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JP6624508B2 - 心電図解析装置、心電図解析方法、および心電計 - Google Patents

心電図解析装置、心電図解析方法、および心電計 Download PDF

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JP6624508B2 JP2015253742A JP2015253742A JP6624508B2 JP 6624508 B2 JP6624508 B2 JP 6624508B2 JP 2015253742 A JP2015253742 A JP 2015253742A JP 2015253742 A JP2015253742 A JP 2015253742A JP 6624508 B2 JP6624508 B2 JP 6624508B2
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Description

本発明は心電図解析装置、心電図解析方法、および心電計に関し、特には心電図信号から呼吸情報を抽出する技術に関する。
睡眠時無呼吸(低呼吸)症候群(Sleep Apnea (Hypopnea) Syndrome: SASまたはSAHS)は、睡眠の分断による過度の日中傾眠を伴い、睡眠時に10秒以上連続した無呼吸が5回/時間又は30回/7時間以上発生する疾患である。以下では便宜上、SASとSAHSを併せて単にSASと呼ぶ。
SASの診断には、口鼻呼吸、いびき、動脈血酸素飽和度(SpO)、呼吸努力運動、脳波、眼球運動、頤筋筋電図、心電図、体位などの測定を終夜行う終夜睡眠ポリグラフ(Poly-Somno-Graphy:PSG)検査が必要である。しかしながら、終夜睡眠ポリグラフ検査は、通常、病院での宿泊を要し、またカニューレや多数の電極、センサ類を装着する必要があるため、被検者の負担が比較的大きい。そのため、終夜睡眠ポリグラフ検査を行う前に、より簡便なスクリーニング検査(簡易PSG検査)を行うことが多い。例えば特許文献1には、無呼吸及び低呼吸の有無、回数やSpO値、いびき、呼吸努力運動といったスクリーニング検査に用いる睡眠時無呼吸検査装置が開示されている。
特開2006−320732号公報 特開2010−51387号公報
簡易PSG検査によって被検者の負担は軽減されるが、鼻や口付近に呼吸センサを装着して就寝するのは煩わしく、より負担の少ない方法が望まれている。
一方、無呼吸や低呼吸によって心拍数が変化することに着目して、心電図から無呼吸や低呼吸を検出する方法も検討されている(特許文献2)。特許文献2では、無呼吸や低呼吸の周期と同期して、心拍数が徐脈と頻脈を繰り返す周期性心拍変動パターン(CVHR:cyclic variation of heart rate)を検出している。心拍数は例えば心電図(ECG)のR波の間隔(R−R間隔)により得ることができるため、測定の負担が少ないホルタ心電図などを利用してCVHRを検出することができる。
しかしながら、心拍数の変化は必ずしも無呼吸や低呼吸によって生じるとは限らないため、心拍数が安定しない他の要因を有する被検者に対しては、CVHRを精度良く測定することは困難である。例えば、心房細動の患者はもともと心拍数が不安定であるため、仮にSASに罹患していても、心拍数の変動が心房細動によるものか、SASによるものかを心電図から判別することは困難である。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、被検者の呼吸情報を心電図信号から精度良く取得することが可能な心電図解析装置、心電図解析方法、および心電計の提供を目的とする。
上述の目的は、誘導方向の異なる第1の心電図信号および第2の心電図信号を取得する取得手段と、第1の心電図信号から、第2の心電図信号の推定信号を生成する推定手段と、第2の心電図信号と、推定手段が生成した推定信号との差信号を生成する減算手段と、差信号の低周波成分を呼吸努力に関する信号として抽出する抽出手段と、を有することを特徴とする心電図解析装置によって達成される。
このような構成により、本発明によれば、被検者の呼吸情報を心電図信号から精度良く取得することが可能な心電図解析装置、心電図解析方法、および心電計を提供できる。
本発明の実施形態に係る心電図解析装置の一例としてのホルタ心電計の機能構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る解析処理を模式的に示したブロック図である。 図2における推定モデルの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る心電図解析処理に関するフローチャートである。 本発明の実施例1を説明するための波形図である。 本発明の実施例1を説明するための波形図である。 本発明の実施例2を説明するための波形図である。 本発明の実施例2を説明するための波形図である。
以下、図面を参照して本発明をその例示的な実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る心電図解析装置の一例としての、ホルタ心電計100の機能構成例を示すブロック図である。なお、本実施形態の心電図解析装置は、心電図信号(誘導信号)を被検者から取得するための構成を有しているが、本発明において心電図信号を被検者から取得するための構成は必須でない。本発明に係る心電図解析装置は、予め測定された心電図データを、直接またはネットワークを介して接続された記憶装置や記憶媒体から取得するなど、任意の方法で取得可能であればよい。
図1において、CPU1はROM2に格納されている制御プログラムをRAM3に読み出して実行することにより、後述する心電図解析処理を始めとした、ホルタ心電計100の各種機能を実現する。ROM2はCPU1が実行するプログラムや、メニュー画面などを表示するためのGUIデータ、ユーザ設定データ、初期設定データなど、処理に必要なパラメータ等を記憶する不揮発性メモリであり、少なくとも一部が書き換え可能であってよい。RAM3はCPU1が実行するプログラムを展開する領域や、変数やデータ等の一時記憶領域として用いられる。メモリカード4は生体電極から入力される心電図信号や、別の生体電気信号やデータをデジタルデータの形式で記憶する記憶装置である。メモリカード4は、カードスロット5に対して着脱可能に装着される。
表示部6は例えば液晶表示装置である。操作部8は電源のオン、オフや測定の開始、停止、各種イベント入力などを行ったり、各種の設定を行なったりするためのスイッチ、ボタンなどからなる。操作部8は表示部6に設けられたタッチパネルを含んでもよい。
また、アナログ−デジタル変換器(A/D変換器)9は心電図電極12から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。センサ用I/F10は、心電図電極12からの心電図信号(誘導信号)を取得するためのインターフェースである。なお、センサ用I/F10は心電図電極12以外にも、SpO(動脈血酸素飽和度)センサや血圧・脈波測定用のカフなどを接続可能であってもよい。
通信インターフェース20は例えばホストコンピュータやプリンタ等の外部機器40と通信を行うための通信インターフェースであり、有線および/または無線通信規格に準拠した構成を有する。
このような構成を有するホルタ心電計100を用いて心電図信号(誘導信号)の取得及び記録を行う場合、被検者の体表面の所定の位置に心電図電極12の遠端に設けられた複数の電極パッドを取り付け、心電図電極12の近端に設けられたコネクタをセンサ用I/F10のコネクタに接続する。
本発明においては、心電図信号から呼吸信号を検出するため、呼吸努力に伴う胸部や腹部の筋肉の活動電位変化の影響の受けやすさの異なる、複数の誘導方向の心電図信号を用いる。典型的には、誘導方向が互いに直交する2方向を含むような誘導法を用いて測定する。
具体的には、左右(X軸)、上下(Y軸)、および前後(Z軸)方向の誘導方向のうち、少なくともX軸方向の誘導(X誘導)を含む、2つ以上の異なる誘導方向で測定することが好ましい。これは、呼吸努力による胸部や腹部の運動に起因する信号が、X軸方向の誘導に多く含まれると考えられるからである。
例えば、X誘導(CM5,mCM5,CC5)、Y誘導(NASA,双極aVF,CMf)、Z誘導(NASA,mV1,CM2,CB2,双極V3)の中から、X誘導と、他の誘導を選択することができる。また、標準12誘導や、ベクトル心電図誘導法(例えばFrank誘導法)を用いることもできる。2チャンネルの心電図信号を測定する場合、X軸方向の誘導とY軸方向の誘導の組み合わせとして、例えばCC5とNASA誘導の組み合わせを好適に用いることができる。
例えば操作部8の操作によって電源が投入されると、CPU1は初期化処理など、心電図信号の取得を開始する前のタイミングで、心電図信号を取得するための動作モードの設定処理を行ことができる。また、CPU1は必要に応じて、心電図信号の記録動作の開始前に、日時や、被検者を特定可能な情報(例えば患者IDなど)を、ユーザに設定させるための入力画面などを表示してもよい。
そして、例えば操作部8からの記録開始指示の入力や、電源投入時からの所定時間経過などに応じて、CPU1は心電図の記録動作を開始する。なお、心電図信号の取得自体は、記録開始指示より前に実行されてよい。例えば、表示部6に現在の動作モードに応じた波形表示を行うことで、動作モードの設定が正しく行われているかどうかを波形表示からユーザが確認することを可能にする。
心電図信号はA/D変換器9により所定のサンプリングレート(例えば125Hz〜数KHz)でサンプリングされ、デジタル信号の形式でメモリカード4や外部機器40に記録される。なお、心電図信号の測定ならびに記録動作は本発明と直接関係がなく、また従来と同様であってよいため、これ以上の説明は省略する。
(心電図信号の解析処理)
次に、誘導方向の異なる2つの心電図信号を解析して、呼吸努力に伴う胸部や腹部の動きを示す信号(以下、呼吸信号という)を呼吸情報として検出する方法に関して説明する。図2は、本実施形態に係る心電図解析処理を模式的に示したブロック図である。
解析部300は、2チャンネルの心電図信号EC1,EC2から呼吸信号を抽出して出力する。解析部300が有する各機能ブロック(後述)はソフトウェア、ハードウェア、あるいは両者の組み合わせによって実現することができる。ソフトウェアによって実現する部分は例えばCPU1がプログラムを実行することによって実施可能である。
解析部300において、必要に応じて設けられるローパスフィルタ305および306は、心電図信号に含まれる不連続点(例えばR波)に存在する高周波成分を抑制することにより、後述する推定信号の低周波成分の推定精度を向上させる。ローパスフィルタ305および306のカットオフ周波数は例えば数Hz程度に設定することができる。
推定信号生成部310は、推定モデルを用いて、一方の心電図信号(ここではch1の心電図信号EC1)から、他方の心電図信号(ここではch2の心電図信号EC2)の推定信号(ここではch2の心電図信号EC2の推定信号^EC2)を生成する。なお、ローパスフィルタ305および306が設けられる場合には、推定信号生成部310に入力するch1の心電図信号EC1はフィルタ処理後の信号であるため、ch2の心電図信号EC2の推定信号^EC2もローパスフィルタ306が適用された後の心電図信号EC2に相当する。減算器320は、実測された心電図信号EC2と、推定信号^EC2との差信号を生成する。呼吸信号抽出フィルタ330は、差信号からR波成分やバイアス誤差を除去するとともに、(呼吸信号成分に影響を与えない程度の)平滑化処理を行い、呼吸信号を抽出する。呼吸信号抽出フィルタ330は、例えばR波成分を除去するためのメジアンフィルタと、呼吸成分を通過させるバンドパスフィルタとの組み合わせによって実現できるが、他の組み合わせを用いてもよい。
呼吸信号と実測された心電図信号EC2との差信号が減算器340で生成され、推定誤差信号として推定信号生成部310にフィードバックされる。推定信号生成部310は、推定誤差信号が小さくなるように、推定モデルのパラメータを例えば最小二乗法(Least Mean Square:LMS)、正規化最小二乗法(正規化LMS:Normalized LMS)、予測誤差法などを用いて推定し、更新する。
ここで、推定信号生成部310について説明する。推定信号生成部310は、一方の心電図信号を入力とし、他方の心電図信号の推定信号を出力するシステムに推定モデルを適用し、推定モデルのパラメータを推定することによってシステムを同定し、推定信号^EC2を生成する。本実施形態で推定信号生成部310は、推定モデルとして多項式モデルを用いる。
心電図電極12を通じて測定される心電図信号EC1,EC2は、心臓の活動電位が体表面に伝達した信号である。そのため、心臓近傍における心電図信号EC0が、胸部モデルを通じて観測された信号であると考えることができる。ここでは、第1チャンネル(ch1)の心電図信号(第1の心電図信号)EC1が胸部モデル1 210を通じて観測され、第2チャンネル(ch2)の心電図信号(第2の心電図信号)EC2が胸部モデル2 220を通じて観測された信号であるとする。誘導方向が異なるため、チャンネルごとに異なる胸部モデルを想定している。
また、一方の心電図信号(ここではch2の心電図信号EC2)に、呼吸努力による胸部や腹部の運動に起因する信号(呼吸信号)が加算器230によって重畳されるものとする。なお、呼吸信号は両方の心電図信号に重畳しうるが、誘導方向が異なることにより、心電図信号に重畳する呼吸信号の強度には差が生じる。そのため、便宜上、呼吸信号の重畳が多い方の心電図信号についてのみ呼吸信号(呼吸による外乱)が重畳するものとしている。
このような前提に基づくと、測定される心電図信号EC1,EC2は以下の様に表すことができる。
C1=S1EC0 (1)
C2=S2EC0+rs (2)
ここで、rsは呼吸信号である。さらに、式(2)からEC0を除去すると、
C2=(S2/S1)EC1+rs (3)
となる。
従って、係数S2/S1を表す推定モデルのパラメータを推定することで、呼吸信号の含まれないEC2の推定信号^EC2を得ることができる。
この推定信号^EC2と、実測されたEC2との差信号は、EC2に含まれる心電図信号以外の成分、すなわち呼吸信号rsの成分を多く含んだ信号である。そのため、差信号から、R波の成分やバイアス誤差などを除去することにより得られる信号を呼吸信号^rsとして抽出することができる。
なお、式(1)および(2)において、EC2からEC1を推定した場合、呼吸 EC1=(S1/S2)(EC2−rs) (3)'
となる。この場合、係数S1/S2を表す推定モデルのパラメータを推定することにより、推定信号^EC1と、実測されたEC1との差信号は(S1/S2)rsとなる。この場合、呼吸信号rsを直接得ることはできないが、呼吸信号rsを含んだ差信号が得られるため、呼吸信号を抽出できる。従って、計測された2つの心電図信号のどちらを推定信号生成部310に入力しても、呼吸波形を抽出することができる。
図3に、推定信号生成部310が推定モデルとして用いることのできる多項式モデルの例として、ARX(Auto Regressive with eXogenous)多項式モデル、OE(Output-Error)多項式モデル、BJ(Box-Jenkins)多項式モデルを示す。各モデルにおいて、u(k)が入力信号(EC1)、y(k)が出力信号(^EC2)、ω(k)がノイズ成分を示す。
なお、胸部モデルS1,S2がそれぞれLCR回路で表されるとすると、胸部モデルの伝達関数は双2次フィルタ(biquad filter)で表すことができる。従って、各モデルの次数は2を基本とし、心電図信号が含む高周波成分などに応じて調整することができる。
図4のフローチャートを参照して、本実施形態のホルタ心電計100による心電図信号の解析処理動作について説明する。解析処理は心電図信号の記録時に実施してもよいし、記録済みの心電図信号に対して実施してもよい。また、上述したように、ホルタ心電計100のような測定装置とは別の、測定機能を持たない装置で実施してもよい。以下では、予めROM2に記憶された心電図信号の解析プログラムをRAM3に展開してCPU1が実行することによって解析処理を実行するものとするが、解析処理の少なくとも一部がASIC等の専用ハードウェアによって実現されてもよい。
S101でCPU1は、メモリカード4もしくは通信可能に接続された外部機器40から、解析対象の心電図信号を取得する。取得する心電図信号は、上述の通り、少なくとも2つの、互いに異なる方向における心起電力の変化を表す心電図信号である。ここでは典型例として、Y誘導を第1の心電図信号EC1として、またX誘導を第2の心電図信号EC2として取得するものとする。
なお、S101で取得する複数の心電図信号は同時に測定された信号であり、測定期間の一部の心電図信号を取得する場合も、同じ測定期間についての心電図信号を取得する。CPU1は読み出した心電図信号をRAM3に記憶する。SASのスクリーニングを行う場合のように解析区間が長時間にわたる場合、S101では所定時間分ずつ心電図信号を取得する。
次にS103でCPU1は、RAM3に記憶されている第1の心電図信号EC1のサンプル列に対し、必要に応じてローパスフィルタ処理を適用してから推定信号生成部310に入力して推定モデルの同定を開始するとともに、第2の心電図信号EC2のサンプル列を減算器320に入力する。ここでは、推定モデルのパラメータ推定を、新たなサンプルが入力される都度行う(オンライン同定)するものとする。推定信号生成部310によって第2の心電図信号EC2の推定信号^EC2のサンプルが順次生成され、減算器320に出力される。
S105で減算器320は実測された第2の心電図信号EC2から、推定信号生成部310が出力する推定信号^EC2を減じて差信号を生成し、呼吸信号抽出フィルタ330に出力する。なお、CPU1は、第1の心電図信号EC1のサンプル列が推定信号生成部310に入力される前にローパスフィルタ処理を適用されている場合には、第2の心電図信号EC2のサンプル列についても減算器320に入力する前に第1の心電図信号EC1に適用したのと同様のローパスフィルタ処理を適用する。
S107で呼吸信号抽出フィルタ330は、差信号から呼吸信号^rsを抽出して出力する。
以下、解析対象区間について、第1および第2の心電図信号EC1,EC2のサンプルについて順次S101〜S107の処理を繰り返し実行する。学習期間を設けずに推定モデルのパラメータを推定する場合、解析処理の開始直後は推定信号^EC2と実測された第2の心電図信号EC2との整合性は高くないが、時間の経過と共に推定モデルのパラメータが最適化され、整合性が向上していく。
推定信号生成部310で推定モデルをオフライン同定する場合、予め定めた数の連続するサンプル群を用いて推定信号を生成する処理を、重複しない所定の一定期間(データ窓)に含まれるサンプル群ごとに順次実行する。例えば、1つ目のデータ窓に含まれるサンプル群を用いて対応区間の推定信号を生成したら、次のデータ窓に含まれるサンプル群を用いて次の区間の推定信号を生成する処理を繰り返し行う。データ窓の長さは例えば60〜90秒程度とすることができる。
CPU1は、呼吸信号抽出フィルタ330が抽出した呼吸信号^rsをRAM3に保存した後、メモリカード4に記録したり、外部装置40に送信したりする。あるいは、CPU1は、呼吸信号^rsを用いて無呼吸や低呼吸の検出を並行して実行してもよい。なお、無呼吸や低呼吸の検出には、同じ解析対象区間に測定された他の信号(SpO)を必要に応じて用いてもよい。
(実施例)
予め記録された、CC5誘導とNASA誘導(サンプリングレート125Hz)の心電図信号を用い、上述の方法で呼吸信号^rsを得るまでの実例を、図5〜図8を用いて説明する。図5および図6は健常者(心拍数が変動する疾患のない被検者)についての実施例1を、図7および図8は心房細動の患者についての実施例2を示している。
図5〜図8において、ecg1およびecg2は実測された心電図信号を示し、ecg1をNASA誘導、ecg2をCC5誘導とした。
また、ecg1(filtered)およびecg2(filtered)は、ecg1およびecg2にカットオフ周波数4Hzのローパスフィルタ(図2のローパスフィルタ305、306に相当)を適用した心電図信号である。ecg2()はecg1(filtered)から推定したecg2(filtered)信号、err()は減算器320で得られる差信号、filtered()は差信号に呼吸信号抽出フィルタ330を適用して抽出した呼吸信号^rsである。
呼吸信号抽出フィルタ330は、残っているR波成分を除去するためのメジアンフィルタ (タップ数80サンプル(0.64秒))と、呼吸成分を残す程度の平滑化フィルタ(前後150サンプル(2.4秒)と、バイアス誤差を取り除くハイパスフィルタ(カットオフ周波数:0.08Hz)との組み合わせとした。
また、respは、本実施形態による方法を評価するために、胸部に装着した努力呼吸センサで測定した呼吸信号を示している。なお、respとの比較を容易にするため、呼吸信号抽出フィルタ330の出力に−1を乗じたものを^rsとして図示している。
()内のARX、OE、rOE、BJはそれぞれ、推定信号生成部310で用いた推定モデルの種類を示している。なお、rOE以外はデータ窓の長さを90秒としたオフライン同定、rOEはオンライン同定を行った。同定に関する詳細は以下の通りである。
(次数)
ARX(実施例1) Ay=Buのとき A:7次,B:10次
ARX(実施例2) Ay=Buのとき A:10次,B:10次
OE y=B/Fu+eのとき B:2次,F:2次
rOE B:2次,F:2次
BJ y=B/Fu+C/Deのとき B:2次,F:3次,C,D:5次
ARXモデル以外は実施例1,2とも同じ次数である。
(パラメータの同定法)
ARX:最小2乗法
OE :予測誤差法
rOE:正規化LMS法
BJ :予測誤差法
ステップサイズ:2.0e−4
なお、ステップサイズの大きさは、パラメータの変化が拍動の影響を受けない程度の値として設定した一例である。
本実施形態の方法で得られた呼吸信号filtered()においても、努力呼吸センサで測定した呼吸信号respに類似した波形が得られていることが分かる。例えば健常者の例である図5〜図6における呼吸信号respの30〜40秒付近の区間に、無呼吸と思われる事象が現れているが、呼吸信号filtered()にも同様の事象が現れている。
なお、推定モデルにより呼吸信号filtered()とrespとの相関には差が見られ、複数の例による統計的な評価を行った結果、相関の高い順からOE、rOE、BJ、ARXの順であった。OEおよびrOEモデルを用いて得られた推定信号の精度が良好であったのは、EC2=(S2/S1)EC1+rsという関係と推定モデルとがうまく対応したことによるものと思われる。
さらに、図7〜図8に示したように、推定元となる心電図信号と、推定される心電図信号との関係を逆転させても、また、心房細動の患者の心電図信号であっても、良好な呼吸信号が得られた。
以上説明したように本実施形態によれば、誘導方向の異なる2つの心電図信号の一方から他方の推定信号を生成し、実測された心電図信号と推定信号との差信号の低周波成分を努力呼吸に関する信号(呼吸信号)として抽出する。そのため、心拍数の変動に依存せずに呼吸信号を得ることができ、心房細動の患者のように心拍数が変動する患者についても心電図信号からSASのスクリーニングを行うことが可能になる。
また、誘導方向の異なる心電図信号は、一般的な心電図の測定にも使用できる誘導法で得られる心電図信号から抽出することができるため、ホルタ心電計による心電図の測定結果などをSASのスクリーニング検査に利用することが可能である。従って、被検者の負担も従来の簡易PSGと比較して大幅に軽減できる。
なお、本発明に係る心電図解析装置は、一般的に入手可能な、パーソナルコンピュータのような汎用情報処理装置に、上述した動作を実行させるプログラム(アプリケーションソフトウェア)として実現することもできる。従って、このようなプログラムおよび、プログラムを格納した記憶媒体(CD−ROM、DVD−ROM等の光学記録媒体や、磁気ディスクのような磁気記録媒体、半導体メモリカードなど)もまた本発明を構成する。

Claims (8)

  1. 誘導方向の異なる第1の心電図信号および第2の心電図信号を取得する取得手段と、
    前記第1の心電図信号から、前記第2の心電図信号の推定信号を生成する推定手段と、
    前記第2の心電図信号と、前記推定手段が生成した推定信号との差信号を生成する減算手段と、
    前記差信号の低周波成分を呼吸努力に関する信号として抽出する抽出手段と、
    を有することを特徴とする心電図解析装置。
  2. 前記第1の心電図信号と前記第2の心電図信号の一方がX軸方向の誘導であり、他方がY軸もしくはZ軸方向の誘導であることを特徴とする請求項1に記載の心電図解析装置。
  3. 前記第1の心電図信号と前記第2の心電図信号の一方がCC5誘導であり、他方がNASA誘導であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の心電図解析装置。
  4. 前記推定手段は、前記第1の心電図信号を入力信号とし、前記推定信号を出力信号とするシステムを多項式モデルによって同定することにより、前記推定信号を生成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の心電図解析装置。
  5. 前記多項式モデルがARX(Auto Regressive with eXogenous)多項式モデル、OE(Output-Error)多項式モデル、BJ(Box-Jenkins)多項式モデルのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の心電図解析装置。
  6. 被検者に装着された電極を用いて、誘導方向の異なる第1の心電図信号および第2の心電図信号を測定する測定手段と、
    測定された前記第1の心電図信号および前記第2の心電図信号を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記第1の心電図信号および前記第2の心電図信号を解析する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の心電図解析装置と、
    を有することを特徴とする心電計。
  7. 誘導方向の異なる第1の心電図信号および第2の心電図信号を取得する取得工程と、
    前記第1の心電図信号から、前記第2の心電図信号の推定信号を生成する推定工程と、
    前記第2の心電図信号と、前記推定工程で生成された推定信号との差信号を生成する減算工程と、
    前記差信号の低周波成分を呼吸努力に関する信号として抽出する抽出工程と、
    を有することを特徴とする心電図解析方法。
  8. コンピュータを、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の心電図解析装置が有する各手段として機能させるためのプログラム。
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