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JP6685942B2 - 撮像レンズおよび撮像装置 - Google Patents

撮像レンズおよび撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、映画撮影用カメラ、放送用カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、および監視用カメラ等の電子カメラに好適な撮像レンズ、ならびに、この撮像レンズを備えた撮像装置に関するものである。
近年、デジタルカメラ等に用いられる撮像レンズにおいて、撮像素子の高画素化にともなって、より高解像のレンズ系が求められている。しかしながら、高解像化の実現のためにはレンズ枚数の増加および/またはレンズの大型化が必要であるため、レンズ重量が増えて合焦時のレンズ群の移動速度が犠牲になり、合焦速度が低下する場合が多い。
そのため、撮像レンズにおいては上記の問題を鑑みて、有効径が小さく軽量化しやすい絞り直後のレンズ群を合焦群として使用するレンズ系が提案されている。(例えば、下記特許文献1または2)
特開2013−29658号公報 特開2014−95841号公報
しかしながら、上記のようなレンズ系において、さらに広角なレンズを実現しようとすると、像面湾曲が発生し、高解像化の実現が難しいという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、高解像でありながらより広角な撮像レンズ、および、この撮像レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の撮像レンズは、物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、この少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、第3レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、絞りから像面までの光軸上の距離をBS、全系の焦点距離をf、全系の半画角をωとしたとき、条件式(2)を満足することを特徴とする。
2<BS/(f・tanω)<3 …(2)
なお、条件式(2−1)を満足することが好ましい。
2.2<BS/(f・tanω)<2.8 …(2−1)
また、本発明の第2の撮像レンズは、物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、この少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、第3レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、第2レンズ群の焦点距離をf2、第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、条件式(3)を満足することを特徴とする。
−0.2<f2/f3<0.2 …(3)
なお、条件式(3−1)を満足することが好ましい。
−0.16<f2/f3<0.16 …(3−1)
また、本発明の第3の撮像レンズは、物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、この少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、第3レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、第2レンズ群の焦点距離をf2、第1レンズ群の焦点距離をf1としたとき、条件式(4)を満足することを特徴とする。
0<f2/f1<1.5 …(4)
なお、条件式(4−1)を満足することが好ましい。
0.3<f2/f1<0.9 …(4−1)
また、本発明の第4の撮像レンズは、物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、この少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、第1レンズ群は、少なくとも2枚の正レンズを有し、第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、第3レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有することを特徴とする。
また、本発明の第5の撮像レンズは、物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、この少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、第3レンズ群は、4枚または5枚のレンズからなることを特徴とする。
本発明の撮像レンズにおいては、全系の焦点距離をf、第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、
0.1<f/f2<0.6 …(1)
で表される条件式(1)を満足することが好ましく、
0.25<f/f2<0.55 …(1−1)
0.4<f/f2<0.52 …(1−2)
で表される条件式(1−1)または(1−2)を満足することがより好ましい。
また、第2レンズ群は、第2レンズ群中の正レンズのアッベ数をν2pとしたとき、
70<ν2p<100 …(5)
で表される条件式(5)を満足する少なくとも1枚の正レンズを有することが好ましく、
80<ν2p<95 …(5−1)
で表される条件式(5−1)を満足する少なくとも1枚の正レンズを有することがより好ましい。
また、第3レンズ群は、最も像側に正レンズを有することが好ましい。
また、第1レンズ群は、最も物体側から2枚目までの2枚のレンズが負レンズであることが好ましく、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズが負レンズであることがより好ましい。
また、第2レンズ群は、3枚または4枚のレンズからなることが好ましい。
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明の撮像レンズを備えたことを特徴とする。
なお、上記「〜からなる」とは、構成要素として挙げたもの以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやマスクやカバーガラスやフィルタ等のレンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手ぶれ補正機構等の機構部分等を含んでもよいことを意図するものである。
また、上記「レンズ群」とは、必ずしも複数のレンズから構成されるものだけでなく、1枚のレンズのみで構成されるものも含むものとする。また、レンズ群の屈折力の符号、レンズの屈折力の符号、およびレンズの面形状は、非球面が含まれているものは近軸領域で考えることとする。また、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。
本発明によれば、物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、この少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、第3レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有するものとしたので、高解像でありながらより広角な撮像レンズ、および、この撮像レンズを備えた撮像装置を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる撮像レンズ(実施例1と共通)の構成を示す断面図 本発明の実施例2の撮像レンズの構成を示す断面図 本発明の実施例3の撮像レンズの構成を示す断面図 本発明の実施例1の撮像レンズの各収差図 本発明の実施例2の撮像レンズの各収差図 本発明の実施例3の撮像レンズの各収差図 本発明の一実施形態に係る撮像装置の概略構成図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる撮像レンズのレンズ構成を示す断面図である。図1に示す構成例は、後述の実施例1の撮像レンズの構成と共通である。図1は、無限遠物体に合焦した状態を示しており、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさおよび/または形状を表すものではなく、光軸Z上の絞りの位置を示すものである。また、軸上光束aおよび最大画角の光束bも合わせて示している。
本実施形態の撮像レンズは、物体側から順に、合焦時に像面Simに対して固定される第1レンズ群G1と、開口絞りStと、合焦時に光軸Zに沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、合焦時に像面Simに対して固定される第3レンズ群G3とからなり、第1レンズ群G1は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、この少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、第2レンズ群G2は、少なくとも3枚のレンズを有し、第3レンズ群G3は、少なくとも3枚のレンズを有する。
この撮像レンズを撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、光学系と像面Simの間にカバーガラス、プリズム、および/または赤外線カットフィルタやローパスフィルタなどの各種フィルタを配置することが好ましいため、図1では、これらを想定した平行平面板状の光学部材PPをレンズ系と像面Simとの間に配置した例を示している。
このように、物体側から順に、合焦時に像面Simに対して固定される第1レンズ群G1と、開口絞りStと、合焦時に光軸Zに沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、合焦時に像面Simに対して固定される第3レンズ群G3とから構成することにより、広角系のレンズにおいて有効径が小さくなりやすい開口絞りSt近傍に合焦群が配置されることになるので、合焦群の小型化および軽量化が実現できる。また、開口絞りStの後側(像側)に合焦群を配置することによって、第1レンズ群G1の大型化を抑制することができる。さらに、第2レンズ群G2の屈折力を正とすることによって、第3レンズ群G3に過剰な正の屈折力を必要としなくなるため、球面収差の補正が容易となる。
また、第1レンズ群G1は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有することにより、第1レンズ群G1の大型化を抑制しながら、広角化が実現できる。また、この少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとすることによって、物体側からの光線入射角が高い場合にも収差の発生を抑制することができる。
また、第2レンズ群G2は、少なくとも3枚のレンズを有することにより、合焦時に発生する球面収差の変動を抑制することができる。
また、第3レンズ群G3は、少なくとも3枚のレンズを有することにより、像面湾曲の発生を抑制することができる。
本実施形態の撮像レンズにおいては、全系の焦点距離をf、第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、下記条件式(1)を満足することが好ましい。この条件式(1)はレンズ全系の焦点距離と合焦群である第2レンズ群G2の焦点距離の比を規定しており、条件式(1)の下限以下とならないようにすることによって、第2レンズ群G2の屈折力を確保し、合焦時の移動量を抑えることができるため、レンズ系の大型化を抑制することが可能になる。条件式(1)の上限以上とならないようにすることによって、第2レンズ群G2の屈折力が過剰となるのを抑えることができるため、球面収差の抑制が容易になる。なお、下記条件式(1−1)または(1−2)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.1<f/f2<0.6 …(1)
0.25<f/f2<0.55 …(1−1)
0.4<f/f2<0.52 …(1−2)
また、絞りから像面までの光軸上の距離をBS、全系の焦点距離をf、全系の半画角をωとしたとき、下記条件式(2)を満足することが好ましい。この条件式(2)は開口絞りStから像面Simまでの光軸上の距離と近軸像高との比を規定しており、条件式(2)の下限以下とならないようにすることによって、軸外主光線の開口絞りStへの入射角度を抑えることができるため、合焦時の像面湾曲の変動を抑制することが容易になる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることによって、レンズ系の全長を抑制することが可能になる。なお、下記条件式(2−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
2<BS/(f・tanω)<3 …(2)
2.2<BS/(f・tanω)<2.8 …(2−1)
また、第2レンズ群の焦点距離をf2、第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、下記条件式(3)を満足することが好ましい。この条件式(3)は第2レンズ群G2の焦点距離と第3レンズ群G3の焦点距離との比を規定しており、条件式(3)の下限以下とならないようにすることによって、像面湾曲の補正が過剰となるのを防ぐことができる。条件式(3)の上限以上とならないようにすることによって、像面湾曲の補正が不足となるのを防ぐことができる。なお、下記条件式(3−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
−0.2<f2/f3<0.2 …(3)
−0.16<f2/f3<0.16 …(3−1)
また、第2レンズ群の焦点距離をf2、第1レンズ群の焦点距離をf1としたとき、下記条件式(4)を満足することが好ましい。この条件式(4)は第2レンズ群G2の焦点距離と第1レンズ群G1の焦点距離との比を規定しており、条件式(4)の下限以下とならないようにすることによって、第2レンズ群G2を通る有効径が大きくなり過ぎるのを抑えることができるため、合焦群の軽量化が容易になる。条件式(4)の上限以上とならないようにすることによって、第1レンズ群G1の屈折力が過剰となるのを防ぐことができるため、像面湾曲の補正が容易になる。なお、下記条件式(4−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0<f2/f1<1.5 …(4)
0.3<f2/f1<0.9 …(4−1)
また、第2レンズ群G2は、第2レンズ群G2中の正レンズのアッベ数をν2pとしたとき、下記条件式(5)を満足する少なくとも1枚の正レンズを有することが好ましい。このような構成とすることによって、軸上色収差の補正が容易になる。条件式(5)の下限以下とならないようにすることによって、軸上色収差の補正が不足となるのを防ぐことができる。条件式(5)の上限以上とならないようにすることによって、軸上色収差の補正が過剰となるのを防ぐことができる。なお、下記条件式(5−1)を満足する少なくとも1枚の正レンズを有するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
70<ν2p<100 …(5)
80<ν2p<95 …(5−1)
また、第3レンズ群G3は、最も像側に正レンズを有することが好ましい。このような構成とすることにより、バックフォーカスの確保が容易になる。
また、第1レンズ群G1は、少なくとも2枚の正レンズを有することが好ましい。このような構成とすることにより、倍率色収差の補正が容易になる。
また、第1レンズ群G1は、最も物体側から2枚目までの2枚のレンズが負レンズであることが好ましい。このような構成とすることにより、レンズ径の大型化を抑制しながら広角化が可能となる。なお、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズを負レンズとすれば、レンズ径の大型化を抑制しながらさらに広角化が可能となる。
また、第2レンズ群G2は、3枚または4枚のレンズからなることが好ましい。このような構成とすることにより、少ないレンズ枚数で合焦時に発生する球面収差の変動を適切に抑制することができるため、レンズ系全体の小型化および軽量化に寄与する。
また、第3レンズ群G3は、4枚または5枚のレンズからなることが好ましい。このような構成とすることにより、少ないレンズ枚数で像面湾曲の発生を適切に抑制することができるため、レンズ系全体の小型化および軽量化に寄与する。
本撮像レンズが厳しい環境において使用される場合には、保護用の多層膜コートが施されることが好ましい。さらに、保護用コート以外にも、使用時のゴースト光低減等のための反射防止コートを施すようにしてもよい。
また、この撮像レンズを撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、レンズ系と像面Simの間にカバーガラス、プリズム、および/または赤外線カットフィルタやローパスフィルタなどの各種フィルタを配置してもよい。なお、これらの各種フィルタをレンズ系と像面Simとの間に配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよいし、いずれかのレンズのレンズ面に各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
次に、本発明の撮像レンズの数値実施例について説明する。
まず、実施例1の撮像レンズについて説明する。実施例1の撮像レンズの構成を示す断面図を図1に示す。なお、図1および後述の実施例2〜3に対応した図2〜3においては、無限遠物体に合焦した状態を示しており、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさおよび/または形状を表すものではなく、光軸Z上の絞りの位置を示すものである。また、軸上光束aおよび最大画角の光束bも合わせて示している。
実施例1の撮像レンズは、物体側から順に、合焦時に像面Simに対して固定される第1レンズ群G1と、開口絞りStと、合焦時に光軸Zに沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、合焦時に像面に対して固定される第3レンズ群G3とからなる。第1レンズ群G1はレンズL11〜L16の6枚のレンズからなり、第2レンズ群G2はレンズL21〜L23の3枚のレンズからなり、第3レンズ群G3はレンズL31〜L35の5枚のレンズからなる。
実施例1の撮像レンズのレンズデータを表1に、諸元に関するデータを表2に、合焦時に変化する面間隔に関するデータを表3に、非球面係数に関するデータを表4に示す。以下では、表中の記号の意味について、実施例1のものを例にとり説明するが、実施例2〜3についても基本的に同様である。
表1のレンズデータにおいて、面番号の欄には最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加する面番号を示し、曲率半径の欄には各面の曲率半径を示し、面間隔の欄には各面とその次の面との光軸Z上の間隔を示す。また、nの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm(ナノメートル))に対する屈折率を示し、νの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm(ナノメートル))に対するアッベ数を示す。ここで、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。レンズデータには、光学部材PPも含めて示している。また、レンズデータにおいて、合焦時に間隔が変化する面間隔の欄にはそれぞれDD[面番号]と記載している。このDD[面番号]に対応する数値は表3に示している。
表2の諸元に関するデータに、焦点距離f´、FナンバーFNo、および、全画角2ωの値を示す。
表1のレンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表4の非球面係数に関するデータには、非球面の面番号と、これら非球面に関する非球面係数を示す。表4の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10±n」を意味する。非球面係数は、下記式で表される非球面式における各係数KA、Am(m=3〜16)の値である。
Zd=C・h/{1+(1−KA・C・h1/2}+ΣAm・h
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数(m=3〜16)
とする。
実施例1の撮像レンズの各収差図を図4に示す。なお、図4中の上段左側から順に無限遠物体に合焦した状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、および、倍率色収差を示し、図4中の下段左側から順に距離0.25m(メートル)の物体に合焦した状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、および、倍率色収差を示す。球面収差、非点収差、および、歪曲収差を表す各収差図には、d線(波長587.6nm(ナノメートル))を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはd線(波長587.6nm(ナノメートル))、C線(波長656.3nm(ナノメートル))、および、F線(波長486.1nm(ナノメートル))についての収差をそれぞれ実線、長破線、および、短破線で示す。非点収差図にはサジタル方向およびタンジェンシャル方向の収差をそれぞれ実線および短破線で示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm(ナノメートル))およびF線(波長486.1nm(ナノメートル))についての収差をそれぞれ長破線および短破線で示す。球面収差図のFNo.はFナンバー、その他の収差図のωは半画角を意味する。
上記の実施例1の説明で述べた各データの記号、意味、記載方法は、特に断りがない限り以下の実施例のものについても同様であるので、以下では重複説明を省略する。
次に、実施例2の撮像レンズについて説明する。実施例2の撮像レンズの構成を示す断面図を図2に示す。実施例2の撮像レンズは、第3レンズ群G3がレンズL31〜L34の4枚のレンズからなる以外は、実施例1と同様のレンズ群およびレンズ枚数構成であり、合焦時に移動するレンズについても同様である。また、実施例2の撮像レンズのレンズデータを表5に、諸元に関するデータを表6に、合焦時に変化する面間隔に関するデータを表7に、非球面係数に関するデータを表8に、各収差図を図5に示す。
次に、実施例3の撮像レンズについて説明する。実施例3の撮像レンズの構成を示す断面図を図3に示す。実施例3の撮像レンズは、第2レンズ群G2がレンズL21〜L24の4枚のレンズからなる以外は、実施例2と同様のレンズ群およびレンズ枚数構成であり、合焦時に移動するレンズについても同様である。また、実施例3の撮像レンズのレンズデータを表9に、諸元に関するデータを表10に、合焦時に変化する面間隔に関するデータを表11に、非球面係数に関するデータを表12に、各収差図を図6に示す。
実施例1〜3の撮像レンズの条件式(1)〜(5)に対応する値を表13に示す。なお、全実施例ともd線を基準波長としており、下記の表13に示す値はこの基準波長におけるものである。
以上のデータから、実施例1〜3の撮像レンズは全て、条件式(1)〜(5)を満たしており、高解像でありながら全画角が80°以上と広角な撮像レンズであることが分かる。
次に、本発明の実施形態に係る撮像装置について説明する。図7に、本発明の実施形態の撮像装置の一例として、本発明の実施形態に係る撮像レンズ1を用いた撮像装置10の概略構成図を示す。撮像装置10としては、例えば、映画撮影用カメラ、放送用カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、および監視用カメラ等の電子カメラを挙げることができる。
撮像装置10は、撮像レンズ1、撮像レンズ1の像側に配置されたフィルタ4、撮像素子5、撮像素子5からの出力信号を演算処理する信号処理部6、および撮像レンズ1の合焦を行うためのフォーカス制御部7を備える。図7では撮像レンズ1が有する第1レンズ群G1、開口絞りSt、第2レンズ群G2、および、第3レンズ群G3を概念的に図示している。撮像素子5は、撮像レンズ1により形成された被写体の像を撮像して電気信号に変換するものであり、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いることができる。撮像素子5は、その撮像面が撮像レンズ1の像面に一致するように配置される。本実施形態の撮像装置10は、撮像レンズ1を備えたものであるから、広角で、良好な画像を取得することができる。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、および非球面係数等は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
例えば、上記実施例では無限遠物体から近距離物体に合焦するレンズ系を挙げたが、本発明は有限距離の遠距離物体から近距離物体に合焦する撮像レンズに適用可能であることは言うまでもない。
また、本発明の実施形態にかかる撮像装置についても、上記例に限定されず、種々の態様とすることができる。
1 撮像レンズ
4 フィルタ
5 撮像素子
6 信号処理部
7 フォーカス制御部
10 撮像装置
a 軸上光束
b 最大画角の光束
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
L11〜L35 レンズ
PP 光学部材
Sim 像面
St 開口絞り
Z 光軸

Claims (18)

  1. 物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に前記像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、
    前記第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、該少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、
    前記第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、
    前記第3レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、
    前記絞りから前記像面までの光軸上の距離をBS、全系の焦点距離をf、全系の半画角をωとしたとき、
    2<BS/(f・tanω)<3 …(2)
    で表される条件式(2)を満足する
    ことを特徴とする撮像レンズ。
  2. 物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に前記像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、
    前記第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、該少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、
    前記第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、
    前記第3レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、
    前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、
    −0.2<f2/f3<0.2 …(3)
    で表される条件式(3)を満足する
    ことを特徴とする撮像レンズ。
  3. 物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に前記像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、
    前記第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、該少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、
    前記第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、
    前記第3レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、
    前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第1レンズ群の焦点距離をf1としたとき、
    0<f2/f1<1.5 …(4)
    で表される条件式(4)を満足する
    ことを特徴とする撮像レンズ。
  4. 物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に前記像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、
    前記第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、該少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、
    前記第1レンズ群は、少なくとも2枚の正レンズを有し、
    前記第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、
    前記第3レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有する
    ことを特徴とする撮像レンズ。
  5. 物体側から順に、合焦時に像面に対して固定される第1レンズ群と、絞りと、合焦時に光軸に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群と、合焦時に前記像面に対して固定される第3レンズ群とからなり、
    前記第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズの内で少なくとも2枚の負レンズを有し、該少なくとも2枚の負レンズの中で最も物体側の負レンズは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、
    前記第2レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有し、
    前記第3レンズ群は、4枚または5枚のレンズからなる
    ことを特徴とする撮像レンズ。
  6. 全系の焦点距離をf、前記第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、
    0.1<f/f2<0.6 …(1)
    で表される条件式(1)を満足する
    請求項1から5のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  7. 前記第2レンズ群は、前記第2レンズ群中の正レンズのアッベ数をν2pとしたとき、
    70<ν2p<100 …(5)
    で表される条件式(5)を満足する少なくとも1枚の正レンズを有する
    請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
  8. 前記第3レンズ群は、最も像側に正レンズを有する
    請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
  9. 前記第1レンズ群は、最も物体側から2枚目までの2枚のレンズが負レンズである
    請求項1から8のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  10. 前記第1レンズ群は、最も物体側から3枚目までの3枚のレンズが負レンズである
    請求項9記載の撮像レンズ。
  11. 前記第2レンズ群は、3枚または4枚のレンズからなる
    請求項1から10のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  12. 0.25<f/f2<0.55 …(1−1)
    で表される条件式(1−1)を満足する
    請求項記載の撮像レンズ。
  13. 0.4<f/f2<0.52 …(1−2)
    で表される条件式(1−2)を満足する
    請求項記載の撮像レンズ。
  14. 2.2<BS/(f・tanω)<2.8 …(2−1)
    で表される条件式(2−1)を満足する
    請求項記載の撮像レンズ。
  15. −0.16<f2/f3<0.16 …(3−1)
    で表される条件式(3−1)を満足する
    請求項記載の撮像レンズ。
  16. 0.3<f2/f1<0.9 …(4−1)
    で表される条件式(4−1)を満足する
    請求項記載の撮像レンズ。
  17. 前記第2レンズ群は、
    80<ν2p<95 …(5−1)
    で表される条件式(5−1)を満足する少なくとも1枚の正レンズを有する
    請求項記載の撮像レンズ。
  18. 請求項1から17のいずれか1項記載の撮像レンズを備えた撮像装置。
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