JP6623104B2 - 車両の乗員保護装置 - Google Patents
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Description
そして、エアバッグ装置には、特許文献1のように乗員の前側から後向きに展開するフロントエアバッグがある。フロントエアバッグは、たとえば車両が前方から衝突する場合に展開され、前方衝突の際に前へ移動しようとする乗員を受け止めて支える。
また、特許文献2のように車両側面内側に沿って前後方向に展開するカーテンエアバッグがある。カーテンエアバッグは、たとえば車両の側方から衝突があった場合に展開され、側方衝突の際に車幅方向外側へ向かって移動しようとする乗員を受け止めて支える。
また、カーテンエアバッグの下側において、車両側面内側と乗員との間で展開するサイドエアバッグがある。サイドエアバッグは、カーテンエアバッグとともに、側方衝突の際に車幅方向外側へ向かって移動しようとする乗員を受け止めて支える。
しかも、本発明では、乗員の頭部の左右近くを通過するように上側から左右一対のショルダエアバッグを展開させているので、左右一対のショルダエアバッグが展開の際に他のエアバッグと干渉し難い。
図2(B)には、シート5に着座した乗員の外側において、前後方向に沿ってカーテンエアバッグ17を展開するカーテンエアバッグ装置16と、カーテンエアバッグ17の下側で前後方向に沿ってサイドエアバッグ22を展開するサイドエアバッグ装置21と、が図示されている。カーテンエアバッグ装置16の本体18は、たとえばルーフレールに配置される。カーテンエアバッグ装置16は、AピラーからCピラーまでの範囲で、窓ガラスに沿って展開する。サイドエアバッグ装置21の本体23は、たとえばシート5の背部の外側部分に配置される。サイドエアバッグ装置21は、シート5の背部の外側部分から前へ向かってサイドエアバッグ22を展開する。カーテンエアバッグ17およびサイドエアバッグ22が、シート5に着座した乗員の車幅方向外側で展開することにより、たとえば側方からの衝突の際に車幅方向外側へ移動しようとする乗員を受け止めたり、乗員とドアとの間の空間を確保したりできる。
図2(C)には、フロントエアバッグ装置11と、サイドエアバッグ装置21とが図示されている。フロントエアバッグ12およびサイドエアバッグ22が、シート5に着座した乗員の前側および車幅方向外側で展開することにより、たとえば斜め前方からの衝突の際に前斜め外側へ移動しようとする乗員を受け止めて支えることができる。
このように、自動車1では、複数の衝突形態に対応するために、複数のエアバッグを設けている。エアバッグの個数は、対処しようとする衝突形態の数に応じて、略比例的に増加している。今後衝突安全基準が強化されたり見直されたりすることにより、より多くのエアバッグを、設ける必要に迫られる。
このため、自動車1では、エアバッグの個数増加を抑制しつつ、複数の衝突形態に対処できるようにすることが求められている。
図4は、図3の右ショルダエアバッグ102および左ショルダエアバッグ102の詳細な形状の説明図である。
右エアバッグ装置の本体103は、たとえばシート5のヘッドレストの右側に配置される。本体103は、シート5の背部の右側部分に配置されてもよい。ここで、右側は、車幅方向内側である。
右ショルダエアバッグ102は、略L字形状に湾曲した展開形状を有する。右ショルダエアバッグ102は、本体103から前へ向かって展開し、略L字形状が下側となる姿勢に展開する。これにより、右ショルダエアバッグ102は、シート5に着座した乗員の後上側から頭部の右近くを通過して上体の前側に回り込むように湾曲または屈曲して展開される。なお、湾曲は、もっと緩くてストレートに近い形状でもよい。
左エアバッグ装置の本体103は、たとえばシート5のヘッドレストの左側部分に配置される。本体103は、シート5の背部の左側部分に配置されてもよい。
左ショルダエアバッグ102の形状および展開状態は、右側のものと同様であり説明を省略する。
なお、直接接触する前側凹部104および後側凹部105の表面には、滑りにくい材料を塗布するなどして滑り止め加工を施してもよい。
制御部60は、たとえば撮像デバイス51の画像に基づいて衝突の可能性を周期的に予測する。そして、衝突の可能性がある場合、制御部60は、シートベルト装置を作動させ、乗員の上体をシート5に引き付ける。
その後、制御部60が、たとえば加速度センサ52の検出値などに基づいて衝突を検出する。そして、衝突が検出された場合、制御部60は、エアバッグ装置を作動させる。
ショルダエアバッグ装置101は、まず図6(A)に示すように、右ショルダエアバッグ102を展開させる。右ショルダエアバッグ102は、ヘッドレストの右側の本体103から前へ向かって展開し、略L字形状が下側となる姿勢に展開する。これにより、右ショルダエアバッグ102は、シート5に着座した乗員の後上側から頭部の右近くを通過して上体の前側に回り込むように湾曲または屈曲して展開される。前側凹部104は、乗員の胸の中央部分に位置する。
次に図6(B)に示しように、左ショルダエアバッグ102を展開させる。左ショルダエアバッグ102は、ヘッドレストの左側の本体103から前へ向かって展開し、略L字形状が下側となる姿勢に展開する。これにより、左ショルダエアバッグ102は、シート5に着座した乗員の後側から頭部の左近くを通過して上体の前側に回り込むように湾曲または屈曲して展開される。後側凹部105は、乗員の胸の中央部分において前側凹部104と係合する。
このように左右一対のショルダエアバッグ102は、乗員の上体の前側において互いに重なって係合する。互いに係合した左右一対のショルダエアバッグ102は、乗員の左右の鎖骨および顎横の周囲に配置される。
しかも、本実施形態では、乗員の頭部の左右近くを通過するように上側から左右一対のショルダエアバッグ102を展開させているので、左右一対のショルダエアバッグ102が展開の際に他のエアバッグと干渉し難い。
このように顎下突起部106を形成することにより、乗員の頭部が下方向へ移動しようとしても、その移動を顎下突起部106により抑制することができる。しかも、左右のショルダエアバッグ102は、頭部の左右近くを通過しているため、頭部の周囲全体にエアバッグを配置することができるので、下方以外への頭部の移動についても高い保護性能を発揮することができる。
このように、左右各々のショルダエアバッグ102の先端縁を車幅方向において幅広に形成し、この先端縁がシート5に着座した乗員の膝上近くに位置することにより、左右各々のショルダエアバッグ102に対して乗員の荷重が下向きに作用した場合、接触した先端縁と腿との接触によりその荷重の一部を逃がすことができる。よって、より大きな荷重が作用しても左右のショルダエアバッグ102は重なり上体を維持し易くなり、その性能を発揮することができる。
なお、左右各々のショルダエアバッグ102の先端縁は、シート5に着座した乗員の腿に接していてもよい。
2…前室
3…乗員室
4…後室
5…シート
11…フロントエアバッグ装置
12…フロントエアバッグ
13…本体
16…カーテンエアバッグ装置
17…カーテンエアバッグ
18…本体
21…サイドエアバッグ装置
22…サイドエアバッグ
23…本体
51…撮像デバイス
52…加速度センサ
53…速度センサ
54…ブレーキ操作センサ
55…角速度センサ
56…ベルト張力センサ
57…ベルト巻取量センサ
58…着座センサ
59…タイマ
60…制御部
101…ショルダエアバッグ装置
102…ショルダエアバッグ
103…本体
104…前側凹部
105…後側凹部
106…顎下突起部
Claims (4)
- 車両に乗車した乗員が着座するシートと、
前記シートに着座した乗員の後上側から頭部の左右近くを通過して上体の前側に回り込むように湾曲または屈曲して展開される左右一対のショルダエアバッグを有する左右一対のショルダエアバッグ装置と、
を有し、
左右一対の前記ショルダエアバッグは、乗員の上体の前側において互いに重なる、
車両の乗員保護装置。 - 好適には、左側の前記ショルダエアバッグと、右側の前記ショルダエアバッグとは、乗員の上体の前側において斜め下方へ向けて展開されて、各々の中央部分で交差し、交差部分に係合構造または擦接面が形成される、
請求項1記載の車両の乗員保護装置。 - 左右各々の前記ショルダエアバッグは、上体の前側において下縁となる先端縁が車幅方向において幅広に形成され、前記先端縁が前記シートに着座した乗員の腿に接し又は膝上近くに位置し、この状態で乗員の上体の前側において互いに重なる、
請求項1記載の車両の乗員保護装置。 - 交差状態において上体に近い側の前記ショルダエアバッグには、交差部分より基端側において、左右の前記ショルダエアバッグの間に向かって突出する顎下突起部が形成される、
請求項1から3のいずれか一項記載の車両の乗員保護装置。
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