JP6683957B2 - リアクトル - Google Patents
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Description
巻回部を有するコイルと、
前記巻回部内に配置される少なくとも一つの内コア片と、前記巻回部外に配置され、前記内コア片を挟む第一外コア片及び第二外コア片とを含む磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとの間に介在される介在部材と、
前記第一外コア片、前記内コア片、前記第二外コア片の組物の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部とを備え、
前記介在部材は、
表裏に連通する第一貫通孔を有し、前記第一外コア片と前記巻回部との間に介在される枠部と、前記巻回部と前記第二外コア片との間に介在される板状部とを備え、
前記樹脂モールド部は、
前記第一貫通孔内に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填されてなり、前記第一外コア片と前記内コア片とに挟まれる介在樹脂部と、
前記巻回部と前記内コア片との間のコイル内空間の一部に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填されてなる内側樹脂部と、
前記第一外コア片の少なくとも一部及び前記第二外コア片の少なくとも一部をそれぞれ覆う外側樹脂部とを備え、
前記板状部は、
前記内コア片と前記第二外コア片とに挟まれる介在壁部と、
前記介在壁部以外の箇所に局所的に設けられ、前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填される第二貫通孔とを備える。
最初に、本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係るリアクトルは、
巻回部を有するコイルと、
前記巻回部内に配置される少なくとも一つの内コア片と、前記巻回部外に配置され、前記内コア片を挟む第一外コア片及び第二外コア片とを含む磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとの間に介在される介在部材と、
前記第一外コア片、前記内コア片、前記第二外コア片の組物の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部とを備え、
前記介在部材は、
表裏に連通する第一貫通孔を有し、前記第一外コア片と前記巻回部との間に介在される枠部と、前記巻回部と前記第二外コア片との間に介在される板状部とを備え、
前記樹脂モールド部は、
前記第一貫通孔内に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填されてなり、前記第一外コア片と前記内コア片とに挟まれる介在樹脂部と、
前記巻回部と前記内コア片との間のコイル内空間の一部に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填されてなる内側樹脂部と、
前記第一外コア片の少なくとも一部及び前記第二外コア片の少なくとも一部をそれぞれ覆う外側樹脂部とを備え、
前記板状部は、
前記内コア片と前記第二外コア片とに挟まれる介在壁部と、
前記介在壁部以外の箇所に局所的に設けられ、前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填される第二貫通孔とを備える。
前記介在部材は、前記コイル内空間に配置される内側介在部を備え、
前記内側介在部は、前記コイル内空間をその周方向に分断する仕切り部を備え、
前記内側樹脂部は、前記仕切り部の両側の領域に設けられる形態が挙げられる。
前記磁性コアは、複数の前記内コア片を備え、
前記内側介在部は、隣り合う前記内コア片間に介在される内側壁部と、前記内側壁部に連結され、前記内コア片の外周面に配置される突片とを備える複数の内側分割片を含み、
隣り合う前記内側分割片の突片同士が係合することで前記仕切り部を形成する形態が挙げられる。
前記複数の内側分割片のうち、少なくとも一つの内側分割片の前記内側壁部は、前記隣り合う内コア片間に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填される切欠を有し、
前記樹脂モールド部は、前記内コア片間における前記切欠に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填されてなる樹脂ギャップ部を含む形態が挙げられる。
前記板状部は、更に、第三貫通孔を有し、
前記樹脂モールド部は、前記第三貫通孔内に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填されてなり、前記内コア片と前記第二外コア片とに挟まれる第三介在樹脂部を備える形態が挙げられる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
図1〜図10を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。
図2は、樹脂モールド部6の形成前において、コイル2と、磁性コア3をなす内コア片31,第一外コア片32A,第二外コア片32Bと、介在部材5とを備える組合体10を分解して示す。図1では第一外コア片32Aを紙面右側に配置した状態を示すが、図2では第一外コア片32Aを紙面左側に配置した状態を示す。
図3は図1に示すリアクトル1を、図10は組合体10を巻回部2a,2bの軸方向に平行な平面で切断した状態を示す。
図7は、枠部52A、板状部52B、第二外コア片32Bを並べて、第一外コア片32A側(紙面手前側)から見た状態を示す。分かり易いように第二外コア片32Bにはクロスハッチングを付している。
図8は、リアクトル1の側面図であり、巻回部内が分かり易いようにコイル2を仮想的に示す(二点鎖線参照)と共に、樹脂モールド部6を部分的に切り欠いており右側のみ示す。図8の左側では、内側樹脂部61を省略し、外側樹脂部62を仮想的に示す(二点鎖線参照)。
図9は、二つの内コア片31,31と、二つの内側分割片510,510のみを示す。
以下の説明では、リアクトル1における設置対象に接する設置側を下側、その対向側を上側として説明する。図1は、同図の下側がリアクトル1の設置側である場合を例示する。
((概要))
実施形態1のリアクトル1は、図1に示すように、一対の巻回部2a,2bを有するコイル2と、巻回部2a,2b内外に配置される複数のコア片を備える磁性コア3と、コイル2と磁性コア3との間に介在される介在部材5と、コア片の組物の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部6とを備える。リアクトル1は、代表的には、コンバータケースなどの設置対象(図示せず)に取り付けられて使用される。
以下、構成要素ごとに詳細に説明する。
この例のコイル2は、図1,図2に示すように、独立した2本の巻線2w,2wがそれぞれ螺旋状に巻回されてなる筒状の巻回部2a,2bを備え、各巻線2w,2wの一端部同士が溶接や圧着などによって接合されて一体物をなす。巻線2w,2wの他端部には、代表的には端子部材(図示せず)が取り付けられ、コイル2に電力供給を行う電源などの外部装置が接続される。各巻回部2a,2bは、各軸が平行するように横並びに配置される。この例の巻線2w,2wはいずれも、銅などからなる平角線の導体と、導体の外周を覆うポリアミドイミドなどからなる絶縁被覆とを備える被覆平角線、いわゆるエナメル線である。この例の巻回部2a,2bはいずれも、角部を丸めた四角筒状のエッジワイズコイルであり、形状・巻回方向・ターン数を同一とする。コイル2は、二つの巻回部2a,2bを横並びに備える公知のものを利用できる。例えば、巻回部2a,2bを1本の連続する巻線2wからなるものとすることができる。巻回部2a,2bの形状、大きさ、ターン数、巻線2wの端部の引き出し方向などは適宜変更できる。
この例の磁性コア3は、複数の内コア片31と、第一外コア片32A及び第二外コア片32B(以下、まとめて、外コア片32A,32Bと呼ぶことがある)と、複数のギャップ部とを備え、樹脂モールド部6によって一体に保持される。
〈概要〉
介在部材5は、代表的には絶縁材料によって構成されて、コイル2と磁性コア3との間の絶縁部材、巻回部2a,2bに対する内コア片31、外コア片32A,32Bの位置決め部材などとして機能する。特に、実施形態1のリアクトル1では、介在部材5は、リアクトル1の製造過程において樹脂モールド部6を形成する際に未固化の樹脂の流路を形成する部材としても機能する。この例の介在部材5は、上述のように内側介在部と外側介在部とを備える。
まず、主に図2,図4を参照して、第一外コア片32A側に配置される枠部52Aについて、第一貫通孔522を中心に説明する。
次に、主に図2,図4〜図6,図8を参照して、枠部52Aと板状部52Bとの共通構成を説明する。
この例の枠部52A、板状部52Bにおける巻回部2a,2b側(以下、コイル側と呼ぶ)に内コア片31が嵌め込まれる突出筒部5200を備え、外コア片32A,32B側(以下、外コア側と呼ぶ)に外コア片32A,32Bの内端面32e及びその近傍がそれぞれ嵌め込まれる凹部527が設けられている。
この例の内側介在部は、図2,図8,図9に示すように巻回部2a,2bの軸方向に分離可能な複数の内側分割片510を備える。この例では、各内側分割片510は同一形状、同一の大きさであるため、以下の説明では、一つの内側分割片510を説明する。
介在部材5の構成材料は、各種の樹脂といった絶縁材料が挙げられる。例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6、ナイロン66といったポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。又は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。介在部材5は、射出成形などの公知の成形方法によって製造できる。
リアクトル1の製造段階において、コイル2の巻回部2a,2bと、内コア片31、外コア片32A,32Bと、介在部材5とを組み付けてなる組合体10において、これらがつくる隙間を上述のように樹脂モールド部6の形成時、未固化の樹脂の流路とする。この例では、枠部52Aの凹部527と第一外コア片32Aとでつくられる上述のL字状の隙間、第一貫通孔522内の空間(突出板片526によってつくられる第一外コア片32Aと内コア片31間の隙間を含む)、コイル内空間の一部(上述の突片5211,511で仕切られる領域)、板状部52Bの第二貫通孔525u,525s、という連続する空間を上記流路に利用する。組合体10を樹脂モールド部6の成形金型に収納すると、この成形金型の内周面と外コア片32A,32Bの外周面との間に所定の隙間が設けられる。これら所定の隙間は上記流路の一部をなす。上記流路には未固化の樹脂が充填されて、樹脂モールド部6をなす。
この例の樹脂モールド部6は、図3に示すように第一外コア片32A、複数の内コア片31、第二外コア片32Bと介在部材5との組物において、介在部材5から露出される箇所を覆う。この樹脂モールド部6は、上述のように内側樹脂部61、外側樹脂部62を備え、第一外コア片32A側の外側樹脂部62から、コイル内空間の内側樹脂部61を経て、第二外コア片32B側の外側樹脂部62に連続し、上述のコア片と介在部材5との組物を一体に保持する。
この例の内側樹脂部61は、コイル内空間をその周方向に複数の領域に仕切る仕切り部(ここでは上述の突片5211,511が係合されてなる縦添え部材)の両側にそれぞれ設けられる。この例では、上述のように一つのコイル内空間において、上下、左右の合計四つの領域にそれぞれ内側樹脂部61が設けられる。内コア片31の外周面、内側分割片510の周壁部512は、内側樹脂部61に覆われ、突出筒部5200、突片5211,511は実質的に内側樹脂部61に覆われない(図8)。
外側樹脂部62は、外コア片32A,32Bの外周面のうち、主として枠部52A,板状部52Bから露出された部分を覆う。この例の外側樹脂部62は、枠部52A,板状部52Bの外コア側の面の一部も覆う(図1,図3)。また、この例の外側樹脂部62の設置面(下面)は、枠部52A,板状部52Bの設置面(同)と面一とする(図8)。その他、この例の外側樹脂部62は、外コア片32A,32Bの側方(図3では左右)に突出した複数の突片(図3では合計4つ)を備える。これら突片は、リアクトル1を設置対象に固定するための取付部とする。取付部を省略することもできる。
樹脂モールド部6は、上述のように枠部52Aの第一貫通孔522内に設けられる介在樹脂部63を備える(図3)。介在樹脂部63は、第一外コア片32A側の外側樹脂部62と内側樹脂部61との連結箇所として機能すると共に、ギャップ部の一つとして機能する。第二貫通孔525u,525s内に樹脂モールド部6の構成樹脂が充填されてなる部分は、内側樹脂部61と第二外コア片32B側の外側樹脂部62との連結箇所として機能する。第三貫通孔525d,525i内に樹脂モールド部6の構成樹脂が充填されてなる第三介在樹脂部65(図5)は、内コア片31と第二外コア片32Bとに挟まれ、内コア片31と第二外コア片32Bとの連結箇所として機能する。
樹脂モールド部6の構成樹脂は、例えば、PPS樹脂、PTFE樹脂、LCP、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10T、ナイロン9T、ナイロン6TなどのPA樹脂、PBT樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂に熱伝導性に優れるフィラーなどを含有すると、放熱性に優れる樹脂モールド部6とすることができる。樹脂モールド部6の構成樹脂は、介在部材5の構成樹脂と同じ樹脂であると、接合性に優れる上に、樹脂モールド部6の熱膨張係数と介在部材5の線膨張係数とが同一であるため、熱応力による剥離や割れなどを抑制することができる。樹脂モールド部6の成形には、射出成形などが利用できる。
実施形態1のリアクトル1は、例えば、コイル2と、内コア片31及び外コア片32A,32Bと、介在部材5とを備える組合体10を樹脂モールド部6の成形金型(図示せず)に収納し、未固化の樹脂で上述のコア片と介在部材5との組物を被覆することで製造できる。
実施形態1のリアクトル1は、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品、例えば種々のコンバータや電力変換装置の構成部品などに利用することができる。コンバータの一例として、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC−DCコンバータ)や、空調機のコンバータなどが挙げられる。
実施形態1のリアクトル1は、磁性コア3を複数のコア片(31,32A,32B)の組物とするものの、樹脂モールド部6によって一体化されることで、磁性コアの剛性を高められる。特に、介在部材5として、第一貫通孔522が設けられた枠部52Aと介在壁部523を備える板状部52Bとを備えるため、上述のように樹脂モールド部6の形成時、第一外コア片32A側から第二外コア片32B側に向かう一方向の導入を行える。この一方向の導入によって第一外コア片32Aと内コア片31との間においてウェルドの発生を防止できる。かつ、この一方向の導入と介在壁部523とによって内コア片31と第二外コア片32Bとの間においてウェルドの発生を防止できる。従って、実施形態1のリアクトル1は、ウェルドに起因するクラックの発生を防止でき、強度に優れる磁性コア3を備えられるため、強度に優れる。
(1)介在部材5が仕切り部を備えて、コイル内空間をその周方向に分断して、コイル内空間でのウェルドの発生を防止できるため、樹脂モールド部6によって一体化される磁性コア3の強度をより高められる。
(2)上記仕切り部が枠部52A、板状部52Bの突片5211と、内側分割片510の突片511とが係合されてなる縦添え部材であるため、係合状態を維持して、仕切り部を適切に存在させられることからも、コイル内空間でのウェルドの発生をより確実に防止できる。
(3)介在部材5が複数の内側分割片510を備えて、介在部材5と樹脂モールド部6との接触面積を大きくできるため、樹脂モールド部6によって一体化される磁性コア3の強度をより高められる。
(4)枠部52Aの第一貫通孔522内に充填されてなる介在樹脂部63によって、第一外コア片32Aと内コア片31との接触面積を大きくできること、板状部52Bの第二貫通孔525u,525s内に充填されてなる第二介在部分によって、内コア片31と第二外コア片32Bとの接触面積を大きくできること、板状部52Bに複数の第三貫通孔525d,525iを備えて、第三貫通孔525d,525i内に充填されてなる第三介在樹脂部65によって、介在部材5と樹脂モールド部6との接触面積を大きくできることなどから、樹脂モールド部6によって一体化される磁性コア3の強度を更に高められる。
(5)内コア片31の角部に面取り部31cを設けることで、内コア片31と樹脂モールド部6との接触面積を大きくできることから、樹脂モールド部6によって一体化される磁性コア3の強度を更に高められる。
(7)内コア片31の角部(面取り部31c)を突片5211,511で覆うことで、樹脂モールド部6の充填圧力が内コア片31の角部に集中することを防止できる。そのため、内コア片31の角部に応力が集中してクラックの起点となることを防止でき、角部が更に欠け難く、強度に優れる。
(9)樹脂モールド部6を備えることで、巻回部2a,2bと磁性コア3間との絶縁性の向上、外部環境からの保護、構成材料によっては放熱性の向上などが期待できる。
(10)周壁部512を備えるものの、その厚さを調整して、内コア片31の周囲に未固化の樹脂の流路を十分に確保しているため、未固化の樹脂が流れ易く、樹脂モールド部6の製造性に優れる。
(11)枠部52A,板状部52Bの中央部を薄くすること、嵌合溝を備えて巻回部2a,2bと枠部52A,板状部52Bとを密着できることなどから、より小型にできる。
(12)枠部52A,板状部52Bの周縁部を相対的に厚くすることで、樹脂モールド部6の形成時、充填圧力を高めても、枠部52A,板状部52Bを割れ難くできる。
(13)巻回部2a,2bを樹脂モールド部6で覆わず、外部環境に露出させていることから、放熱性に優れる。
(14)内側分割片510に内側壁部513を備えるため、インダクタンスの変動を抑制でき、長期に亘り、所定のインダクタンスを維持し易い。
(a)温度センサ、電流センサ、電圧センサ、磁束センサなどのリアクトル1の物理量を測定するセンサ(図示せず)
(b)コイル2の外周面の少なくとも一部に取り付けられる放熱板(例えば金属板など)
(c)リアクトル1の設置面と設置対象又は(b)の放熱板との間に介在される接合層(例えば接着剤層。絶縁性に優れるものが好ましい。)
以下、図11,図12を参照して、実施形態2のリアクトルを説明する。
図11は、二つの内コア片31,31と、二つの内側分割片530,530のみを示す。
図12は、樹脂モールド部6の形成前の組合体をコイル2の軸方向に平行な平面で切断し、巻回部2b内の一部のみを示す。
(X)切欠514内に充填される樹脂モールド部6の構成樹脂によって、隣り合う内コア片31,31を一体化させ易い点から、樹脂モールド部6によって一体化される磁性コア3の強度をより高められる。
(Y)実施形態1よりも周壁部512が少ないため、内コア片31と樹脂モールド部6との接触面積を周壁部512が多い場合に比較して増大できる点から、樹脂モールド部6によって一体化される磁性コア3の強度をより高められる。
(Z)隣り合う内コア片31,31における面取り部31c,31c間に内側壁部515(平板材)の周縁部が介在され(図12)、この周縁部が樹脂モールド部6(特に内側樹脂部61)によって固定されるため、内コア片31と内側分割片530との接合強度を高められる。この点から、介在部材を含めた磁性コア3において、樹脂モールド部6によって一体化されることによる強度をより高められる。
(A)外コア片32A,32Bの少なくとも一方に貫通孔を設け、この貫通孔を樹脂モールド部6の形成時、未固化の樹脂の流通路に利用する。
例えば、第一外コア片32Aに設ける上記の貫通孔の一方の開口部を未固化の樹脂の導入口とし、他方の開口部を第一貫通孔522に連通するように設けることが挙げられる。又は、例えば、第二外コア片32Bに設ける上記の貫通孔の一方の開口部は、第二貫通孔525u,525sなどに連通するように設けることが挙げられる。
(B)枠部52A、板状部52Bの少なくとも一方について、突出筒部5200を省略し、突出筒部5200に代えて、内側分割片510を備える。
(C)コイル2において、巻線2wを、丸線の導体と絶縁被覆とを備える被覆丸線などとしたり、巻回部2a,2bを円筒状、楕円状やレーストラック状などの角部を有しない筒状などとする。
10 組合体
2 コイル
2a,2b 巻回部
2w 巻線
3 磁性コア
31 内コア片
32A 第一外コア片
32B 第二外コア片
31c 面取り部
32e 内端面
5 介在部材
52A 枠部
522 第一貫通孔
526 突出板片
52B 板状部
523 介在壁部
525u,525s 第二貫通孔
525i,525d 第三貫通孔
527 凹部
528 底面
5200 突出筒部
5211 突片
510,530 内側分割片
511 突片
512 周壁部
513,515 内側壁部
514 切欠
6 樹脂モールド部
60 樹脂ギャップ部
61 内側樹脂部
62 外側樹脂部
63 介在樹脂部
65 第三介在樹脂部
g,G 隙間
Claims (3)
- 巻回部を有するコイルと、
前記巻回部内に配置される複数の内コア片と、前記巻回部外に配置され、前記内コア片を挟む第一外コア片及び第二外コア片とを含む磁性コアと、
前記コイルと前記磁性コアとの間に介在される介在部材と、
前記第一外コア片、前記内コア片、前記第二外コア片の組物の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部とを備え、
前記介在部材は、
表裏に連通する第一貫通孔を有し、前記第一外コア片と前記巻回部との間に介在される枠部と、前記巻回部と前記第二外コア片との間に介在される板状部と、前記巻回部と前記内コア片との間のコイル内空間に配置される内側介在部とを備え、
前記樹脂モールド部は、
前記第一貫通孔内に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填されてなり、前記第一外コア片と前記内コア片とに挟まれる介在樹脂部と、
前記コイル内空間の一部に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填されてなる内側樹脂部と、
前記第一外コア片の少なくとも一部及び前記第二外コア片の少なくとも一部をそれぞれ覆う外側樹脂部とを備え、
前記板状部は、
前記内コア片と前記第二外コア片とに挟まれる介在壁部と、
前記介在壁部以外の箇所に局所的に設けられ、前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填される第二貫通孔とを備え、
前記内側介在部は、
隣り合う前記内コア片間に介在される内側壁部と、前記内側壁部に連結され、前記内コア片の外周面に配置される突片とを備える複数の内側分割片を含み、
隣り合う前記内側分割片の前記突片同士が係合することで、前記コイル内空間をその周方向に分断する仕切り部を形成し、
前記内側樹脂部は、
前記仕切り部の両側の領域に設けられるリアクトル。 - 前記複数の内側分割片のうち、少なくとも一つの内側分割片の前記内側壁部は、前記隣り合う内コア片間に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填される切欠を有し、
前記樹脂モールド部は、前記内コア片間における前記切欠に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填されてなる樹脂ギャップ部を含む請求項1に記載のリアクトル。 - 前記板状部は、更に、第三貫通孔を有し、
前記樹脂モールド部は、前記第三貫通孔内に前記樹脂モールド部の構成樹脂が充填されてなり、前記内コア片と前記第二外コア片とに挟まれる第三介在樹脂部を備える請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
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