JP6613664B2 - 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載のプロジェクターは、光源ユニット、表示素子、投射光学系及び冷却ファンを備える。光源ユニットは、青色光を射出する光源装置と、励起光を射出する光源装置と、蛍光発光装置と、を有する。蛍光発光装置は、入射される励起光によって励起されて蛍光光を射出する蛍光ホイールと、当該蛍光ホイールを回転させるホイールモーターとを備える。
このようなプロジェクターでは、冷却ファンが、蛍光ホイール及びホイールモーターに外気を冷却風として直接吹き付けて、これらを冷却している。
この構成によれば、波長変換素子が上記負圧の領域に設けられているので、当該波長変換素子の周囲の気体(波長変換素子の冷却に供せられた冷却気体)が第1送風装置により吸気され易い。従って、波長変換素子の冷却効率を向上できる。
この構成によれば、第2送風装置によって冷却気体が波長変換素子に供給されるので、波長変換素子の冷却効率を高めることができる。また、第1送風装置の吸気面と波長変換素子との間の流路抵抗が第2送風装置の排気面と波長変換素子との間の流路抵抗より小さい。これによれば、波長変換素子周辺の空気の流れは、第2送風装置による冷却気体の送出より、第1送風装置による冷却気体の吸引の方が支配的となるので、第2送風装置により波長変換素子に供給された冷却気体がより効率よく第1送風装置により吸気される。従って、波長変換素子の冷却効率を更に向上できる。
この構成によれば、また、第1送風装置の吸気面と波長変換素子との間の流路抵抗が第1送風装置の排気面と波長変換素子との間の流路抵抗より小さいので、第1送風装置の排気面側の送出より、当該第1送風装置の吸気面側の吸引の方が支配的となる。これにより、波長変換素子の周辺の冷却気体を効率よく吸引できるので、波長変換素子の冷却効率を向上できる。
この構成によれば、波長変換素子及び第1送風装置が筐体により略密閉されているので、筐体内に当該筐体外の気体が流入することを抑制できる。従って、筐体内に塵埃が流入することを抑制でき、ひいては、波長変換素子に塵埃が付着することを更に抑制できる。
この構成によれば、波長変換素子の特定の箇所に励起光が連続的に照射されることがない。また、回転ホイールの回転により波長変換素子が冷却されやすくなる。そのため、波長変換素子の温度が上がりにくい。
この構成によれば、第1送風装置が上記回転軸に沿う方向に配置されている場合に比べて、基板周辺の冷却気体をより効率よく吸気できる。また、第1送風装置を上記回転軸に沿う方向に配置する場合に比べて、当該第1送風装置の配置位置の選択性を高めることができる。すなわち、波長変換装置を小型化できる。
この構成によれば、第2ダクトの吸引部が波長変換素子の回転軸と交差する方向に延在しているので、第1送風装置により波長変換素子の冷却に供されて熱せられた冷却気体を当該吸引部から効率的に吸引できる。従って、波長変換素子の冷却効率を更に向上できる。
上記第2態様によれば、上記第1態様に係る波長変換装置と同様の効果を奏することができる。また、上記発光素子から射出される光により温度が上昇する波長変換素子を効率よく冷却できるので、照明装置の冷却効率を向上できる他、当該照明装置から安定した照明光を射出できる。
上記第3態様によれば、上記第1態様に係る波長変換装置及び上記第2態様に係る照明装置と同様の効果を奏することができる。また、上記波長変換装置を備えた照明装置から安定した照明光が供給されるので、より鮮明な画像を投射できる。
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、内部に設けられた光源から射出された光束を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーンSC1等の被投射面上に拡大投射する表示装置である。
このプロジェクター1は、図1に示すように、外装筐体2と、当該外装筐体2内に収納される光学ユニット3の他、図示を省略するが、当該プロジェクター1を制御する制御装置、冷却対象を冷却する冷却装置、及び当該プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
光学ユニット3は、照明装置31、色分離装置32、平行化レンズ33、光変調装置34、色合成装置35及び投射光学装置36を備える。
照明装置31は、照明光WLを射出する。なお、照明装置31の構成については、後述する。
色分離装置32は、照明装置31から入射された照明光WLを赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色光に分離する。この色分離装置32は、ダイクロイックミラー321,322、全反射ミラー323,324,325及びリレーレンズ326,327を備える。
ダイクロイックミラー321は、照明装置31からの照明光WLを赤色光LRとその他の色光(緑色光LG及び青色光LB)とに分離する。ダイクロイックミラー321は、赤色光LRを透過させるとともに、その他の色光(緑色光LG及び青色光LB)を反射させる。ダイクロイックミラー322は、その他の色光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。ダイクロイックミラー322は、緑色光LGを反射するとともに、青色光LBを透過させる。
リレーレンズ326,327は、青色光LBの光路の、ダイクロイックミラー322の下流に配置されている。これらリレーレンズ326,327は、青色光LBの光路長が赤色光LRや緑色光LGの光路長よりも長くなることによる青色光LBの光損失を補償する機能を有する。
投射光学装置36は、色合成装置35にて合成された画像光をスクリーンSC1等の被投射面に投射する。このような構成により、スクリーンSC1に拡大された画像が投射される。
図2は、本実施形態のプロジェクター1における照明装置31の構成を示す概略図である。
照明装置31は、前述したように照明光WLを色分離装置32に向けて射出する。この照明装置31は、図2に示すように、光源装置311、アフォーカル光学系312、ホモジナイザー光学系313、偏光分離装置314、位相差板315、ピックアップ光学系316、インテグレーター光学系317、偏光変換素子318、重畳レンズ319、波長変換素子4及び冷却装置5を備える。また、光源装置311は、アレイ光源311A及びコリメータ光学系311Bを備える。
一方、照明光軸Ax2上においては、波長変換層41を備えた波長変換素子4と、ピックアップ光学系316と、位相差板315と、偏光分離装置314と、インテグレーター光学系317と、偏光変換素子318と、重畳レンズ319とが、この順に並んで配置されている。
また、アレイ光源311Aは、各半導体レーザー3111が射出する青色光BLの偏光方向を、偏光分離装置314の偏光分離層3143にて反射される偏光成分(S偏光成分)の偏光方向と一致させている。そして、このアレイ光源311Aから射出された青色光BLは、コリメータ光学系311Bに入射する。
アフォーカル光学系312は、コリメータ光学系311Bから入射された青色光BLの光束径を調整する。このアフォーカル光学系312は、レンズ3121とレンズ3122を備える。このアフォーカル光学系312を通過することによりサイズが調整された青色光BLは、ホモジナイザー光学系313に入射する。
そして、偏光分離層3143に入射した青色光BLは、その偏光方向がS偏光成分と一致していることから、S偏光の励起光BLsとして、波長変換素子4に向けて反射される。
ピックアップ光学系316は、励起光BLcを波長変換層41に向けて集光させる。このピックアップ光学系316は、レンズ3161,レンズ3162を備える。具体的に、ピックアップ光学系316は、入射された複数の光束(励起光BLc)を波長変換層41に向けて集光させるとともに、当該波長変換層41上で互いに重畳させる。
ピックアップ光学系316からの励起光BLcは、波長変換層41に入射する。波長変換層41は、励起光BLcの一部を赤色光及び緑色光を含む蛍光光YLに変換する。蛍光光YLは、500〜700nmの波長域にピーク波長を有する。波長変換層41から射出された蛍光光YLは、ピックアップ光学系316、位相差板315及び偏光分離装置314を透過する。
このようにして、白色の照明光WLが生成される。照明光WLは、偏光分離装置314から射出され、インテグレーター光学系317に入射する。
このように、アレイ光源311Aから射出された光が上記光学系を介して波長変換層41に供給される。
重畳レンズ319は、照明光WLを被照明領域において重畳させることにより、被照明領域の照度分布を均一化する。
波長変換装置6は、図2に示すように、外装筐体2内に配置される波長変換素子4及び冷却装置5により構成される。この波長変換装置6は、上述したように、波長変換素子4に入射された光の波長を変換する機能を有する。以下に、波長変換装置6を構成する波長変換素子4及び冷却装置5について詳しく説明する。
図3は、波長変換素子4を励起光BLcの入射側から見た平面図である。なお、図3では、回転中の円板42に冷却気体が供給されている場合における冷却気体の進行方向を矢印にて示している。
波長変換素子4は、冷却装置5とともに波長変換装置6を構成する。この波長変換素子4は、図2、図3及び図5に示すように、モーター43により回転可能な円板42上に、入射された光の波長を変換する波長変換層41が円板42の周方向に沿って形成されたものである。波長変換層41は、入射された励起光の一部を蛍光に変換して射出するとともに、他の一部を蛍光に変換せずに射出する。
この円板42は、本発明の基板に相当し、図3に示すように、上記モーター43によって回転軸P1を中心にS1方向に回転される。波長変換素子4は、図2に示すように、後述する冷却装置5の第1冷却ファン51の吸気側に配置されている。具体的には、波長変換素子4は第1冷却ファン51の吸気面511側に配置されている。
冷却装置5は、図2に示すように、第1冷却ファン51を備える。第1冷却ファン51は、波長変換素子4を冷却する冷却装置であり、当該波長変換素子4に供給された冷却気体を吸引し、外装筐体2外に吐出する。この第1冷却ファン51は、本発明の第1送風装置に相当し、波長変換素子4における円板42の側面側、すなわち、円板42から見て回転軸P1に直交する方向に配置されている。
また、第1冷却ファン51の吸気面511は、波長変換素子4に対向するように配置されている。換言すると、波長変換素子4は、第1冷却ファン51の駆動により生じた負圧の領域に配置されている。このため、第1冷却ファン51が駆動すると、冷却気体は、吸気面511から排気面512側に流れる。
なお、この第1冷却ファン51は、軸流ファンにより構成されている。しかしながら、これに限らず、第1冷却ファン51は、シロッコファンにより構成されていてもよい。
図4は、従来の構成における波長変換素子9の断面を示す断面図である。図4では、回転中の円板92に冷却気体が供給されている場合における冷却気体の進行方向を矢印にて示している。なお、図4において、波長変換素子9、波長変換層91、円板92、及びモーター93は、上記波長変換素子4、波長変換層41、円板42及びモーター43と同様の構成を有する。
ここで、上記特許文献1に記載のプロジェクターにおいて、波長変換素子に冷却気体が供給された場合の冷却気体の流れについて説明する。
例えば、波長変換素子9に対して、円板92におけるモーター93が接続されている側から、当該円板92の中央部分に冷却気体R100が供給された場合、当該冷却気体R100は、当該中央部分から当該円板92に沿って広がり、当該円板92を冷却する。そして、円板92の回転により生じた遠心力により、冷却気体R110として当該円板92の外側に向けて流される。また、冷却気体R110の一部は、図4に示すように、円板92の回転により生じた負圧により、再度、当該円板92の表面近傍に巻き込まれる。具体的に、冷却気体R110の一部は、円板92の波長変換層91が形成されている側に冷却気体R120として、再度、円板92に供給される。また、冷却気体R110の他の一部は、円板92のモーター93が接続されている側、すなわち、冷却気体R100が供給されている側に冷却気体R130として、再度、円板92に供給される。なお、当該冷却気体R100が、円板92に対して波長変換層91が位置する側から供給された場合も同様である。
図5は、本発明の波長変換素子4における冷却気体の流れを示す図である。
本実施形態では、冷却装置5における第1冷却ファン51は、波長変換素子4の周辺の冷却気体を吸引する機能を有し、当該第1冷却ファン51の吸気面511は、上記円板42の側面側に配置されている。このため、波長変換素子4に供給された冷却気体は、図5に示すように、冷却気体R4,R5として、第1冷却ファン51に吸引される。なお、本実施形態においても、円板42は上記S1方向に回転しているが、当該回転により生じた負圧よりも第1冷却ファン51の吸引力が強いので、冷却気体は円板42に沿って第1冷却ファン51に吸引される。すなわち、円板42の冷却に供されて熱せられた冷却気体は、再度、円板42に供給されることなく、冷却気体R4,R5として第1冷却ファン51に吸引される。このため、円板42を冷却した後の冷却気体は、図5に示すように、冷却気体R4,R5として第1冷却ファン51に吸引され、外装筐体2外に冷却気体R6として排出される。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果がある。
波長変換素子4が第1冷却ファン51の吸気側に配置されていることから、冷却気体が第1冷却ファン51によって吸引されることによって、波長変換素子4の周辺部を冷却気体R4,R5が流れるので、当該波長変換素子4が冷却される。また、当該波長変換素子4の冷却に供されて熱せられた冷却気体R4,R5が吸引されるので、波長変換素子4が回転する構成であっても、当該冷却気体R4,R5が再び波長変換素子4に巻き込まれて波長変換素子4の周辺に停滞することが低減される。従って、波長変換素子4の冷却効率を向上できる。
更に、上記波長変換装置6を備えた照明装置31から安定した照明光WLが供給されるので、本実施形態に係るプロジェクター1は、明るさが安定した画像を投射できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を備えるが、波長変換装置が、波長変換素子4に冷却気体を送出する冷却ファンを更に備える点で、上記プロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同様の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、波長変換装置6Aは、図6に示すように、波長変換素子4及び冷却装置5Aを備える。これらのうち、冷却装置5Aは、上記第1冷却ファン51の他、第2冷却ファン52及びダクト53を備える。
第2冷却ファン52は、図6に示すように、吸気面521及び排気面522を有し、当該吸気面521から冷却気体R7を吸引し、排気面522から波長変換素子4に向けて冷却気体R8を吐出(排気)する機能を有する。この第2冷却ファン52は、第1冷却ファン51と同様に軸流ファンにより構成されている。しかしながら、これに限らず、第2冷却ファン52は、シロッコファンにより構成されていてもよい。
なお、第2冷却ファン52は、本発明の第2送風装置に相当する。
ダクト53は、図6に示すように、L字状に構成され、当該ダクト53の両端部には、2つの開口部531,532が形成されている。このダクト53の開口部531側には、第2冷却ファン52が配置され、開口部532側に第1冷却ファン51が配置される。また、冷却気体の流路中の、第1冷却ファン51と第2冷却ファン52との間に、波長変換素子4が配置される。すなわち、ダクト53には、波長変換素子4、第1冷却ファン51及び第2冷却ファン52が配置される。
具体的に、第2冷却ファン52は、ダクト53内において波長変換素子4の円板42に対向する位置に配置される。換言すると、波長変換素子4は、ダクト53内において第2冷却ファン52の排気面522側に配置される。また、第1冷却ファン51は、上記第1実施形態と同様に、波長変換素子4の円板42の側面側、すなわち、円板42から見て回転軸P1に直交する方向に配置されている。
なお、ダクト53は、本発明の第1ダクトに相当する。
また、ダクト53における第1冷却ファン51の吸気面511と波長変換素子4との間の当該吸気面511に沿う方向の寸法L1は、第2冷却ファン52の排気面522と波長変換素子4との間の当該排気面522に沿う方向の寸法L2より大きい。すなわち、第1冷却ファン51と波長変換素子4との間の流路の断面積は、第2冷却ファン52と波長変換素子4との間の流路の断面積より大きい。このため、第1冷却ファン51の吸気面511と波長変換素子4との間の流路抵抗は、第2冷却ファン52の排気面522と波長変換素子4との間の流路抵抗よりも小さくなる。
このような構成により、第2冷却ファン52の吸気面521側から外装筐体2内の冷却気体R7が吸気され、排気面522から冷却気体R8として波長変換素子4に供給される。そして、波長変換素子4に供給された冷却気体R8は、詳しい図示は省略するが、波長変換素子4の円板42に沿うように第1冷却ファン51の吸気面511に向かって流れる。上述したように、第1冷却ファン51と波長変換素子4との間の流路抵抗が第2冷却ファン52と波長変換素子4との間の流路抵抗よりも小さいので、波長変換素子4を冷却した冷却気体R51は、効率よく第1冷却ファン51の吸気面511側から吸気され、当該第1冷却ファン51の排気面512を介してダクト53の開口部532から外装筐体2外に排出される。
本実施形態に係る波長変換装置6Aを備えるプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
第2冷却ファン52によって冷却気体が波長変換素子4に供給されるので、波長変換素子4の冷却効率を高めることができる。また、第1冷却ファン51の吸気面511と波長変換素子4との間の流路抵抗が第2冷却ファン52の排気面522と波長変換素子4との間の流路抵抗より小さい。これによれば、波長変換素子4周辺の冷却気体の流れにおいては、第2冷却ファン52による冷却気体の送出より、第1冷却ファン51による冷却気体の吸引の方が支配的となるので、第2冷却ファン52により波長変換素子4に供給された冷却気体がより効率よく第1冷却ファンにより吸気される。従って、波長変換素子4の冷却効率を更に向上できる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を備えるが、波長変換装置の構成が第1実施形態及び第2実施形態とは異なっている。具体的に、本実施形態に係るプロジェクターは、波長変換装置が上記波長変換素子4及び第1冷却ファン51を内部に収容する密閉筐体を有する点で、上記プロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同様の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、波長変換装置6Bは、図7に示すように、波長変換素子4及び冷却装置5Bを備える。冷却装置5Bは、上記第1冷却ファン51の他、密閉筐体50及びヒートシンク54を備える。この冷却装置5Bは、密閉筐体50内に配置された波長変換素子4にヒートシンク54により冷却された冷却気体を供給して、当該波長変換素子4を冷却する。
密閉筐体50は、波長変換素子4及び第1冷却ファン51を収容する箱型筐体であり、外装筐体2の内部に設けられている。密閉筐体50は、密閉筐体50外の気体が内部に流入しにくい密閉構造を有する。換言すると、波長変換素子4及び第1冷却ファン51は、密閉筐体50により略密閉されている。
密閉筐体50は、天面部50A、底面部50B、第1側面部50C及び第2側面部50Dを備える。この密閉筐体50は、互いに連通している矩形状の第1ダクト501と、略U字状の第2ダクト502により構成されている。
これらのうち、第1ダクト501は、上記天面部50Aの一部、第2側面部50D及び底面部50Bの一部を構成する。
また、第2ダクト502は、天面部50Aの一部、第1側面部50C及び底面部50Bの一部を構成する。これら第1ダクト501及び第2ダクト502により、当該密閉筐体50は、内部の空気が環状に循環する循環流路を構成する。
ヒートシンク54は、当該ヒートシンク54が接続された部位の温度を低下させる機能を有する。このヒートシンク54は、第2ダクト502の第1側面部50Cに接続されている。
ここで、密閉筐体50内を流れる冷却気体の流路抵抗について説明する。
第1ダクト501の第2側面部50Dに直交する寸法L3(第1冷却ファン51の吸気面511と波長変換素子4との間の流路の寸法)は、第2ダクト502の底面部50Bに直交する寸法L4(第1冷却ファン51の排気面512と波長変換素子4との間の流路の寸法)より大きい。すなわち、第1冷却ファン51の吸気面511と波長変換素子4との間の流路の断面積は、第1冷却ファン51の排気面512と波長変換素子4との間の流路の断面積より大きい。このため、第1冷却ファン51の吸気側と波長変換素子4との間の流路抵抗は、第1冷却ファン51の排気側と波長変換素子4との間の流路抵抗よりも小さくなる。
これにより、波長変換素子4(円板42)を冷却した冷却気体R52は、効率よく第1冷却ファン51により吸気され、密閉筐体50内を冷却気体がスムーズに循環する。
上記波長変換装置6Bを備えるプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
第1冷却ファン51の吸気面511と波長変換素子4との間の流路抵抗が第1冷却ファン51の排気面512と波長変換素子4との間の流路抵抗より小さいので、第1冷却ファン51の排気面512側の送出より、当該第1冷却ファン51の吸気面511側の吸引の方が支配的となる。これにより、波長変換素子4の周辺の冷却気体を効率よく吸引できるので、波長変換素子4の冷却効率を確実に向上できる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を備えるが、冷却装置がダクトを備える、という点で第1実施形態と異なる。そこで、第1実施形態のプロジェクター1と異なる点のみ説明する。
波長変換装置6Cは、図8に示すように、波長変換素子4と冷却装置5Cとを備える。この冷却装置5Cは、本発明の第2ダクトに相当するダクト55と、ダクト55の内部に設けられた第1冷却ファン51とを備える。
ダクト55は、開口部551と開口部552とを有している。また、ダクト55は、上記回転軸P1と直交する方向に延在している吸引部553を有し、開口部551は、吸引部553に設けられている。更に、ダクト55は、開口部551が波長変換素子4の側面に面するように配置されている。このため、冷却気体R4,R5は、開口部551から効率よく吸引される。そして、開口部551から吸引された冷却気体R4,R5は、第1冷却ファン51の排気面512を介して開口部552から外装筐体2外に排出される。
なお、冷却気体R4,R5は必ずしも外装筐体2外に排出されなくてもよい。また、本実施形態においては、第1冷却ファン51がダクト55の内部に設けられているが、第1冷却ファン51は開口部552に接続されていてもよい。
上記波長変換装置6Cを備えるプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
波長変換装置6Cは、ダクト55を備えているので、波長変換素子4の冷却に供されて熱せられた冷却気体R4,R5が効率的に第1冷却ファン51によって吸引される。また、冷却気体R4,R5は開口部552から外装筐体2外に排出されるため、熱せられた冷却気体R4,R5が再び波長変換素子4に向かって流れることが抑制される。その結果、波長変換素子4の冷却効率がさらに改善される。
なお、吸引部553が回転軸と直交していた方が、冷却気体R4,R5が効率的にダクト55に吸引されるが、当該吸引部553が回転軸と必ずしも直交している必要は無く、回転軸と交差していればよい。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、波長変換素子4は、回転可能な円板42上に設けられた波長変換層41を備えることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、ヒートシンクが接続された基板に固定された波長変換層により上記蛍光部材が構成されていてもよいし、基板に固定された波長変換層のみにより、上記蛍光部材が構成されてもよい。すなわち、波長変換層41が回転しない構成であってもよい。このような構成であっても、蛍光部材の周辺の冷却気体を第1冷却ファン51により吸気できるので、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、波長変換素子4は、第2冷却ファン52の排気面522側に配置されることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、波長変換素子4は、第2冷却ファン52の吸気面521側に配置されてもよい。
波長変換素子4及び第1冷却ファン51は、密閉筐体50内に略密閉されていることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、密閉筐体50の一部に開口等が設けられていてもよい。
上記第3実施形態では、冷却装置5Bは、第1冷却ファン51を備えることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、第2実施形態と同様に、波長変換素子4に冷却気体を供給する第2冷却ファン52を更に備えてもよい。この場合、第2冷却ファン52は、排気面522を波長変換素子4の円板42に対向するように配置すればよい。
また、光変調装置として、デジタルマイクロミラーデバイス等を用いてもよい。
Claims (7)
- 波長変換素子と、
前記波長変換素子を冷却する冷却装置と、を備え、
前記冷却装置は、
第1送風装置と、
前記波長変換素子及び前記第1送風装置を収容し、前記第1送風装置から排気された冷却気体が前記波長変換素子に供給される循環流路を有する筐体と、を有し、
前記波長変換素子は、前記第1送風装置の吸気側に配置され、
前記波長変換素子は、
回転軸を中心として回転可能な基板と、
前記基板に設けられた蛍光体層と、を有し、
前記第1送風装置の吸気面と前記波長変換素子との間の流路抵抗は、前記第1送風装置の排気面と前記波長変換素子との間の流路抵抗よりも小さく、
前記第1送風装置の吸引力は、前記基板の回転によって生じる負圧より高いことを特徴とする波長変換装置。 - 請求項1に記載の波長変換装置において、
前記波長変換素子及び前記第1送風装置は、前記筐体により略密閉されていることを特徴とする波長変換装置。 - 波長変換素子と、
前記波長変換素子を冷却する冷却装置と、を備え、
前記冷却装置は、
第1送風装置と、
前記波長変換素子に冷却気体を送出する第2送風装置と、
前記波長変換素子、前記第1送風装置及び前記第2送風装置が配置される第1ダクトと、を有し、
前記波長変換素子は、前記第1送風装置の吸気側に配置され、
前記波長変換素子は、
回転軸を中心として回転可能な基板と、
前記基板に設けられた蛍光体層と、を有し、
前記第1送風装置の吸気面と前記波長変換素子との間の流路抵抗は、前記第2送風装置の排気面と前記波長変換素子との間の流路抵抗よりも小さく、
前記第1送風装置の吸引力は、前記基板の回転によって生じる負圧より高いことを特徴とする波長変換装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の波長変換装置において、
前記波長変換素子は、前記第1送風装置の駆動により生じた負圧の領域に設けられていることを特徴とする波長変換装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の波長変換装置において、
前記第1送風装置は、前記基板から見て前記回転軸に直交する方向に位置することを特徴とする波長変換装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の波長変換装置と、
前記波長変換素子に入射される励起光を射出する発光素子と、を備えることを特徴とする照明装置。 - 請求項6に記載の照明装置と、
前記照明装置から射出された光を画像信号に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、
前記照明装置、前記光変調装置及び前記投射光学装置を収納する外装筐体と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
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