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JP6693349B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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JP6693349B2
JP6693349B2 JP2016172822A JP2016172822A JP6693349B2 JP 6693349 B2 JP6693349 B2 JP 6693349B2 JP 2016172822 A JP2016172822 A JP 2016172822A JP 2016172822 A JP2016172822 A JP 2016172822A JP 6693349 B2 JP6693349 B2 JP 6693349B2
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Description

本明細書が開示する技術は、電力変換装置に関する。特に、複数の冷却器が平行に配置されており、隣り合う冷却器の間に半導体モジュールが挟まれている積層ユニットを有する電力変換装置に関する。
上記した積層ユニットを備えた電力変換装置が例えば特許文献1−3に開示されている。各半導体モジュールは、1個乃至数個のスイッチング素子を収容している。半導体モジュールの本体からは、内部でスイッチング素子と導通している複数の端子(正極端子と負極端子)が延びている。複数の半導体モジュールの夫々の端子は、半導体モジュールと冷却器の積層方向に一例に並ぶことになる。正極端子群と負極端子群が2列に並ぶことになる。積層ユニットの隣には、コンデンサが配置されている。夫々の半導体モジュールの正極端子とコンデンサの一方の電極が正極バスバで接続されており、夫々の半導体モジュールの負極端子とコンデンサの他方の電極が負極バスバで接続されている。正極バスバと負極バスバは、夫々、板状の基部(平板部)を有しており、その平板部から、夫々の端子と接合される複数の枝部が延びている。通常、端子と枝部は溶接で接合される。正極バスバの平板部と負極バスバの平板部は近接して対向配置される。2枚の平板部を近接して対向配置することで、バスバのインダクタンスが低減される。
特開2013−090408号公報 特開2014−110400号公報 特開2015−035862号公報
特許文献1−3の電力変換装置では、夫々のバスバは、一枚の平板部から複数の枝部が延びており、各枝部が各半導体モジュールの端子と接続されている。各枝部とそれに対応する各端子との間には相対位置誤差があるが、接合されることで相対位置誤差は強制的に解消される。相対位置誤差が強制的に解消されるとは、端子が変形することを意味する。変形した端子には内部応力が発生する。一枚の平板部から延びている多くの枝部の夫々が対応する端子との間に相対位置誤差を伴っており、夫々の端子が夫々の枝部と接合されることで、各端子に内部応力が発生する。バスバのインダクタンスを小さくするには、枝部をできるだけ短くし、端子の近くまで2つのバスバの平板部を対向させるのがよい。枝部を短くすると、枝部の剛性が増すため、端子に生じる内部応力が大きくなる。本明細書は、2個のバスバの対向する範囲をできるだけ大きくしてインダクタンスを低減することと、各端子に生じる内部応力をできるだけ小さくする技術を提供する。
本明細書が開示する電力変換装置は、積層ユニットと、コンデンサと、板状の正極バスバと、板状の負極バスバを備えている。積層ユニットでは、複数の冷却器が並んで配置されており、隣り合う冷却器の間に、スイッチング素子を収容している半導体モジュールが挟まれている。コンデンサは、積層ユニットの隣りに配置されている。正極バスバは、板状であり、複数の半導体モジュールの夫々の側面から延びている正極端子と接合しているとともに、コンデンサの一方の電極と接続している。負極バスバは、板状であり、正極バスバと対向配置されており、夫々の半導体モジュールの側面から延びている負極端子と接合しているとともに、コンデンサの他方の電極と接続している。正極バスバは、正極バスバ第1平板部と、正極バスバ第2平板部と、複数の正極バスバ枝部を有している。正極バスバ第1平板部は、コンデンサから半導体モジュールの側面に沿って、正極端子と負極端子の間まで延びている。正極バスバ第2平板部は、正極端子と負極端子の間で正極バスバ第1平板部の縁から屈曲しており、正極端子の延設方向へ延びている。複数の正極バスバ枝部は、正極バスバ第2平板部から各正極端子の先端へと延びている。夫々の正極バスバ枝部が夫々の正極端子の先端と接合されている。負極バスバは、負極バスバ第1平板部と、負極バスバ第2平板部と、複数の負極バスバ枝部を有している。負極バスバ第1平板部は、コンデンサから、正極バスバ第1平板部と平行に正極端子と負極端子の間まで延びている。負極バスバ第2平板部は、正極端子と負極端子の間で負極バスバ第1平板部の縁から屈曲しており、正極バスバ第2平板部と平行に正極端子の延設方向へ延びている。複数の負極バスバ枝部の夫々は、負極バスバ第2平板部から各負極端子の先端へと延びている。夫々の負極バスバ枝部が夫々の負極端子の先端と接続されている。
本明細書が開示する電力変換装置では、コンデンサから半導体モジュールの正極端子と負極端子の間まで、正極バスバ第1平板部と負極バスバ第1平板部が対向している。正極端子と負極端子の間では、正極バスバ第2平板部と負極バスバ第2平板部が対向している。第1平板部同士、及び、第2平板部同士が対向することで、バスバのインダクタンスが小さくなる。正極バスバ第2平板部から延びている複数の正極バスバ枝部の夫々は、半導体モジュールの端子の先端と接続されている。各負極バスバ枝部も、夫々対応する負極端子の先端と接続されている。バスバの枝部が端子の先端と接続しているので、端子の根本から接続箇所までの距離を確保することができる。端子の根本、即ち、端子の固定箇所から枝部との接続箇所までの距離を確保することで、端子に生じる内部応力を小さくする。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の電力変換装置を含む電気自動車の電力系のブロック図である。 積層ユニットとバスバとコンデンサのアセンブリの斜視図である。 積層ユニットとバスバとコンデンサの分解斜視図である。 正極バスバの展開図である。 積層ユニットとバスバとコンデンサのアセンブリの正面図である。
図面を参照して実施例の電力変換装置を説明する。実施例の電力変換装置は電気自動車に搭載され、バッテリの電力を走行用モータの駆動電力に変換するデバイスである。図1に、電力変換装置2を含む電気自動車100の電力系のブロック図を示す。電気自動車100は、2個の走行用モータ83a、83bを備える。それゆえ、電力変換装置2は、2セットのインバータ回路13a、13bを備える。なお、2個のモータ83a、83bの出力は、ギアボックス85で合成/分配されて車軸86(即ち駆動輪)へと伝達される。
電力変換装置2は、システムメインリレー82を介してバッテリ81と接続されている。電力変換装置2は、バッテリ81の電圧を昇圧する電圧コンバータ回路12と、昇圧後の直流電力を交流に変換する2セットのインバータ回路13a、13bを備えている。
電圧コンバータ回路12は、バッテリ側の端子に印加された電圧を昇圧してインバータ側の端子に出力する昇圧動作と、インバータ側の端子に印加された電圧を降圧してバッテリ側の端子に出力する降圧動作の双方を行うことが可能な双方向DC−DCコンバータである。説明の便宜上、以下では、バッテリ側(低電圧側)の端子を入力端18と称し、インバータ側(高電圧側)の端子を出力端19と称する。また、入力端18の正極と負極を夫々、入力正極端18aと入力負極端18bと称する。出力端19の正極と負極を夫々、出力正極端19aと出力負極端19bと称する。「入力端18」、「出力端19」との表記は説明の便宜を図るためのものであり、先に述べたように、電圧コンバータ回路12は双方向DC−DCコンバータであるので、出力端19から入力端18へ電力が流れる場合がある。
電圧コンバータ回路12は、2個のスイッチング素子9a、9bの直列回路、リアクトル7、フィルタコンデンサ5、各スイッチング素子に逆並列に接続されているダイオードで構成されている。リアクトル7は、一端が入力正極端18aに接続されており、他端は直列回路の中点に接続されている。フィルタコンデンサ5は、入力正極端18aと入力負極端18bの間に接続されている。入力負極端18bは、出力負極端19bと直接に接続されている。スイッチング素子9bが主に昇圧動作に関与し、スイッチング素子9aが主に降圧動作に関与する。図1の電圧コンバータ回路12はよく知られているので詳細な説明は省略する。なお、符号8aが示す破線矩形の範囲の回路が、後述する半導体モジュール8aに対応する。符号25a、25bは、半導体モジュール8aから延出している端子を示している。符号25aは、スイッチング素子9a、9bの直列回路の高電位側と導通している端子(正極端子25a)を示している。符号25bは、スイッチング素子9a、9bの直列回路の低電位側と導通している端子(負極端子25b)を表している。次に説明するように、正極端子25a、負極端子25bという表記は、他の半導体モジュールでも用いる。
インバータ回路13aは、2個のスイッチング素子の直列回路が3セット並列に接続された構成を有している。スイッチング素子9cと9d、スイッチング素子9eと9f、スイッチング素子9gと9hがそれぞれ直列回路を構成している。各スイッチング素子にはダイオードが逆並列に接続されている。3セットの直列回路の高電位側の端子(正極端子25a)が電圧コンバータ回路12の出力正極端19aに接続されており、3セットの直列回路の低電位側の端子(負極端子25b)が電圧コンバータ回路12の出力負極端19bに接続されている。3セットの直列回路の中点から3相交流(U相、V相、W相)が出力される。3セットの直列回路の夫々が、後述する半導体モジュール8b、8c、8dに対応する。
インバータ回路13bの構成はインバータ回路13aと同じであるため、図1では具体的な回路の図示を省略している。インバータ回路13bもインバータ回路13aと同様に、2個のスイッチング素子の直列回路が3セット並列に接続された構成を有している。3セットの直列回路の高電位側の端子が電圧コンバータ回路12の出力正極端19aに接続されており、3セットの直列回路の低電位側の端子が電圧コンバータ回路12の出力負極端19bに接続されている。各直列回路に対応するハードウエアを半導体モジュール8e、8f、8gと称する。
インバータ回路13a、13bの入力端に平滑コンデンサ6が並列に接続されている。平滑コンデンサ6は、別言すれば、電圧コンバータ回路12の出力端19に並列に接続されている。平滑コンデンサ6は、電圧コンバータ回路12の出力電流の脈動を除去する。
スイッチング素子9a−9hは、トランジスタであり、典型的にはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であるが、他のトランジスタ、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよい。また、ここでいうスイッチング素子は、電力変換に用いられるものであり、パワー半導体素子と呼ばれることもある。
図1において、破線8a−8gの夫々が半導体モジュールに相当する。電力変換装置2は、2個のスイッチング素子の直列回路を7セット備えている。ハードウエアとしては、直列回路を構成する2個のスイッチング素子、および各スイッチング素子に逆並列に接続されているダイオードが一つのパッケージに収容されている。以下では、半導体モジュール8a−8gのいずれか一つを区別なく示すときには半導体モジュール8と表記する。
7個の半導体モジュール(7セットの直列回路)の高電位側の端子(後の正極端子25a)が平滑コンデンサ6の一方の電極に接続され、低電位側の端子(後の負極端子25b)が平滑コンデンサ6の他方の電極に接続される。図1において、符号30が示す破線内の導電経路は、複数の半導体モジュール8の正極端子25aと平滑コンデンサ6を相互に接続するバスバ(正極バスバ)に対応する。符号40が示す破線内の導電経路は、複数の負極端子25bと平滑コンデンサ6を相互に接続するバスバ(負極バスバ)に対応する。次に、複数の半導体モジュール8と正極バスバ30、負極バスバ40の構造的関係について説明する。
図2に電力変換装置2のハードウエアの斜視図を示す。なお、図2では、電力変換装置2のハウジングと一部の部品の図示を省略している。複数の半導体モジュール8(8a−8g)は、複数の冷却器22とともに積層ユニット20を構成している。半導体モジュール8a−8gは全て同じ形状であるので、図2と後述する図3では、代表して左端の半導体モジュールにのみ、符号8を付し、他の半導体モジュールには符号を省略した。また、図2と後述する図3では、左端の2個の冷却器にのみ、符号22を付し、他の冷却器には符号を省略した。
図2は、電力変換装置2の斜視図であるが、積層ユニット20、正極バスバ30、負極バスバ40、及び、平滑コンデンサ6のアセンブリのみを描いてあり、他の部品は図示を省略した。積層ユニット20は、複数のカードタイプの冷却器22が平行に配置されているとともに、隣り合う冷却器22の間にカードタイプの半導体モジュール8(8a−8g)が挟まれているデバイスである。カードタイプの半導体モジュール8は、その幅広面を冷却器22に対向させて積層されている。各半導体モジュール8の一つの側面80aから3個の端子(正極端子25a、負極端子25b、中点端子25c)が延びている。図2と後述する図3では、積層ユニット20の左端に位置する半導体モジュール8の端子にのみ符号25a、25b、25cを付し、残りの半導体モジュール8には端子を示す符号を省略した。
正極端子25aと負極端子25bは、先に述べたように、半導体モジュール8に収容されている直列回路の高電位側の端子と低電位側の端子である。中点端子25cは、直列回路の中点と導通している端子である。別言すれば、3個の端子25a−25cは、いずれも、半導体モジュール8の内部でスイッチング素子と導通している。3個の端子25a−25cは、半導体モジュール8の幅広面と交差する一側面80aから図中のZ軸正方向に延びている。一側面80aの反対側の側面から複数の制御端子が図中のZ軸負方向に延びている。制御端子は、半導体モジュール8に内蔵されているスイッチング素子のゲート電極と導通しているゲート端子、及び、半導体モジュール8に内蔵されている温度センサや電流センサと導通している信号端子などである。
以下、説明の便宜上、積層ユニット20における冷却器22と半導体モジュール8の積層方向を単純に「積層方向」と称する。図中のX方向が積層方向に相当する。
図中の右端の冷却器22には、冷媒供給口28と冷媒排出口29が設けられている。隣接する冷却器22同士は、2個の連結管で接続されている。一方の連結管は、積層方向からみて冷媒供給口28と重なるように位置している。他方の連結管は、積層方向からみて冷媒排出口29と重なるように位置している。冷媒供給口28と冷媒排出口29には、不図示の冷媒循環装置が接続される。冷媒供給口28から供給される冷媒は、一方の連結管を通じて全ての冷却器22に分配される。冷媒は冷却器22を通る間に隣接する半導体モジュール8から熱を吸収する。熱を吸収した冷媒は、他方の連結管と冷媒排出口29を通じて積層ユニット20から排出される。各半導体モジュール8は、その両側から冷却されるので、積層ユニット20は冷却性能が高い。
各半導体モジュール8の3個の端子25a−25cはいずれも平板状である。複数の半導体モジュール8の正極端子25aは、隣接する半導体モジュール8の正極端子25aの平坦面と対向するように、積層方向に一列に並んでいる。複数の半導体モジュール8の負極端子25bも、隣接する半導体モジュール8の負極端子25bの平坦面と対向するように、積層方向に一列に並んでいる。複数の半導体モジュール8の中点端子25cも同様である。
複数の半導体モジュール8の正極端子25aと平滑コンデンサ6の一方の電極6aが正極バスバ30で接続され、複数の負極端子25bと平滑コンデンサ6の他方の電極が負極バスバ40で接続される。なお、平滑コンデンサ6の他方の電極は、平滑コンデンサ6の下面に露出しており、図では見えない。中点端子25cの接続先については説明を省略する。図3に、正極バスバ30と負極バスバ40と積層ユニット20と平滑コンデンサ6のアセンブリの分解斜視図を示す。
正極バスバ30は一枚の金属板で作られているが、説明の便宜上、電極部39、第1平板部41、第2平板部32、複数の枝部33に分けて説明する。正極バスバ30の展開図を図4に示す。破線L2より上の部分が電極部39に相当する。破線L2とL3の間の部分が、第1平板部31に相当する。破線L3から下の部分であって、枝部33a、33bを除く部分が第2平板部32(32a、32b)に相当する。なお、図4では、複数の孔34について、右端の孔にのみ符号34を付し、他の孔には符号を省略した。また、複数の枝部33について、左端の上下2個の枝部にのみ、符号33a、33bを付し、他の枝部には符号を省略した。符号33aは、破線L3と破線L4の間の枝部を示しており、符号33bは、破線L4より下の枝部を示している。
図4の折り曲げ前の正極バスバ30aを、次の順で折り曲げると、図2、図3に示す形状の正極バスバ30が得られる。破線L3と破線L4の間の複数の第1枝部43aを、紙面上側に直角に折り曲げる。破線L4より下の第2枝部43bを紙面下側に直角に折り曲げる。破線L1を直角に山折りし、破線L2−L4を直角に谷折りする。符号42aの板部分と符号42bの板部分が合わさり、第2平板部42を形成する。
図2に戻り、正極バスバ30の形状の特徴について説明する。先に述べたように、正極バスバ30は、電極部39、第1平板部31、第2平板部32、複数の枝部33を備えている。第1平板部31は、平滑コンデンサ6から半導体モジュール8の側面80aに沿って、正極端子25aと負極端子25bの間まで延びている。第2平板部32は、正極端子25aと負極端子25bの間で第1平板部31の縁から屈曲しており、正極端子25aの延設方向(図中のZ方向)へ延びている。第2平板部32は、半導体モジュール8の本体から離れる方向に延びている。複数の枝部33の夫々は、第2平板部32から、対応する各正極端子25aの先端へと延びている。夫々の枝部33が、対応する夫々の正極端子25aの先端と接合されている。
第1平板部31には、複数の孔34が設けられており、夫々の孔34に、対応する正極端子25aが通っている。
正極バスバ30の電極部39は、平滑コンデンサ6の一方の電極6aと接続されている。正極バスバ30の全体は、全ての半導体モジュール8の正極端子25aを、平滑コンデンサ6の一方の電極6aと接続する。
負極バスバ40も、正極バスバ30と類似の形状を有している。負極バスバ40も一枚の金属板から作られる。図4において、破線L1と破線L2の間の幅を長くすれば、負極バスバ40の展開図が得られる。図4の符号を用いて、展開図から負極バスバ40の折り曲げ方を説明する。破線L3と破線L4の間の複数の第1枝部33aを、紙面下側に直角に折り曲げる。破線L4より下の第2枝部33bを紙面上側に直角に折り曲げる。破線L1と破線L3を直角に谷折りし、破線L2と破線L4を直角に山折りすると、負極バスバ40が完成する。
図2に戻り、負極バスバ40の形状を説明する。負極バスバ40は、電極部49、第1平板部41、第2平板部42、複数の枝部43を備えている。第1平板部41は、平滑コンデンサ6から、正極バスバ30の第1平板部31と平行に正極端子25aと負極端子25bの間まで延びている。第2平板部42は、正極端子25aと負極端子25bの間で第1平板部41の縁から屈曲している。第2平板部42は、正極バスバ30の第2平板部32と平行に、正極端子25aの延設方向(図中のZ方向)へ延びている。第2平板部42は、半導体モジュール8の本体から離れる方向に延びている。複数の枝部43の夫々は、第2平板部42から各負極端子25bの先端へと延びている。複数の枝部43の夫々が、対応する夫々の負極端子25bの先端と接続されている。
負極バスバ40の第1平板部41には、複数の孔44が設けられており、夫々の孔44に、対応する正極端子25aが通っている。負極バスバ40は、正極バスバ30と接触しておらず、また、正極端子25aとも接触していない。
負極バスバ40の電極部49は、平滑コンデンサ6の他方の電極と接続されている。負極バスバ40の全体は、全ての半導体モジュール8の負極端子25bを、平滑コンデンサ6の他方の電極と接続する。
上記した形状の正極バスバ30と負極バスバ40の利点を述べる。図5に、電力変換装置2(積層ユニット20と平滑コンデンサ6とバスバ30、40のアセンブリ)の正面図を示す。正極バスバ30の第1平板部31は、負極バスバ40の第1平板部41と近接して対向している。正極バスバ30の第2平板部32は、負極バスバ40の第2平板部42と近接して対向している。正極バスバ30と負極バスバ40が近接対向していることによって、一方のバスバが発する磁界が他方のバスバに渦電流を発生させ、一方のバスバのインダクタンスを低減する。正極バスバ30と負極バスバ40は、広い面積で対向するので、インダクタンス低減効果が大きい。
また、正極バスバ30の枝部33は、正極端子25aの先端で正極端子25aと接続されている。夫々の枝部33と、それに対応する正極端子25aには、接続前には位置誤差があり、接合によってその位置誤差が強制的に解消される。そのため、正極端子25aには内部応力が生じる。枝部33が正極端子25aの先端で接合されることで、正極端子25aの根本と接合部までの間には、図5の符号Hが示す距離が確保される。距離Hの区間で端子25aは撓むことができ、端子に生じる内部応力が小さくなる。負極バスバ40についても同様である。負極バスバ40の枝部43は、負極端子25bの先端と接合されている。負極端子25bの根本と接合箇所までの間に距離Hが確保される。負極端子25bの根本から接合箇所まで相応の距離が確保されるので、負極端子25bに生じる内部応力は、根本から接合箇所まで距離が短い場合と比較して小さい。
電力変換装置2は、正極バスバ30と負極バスバ40が上記した構造を有することで、インダクタンスを低減できるとともに、接続される正極端子25a、負極端子25bに生じる内部応力を小さくすることができる。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。実施例の正極バスバ30の第1平板部31と第2平板部32と枝部33が、夫々、請求項の「正極バスバ第1平板部」、「正極バスバ第2平板部」、「正極バスバ枝部」の一例に相当する。実施例の負極バスバ40の第1平板部41と第2平板部42と枝部43が、夫々、請求項の「負極バスバ第1平板部」、「負極バスバ第2平板部」、「負極バスバ枝部」の一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:電力変換装置
2b:負極端子
5:フィルタコンデンサ
6:平滑コンデンサ
7:リアクトル
8、8a−8g:半導体モジュール
9a−9h:スイッチング素子
12:電圧コンバータ回路
13a、13b:インバータ回路
18:入力端
19:出力端
20:積層ユニット
22:冷却器
25a:正極端子
25b:負極端子
25c:中点端子
28:冷媒供給口
29:冷媒排出口
30:正極バスバ
31:第1平板部
32:第2平板部
33:枝部
34:孔
39:電極部
40:負極バスバ
41:第1平板部
42:第2平板部
43:枝部
44:孔
49:電極部
81:バッテリ

Claims (1)

  1. 複数の冷却器が並んで配置されており、隣り合う前記冷却器の間に、スイッチング素子を収容している半導体モジュールが挟まれている積層ユニットと、
    前記積層ユニットの隣りに配置されているコンデンサと、
    複数の前記半導体モジュールの夫々の側面から延びている正極端子と接合しているとともに、前記コンデンサの一方の電極と接続している板状の正極バスバと、
    前記正極バスバと対向配置されており、夫々の前記半導体モジュールの前記側面から延びている負極端子と接合しているとともに、前記コンデンサの他方の電極と接続している板状の負極バスバと、
    を備えており、
    前記正極バスバは、前記コンデンサから前記半導体モジュールの前記側面に沿って、前記正極端子と前記負極端子の間まで延びている正極バスバ第1平板部と、前記正極端子と前記負極端子の間で前記正極バスバ第1平板部の縁から屈曲しており、前記正極端子の延設方向へ延びている正極バスバ第2平板部と、前記正極バスバ第2平板部から各正極端子の先端へと延びている複数の正極バスバ枝部と、を備えているとともに、夫々の前記正極バスバ枝部が夫々の前記正極端子の先端と接合されており、
    前記負極バスバは、前記コンデンサから、前記正極バスバ第1平板部と平行に前記正極端子と前記負極端子の間まで延びている負極バスバ第1平板部と、前記正極端子と前記負極端子の間で前記負極バスバ第1平板部の縁から屈曲しており、前記正極バスバ第2平板部と平行に、前記正極端子の延設方向へ延びている負極バスバ第2平板部と、前記負極バスバ第2平板部から各負極端子の先端へと延びている複数の負極バスバ枝部と、を備えているとともに、夫々の前記負極バスバ枝部が夫々の前記負極端子の先端と接続されている、
    電力変換装置。
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