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JP6699980B2 - 吸収体の製造方法及び吸収体の製造装置 - Google Patents

吸収体の製造方法及び吸収体の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、吸収性物品用の吸収体の製造方法及び吸収体の製造装置に関する。
使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に用いられる吸収体として、例えば、パルプ繊維及び合成繊維を含む吸収体が知られている。パルプ繊維及び合成繊維を含む吸収体の製造方法として、例えば、特許文献1が知られている。
特許文献1には、予め繊維同士を結合させた三次元構造を有する不織布を成形した後、前記不織布を粉砕して不織布片を成形し、前記不織布片を親水性繊維と混合する吸収性物品用吸収体の製造方法が記載されている。また、特許文献1には、不織布を粉砕する手段として、カッターミル方式を採用することが記載されている。
特開2002−301105号公報
本発明は、合成繊維を含む吸収性物品用の吸収体の製造方法である。製造方法は、前記合成繊維を含む帯状の合成繊維シートを、第1方向と該第1方向に交差する第2方向とに所定の長さで切断して前記合成繊維を含むシート片を形成する切断工程と、形成された前記シート片を集積部に搬送する搬送工程と、前記搬送工程で搬送された前記シート片を、前記集積部に集積して、吸収体の構成部材である集積体を得る集積工程とを備える。
また、本発明は、合成繊維を含む吸収性物品用の吸収体の製造装置である。製造装置は、前記吸収体の原料を搬送するダクトと、該ダクトにおける搬送方向の下流側に配置され前記吸収体の原料を集積する集積部と、該ダクトの内部に前記合成繊維を供給する供給部とを備えている。前記供給部は、前記合成繊維を含む帯状の合成繊維シートを第1方向及び該第1方向に交差する第2方向に所定の長さで切断して前記合成繊維を含むシート片を形成するカッター刃を有している。
図1は、本発明の吸収体の製造方法で製造される吸収体の好ましい一実施形態を示す断面図である。 図2は、図1に示す吸収体を製造する製造装置の好ましい一実施形態を示す概略斜視図である。 図3は、図2に示す製造装置を側部側から視た概略側面図である。 図4は、図2に示す製造装置の備える供給部の拡大側面図である。
発明の詳細な説明
特許文献1に記載の吸収体の製造方法のように、カッターミル方式を用いて不織布を粉砕して不織布片を成形する場合、全て一定のサイズの不織布片を形成するのは困難であり、意図したサイズに対してばらつきが生じる。結果として形成された不織布片を含む吸収体の構造にムラが生じてしまい、使用中に異物感が生じる可能性がある。また、このように得られる吸収体の構造にムラが生じてしまうと、吸収体が体液を吸収した際に、安定的に体液を吸収することができなくなる虞がある。
本発明の目的は、意図したサイズのシート片を精度良く形成することができ、狙いの吸収性能を備えた吸収体を効率的に連続して製造することができる吸収体の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、意図したサイズのシート片を精度良く形成することができ、狙いの吸収性能を備えた吸収体を効率的に連続して製造することができる吸収体の製造装置を提供することにある。
以下に、本発明について、その好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の製造方法は、吸収性物品用の吸収体の製造方法である。図1には、本実施態様の吸収体の製造方法で製造される一実施形態の吸収体100の断面図が示されている。吸収体100は、合成繊維10bを含んでおり、図1に示すように、合成繊維10bのみならず、親水性繊維10a及び吸収性粒子10cを含む集積体100aを備えている。ここで、「合成繊維10bを含む」とは、合成繊維10bを含むシート片10bhを有する意味である。吸収体100は、合成繊維10bを含む形態であれば単層でも2層以上の複数層でもよいが、本実施形態では、親水性繊維10aのみから形成された繊維材料と吸収性粒子10cとの集積層上に、親水性繊維10a及び合成繊維10bが混合して形成された繊維材料と吸収性粒子10cとの集積層を重ね合わせた二層構造の集積体100aを有している。このように、吸収体100の構成部材が、前記繊維材料と吸収性粒子10cとを有している。集積体100aは、吸収体100の構成部材であり、吸収体100は、前記二層構造の集積体100aをコアラップシート100bで被覆して形成されている。吸収体100は、吸収性物品の着用時に、着用者の前後方向に対応する縦方向に長い形状となっている。
集積体100aは、合成繊維10bを含むシート片10bh(以下、単にシート片10bhとも言う)を複数含み、各シート片10bhは、略矩形状の形状を有している。各シート片10bhの平均長さは、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがより好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい。ここで平均長さとは、各シート片10bhが長方形状の場合には、長手方向の辺の長さの平均値を示している。各シート片10bhが正方形状の場合には、四辺の内のどちらか1辺の長さの平均値を示している。シート片10bhの平均長さが、0.3mm以上である場合には吸収体100に疎な構造を形成し易く、30mm以下である場合には着用者に吸収体100による違和感を与え難く、吸収体100内の位置によって吸収性能にムラを生じ難い。また、各シート片10bhの平均幅は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい。ここで平均幅とは、各シート片10bhが長方形状の場合には、短手方向の辺の長さの平均値を示している。各シート片10bhが正方形状の場合には、四辺の内のどちらか1辺の長さの平均値を示している。シート片10bhの平均幅が、0.1mm以上である場合には吸収体100に疎な構造を形成し易く、10mm以下である場合には着用者に吸収体100による違和感を与え難く、吸収体100内の位置によって吸収性能にムラを生じ難い。
本発明で製造する吸収体は、吸収性物品用の吸収体として好ましく用いられる。吸収性物品とは、主として尿、経血等の身体から排泄される体液を吸収保持するために用いられるものである。吸収性物品には、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。吸収性物品は、典型的には、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。該吸収体が、本発明の吸収体の製造方法で形成された吸収体である。本発明で製造する吸収体を吸収性物品の吸収体として用いる場合、例えば図1に示すように、親水性繊維10a及び合成繊維10bが混合して形成された繊維材料と吸収性粒子10cとの集積層側を、肌側の上層側に配置する。
吸収体100を形成する繊維材料としては、従来、吸収性物品用の吸収体に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。親水性繊維10aとしては、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等が挙げられる。合成繊維10bとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の短繊維等が挙げられる。シート片10bhとしては、シート形状であれば特に限定されるものではないが、不織布であることが好ましい。また、吸収体100を構成する構成部材には、親水性繊維10a及び合成繊維10b以外に、吸収性粒子10cも含まれている。吸収性粒子10cとしては、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系、高吸収性ポリマー系のものが挙げられる。高吸収性ポリマーとしては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体からなるもの等を用いることができる。吸収体100を構成する構成部材としては、更に、消臭剤、抗菌剤等を必要に応じて用いることもできる。コアラップシート100bとしては、ティッシュペーパー又は透液性の不織布等が挙げられる。
次に、本発明の吸収体の製造方法を、前述した一実施形態の吸収体100の製造方法を例にとり図2〜図4を参照して説明する。図2及び図3には、本実施態様の製造方法の実施に用いる一実施形態の製造装置1の全体構成が示されている。本実施態様の吸収体100の製造方法を説明するに当たり、先に製造装置1を説明する。
吸収体の原料としては、少なくとも合成繊維10bを含んでいれば良いが、前述した吸収体100では、合成繊維10bに加えて、親水性繊維10a及び吸収性粒子10cを含んでいる。吸収体100を製造する製造装置1は少なくとも、図2及び図3に示すように、吸収体100の原料を搬送するダクト3と、ダクト3における搬送方向の下流側に配置され吸収体100の原料を集積する集積部の一例である集積用凹部41と、ダクト3の内部に合成繊維10bを供給する供給部5とを備えている。詳述すると、製造装置1は、搬送方向の上流側から下流側に向かって、親水性繊維10aを含む親水性シート10asを解繊機21を用いて解繊する解繊部2と、吸収体100の原料を空気流に乗せて搬送するダクト3と、ダクト3の途中からダクト3の内部に合成繊維10bを供給する供給部5と、ダクト3の下流側に隣接して配置された回転ドラム4と、回転ドラム4におけるダクト3と反対側に位置する外周面4fに沿って配された押さえベルト7と、回転ドラム4の下方に配されたバキュームコンベア8とを備えている。製造装置1では、集積用凹部41は、回転ドラム4の外周面に配されている。
以下の説明では、合成繊維10bを含む帯状の合成繊維シート10bs及び吸収体100を搬送する方向をY方向、搬送する方向と直交する方向並びに搬送される合成繊維シート10bs及び吸収体100の幅方向をX方向、搬送される合成繊維シート10bs及び吸収体100の厚み方向をZ方向として説明する。
また、後述する第1方向とは、搬送方向Yに延びる方向であり、搬送方向Yとのなす角が45度未満の範囲で延びる方向を意味している。本実施形態では、第1方向は搬送方向Yと平行な方向に一致している。
また、後述する第2方向とは、第1方向に交差する方向である。本実施形態では、第2方向は第1方向に直交する方向であり、搬送する合成繊維シート10bs及び吸収体100の幅方向Xと平行な方向に一致している。
親水性繊維10aを含む吸収体100を製造する製造装置1は、図2及び図3に示すように、親水性繊維10aを含む帯状の親水性シート10asを解繊する解繊部2を備えている。解繊部2は、親水性シート10asを解繊する解繊機21と、解繊機21の上側を覆うケーシング22とを備えている。解繊部2は、ダクト3の内部に、吸収体100の原料である解繊された親水性繊維10aを供給する部分である。また、解繊部2は、製造装置1では、親水性シート10asを解繊機21に供給する一対のフィードローラ23,23を有している。
一対のフィードローラ23,23のうち、少なくとも一方のローラは図示しない駆動装置により回転される構成を有する。一対のフィードローラ23,23はニップ式のローラである。前記駆動装置としては、例えばサーボモータが挙げられる。親水性シート10asのスリップを防止する観点から、一対のフィードローラ23,23の両方が駆動装置により回転されていることが好ましい。この場合、一対のフィードローラ23,23を直接駆動装置により駆動してもよいし、一方のローラを駆動装置で駆動し他方のローラにはギヤ等の伝道手段で駆動を伝達してもよい。また、一対のフィードローラ23,23は、親水性シート10asとのスリップを一層防止する観点から、その表面に軸方向に延びる溝を全周にわたって形成することにより、滑りにくくしてもよい。なお、一対のフィードローラ23,23の他、親水性シート10asの搬送を補助するローラを有していてもよい。
製造装置1は、図2及び図3に示すように、吸収体100の集積体100aの原料を搬送するダクト3を有している。ダクト3は、解繊部2から回転ドラム4に亘って延びており、ダクト3の下流側の開口が、負圧に維持される回転ドラム4の空間Aに位置する外周面4fを覆っている。ダクト3は、天面を形成する天板31、底面を形成する底板32、及び両側面を形成する両側壁33,34を有している。回転ドラム4の吸気ファン(不図示)の作動により、ダクト3の天板31、底板32及び両側壁33,34で囲まれた内部には、回転ドラム4の外周面4fに向けて吸収体100の原料を流す空気流が生じるようになっている。つまり、ダクト3の内部は流路30となっている。
また、吸収性粒子10cを含む吸収体100を製造する製造装置1は、図2及び図3に示すように、ダクト3の天板31に、吸収性粒子10cをダクト3内に供給する吸収性粒子散布管36を配置している。吸収性粒子散布管36は、吸収性粒子10cがスクリューフィーダー等の装置(不図示)を介して、吸収性粒子散布管36の先端に設けられた散布口から排出され、ダクト3内に供給されるようになっている。そして、各スクリューフィーダー等の装置により、吸収性粒子散布管36への吸収性粒子10cの供給量を調整できるようになっている。その為、スクリューフィーダー等の装置によって吸収性粒子10cの吸収性粒子散布管36への供給量を調整することにより、流路30に散布される吸収性粒子10cの量を自在に調整でき、結果として、親水性繊維10a及び合成繊維10bにおける吸収性粒子10cの配合割合を自在に調整できる。製造装置1では、吸収性粒子散布管36は、親水性シート10asを親水性繊維10aに解繊する解繊部2と、合成繊維10bの供給部5との間に配置されているが、吸収性粒子散布管36の配置位置を変えることによって、吸収体100の集積体100aにおける吸収性粒子10cの分布を調整することができる。また、吸収性粒子散布管36の散布口の高さ(天板31と吸収性粒子散布管36の散布口との距離)を変えることによって、吸収体100の集積体100aの厚み方向(Z方向)における吸収性粒子10cの分布を調整することができる。
製造装置1は、図2及び図3に示すように、回転ドラム4を有している。回転ドラム4は、その外周面4fに吸収体の原料を集積して集積体を得る集積部としての集積用凹部41を有している。回転ドラム4は、円筒状をなし、モータ等の原動機(不図示)からの動力を受けて、その外周面4fを形成する部材40が水平軸回りを矢印R1方向に回転する。回転ドラム4は、外周面4fを形成する部材40と、部材40よりも内側に位置するドラム本体42とを有している。ドラム本体42は固定されていて回転しないものである。回転ドラム4の集積用凹部41は、製造装置1においては、回転ドラム4の周方向(2Y方向)の全周に亘って連続的に配置されている。図中、2Yが回転ドラム4の周方向、Xが回転ドラム4の幅方向(回転ドラム4の回転軸と平行な方向)である。このように製造装置1の集積用凹部41は、回転ドラム4の周方向2Yの全周に亘って連続的に配置されている形態であるが、回転ドラム4の周方向2Yに所定の間隔で複数配置されている形態であってもよい。
回転ドラム4のドラム本体42は、図2及び図3に示すように、内部に相互に独立した複数の空間を有しており、製造装置1においては例えば3つの空間A〜Cを有している。空間A〜Cどうしの間は、回転ドラム4の回転軸側から外周面4f側に向かって設けられたプレートにより仕切られている。回転ドラム4には吸気機構としての吸気ファン(不図示)が接続されており、該吸気ファンの駆動により、回転ドラム4内の仕切られた複数の空間の圧力が調整できるようになっている。製造装置1においては、外周面4fがダクト3で覆われた領域に位置する上流側領域である空間Aに対応する領域の吸引力を、下流側領域である空間B〜Cに対応する領域の吸引力よりも強くしたり弱くしたりすることができ、空間Aが負圧に維持されるようになっている。尚、ドラム本体42の空間の仕切り方は、上述した形態に限定されるものではない。例えば、ドラム本体42の負圧に維持された空間Aを、更に複数に仕切り、細かく仕切られた空間毎に圧力が調整できるようにしてもよい。また、例えば、ドラム本体42の空間Bを、更に複数に仕切り、細かく仕切られた空間毎に圧力が調整できるようになっており、空間Aに最も隣接する位置の空間の圧力を空間Aの圧力に調整して、集積用凹部41がダクト3を抜けた少し先まで負圧領域とすることもできる。
外周面4fを形成する部材40は、図2及び図3に示すように、ドラム本体42の外周全周を覆って配されており、モータ等の原動機からの動力を受けて、ドラム本体42の水平軸回りを矢印R1方向に回転する。外周面4fを形成する部材40に集積用凹部41が形成されている。
集積用凹部41の底面は、多孔性部材(不図示)から構成されており、外周面4fの内の集積用凹部41が、回転ドラム4内における負圧に維持された空間上を通過している間、該多孔性部材が吸収体100の原料を吸引する吸引孔として機能する。
製造装置1は、図2及び図3に示すように、ダクト3の内部にシート片10bhを供給する供給部5を備えている。供給部5は、合成繊維10bを含む帯状の合成繊維シート10bsを第1方向及び第2方向に所定の長さで切断して合成繊維10bを含むシート片10bhを形成するカッター刃51,52を有している。好ましくは、供給部5は、カッター刃51,52を用いて形成されたシート片10bhを吸引する吸引ノズル58を有している。供給部5は、製造装置1では、第1方向に切断する複数のカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53と、第2方向に切断する複数のカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54とを有している。製造装置1では、供給部5は、第1のカッターローラ53及び第2のカッターローラ54に対向して配された1個の受けローラ55を有している。
製造装置1では、図2〜図4に示すように、第1のカッターローラ53の表面には、第1のカッターローラ53の円周方向に沿って第1のカッターローラ53の外周全周に亘って連続して延びる複数のカッター刃51,51,51,・・・が第1のカッターローラ53の軸方向(X方向)に並んで配されている。第1のカッターローラ53は、モータ等の原動機からの動力を受けて、矢印R3方向に回転するようになっている。第1のカッターローラ53の軸方向に隣り合うカッター刃51,51,51,・・・どうしの間隔は、切断により形成される合成繊維10bを含むシート片10bhの幅(短手方向の長さ、X方向の長さ)に概ね対応している。より厳密に述べると、シート搬送時のテンションによっては、合成繊維シート10bsが幅方向Xに縮んだ状態で切断される為、出来上がったシート片10bhにおいては、そのテンションが解放されることで、カッター刃51,51,51,・・・どうしの間隔に比べて、シート片10bhの幅が広くなる場合もある。
製造装置1では、図2〜図4に示すように、第2のカッターローラ54の表面に、第2のカッターローラ54の軸方向(X方向)に沿って第2のカッターローラ54の全幅に亘って連続して延びる複数のカッター刃52,52,52,・・・が第2のカッターローラ54の円周方向に間隔を空けて配されている。第2のカッターローラ54は、モータ等の原動機からの動力を受けて、矢印R4方向に回転するようになっている。
受けローラ55は、図2〜図4に示すように、その表面がフラットなフラットローラである。受けローラ55は、モータ等の原動機からの動力を受けて、矢印R5方向に回転するようになっている。供給部5は、受けローラ55の対向面に、回転方向(矢印R5方向)の上流側から下流側に向かって、受けローラ55と第1のカッターローラ53との間に帯状の合成繊維シート10bsを導入するフリーローラ56、帯状の合成繊維シート10bsを第1方向(Y方向)に切断する第1のカッターローラ53、第1方向に切断された第1方向に延びる複数の帯状のシート片10bh1(以下、帯状のシート片連続体10bh1ともいう)を受けローラ55と第2のカッターローラ54との間に導入するニップローラ57、帯状のシート片連続体10bh1を第2方向(X方向)に切断する第2のカッターローラ54が、順に配されている。また、供給部5は、製造装置1では、帯状の合成繊維シート10bsを搬送するフィードローラ(不図示)を有しており、該フィードローラは、受けローラ55と第1のカッターローラ53との間に帯状の合成繊維シート10bsを導入する。フィードローラは、例えばサーボモータ等の駆動装置により回転される構成を有する。合成繊維シート10bsのスリップを防止する観点から、フィードローラは、その表面に軸方向に延びる溝を全周にわたって形成したり、摩擦力を向上させるコーティング処理を全周にわたって施すことにより、滑りにくくしてもよい。さらに、帯状の合成繊維シート10bsをニップローラでフィードローラの間に挟み込むことでスリップを防止してもよい。
製造装置1は、図2〜図4に示すように、第2のカッターローラ54により形成されたシート片10bhを吸引する吸引ノズル58を有している。吸引ノズル58は、その吸引口581が、第2のカッターローラ54の下方、すなわち、第2のカッターローラ54と受けローラ55との最近接点よりも第2のカッターローラ54の回転方向(矢印R4方向)下流側に配置されている。また、吸引ノズル58は、その吸引口581が第2のカッターローラ54の全幅に亘って延びている。シート片10bhの吸引性向上の観点から、吸引ノズル58の吸引口581が、受けローラ55と第2のカッターローラ54との間に対向するように、受けローラ55及び第2のカッターローラ54の下方に配置されている。そして、シート片10bhの更なる吸引性向上の観点から、吸引ノズル58の吸引口581が、図4に示すように、受けローラ55及び第2のカッターローラ54を側面(軸方向)から視て、受けローラ55に対向する吸引口581の弧の長さよりも第2のカッターローラ54に対向する吸引口581の弧の長さが長くなるように第2のカッターローラ54の外面を覆っている。具体的には、吸引ノズル58の吸引口581が、第2のカッターローラ54を側面から視て外周全周における1/4以上の弧の長さを覆っていることが好ましく、該外周全周における1/2以上の弧の長さを覆っていることが更に好ましい。
吸引ノズル58は、図2及び図3に示すように、吸引管59を介してダクト3の天板31側に繋がれている。そして、吸引ノズル58の吸引口581から吸引されたシート片10bhが、吸引管59を介してダクト3の途中からダクト3の内部に供給されるようになっている。吸引管59とダクト3との接続位置は、製造装置1では、ダクト3における解繊部2側と回転ドラム4側との間に位置しており、ダクト3における吸収性粒子散布管36よりも下流側に位置している。尤も、吸引管59とダクト3との接続位置はこれに限るものではなく、例えば、ダクト3の天板31側ではなく、底板32側でも構わない。
製造装置1は、上述した解繊部2、ダクト3、回転ドラム4及び供給部5に加えて、押さえベルト7と、バキュームコンベア8とを有している。
押さえベルト7は、図2及び図3に示すように、ダクト3の位置よりも下流側に隣接して回転ドラム4の外周面4fに沿って配されており、回転ドラム4の空間Aよりも弱い負圧又は圧力ゼロ(大気圧)に設定されている空間Bに位置する外周面4fに沿って配されている。押さえベルト7は、無端状の通気性又は非通気性のベルトであり、ローラ71及びローラ72に架け渡されて、回転ドラム4の回転と共に連れ回るようになっている。尚、押さえベルト7が通気性のベルトである場合には、実質的に集積用凹部41内の原料を通過させないものであることが好ましい。押さえベルト7により、空間Bの圧力を大気圧に設定しても、集積用凹部41内の集積体100aをバキュームコンベア8上に転写するまで、集積用凹部41内に保持できる。
バキュームコンベア8は、図2及び図3に示すように、回転ドラム4の下方に配されており、回転ドラム4の弱い陽圧又は圧力ゼロ(大気圧)に設定されている空間Cに位置する外周面4fに配されている。例えば、ドラム本体42の内部から外周面4fの外側へ向かってエアブローすることで、弱い陽圧とすることができる。バキュームコンベア8は、駆動ローラ81及び従動ローラ82,82に架け渡された無端状の通気性ベルト83と、通気性ベルト83を挟んで回転ドラム4の空間Cに位置する外周面4fと対向する位置に配されたバキュームボックス84とを備えている。バキュームコンベア8上には、ティッシュペーパー又は透液性の不織布等からなるコアラップシート100bが導入されるようになっている。
尚、製造装置1は、バキュームコンベア8よりも下流側に、コアラップシート100bと、コアラップシート100b上に転写された集積体100aを覆うようにコアラップシート100bを幅方向(X方向)に折り返す折りガイド板(不図示)を有している。折りガイド板は、製造装置1においては、コアラップシート100bの搬送方向Yに沿う両側部を集積体100a上に折り返すものである。また、製造装置1は、折りガイド板よりも下流側に切断装置(不図示)を備えており、該切断装置によって、個々の吸収体100が製造される。切断装置としては、例えば、生理用ナプキン、軽失禁パッド、パンティライナー、おむつ等の吸収性物品の製造において、吸収体連続体の切断に従来使用されているもの等を特に制限なく使用することができる。切断装置としては、例えば、一対の周面に切断刃を備えたカッターローラ及び該切断刃を受ける周面平滑なアンビルローラ等が挙げられる。
次に、上述した製造装置1を用いて吸収体100を製造する方法、即ち、本発明の吸収体の製造方法の一実施態様について説明する。
吸収体100の製造方法は、図2及び図3に示すように、合成繊維10bを含む帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向と第2方向とに所定の長さで切断して合成繊維10bを含むシート片10bhを形成する切断工程と、形成されたシート片10bhを集積部としての集積用凹部41に搬送する搬送工程と、搬送工程で搬送されたシート片10bhを、集積部である集積用凹部41に集積し、吸収体の構成部材である集積体100aを得る集積工程とを備えている。本実施態様の吸収体100の製造方法は、切断工程で形成されたシート片10bhを吸引する吸引工程を有している。搬送工程においては、吸引工程で吸引したシート片10bhを空気流に乗せて集積用凹部41に搬送する。また、本実施態様の吸収体100の製造方法は、帯状の親水性シート10asを解繊機21を用いて解繊して親水性繊維10aを得る解繊工程を有している。以下、本実施態様の吸収体100の製造方法について詳述する。
先ず、回転ドラム4内の空間A、及びバキュームコンベア8用のバキュームボックス84内を、それぞれに接続された吸気ファン(不図示)を作動させて負圧にする。空間A内を負圧にすることで、ダクト3内に、吸収体100の原料を、回転ドラム4の外周面4fに搬送する空気流が生じる。また解繊機21及び回転ドラム4を回転させ、且つ第1のカッターローラ53、第2のカッターローラ54及び受けローラ55を回転させ、押さえベルト7及びバキュームコンベア8を作動させる。
次いで、帯状の親水性シート10asを解繊機21を用いて解繊して親水性繊維10aを得る解繊工程を行う。解繊工程においては、親水性シート10asをフィードローラ23を用いて解繊機21に供給して解繊する。一対のフィードローラ23,23は、親水性シート10asの解繊機21への供給速度を制御するようになっており、本実施形態の吸収体100の製造方法における解繊工程においては、親水性シート10asの解繊機21への供給が制御して行われる。
図2及び図3に示すように、解繊機21に供給された親水性シート10asは解繊され、解繊された繊維材料である親水性繊維10aが、解繊機21からダクト3に供給される。
また、吸収体100の製造方法では、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向(Y方向)と第2方向(X方向)とに所定の長さで切断して合成繊維10bを含むシート片10bhを形成する切断工程を行う。切断工程においては、図4に示すように、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向に切断するカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53と、第2方向に切断するカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54とを用いて第1方向と第2方向とに所定の長さで切断してシート片10bhを形成する。切断工程においては、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向に所定の長さで切断する第1のカッターローラ53と、第2方向に所定の長さで切断する第2のカッターローラ54と、第1のカッターローラ53及び第2のカッターローラ54に対向して配された1個の受けローラ55とを用い、第1のカッターローラ53及び受けローラ55の間に帯状の合成繊維シート10bsを導入して第1方向に切断して帯状のシート片連続体10bh1を形成し、形成された帯状のシート片連続体10bh1を受けローラ55で搬送して第2のカッターローラ54及び受けローラ55の間で第2方向に切断してシート片10bhを形成する。以下、具体的に、切断工程について説明する。
切断工程においては、合成繊維シート10bsを上述したフィードローラ(不図示)を用いて搬送する。フィードローラは、合成繊維シート10bsの搬送速度を制御するようになっており、本実施形態の吸収体100の製造方法における切断工程においては、合成繊維シート10bsの搬送速度が制御して行われる。
切断工程においては、図4に示すように、フィードローラで搬送された合成繊維シート10bsを、フリーローラ56を介して、受けローラ55と第1のカッターローラ53との間に導入する。矢印R5方向に回転するフラットローラである受けローラ55と、矢印R3方向に回転する第1のカッターローラ53との間に、合成繊維シート10bsを導入し、第1のカッターローラ53の表面に、第1方向(Y方向)に向かって延びており且つ第2方向(X方向)に間隔を空けて配されている複数のカッター刃51,51,51,・・・によって、合成繊維シート10bsを、第2方向に間隔を空けた位置にて第1方向に切断する。このように切断することによって、第2方向に並置された複数の第1方向に延びる帯状のシート片連続体10bh1が形成される。複数のカッター刃51,51,51,・・・は、それぞれ第2方向に等間隔で第1のカッターローラ53の表面に配されている。したがって、合成繊維シート10bsは等間隔で切断されるので、幅(第2方向の長さ)の等しい帯状のシート片連続体10bh1が複数形成される。切断工程で形成されるシート片連続体10bh1の平均幅は、シート片10bhが所定の効果を発現する上で必要な寸法を確保する観点などから、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがよりに好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい。本実施形態においては、第1のカッターローラ53にて切断されるシート片連続体10bh1の幅は、最終的に形成されるシート片10bhの短手方向の辺の長さに相当する。しかしながら、第1のカッターローラ53にて切断されるシート片連続体10bh1の幅が、最終的に形成されるシート片10bhの長手方向の辺の長さに相当するように切断してもよく、その場合の第1のカッターローラ53にて切断されるシート片連続体10bh1の平均幅は、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがよりに好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい。形成された複数の帯状のシート片連続体10bh1は、矢印R5方向に回転する受けローラ55の周面上で搬送され、受けローラ55とニップローラ57との間に搬送され、ニップローラ57を介して、受けローラ55と第2のカッターローラ54との間に導入される。
次いで、切断工程においては、図4に示すように、矢印R5方向に回転する受けローラ55と、矢印R4方向に回転する第2のカッターローラ54との間に、第2方向に並置された第1方向に延びる複数の帯状のシート片連続体10bh1を導入し、第2のカッターローラ54の表面に、第2方向に向かってローラの全幅に亘って延びており且つ第2のカッターローラ54の回転方向に均等に間隔を空けて配されている複数のカッター刃52,52,52,・・・によって、複数の帯状のシート片連続体10bh1を、第1方向に間欠的に第2方向に亘って切断する。このように切断することによって、第2方向の長さよりも第1方向の長さの方が長い、矩形状のシート片10bhが複数形成される。複数のカッター刃52,52,52,・・・は、それぞれ第2のカッターローラ54の円周方向に等間隔で表面に配されている。したがって、複数のシート片連続体10bh1は等間隔で切断されるので、第1方向の長さの等しい矩形状のシート片10bhが複数形成される。切断工程で形成されるシート片10bhの平均長さは、シート片10bhが所定の効果を発現する上で必要な寸法を確保する観点などから、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがよりに好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい。本実施形態においては、第2のカッターローラ54にて切断されるシート片10bhの長さは、シート片10bhの長手方向の辺の長さに相当する。しかしながら、第2のカッターローラ54にて切断されるシート片10bhの長さが、シート片10bhの短手方向の辺の長さに相当するように切断してもよく、その場合の第2のカッターローラ54にて切断されるシート片10bhの長さ(幅)は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがよりに好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい。
切断工程においては、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向と第2方向とに所定の長さで切断して、合成繊維10bを含むシート片10bhを得ているので、得られるシート片10bhのサイズを意図したサイズに調整し易く、同じサイズのシート片10bhを精度良く多量に製造し易い。このように、意図したサイズのシート片10bhを精度良く形成することができるので、狙いの吸収性能を備えた吸収体を効率的に連続して製造することができる。
次いで、切断工程で形成されたシート片10bhを吸引する吸引工程を行う。製造装置1では、供給部5は、図2及び図3に示すように、第2のカッターローラ54の下方、すなわち、第2のカッターローラ54と受けローラ55との最近接点よりも第2のカッターローラ54の回転方向(矢印R4方向)下流側に吸引口581が配された吸引ノズル58を有している。吸引工程においては、吸引ノズル58を用い、カッターローラ53,54で切断して形成されたシート片10bhを吸引する。このように第2のカッターローラ54の下方、すなわち、第2のカッターローラ54と受けローラ55との最近接点よりも第2のカッターローラ54の回転方向R4下流側に、吸引ノズル58の吸引口581が配されていると、第2のカッターローラ54と受けローラ55とで切断して形成された複数のシート片10bhを効率的に吸引することができる。一般的に、第2のカッターローラ54と受けローラ55とで切断すると、切断して形成された複数のシート片10bhは第2のカッターローラ54の周面上に残存し易いが、製造装置1では、吸引ノズル58の吸引口581が、第2のカッターローラ54を側面から視て外周全周における1/4以上の弧の長さを覆っているので、第2のカッターローラ54の周面上に残存する複数のシート片10bhを更に効率的に吸引することができる。
次いで、形成されたシート片10bhを集積部である集積用凹部41に搬送する搬送工程を行う。搬送工程では、吸引工程で吸引したシート片10bhを空気流に乗せて、回転ドラム4の外周面4fの集積用凹部41に搬送する。吸引工程で吸引したシート片10bhは、吸引管59を介してダクト3の内部に供給されるようになっている。このように、供給部5を用いる搬送工程においては、切断工程及び吸引工程を経て、複数のシート片10bhをダクト3の搬送方向Yの途中の位置にてダクト3の天板31側からダクト3の内部に供給し、供給されたシート片10bhを空気流に乗せて、回転ドラム4の集積用凹部41に飛散状態にて搬送する。
搬送工程においては、切断工程で形成されたシート片10bh及び解繊工程で得られた親水性繊維10aを集積用凹部41に搬送している間に、シート片10bhを親水性繊維10aと混合する。搬送工程では、解繊工程にて形成された親水性繊維10aがダクト3内部に供給され、吸引工程を経て複数のシート片10bhがダクト3の途中からダクト3の内部に供給されている。その為、親水性繊維10aを空気流に乗せて、集積用凹部41に飛散状態にて搬送している途中から、シート片10bhを空気流に乗せて搬送するようになり、シート片10bh及び親水性繊維10aを空気流に乗せて飛散状態にて搬送している間に、シート片10bhが親水性繊維10aに混合される。
また、搬送工程においては、吸収性粒子散布管36を用いて、吸収性粒子10cを供給し、切断工程で形成されたシート片10bh及び吸収性粒子10cを空気流に乗せて、集積用凹部41に搬送している間に、シート片10bh及び吸収性粒子10cを混合する。搬送工程では、吸収性粒子散布管36の位置が、吸引管59とダクト3との接続位置よりも上流側に位置しているので、吸収性粒子10cを空気流に乗せて、集積用凹部41に飛散状態にて搬送している間に、シート片10bh、親水性繊維10a及び吸収性粒子10cが混合される。
次いで、搬送工程で搬送されたシート片10bhを、集積用凹部41に集積して集積体100aを得る集積工程を行う。集積工程においては、シート片10bhのみならず親水性繊維10a及び吸収性粒子10cも、回転ドラム4の外周面4fに配された集積用凹部41に集積されて集積体100aを得る。集積工程においては、集積体100aの厚み方向に、シート片10bh及び親水性繊維10aの混合比が異なるように集積される。本実施態様では、複数のシート片10bhがダクト3の搬送方向Yの途中の位置にてダクト3の天板31側からダクト3の内部に供給される。このように、親水性繊維10aがダクト3の搬送方向Yの上流側から搬送されている途中に、ダクト3の天板31側からシート片10bhが供給されるので、ダクト3の底板32寄りに飛散状態で搬送されている親水性繊維10aよりも、ダクト3の天板31寄りに飛散状態で搬送されている親水性繊維10aの方が、ダクト3の天板31側から供給されるシート片10bhと混合され易い。その為、シート片10bh及び親水性繊維10aは、集積体100aの厚み方向に、混合比が異なるように集積される。集積工程では、集積用凹部41内に、厚み方向に、シート片10bh及び親水性繊維10aの混合比が異なるように集積され、厚み方向の略全域に吸収性粒子10cが混合されて集積される。
集積工程において、集積体100aの厚み方向におけるシート片10bh及び親水性繊維10aの混合比は、例えば、ダクト3の搬送方向Yの途中から合成繊維10bを含むシート片10bhを供給する位置を上流側或いは下流側に変更することによって変更できる。或いは、集積体100aの厚み方向におけるシート片10bh及び親水性繊維10aの混合比は、例えば、ダクト3の吸引管59を繋ぐ位置を天板31側又は底板32側にするか否かで変更することができる。具体的には、ダクト3の搬送方向Yの途中からシート片10bhを供給する吸引管59を繋ぐ位置が天板31側で且つ上流側になればなるほど、集積体100aの厚み方向に混合されるシート片10bh及び親水性繊維10aが均一になる。
以上のようにして、回転ドラム4の集積用凹部41内には、厚み方向に、シート片10bh及び親水性繊維10aの混合比が異なるように集積され、吸収性粒子10cが厚み方向に分散した状態で集積された、吸収体の原料の集積体100aが形成される。集積用凹部41内には、回転ドラム4のメッシュプレート44側に、親水性繊維10aのみから形成された繊維材料と吸収性粒子10cとが集積された集積層が形成され、該集積層上に、親水性繊維10a及び合成繊維10bを含むシート片10bhが混合して形成された繊維材料と吸収性粒子10cとが集積された集積層が重ね合った二層構造の集積体100aが形成され易い。このように集積用凹部41内に形成された集積体100aを、回転ドラム4の周方向(2Y方向)の全周に亘って連続的に製造する。このように、集積用凹部41内に親水性繊維10a、合成繊維10b及び吸収性粒子10cが集積した集積体100aを得た後、図2に示すように、更に回転ドラム4を回転させ、回転ドラム4の空間Bに位置する外周面4fに配された押さえベルト7で集積用凹部41内の集積体100aを押さえつけながら、バキュームコンベア8上まで搬送する。
そして、集積用凹部41内の集積体100aは、図2及び図3に示すように、回転ドラム4の空間Cに位置するバキュームボックス84の対向位置にくると、バキュームボックス84からの吸引によって、集積用凹部41から離型し、バキュームコンベア8上に導入されたコアラップシート100b上へと受け渡される。搬送されているコアラップシート100bの幅方向Xの中央部分上に、搬送方向Yに沿って連続して延びる集積体100aが受け渡される。
次いで、図2に示すように、コアラップシート100bの搬送方向Yに沿う両側部の内の一方の側部を、折りガイド板(不図示)により幅方向(X内側に集積体100a上に折り返す。そして、他方の側部を、折りガイド板により幅方向X内側に集積体100a上に折り返し、集積体100aをコアラップシート100bで被覆してなる帯状の吸収体100を製造する。
その後、切断装置(不図示)によって、帯状の吸収体100を、搬送方向Yに所定の間隔にて切断して、個々の吸収体100を製造する。このように製造された吸収体100は、図1に示すように、コアラップシート100bで被覆された集積体100aが二層構造となっており、厚み方向(Z方向)の一方側(下方側)が、親水性繊維10aのみから形成された繊維材料と吸収性粒子10cとの集積層となっており、厚み方向(Z方向)の他方側(上方側)が、親水性繊維10a及び合成繊維10bを含むシート片10bhが混合して形成された繊維材料と吸収性粒子10cとの集積層となっている。このように、二層構造の集積体100aは、厚み方向(Z方向)において、親水性繊維10a及び合成繊維10bの配合割合が異なっている。
以上のように、製造装置1を用いた製造方法は、図2に示すように、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向(Y方向)と第2方向(X方向)とに所定の長さで切断してシート片10bhを形成する切断工程を備えている。その為、意図したサイズのシート片10bhを精度良く製造できる。特に、第1のカッターローラ53の複数のカッター刃51,51,51,・・・はそれぞれ等間隔で配され、第2のカッターローラ54の複数のカッター刃52,52,52,・・・も、それぞれ等間隔で配されているので、同じサイズのシート片10bhを精度良く多量に製造し易く、含有される合成繊維10bの均一性が向上した集積体100aを備えた吸収体100を製造することができる。このように吸収体100に含有される合成繊維10bの均一性が向上すれば、吸収体100を備えた吸収性物品の使用中に異物感が生じ難く、吸収体100が体液を吸収した際に、安定的に体液を吸収することができる。また、製造装置1を用いた製造方法は、帯状の親水性シート10asを解繊して親水性繊維10aを得る解繊工程を備えている。その為、搬送工程を経ることにより、親水性繊維10a及び合成繊維10bを混合することができる。また、製造装置1を用いた製造方法は、厚み方向Zに、親水性繊維10a及び合成繊維10bの配合割合が異なる二層構造の集積体100aを製造することができる。製造装置1を用いた製造方法によれば、このような吸収体100を効率的に連続して製造することができる。
また、製造装置1を用いた製造方法によれば、図2に示すように、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向(Y方向)に切断するカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53と、第2方向(X方向)に切断するカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54とを用いて切断してシート片10bhを製造している。その為、同じサイズのシート片10bhを備える吸収体100を更に効率的に連続して製造することができる。特に製造装置1を用いた製造方法によれば、第1のカッターローラ53と、第2のカッターローラ54と、第1のカッターローラ53及び第2のカッターローラ54に対向して配された1個の受けローラ55とを用いてシート片10bhを製造している。その為、同じサイズのシート片10bhを備える吸収体100を更に効率的に連続して製造することができる。
また、製造装置1を用いた製造方法によれば、親水性シート10asと合成繊維シート10bsとを別々のフィードローラを用いて解繊部2および供給部5への供給を別々に制御している。その為、各フィードローラの回転数をそれぞれ調整することによって、一対のフィードローラ23,23を介して解繊機21に供給する親水性シート10asの供給量、或いはフィードローラ(不図示)を介して供給部5へ供給する合成繊維シート10bsの供給量を調整でき、吸収体100における親水性繊維10a及び合成繊維10bの混合割合を所望の割合に調整できる。
また、製造装置1を用いた製造方法によれば、厚み方向Zに親水性繊維10a及び合成繊維10bの配合割合が異なる吸収体100を、1個の回転ドラム4と、解繊部2、ダクト3及び供給部5とを用いて製造することができるので、設備の規模をコンパクト化でき、製造装置のコストも抑えることができる。
本発明は、前記実施態様に制限されず適宜変更可能である。
例えば、切断工程では、図2に示すように、第1方向(Y方向)に切断するカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53と、第2方向(X方向)に切断するカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54と、第1のカッターローラ53及び第2のカッターローラ54に対向して配された1個の受けローラ55を用いて、帯状の合成繊維シート10bsを、第1方向と第2方向とに所定の長さで切断し、合成繊維10bを含むシート片10bhを製造している。それに対し、第1のカッターローラ53と第2のカッターローラ54とに対向して配された別々の受けローラを用いて、合成繊維シート10bsを切断してシート片10bhを製造してもよい。
また、切断工程では、図2に示すように、それぞれ等間隔に配置された複数のカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53と、それぞれ等間隔に配置された複数のカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54とを用いて、合成繊維シート10bsを切断して同じサイズのシート片10bhを製造しているが、2種類以上の間隔を有するように複数のカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53又は2種類以上の間隔を有するように複数のカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54とを用いて、合成繊維シート10bsを切断してシート片10bhを製造してもよい。このように製造した場合は、2種類以上のサイズのシート片10bhを形成することができるが、カッターミル方式を用いた製造とは違い、意図したサイズのシート片を精度良く形成することができ、狙いの吸収性能を備えた吸収体を効率的に連続して製造することができる。
また、切断工程では、図2に示すように、第1方向(Y方向)に切断するカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53を用いて、合成繊維シート10bsを切断して帯状のシート片連続体10bh1を形成し、次いで、第2方向(X方向)に切断するカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54を用いて、帯状のシート片連続体10bh1を切断して矩形状のシート片10bhを製造しているが、逆でも良い。すなわち、第2方向に切断するカッター刃52を備えた第2のカッターローラ54を用いて、合成繊維シート10bsを切断して第2方向に延びる帯状のシート片連続体10bh1を形成し、次いで、第1方向に切断するカッター刃51を備えた第1のカッターローラ53を用いて、帯状のシート片連続体10bh1を切断して矩形状のシート片10bhを製造しても良い。
また、図2に示す製造装置1では、供給部5が、第1のカッターローラ53と第2のカッターローラ54とを有しているが、2個のカッターローラに替えて、第1方向(Y方向)に切断するカッター刃51と第2方向(X方向)に切断するカッター刃52とを同一周面上に備えた1個のカッターローラを有していてもよい。供給部5は、前記1個のカッターローラを有する場合、該1個のカッターローラに対向して配された1個の受けローラを有していることが好ましい。前記1個のカッターローラと前記1個の受けローラとを有する製造装置では、吸引ノズル58の吸引口581が該1個のカッターローラの下方に配置されていることが好ましい。具体的には、吸引ノズル58の吸引口581が、該1個のカッターローラと受けローラとの最近接点よりも該1個のカッターローラの回転方向下流側に配置されていることが好ましい。そして、吸引ノズル58の吸引口581が、該1個のカッターローラを側面から視て外周全周における1/4以上の弧の長さを覆っていることが好ましい。
前記1個のカッターローラと前記1個の受けローラとを有する製造装置を用いる場合、切断工程では、該1個のカッターローラを用いて、合成繊維シート10bsを切断してシート片10bhを形成する。具体的には、該1個のカッターローラと、該カッターローラに対向して配された1個の受けローラとを用い、該カッターローラ及び該受けローラの間に帯状の合成繊維シート10bsを導入して第1方向及び第2方向に切断してシート片10bhを形成する。このように、第1方向に切断するカッター刃51と第2方向に切断するカッター刃52との2種類のカッター刃を周面に有する1個のカッターローラを用いれば、設備の規模をコンパクト化でき、製造装置のコストも抑えることができる。
前記1個のカッターローラと前記1個の受けローラとを有する製造装置を用いてシート片10bhを形成する場合、吸引工程においては、吸引ノズル58の吸引口581を該1個のカッターローラの下方に配置して、形成されたシート片10bhを吸引することで、該1個のカッターローラの周面上に残存する複数のシート片10bhを効率的に吸引できる。吸引ノズル58の吸引口581が、該1個のカッターローラと受けローラとの最近接点よりも該1個のカッターローラの回転方向下流側に配置されていると、該1個のカッターローラの周面上に残存する複数のシート片10bhを更に効率的に吸引できる。そして、同様の観点から、吸引ノズル58の吸引口581が、該1個のカッターローラを側面から視て外周全周における1/4以上の弧の長さを覆っていることが好ましい。
また、本実施態様の切断工程では、図2に示すように、第1のカッターローラ53と第2のカッターローラ54とを用いて、合成繊維シート10bsを切断してシート片10bhを製造しているが、カッターローラを用いずに、第1方向(Y方向)に切断するカッター刃51を備えるプレス機と、第2方向(X方向)に切断するカッター刃52を備えるプレス機とを用いて、合成繊維シート10bsを切断してシート片10bhを製造してもよい。
また、搬送工程では、ダクト3の内部に回転ドラム4に向けて吸収体100の原料を流す空気流によって、解繊工程で得られた親水性繊維10a及び切断工程で形成されたシート片10bhを飛散状態にて搬送している間に、親水性繊維10a及びシート片10bhを混合しているが、切断工程において、万が一、合成繊維シート10bsがうまく切断されずに、複数のシート片10bhが連なってしまった場合でも、それらを確実に分離できるように、供給部5に、分離促進部(不図示)を配置してもよい。分離促進部は、吸引管59の内部、或いは吸引管59の途中の位置に配置することが好ましい。分離促進部としては、たとえば、棒状の回転軸の周面から外方に延出する回転刃が該回転軸に螺旋状に取り付けられた装置を吸引管59の途中の位置に配置して、切断不良により吸引管59を通過するシート片10bhが複数連なってしまった場合でも、連なったシート片10bhが回転する回転刃と接触することで、シート片10bhどうしを確実に分離することができる。また、分離促進部としては、吸引管59の内部に圧縮エアーを噴射して旋回流を発生させるエアー噴射装置の噴射口を配置して、切断不良により吸引管59を通過するシート片10bhが複数連なってしまった場合でも、圧縮エアーの圧力と吸引管59の内壁の摩擦により、シート片10bhどうしを確実に分離することができる。
また、本実施態様においては、帯状の親水性シート10asを解繊機21を用いて解繊して親水性繊維10aを得る解繊工程を備えているが、該解繊工程を備えていなくてもよい。また、本実施態様の搬送工程においては、吸収性粒子散布管36を用いて、吸収性粒子10cを供給しているが、吸収性粒子10cを供給しなくてもよい。
また、シート片10bhを集積用凹部41に搬送する搬送工程を有しているのであれば、切断工程で形成されたシート片10bhを吸引する吸引工程を有していなくても良い。尤も、シート片10bhを効率的に集積用凹部41に集積して集積体100aを得る点で、吸引工程を有していることが好ましい。
また、製造される集積体100aの形状は、集積用凹部41の形状を変更することにより柔軟に変更してもよい。また、合成繊維10bに用いられる繊維を親水化処理しても良い。
また、図1に示すように、吸収体100は、前記二層構造の集積体100aを有しているが、合成繊維10bを含むシート片10bhが全体に混合された単層構造の集積体100aでも良い。
上述した実施形態に関し、さらに以下の吸収体の製造方法を開示する。
<1>
合成繊維を含む吸収性物品用の吸収体の製造方法であって、前記合成繊維を含む帯状の合成繊維シートを、第1方向と該第1方向に交差する第2方向とに所定の長さで切断して前記合成繊維を含むシート片を形成する切断工程と、形成された前記シート片を集積部に搬送する搬送工程と、前記搬送工程で搬送された前記シート片を、前記集積部に集積し、吸収体の構成部材である集積体を得る集積工程とを備える、吸収体の製造方法。
<2>
前記切断工程においては、前記帯状の合成繊維シートを、前記第1方向に切断するカッター刃を備えた第1のカッターローラと、前記第2方向に切断するカッター刃を備えた第2のカッターローラとを用いて切断して前記シート片を形成する、前記<1>に記載の吸収体の製造方法。
<3>
前記切断工程においては、前記第1のカッターローラと、前記第2のカッターローラと、該第1のカッターローラ及び該第2のカッターローラに対向して配された1個の受けローラとを用い、該第1のカッターローラ及び該受けローラの間に前記帯状の合成繊維シートを導入して前記第1方向に切断して帯状のシート片連続体を形成し、形成された該帯状のシート片連続体を該受けローラで搬送して該第2のカッターローラ及び該受けローラの間で前記第2方向に切断して前記シート片を形成する、前記<2>に記載の吸収体の製造方法。
<4>
前記切断工程においては、前記帯状の合成繊維シートを、前記第1方向に切断するカッター刃と前記第2方向に切断するカッター刃とを備えた1個のカッターローラを用いて切断して前記シート片を形成する、前記<1>に記載の吸収体の製造方法。
<5>
前記切断工程においては、前記カッターローラと、該カッターローラに対向して配された1個の受けローラとを用い、該カッターローラ及び該受けローラの間に前記帯状の合成繊維シートを導入して前記第1方向及び前記第2方向に切断して前記シート片を形成する、前記<4>に記載の吸収体の製造方法。
<6>
前記切断工程で形成されたシート片を吸引する吸引工程を備え、前記搬送工程においては、前記吸引工程で吸引した前記シート片を空気流に乗せて前記集積部に搬送し、前記吸引工程においては、前記シート片を吸引する吸引ノズルを用い、該吸引ノズルの吸引口を前記第2のカッターローラの下方に配置して、該第2のカッターローラで切断して形成された前記シート片を吸引する、前記<2>又は<3>に記載の吸収体の製造方法。
<7>
前記切断工程で形成されたシート片を吸引する吸引工程を備え、前記搬送工程においては、前記吸引工程で吸引した前記シート片を空気流に乗せて前記集積部に搬送し、前記吸引工程においては、前記シート片を吸引する吸引ノズルを用い、該吸引ノズルは、その吸引口が前記第2のカッターローラと前記受けローラとの最近接点よりも前記第2のカッターローラの回転方向下流側に配置されている、前記<3>に記載の吸収体の製造方法。
<8>
前記吸引ノズルは、その吸引口が前記第2のカッターローラを側面から視て外周全周における1/4以上の弧の長さを覆っている、前記<6>又は<7>に記載の吸収体の製造方法。
<9>
前記切断工程で形成されたシート片を吸引する吸引工程を備え、前記搬送工程においては、前記吸引工程で吸引した前記シート片を空気流に乗せて前記集積部に搬送し、前記吸引工程においては、前記シート片を吸引する吸引ノズルを用い、該吸引ノズルの吸引口を前記カッターローラの下方に配置して、該カッターローラで切断して形成された前記シート片を吸引する、前記<4>又は<5>に記載の吸収体の製造方法。
<10>
前記切断工程で形成されたシート片を吸引する吸引工程を備え、前記搬送工程においては、前記吸引工程で吸引した前記シート片を空気流に乗せて前記集積部に搬送し、前記吸引工程においては、前記シート片を吸引する吸引ノズルを用い、該吸引ノズルは、その吸引口が前記カッターローラと前記受けローラとの最近接点よりも前記カッターローラの回転方向下流側に配置されている、前記<5>に記載の吸収体の製造方法。
<11>
前記吸引ノズルは、その吸引口が前記カッターローラを側面から視て外周全周における1/4以上の弧の長さを覆っていることが好ましく、1/2以上の弧の長さを覆っていることが好ましい、前記<9>又は<10>に記載の吸収体の製造方法。
<12>
帯状の親水性シートを解繊して親水性繊維を得る解繊工程を備え、前記搬送工程においては、前記切断工程で形成された前記シート片及び前記解繊工程で得られた前記親水性繊維を前記集積部に搬送している間に、該シート片を該親水性繊維と混合する、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<13>
前記集積工程においては、前記集積体の厚み方向に、前記シート片及び前記親水性繊維の混合比が異なるように集積する前記<12>に記載の吸収体の製造方法。
<14>
前記搬送工程においては、吸収性粒子を供給し、前記切断工程で形成された前記シート片及び前記吸収性粒子を前記集積部に搬送している間に、該シート片及び該吸収性粒子を混合する、前記<1>〜<13>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<15>
前記第1方向は、前記切断工程における前記帯状の合成繊維シートを搬送する方向であり、前記第2方向は、前記第1方向と直交する方向である、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<16>
前記切断工程で形成された各前記シート片の平均長さは、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがより好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい、前記<1>〜<15>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<17>
前記切断工程で形成された各前記シート片の平均幅は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい、前記<1>〜<16>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<18>
前記集積部は、回転ドラムの外周面に配されている集積用凹部である、前記<1>〜<17>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<19>
合成繊維を含む吸収性物品用の吸収体の製造装置であって、前記吸収体の原料を搬送するダクトと、該ダクトにおける搬送方向の下流側に配置され前記吸収体の原料を集積する集積部と、該ダクトの内部に前記合成繊維を供給する供給部とを備え、前記供給部は、前記合成繊維を含む帯状の合成繊維シートを第1方向及び該第1方向に交差する第2方向に所定の長さで切断して前記合成繊維を含むシート片を形成するカッター刃を有している、吸収体の製造装置。
<20>
前記供給部は、前記第1方向に切断する複数のカッター刃を備えた第1のカッターローラと、前記第2方向に切断する複数のカッター刃を備えた第2のカッターローラとを有している、前記<19>に記載の吸収体の製造装置。
<21>
前記供給部は、前記第1のカッターローラ及び前記第2のカッターローラに対向して配された1個の受けローラを有している、前記<20>に記載の吸収体の製造装置。
<22>
前記供給部は、前記カッター刃を用いて形成された前記シート片を吸引する吸引ノズルを有し、前記吸引ノズルは、その吸引口が前記第2のカッターローラの下方に配置されている、前記<20>又は<21>に記載の吸収体の製造装置。
<23>
前記供給部は、前記カッター刃を用いて形成された前記シート片を吸引する吸引ノズルを有し、前記吸引ノズルは、その吸引口が前記第2のカッターローラと前記受けローラとの最近接点よりも前記第2のカッターローラの回転方向下流側に配置されている、前記<21>に記載の吸収体の製造装置。
<24>
前記吸引ノズルは、その吸引口が前記第2のカッターローラを側面から視て外周全周における1/4以上の弧の長さを覆っている、前記<22>又は<23>に記載の吸収体の製造装置。
<25>
前記供給部は、前記第1方向に切断する複数のカッター刃及び前記第2方向に切断する複数のカッター刃を備えたカッターローラを有している、前記<19>に記載の吸収体の製造装置。
<26>
前記供給部は、前記カッターローラに対向して配された1個の受けローラを有している、前記<25>に記載の吸収体の製造装置。
<27>
前記カッター刃を用いて形成された前記シート片を吸引する吸引ノズルを有し、前記吸引ノズルは、その吸引口が前記カッターローラの下方に配置されている、前記<25>又は<26>に記載の吸収体の製造装置。
<28>
前記カッター刃を用いて形成された前記シート片を吸引する吸引ノズルを有し、前記吸引ノズルは、その吸引口が前記カッターローラと前記受けローラとの最近接点よりも前記カッターローラの回転方向下流側に配置されている、前記<26>に記載の吸収体の製造装置。
<29>
前記吸引ノズルは、その吸引口が前記カッターローラを側面から視て外周全周における1/4以上の弧の長さを覆っている、前記<27>又は<28>に記載の吸収体の製造装置。
<30>
前記供給部は、形成する複数の前記シート片どうしが連なった場合に、それらを分離する分離促進部を有している、前記<19>〜<29>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<31>
前記第1方向は、前記供給部において前記帯状の合成繊維シートを搬送する方向であり、前記第2方向は、前記第1方向と直交する方向である、前記<19>〜<30>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<32>
前記カッター刃を用いて形成された各前記シート片の平均長さは、0.3mm以上30mm以下であることが好ましく、1mm以上15mm以下であることがより好ましく、2mm以上10mm以下であることが特に好ましい、前記<19>〜<31>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<33>
前記カッター刃を用いて形成された各前記シート片の平均幅は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが特に好ましい、前記<19>〜<32>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<34>
親水性繊維から形成された親水性シートを解繊する解繊部を備えている、前記<19>〜<33>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<35>
吸収性粒子を前記ダクト内に供給する吸収性粒子散布管を備えている、前記<19>〜<34>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<36>
親水性繊維から形成された親水性シートを解繊する解繊部と、吸収性粒子を前記ダクト内に供給する吸収性粒子散布管とを備え、前記吸収性粒子散布管は、前記解繊部と前記供給部の間に配置されている、前記<19>〜<35>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
<37>
前記集積部は、回転ドラムの外周面に配されている集積用凹部である、前記<19>〜<36>の何れか1に記載の吸収体の製造装置。
本発明の吸収体の製造方法及び製造装置によれば、意図したサイズのシート片を精度良く形成することができ、狙いの吸収性能を備えた吸収体を効率的に連続して製造することができる。

Claims (15)

  1. 合成繊維を含む吸収性物品用の吸収体の製造方法であって、
    前記合成繊維を含む帯状の合成繊維シートを、第1方向と該第1方向に交差する第2方向とに所定の長さで切断して前記合成繊維を含むシート片を複数形成する切断工程と、
    形成された複数の前記シート片を集積部に搬送する搬送工程と、
    前記搬送工程で搬送された前記シート片を、前記集積部に複数集積し、吸収体の構成部材である集積体を得る集積工程とを備える、吸収体の製造方法。
  2. 前記切断工程においては、前記帯状の合成繊維シートを、前記第1方向に切断するカッター刃を備えた第1のカッターローラと、前記第2方向に切断するカッター刃を備えた第2のカッターローラとを用いて切断して前記シート片を形成する、請求項1に記載の吸収体の製造方法。
  3. 前記切断工程においては、前記第1のカッターローラと、前記第2のカッターローラと、該第1のカッターローラ及び該第2のカッターローラに対向して配された1個の受けローラとを用い、該第1のカッターローラ及び該受けローラの間に前記帯状の合成繊維シートを導入して前記第1方向に切断して帯状のシート片連続体を形成し、形成された該帯状のシート片連続体を該受けローラで搬送して該第2のカッターローラ及び該受けローラの間で前記第2方向に切断して前記シート片を形成する請求項2に記載の吸収体の製造方法。
  4. 前記切断工程で形成されたシート片を吸引する吸引工程を備え、
    前記搬送工程においては、前記吸引工程で吸引した前記シート片を空気流に乗せて前記集積部に搬送し、
    前記吸引工程においては、前記シート片を吸引する吸引ノズルを用い、該吸引ノズルの吸引口を前記第2のカッターローラの下方に配置して、該第2のカッターローラで切断して形成された前記シート片を吸引する、請求項2又は3に記載の吸収体の製造方法。
  5. 前記切断工程で形成されたシート片を吸引する吸引工程を備え、
    前記搬送工程においては、前記吸引工程で吸引した前記シート片を空気流に乗せて前記集積部に搬送し、
    前記吸引工程においては、前記シート片を吸引する吸引ノズルを用い、該吸引ノズルは、その吸引口が前記第2のカッターローラと前記受けローラとの最近接点よりも前記第2のカッターローラの回転方向下流側に配置されている、請求項3に記載の吸収体の製造方法。
  6. 帯状の親水性シートを解繊して親水性繊維を得る解繊工程を備え、
    前記搬送工程においては、前記切断工程で形成された前記シート片及び前記解繊工程で得られた前記親水性繊維を前記集積部に搬送している間に、該シート片を該親水性繊維と混合する、請求項1〜の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
  7. 前記集積工程においては、前記集積体の厚み方向に、前記シート片及び前記親水性繊維の混合比が異なるように集積する、請求項に記載の吸収体の製造方法。
  8. 前記搬送工程においては、前記シート片を空気流に乗せて搬送する、請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
  9. 合成繊維を含む吸収性物品用の吸収体の製造装置であって、
    前記吸収体の原料を搬送するダクトと、該ダクトにおける搬送方向の下流側に配置され前記吸収体の原料を集積する集積部と、該ダクトの内部に前記合成繊維を供給する供給部とを備え、
    前記供給部は、前記合成繊維を含む帯状の合成繊維シートを第1方向及び該第1方向に交差する第2方向に所定の長さで切断して前記合成繊維を含むシート片を形成するカッター刃を有している、吸収体の製造装置。
  10. 前記供給部は、前記第1方向に切断する複数のカッター刃を備えた第1のカッターローラと、前記第2方向に切断する複数のカッター刃を備えた第2のカッターローラとを有している、請求項に記載の吸収体の製造装置。
  11. 前記供給部は、前記第1のカッターローラ及び前記第2のカッターローラに対向して配された1個の受けローラを有している、請求項10に記載の吸収体の製造装置。
  12. 前記供給部は、前記カッター刃を用いて形成された前記シート片を吸引する吸引ノズルを有し、
    前記吸引ノズルは、その吸引口が前記第2のカッターローラの下方に配置されている、請求項10又は11に記載の吸収体の製造装置。
  13. 前記供給部は、前記カッター刃を用いて形成された前記シート片を吸引する吸引ノズルを有し、
    前記吸引ノズルは、その吸引口が前記第2のカッターローラと前記受けローラとの最近接点よりも前記第2のカッターローラの回転方向下流側に配置されている、請求項11に記載の吸収体の製造装置。
  14. 前記供給部は、形成する複数の前記シート片どうしが連なった場合に、それらを分離する分離促進部を有している、請求項9〜13の何れか1項に記載の吸収体の製造装置。
  15. 親水性繊維から形成された親水性シートを解繊する解繊部と、吸収性粒子を前記ダクト内に供給する吸収性粒子散布管とを備え、前記吸収性粒子散布管は、前記解繊部と前記供給部の間に配置されている、請求項9〜14の何れか1項に記載の吸収体の製造装置。
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