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JP6627920B2 - 車両用ドアロック装置 - Google Patents

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JP6627920B2 JP2018120338A JP2018120338A JP6627920B2 JP 6627920 B2 JP6627920 B2 JP 6627920B2 JP 2018120338 A JP2018120338 A JP 2018120338A JP 2018120338 A JP2018120338 A JP 2018120338A JP 6627920 B2 JP6627920 B2 JP 6627920B2
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Description

本発明は車両用ドアロック装置に関する。
特許文献1に従来の車両用ドアロック装置の一例が開示されている。この車両用ドアロック装置は、ハウジング、作動機構、電気部品及び複数の接続端子を備えている。
ハウジングには、外部コネクタが嵌合されるコネクタ嵌合部が形成されている。コネクタ嵌合部は、遮蔽部材によって傘状に覆われている。ハウジングは、車両用ドアに固定される。
作動機構は、ハウジング内に収容されている。作動機構は、車両用ドアを開錠状態又は施錠状態とする機能を含んでいる。作動機構の構成要素には、I/Sロックレバーが含まれている。I/Sロックレバーは、開錠状態に対応する位置と、施錠状態に対応する位置との間で変位する。I/Sロックレバーは、リンク部材の一例である伝達ケーブルによって、室内ロックノブに連結される。
電気部品は、ハウジング内に収容され、作動機構と相関する。具体的には、電気部品は、作動機構の構成要素を動作させる電動モータや、作動機構の構成要素の位置を検出するスイッチである。
各接続端子は、電動モータやスイッチに接続されており、突端部を有している。各接続端子の突端部は、コネクタ嵌合部から突出して外部コネクタが接続される。
特許文献1には明記されていないが、この車両用ドアロック装置は一般的に、以下のようにして車両用ドアに組み付けられる。すなわち、車両ドアは、アウタパネル、インナパネル及びドアトリムを有する。インナパネルは、アウタパネルよりも車室側に配置され、アウタパネルに固定される。ドアトリムは、インナパネルよりも車室側に配置され、インナパネルに固定される。
そして、この車両用ドアロック装置は、車両用ドアに組み付けられる際、ハウジングがアウタパネルとインナパネルとの間に固定される。
インナパネルには、コネクタ嵌合部を車室側に開放する第1の開放窓が形成される。外部コネクタは、インナパネルよりも車室側に配置され、第1の開放窓を介してコネクタ嵌合部に嵌合する。コネクタ嵌合部を傘状に覆う遮蔽部材は、第1の開放窓の周縁でハウジングとインナパネルとに当接する。遮蔽部材は、コネクタ嵌合部に接近する異物を遮るためのものである。異物の具体例としては、車両ドアの上方の隙間から挿入される細い工具や粉塵等である。
また、インナパネルには、第2の開放窓が形成される。伝達ケーブルは、インナパネルよりも車室側に配置され、第2の開放窓を介してI/Sロックレバーに連結される。
その後、第1の開放窓と第2の開放窓とは、ドアトリムによって覆われる。
特開2018−12940号公報
しかし、上記従来の車両用ドアロック装置では、外部コネクタをコネクタ嵌合部に嵌合させるための第1の開放窓とは別に、伝達ケーブルをI/Sロックレバーに連結するための第2の開放窓を設ける必要がある。そして、第1の開放窓側に設けられる遮蔽部材とは別に、第2の開放窓側で異物を遮るための遮蔽部材を設ける必要がある。このため、この車両用ドアロック装置では、組み付け工程の簡素化が難しいという問題がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、組み付け工程の簡素化を実現できる車両用ドアロック装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の車両用ドアロック装置は、外部コネクタが嵌合されるコネクタ嵌合部が形成され、車両用ドアに固定されるハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、前記車両用ドアを開錠状態又は施錠状態とする機能を含む作動機構と、
前記ハウジング内に収容され、前記作動機構と相関する電気部品と、
前記電気部品に接続され、前記コネクタ嵌合部から突出して前記外部コネクタが接続される突端部を有する複数の接続端子と、
前記作動機構に連結され、前記開錠状態に対応する第1位置と、前記施錠状態に対応する第2位置との間で変位する可動部材とを備え、
前記車両ドアは、アウタパネルと、前記アウタパネルよりも車室側に配置され、前記アウタパネルに固定されるインナパネルと、前記インナパネルよりも前記車室側に配置され、前記インナパネルに固定されるドアトリムとを有し、
前記ハウジングは、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間に固定され、
前記インナパネルには、前記コネクタ嵌合部を前記車室側に開放しつつ、前記ドアトリムによって覆われる開放窓が形成され、
前記インナパネルよりも前記車室側には、リンク部材が配置され、
前記可動部材は、前記ハウジング内で前記作動機構に連結される第1端部と、前記第1端部と一体をなし、前記ハウジング外に突出して前記リンク部材が連結される第2端部とを有する車両用ドアロック装置であって、
前記ハウジングには、前記第2端部を前記ハウジングから突出させる突出用開口が形成され、
前記開放窓は、前記突出用開口も前記車室側に開放し、
前記コネクタ嵌合部及び前記突出用開口は、前記開放窓の周縁で前記ハウジングと前記インナパネルとに当接する単一の遮蔽部材によって少なくとも傘状に覆われていることを特徴とする。
本発明の車両用ドアロック装置では、単一の開放窓がコネクタ嵌合部と突出用開口とを車室側に開放する。つまり、コネクタ嵌合部のための開放窓と、可動部材の第2端部のための開放窓とを別々に設ける必要がない。これにより、この車両用ドアロック装置では、単一の開放窓を介して、外部コネクタをコネクタ嵌合部に嵌合させる作業と、リンク部材を可動部材の第2端部に連結する作業とを容易に実施できる。
また、この車両用ドアロック装置では、開放窓の周縁でハウジングとインナパネルとに当接する単一の遮蔽部材によって、単一の開放窓に対して異物を遮る処理を容易に実施できる。
したがって、本発明の車両用ドアロック装置では、組み付け工程の簡素化を実現できる。さらに、この車両用ドアロック装置では、車両ドアの上方の隙間から細い工具を挿入して可動部材の第2端部を操作しようとする場合にその工具を遮蔽部材によって遮ることができるので、防盗性の向上を実現できる。また、この車両用ドアロック装置では、可動部材の第2端部に連結されたリンク部材を車室側から容易に取り外すことができるので、整備作業の容易化を実現できる。
ハウジングには、インナパネルに向かって突出してコネクタ嵌合部及び突出用開口を囲む周壁が形成されていることが望ましい。そして、周壁は、開放窓内に配置されることが望ましい。この場合、周壁は、開放窓と、コネクタ嵌合部及び突出用開口とを位置合わせするためのガイドとしての機能を発揮できる。また、遮蔽部材を周壁に沿って配置できるので、遮蔽部材の位置ずれを抑制できる。その結果、組み付け工程の一層の簡素化を実現できる。さらに、車両ドアの上方の隙間から細い工具を挿入して可動部材の第2端部を操作しようとする場合にその工具を周壁によって遮ることができるので、防盗性の一層の向上を実現できる。
周壁及び開放窓は円形状であることが望ましい。この場合、周壁を開放窓内に配置し易いので、組み付け工程の一層の簡素化を実現できる。
遮蔽部材は、ハウジング側に取り付けられた遮蔽機能を有する発泡体からなることが望ましい。この場合、ハウジングを車両用ドアに固定することで遮蔽部材がインナパネルに圧縮変形しながら当接するので、遮蔽部材がハウジングとインナパネルとに隙間無く当接できる。その結果、開放窓に対して異物を遮る処理を確実に実施できる。また、遮蔽部材を後から取り付ける手間を省くことができるので、組み付け工程の一層の簡素化を実現できる。
可動部材は、第1端部と第2端部との間で突出用開口を通過し、インナパネルの厚さ方向と略平行に延びる回動軸心周りに回動可能な伝達軸を有していることが望ましい。そして、伝達軸は、遮蔽部材によって覆われていることが望ましい。この場合、伝達軸が通過する突出用開口を小さくできるので、開放窓を小さくできる。また、遮蔽部材によって、突出用開口と伝達軸との隙間に異物が到達することを確実に抑制できる。
第2端部は、第2端部に連結されるリンク部材を弾性変形によって着脱可能に係止する係止片を有していることが望ましい。この場合、係止片を弾性変形させることにより、リンク部材を可動部材の第2端部に連結し、又は第2端部から取り外す作業を一層容易に実施できる。
本発明の車両用ドアロック装置によれば、組み付け工程の簡素化を実現できる。
図1は、実施例1の車両用ドアロック装置の斜視図である。 図2は、実施例1の車両用ドアロック装置の斜視図である。 図3は、実施例1の車両用ドアロック装置と、アウタパネル、インナパネル及びドアトリムとの相対関係を示す模式上面図である。 図4は、実施例1の車両用ドアロック装置と、インナパネル、リンク部材及び室内ロックノブとの相対関係を示す模式部分側面図である。 図5は、実施例1の車両用ドアロック装置と、インナパネル、リンク部材及び室内ロックノブとの相対関係を示す模式部分側面図である。 図6は、ラッチハウジング及びラッチ機構等の分解斜視図である。 図7は、第1ハウジング及びロック機構等の正面図である。 図8は、第1ハウジング及びロック機構等の分解斜視図である。 図9は、第2ハウジングの斜視図である。 図10は、ウォームホイール、ロックレバー及び直動ロックレバーの分解斜視図である。 図11は、第1ハウジング及びロック機構等の正面図である。 図12は、O/Sオープンレバー、慣性レバー、フォーク及びポールの動作を説明する模式図である。 図13は、O/Sオープンレバー、慣性レバー、フォーク及びポールの動作を説明する模式図である。 図14は、O/Sオープンレバー、慣性レバー、フォーク及びポールの動作を説明する模式図である。 図15は、O/Sオープンレバー、慣性レバー、フォーク及びポールの動作を説明する模式図である。 図16は、図4のA−A断面を示す部分断面図である。 図17は、実施例2の車両用ドアロック装置の部分正面図である。 図18は、実施例3の車両用ドアロック装置の部分正面図である。 図19は、実施例4の車両用ドアロック装置の部分正面図である。 図20は、実施例4の車両用ドアロック装置に係り、第1ハウジング及びロック機構等の部分正面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜4を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例1の車両用ドアロック装置1(以下、単に「ドアロック装置1」と呼ぶ。)は、本発明の車両用ドアロック装置の具体的態様の一例である。図3に示すように、ドアロック装置1は、自動車、バス、産業車両等の車両の車体に対して開閉可能な車両用ドア2(以下、単に「ドア2」と呼ぶ。)に固定される。そして、ドアロック装置1は、車体に固定されたストライカを保持することによって、車体に対してドア2を閉じた状態で保持可能である。
図1〜図3では、車体の左側面に設けられたドア2の後端側の内部に配設されたドアロック装置1を図示している。なお、ドアロック装置1が車体の右側面に設けられたドア2の後端側の内部に配設される場合には、勝手違いになるだけである。さらに、ドアロック装置1は、テールゲート等にも設けられ得る。
図1〜図3に示す前後方向は、車両の前後方向を基準としている。また、図1及び図2に示す上下方向は、車両の上下方向を基準としている。さらに、図1〜図3に示す車両内外方向は、車両の車室内に搭乗する者を基準として、車両の左側面側を車両外側とし、その反対側を車両内側、すなわち車室側としている。図4以降に示す前後方向、上下方向及び車両内外方向は、図1〜図3に対応させて表示している。
図3に示すように、ドア2は、アウタパネル3、インナパネル4及びドアトリム5を有している。本実施例では、アウタパネル3及びインナパネル4は鋼板のプレス加工品であり、ドアトリム5は樹脂成形品である。
アウタパネル3は、車両の外装の一部を構成している。インナパネル4は、アウタパネル3よりも車室側に配置されている。インナパネル4の周縁部がアウタパネル3の周縁部に溶接され、また、アウタパネル3の周縁部とインナパネル4の周縁部とがヘミング加工されることにより、インナパネル4がアウタパネル3に固定されている。
ドアトリム5は、インナパネル4よりも車室側に配置され、図示しないクリップやファスナ等の締結具によって、インナパネル4に固定されている。ドアトリム5は、車室の意匠面の一部を構成している。
図1に示すように、ドア2には、外側ドアハンドルH1、キーシリンダH2、室内ロックノブH3及び内側ドアハンドルH4が設けられている。
図3に示すように、外側ドアハンドルH1は、アウタパネル3に揺動可能に支持されて、車両外側に露出している。キーシリンダH2は、その一部が車両外側に露出するようにアウタパネル3に取り付けられている。
図4及び図5に示すように、室内ロックノブH3は、ドアトリム5の上端部に形成されたガイド穴5Hによって上下方向に変位可能に保持されている。図4に示すように、室内ロックノブH3は、上向きに変位することにより、ガイド穴5Hから突出してドア2の車室側に露出し、ドア2が開錠状態であることを表示する。その一方、図5に示すように、室内ロックノブH3は、下向きに変位することにより、ガイド穴5H内に完全に埋没し、ドア2が施錠状態であることを表示する。また、車両の搭乗者が室内ロックノブH3を図4に示す位置から図5に示す位置に押し込む施錠操作を行うことにより、ドア2を施錠状態にすることができる。
図示は省略するが、内側ドアハンドルH4は、インナパネル4やドアトリム5に変位可能に支持され、ドア2の車室側に露出している。
図1に示すように、外側ドアハンドルH1には、伝達ロッドC1の上端部が連結されている。ドアロック装置1は、ドア2の内部において外側ドアハンドルH1よりも下方に配設されている。伝達ロッドC1の下端部は、ドアロック装置1のO/Sオープンレバー20に連結されている。
キーシリンダH2は、ドアロック装置1の上端部に回動可能に設けられたキーシリンダ保持部C2Aに一体回転可能に保持されている。図2に示すように、キーシリンダ保持部C2Aには、リンクロッドC2Bの上端部が連結されている。リンクロッドC2Bの下端部は、リンクレバーC2Cを介して、ドアロック装置1のO/Sロックレバー30に接続されている。
図3〜図5に示すように、室内ロックノブH3には、リンク部材C3が連結されている。より詳しくは、リンク部材C3は、リンクロッドC31及びリンクレバーC32を有している。リンクロッドC31は、上下方向に延びる棒状体である。リンクロッドC31の上端部には、室内ロックノブH3が固定されている。リンクレバーC32の一端部には、連結穴C32Jが車両内外方向に貫通するように形成されている。リンクレバーC32の他端部には、軸穴C32Hが車両内外方向に貫通するように形成されている。
リンクロッドC31の下端部は、図4及び図5に示す樹脂製の連結補助部材C31Jを介して、リンクレバーC32の連結穴C32Jに挿通される。これにより、リンク部材C3は、リンクロッドC31とリンクレバーC32とが連結されたサブアッシーとして構成される。
図3〜図5に示すように、リンク部材C3は、インナパネル4よりも車室側に配置されている。より詳しくは、リンクロッドC31は、インナパネル4とドアトリム5との間で室内ロックノブH3から下向きに延びている。リンクレバーC32の軸穴C32Hは、ドアロック装置1の可動部材50の第2端部52に連結される。
図1に示すように、内側ドアハンドルH4には、伝達ケーブルC4の一端部が接続されている。伝達ケーブルC4の他端部は、ドアロック装置1内に引き込まれており、図7等に示すI/Sオープンレバー25に接続されている。
ドアロック装置1は、図1、図2及び図6等に示すラッチハウジング9と、図1、図2、図7〜図9及び図11等に示す作動ハウジング7とを備えている。図1及び図2に示すように、作動ハウジング7は、ラッチハウジング9に組み付けられている。ラッチハウジング9及び作動ハウジング7は、本発明の「ハウジング」の一例である。また、ドアロック装置1は、図7、図8及び図11等に示すロック機構6と、図2及び図6等に示すラッチ機構8とを備えている。ロック機構6及びラッチ機構8は、本発明の「作動機構」の一例である。
図7〜図9等に示すように、作動ハウジング7は、それぞれ樹脂製である第1ハウジング70及び第2ハウジング80を有している。
図8に示すように、第1ハウジング70は、第1基壁部71と、第1基壁部71を囲む第1周縁部73とを有している。
図9に示すように、第2ハウジング80は、第2基壁部81と、第2基壁部81を囲む第2周縁部83とを有している。第2基壁部81には、図2〜図5に示すコネクタ嵌合部80C及び周壁88と、図4、図5及び図9に示す突出用開口80Hとが形成されている。
図2及び図4等に示すように、コネクタ嵌合部80Cは、第2基壁部81における上方かつ前方に位置する部位から車両外側に向かって凹んでいる。5本の接続端子T1のそれぞれの突端部T1Aがコネクタ嵌合部80Cから車両内側に向かって突出している。
図4及び図9等に示すように、突出用開口80Hは、第2基壁部81におけるコネクタ嵌合部80Cよりも上方の位置に貫通するように形成された丸穴である。
図2及び図4等に示すように、周壁88は、第2基壁部81から車両内側に向かって突出し、コネクタ嵌合部80C及び突出用開口80Hを囲む円筒形状の壁である。
第2ハウジング80の第2基壁部81には、単一の遮蔽部材89が周壁88の上部分及び横部分に沿って取り付けられている。遮蔽部材89の両端部は、周壁88の横部分よりも下方で周壁88から離間して下向きに延びている。遮蔽部材89は、遮蔽機能を有する発泡体、より具体的には、独立気泡の発泡体、表層に膜が形成され、内部に連続気泡が形成された発泡体、止水性の高い半連続気泡の発泡体等であり、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン、発泡エチレンプロピレンゴム等の圧縮変形し易い素材からなる。
第1基壁部71と第2基壁部81とが対向し、第1周縁部73と、第2周縁部83とが溶着されることによって、第2ハウジング80が第1ハウジング70に組み付けられ、作動ハウジング7の内部に収納室7Aが形成されている。
収納室7A内には、図7、図8及び図11等に示すロック機構6、電動モータM1及びスイッチSW1が収納されている。電動モータM1及びスイッチSW1は、本発明の「作動機構と相関する電気部品」の一例である。
また、収納室7A内には、5本の接続端子T1のそれぞれの突端部T1Aを除く部分が収容されている。さらに、収納室7A内には、可動部材50の第1端部51から伝達軸55の途中までの部分が収納されている。
図6に示すように、ラッチハウジング9は、樹脂製である第3ハウジング90と、それぞれ鋼板製であるベースプレート99及びバックプレート98とを有している。
第3ハウジング90にフォーク揺動軸11S及びポール揺動軸12Sを挿通し、第3ハウジング90の後方にベースプレート99を配置し、第3ハウジング90の前方にバックプレート98を配置する。そして、フォーク揺動軸11S及びポール揺動軸12Sのそれぞれの後端部をベースプレート99に加締め固定し、フォーク揺動軸11S及びポール揺動軸12Sのそれぞれの前端部をバックプレート98に加締め固定することによって、ラッチハウジング9の内部にラッチ室9Aが形成されている。ラッチ室9Aには、図2、図6及び図12〜図15に示すラッチ機構8が収納されている。
第3ハウジング90を第1ハウジング70に仮り組みした後に第2ハウジング80を第1ハウジング70に組み付け、第1ハウジング70の第1周縁部73と、第2ハウジング80の第2周縁部83とを溶着することにより、第3ハウジング90が第1ハウジング70及び第2ハウジング80と接合される。
図2及び図3に示すように、ベースプレート99には、複数の固定穴99Hと、進入口99Aとが形成されている。複数の止めネジ99Bがドア2の後端面に挿通され、さらに、ベースプレート99の各固定穴99Hに捩じ込まれることによって、ドアロック装置1は、進入口99Aをドア2の後端面に露出させた状態でドア2におけるアウタパネル3とインナパネル4との間に固定される。進入口99Aには、ドア2の開閉に伴ってドアロック装置1が移動する際、車体に固定されたストライカが相対的に進入又は離脱する。
図3〜図5に示すように、インナパネル4には、円形状の開放窓4Hが車両内外方向に貫通するように形成されている。開放窓4Hの内径は、周壁88の外径よりも若干大きく設定されている。
ドアロック装置1がアウタパネル3とインナパネル4との間に固定された状態で、作動ハウジング7がインナパネル4に対して車両外側から対向する。周壁88は、インナパネル4に向かって突出して開放窓4H内に配置される。開放窓4Hは、周壁88に囲まれたコネクタ嵌合部80C及び突出用開口80Hを車室側に開放しつつ、ドアトリム5によって覆われる。
この際、図3に示すように、周壁88は、インナパネル4を通過してドアトリム5側に突出した状態となる。周壁88を沿うように第2ハウジング80に取り付けられた遮蔽部材89は、開放窓4Hの周縁で作動ハウジング7とインナパネル4とに当接して圧縮変形する。そして、図3〜図5に示すように、遮蔽部材89は、周壁88に囲まれたコネクタ嵌合部80C及び突出用開口80Hを上方、前方及び後方から傘状に覆う。
図2及び図3に示すように、外部コネクタE1は、インナパネル4の開放窓4Hがコネクタ嵌合部80C及び突出用開口80Hを車室側に開放し、かつドアトリム5がインナパネル4に固定される前の状態で、開放窓4Hを介してコネクタ嵌合部80Cに嵌合されることにより、5本の接続端子T1のそれぞれの突端部T1Aに接続される。図示は省略するが、外部コネクタE1から延びるワイヤハーネスは、インナパネル4とドアトリム5との間を引き回され、さらにドア2と車体との連結部分を経由して車体の内部に引き回される。
図6に示すように、ラッチ機構8は、フォーク11とポール12とを有している。フォーク11は、進入口99Aに対して上方に位置するフォーク揺動軸11Sに揺動可能に支持されている。フォーク揺動軸11Sには、捩じりコイルバネ11Tが装着されている。ポール12は、進入口99Aに対して下方に位置するポール揺動軸12Sに揺動可能に支持されている。ポール揺動軸12Sには、捩じりコイルバネ12Tが装着されている。
図12に示すように、フォーク11は、捩じりコイルバネ11Tにより、フォーク揺動軸11S周りでD11方向に揺動するように付勢されている。フォーク11の進入口99A側に位置する部位は、内側凸部11Aと外側凸部11Bとに分岐している。そして、内側凸部11Aと外側凸部11Bとの間に形成された切り欠き部11Cには、進入口99A内に進入したストライカS1が収まるようになっている。図12に示す状態では、フォーク11が進入口99Aの底部でストライカS1を保持している。内側凸部11Aのポール12に対面する先端側には、後述するストッパ面12Aと当接可能なラッチ面11Dが形成されている。
ポール12は、捩じりコイルバネ12Tにより、ポール揺動軸12S周りでD12方向に揺動するように付勢されて、図12に示す姿勢を保持している。
ポール12における進入口99Aの底部側に位置する部位には、ストッパ面12Aが形成されている。ストッパ面12Aは、上述のラッチ面11Dに対面するように形成されている。ストッパ面12Aを構成する円弧は、フォーク11側で途切れており、そこからポール揺動軸12S側に延びる摺動面12Cが形成されている。一方、ポール12におけるポール揺動軸12Sを挟んでストッパ面12Aとは反対側には、当接凸部12Bが形成されている。図6に示すように、当接凸部12Bは、前向きに柱状に突出している。図示は省略するが、当接凸部12Bの前端は、ラッチ室9Aから第3ハウジング90を通過して前向きに突出し、収納室7A内に進入している。
図12に示すように、ポール12は、フォーク11が進入口99Aの底部でストライカS1を保持した状態で、内側凸部11Aのラッチ面11Dにストッパ面12Aが当接することにより、フォーク11をD11方向に揺動させないように固定する。図12に示すフォーク11の位置は、進入口99A内にストライカS1を保持するラッチ位置である。
また、図13に示すように、後述する慣性レバー29がポール12の当接凸部12Bに当接して押し上げると、ポール12は、捩じりコイルバネ12Tの付勢力に抗しつつ、ポール揺動軸12S周りでD12方向とは逆方向に揺動する。この際、ストッパ面12Aがラッチ面11Dから離間するので、ポール12がフォーク11の揺動を開放する。そして、フォーク11が捩じりコイルバネ11Tの付勢力によりフォーク揺動軸11S周りでD11方向に揺動して、進入口99A内からストライカS1が離反することを許容するアンラッチ位置に変位する。
逆に、ストライカS1が進入口99A内に進入する場合、ストライカS1が外側凸部11Bを押すので、フォーク11がD11方向とは逆方向に揺動し、図13に示すアンラッチ位置から図12に示すラッチ位置に復帰する。この際、外側凸部11B及び内側凸部11Aの先端が順次、摺動面12Cに摺接する。そして、内側凸部11Aが摺動面12Cから離間すると、ポール12は、D12方向に揺動して、図12に示す元の姿勢に復帰する。このため、ストッパ面12Aがラッチ面11Dと当接し、ラッチ位置にあるフォーク11の揺動を固定する。その結果、ラッチ機構8は、車体に対してドア2を閉じた状態で保持する。
図7、図8、図10及び図11に示すように、ロック機構6は、O/Sオープンレバー20、I/Sオープンレバー25、慣性レバー29、O/Sロックレバー30、ロックレバー35、直動ロックレバー40及びウォームホイール39を有している。なお、図1に示すように、O/Sオープンレバー20の一端部は、作動ハウジング7の外部に突出している。
図7及び図8に示すように、第1ハウジング70の第1基壁部71における後方かつ下方の部位には、O/Sオープンレバー揺動軸20Sが後向きに凸設されている。
第1ハウジング70の第1基壁部71における後方かつ下方の部位には、第1軸部75Pが形成されている。第1基壁部71における第1軸部75Pよりも前方の部位には、第2軸部75Qが形成されている。第1基壁部71の略中央に位置する部位には、第3軸部75R及び第4軸部75Sが形成されている。第1軸部75P、第2軸部75Q、第3軸部75R及び第4軸部75Sはそれぞれ、第2ハウジング80の第2基壁部81に向かって延びている。
O/Sオープンレバー20は、O/Sオープンレバー揺動軸20Sに揺動可能に支持されている。図8に示すように、O/Sオープンレバー揺動軸20Sには、捩じりコイルバネ20Tが装着されている。図12に示すように、O/Sオープンレバー20は、捩じりコイルバネ20Tにより、O/Sオープンレバー揺動軸20S周りでD20方向に揺動するように付勢されている。
図1及び図12に示すように、O/Sオープンレバー20の一端部は、作動ハウジング7の外部に突出しており、その一端部に、伝達ロッドC1の下端部が連結されている。
図7及び図8に示すように、慣性レバー29は、前後方向に延びる揺動軸心X29周りで揺動可能にO/Sオープンレバー20の他端部20Bに支持されている。慣性レバー29は、捩じりコイルバネ29Tにより、揺動軸心X29周りで図12に示すD29方向に揺動するように付勢されている。
外側ドアハンドルH1が開操作されて伝達ロッドC1が下降すると、図13に示すように、O/Sオープンレバー20の一端部が押し下げられて、O/Sオープンレバー20がD20方向とは逆方向に揺動し、慣性レバー29を上昇させる。
図7及び図8に示すように、I/Sオープンレバー25は、第1軸部75Pに揺動可能に支持されている。I/Sオープンレバー25における第1軸部75Pから下方に離間する一端部25Aには、図1及び図2に示す伝達ケーブルC4の他端部が連結されている。つまり、I/Sオープンレバー25は、伝達ケーブルC4を介して、内側ドアハンドルH4に連結されている。
図7及び図8に示すように、I/Sオープンレバー25の一端部25Aよりも上方の部位には、作用部25Bが形成されている。I/Sオープンレバー25は、内側ドアハンドルH4に対する開操作により、図7等の紙面に向かって反時計方向に揺動する。これにより、作用部25BがO/Sオープンレバー20の他端部20Bを押し上げ、慣性レバー29を上昇させる。説明は簡略するが、I/Sオープンレバー25は、ドア2の施錠状態において内側ドアハンドルH4のみの開操作によりロックレバー35に作用してドア2を開錠状態とし、ドア2を開けることを可能とする機能(いわゆるオーバーライド機能)も有している。
図8に示すように、第1ハウジング70において、第1基壁部71における上方の部位には、O/Sロックレバー揺動軸30Sが車両内側に向かって凸設されている。
図7に示すO/Sロックレバー30には、図8に示すO/Sロックレバー揺動軸30Sの外径よりも僅かに大きな内径に設定された軸穴が凹設されている。そして、その軸穴にO/Sロックレバー揺動軸30Sが挿入されることにより、O/Sロックレバー30は、O/Sロックレバー揺動軸30Sに揺動可能に支持されている。
図7及び図8に示すように、O/Sロックレバー30は、連結軸部30J及び係合凹部30Dを有している。連結軸部30Jは、O/Sロックレバー30の車両内側を向く端面からO/Sロックレバー揺動軸30Sと同軸で車両内側に向かって突出している。係合凹部30Dは、O/Sロックレバー30におけるO/Sロックレバー揺動軸30Sよりも前方の部分に設けられ、O/Sロックレバー揺動軸30Sの径内方向に凹んでいる。
本実施例では、O/Sロックレバー30の位置を検出するためのスイッチが収納室7A内に設けられておらず、別の手段によって検出されたO/Sロックレバー30の位置情報がドア2の施錠/開錠の制御及びドアロック装置1の状態把握に利用される。なお、必要に応じて、O/Sロックレバー30の位置を検出するためのスイッチを収納室7A内に設けることができる。
図2に示すように、連結軸部30Jは、第2ハウジング80の外部に突出している。連結軸部30Jの先端部には、リンクレバーC2Cが一体回転可能に固定されている。
図示は省略するが、O/Sロックレバー30は、キーシリンダH2に対する施錠操作により、図7等の紙面に向かって反時計方向に揺動する。その一方、O/Sロックレバー30は、キーシリンダH2に対する開錠操作により、図7等の紙面に向かって時計方向に揺動する。
図7及び図8に示すように、ロックレバー35は、第2軸部75Qに揺動可能に支持されている。図8及び図10に示すように、ロックレバー35の上部には、カム35Cが形成される。ロックレバー35の車両外側を向く面には、作用部35Bが車両外側を向かって凸設されている。
図7及び図8に示すように、ウォームホイール39は、第3軸部75Rに回動可能に支持されている。収納室7A内におけるウォームホイール39よりも上方かつ前方の位置には、電動モータM1が配置されている。収納室7A内における電動モータM1よりも上方には、5本の接続端子T1を保持する端子保持部78が設けられている。5本の接続端子T1のうちの2本は、電動モータM1に接続されている。それら2本の接続端子T1は、ドア2の施錠/開錠の制御時に、外部電源から電動モータM1に電力を供給する。ウォームホイール39は、電動モータM1の回転軸に固定されたウォームと噛み合っている。
図10に示すように、ウォームホイール39の車両外側を向く面には、ロックレバー35のカム35Cと係合可能なカム部39Cが形成されている。リモコンキー等に対する開錠操作又は施錠操作によって電動モータM1が作動すると、ウォームホイール39は、電動モータM1に回転駆動されて、図7等の紙面に向かって時計方向又は反時計方向に回動する。そして、ウォームホイール39は、カム部39Cとカム35Cとの係合により、ロックレバー35を図7に示す位置と、図11に示す位置との間で揺動させる。
図7、図8、図10及び図11に示すように、直動ロックレバー40は、上下方向に延びる長穴40Hに第4軸部75Sが挿通されることによって、第4軸部75Sに直動可能に支持されている。第4軸部75Sは、断面略「C」字形状とされている。直動ロックレバー40は、長穴40Hよりも上方で分岐する略「Y」字形状である。
図8及び図10に示すように、直動ロックレバー40における後方かつ上方に分岐する部位には、直動凸部40Eが車両外側に向かって凸設されている。図8に示すように、第1ハウジング70の第1基壁部71には、第4軸部75Sよりも上方かつ後方の位置で上下方向に延びる直動溝部71Eが凹設されている。直動凸部40Eが直動溝部71Eによって案内されることにより、直動ロックレバー40が傾斜することなく上下方向に直動可能となっている。
図7に示すように、直動ロックレバー40における長穴40Hよりも上方には、スイッチSW1のレバーが係合している。5本の接続端子T1のうちの3本は、スイッチSW1に接続されている。直動ロックレバー40は、図7に示す位置にある状態で、スイッチSW1内の一つの接点をONにする。その一方、直動ロックレバー40は、図7に示す位置から上向きに直動して図11に示す位置に変位すると、スイッチSW1内の別の接点をONにする。スイッチSW1内の2つの接点のON/OFF信号は、それら3本の接続端子T1及び外部コネクタE1を経由して車体に設けられた制御部に伝達され、ドア2の施錠/開錠の制御及びドアロック装置1の状態把握に利用される。
図7及び図8に示すように、直動ロックレバー40の下端部には、凹部40Bが凹設されている。図7及び図11に示すように、凹部40Bには、ロックレバー35の作用部35Bが係合している。
図10に示すように、直動ロックレバー40の前方かつ上方に分岐する部位の先端側には、係合凸部40Cが車両外側に向かって凸設されている。図7及び図11に示すように、係合凸部40Cは、O/Sロックレバー30の係合凹部30D内に突出している。
図7、図8及び図10に示すように、直動ロックレバー40の前方かつ上方に分岐する部位の先端であって係合凸部40Cよりも上方には、円柱形状の連結凸部40Jが車両内側に向かって凸設されている。
図2〜図5、図7、図8、図11及び図16に示すように、可動部材50は、収納室7A内に位置する第1端部51と、作動ハウジング7の外部であって車室側に位置する第2端部52と、第1端部51と第2端部52との間で突出用開口80Hを通過する伝達軸55とを有する一体成形品である。
図8に示すように、第1ハウジング70の第1基壁部71における端子保持部78よりも上方の部位には、第5軸部75Tが形成されている。第5軸部75Tは、インナパネル4の厚さ方向、すなわち車両内外方向と略平行に延びる回動軸心X50を軸心とする円筒体である。図16に示すように、第5軸部75Tは、第2ハウジング80の第2基壁部81に形成された突出用開口80Hに向かって延びている。
伝達軸55は、収納室7A内に位置する部分が円筒形状とされており、第5軸部75Tを挿通させることによって、回動軸心X50周りに回動可能となっている。
図7及び図8等に示すように、伝達軸55における収納室7A内に位置する部分の外周側には、アーム56が回動軸心X50の径外方向に延びるように形成されている。アーム56における回動軸心X50に対して後方に離間する先端部が第1端部51である。第1端部51には、長穴51Hが車両内外方向に貫通するように形成されている。収納室7A内において、長穴51Hに直動ロックレバー40の連結凸部40Jが挿通されることにより、可動部材50の第1端部51が直動ロックレバー40に連結されている。
図16に示すように、伝達軸55は、突出用開口80Hを通過して作動ハウジング7から突出している。伝達軸55における作動ハウジング7から突出する部分は、周壁88に囲まれるとともに、遮蔽部材89によって上方、前方及び後方から傘状に覆われている。
伝達軸55における作動ハウジング7から突出する先端部が第2端部52である。第2端部52は、係止片53A、53Bを有している。係止片53A、53Bは、第2端部52の先端における回動軸心X50を挟んで互いに離間する位置に接続し、それぞれ車両外側に向かって延びている。係止片53A、53Bは、回動軸心X50の径内方向に弾性変形可能となっている。
リンクレバーC32の軸穴C32Hの内壁面における車両外側に位置する端部には、段部C32Dが形成されている。段部C32Dは、回動軸心X50の径内方向に弾性変形した係止片53A、53Bの通過を許容する程度に狭い隙間を有している。
図4に示すように、第2端部52は、回動軸心X50方向に沿って見て、略T字形状である。リンクレバーC32の軸穴C32Hも、回動軸心X50方向に沿って見て、第2端部52に整合する略T字形状である。
図3〜図5に示すように、ドアロック装置1がアウタパネル3とインナパネル4との間に固定され、開放窓4Hが周壁88に囲まれたコネクタ嵌合部80C及び突出用開口80Hを車室側に開放する状態で、インナパネル4よりも車室側に配置されたリンク部材C3のリンクレバーC32は、図16に示すように、インナパネル4よりも車室側に突出する可動部材50の第2端部52に連結される。
この際、第2端部52が軸穴C32Hに挿入されることにより、リンクレバーC32が第2端部52に回り止めされた状態で連結される。この状態で、図4等に示すように、リンクレバーC32の連結穴C32Jは、可動部材50の第1端部51の長穴51Hに対して、回動軸心X50を挟んで反対側に位置している。
また、この際、図16に示すように、回動軸心X50の径内方向に弾性変形して軸穴C32Hの段部C32Dを通過した係止片53A、53Bが元に戻った状態で、段部C32Dが係止片53A、53Bの先端に当接する。その結果、係止片53A、53Bは、第2端部52に連結されるリンクレバーC32を弾性変形によって着脱可能に係止する。
なお、細い工具をリンクレバーC32の軸穴C32Hに挿入して、係止片53A、53Bを回動軸心X50の径内方向に弾性変形させることにより、第2端部52をリンクレバーC32の軸穴C32Hからから取り外すことができる。
直動ロックレバー40は、以下に説明するように、リモコンキー等に対する施錠操作及び開錠操作や、室内ロックノブH3に対する施錠操作や、キーシリンダH2に対する施錠操作及び開錠操作によって直動する。
リモコンキー等に対する施錠操作により、ロックレバー35が図7に示す位置から図11に示す位置に揺動すると、凹部40B及び作用部35Bを介して、その変位が直動ロックレバー40に伝達され、直動ロックレバー40が図7に示す位置から図11に示す位置に押し上げられる。
この際、直動ロックレバー40の上向きの変位が連結凸部40J及び長穴51Hを介して可動部材50に伝達され、可動部材50が図4及び図7に示す位置から図5及び図11に示す位置に回動する。そして、リンク部材C3のリンクレバーC32が可動部材50と一体で回動し、図5に示すように、リンクロッドC31を介して室内ロックノブH3を引き下げる。その結果、室内ロックノブH3は、ガイド穴5H内に完全に埋没し、ドア2が施錠状態であることを表示する。図5及び図11に示す可動部材50の位置は、ドア2の施錠状態に対応する第2位置である。
その一方、リモコンキー等に対する開錠操作により、ロックレバー35が図11に示す位置から図7に示す位置に揺動すると、凹部40B及び作用部35Bを介して、その変位が直動ロックレバー40に伝達され、直動ロックレバー40が図11に示す位置から図7に示す位置に引き下げられる。
この際、直動ロックレバー40の下向きの変位が連結凸部40J及び長穴51Hを介して可動部材50に伝達され、可動部材50が図5及び図11に示す位置から図4及び図7に示す位置に回動する。そして、リンク部材C3のリンクレバーC32が可動部材50と一体で回動し、図4に示すように、リンクロッドC31を介して室内ロックノブH3を押し上げる。その結果、室内ロックノブH3は、ガイド穴5Hから突出してドア2の車室側に露出し、ドア2が開錠状態であることを表示する。図4及び図7に示す可動部材50の位置は、ドア2の開錠状態に対応する第1位置である。
搭乗者が室内ロックノブH3を図4に示す位置から図5に示す位置に押し込む施錠操作により、可動部材50が図4及び図7に示す位置から図5及び図11に示す位置に揺動すると、第1端部51及び連結凸部40Jを介して、その変位が直動ロックレバー40に伝達され、直動ロックレバー40が図7に示す位置から図11に示す位置に引き上げられる。
図示は省略するが、O/Sロックレバー30がキーシリンダH2に対する施錠操作により、図7等の紙面に向かって反時計方向に揺動すると、係合凹部30D及び係合凸部40Cを介してその変位が直動ロックレバー40に伝達され、直動ロックレバー40が図7に示す位置から図11に示す位置に引き上げられる。
この際にも、直動ロックレバー40の上向きの変位が可動部材50及びリンク部材C3を介して室内ロックノブH3に伝達される。その結果、図5に示すように、室内ロックノブH3は、ガイド穴5H内に完全に埋没し、ドア2が施錠状態であることを表示する。
その一方、O/Sロックレバー30がキーシリンダH2に対する開錠操作により、図7等の紙面に向かって時計方向に揺動すると、係合凹部30D及び係合凸部40Cを介してその変位が直動ロックレバー40に伝達され、直動ロックレバー40が図11に示す位置から図7に示す位置に押し下げられる。
この際にも、直動ロックレバー40の下向きの変位が可動部材50及びリンク部材C3を介して室内ロックノブH3に伝達される。その結果、図4に示すように、室内ロックノブH3は、ガイド穴5Hから突出してドア2の車室側に露出し、ドア2が開錠状態であることを表示する。
図10及び図12〜図15に示すように、直動ロックレバー40において、長穴40Hよりも後方には、第1面44Aが形成され、第1面44Aよりも下方には、第2面44B及び第3面44Cが形成されている。第1面44A、第2面44B及び第3面44Cは、直動ロックレバー40の車両外側を向く面に形成されている。第1面44A及び第3面44Cはそれぞれ、上下方向に延在する平坦面であり、第1面44Aが第3面44Cよりも車両内側にずれている。第2面44Bは、第1面44Aの下端と、第3面44Cの上端とに接続する傾斜面である。
図7、図8及び図11〜図15に示すように、慣性レバー29の前面には、突出部29Aが前向きに凸設されている。突出部29Aは、直動ロックレバー40の直動に応じて、第1面44A、第2面44B及び第3面44Cに摺接する。
図12〜図15に示すように、第3ハウジング90の収納室7A側には、慣性レバー案内面90Gが形成されている。慣性レバー案内面90Gは、ポール12の当接凸部12Bよりも車両外側に位置する下向きの平坦面である。慣性レバー案内面90Gは、当接凸部12Bから離間するように車両外側に向かって延びている。
図12及び図13に示す直動ロックレバー40の位置は、図7に示す直動ロックレバー40の位置と同じである。図14及び図15に示す直動ロックレバー40の位置は、図11に示す直動ロックレバー40の位置と同じである。
直動ロックレバー40が図12及び図13に示す位置にある状態では、慣性レバー29の突出部29Aが直動ロックレバー40の第1面44Aに当接することにより、慣性レバー29が上向きに起立する状態に保持される。この場合において、図13に示すように、慣性レバー29が上昇すれば、当接凸部12Bに当接して、ポール12にフォーク11を開放させる。
その一方、直動ロックレバー40が図14及び図15に示す位置に変位すると、慣性レバー29の突出部29Aが直動ロックレバー40の第2面44Bに摺接し、さらに、第3面44Cに当接することにより、慣性レバー29が車両外側に向かって傾斜する状態に保持される。この場合において、図15に示すように、慣性レバー29が上昇すれば、慣性レバー案内面90Gに当接して、慣性レバー29が当接凸部12Bから離間し、ポール12がフォーク11を固定したままとなる。
図12及び図13に示す慣性レバー29の位置は、ポール12に作用可能なアンロック位置である。図14及び図15に示す慣性レバー29の位置は、ポール12に作用不能なロック位置である。
直動ロックレバー40は、図11、図14及び図15に示す位置では、第3面44Cが突出部29Aに当接して、慣性レバー29をロック位置に保持する。図11、図14及び図15に示す直動ロックレバー40の位置は、施錠位置である。
その一方、直動ロックレバー40は、図7、図12及び図13に示す位置では、第3面44Cが突出部29Aから離間して、慣性レバー29を図14及び図15に示すロック位置に保持しない。慣性レバー29は、捩じりコイルバネ29Tの付勢力によって、突出部29Aを第1面44Aに当接させる。また、慣性レバー29に側面衝突による慣性力が作用した場合、慣性レバー29は、第1面44Aから突出部29Aが離間して、車両外側に向かって傾斜する。図7、図12及び図13に示す直動ロックレバー40の位置は、開錠位置である。
直動ロックレバー40は、図7及び図12等に示す開錠位置では、慣性レバー29を起立させて、図12に示すラッチ位置にあるフォーク11を図13に示すアンラッチ位置に変位可能とする。その一方、図11及び図14等に示す施錠位置では、慣性レバー29を傾斜させて、図12又は図14に示すラッチ位置にあるフォーク11を図13に示すアンラッチ位置に変位不能とする。
このような構成であるドアロック装置1は、車両の搭乗者の各種操作に応じて、車体に対してドア2を閉じた状態で保持したり、ドア2を開放させたり、ドア2を開錠状態又は施錠状態とすることができる。
<作用効果>
実施例1のドアロック装置1では、図3〜図5及び図16に示すように、単一の開放窓4Hがコネクタ嵌合部80Cと突出用開口80Hとを車室側に開放する。つまり、コネクタ嵌合部80Cのための開放窓と、可動部材50の第2端部52のための開放窓とを別々に設ける必要がない。これにより、このドアロック装置1では、単一の開放窓4Hを介して、外部コネクタE1をコネクタ嵌合部80Cに嵌合させる作業と、リンク部材C3のリンクレバーC32を可動部材50の第2端部52に連結する作業とを容易に実施できる。
また、このドアロック装置1では、開放窓4Hの周縁で作動ハウジング7とインナパネル4とに当接する単一の遮蔽部材89によって、単一の開放窓4Hに対して粉塵、水、工具等の異物を遮る処理を容易に実施できる。
したがって、実施例1のドアロック装置1では、組み付け工程の簡素化を実現できる。
そして、このドアロック装置1では、遮蔽部材89によって、単一の開放窓4Hに対して水を遮る防水処理を容易に実施できるので、ドア2の窓から侵入する水がコネクタ嵌合部80Cや突出用開口80Hを経由して作動ハウジング7内に侵入したり、開放窓4Hを経由してドアトリム5側に侵入したりすることを抑制できる。その結果、ドアロック装置1や車両の耐久性の向上を実現できる。
また、このドアロック装置1では、ドア2の上方の隙間から細い工具を挿入して可動部材50の第2端部52を操作しようとする場合にその工具を遮蔽部材89によって遮ることができるので、防盗性の向上を実現できる。
さらに、このドアロック装置1では、ドアトリム5をインナパネル4から取り外した状態で、可動部材50の第2端部52に連結されたリンク部材C3を車室側から容易に取り外すことができるので、整備作業の容易化を実現できる。
また、このドアロック装置1では、図2〜図5及び図16に示すように、作動ハウジング7に、インナパネル4に向かって突出してコネクタ嵌合部80C及び突出用開口80Hを囲む周壁88が形成されている。そして、周壁88は、開放窓4H内に配置される。このような構成により、周壁88は、開放窓4Hと、コネクタ嵌合部80C及び突出用開口80Hとを位置合わせするためのガイドとしての機能を発揮できる。また、遮蔽部材89を周壁88に沿って配置できるので、遮蔽部材89の位置ずれを抑制でき、その結果、組み付け工程の一層の簡素化を実現できる。さらに、このドアロック装置1では、ドア2の上方の隙間から細い工具を挿入して可動部材50の第2端部52を操作しようとする場合にその工具を周壁88によって遮ることができるので、防盗性の一層の向上を実現できる。
さらに、このドアロック装置1では、周壁88及び開放窓4Hが円形状であることにより、周壁88を開放窓4H内に配置し易いので、組み付け工程の一層の簡素化を実現できる。
また、このドアロック装置1では、遮蔽部材89は、作動ハウジング7側に取り付けられた遮蔽機能を有する発泡体からなる。これにより、ラッチハウジング9及び作動ハウジング7をドア2に固定することで遮蔽部材89がインナパネル4に圧縮変形しながら当接するので、遮蔽部材89が作動ハウジング7とインナパネル4とに隙間無く当接できる。その結果、このドアロック装置1では、開放窓4Hに対して粉塵、水、工具等の異物を遮る処理を確実に実施できる。また、遮蔽部材89を後から作動ハウジング7とインナパネル4との間に配置する手間を省くことができるので、組み付け工程の一層の簡素化を実現できる。
さらに、このドアロック装置1では、可動部材50の伝達軸55が第1端部51と第2端部52との間で突出用開口80Hを通過し、回動軸心X50周りに回動可能である。そして、伝達軸55は、作動ハウジング7から突出する部分が遮蔽部材89によって覆われている。このような構成により、このドアロック装置1では、伝達軸55が通過する突出用開口80Hを小さくできるので、開放窓4Hを小さくできる。また、遮蔽部材89によって、突出用開口80Hと伝達軸55との隙間に異物が到達することを確実に抑制できる。
また、このドアロック装置1では、図16に示すように、可動部材50の第2端部52に形成された係止片53A、53Bを弾性変形させることにより、リンク部材C3のリンクレバーC32を可動部材50の第2端部52に連結し、又は第2端部52から取り外す作業を一層容易に実施できる。
(実施例2)
図17に示すように、実施例2のドアロック装置では、実施例1のドアロック装置1に係る円形状の周壁88の代わりに、周壁88よりも上方かつ後方に偏って膨らむ周壁288を採用している。インナパネル4の開放窓204Hも、周壁288の形状に整合し、周壁288よりも若干大きい形状とされる。これにより、突出用開口80H、回動軸心X50、可動部材50の伝達軸55及び第2端部52の位置を実施例1よりも上方にずらすことが可能となっている。遮蔽部材89は、周壁288の上部分及び横部分に沿って延びている。遮蔽部材89は、周壁288に囲まれたコネクタ嵌合部80C及び突出用開口80Hを上方、前方及び後方から傘状に覆う。
実施例2のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
このような構成である実施例2のドアロック装置では、実施例1のドアロック装置1と同様に、組み付け工程の簡素化を実現できる。また、このドアロック装置では、コネクタ嵌合部80Cと突出用開口80Hとを離間させることができるので、可動部材50の設計自由度を向上させることができるとともに、収納室7A内の電気部品の増加に応じて、コネクタ嵌合部80Cを大型化することを容易に実現できる。
(実施例3)
図18に示すように、実施例3のドアロック装置では、実施例1のドアロック装置1に係る円形状の周壁88の代わりに、上下方向に長い長円形状の周壁388を採用している。インナパネル4の開放窓304Hも、周壁388の形状に整合し、周壁388よりも若干大きい形状とされる。これにより、突出用開口80H、回動軸心X50、可動部材50の伝達軸55及び第2端部52の位置を実施例1よりも上方にずらすことが可能となっている。遮蔽部材89は、周壁388の上部分及び横部分に沿って延びている。遮蔽部材89は、周壁388に囲まれたコネクタ嵌合部80C及び突出用開口80Hを上方、前方及び後方から傘状に覆う。
また、このドアロック装置では、可動部材50の略T字形状の第2端部52の代わりに、四角形状の第2端部352を採用している。また、リンクレバーC32の略T字形状の軸穴C32Hの代わりに、第2端部352に整合する四角形状の軸穴C32H2を採用している。第2端部352が軸穴C32H2に挿入されることにより、リンクレバーC32が第2端部52に対して回り止めされた状態で連結される。また、第2端部352の先端には、ネジ穴352Hが凹設されている。ネジ穴352Hに図示しない止めネジを捻じ込むことにより、リンクレバーC32が第2端部52に対して抜け止めされる。
さらに、このドアロック装置では、第2ハウジング80に一体に形成されたコネクタ嵌合部80Cの代わりに、第1ハウジング70及び第2ハウジング80とは別体のコネクタ嵌合部380Cを採用している。コネクタ嵌合部380Cは、第2ハウジング80の第2基壁部81における周壁388に囲まれた部位に形成されたコネクタ嵌合部用開口380Hを介して、作動ハウジング7の外部に露出している。図示は省略するが、コネクタ嵌合部380Cの基部は、第1ハウジング70及び第2ハウジング80の少なくとも一方に固定されている。
実施例3のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
このような構成である実施例3のドアロック装置では、実施例1、2のドアロック装置1と同様に、組み付け工程の簡素化を実現できる。また、このドアロック装置では、コネクタ嵌合部380Cが第1ハウジング70及び第2ハウジング80とは別体であることにより、コネクタ嵌合部380Cの設計自由度を向上させることができる。
(実施例4)
図19に示すように、実施例4のドアロック装置では、実施例1のドアロック装置1に係る円形状の周壁88の代わりに、上下方向に長い長円形状の周壁488を採用している。周壁488は、実施例3に係る周壁388よりも上下方向に長い。インナパネル4の開放窓404Hも、周壁488の形状に整合し、周壁488よりも若干大きい形状とされる。
また、このドアロック装置では、実施例1に係る円形状の突出用開口80Hの代わりに、上下方向に長い矩形形状の突出用開口480Hを採用している。遮蔽部材89は、周壁488の上部分及び横部分に沿って延びている。遮蔽部材89は、周壁488に囲まれたコネクタ嵌合部80C及び突出用開口480Hを上方、前方及び後方から傘状に覆う。
さらに、図20に示すように、このドアロック装置では、実施例1に係る直動ロックレバー40に形成された連結凸部40Jの代わりに、ラックギヤ440Gを採用している。ラックギヤ440Gは、直動ロックレバー40における前方かつ上方に分岐する部位の上部分に形成されている。ラックギヤ440Gを構成する複数のギヤ歯は、それぞれ前向きに突出する状態で上下方向に並んでいる。そして、収納室7A内には、ラックギヤ440Gに噛み合うピニオンギヤ440Pが配置されている。
また、このドアロック装置では、実施例1に係る可動部材50の代わりに、可動部材450を採用している。可動部材450は、収納室7A内において第1ハウジング70の第1基壁部71に形成されたガイドレール77に上下方向に直動可能に支持されている。可動部材450における後端縁は、第1端部451である。第1端部451には、ラックギヤ451Gが形成されている。ラックギヤ451Gを構成する複数のギヤ歯は、それぞれ後向きに突出する状態で上下方向に並んでいる。そして、ラックギヤ451Gがピニオンギヤ440Pに噛み合うことにより、可動部材450の第1端部451が直動ロックレバー40に連結されている。
図19及び図20に示すように、第2端部452は、可動部材450における前端縁側から車両内側に向かって突出する角柱である。第2端部452は、第1端部451と一体をなしている。第2端部452は、突出用開口480Hを通過して、作動ハウジング7の外部に突出している。
図19に簡略して示すように、第2端部452には、リンク部材C34の下端部が連結補助部材C34Jを介して連結される。図示は省略するが、リンク部材C34の上端部は、室内ロックノブH3に固定される。なお、実施例1に係る係止片53A、53Bと同様の係止片を第2端部452に設け、その係止片によって、リンク部材C34の下端部又は連結補助部材C34Jを弾性変形によって着脱可能に係止してもよい。
直動ロックレバー40が図20に示す開錠位置から上向きに直動して施錠位置に変位すると、可動部材450が下向きに直動し、リンク部材C34を介して室内ロックノブH3を引き下げる。その一方、直動ロックレバー40が施錠位置から下向きに直動して図20に示す開錠位置に変位すると、可動部材450が上向きに直動し、リンク部材C34を介して室内ロックノブH3を押し上げる。また、搭乗者が室内ロックノブH3を押し込む施錠操作により、可動部材450が下向きに直動すると、直動ロックレバー40が図20に示す開錠位置から上向きに直動して施錠位置に変位する。
このような構成である実施例4のドアロック装置では、実施例1〜3のドアロック装置1と同様に、組み付け工程の簡素化を実現できる。
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施例1〜4では、コネクタ嵌合部80C、380Cが雌型であり、外部コネクタE1が雄型であるが、その逆であってもよい。
実施例1〜4では、搭乗者が室内ロックノブH3を押し込む施錠操作を行うことが可能であるがこの構成には限定されない。室内ロックノブH3の代わりに、ドア2の開錠状態又は施錠状態を表示するだけのインジケータを採用する構成も本発明に含まれる。また、搭乗者が室内ロックノブH3を押し込んだ状態でも、室内ロックノブH3の上端部が車室側に露出し、その露出した部分を搭乗者がつまんで引き上げることでドア2を開錠状態にすることが可能な構成も本発明に含まれる。
実施例1〜4に係る遮蔽部材89を環状にした構成も本発明に含まれる。具体的には、実施例1に係る遮蔽部材89が周壁88に沿って円環状に延びてコネクタ嵌合部80C及び突出用開口80Hを囲っていてもよい。
作動機構と相関する電気部品は、実施例1〜4に係るスイッチSW1及び電動モータM1に限定されない。例えば、実施例1等に係るラッチ機構8のフォーク11又はポール12の位置を検知するスイッチも「作動機構と相関する電気部品」に含まれ得る。
本発明は自動車、バス又は産業車両等の車両に利用可能である。
1…車両用ドアロック装置
E1…外部コネクタ
80C…コネクタ嵌合部
2…車両用ドア
7、9…ハウジング(7…作動ハウジング、9…ラッチハウジング)
6、8…作動機構(6…ロック機構、8…ラッチ機構)
SW1、M1…電気部品(SW1…スイッチ、M1…電動モータ)
T1…複数の接続端子
T1A…突端部
50…可動部材
3…アウタパネル
4…インナパネル
5…ドアトリム
4H…開放窓
C3…リンク部材
51…第1端部
52…第2端部
80H…突出用開口
89…遮蔽部材
88…周壁
X50…回動軸心
55…伝達軸
53A、53B…係止片

Claims (6)

  1. 外部コネクタが嵌合されるコネクタ嵌合部が形成され、車両用ドアに固定されるハウジングと、
    前記ハウジング内に収容され、前記車両用ドアを開錠状態又は施錠状態とする機能を含む作動機構と、
    前記ハウジング内に収容され、前記作動機構と相関する電気部品と、
    前記電気部品に接続され、前記コネクタ嵌合部から突出して前記外部コネクタが接続される突端部を有する複数の接続端子と、
    前記作動機構に連結され、前記開錠状態に対応する第1位置と、前記施錠状態に対応する第2位置との間で変位する可動部材とを備え、
    前記車両ドアは、アウタパネルと、前記アウタパネルよりも車室側に配置され、前記アウタパネルに固定されるインナパネルと、前記インナパネルよりも前記車室側に配置され、前記インナパネルに固定されるドアトリムとを有し、
    前記ハウジングは、前記アウタパネルと前記インナパネルとの間に固定され、
    前記インナパネルには、前記コネクタ嵌合部を前記車室側に開放しつつ、前記ドアトリムによって覆われる開放窓が形成され、
    前記インナパネルよりも前記車室側には、リンク部材が配置され、
    前記可動部材は、前記ハウジング内で前記作動機構に連結される第1端部と、前記第1端部と一体をなし、前記ハウジング外に突出して前記リンク部材が連結される第2端部とを有する車両用ドアロック装置であって、
    前記ハウジングには、前記第2端部を前記ハウジングから突出させる突出用開口が形成され、
    前記開放窓は、前記突出用開口も前記車室側に開放し、
    前記コネクタ嵌合部及び前記突出用開口は、前記開放窓の周縁で前記ハウジングと前記インナパネルとに当接する単一の遮蔽部材によって少なくとも傘状に覆われていることを特徴とする車両用ドアロック装置。
  2. 前記ハウジングには、前記インナパネルに向かって突出して前記コネクタ嵌合部及び前記突出用開口を囲む周壁が形成され、
    前記周壁は、前記開放窓内に配置される請求項1記載の車両用ドアロック装置。
  3. 前記周壁及び前記開放窓は円形状である請求項2記載の車両用ドアロック装置。
  4. 前記遮蔽部材は、前記ハウジング側に取り付けられた遮蔽機能を有する発泡体からなる請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両用ドアロック装置。
  5. 前記可動部材は、前記第1端部と前記第2端部との間で前記突出用開口を通過し、前記インナパネルの厚さ方向と略平行に延びる回動軸心周りに回動可能な伝達軸を有し、
    前記伝達軸は、前記遮蔽部材によって覆われている請求項1乃至4のいずれか1項記載の車両用ドアロック装置。
  6. 前記第2端部は、前記第2端部に連結される前記リンク部材を弾性変形によって着脱可能に係止する係止片を有している請求項1乃至5のいずれか1項記載の車両用ドアロック装置。
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