JP6697181B2 - 電動機駆動装置 - Google Patents
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Description
図6において、1Aは電動機を含む電気機械、2は電気機械1Aを駆動する三相のインバータ、3は三相各相に対応して設けられた出力段ユニット、4は制御ユニット、5は給電ユニット、6は蓄電要素を備えたエネルギー供給網、7はメインスイッチ、8はバッテリー等のエネルギー蓄積器である。
図7において、3aは相給電ユニット、3bはエネルギー供給網6に接続された緊急動作時給電部、3cは緊急動作時制御部、3dは相給電ユニット3aの出力電圧を閾値Aと比較する比較ユニット、3eは緊急動作時給電部3bの出力電圧を閾値Bと比較する比較ユニット、3fは出力段駆動制御部、3gは、制御ユニット4からの通常時制御信号と緊急時制御信号Cとの何れかを比較ユニット3eの出力により選択する切替スイッチ、3hは、切替スイッチ3gからの制御信号に従って駆動指令を生成する駆動部、3iは、駆動指令によりオン・オフして直流/交流変換を行う複数の半導体スイッチング素子からなる出力段であり、この出力段3iから図5の電気機械1Aに交流電力が供給される。
図8において、Eは直流電源、Cは平滑コンデンサ、Ryp,Rynはリレー、Qu,Qv,Qw,Qx,Qy,QzはIGBT等の半導体スイッチング素子、Fu,Fv,Fw,Fx,Fy,Fzはスイッチング素子Qu〜Qzのセンスエミッタに接続された異常検出回路である。
図9は、インバータの各相の出力電流iu,iv,iw及び平滑コンデンサCの電圧の時間的な変化を示した波形図であり、t0は故障検出によりリレーを開放した時刻、t1は例えば全相の上アームのスイッチング素子Qu,Qv,Qwをオンさせて電動機巻線の短絡制御を開始した時刻である。
図9によれば、出力電流iu,iv,iwは時刻t1以後の期間Δtにわたって大きな値となり、その後、永久短絡電流として収束する。特に、破線で囲んだ部分Pから明らかなように、短絡制御の開始直後には出力電流が著しく大きくなる。
前記インバータの出力電流が過電流閾値を超えたことを出力過電流検出手段により検出して前記インバータの過電流保護動作を行う第1の保護手段と、前記インバータの故障時に全相の上アームまたは下アームの半導体スイッチング素子をオンさせて前記電動機の巻線を短絡することにより前記インバータの過電圧保護動作を行う第2の保護手段と、を有する電動機駆動装置において、
前記インバータの故障検出時に、前記電動機の巻線を短絡させるためのアーム選択指令及び短絡制御指令を出力する短絡制御手段と、
前記短絡制御指令が出力された直後に、前記過電流閾値としての通常時閾値を当該過電流閾値より大きい短絡制御時閾値に変更する閾値変更手段と、を備え、
前記出力過電流検出手段は、
前記短絡制御指令の有無に応じて、前記短絡制御時閾値または前記通常時閾値を前記インバータの出力電流と比較するものである。
前記インバータの出力電流が過電流閾値を超えたことを出力過電流検出手段により検出して前記インバータの過電流保護動作を行う第1の保護手段と、前記インバータの故障時に全相の上アームまたは下アームの半導体スイッチング素子をオンさせて前記電動機の巻線を短絡することにより前記インバータの過電圧保護動作を行う第2の保護手段と、を有する電動機駆動装置において、
前記インバータの故障検出時に、前記電動機の巻線を短絡させるためのアーム選択指令及び短絡制御指令を出力する短絡制御手段と、
前記短絡制御指令により前記第2の保護手段が動作している間に、前記第1の保護手段の動作を一定期間、無効にする手段と、
を備えたものである。
図1は、本実施形態に係る駆動装置の構成図である。この駆動装置は、例えば、三相のインバータ(電圧形インバータ)INVにより永久磁石同期電動機等の電動機1を駆動するためのものである。
以下、上述した各手段の機能について説明する。
駆動信号制御手段13は、PWM信号と後述する各指令とに基づいてスイッチング素子Qu,Qv,Qw,Qx,Qy,Qzをオン・オフする駆動信号を生成し、出力する。
短絡制御手段15は、故障検出信号Fに応じて、全相の上アームのスイッチング素子Qu,Qv,Qwを短絡させる上アーム選択指令Sp、または、全相の下アームのスイッチング素子Qx,Qy,Qzを短絡させる下アーム選択指令Snの何れかを駆動信号制御手段13に送出する。同時に、短絡制御手段15は、上記選択指令SpまたはSnにより短絡させるアームに応じて、上アームまたは下アームに対する短絡制御を開始する旨の短絡制御指令Ssを生成し、各相の出力過電流検出手段16u,16v,16wに送出する。
出力過電流検出手段16uは、短絡制御指令Ssが入力される閾値変更手段161と、その出力によって直流電圧、すなわち過電流閾値が変化する可変電源162と、可変電源162による正の過電流閾値の極性を反転させて負の過電流閾値を得る極性反転手段163と、可変電源162による正の過電流閾値が正入力端子に印加され、U相出力電流iuに相当する電圧が負入力端子に印加される第1の比較手段164と、極性反転手段163から出力される負の過電流閾値が負入力端子に印加され、U相出力電流iuに相当する電圧が正入力端子に印加される第2の比較手段165と、を備えている。そして、第1,第2の比較手段164,165の出力信号の論理和がU相遮断指令Suoffとして駆動信号制御手段13に送出される。
なお、U相遮断指令Suoff,V相遮断指令Svoff,W相遮断指令Swoffは、例えば「Low」レベルであるときに、対応する相の上アームまたは下アームのスイッチング素子をオフさせるものとする。
前述したように、インバータINVの故障検出に伴い時刻t0でリレーを開放し、直後の時刻t1で、例えば上アーム選択指令Spに基づき全相の上アームのスイッチング素子Qu,Qv,Qwをオンさせて電動機巻線の短絡制御を開始すると、図2の上段に示すようにインバータINVの出力電流iu,iv,iwは過大になる。
従って、スイッチング素子Qu〜Qzが強制的にオフされることはなく、例えば全相の上アームのスイッチング素子Qu,Qv,Qwをオンさせた状態の短絡制御はそのまま維持されることになる。なお、図示するように、平滑コンデンサCの電圧は時刻t0〜t1の期間に若干増加するが、時刻t1以後は徐々に低下していき、インバータINVの直流回路に設定される過電圧閾値を超える恐れはない。
なお、短絡制御によりオンされるスイッチング素子には一時的に過大な短絡電流が流れることになるが、各スイッチング素子には上記短絡電流に対する過電流耐性を有するものを選定することは言うまでもない。
実施例2では、閾値変更手段161、可変電源162及び極性反転手段163の動作により、時刻t1以後は、実施例1と同様に正側,負側の通常時閾値TH0 +,TH0 −を正側,負側の短絡制御時閾値TH1 +,TH1 −にそれぞれ変更し、短絡電流が過大である期間Δtaの経過後に、通常時閾値TH0 +,TH0 −に復帰させる処理を行う。
上記の期間Δtaは、短絡電流が十分に減衰する時間とするために、例えば、電動機1の短絡時過渡時定数の3倍程度の時間とし、閾値変更手段161にタイマ機能を持たせて期間Δtaを設定すれば良い。
このような事態が発生した時は、例えば一方のアームのスイッチング素子のオン・オフ制御が不能になっている可能性があり、その場合には、上記の保護動作異常信号を用いて、他方のアームの全相のスイッチング素子をオンさせることにより短絡制御を行っても良い。つまり、保護動作異常信号から一方のアームのスイッチング素子の故障を検出した時に、図1の短絡制御手段15がアーム選択指令SpまたはSnを切り替え、他方のアームの全相のスイッチング素子をオンさせて短絡制御を行うことができる。
実施例3では、閾値変更手段161が、時刻t1以後も正側,負側の通常時閾値TH0 +,TH0 −を維持する(閾値変更機能を働かせずに閾値を固定する)一方で、出力過電流検出手段16u,16v,16wが、時刻t1から時刻t2までの期間Δtbにわたって過電流検出機能(過電流保護機能)をマスクして無効とする。具体的には、期間Δtbにわたり比較手段164,165の動作を停止するものである。
この実施例3によれば、過電流閾値を固定しておくことができるため、出力過電流検出手段16u,16v,16wの構成を簡略化することができる。
この実施形態では、図1の構成に、インバータINVの直流回路の過電圧検出・保護機能が追加されている。
図5において、主回路の平滑コンデンサCの両端には電圧検出器17が接続されている。この電圧検出器17による直流電圧検出値Vdcは過電圧検出手段18に入力され、その出力信号は短絡制御手段15に入力されている。また、出力過電流検出手段16u,16v,16wから出力される全相の遮断指令Suoff,Svoff,SwoffがANDゲート19に入力され、その出力信号が短絡制御手段15に入力されている。
E:直流電源
C:平滑コンデンサ
Ryp,Ryn:リレー
Fp,Fn:リレー開放信号
Qu,Qv,Qw,Qx,Qy,Qz:半導体スイッチング素子
1:電動機
2u,2v,2w:電流検出器
3p,3n:リレー状態検出器
11:電動機制御手段
12:PWM生成手段
13:駆動信号制御手段
14:故障検出手段
15:短絡制御手段
16u,16v,16w:出力過電流検出手段
161:閾値変更手段
162:可変電源
163:極性反転手段
164,165:比較手段
17:電圧検出器
18:過電圧検出手段
19:ANDゲート
Claims (9)
- インバータにより電動機を駆動する電動機駆動装置であって、
前記インバータの出力電流が過電流閾値を超えたことを出力過電流検出手段により検出して前記インバータの過電流保護動作を行う第1の保護手段と、前記インバータの故障時に全相の上アームまたは下アームの半導体スイッチング素子をオンさせて前記電動機の巻線を短絡することにより前記インバータの過電圧保護動作を行う第2の保護手段と、を有する電動機駆動装置において、
前記インバータの故障検出時に、前記電動機の巻線を短絡させるためのアーム選択指令及び短絡制御指令を出力する短絡制御手段と、
前記短絡制御指令が出力された直後に、前記過電流閾値としての通常時閾値を当該過電流閾値より大きい短絡制御時閾値に変更する閾値変更手段と、を備え、
前記出力過電流検出手段は、
前記短絡制御指令の有無に応じて、前記短絡制御時閾値または前記通常時閾値を前記インバータの出力電流と比較することを特徴とする電動機駆動装置。 - 請求項1に記載した電動機駆動装置において、
前記閾値変更手段は、前記短絡制御指令が出力された直後に、前記通常時閾値を一定期間にわたり前記短絡制御時閾値に変更し、前記一定期間の経過後に前記通常時閾値に復帰させることを特徴とする電動機駆動装置。 - インバータにより電動機を駆動する電動機駆動装置であって、
前記インバータの出力電流が過電流閾値を超えたことを出力過電流検出手段により検出して前記インバータの過電流保護動作を行う第1の保護手段と、前記インバータの故障時に全相の上アームまたは下アームの半導体スイッチング素子をオンさせて前記電動機の巻線を短絡することにより前記インバータの過電圧保護動作を行う第2の保護手段と、を有する電動機駆動装置において、
前記インバータの故障検出時に、前記電動機の巻線を短絡させるためのアーム選択指令及び短絡制御指令を出力する短絡制御手段と、
前記短絡制御指令により前記第2の保護手段が動作している間に、前記第1の保護手段の動作を一定期間、無効にする手段と、
を備えたことを特徴とする電動機駆動装置。 - 請求項1または請求項2に記載した電動機駆動装置において、
前記インバータの出力電流が前記短絡制御時閾値を超えた時に保護動作異常信号を出力する手段を備えたことを特徴とする電動機駆動装置。 - 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載した電動機駆動装置において、
前記インバータの直流電圧が過電圧閾値を超えた時に保護動作異常信号を出力する手段を備えたことを特徴とする電動機駆動装置。 - 請求項1,請求項2または請求項4に記載した電動機駆動装置において、
前記短絡制御時閾値を、少なくとも、前記第2の保護手段による短絡制御の開始時における前記電動機の端子電圧及び過渡リアクタンスに基づいて設定することを特徴とする電動機駆動装置。 - 請求項2または請求項4に記載した電動機駆動装置において、
前記閾値変更手段により変更される短絡制御時閾値の有効期間を、少なくとも前記電動機の短絡過渡時定数に基づいて設定することを特徴とする電動機駆動装置。 - 請求項3に記載した電動機駆動装置において、
前記第1の保護手段の動作を無効にする一定期間を、少なくとも前記電動機の短絡過渡時定数に基づいて設定することを特徴とする電動機駆動装置。 - 請求項4または請求項5に記載した電動機駆動装置において、
前記保護動作異常信号に基づいて、前記第2の保護手段によりオンさせる全相の半導体スイッチング素子が属するアームを切り替えることを特徴とする電動機駆動装置。
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