にも、各種ガスによる変質を防止するため、太陽電池、液晶表示素子又は有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう。)等の電子デバイスを封止する用途にも使用されている。ガスバリアーフィルムは、ガラス基板と比べてフレキシブル性に優れており、ロール式での生産適性や、電子デバイスの軽量化及び取扱い性の点において優位である。
しかしながら、透明プラスチック等のフィルム基板は、ガラス基板に対しガスバリアー性が劣るという問題がある。ガスバリアー性が劣る基板を用いると、水蒸気や酸素が浸透してしまい、例えば、電子デバイス内の機能を劣化させてしまうという問題がある。
ガスバリアー性の評価方法として、従来用いられてきた水蒸気透過度の評価は、カップ法(JIS Z 0208−1976)やいわゆるモコン法(JIS K 7129−1992 B法)等である。これらの方法のうち、測定可能な範囲の広いモコン法であっても水蒸気透過度が5×10−2〜5×10g/m/24hの範囲が対象となっている。しかし、液晶基板や有機EL基板等には、更に高感度の水蒸気透過度の評価が要求されている。
ガスバリアーフィルムのガスバリアー性を評価する方法として、上記方法に加えて、水蒸気透過度を測定するカルシウム腐食法(以下、カルシウム法又はCa法ともいう。)が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
また、カルシウム腐食法に関連して、特許文献1及び特許文献2等に開示されている方法が知られている。これらの方法はガスバリアーフィルムの片面に、水分と反応して腐食する金属層を真空プロセスにて形成させた後、水蒸気不透過性金属でこの面を封止した水蒸気透過度評価セルを使用し、腐食したフィルム試料の反射画像を撮影して、単位面積当たりの腐食点個数、腐食面積、腐食の色調等の画像解析によって、腐食する金属の腐食面積と腐食性金属層の厚さから算出される金属腐食物の体積から、金属と反応する水分量を定量的に評価する方法である。
これらのカルシウム腐食法は、従来のモコン法等よりも高感度に水蒸気透過度を測定することができるが、所定の時間において金属層が厚さ方向にどの程度腐食されているかを考慮していない。また、これらの方法は、ガスバリアーフィルム全体の水蒸気透過度や欠陥分布をバルクとして評価することを主眼としたものであり、ガスバリアーフィルム面内の水蒸気透過度のばらつきについては言及していない。
特開2004−333127号公報 特開2005−181300号公報
SVC−47th Annual Technical Conference Proceedings, P654(2004)
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、ガスバリアーフィルム等の水蒸気透過度及び当該水蒸気透過度の面内のばらつきを同時に評価する水蒸気透過度評価方法及び当該評価方法を行う水蒸気透過度評価装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、水分と反応して腐食する腐食性金属を形成した水蒸気透過度評価セルによって、ガスバリアーフィルム等の水蒸気透過度を評価するときに、特定のステップを含む評価方法によって、ガスバリアーフィルムの面内の水蒸気透過度及び当該水蒸気透過度のばらつきを同時に測定できる、新規な水蒸気透過度評価方法を見出した。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.水分と反応して腐食する腐食性金属を用いる水蒸気透過度の評価方法であって、少なくとも下記ステップ(1)〜()を含むことを特徴とする水蒸気透過度評価方法。
(1)水分不透過基板と、水分と反応して腐食する腐食性金属層と、評価試料とをこの順に設けた水蒸気透過度評価セルを作製するステップ。
(2)水蒸気に曝す前後において、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面側から光を入射して前記腐食性金属層の光学的特性の変化を測定するステップ。
(3)前記腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ表面積が0.01〜3mmの範囲内である一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定するステップ。
(4)前記測定で得た光学的特性の変化量から腐食部分の体積を算出し、当該体積に基づき水蒸気透過度を算出するステップ。
(5)前記ステップ(4)において得られた各部分の水蒸気透過度に基づき、平均値と標準偏差を算出するステップ。
(6)前記ステップ(3)において、さらに、前記腐食性金属層の指定した範囲内を、前記単位面積を2種以上変えて等分し、複数の分割数において、前記相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定し、前記ステップ(4)及びステップ(5)によって、平均値と標準偏差を算出して、算出値の精度を確認するステップ。
2.前記ステップ(2)が、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面側から光を入射し、反対側の面から出射する透過光を撮影して画像を得るステップであることを特徴とする第1項に記載の水蒸気透過度評価方法。
3.前記腐食性金属層の表面積が、1cm以上であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の水蒸気透過度評価方法。
4.前記腐食性金属層の表面積の合計が10cm以上となるように、前記水蒸気透過度評価セルを複数個用いることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の水蒸気透過度評価方法。
.前記ステップ(1)が、前記評価試料と前記水分不透過基板とを光硬化型接着剤又は熱硬化型接着剤によって貼合して水蒸気透過度評価セルを作製することを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の水蒸気透過度評価方法。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の水蒸気透過度評価方法を行う水蒸気透過度評価装置であって、
水蒸気透過度評価セルの一方の面に対して斜め方向又は法線方向から照明光を照射する手段と、
前記水蒸気透過度評価セルからの反射光又は反対側の面から出射する透過光のいずれかを測定する手段と、
前記腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ表面積が0.01〜3mmの範囲内である一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量から、データ解析をして腐食部分の面積と厚さを算出する手段と、
得られた腐食部分の面積と厚さから水蒸気透過度及び水蒸気透過度のばらつきを計算する手段と、
を具備することを特徴とする水蒸気透過度評価装置。
本発明の上記手段により、ガスバリアーフィルム等の水蒸気透過度及び当該水蒸気透過度の面内のばらつきを同時に評価する水蒸気透過度評価方法及び当該評価方法を行う水蒸気透過度評価装置を提供することができる。
可撓性を有する有機EL素子等の電子デバイスにおいて、水蒸気に対する高いガスバリアー性を有するガスバリアーフィルムの使用が必要であり、当該ガスバリアーフィルムの欠陥等による水蒸気透過度の上昇が電子デバイスの劣化につながる。従来のカルシウム腐食法による水蒸気透過度評価方法は、専らフィルム全体の水蒸気透過度を測定するものに対して、本発明の方法は、フィルム全体の水蒸気透過度の評価に加えて、より微細領域の水蒸気透過度及び当該水蒸気透過度の面内のばらつきを同時に評価することが可能であり、当該評価によってガスバリアーフィルムのガスバリアー性の質をより精度よく定量的に評価できるものである。
本発明に係る水蒸気透過度評価セルの模式図 本発明に係る水蒸気透過度評価システムの一例を示す概略構成図 本発明に係る水蒸気透過度評価システムの別の一例を示す概略構成図 本発明に係る水蒸気透過度評価システムの主要構成を示すブロック図 水蒸気透過度算出処理の流れを示すフローチャート 本発明の水蒸気透過度評価方法によって測定された実施例
本発明の水蒸気透過度評価方法は、水分と反応して腐食する腐食性金属を用いる水蒸気透過度の評価方法であって、少なくとも前記ステップ(1)〜()を含むことを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明では、腐食性金属層の光学的特性の変化を測定し解析する際に、当該部位全体に加えて、当該部位をさらに細分化し、その各部位に対してそれぞれ光学的特性の変化量をデータ解析し、当該データより当該部位の水蒸気透過度を算出し、さらに水蒸気透過度のばらつきを算出するステップを含むことを特徴とする。本発明の方法によって、例えば評価試料であるガスバリアーフィルム全体の水蒸気透過度及び微細領域の水蒸気透過度と当該領域の水蒸気透過度のばらつきを評価することができ、ガスバリアー性の質をより精度良く定量的に評価することができる。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記ステップ(2)が、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面側から光を入射し、反対側の面から出射する透過光を撮影して画像を得るステップであることが、腐食性金属層の腐食した厚さを精度よく評価でき、水蒸気と反応した金属体積の算出精度が向上する観点から、好ましい。
また、本発明では測定精度をより高めるために、前記腐食性金属層の表面積が、1cm以上であること、当該表面積の合計が10cm以上となるように、前記水蒸気透過度評価セルを複数個用いること、及び前記10等分以上に分割した腐食性金属層の等分された表面積が、0.01〜3mmの範囲内とすることである。
さらに、前記ステップ(3)において、腐食性金属層の指定した範囲内を、前記単位面積を2種以上変えて等分し、複数の分割数において、前記相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定し、前記ステップ(4)及びステップ(5)によって、平均値と標準偏差を算出して、算出値の精度を確認するステップを有することが、好ましい実施態様である。
また、前記ステップ(1)が、前記評価試料と前記水分不透過基板とを光硬化型接着剤又は熱硬化型接着剤によって貼合して水蒸気透過度評価セルを作製することが、水蒸気透過度評価セルの透明性と腐食性金属層の封止をバランスさせる観点から、好ましい。
本発明の水蒸気透過度評価方法を行う水蒸気透過度評価装置は、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面に対して斜め方向又は法線方向から照明光を照射する手段と、前記水蒸気透過度評価セルからの反射光又は反対側の面から出射する透過光のいずれかを測定する手段と、前記腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ表面積が0.01〜3mm の範囲内である一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量から、腐食部分のデータ解析をして面積と厚さを算出する手段と、得られた腐食部分の面積と膜厚から水蒸気透過度を算出し、平均値と標準偏差を計算する手段と、を具備することが特徴である。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪本発明の水蒸気透過度評価方法の概要≫
本発明の水蒸気透過度評価方法は、水分と反応して腐食する腐食性金属を用いる水蒸気透過度の評価方法であって、少なくとも下記ステップ(1)〜()を含むことを特徴とする。
(1)水分不透過基板と、水分と反応して腐食する腐食性金属層と、評価試料とをこの順に設けた水蒸気透過度評価セルを作製するステップ。
(2)水蒸気に曝す前後において、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面側から光を入射して前記腐食性金属層の光学的特性の変化を測定するステップ。
(3)前記腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ表面積が0.01〜3mmの範囲内である一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定するステップ。
(4)前記測定で得た光学的特性の変化量から腐食部分の体積を算出し、当該体積に基づき水蒸気透過度を算出するステップ。
(5)前記ステップ(4)において得られた各部分の水蒸気透過度に基づき、平均値と標準偏差を算出するステップ。
(6)前記ステップ(3)において、さらに、前記腐食性金属層の指定した範囲内を、前記単位面積を2種以上変えて等分し、複数の分割数において、前記相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定し、前記ステップ(4)及びステップ(5)によって、平均値と標準偏差を算出して、算出値の精度を確認するステップ。
かかる構成によって、評価試料全体の水蒸気透過度に加えて微細領域の水蒸気透過度及び当該領域の水蒸気透過度のばらつきを同時に評価し、当該評価によって評価試料のガスバリアー性の質をより精度良く定量的に評価できるものである。
例えば、ガスバリアーフィルムは、フィルム全体の水蒸気透過度が低いことに加えて、面内の水蒸気透過度のばらつきが小さいことが望ましい。従来の水蒸気透過度の評価方法では専らフィルム全体の水蒸気透過度について評価することを狙いとしてきたが、本発明の評価方法によれば、フィルム全体の水蒸気透過度に加えて面内の水蒸気透過度のばらつきを簡易に評価することができるため、ガスバリアー性の質をより精度良く定量的に評価することができる。そのため、本発明の水蒸気透過度評価方法は、ガスバリアーフィルムの設計を支援する有力な評価方法となり得る。
<本発明の水蒸気透過度評価方法の構成>
本発明の水蒸気透過度評価方法は、腐食性金属を有する水蒸気透過度評価セルによって少なくとも前記(1)〜(5)のステップにて、ガスバリアーフィルム等の水蒸気透過度及び水蒸気透過度のばらつきを評価する水蒸気透過度評価方法である。
また、本発明の水蒸気透過度評価装置は、上記(1)〜()のステップを順次行うことができる装置であって、水蒸気透過度評価セルの一方の面に対して斜め方向又は法線方向から照明光を照射する手段と、前記水蒸気透過度評価セルからの反射光又は反対側の面から出射する透過光のいずれかを測定する手段と、前記腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ表面積が0.01〜3mmの範囲内である一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量から、腐食部分のデータ解析をして面積と厚さを算出する手段と、得られた腐食部分の面積と厚さから水蒸気透過度及び水蒸気透過度のばらつきを計算する手段と、を具備することが好ましい。
〔1〕水蒸気透過度評価方法
以下、各ステップの詳細を説明する。
(1)水蒸気透過度評価セルを作製するステップ
このステップは、水分不透過基板と、水分と反応して腐食する腐食性金属層と、評価試料とをこの順に設けた水蒸気透過度評価セルを作製するステップである。
本発明に係る水蒸気透過度評価セル(以下、簡単に評価セルともいう。)は、その内部に水分と反応して腐食する腐食性金属層(以下、単に腐食性金属層ともいう。)を有する。
図1に、本発明に係る水蒸気透過度評価セルの一例を示す模式図を示す。
水蒸気透過度評価セルFは、まず水分不透過基板1上に水分と反応して腐食する腐食性金属層2を形成する。
本発明に係る水分不透過基板1とは、水分の透過をせず、透明であるものが好ましく、ガラス基材であることが好ましい。例えば、ソーダライムガラス、ケイ酸塩ガラスなどが挙げられ、ケイ酸塩ガラスであることが好ましく、具体的には、シリカガラス又はホウケイ酸ガラスであることがより好ましい。ガラス基材の厚さは、0.1〜2mmの範囲内であり、透明であることが透過光で画像撮影する際にノイズを持ち込まない観点から好ましい。
本発明に係る腐食性金属とは、水分と反応して腐食する金属層を構成する金属であって、光学的特性が変化する金属であることが好ましい。
具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はその合金が好ましく、リチウムやカリウムなどのアルカリ金属、又はカルシウム、マグネシウムやバリウムなどのアルカリ土類金属が挙げられる。中でも安価で比較的蒸着膜を形成しやすいカルシウムであることが好ましい。
カルシウムは、水分と化学結合を起こすことで、水酸化カルシウムに変化し、銀色から透明に変色する。例えば、カルシウムの光反射率や光透過率又は輝度値の変化を測定することで、腐食の程度を解析することができ、水蒸気透過度を測定することができる。
腐食性金属層2の形成は蒸着でも塗布でも限定はされないが、作業性、層厚の制御の観点から蒸着であることが好ましい。例えば以下のように実施する。金属蒸着源を有する真空蒸着装置を用い、水分と反応して腐食する金属を、蒸着させたい部分以外をマスクした評価対象の水分不透過基板1に蒸着させる。真空蒸着装置を用いることは、蒸着後大気に触れることなしに後述する封止材である接着剤層3によって腐食性金属層を封止できることから、好ましい。また、当該腐食性金属層2は評価試料6上に設けてもよい。
腐食性金属層の層厚は10〜500nmの範囲内であることが好ましい。蒸着によって形成された水分と反応して腐食する金属層の厚さが10nm以上であると、金属層が水分不透過基板1上に均一に形成されるため好ましい。一方、500nm以下であると、接着剤で封止する際に、水分と反応して腐食する金属層が形成されている部分と形成されていない部分の境目の段差を小さくすることで、境界部での剥離や封止欠陥ができにくくなるため好ましい。
腐食性金属層の形成表面積は、後述するステップ(3)において、腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定する観点から、1cm以上であることが好ましく、1〜1000cmの範囲内であることがより好ましく、1〜500cmの範囲内であることがさらに好ましい。
実際の測定に当たっては、評価試料全体の水蒸気透過度を精度良く評価する観点から、評価対象の腐食性金属層の表面積の合計が10cm以上となるように、前記水蒸気透過度評価セルを複数個用い、得られた水蒸気透過度の平均値を得ることが好ましい。
当該腐食性金属層2を形成した後はマスクを取り去り、大気に触れないうちに、接着剤層3として光硬化型接着剤含有層又は熱硬化型接着剤含有層によって封止し、次いで評価試料6と貼合する。
接着剤層3に用いられる接着剤は、特に限定されず、通常接着剤、粘着剤として用いられるもの、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられ、アクリル酸系オリゴマー又はメタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化性又は熱硬化性接着剤、エポキシ系等の熱硬化性又は化学硬化性(二液混合)接着剤、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤等が好ましく用いることができる。
本発明では、シート状に加工された接着剤を用いることが好ましい。
シート状タイプの接着剤を用いる場合には、常温(25℃程度)では非流動性を示し、かつ、加熱すると50〜120℃の範囲内の温度で流動性を発現するような接着剤を用いる。
接着剤層の厚さとしては、特に制限はなく、接着シートの用途等に応じて適宜選定されるが、好ましくは0.5〜100μmの範囲、より好ましくは1〜60μmの範囲、更に好ましくは3〜40μmの範囲である。接着強度の観点から0.5μm以上であることが好ましく、100μm以下であれば封止端からの水分影響を小さくすることができる。
接着剤層の厚さ50μmにおける水蒸気透過度は、40℃、相対湿度90%の雰囲気下で、好ましくは25g/m/day以下、より好ましくは10g/m/day以下、更に好ましくは8g/m/day以下である。水蒸気透過率が25g/m/day以下であれば、端部からの水浸入を防止することができる。
接着剤の光透過率は、全光透過率で80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。全光透過率が80%未満となると入射した光のロスが大きくなり評価に支障を生じる。全光線透過率は、JIS K 7375:2008「プラスチック−全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に従って測定することができる。
評価試料6は特に限定されるものではないが、本発明が好ましく適用できる試料としてガスバリアーフィルムが挙げられ、当該ガスバリアーフィルムとして基材フィルム4上に形成されているガスバリアー層5は、本発明に係る評価セルにおいては腐食性金属層2の面側に配置されることが好ましい。
以下、本願では評価試料としてガスバリアーフィルムを前提に説明をする。
また、接着剤及びガスバリアーフィルムに残存する水分等の影響を抑えるために、水蒸気透過度評価セルは前処理を行うことが好ましい。特に接着剤と腐食性金属が直接接触するようなCaセル構成の場合は、接着剤の残存水分量が0〜2000ppmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは10〜1000ppmの範囲内である。
この範囲より大きい場合は、腐食性金属と接着剤の水分との反応の影響が大きくなり、評価に支障が生じる。一方、小さい場合は非常に長い処理時間を要することになり、現実的ではない。残存水分量の測定方法としては、カールフィシャー法やGC−MASS法など既知の方法を用いることができる。
また場所による残留水分量が異なる場合があり、作製したCaセルの腐食性金属部にムラが生じる場合があるので、残存水分量が所定範囲内に入っている場合でも前処理をすることが望ましい。
前処理の方法としては、真空下若しくは低水分濃度環境下に曝すことによりなされる。処理温度・時間は、フィルムの耐熱性や接着剤の耐熱性・硬化条件によって適宜決めればよいが、例えば室温環境であれば4時間以上真空若しくは低水分濃度環境に曝すことが望ましい。
(2)腐食性金属層の光学的特性の変化を測定するステップ
ステップ(2)は、水蒸気に曝す前後において、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面側から光を入射して前記腐食性金属層の光学的特性の変化を測定するステップであり、後述する水蒸気透過度評価装置の照明装置及び測定装置によって、腐食性金属層の腐食部分の光学的特性の変化を測定するステップである。
前記測定する手段は、光電子増倍管(Photomultiplier tube)又は分光器を用いることができる。
分光器を用いる場合は、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面側から光を入射し、反射光又は透過光によって、前記腐食性金属層の光学的特性の変化をスポット的に移動しながら測定することが好ましい。
また、腐食金属層の指定した範囲を画像として撮影する場合は、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面側から光を入射し、反射光又は透過光を、エリア型、若しくはラインセンサ型のCCD、又はCMOSカメラを用いて撮影することができ、中でもエリア型のCCD、又はCMOSカメラを用いることが好ましい。
ステップ(2)は、水蒸気に曝す前後において、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面側から光を入射して前記腐食性金属層の光学的特性の変化を測定するステップであるが、評価セルに入射した光の反射光を測定する場合と透過光を測定する場合がある。ガスバリアーフィルムが透明であれば、透過光を測定するステップであることが好ましい。
これは、本発明では腐食部分の光学的特性の変化を測定し、当該部位の光学的特性の変化量を求め、データ処理によって腐食部分の面積と厚さから腐食金属の体積を算出する観点から、機器からの反射光等によるノイズ等の影響の少ない透過光を測定することが好ましい実施態様である。
測定は、水蒸気に曝した後は所定の時間毎に行うことが好ましい。こうして、腐食が経時的にどのように進行するかをデータ化することができる。
「水蒸気に曝す」とは、前記評価セルを、例えば恒温恒湿槽に格納して水蒸気と接触させることをいう。当該恒温恒湿槽の温度及び湿度条件は適宜選択されるものであるが、例えば、温度は室温〜90℃の範囲であることが好ましく、相対湿度は40〜90%RHの範囲であることが好ましい。また、当該恒温恒湿槽への格納時間は、特に定めるものではないが、10〜2000時間程度から選択されることが好ましく、格納時間中に適当な間隔で一旦評価セルを取り出し、評価してもよい。
(3)データ処理による光学的特性の変化量の測定ステップ
ステップ(3)は、前記腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定するステップである。
一定の単位面積とは、前記10等分以上に分割した腐食性金属層の等分された表面積が、0.01〜3mmの範囲内である。さらに好ましくは0.1〜2mmの範囲内である。これは、分割面積が3mm以下であれば、データが離散的にならず、ばらつきを充分に表現でき、一方、分割面積が0.01mm以上であれば、腐食性金属層の腐食による消失部分の影響が小さくなり、ばらつきの算出に問題が生じない理由による。
光学的特性とは前記したように、腐食性金属層の光反射率、透過率又は輝度値であり、これら特性の所定の時間内での変化量をデータ解析から求める。データ解析はCPU(Central Processing Unit)に制御され、後述する専用のデータ処理部14において行われる。
また、ステップ(3)において、さらに、前記腐食性金属層の指定した範囲内を、前記単位面積を2種以上変えて等分し、複数の分割数において、前記相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定し、後述するステップ(4)及びステップ(5)によって、平均値と標準偏差をそれぞれ算出して、算出値の精度を確認するステップ(6)を有する。
(4)水蒸気透過度算出ステップ
ステップ(4)は、後述するデータ処理部(水蒸気透過度算出部14b)において、前記データ処理によって得た光学的特性の変化量から腐食部分の厚さを算出し、腐食部分の面積に乗じることで腐食部分の体積を算出し、当該データに基づき水蒸気透過度を算出するステップである。
例えば、ステップ(1)で腐食性金属層の表面積を1cmで形成し、ステップ(2)によって撮影された画像データを、面積が1mmずつとなるように100等分に分割し、水蒸気に曝す前後の相互に対応する各部分の光学的特性(光反射率、光透過率又は輝度値)の変化量から換算される腐食性金属層の厚さを算出し、面積に乗ずることで腐食された金属層の体積を算出する。
腐食された金属層の厚さは、光学的特性(光反射率、光透過率又は輝度値)の変化量が腐食性金属と化学結合した水蒸気量に比例するため、上記変化量に基づいて求めることが可能である。
具体的には、あらかじめ形成された腐食性金属層の水蒸気に曝す前の光学的特性を測定し、次いで本発明の評価における温湿度条件でモデル的に水蒸気に曝して腐食させながら、当該光学的特性の変化部位をトレースする。同時に、腐食した金属層の厚さを光学顕微鏡等でモニターしながら、測定された光学的特性の変化量と対応する腐食された金属層の厚さの関係を解析し、検量線を作成しておく。
本法では、光学的特性の変化量と対応する腐食された金属層の厚さは、Lambert−Beerの法則に則ることができ、ある特定の範囲であれば一次関数で近似することもできる。
また、求められた腐食された金属層の厚さから、下記腐食率(%)として求めることもでき、腐食された金属層の体積を求めるときに、当該腐食率を用いることもできる。
腐食率(%)=(腐食された金属層の厚さ/あらかじめ形成した腐食性金属層の厚さ)×100
モデル実験においては、限定されるものではないが、光学的特性の変化量を精度良く測定することが必要であるので、測定環境の光反射等による影響(ノイズ)を考慮しなくてもよい、透過光を撮影して画像を得る方法であることが、好ましい。
したがって、上記モデル実験によって得られる検量線から腐食した金属層の厚さを知ることができるため、恒温恒湿度処理を施した水蒸気透過度評価セルの腐食する金属の腐食面積とその厚さから算出される腐食金属物の総体積を経時的に観察することによって、腐食性金属と反応した水分量が算出されるため、評価試料の水蒸気透過度を定量的に評価できる。
腐食性金属は水分と反応することで金属水酸化物に変化する。下記式(1)に示すように、価数aの金属1molはamolの水分と反応し、1molの金属水酸化物を生成する。
(式1) M + aHO → M(OH) + (a/2)H
よって水蒸気透過量は、恒温恒湿処理時間、水蒸気透過度評価セルの腐食性金属層の表面積と処理後の腐食された金属表面積、腐食した腐食性金属層の厚さ、腐食性金属の腐食部分の厚さ補正係数、腐食後の金属水酸化物の密度から求めることができる(式3)。
恒温恒湿処理後の金属水酸化物のモル量(X):
(式2) X=(δ×t×d(MOH))/M(MOH)
水蒸気透過度(g/m/day):
(式3) 水蒸気透過度(g/m/day)=X×18×m×(10/A)×(24/T)
恒温恒湿処理時間 : T(hour)
腐食性金属層の表面積 : A(cm
腐食した腐食性金属層の厚さ : t(cm)
腐食された金属表面積 : δ(cm
腐食後の金属水酸化物分子量 : M(MOH)
腐食後の金属水酸化物密度 : d(MOH)(g/cm
腐食性金属の価数 : m
ここで、腐食した腐食性金属層の厚さは、前記光学的特性の変化量から腐食率を求め厚さに換算したものである。
(5)水蒸気透過度の平均値と標準偏差を算出するステップ
ステップ(5)は、前記ステップ(4)において得られた、一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割した各部分の水蒸気透過度のデータに基づき、後述するデータ処理部(水蒸気透過度分布算出部14c)で、平均値と標準偏差を算出するステップである。平均値及び標準偏差ともに常法によって求めることができ、平均値は算術平均値である。また、ばらつきを表現するのにヒストグラムを用いることも好ましいため、データ処理部(水蒸気透過度分布算出部14c)でヒストグラムを作成することも好ましい。
(標準偏差の求め方)
標準偏差は、水蒸気透過度の値を対数に変換した値から、下記に示す方法で算出する。
水蒸気透過度の値を対数に変換したN個のデータ x1, x2, ..., xNを母集団とし、その母集団の相加平均(母平均)mを下記数式1によって求める:
Figure 0006635033
次に、上で求めた母平均 mを使って下記数式2で分散を求める。
Figure 0006635033
この分散(σ)の正の平方根σを、標準偏差とする。
例えば、ガスバリアーフィルム全体の水蒸気透過度を知るには、上記分割した各部分のデータの平均値を算出することで行うことができるが、さらに下記方法を採用することが好ましい。
前記腐食性金属層の表面積の合計を10cm以上となるように、前記水蒸気透過度評価セルを複数個用い、それらから得られた画像データを1画像へ合成して、各セルの水蒸気透過度の算術平均値を求めフィルム全体の水蒸気透過度とし、さらにそれぞれのセルで一定の単位面積で分割した箇所の水蒸気透過度の標準偏差を求めて、フィルム全体のばらつきを算出することが好ましい。このような処理フローもデータ処理部(水蒸気透過度分布算出部14c)で行うことができる。また、各水蒸気透過度評価セルで分割した各部分のデータを算出し、その各データを合わせ標準偏差を算出してもよい。
複数の水蒸気透過度評価セルを合算することで各評価セルのばらつきだけでなく、よりフィルム全体の特性を表すことができる。
〔2〕水蒸気透過度評価装置及びシステム
以下、本発明に好ましい水蒸気透過度評価装置及びシステムについて、その一例を説明する。
〔2−1〕水蒸気透過度評価装置及びシステムの構成
本発明の水蒸気透過度評価装置は、前記(1)〜(5)のステップを順次行うことができる装置であって、水蒸気透過度評価セルの一方の面に対して斜め方向又は法線方向から照明光を照射する手段と、前記水蒸気透過度評価セルからの反射光又は反対側の面から出射する透過光のいずれかを測定する手段と、前記腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ表面積が0.01〜3mm の範囲内である一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量から、腐食部分のデータ解析をして面積と厚さを算出する手段と、得られた腐食部分の面積と厚さから水蒸気透過度及び水蒸気透過度のばらつきを計算する手段と、を具備することが好ましい。
以下、本発明で好ましい測定手段であるCCDカメラを用いた撮像装置、及びそれによって撮像された画像を用いた画像処理を例にとって、水蒸気透過度評価装置及びシステムを説明する。
本発明の水蒸気透過度評価装置及び水蒸気透過度評価システムの構成の一例として、図2A及び別の一例として図2Bに示す。また、水蒸気透過度評価システム100の機能ブロック図を図3に示す。
図2Aに示すとおり、本発明の水蒸気透過度評価方法に用いる水蒸気透過度評価システム100は、データ処理装置10、撮像調整装置20、撮像装置30、試験片観察台40、外部出力装置50及び照明装置60を備えていることが好ましい。
撮像装置30及び照明装置60は、評価セルの一方の面に対して斜め方向から照射し、その反射光を測定する場合もあり、その場合は図2B示した撮像装置31及び照明装置61の配置であることが好ましい。
[データ処理装置]
データ処理装置10は、撮像調整装置20及び撮像装置30と相互に通信可能に接続されている。以下において、データ処理装置10の各構成について説明する。
図3に示すとおり、データ処理装置10は、制御部11、記録部12、通信部13、データ処理部14(局所水蒸気透過度算出部14a、水蒸気透過度算出部14b、水蒸気透過度分布算出部14c)及び操作表示部15等を備え、バス16により各部が相互に通信可能に接続されている。
制御部11は、データ処理装置10の動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)11aと、CPU11aがプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するためのワークメモリーとして機能するRAM(Random
Access Memory)11bと、CPU11aが読み出して実行するプログラムや固定データが記憶されたプログラムメモリー11cなどを備えている。プログラムメモリー11cは、ROMなどにより構成されている。
記録部12は、撮像装置30により撮影された画像データの他、データ処理部で用いる各種閾値のデータ、照明装置60の照射条件データ、実際に評価で測定された水蒸気透過度の値、撮影された腐食部分の腐食性金属層の厚さ変換データ等、本発明の水蒸気透過度評価方法に係るデータを格納、記録する。
通信部13は、ネットワークI/F等の通信用のインターフェイスを備え、イントラネット等のネットワークを介して、操作表示部15から入力された測定条件を撮像調整装置20に送信する。また、通信部13は、撮像装置30から送られる画像データを受信する。
データ処理部14は、通信部13により受信し、撮像装置30により撮影された腐食性金属層の画像データから、全体及び前記微細分割部位の光学的特性の変化量について解析する。
データ処理部14は、ステップ(3)、ステップ(4)及びステップ(5)に用いられる、局所水蒸気透過度算出部14a、水蒸気透過度算出部14b及び水蒸気透過度分布算出部14cを備える。
局所水蒸気透過度算出部14aには、ステップ(3)及び(4)である、水蒸気に曝す前後における撮影により得た画像の腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ表面積が0.01〜3mm の範囲内である一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定し、当該測定で得た光学的特性の変化量から腐食部分の体積を算出し、当該体積に基づき水蒸気透過度を算出する手段である。
水蒸気透過度算出部14bと水蒸気透過度分布算出部14cは、ステップ(5)である、前記ステップにおいて得られた各部分の水蒸気透過度データに基づき、平均値と標準偏差を算出する手段である。
操作表示部15は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、LCDを覆うように設けられたタッチパネル、各種スイッチやボタン、テンキー及び操作キー群等(図示略)から構成されてもよい。操作表示部15は、ユーザーからの指示を受け付けその操作信号を制御部11に出力する。また、操作表示部15は、制御部11から出力される表示信号に従って、各種操作指示や設定情報を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示する操作画面をLCD上に表示する。
[撮像調整装置]
撮像調整装置20は、データ処理装置10から受信した測定条件に基づいて撮像装置30を調整する。
具体的には、撮像調整装置20は、データ処理装置10から受信した測定条件、例えば、水蒸気透過度評価セルからの位置(高さ)、撮影間隔、移動速度、撮像倍率等に基づいて撮像装置30を調整することができる。
[撮像装置]
照明装置60を水蒸気透過度評価セルFの法線方向に配置し、照明光を水蒸気透過度評価セルFに当て、透過する光を撮像装置30にて撮影する。水蒸気透過度評価セルFの腐食による透過光の変化を感度良く撮影するため、照明装置60、水蒸気透過度評価セルF、撮像装置30の位置を設定する。
また、水蒸気透過度評価セルFの反射光によって評価する場合は、図2Bで示すように、照明装置61を水蒸気透過度評価セルFの斜め45°方向に配置し、照明光を水蒸気透過度評価セルFに当て、反射光を撮像装置31にて撮影する。水蒸気透過度評価セルFの腐食による透過光の変化を感度良く撮影するため、照明装置61、水蒸気透過度評価セルF、撮像装置31の位置を設定する。つまり、照明装置61から水蒸気透過度評価セルFへの光の入射角と水蒸気透過度評価セルFから撮像装置31への反射角を等しくする。
撮像装置30は、エリア型若しくはラインセンサ型のCCDカメラを用いることができる。水蒸気透過度評価セルFの測定対象範囲を数回以内の撮影でカバーできる場合は、エリア形、それよりも広い範囲を撮影する必要がある場合はラインセンサ形を使用すると、撮影時間、精度の面で好ましい。
好ましくはエリア型のカメラであり、エリア型のカメラの場合は200万画素以上で、ばらつきを好ましく得るためには1画素が50μm以下となるようにレンズや撮影条件を決定することが望ましい。
[照明装置]
照明装置60としては、撮像装置30で反射光又は透過光を撮影するのに十分な面積が必要で、輝度はできる限り均一であることが好ましい。
照明装置60の光源は、特に限定されるものではないが、重水素ランプやハロゲンランプ、LED(Light Emitting Diode)ランプを光源としたファイバー型の光源、又は蛍光灯やLED、OLED(Organic Light Emitting Diode)を用いた面光源を用いることができる。好ましくは面光源である。
[試験片観察台]
試験片観察台40は、例えば、試験片固定台41、二軸電動ステージ42及び装置フレーム43を備える態様が好ましい。前記透過光を撮影する場合は、試験片固定台41は、透過光を遮らないように、その部分が中空であるか透明であることが必要である。
具体的には、試験片観察台40は、試験片固定台41によって水蒸気透過度評価セルFを固定する。試料となる水蒸気透過度評価セルFが、例えば、ロール状に巻き取られている場合であっても、短軸方向を試験片固定台41によって固定し、所定の速さで二軸電動ステージを動かし、水蒸気透過度評価セルFを長軸方向に移動させることで、試験片観察台40よりも広い範囲を撮像装置30で測定することができる。
なお、試験片観察台40は、データ処理装置10と通信可能に接続されていてもよい。データ処理装置10と試験片観察台40を相互に通信可能に接続することで、水蒸気透過度評価セルを移動させる速度をデータ処理装置10により設定してもよい。
[外部出力装置]
データ処理装置10は、データ処理装置10と通信可能に接続される外部出力装置50を備えていてもよい。外部出力装置50は、一般的なPC(Personal Computer)であってもよいし、画像形成装置等であってもよい。また、外部出力装置50は、データ処理装置10の操作表示部15の代わりに操作表示部として機能してもよい。
〔2−2〕水蒸気透過度算出方法のフローチャート
次いで、水蒸気透過度算出方法についての測定例を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下説明では、評価試料はガスバリアーフィルムを用いた例を示す。
インプットされるデータとしては、撮像条件、測定モード(透過光系又は反射光系)、及び画像分割面積と分割数などの画像分割パラメータ設定等のデータである(S1)。画像分割パラメータは数種を同時に設定し、最終的に評価結果を随時比較できるようにすることも好ましい。
インプットされたデータによって、ガスバリアーフィルム表面の腐食部分の画像データが取得される(S2)。局所水蒸気透過度算出部14aにて、撮像された腐食性金属層の分割された各部分の光学的特性の変化量を得る画像処理が行われる(S3)。
画像処理の結果、アウトプットとして、入力した測定モードに則した腐食性金属層の光学的変化量が取得される(S4)。当該変化量からあらかじめ作成した、光学的変化量と腐食金属層の厚さとの検量線をもとに、腐食部分の厚さを求め各部分の腐食率を算出する(S5)。
次いで、水蒸気透過度算出部14bにおいて、反射系の測定の場合は、以下の計算式(i)によって水蒸気透過度が計算される(S6)。
式中、WVTRは水蒸気透過度(Water Vapor Transmission Rate)の略号である。Aは定数をあらかじめ計算したもので、A=(3.3445×10−2)である。
(i)反射WVTR(g/m/day)=A×反射光による腐食金属層膜厚:0hr)(nm)×腐食率(%)/今回測定時間(hr)
透過系の場合は、透過光による腐食金属層膜厚を計算し、得られた透過光による腐食金属層膜厚から、同様に下記計算式(ii)から透過WVTRの計算を行う(S8)。
(ii)透過WVTR(g/m/day)=A×透過光による腐食金属層膜厚:0hr
)(nm)×腐食率(%)/今回測定時間(hr)
以上求めた各ピクセル(等分した分割部位)ごとの各水蒸気透過度のデータを用いて、水蒸気透過度分布算出部14cにおいて、反射WVTR又は透過WVTRの平均値及び標準偏差を算出する(S7)。この時に各ピクセルでの水蒸気透過度のヒストグラムを作成することもできる。
以上の水蒸気透過度のデータは、記録部12のデータベースに反映させる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<水蒸気透過度評価方法に用いた装置、評価試料>
1.蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400
2.恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
3.ガスバリアーフィルム
評価に用いたガスバリアーフィルムは、以下の方法によって作製した。
(ガスバリアー層の形成)
両面に易接着加工された100μmの厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)基板(東洋紡績株式会社製、コスモシャインA4300)に、パーヒドロポリシラザンと、アミン触媒溶液を、スピンコーターを用いてスピンコートにより、乾燥後、表面に真空紫外光照射(エキシマ改質処理)を行い、ポリシラザン含有層を改質してガスバリアー層を形成した。その際、改質条件を変化させて、評価に用いるガスバリアーフィルムを作製した。
4.水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
<実施例1>
25mm□のガラス上に蒸着装置にて10mm□の面積でカルシウム(Ca:腐食性金属)を、蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400を用いて蒸着し、接着剤(スリーボンド製1655)を貼合したガスバリアーフィルム(ガスバリアーフィルムA、ガスバリアーフィルムB及びガスバリアーフィルムC)で封止を行いガスバリアーフィルムの水蒸気透過度評価セルの作製を行った。なお接着剤を貼合したガスバリアーフィルムは接着剤の水分およびガスバリアーフィルム表面の吸着水を除去するため1昼夜グローブボックス(GB)内に放置した。
作製した評価セルは、図2Aのように、ガラス面側の法線方向より光を入射し、反対面側より透過光を、エリア型のCCDカメラを用いて撮影を行った。その後、評価セルを85℃・85%RHの恒温恒湿槽(Yamato Humidic ChamberIG47M)にて98hr放置し、同様にCCDカメラにて撮影を行った。
得られた画像から中心の8mm□を切り抜き、切り抜いた画像全体の輝度値を取得し、事前に準備した輝度値とカルシウム膜厚の検量線より、カルシウム膜厚を算出した。得られたカルシウム膜厚から恒温恒湿槽に入れた前後で膜厚の変化量を算出し、そのデータよりセル全体の水蒸気透過度(WVTR)の算出を行ったところ、ガスバリアーフィルムAは、7×10−3g/m/day、ガスバリアーフィルムBは8×10−3g/m/day、及びガスバリアーフィルムCは5×10−3g/m/dayであった。
また、切り抜いた8mm□の画像を1mmの大きさになるように64分割し、それぞれ分割した箇所の輝度値を取得し、カルシウム膜厚及び水蒸気透過度(WVTR)の算出を行った。得られた64個の水蒸気透過度(WVTR)の値を対数に変換した値から標準偏差(σ)を算出したところ、ガスバリアーフィルムAは0.21、ガスバリアーフィルムBは0.17及びガスバリアーフィルムCは0.04であった。
以上のデータを図5に示す。図5に示すデータより、ガスバリアーフィルムAはガスバリアーフィルムBよりも、フィルム全体の水蒸気透過度(WVTR)はやや優れているが、面内の水蒸気透過度の分布(標準偏差)は劣る。一方、ガスバリアーフィルムCはサンプルA及びサンプルBに対して、フィルム全体の水蒸気透過度(WVTR)が優れており、かつ面内の水蒸気透過度の分布(標準偏差σ)も大幅に小さいことから、3者の中では最も望ましいガスバリアー性を有するガスバリアーフィルムであると評価できる。
<実施例2>
25mm□のガラス上に蒸着装置にて12mm□の面積でカルシウム(Ca:腐食性金属)を、蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400を用いて蒸着し、接着剤(スリーボンド製1655)を貼合したガスバリアーフィルム(ガスバリアーフィルムD及びガスバリアーフィルムE)で封止を行いガスバリアーフィルムの水蒸気透過度評価セルの作製を行った。なお接着剤を貼合したガスバリアーフィルムは接着剤の水分およびガスバリアーフィルム表面の吸着水を除去するため1昼夜グローブボックス(GB)内に放置した。
作製した評価セルは、図2Aのように、ガラス面側の法線方向より光を入射し、反対面側より透過光を、エリア型のCCDカメラを用いて撮影を行った。その後、評価セルを85℃・85%RHの恒温恒湿槽(Yamato Humidic ChamberIG47M)にて100hr放置し、同様にCCDカメラにて撮影を行った。
得られた画像から中心の10mm□を切り抜き、切り抜いた画像全体の輝度値を取得し、事前に準備した輝度値とカルシウム膜厚の検量線より、カルシウム膜厚を算出した。得られたカルシウム膜厚から恒温恒湿槽に入れた前後で膜厚の変化量を算出し、そのデータよりセル全体の水蒸気透過度(WVTR)の算出を行ったところ、ガスバリアーフィルムD及びEともに2×10−3g/m/dayであった。
また、切り抜いた10mm□の画像を1mmの大きさになるように100分割し、それぞれ分割した箇所の輝度値を取得し、カルシウム膜厚及び水蒸気透過度(WVTR)の算出を行った。得られた100個の水蒸気透過度(WVTR)の値を対数に変換した値から標準偏差(σ)を算出したところ、ガスバリアーフィルムDは0.14、ガスバリアーフィルムEは0.45であった。
以上から、ガスバリアーフィルムD、Eは面全体のガスバリアー性能は同じだが、ガスバリアーフィルムDは面内のばらつきが小さく、ガスバリアー膜の質が高い。それに対してガスバリアーフィルムEはガスバリアー層の面内のばらつきが大きく、ガスバリアー膜の質が低く、欠陥が散在することが分かった。
このように従来では表現ができなかった面内の性能分布(ばらつき)を定量化することで、ガスバリアーフィルムの質を定量的に表現することができた。
<実施例3>
成膜有効幅が1000mmのガスバリアーフィルムAを用いて、幅手中心から100mm間隔でそれぞれ25mm□に切り出し、接着剤(スリーボンド製1655)を介して、12mm□にカルシウムを蒸着したガラスと貼合を行い、ガスバリアーフィルムの水蒸気透過度評価セルの作製を行った。なお接着剤の水分及びガスバリアーフィルム表面の吸着水を除去するため、事前にガスバリアーフィルムと接着剤を貼合し。1昼夜グローブボックス(GB)内に放置した。
実施例1と同様に撮影して得られた画像から、中心の10mm□を切り抜き、切り抜いた画像全体の輝度値を取得し、事前に準備した輝度値とカルシウム膜厚の検量線より、カルシウム膜厚を算出した。得られたカルシウム膜厚から恒温恒湿槽に入れた前後で膜厚の変化量を算出し、さらにセル全体の水蒸気透過度(WVTR)の算出を行った。また切り抜いた10mm□の画像を1mmの大きさになるように100分割し、それぞれ分割した箇所の輝度値を取得し、カルシウム膜厚及び水蒸気透過度(WVTR)の算出を行った。また、得られた水蒸気透過度の値を対数に変換した値から標準偏差(σ)を求めた。
結果を表1に示した。
Figure 0006635033
幅手端部にかけてセル全体の水蒸気透過度(WVTR)がやや上昇する傾向が見られたが、各評価セルのばらつき(標準偏差)は変わらなかった。なお評価セル全体の水蒸気透過度(WVTR)の変動は幅手の膜厚分布の傾向と一致しており、製膜装置に起因するものであることが分かった。
<実施例4>
実施例1と同様にして、以下の条件で水蒸気透過度を評価した。
ガスバリアーフィルム:ガスバリアーフィルムC、
フィルム・ガラスサイズ:30×190mm、
カルシウム蒸着面積:10×170mm、
画像サイズ:9×50mm×3か所とし、1画像へ合成
各セルの水蒸気透過度(WVTR)の平均値:フィルム全体の水蒸気透過度(WVTR)
それぞれのセルで1mmになるように分割した箇所の水蒸気透過度(WVTR)の値を合わせて、フィルム全体のばらつき(標準偏差)を算出した。
複数の評価セルを合算することで各評価セルのばらつきだけでなく、よりフィルム全体の特性を表すことができた。
<実施例5>
実施例1と同様にして、以下の条件で水蒸気透過度を評価した。
ガスバリアーフィルム:ガスバリアーフィルムC、
フィルム・ガラスサイズ:68mm□、
カルシウム蒸着面積:50mm□、
画像切り出し:48mm□
画像分割数:2304分割(各1mm)と3291分割(各0.7mm)の2種類
上記複数の分割数でそれぞればらつき(標準偏差)を算出して比較することで、より測定精度を上げることができた。
本発明の水蒸気透過度評価方法は、ガスバリアーフィルム等の水蒸気透過度及び面内のばらつきを同時に測定する評価方法を提供するため、ガスバリアーフィルムの設計に好適に利用することができる。
F 水蒸気透過度評価セル
1 水分不透過基板
2 腐食性金属層
3 接着剤層
4 基材フィルム
5 ガスバリアー層
6 評価試料
100 水蒸気透過度評価システム
10 データ処理装置
11 制御部
12 記録部
13 通信部
14 データ処理部
14a 局所水蒸気透過度算出部
14b 水蒸気透過度算出部
14c 水蒸気透過度分布算出部
15 操作表示部
20 撮像調整装置
30、31 撮像装置
40 試験片観察台
41 試験片固定台
42 二軸電動ステージ
43 装置フレーム
60、61 照明装置

Claims (6)

  1. 水分と反応して腐食する腐食性金属を用いる水蒸気透過度の評価方法であって、少なくとも下記ステップ(1)〜()を含むことを特徴とする水蒸気透過度評価方法。
    (1)水分不透過基板と、水分と反応して腐食する腐食性金属層と、評価試料とをこの順に設けた水蒸気透過度評価セルを作製するステップ。
    (2)水蒸気に曝す前後において、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面側から光を入射して前記腐食性金属層の光学的特性の変化を測定するステップ。
    (3)前記腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ表面積が0.01〜3mmの範囲内である一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定するステップ。
    (4)前記測定で得た光学的特性の変化量から腐食部分の体積を算出し、当該体積に基づき水蒸気透過度を算出するステップ。
    (5)前記ステップ(4)において得られた各部分の水蒸気透過度に基づき、平均値と標準偏差を算出するステップ。
    (6)前記ステップ(3)において、さらに、前記腐食性金属層の指定した範囲内を、前記単位面積を2種以上変えて等分し、複数の分割数において、前記相互に対応する各部分の光学的特性の変化量を測定し、前記ステップ(4)及びステップ(5)によって、平均値と標準偏差を算出して、算出値の精度を確認するステップ。
  2. 前記ステップ(2)が、前記水蒸気透過度評価セルの一方の面側から光を入射し、反対側の面から出射する透過光を撮影して画像を得るステップであることを特徴とする請求項1に記載の水蒸気透過度評価方法。
  3. 前記腐食性金属層の表面積が、1cm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水蒸気透過度評価方法。
  4. 前記腐食性金属層の表面積の合計が10cm以上となるように、前記水蒸気透過度評価セルを複数個用いることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の水蒸気透過度評価方法。
  5. 前記ステップ(1)が、前記評価試料と前記水不透過基板とを光硬化型接着剤又は熱硬化型接着剤によって貼合して水蒸気透過度評価セルを作製することを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の水蒸気透過度評価方法。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の水蒸気透過度評価方法を行う水蒸気透過度評価装置であって、
    水蒸気透過度評価セルの一方の面に対して斜め方向又は法線方向から照明光を照射する手段と、
    前記水蒸気透過度評価セルからの反射光又は反対側の面から出射する透過光のいずれかを測定する手段と、
    前記腐食性金属層の指定した範囲内を、それぞれ表面積が0.01〜3mmの範囲内である一定の単位面積で10等分以上の一定の分割数に分割し、相互に対応する各部分の光学的特性の変化量から、データ解析をして腐食部分の面積と厚さを算出する手段と、得られた腐食部分の面積と厚さから水蒸気透過度及び水蒸気透過度のばらつきを計算する手段と、
    を具備することを特徴とする水蒸気透過度評価装置。
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