以下、本開示の一態様について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。
(本開示の基礎となる知見)
H.26xと称されるITU−T規格又はMPEG−xと称されるISO/IEC規格においては、ピクチャが、図3Aに示すようにタイルと呼ばれる複数の矩形単位に分割される。各タイルは、画面内では他のタイル領域(例えばtile2を符号化・復号対象とした場合のtile1)を参照することはできない。ただし、時間的に異なる画像信号(例えば図3Aの左図は時間t−1での画面信号であり、右図は時間tの画面信号を示し、これらは時間的に異なる画像信号となる)の場合、符号化・復号対象となるカレントブロックBlockCは、tile2とは異なる領域を参照することが可能となる。図3Aは時間tのtile2に属するBlockCを処理する際に、時間t−1のtile3に属するRefRを参照画像として用いる例を示す。
一方、このような参照を許す場合、次のような課題がある。例えば画面サイズが非常に大きい場合、タイル領域をそれぞれ別のLSIで処理することにより、並列化するという手法がある。しかし、前述のように、時間の異なる画像信号への参照を許すためには、別々のLSIなどで生成した画像メモリを一つの大きなメモリに書き出し、そのメモリを共有する必要がある。この場合、別々のLSIを同期させることが必要となり、同期処理のための処理量が増加してしまうという課題がある。
非特許文献1では、時間の異なる画像信号への参照を制限することを示す情報を符号化ストリーム中に記載する方法について記載している。この場合、図3Bに示すように、時間的に異なる画像信号(Frame(t−1))上であっても、処理対象のブロックBlockCは同一のタイル領域(tile2)内の領域RefRを参照するようになる。これにより、異なるLSIで並列処理する場合に、参照画像をすべて共有のメモリに出力する必要がなくなる。なお、以降では、このような構成をとるタイルのことをMV制限タイルと呼ぶ。なお、必ずしも同一のタイル領域だけに限ったものではなく、例えば、Frame(t−1)の参照画像の一部領域であるtile1とtile2を含む領域をRefRとして指定することもできる。
このようなMV制限タイルを利用すると、画像の一部領域を他の領域に依存させずに符号化、復号を行うことができる。
そこで、発明者らは、画像の送受信において、メインとなる画像及びメイン画像に付随させたいサブ情報を、それぞれ画面を分割した1又は複数のタイルとして符号化または復号を行うことができると考えた。
(実施の形態1)
本実施の形態では、画像がタイルに分割されて符号化されたビットストリームから画像を復号するためのシステムと、その復号方法及びそのビットストリームの生成方法について説明する。本実施の形態では、ビットストリームは、符号化又は復号の並列処理を可能にする情報を含む。すなわち、画面内をタイルと呼ばれる領域に分割し、動き予測処理、動き補償処理において、同一時間および異なる時間の画像信号で、対応する1つ以上の領域(タイル)内の画素しか参照しないという、動き予測または動き補償の制限を指定できる情報を含む。
(構成の説明)
図1に実施の形態1のシステム100の構成例を示す。
システム100は、復号装置200と、サーバ300とを有する。復号装置200は、処理部210、記憶部220、通信部230、制御部240、表示部250を備える。サーバ300は、処理部310、記憶部320、通信部330、制御部340を備える。
なお、復号装置200の記憶部220及びサーバ300の記憶部320は、外付けのメモリ等であってもよいし、有線又は無線のネットワークを介して接続される外部のメモリであってもよい。現在では、GPSなどを利用し、復号装置200の位置に応じて最も近い場所から配信されるように、サーバ300は、同様のデータを保持した世界各国に配置されたメモリを有していることが多い。その他の各部についても同様に、有線又は無線で互いに接続され、ハードウェア又はソフトウェアにより全体の処理を実行できればよく、物理的な1つの装置に統合されていなくても構わない。
また、各部は、複数のプロセッサや回路、メモリから構成されるものであってもよいし、各部の処理を実行するソフトウェアで実装される汎用回路等でも構わない。
図2に、復号装置200の特に処理部210の構成例を示す。
処理部210には、通信部230が外部から取得した、符号化された画像信号であるビットストリームが入力される。
ビットストリームには、図4Aに記載される動き補償の制限を示す情報が含まれる。このシンタックスは、図4Bに記載されるように、Supplementary enhancement information(SEI)と呼ばれる、後に続く符号化された画像データに共通に用いられる補助情報を格納するヘッダに書き込まれる。ただし、もちろん、SPS、PPSと呼ばれるようなヘッダやその他のヘッダに記載されていても構わない。
処理部210は、記憶部220に含まれるか、又は別のメモリであるブロックメモリ204、フレームメモリ205に必要なデータを書き込んだり、またはそれらメモリから必要なデータを読み出したりしながら、201〜203、206、207の各部においてH.26xで既定されるような復号処理を行い、ビットストリームから画像を復号する。
通信部230は、処理部210や制御部240等の指示に基づいて、外部にビットストリームを伝送するように要求を送信し、外部からビットストリームを受信する。
このような復号装置200からの要求に対して、サーバ300は、制御部340による制御に基づいて、対応するビットストリームを記憶部320から読みだし、処理部310で処理された画像データを通信部330から復号装置200に対して送信する。
(動作の説明)
図5は本実施の形態のシステム100の動作の処理フローを示す図である。
復号装置200は、ユーザが視聴したい画像の要求を外部サーバ300に送信する(S501)。なお、現在では、要求を受信する装置と、その装置からの指示に従って、実際に復号装置200に送るサーバ自体は別の装置であることが多く、運用する会社自体も、配置されている国も異なることが多いが、ここでは簡略のため、それら全てを含め外部サーバ300として説明する。
復号装置200は要求に加え、さらに付加情報を送ることで、より適切な画像を受信できる。付加情報は、例えば、位置情報、ユーザ情報、性能情報などで、サーバ300が同じ画像でも異なるいくつかのタイプの画像を持っている場合には、より適切な画像を送信してもらうことができる。
サーバ300では、要求を受信し(S502)、さらに、付加情報があるか否かを判断する(S503)。
付加情報がある場合には、その付加情報に基づいて、送信する画像データを選択し(S504)、付加情報がない場合には、予め定められた条件で送信する画像データを選択する(S505)。ここでいう画像データには、復号装置200からの要求に対応するメイン画像と、テキストや画像を含むサブ情報が含まれる。
サーバ300は、選択された画像データを含むビットストリームを復号装置200に送信し(S506)、復号装置200は、そのビットストリームを受信する(S507)。
(選択の詳細説明)
図6は、S503〜S505での、画像データの選択処理の一例を示す図である。
S601〜S603では、それぞれ付加情報に性能情報、位置情報、ユーザ情報が含まれているか否かを判断する。これらは、どのような順番で行ってもよいし、並列に処理を行っても良い。なお、これらはあくまで例示であって、何らかの情報からサブ情報を選択するステップを少なくとも1つ含めばよく、これら全てを判断する必要はないし、これら以外の情報を用いてもよいし、また、性能情報からサブ情報を選択してもよい。
S601で、付加情報に性能情報が含まれると判断された場合、その性能情報が示す、復号装置200が復号可能な規格(MPEG―2、MPEG―4 Visual、H.264/AVC、H.265/HEVCなど)又は、規格のうち対応しているプロファイルやレベルなどを判定し、サーバ300の記憶部320に格納されている複数のメイン画像のタイプから1つを選択する。復号装置200が複数の規格、プロファイル等に対応している場合は、さらに伝送路などの状況を踏まえて、複数から、より高品質で高効率な規格に準拠する1つのメイン画像を選択してもよい。または、復号装置200が伝送路などの状況を踏まえて、メイン画像を選択できるように、各メイン画像候補へリンクづけされた情報を送る配信システム(例えば、MPEG−DASH等)を用いて配信してもよい。
S601で性能情報が含まれると判断されない場合には、予め定められたメイン画像、例えば、最も基本的な規格またはプロファイルなどに準拠したメイン画像を選択する。
S602で、付加情報に位置情報が含まれると判断される場合、その位置情報が示す、復号装置200の国や地域に基づくサブ情報を選択する。このサブ情報は、例えばその地域の天気や、その地域で放送されるラジオやテレビの番組などの情報、その地域近辺にある食料品店やレストランの情報などをその地域の言語で記載した情報である。S602で、付加情報に位置情報が含まれると判断されない場合、位置に基づくサブ情報は選択せず終了してもよいし、予め定められたサブ情報を選択してもよい。例えば、位置情報が取得できず、最適な言語が不明な場合には英語で記載された一般ニュースをサブ情報として選択するとしてもよい。
S603で、付加情報にユーザ情報が含まれると判断される場合、そのユーザ情報が示す、ユーザに基づくサブ情報を選択する。例えばユーザの性別や年齢など、もしくはSNS経由でユーザの親しい友人のネットワークなどに関する情報により推定されるユーザの好みに基づいてサブ情報を選択する。例えばそのユーザが車好きであれば、最新製品に関するニュース、車の外装や内装などに関連する車関連用品の広告をサブ情報として選択する。S604で、付加情報にユーザ情報が含まれると判断されない場合、ユーザに基づくサブ情報は選択せず終了してもよいし、予め定められたサブ情報を選択してもよい。例えば、メイン画像に関連するグッズや映画などメイン画像に関連する情報をサブ情報として選択してもよい。
以上のように、複数のサブ情報の候補の中から1以上のサブ情報を選択又は生成する。
(メインとサブの送り方)
S506では、以上のように選択されたメイン画像とサブ情報を複数のタイルを用いて、1つの画面に構成して、復号装置200に送信する。
図7Aに例示するように、タイルは、1つの画面を縦又は横の直線により分割された矩形領域である。
例えば、図7Aに示すように、1つの画面をtile1とtile2に分割したとき、選択されたメイン画像をtile1、サブ情報をtile2として、それぞれをMV制限タイルとして、処理部310によりH.265/HEVCに準拠して符号化する。図7Aでは、例えば、サブ情報として、天気の情報と、一般的なニュースの2つの情報が選択されており、それらが横に並ぶ形で符号化した例を示す。図7Bには、他のメイン画像とサブ情報の構成例を示す。ここでは、tile1、tile5〜tile8がサブ情報に対応し、tile2〜tile4がメイン画像に対応する。メイン画像の番組情報などメイン画像に関連する情報をtile1とし、広告をtile5としている。さらに、tile2〜tile4に分割されたメイン画像にそれぞれ対応するようにサブ情報をtile6〜tile8に分割して記載している。なお、図7Bに示すように、メイン画像に対応するtile2〜tile4の各タイルが、特定の一人や、特定のマイクに対応付けられている場合、音声のコーデック方式が、オブジェクト符号化に対応し、復号時に特定の位置や特定のマイクの音を再現できる場合は、当該タイルに表示されている画像に対応する音声を再生したり、その音声が主となるように調整された音声へのリンクが、対応するサブ情報のタイルに貼り付けられたりしていてもよい。
図7Cには、メイン画像がtile1とtile2に分割され、サブ情報もtile3、tile4に分割される場合を示す。この場合には、天気の情報とニュースという2種類のサブ情報をそれぞれのタイルで符号化することもできる。
図7Dには、メイン画像の一部のタイルをサブ情報で置き換えて符号化する例を示す。図7Dでは、メイン画像がtile1〜tile35に分割されており、その一部であるtile7とtile29〜tile32をサブ情報で置き換える例を示している。
この場合には、各サブ情報を表示し続ける時間やタイミングに合わせて、tile7をMV制限タイルとする。8Aに所定の時間に近いIピクチャのタイミングでタイルの分割を切り替えるイメージ図を示す。例えば5秒間、10秒おきの間隔でtile7に天気の情報を表示させたい場合には、5秒に近いIピクチャ間隔でtile7をMV制限タイルとし、メイン画像の一部に置き換えて天気の情報を埋め込む。8Aでは、I0でtile7ができるように分割し、I1までのピクチャではその分割を続け、I1はメイン画像の一部に戻し、MV制限及び分割をやり直して符号化する。もちろんこれに限らずタイルの分割とMV制限を継続して、メイン画像の一部に戻しても構わない。
なお、ユーザが視聴している際に、8Aに示すように画面内におけるタイルの分割方法が変更になった場合、及び/または画面におけるメイン画像とサブ情報の領域の割り当て方が変更になった場合、サーバ300から復号装置200に、配信方法が変更されたことを通知する。例えば、MPEG−DASH等の配信システムを利用する場合であれば、MPDファイルを変更し、MPDファイルが変更されたことをユーザに通知すればよい。
その後、10秒おきに近いIピクチャ間隔で(8AではI3)、tile7ができるようにタイルを再度分割し、メイン画像の一部をサブ情報とし、MV制限をかけて符号化する。
さらに図7Eには、tile29~tile32に対して、ユーザからの指示に基づいて、次のタイミング(例えば指示後のIピクチャのタイミング)で、サブ情報からメイン画像の一部に戻した画面を表示する例を示す。例えば、8Bにフロー例を示すように、ユーザからの指示に基づいてtile7からtile1へサブ情報を表示する領域の変更要請をサーバ300に通信路230から送信し(S801〜S803)、その要請を受けたサーバ300は、次の適切なタイミングで、tile1にサブ情報が表示されるように、tileの情報列を変更したビットストリームを送信し、復号装置200はそれぞ受信し(S801)、その変更されたビットストリームを復号して表示する(S804)。また、ユーザがサブ情報の表示の削除を要請した場合、メイン画像の一部に戻して符号化したビットストリームを同様にして送る。
S802では、要請をサーバ300に送る例を説明したが、MPEG−DASH等の状況に応じて、受信するストリームを切り替えられる配信システムを使う場合は、要請を送らずに、サーバ300から送信される複数選択肢の中から選んでもよいし、最初は必ずデフォルト情報を選択してもよいし、緊急災害情報など、サーバ300側が通知させたい情報がある場合には、それが必ず選ばれるようにしてもよい。もちろんこのような配信システムを使う場合であっても、望ましい選択肢がなければその選択肢を作成するよう要請する構成であっても構わない。
S801では、S802の要請に基づき、次のタイミングで新たなストリームを受信するが、新たなストリームを受信して復号するまでの間、例えば、下記の2つのような表示を行うとよい。
(1)現在のストリームを復号した状態の表示を続ける。
(2)移動や削除により、サブ情報からメイン画像に表示を変更すべき該当タイル領域に予め設定した背景画像を表示する。
(1)の場合には、復号装置200には新たな処理が発生しないため、表示を安定させることができるというメリットがある一方で、ユーザとしては、移動や削除の要求を行ったにも関わらず、表示が変更されないことで、レスポンスが悪く感じる可能性がある。そのため、新しいストリームを受信し、復号するまでの期間が短い場合には(1)の構成で十分だが、ある一定期間以上かかる場合には、(2)の対応を取るように変更する方がよい。
(2)の場合には、背景画像を表示することにより、ユーザには要求が通っていることを視認できる状態にして通知でき、さらに処理も簡便であるというメリットがある。なお、背景画像は、グレーがやロゴのパターン画など、またはメモリ内に予め格納されている画像、メモリ内に保持されている、直近で最後に復号したメイン画像の当該タイル部分などである。また、背景画像は、静止画にかぎらない。
また、移動と削除に限らず、例えば、サブ情報を画像からテキストデータへ変更したり、領域を小さくしたり、他のサブ情報へ変更したりなどをユーザの操作に基づいて行っても構わない。サブ情報のデータ量が大きく処理が重たくなる場合や、動画データの場合にチラチラして集中できない場合などは、テキストデータに変更することで、よりメイン画像の視聴に適した状態にすることができる。
なお、ユーザは、リモートコントローラを用いて、移動元を選択し、移動先を矢印キーなどで指示することもできるし、復号装置200がタッチパネルを有していれば、スワイプなどのタッチ操作により移動元から移動先を指示したり、画面内から画面外へのスワイプで削除を指示したりすることもできる。また、加速度センサや深度センサなどで検出される動きやジェスチャの情報を用いることにより、同様に、移動や削除を指示することもできる。ここでは、ユーザが、移動や削除を指示するなど、サブ情報を指示する構成について例示したが、もちろん、供給側となるサーバ300側が、通知したい情報である緊急災害情報など一部又は全てのサブ情報を、表示させるようにする場合には、サーバ300側で予め設定されたサブ情報の一部又は全てをデフォルトで選択させる構成としてもよい。
通常は、図7A〜図7Dで示したように、メイン画像の一部をサブ情報の一部に置き換えてあるピクチャを分割したtileとして符号化する場合には、画面の四隅や左右上下の端部など、メイン画像の視聴を妨げない領域であることが、望ましい。
しかし、有料で提供したいメイン画像のトライアル期間での配信などの場合には、敢えてメイン画像の視聴を見難くするような領域に広告などのサブ情報を置き換えるタイルを配置することで、視聴者がより適切なメイン画像を視聴したくなるように働きかけることもできる。そして、ユーザから適切な著作権料を回収するコンテンツ配信サービスを可能にする効果もある。
例えば、図7Fに示すように、最初は、画面の全タイルがメイン画像に対応するが、Iピクチャのタイミングで徐々に、一部のタイルがMV制限タイルとなり、サブ情報が表示されたり、サブ情報ではないグレー画やスクランブルされたような画像、もしくは粗かったりぼやけたりするような視聴しにくいメイン画像などが表示されるように構成してもよい。ユーザは、そのメイン画像を視聴したい場合には、例えば先述したようなUIを用いて、そのタイルを選択することにより、電子決済システムで適切な視聴料を支払ってそのタイルを解除する構成にしてもよい。ユーザが視聴したい領域を選択すると、その領域のサイズに基づいて、視聴料が決定され、選択されていない領域はサブ情報表示用のタイルとされ、常に広告等が表示される構成にしてもよい。
以上のように送信されたビットストリームを受信した復号装置200は、ビットストリームが準拠する規格をヘッダから読み取り、その規格に対応する復号処理を実行し、復号された画像をディスプレイ250に表示する。
一方、サーバ300は、上記のような復号装置200側からの要請に対応できるように、同じタイル数で異なるパターンのビットストリームを複数保持していることが望ましい。そして、例えば、MPEG―Dashを用いて配信する場合であれば、複数のビットストリームへのリンクづけがされたセグメント情報を含むMedia Presentation Description(MPD)ファイルを復号装置200に送信するとよい。
(効果)
このようにして、画面を複数のタイルに分割し、選択されたメイン画像及び選択されたサブ情報をそれぞれ異なる別のタイルとして符号化を行うことにより、ユーザの利便性を高める情報を付随した画像を1つのストリームの形で復号装置200に送信することが可能になる。このような構成にすると、送信側は送信したいサブ情報を受信側もしくは中継する何らかの装置やシステムで意図しない形式に改ざんされることなく、送信することができ、受信側ではより適切なサブ情報を受け取ることができるという優れた効果がある。
以上のようにして実施の形態1のシステム100では、より適切な情報を付随した画像を送受信することができる。
なお、S506における、送信する画像データの符号化処理は、メイン画像もサブ情報もH.265/HEVCで予め符号化されたデータであれば、それらを組み合わせ、画面内のタイル数がそれらを合算したタイル数になるよう、ヘッダ部分を書き換えれば実行できる場合もある。ところが、例えばメイン画像がH.264/AVCで符号化されており、サブ情報がテキストデータやJPEGデータであれば、全体的にH.265/HEVCに準拠するように符号化しなおせばよい。メイン画像もサブ情報もH.265/HEVCで予め符号化されたデータであっても、メイン画像の端部に位置するタイルに画面外を参照して動き予測をする予測ブロックが含まれる場合には、単にヘッダ部分を書き換えるだけでは、サブ情報側のタイルを参照してしまう可能性があるので、画面外を参照しないように符号化し直す必要がある。
この際、サブ情報が動画像を含む大きなデータであるが、用意されているタイルは動画が視認しにくい小さいタイルであるなど、選択されたサブ情報と用意された領域とが不適合な場合も考えられるが、この場合には、その動画像データからテキストデータを抽出し、そのテキストデータに置き換えて符号化するなど、サブ情報の変換を行っても良い。
この符号化処理は、一般的には図9のような構成をハードウェア的又はソフトウェア的に有する処理部310で行われる。メモリはサーバが有する記憶部330を使用してもよいし、処理部310に固有のメモリであってもよい。
また、復号装置200がH.265/HEVCに対応していない場合には、対応する符号化方式でそれぞれを符号化して、別ストリームとし、それぞれをパケット化して送る従来の伝送方法を利用しても構わない。この場合には、メイン画像が1画面を構成し、サブ情報はそのメイン画像の一部の領域に重畳するようにして表示させてもよい。
また、従来の伝送方法では、サブ情報を含むパケットを頻繁に伝送することで、データの欠落を予防している場合もあった。
H.265/HEVCを用いて、1画面の画像データとして送る場合には、より優先度が高いと思われる情報、例えば広告よりは台風情報などのサブ情報を優先させて頻繁に埋め込まれるように伝送するように予め設定しておいてもよい。さらに、復号装置200から、特定の情報を表示したくないという要求を受け取り、以降の画面ではその情報が選択されないように設定してもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1と同様の構成を有するシステムにおける、コンテンツの他の復号方法、表示方法、管理方法の実施例を示す。本実施の形態でも、ビットストリームは、動き予測または動き補償の制限を指定できる情報を含む。
本実施の形態では、復号装置200において、メイン画像を視聴し始める際に、ユーザの操作に基づいて、または自動的に、図10に示すような画面がどのようなタイルに分割されるのかが理解できるような選択肢である1以上のモードを、表示部250に表示する。ユーザは1つのモードを選択し、選択された分割を利用した、メイン画像とサブ情報を符号化したビットストリームをサーバ300から受信する。
この構成によると、ユーザがメイン画像を視聴したい端末である復号装置200の画面をユーザの好みで分割して視聴することができ、例えば、サブ情報が表示される部分には、例えば、メールやゲームなどの他のアプリケーションが前面に出るように重畳させながら、複数のアプリケーションをユーザが同時に実行して楽しむことができる。また、サーバ300側にとっても、視聴中にサブ情報の表示位置の変更要請などで、再度符号化しおさず、もともと保持していたストリームだけで足りるなどのメリットがある。
なお、各モードは、タイル境界を破線等で表したり、メイン画像とサブ情報の領域がわかるような太線で区切ったり、カラーリングを変更したりなど、ユーザがどのモードが自分の視聴形態に適しているか視認しやすくしておくとよい。
ここでは、ユーザがモードを選択する構成としたが、サーバ300がメイン画像の内容や配信ネットワークの混雑度合いなどの環境上、望ましいタイルの分割として設定したタイルの分割、各領域の割り当てに対応するモードをデフォルトとして復号装置200において、表示する構成であってもよい。この構成によれば、サーバ300側で、メイン画像のコンテンツ内容などに応じて、より適した画面内での割り当てをユーザに視聴させるkとができ、緊急災害情報など、サブ情報として必ず視聴させたいものが、不適切に削除されたり改変されることがなくなるというメリットがある。さらに、ユーザは最新のMPDを見て、変更を契機にタイルを再選択する構成であってもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1と同様の構成を有するシステムにおける、コンテンツの他の復号方法、表示方法、管理方法の実施例を示す。本実施の形態でも、ビットストリームは、動き予測または動き補償の制限を指定できる情報を含む。
実施の形態1、2で示したように、ユーザの操作によって、メイン画像とサブ情報の表示方法を変更するような場合には、そのユーザの操作や視聴形態の情報を保持しておき、より適切なサブ情報の表示を行うビットストリームを復号して表示するようにしてもよい。
例えば、ユーザが、他の広告の場合には削除や縮小させるよう要請するにも関わらず、車の広告の場合には逆に拡大するように要請したり、そのタイルを選択し、MPDファイル等に埋め込まれたURLにアクセスしにいったりする行動を取る場合には、車の広告を多く表示するようなビットストリームを生成するようにサーバ300に要求したり、そのようなビットストリームを初めから選択するようにしてもよい。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1と同様に、画像がタイルに分割されて符号化されたビットストリームから画像を復号するためのシステムと、その復号方法及びそのビットストリームの生成方法の他の例について説明する。本実施の形態では、ビットストリームは、符号化又は復号の並列処理を可能にする情報を含む。すなわち、画面内をタイルと呼ばれる領域に分割し、動き予測、動き補償処理において、同一時間および異なる時間の画像信号で、対応する1つ以上の領域(タイル)内の画素しか参照しないという、動き予測、動き補償の制限を指定できる情報を含む。
(構成の説明)
図11に、本実施の形態の放送用システム110の構成例を示す。テレビ400、場合によっては、セットトップボックス(STB)460、リーダ/レコーダ470、さらに再生装置600、携帯電話又はスマートフォン700、カーナビ800が実施の形態1の復号装置200に対応し、放送局500が実施の形態1のサーバ300に対応する。受信側となるテレビ400、場合によっては、STB460及びリーダ/レコーダ470、さらに再生装置600、携帯電話又はスマートフォン700、カーナビ800は、少なくとも1つを受信側として対象としていればよく、これら全てが対象に含まれなければならないわけではない。
一般に、放送局500では符号化された映像データに符号化された音楽データなどが多重化された多重化データが電波を介して通信または衛星501に伝送される。これを受けた放送衛星501は放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送の受信が可能な家庭のアンテナ503が受信する。受信した多重化データを、テレビ(受信機)400またはSTB460等の装置が復号して、画像をモニタ450に表示し、音声はスピーカから出力する。
また、図2及び図9に示すような復号処理部/符号化処理部を有するリーダ/レコーダ470は、HDD、DVD、BD、SD等の記録メディア431、432に受信した多重化データを記録し、再生する。この場合、復号された映像及び音声はモニタ450やスピーカを介して出力され、多重化データが記録された記録メディア431、432により他の装置やシステムにおいて映像及び音声を再生することができる。また、ケーブルテレビ用のケーブル502または衛星/地上波放送のアンテナ503に接続されたSTB460内に図2に示したような処理部を実装し、これをテレビのモニタ450で表示してもよいし、テレビ400内に図2に示したような処理部を組み込んでもよい。
図12は、テレビ400の構成例を示すブロック図である。チューナ401、変調/復調部402、多重/分離部403で受信した画像を復調して多重化ストリームを音声データと映像データとに分離する。分離されたそれぞれの信号を復号処理する音声処理部404、映像処理部405を含む処理部420で復号処理が行われ、表示部450、スピーカ480から出力される。さらに、リモートコントローラ490等により外部から制御されたり、周辺機器を制御するようなインタフェース部417も備える。詳細な説明は省略するが、その他の構成は、一般的な電子機器で現在行われているように、制御部410からの制御に基づいて、各部が協同して、受信、復号、表示の動作を行う。なお、制御部410、処理部420、記憶部431〜436、表示部(モニタ)450はそれぞれ実施の形態1の制御部210、処理部220、記憶部230、ディスプレイ250に対応する。
(動作の説明)
図13に、本実施の形態のシステム110の動作フロー例を示す。放送局は、テレビ400から要求を受信してから画像データを放送するのではなく、複数のコンテンツに対応する複数の画像データを放送する(S1301)。複数の画像データは、例えば1つのチャンネルに対応する1つのメイン画像と、実施の形態1で述べたようなサブ情報とを1画面を分割するタイルを用いてそれぞれ符号化されているストリームである。実施の形態1では、サブ情報は復号装置200からの付加情報に基づき、複数候補から少なくとも1つの候補が選択されるとして説明したが、本実施の形態では、サブ情報として、複数候補から予め選択された少なくとも1つの候補を含む。
ここで、タイルとして符号化されるサブ情報は、実施の形態1で述べたような優先度の高い情報を主に含み、優先度の低い情報はそれぞれ要約したヘッドライン的な情報を含む場合もある。サブ情報の詳細は、このタイルに関連付けられる形で、追加の別ストリームで送られていてもよい。
テレビ400は、視聴したいコンテンツに対応するメイン画像を選択し(S1302)、複数の候補があるか否かを判断する(S1303)。S1203では、メイン画像として異なる符号化規格、符号化レベルに対応する複数の候補があるか否かを判断したり、又はタイルとして符号化されているサブ情報に異なる候補があるか否かを判断したりする。
メイン画像として複数の候補がある場合には、テレビ400で復号可能なうち高画質かつ高効率に受信と復号ができるものを選択し、サブ情報として複数の候補がある場合には、テレビ400が保持する位置情報、ユーザ情報等に基づいて、1つを選択する(S1304)。このサブ情報の選択は、実施の形態1で例示したものと同様にして行う。
複数の候補があると判断されなかった場合には、受信できるストリームを選択する(S1305)。S1304、S1305で選択したストリームを復号し、モニタ450に表示する(S1306)。
(効果)
このようにして、画面を複数のタイルに分割し、選択されたメイン画像及び選択されたサブ情報をそれぞれ異なる別のタイルとして符号化を行うことにより、ユーザの利便性を高める情報を付随した画像を1つのストリームの形でテレビ400が受信することが可能になる。このような構成にすると、送信側である放送局500は送信したいサブ情報を受信側もしくは中継する何らかの装置やシステムで意図しない形式に改ざんされることなく、送信することができ、受信側ではより適切なサブ情報を受け取ることができるという優れた効果がある。
以上のようにして実施の形態2のシステム400では、より適切な情報を付随した画像を送受信することができる。
実施の形態1〜3で記載した、選択方法、符号化・復号方法、送信方法、表示方法の様々なバリエーションは、本実施の形態にも同様に適応可能である。例えば、メイン画像の画質が変更になったり、視聴するチャンネルが切り替わったり、CMが挿入されたり、ユーザが直接、指示をした場合には、MPEG2システムを用いる場合であれば、プログラム情報やイベント情報などを用いて、コンテンツを構成するタイルに関する情報や、変更を通知する。さらに、ユーザは変更情報を契機にタイルを再選択する構成であってもよい。
さらに、従来は、1つのコンテンツが1つのチャンネルに対応づけて放送されていたが、8k4kなど大きなサイズになると、複数のチャンネルで1つのコンテンツが送られる可能性がある。また一部を放送で一部を通信で送受信するなど、複数の伝送路を利用して送受信が行われる可能性もある。なお、1チャンネルあたり1つのメイン画像候補の場合もあれば、符号化規格やレベルの異なる複数のメイン画像候補が存在する場合もある。
(その他変形例)
なお、本開示を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本開示に含まれる。
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、本開示は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したものとしてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどである。また、本開示は、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(5)上記実施の形態では、復号方法及び復号装置と、当該復号装置に対してコンテンツを配信する配信方法、サーバを主に説明してきたが、もちろん、このような構成を可能にするビットストリームを生成するための符号化方法、符号化装置も当然考えられる。この符号化装置とサーバは同じ1つのものであっても構わないし、最初に述べたように、一部の処理を一部の装置や回路が行い、それらが別の国にあることが多くなっているが、全体として、符号化から配信を行うシステムが構築されていれば、当該開示の実施の範囲内である。
(6)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
(実施の形態5)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法(画像符号化方法)または動画像復号化方法(画像復号方法)の構成を実現するためのプログラムを記憶メディアに記録することにより、上記各実施の形態で示した処理を独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。記憶メディアは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、半導体メモリ等、プログラムを記録できるものであればよい。
さらにここで、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法(画像符号化方法)や動画像復号化方法(画像復号方法)の応用例とそれを用いたシステムを説明する。当該システムは、画像符号化方法を用いた画像符号化装置、及び画像復号方法を用いた画像復号装置からなる画像符号化復号装置を有することを特徴とする。システムにおける他の構成について、場合に応じて適切に変更することができる。
図14は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示す図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex106、ex107、ex108、ex109、ex110が設置されている。
このコンテンツ供給システムex100は、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104、および基地局ex106からex110を介して、コンピュータex111、PDA(Personal Digital Assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115などの各機器が接続される。
しかし、コンテンツ供給システムex100は図14のような構成に限定されず、いずれかの要素を組合せて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex106からex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。また、各機器が近距離無線等を介して直接相互に接続されていてもよい。
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器であり、カメラex116はデジタルカメラ等の静止画撮影、動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話ex114は、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式、若しくはLTE(Long Term Evolution)方式、HSPA(High Speed Packet Access)の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
コンテンツ供給システムex100では、カメラex113等が基地局ex109、電話網ex104を通じてストリーミングサーバex103に接続されることで、ライブ配信等が可能になる。ライブ配信では、ユーザがカメラex113を用いて撮影するコンテンツ(例えば、音楽ライブの映像等)に対して上記各実施の形態で説明したように符号化処理を行い(即ち、本開示の一態様に係る画像符号化装置として機能する)、ストリーミングサーバex103に送信する。一方、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して送信されたコンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、上記符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115等がある。配信されたデータを受信した各機器では、受信したデータを復号化処理して再生する(即ち、本開示の一態様に係る画像復号装置として機能する)。
なお、撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。同様に配信されたデータの復号化処理はクライアントで行っても、ストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。また、カメラex113に限らず、カメラex116で撮影した静止画像および/または動画像データを、コンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信してもよい。この場合の符号化処理はカメラex116、コンピュータex111、ストリーミングサーバex103のいずれで行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。
また、これら符号化・復号化処理は、一般的にコンピュータex111や各機器が有するLSIex500において処理する。LSIex500は、ワンチップであっても複数チップからなる構成であってもよい。なお、動画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な何らかの記録メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込み、そのソフトウェアを用いて符号化・復号化処理を行ってもよい。さらに、携帯電話ex114がカメラ付きである場合には、そのカメラで取得した動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex114が有するLSIex500で符号化処理されたデータである。
また、ストリーミングサーバex103は複数のサーバや複数のコンピュータであって、データを分散して処理したり記録したり配信するものであってもよい。
以上のようにして、コンテンツ供給システムex100では、符号化されたデータをクライアントが受信して再生することができる。このようにコンテンツ供給システムex100では、ユーザが送信した情報をリアルタイムでクライアントが受信して復号化し、再生することができ、特別な権利や設備を有さないユーザでも個人放送を実現できる。
なお、コンテンツ供給システムex100の例に限らず、図15に示すように、デジタル放送用システムex200にも、上記各実施の形態の少なくとも動画像符号化装置(画像符号化装置)または動画像復号化装置(画像復号装置)のいずれかを組み込むことができる。具体的には、放送局ex201では映像データに音楽データなどが多重化された多重化データが電波を介して通信または衛星ex202に伝送される。この映像データは上記各実施の形態で説明した動画像符号化方法により符号化されたデータである(即ち、本開示の一態様に係る画像符号化装置によって符号化されたデータである)。これを受けた放送衛星ex202は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送の受信が可能な家庭のアンテナex204が受信する。受信した多重化データを、テレビ(受信機)ex300またはセットトップボックス(STB)ex217等の装置が復号化して再生する(即ち、本開示の一態様に係る画像復号装置として機能する)。
また、DVD、BD等の記録メディアex215に記録した多重化データを読み取り復号化する、または記録メディアex215に映像信号を符号化し、さらに場合によっては音楽信号と多重化して書き込むリーダ/レコーダex218にも上記各実施の形態で示した動画像復号化装置または動画像符号化装置を実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex219に表示され、多重化データが記録された記録メディアex215により他の装置やシステムにおいて映像信号を再生することができる。また、ケーブルテレビ用のケーブルex203または衛星/地上波放送のアンテナex204に接続されたセットトップボックスex217内に動画像復号化装置を実装し、これをテレビのモニタex219で表示してもよい。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に動画像復号化装置を組み込んでもよい。
図16は、上記各実施の形態で説明した動画像復号化方法および動画像符号化方法を用いたテレビ(受信機)ex300を示す図である。テレビex300は、上記放送を受信するアンテナex204またはケーブルex203等を介して映像データに音声データが多重化された多重化データを取得、または出力するチューナex301と、受信した多重化データを復調する、または外部に送信する多重化データに変調する変調/復調部ex302と、復調した多重化データを映像データと、音声データとに分離する、または信号処理部ex306で符号化された映像データ、音声データを多重化する多重/分離部ex303を備える。
また、テレビex300は、音声データ、映像データそれぞれを復号化する、またはそれぞれの情報を符号化する音声信号処理部ex304、映像信号処理部ex305(本開示の一態様に係る画像符号化装置または画像復号装置として機能する)を有する信号処理部ex306と、復号化した音声信号を出力するスピーカex307、復号化した映像信号を表示するディスプレイ等の表示部ex308を有する出力部ex309とを有する。さらに、テレビex300は、ユーザ操作の入力を受け付ける操作入力部ex312等を有するインタフェース部ex317を有する。さらに、テレビex300は、各部を統括的に制御する制御部ex310、各部に電力を供給する電源回路部ex311を有する。インタフェース部ex317は、操作入力部ex312以外に、リーダ/レコーダex218等の外部機器と接続されるブリッジex313、SDカード等の記録メディアex216を装着可能とするためのスロット部ex314、ハードディスク等の外部記録メディアと接続するためのドライバex315、電話網と接続するモデムex316等を有していてもよい。なお記録メディアex216は、格納する不揮発性/揮発性の半導体メモリ素子により電気的に情報の記録を可能としたものである。テレビex300の各部は同期バスを介して互いに接続されている。
まず、テレビex300がアンテナex204等により外部から取得した多重化データを復号化し、再生する構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、CPU等を有する制御部ex310の制御に基づいて、変調/復調部ex302で復調した多重化データを多重/分離部ex303で分離する。さらにテレビex300は、分離した音声データを音声信号処理部ex304で復号化し、分離した映像データを映像信号処理部ex305で上記各実施の形態で説明した復号化方法を用いて復号化する。復号化した音声信号、映像信号は、それぞれ出力部ex309から外部に向けて出力される。出力する際には、音声信号と映像信号が同期して再生するよう、バッファex318、ex319等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。また、テレビex300は、放送等からではなく、磁気/光ディスク、SDカード等の記録メディアex215、ex216から多重化データを読み出してもよい。次に、テレビex300が音声信号や映像信号を符号化し、外部に送信または記録メディア等に書き込む構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、制御部ex310の制御に基づいて、音声信号処理部ex304で音声信号を符号化し、映像信号処理部ex305で映像信号を上記各実施の形態で説明した符号化方法を用いて符号化する。符号化した音声信号、映像信号は多重/分離部ex303で多重化され外部に出力される。多重化する際には、音声信号と映像信号が同期するように、バッファex320、ex321等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。なお、バッファex318、ex319、ex320、ex321は図示しているように複数備えていてもよいし、1つ以上のバッファを共有する構成であってもよい。さらに、図示している以外に、例えば変調/復調部ex302や多重/分離部ex303の間等でもシステムのオーバフロー、アンダーフローを避ける緩衝材としてバッファにデータを蓄積することとしてもよい。
また、テレビex300は、放送等や記録メディア等から音声データ、映像データを取得する以外に、マイクやカメラのAV入力を受け付ける構成を備え、それらから取得したデータに対して符号化処理を行ってもよい。なお、ここではテレビex300は上記の符号化処理、多重化、および外部出力ができる構成として説明したが、これらの処理を行うことはできず、上記受信、復号化処理、外部出力のみが可能な構成であってもよい。
また、リーダ/レコーダex218で記録メディアから多重化データを読み出す、または書き込む場合には、上記復号化処理または符号化処理はテレビex300、リーダ/レコーダex218のいずれで行ってもよいし、テレビex300とリーダ/レコーダex218が互いに分担して行ってもよい。
一例として、光ディスクからデータの読み込みまたは書き込みをする場合の情報再生/記録部ex400の構成を図17に示す。情報再生/記録部ex400は、以下に説明する要素ex401、ex402、ex403、ex404、ex405、ex406、ex407を備える。光ヘッドex401は、光ディスクである記録メディアex215の記録面にレーザスポットを照射して情報を書き込み、記録メディアex215の記録面からの反射光を検出して情報を読み込む。変調記録部ex402は、光ヘッドex401に内蔵された半導体レーザを電気的に駆動し記録データに応じてレーザ光の変調を行う。再生復調部ex403は、光ヘッドex401に内蔵されたフォトディテクタにより記録面からの反射光を電気的に検出した再生信号を増幅し、記録メディアex215に記録された信号成分を分離して復調し、必要な情報を再生する。バッファex404は、記録メディアex215に記録するための情報および記録メディアex215から再生した情報を一時的に保持する。ディスクモータex405は記録メディアex215を回転させる。サーボ制御部ex406は、ディスクモータex405の回転駆動を制御しながら光ヘッドex401を所定の情報トラックに移動させ、レーザスポットの追従処理を行う。システム制御部ex407は、情報再生/記録部ex400全体の制御を行う。上記の読み出しや書き込みの処理はシステム制御部ex407が、バッファex404に保持された各種情報を利用し、また必要に応じて新たな情報の生成・追加を行うと共に、変調記録部ex402、再生復調部ex403、サーボ制御部ex406を協調動作させながら、光ヘッドex401を通して、情報の記録再生を行うことにより実現される。システム制御部ex407は例えばマイクロプロセッサで構成され、読み出し書き込みのプログラムを実行することでそれらの処理を実行する。
以上では、光ヘッドex401はレーザスポットを照射するとして説明したが、近接場光を用いてより高密度な記録を行う構成であってもよい。
図18に光ディスクである記録メディアex215の模式図を示す。記録メディアex215の記録面には案内溝(グルーブ)がスパイラル状に形成され、情報トラックex230には、予めグルーブの形状の変化によってディスク上の絶対位置を示す番地情報が記録されている。この番地情報はデータを記録する単位である記録ブロックex231の位置を特定するための情報を含み、記録や再生を行う装置において情報トラックex230を再生し番地情報を読み取ることで記録ブロックを特定することができる。また、記録メディアex215は、データ記録領域ex233、内周領域ex232、外周領域ex234を含んでいる。ユーザデータを記録するために用いる領域がデータ記録領域ex233であり、データ記録領域ex233より内周または外周に配置されている内周領域ex232と外周領域ex234は、ユーザデータの記録以外の特定用途に用いられる。情報再生/記録部ex400は、このような記録メディアex215のデータ記録領域ex233に対して、符号化された音声データ、映像データまたはそれらのデータを多重化した多重化データの読み書きを行う。
以上では、1層のDVD、BD等の光ディスクを例に挙げ説明したが、これらに限ったものではなく、多層構造であって表面以外にも記録可能な光ディスクであってもよい。また、ディスクの同じ場所にさまざまな異なる波長の色の光を用いて情報を記録したり、さまざまな角度から異なる情報の層を記録したりなど、多次元的な記録/再生を行う構造の光ディスクであってもよい。
また、デジタル放送用システムex200において、アンテナex205を有する車ex210で衛星ex202等からデータを受信し、車ex210が有するカーナビゲーションex211等の表示装置に動画を再生することも可能である。なお、カーナビゲーションex211の構成は例えば図16に示す構成のうち、GPS受信部を加えた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111や携帯電話ex114等でも考えられる。
図19Aは、上記実施の形態で説明した動画像復号化方法および動画像符号化方法を用いた携帯電話ex114を示す図である。携帯電話ex114は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex350、映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex365、カメラ部ex365で撮像した映像、アンテナex350で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex358を備える。携帯電話ex114は、さらに、操作キー部ex366を有する本体部、音声を出力するためのスピーカ等である音声出力部ex357、音声を入力するためのマイク等である音声入力部ex356、撮影した映像、静止画、録音した音声、または受信した映像、静止画、メール等の符号化されたデータもしくは復号化されたデータを保存するメモリ部ex367、又は同様にデータを保存する記録メディアとのインタフェース部であるスロット部ex364を備える。
さらに、携帯電話ex114の構成例について、図19Bを用いて説明する。携帯電話ex114は、表示部ex358及び操作キー部ex366を備えた本体部の各部を統括的に制御する主制御部ex360に対して、電源回路部ex361、操作入力制御部ex362、映像信号処理部ex355、カメラインタフェース部ex363、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex359、変調/復調部ex352、多重/分離部ex353、音声信号処理部ex354、スロット部ex364、メモリ部ex367がバスex370を介して互いに接続されている。
電源回路部ex361は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することにより携帯電話ex114を動作可能な状態に起動する。
携帯電話ex114は、CPU、ROM、RAM等を有する主制御部ex360の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex356で収音した音声信号を音声信号処理部ex354でデジタル音声信号に変換し、これを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理し、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。また携帯電話ex114は、音声通話モード時にアンテナex350を介して受信した受信データを増幅して周波数変換処理およびアナログデジタル変換処理を施し、変調/復調部ex352でスペクトラム逆拡散処理し、音声信号処理部ex354でアナログ音声信号に変換した後、これを音声出力部ex357から出力する。
さらにデータ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キー部ex366等の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex362を介して主制御部ex360に送出される。主制御部ex360は、テキストデータを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して基地局ex110へ送信する。電子メールを受信する場合は、受信したデータに対してこのほぼ逆の処理が行われ、表示部ex358に出力される。
データ通信モード時に映像、静止画、または映像と音声を送信する場合、映像信号処理部ex355は、カメラ部ex365から供給された映像信号を上記各実施の形態で示した動画像符号化方法によって圧縮符号化し(即ち、本開示の一態様に係る画像符号化装置として機能する)、符号化された映像データを多重/分離部ex353に送出する。また、音声信号処理部ex354は、映像、静止画等をカメラ部ex365で撮像中に音声入力部ex356で収音した音声信号を符号化し、符号化された音声データを多重/分離部ex353に送出する。
多重/分離部ex353は、映像信号処理部ex355から供給された符号化された映像データと音声信号処理部ex354から供給された符号化された音声データを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変調/復調部(変調/復調回路部)ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、または映像およびもしくは音声が添付された電子メールを受信する場合、アンテナex350を介して受信された多重化データを復号化するために、多重/分離部ex353は、多重化データを分離することにより映像データのビットストリームと音声データのビットストリームとに分け、同期バスex370を介して符号化された映像データを映像信号処理部ex355に供給するとともに、符号化された音声データを音声信号処理部ex354に供給する。映像信号処理部ex355は、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法に対応した動画像復号化方法によって復号化することにより映像信号を復号し(即ち、本開示の一態様に係る画像復号装置として機能する)、LCD制御部ex359を介して表示部ex358から、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる映像、静止画が表示される。また音声信号処理部ex354は、音声信号を復号し、音声出力部ex357から音声が出力される。
また、上記携帯電話ex114等の端末は、テレビex300と同様に、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末という3通りの実装形式が考えられる。さらに、デジタル放送用システムex200において、映像データに音楽データなどが多重化された多重化データを受信、送信するとして説明したが、音声データ以外に映像に関連する文字データなどが多重化されたデータであってもよいし、多重化データではなく映像データ自体であってもよい。
このように、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法あるいは動画像復号化方法を上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、そうすることで、上記各実施の形態で説明した効果を得ることができる。
また、本開示の上記各実施の形態では、種々の変形または修正が可能である。
(実施の形態6)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置と、MPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1など異なる規格に準拠した動画像符号化方法または装置とを、必要に応じて適宜切替えることにより、映像データを生成することも可能である。
ここで、それぞれ異なる規格に準拠する複数の映像データを生成した場合、復号する際に、それぞれの規格に対応した復号方法を選択する必要がある。しかしながら、復号する映像データが、どの規格に準拠するものであるか識別できないため、適切な復号方法を選択することができないという課題を生じる。
この課題を解決するために、映像データに音声データなどを多重化した多重化データは、映像データがどの規格に準拠するものであるかを示す識別情報を含む構成とする。上記各実施の形態で示す動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを含む多重化データの具体的な構成を以下説明する。多重化データは、MPEG−2トランスポートストリーム形式のデジタルストリームである。
図20は、多重化データの構成を示す図である。図20に示すように多重化データは、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム(PG)、インタラクティブグラフィックスストリームのうち、1つ以上を多重化することで得られる。ビデオストリームは映画の主映像および副映像を、オーディオストリーム(IG)は映画の主音声部分とその主音声とミキシングする副音声を、プレゼンテーショングラフィックスストリームは、映画の字幕をそれぞれ示している。ここで主映像とは画面に表示される通常の映像を示し、副映像とは主映像の中に小さな画面で表示する映像のことである。また、インタラクティブグラフィックスストリームは、画面上にGUI部品を配置することにより作成される対話画面を示している。ビデオストリームは、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠した動画像符号化方法または装置によって符号化されている。オーディオストリームは、ドルビーAC−3、Dolby Digital Plus、MLP、DTS、DTS−HD、または、リニアPCMのなどの方式で符号化されている。
多重化データに含まれる各ストリームはPIDによって識別される。例えば、映画の映像に利用するビデオストリームには0x1011が、オーディオストリームには0x1100から0x111Fまでが、プレゼンテーショングラフィックスには0x1200から0x121Fまでが、インタラクティブグラフィックスストリームには0x1400から0x141Fまでが、映画の副映像に利用するビデオストリームには0x1B00から0x1B1Fまで、主音声とミキシングする副音声に利用するオーディオストリームには0x1A00から0x1A1Fが、それぞれ割り当てられている。
図21は、多重化データがどのように多重化されるかを模式的に示す図である。まず、複数のビデオフレームからなるビデオストリームex235、複数のオーディオフレームからなるオーディオストリームex238を、それぞれPESパケット列ex236およびex239に変換し、TSパケットex237およびex240に変換する。同じくプレゼンテーショングラフィックスストリームex241およびインタラクティブグラフィックスex244のデータをそれぞれPESパケット列ex242およびex245に変換し、さらにTSパケットex243およびex246に変換する。多重化データex247はこれらのTSパケットを1本のストリームに多重化することで構成される。
図22は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかをさらに詳しく示している。図22における第1段目はビデオストリームのビデオフレーム列を示す。第2段目は、PESパケット列を示す。図22の矢印yy1,yy2,yy3,yy4に示すように、ビデオストリームにおける複数のVideo Presentation UnitであるIピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャは、ピクチャ毎に分割され、PESパケットのペイロードに格納される。各PESパケットはPESヘッダを持ち、PESヘッダには、ピクチャの表示時刻であるPTS(Presentation Time−Stamp)やピクチャの復号時刻であるDTS(Decoding Time−Stamp)が格納される。
図23は、多重化データに最終的に書き込まれるTSパケットの形式を示している。TSパケットは、ストリームを識別するPIDなどの情報を持つ4ByteのTSヘッダとデータを格納する184ByteのTSペイロードから構成される188Byte固定長のパケットであり、上記PESパケットは分割されTSペイロードに格納される。BD−ROMの場合、TSパケットには、4ByteのTP_Extra_Headerが付与され、192Byteのソースパケットを構成し、多重化データに書き込まれる。TP_Extra_HeaderにはATS(Arrival_Time_Stamp)などの情報が記載される。ATSは当該TSパケットのデコーダのPIDフィルタへの転送開始時刻を示す。多重化データには図23下段に示すようにソースパケットが並ぶこととなり、多重化データの先頭からインクリメントする番号はSPN(ソースパケットナンバー)と呼ばれる。
また、多重化データに含まれるTSパケットには、映像・音声・字幕などの各ストリーム以外にもPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、PCR(Program Clock Reference)などがある。PATは多重化データ中に利用されるPMTのPIDが何であるかを示し、PAT自身のPIDは0で登録される。PMTは、多重化データ中に含まれる映像・音声・字幕などの各ストリームのPIDと各PIDに対応するストリームの属性情報を持ち、また多重化データに関する各種ディスクリプタを持つ。ディスクリプタには多重化データのコピーを許可・不許可を指示するコピーコントロール情報などがある。PCRは、ATSの時間軸であるATC(Arrival Time Clock)とPTS・DTSの時間軸であるSTC(System Time Clock)の同期を取るために、そのPCRパケットがデコーダに転送されるATSに対応するSTC時間の情報を持つ。
図24はPMTのデータ構造を詳しく説明する図である。PMTの先頭には、そのPMTに含まれるデータの長さなどを記したPMTヘッダが配置される。その後ろには、多重化データに関するディスクリプタが複数配置される。上記コピーコントロール情報などが、ディスクリプタとして記載される。ディスクリプタの後には、多重化データに含まれる各ストリームに関するストリーム情報が複数配置される。ストリーム情報は、ストリームの圧縮コーデックなどを識別するためストリームタイプ、ストリームのPID、ストリームの属性情報(フレームレート、アスペクト比など)が記載されたストリームディスクリプタから構成される。ストリームディスクリプタは多重化データに存在するストリームの数だけ存在する。
記録媒体などに記録する場合には、上記多重化データは、多重化データ情報ファイルと共に記録される。
多重化データ情報ファイルは、図25に示すように多重化データの管理情報であり、多重化データと1対1に対応し、多重化データ情報、ストリーム属性情報とエントリマップから構成される。
多重化データ情報は図25に示すようにシステムレート、再生開始時刻、再生終了時刻から構成されている。システムレートは多重化データの、後述するシステムターゲットデコーダのPIDフィルタへの最大転送レートを示す。多重化データ中に含まれるATSの間隔はシステムレート以下になるように設定されている。再生開始時刻は多重化データの先頭のビデオフレームのPTSであり、再生終了時刻は多重化データの終端のビデオフレームのPTSに1フレーム分の再生間隔を足したものが設定される。
ストリーム属性情報は図26に示すように、多重化データに含まれる各ストリームについての属性情報が、PID毎に登録される。属性情報はビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム、インタラクティブグラフィックスストリーム毎に異なる情報を持つ。ビデオストリーム属性情報は、そのビデオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、ビデオストリームを構成する個々のピクチャデータの解像度がどれだけであるか、アスペクト比はどれだけであるか、フレームレートはどれだけであるかなどの情報を持つ。オーディオストリーム属性情報は、そのオーディオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、そのオーディオストリームに含まれるチャンネル数は何であるか、何の言語に対応するか、サンプリング周波数がどれだけであるかなどの情報を持つ。これらの情報は、プレーヤが再生する前のデコーダの初期化などに利用される。
本実施の形態においては、上記多重化データのうち、PMTに含まれるストリームタイプを利用する。また、記録媒体に多重化データが記録されている場合には、多重化データ情報に含まれる、ビデオストリーム属性情報を利用する。具体的には、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置において、PMTに含まれるストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に対し、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示す固有の情報を設定するステップまたは手段を設ける。この構成により、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成した映像データと、他の規格に準拠する映像データとを識別することが可能になる。
また、本実施の形態における動画像復号化方法のステップを図27に示す。ステップexS100において、多重化データからPMTに含まれるストリームタイプ、または、多重化データ情報に含まれるビデオストリーム属性情報を取得する。次に、ステップexS101において、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された多重化データであることを示しているか否かを判断する。そして、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものであると判断された場合には、ステップexS102において、上記各実施の形態で示した動画像復号方法により復号を行う。また、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠するものであることを示している場合には、ステップexS103において、従来の規格に準拠した動画像復号方法により復号を行う。
このように、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に新たな固有値を設定することにより、復号する際に、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法または装置で復号可能であるかを判断することができる。従って、異なる規格に準拠する多重化データが入力された場合であっても、適切な復号化方法または装置を選択することができるため、エラーを生じることなく復号することが可能となる。また、本実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、または、動画像復号方法または装置を、上述したいずれの機器・システムに用いることも可能である。
(実施の形態7)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法および装置、動画像復号化方法および装置は、典型的には集積回路であるLSIで実現される。一例として、図28に1チップ化されたLSIex500の構成を示す。LSIex500は、以下に説明する要素ex501、ex502、ex503、ex504、ex505、ex506、ex507、ex508、ex509を備え、各要素はバスex510を介して接続している。電源回路部ex505は電源がオン状態の場合に各部に対して電力を供給することで動作可能な状態に起動する。
例えば符号化処理を行う場合には、LSIex500は、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有する制御部ex501の制御に基づいて、AV I/Oex509によりマイクex117やカメラex113等からAV信号を入力する。入力されたAV信号は、一旦SDRAM等の外部のメモリex511に蓄積される。制御部ex501の制御に基づいて、蓄積したデータは処理量や処理速度に応じて適宜複数回に分けるなどされ信号処理部ex507に送られ、信号処理部ex507において音声信号の符号化および/または映像信号の符号化が行われる。ここで映像信号の符号化処理は上記各実施の形態で説明した符号化処理である。信号処理部ex507ではさらに、場合により符号化された音声データと符号化された映像データを多重化するなどの処理を行い、ストリームI/Oex506から外部に出力する。この出力された多重化データは、基地局ex107に向けて送信されたり、または記録メディアex215に書き込まれたりする。なお、多重化する際には同期するよう、一旦バッファex508にデータを蓄積するとよい。
なお、上記では、メモリex511がLSIex500の外部の構成として説明したが、LSIex500の内部に含まれる構成であってもよい。バッファex508も1つに限ったものではなく、複数のバッファを備えていてもよい。また、LSIex500は1チップ化されてもよいし、複数チップ化されてもよい。
また、上記では、制御部ex501が、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有するとしているが、制御部ex501の構成は、この構成に限らない。例えば、信号処理部ex507がさらにCPUを備える構成であってもよい。信号処理部ex507の内部にもCPUを設けることにより、処理速度をより向上させることが可能になる。また、他の例として、CPUex502が信号処理部ex507、または信号処理部ex507の一部である例えば音声信号処理部を備える構成であってもよい。このような場合には、制御部ex501は、信号処理部ex507、またはその一部を有するCPUex502を備える構成となる。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。このようなプログラマブル・ロジック・デバイスは、典型的には、ソフトウェア又はファームウェアを構成するプログラムを、ロードする又はメモリ等から読み込むことで、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法、又は動画像復号化方法を実行することができる。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(実施の形態8)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを復号する場合、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データを復号する場合に比べ、処理量が増加することが考えられる。そのため、LSIex500において、従来の規格に準拠する映像データを復号する際のCPUex502の駆動周波数よりも高い駆動周波数に設定する必要がある。しかし、駆動周波数を高くすると、消費電力が高くなるという課題が生じる。
この課題を解決するために、テレビex300、LSIex500などの動画像復号化装置は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別し、規格に応じて駆動周波数を切替える構成とする。図29は、本実施の形態における構成ex800を示している。駆動周波数切替え部ex803は、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、駆動周波数を高く設定する。そして、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801に対し、映像データを復号するよう指示する。一方、映像データが、従来の規格に準拠する映像データである場合には、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、駆動周波数を低く設定する。そして、従来の規格に準拠する復号処理部ex802に対し、映像データを復号するよう指示する。
より具体的には、駆動周波数切替え部ex803は、図28のCPUex502と駆動周波数制御部ex512から構成される。また、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801、および、従来の規格に準拠する復号処理部ex802は、図28の信号処理部ex507に該当する。CPUex502は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別する。そして、CPUex502からの信号に基づいて、駆動周波数制御部ex512は、駆動周波数を設定する。また、CPUex502からの信号に基づいて、信号処理部ex507は、映像データの復号を行う。ここで、映像データの識別には、例えば、実施の形態Bで記載した識別情報を利用することが考えられる。識別情報に関しては、実施の形態Bで記載したものに限られず、映像データがどの規格に準拠するか識別できる情報であればよい。例えば、映像データがテレビに利用されるものであるか、ディスクに利用されるものであるかなどを識別する外部信号に基づいて、映像データがどの規格に準拠するものであるか識別可能である場合には、このような外部信号に基づいて識別してもよい。また、CPUex502における駆動周波数の選択は、例えば、図31のような映像データの規格と、駆動周波数とを対応付けたルックアップテーブルに基づいて行うことが考えられる。ルックアップテーブルを、バッファex508や、LSIの内部メモリに格納しておき、CPUex502がこのルックアップテーブルを参照することにより、駆動周波数を選択することが可能である。
図30は、本実施の形態の方法を実施するステップを示している。まず、ステップexS200では、信号処理部ex507において、多重化データから識別情報を取得する。次に、ステップexS201では、CPUex502において、識別情報に基づいて映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものであるか否かを識別する。映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、ステップexS202において、駆動周波数を高く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、高い駆動周波数に設定される。一方、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、ステップexS203において、駆動周波数を低く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、低い駆動周波数に設定される。
さらに、駆動周波数の切替えに連動して、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を変更することにより、省電力効果をより高めることが可能である。例えば、駆動周波数を低く設定する場合には、これに伴い、駆動周波数を高く設定している場合に比べ、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することが考えられる。
また、駆動周波数の設定方法は、復号する際の処理量が大きい場合に、駆動周波数を高く設定し、復号する際の処理量が小さい場合に、駆動周波数を低く設定すればよく、上述した設定方法に限らない。例えば、MPEG4−AVC規格に準拠する映像データを復号する処理量の方が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置により生成された映像データを復号する処理量よりも大きい場合には、駆動周波数の設定を上述した場合の逆にすることが考えられる。
さらに、駆動周波数の設定方法は、駆動周波数を低くする構成に限らない。例えば、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を高く設定し、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することも考えられる。また、他の例としては、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、CPUex502の駆動を停止させることなく、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、処理に余裕があるため、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合であっても、処理に余裕があれば、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。この場合は、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合に比べて、停止時間を短く設定することが考えられる。
このように、映像データが準拠する規格に応じて、駆動周波数を切替えることにより、省電力化を図ることが可能になる。また、電池を用いてLSIex500またはLSIex500を含む装置を駆動している場合には、省電力化に伴い、電池の寿命を長くすることが可能である。
(実施の形態9)
テレビや、携帯電話など、上述した機器・システムには、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力される場合がある。このように、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力された場合にも復号できるようにするために、LSIex500の信号処理部ex507が複数の規格に対応している必要がある。しかし、それぞれの規格に対応する信号処理部ex507を個別に用いると、LSIex500の回路規模が大きくなり、また、コストが増加するという課題が生じる。
この課題を解決するために、上記各実施の形態で示した動画像復号方法を実行するための復号処理部と、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する復号処理部とを一部共有化する構成とする。この構成例を図32Aのex900に示す。例えば、上記各実施の形態で示した動画像復号方法と、MPEG4−AVC規格に準拠する動画像復号方法とは、エントロピー符号化、逆量子化、デブロッキング・フィルタ、動き補償などの処理において処理内容が一部共通する。共通する処理内容については、MPEG4−AVC規格に対応する復号処理部ex902を共有し、MPEG4−AVC規格に対応しない、本開示の一態様に特有の他の処理内容については、専用の復号処理部ex901を用いるという構成が考えられる。特に、本開示の一態様は、逆量子化に特徴を有していることから、例えば、逆量子化については専用の復号処理部ex901を用い、それ以外のエントロピー復号、デブロッキング・フィルタ、動き補償のいずれか、または、全ての処理については、復号処理部を共有することが考えられる。復号処理部の共有化に関しては、共通する処理内容については、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行するための復号処理部を共有し、MPEG4−AVC規格に特有の処理内容については、専用の復号処理部を用いる構成であってもよい。
また、処理を一部共有化する他の例を図32Bのex1000に示す。この例では、本開示の一態様に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1001と、他の従来規格に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1002と、本開示の一態様に係る動画像復号方法と他の従来規格の動画像復号方法とに共通する処理内容に対応した共用の復号処理部ex1003とを用いる構成としている。ここで、専用の復号処理部ex1001、ex1002は、必ずしも本開示の一態様、または、他の従来規格に特有の処理内容に特化したものではなく、他の汎用処理を実行できるものであってもよい。また、本実施の形態の構成を、LSIex500で実装することも可能である。
このように、本開示の一態様に係る動画像復号方法と、従来の規格の動画像復号方法とで共通する処理内容について、復号処理部を共有することにより、LSIの回路規模を小さくし、かつ、コストを低減することが可能である。