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JP6680095B2 - ポジション照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両から路面へ光を照射することにより当該車両の存在を他の移動体に認識させるポジション照明装置に関する。
一般に、自動二輪車、自動四輪車等の車両はテールランプを有している。暗中、2台の車両が相前後して走行している場合、後方車両の運転者は、前方車両のテールランプから発せられる光を見ることにより、前方車両の存在を認識することができる。しかしながら、雨天や霧等により前方視界が悪い場合、後方車両の運転者は前方車両のテールランプから発せられる光を見落とし、前方車両の存在の認識が遅れることがあり得る。
これに対し、車両に設けられた照明装置により車両の後方または側方の路面に光を照射する技術がある。この技術によれば、後方車両の運転者は、前方車両の照明装置から照射され、当該車両の後方または側方の路面を反射した光を見ることにより、テールランプから発せられる光を見る場合と比較してより明確に、前方車両の存在を認識することができる。以下、路面において車両の周囲のいずれかの場所に照射される光を「路面照射光」という。
下記の特許文献1には、路面照射光を照射する装置として利用可能な装置が記載されている。
特開昭63−213203号公報
ところが、前方車両から常に一定の路面照射光を照射する場合、前方車両と後方車両との間の距離によっては、後方車両の運転者において路面照射光に基づき前方車両の存在を認識し難くなることがある。
一例をあげれば、後方車両が前方車両に極めて接近したときには、前方車両の後方の路面に照射された路面照射光の路面に対する反射光が、後方車両の運転者の視界の中心から下方へ大きく外れる。この結果、後方車両の運転者において路面照射光を認識し難くなり、路面照射光に基づいて前方車両の存在を認識することが困難になることがある。
また、路面照射光が路面において前方車両の直後の位置に照射されている場合、後方車両が前方車両から離れているときには、後方車両の運転者の目に届く、路面照射光の路面に対する反射光が弱くなる。この結果、後方車両の運転者において路面照射光に基づいて前方車両の存在を認識することが困難になることがある。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、車両から照射される路面照射光に基づいて当該車両の存在を他の移動体に、当該車両と他の移動体との間の距離に応じて適切に認識させることができるポジション照明装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のポジション照明装置は、車両から路面に路面照射光を照射することにより前記車両の存在を前記車両の後方または側方に位置する他の移動体に認識させるポジション照明装置であって、前記路面において前記車両の後方および側方の領域の少なくとも一部に前記路面照射光を照射する照明部と、前記車両と前記他の移動体との間の距離を検出する距離検出部と、前記距離検出部により検出された前記車両と前記他の移動体との間の距離に基づいて前記照明部を制御し、前記路面照射光の状態を変化させる照射制御部と、前記車両の周囲の明暗を検出する明暗検出部とを備え、前記距離検出部は前記他の移動体から発せられた複数種類の検知波をそれぞれ検出し、前記照射制御部は前記距離検出部により検出された検知波の種類に基づいて前記路面照射光の状態を変化させ、前記照明制御部は、前記明暗検出部による前記車両の周囲の明暗の検出結果に応じ、前記照明部および前記距離検出部への電力供給のオン、オフを切り替えることを特徴とする。
また、本発明の他のポジション照明装置は、車両から路面に路面照射光を照射することにより前記車両の存在を前記車両の後方または側方に位置する他の移動体に認識させるポジション照明装置であって、前記路面において前記車両の後方および側方の領域の少なくとも一部に前記路面照射光を照射する照明部と、前記車両と前記他の移動体との間の距離を検出する距離検出部と、前記距離検出部により検出された前記車両と前記他の移動体との間の距離に基づいて前記照明部を制御し、前記路面照射光の状態を変化させる照射制御部とを備え、前記照明部は光を発する複数の光発生部を有し、前記照射制御部は、前記車両と前記他の移動体との間の距離が大きいときには前記複数の光発生部から発せられる光を互いに重ねることにより1個の路面照射光を形成し、前記車両と前記他の移動体との間の距離が小さいときには前記複数の光発生部から照射される光を互いに離すことにより複数の路面照射光を形成することを特徴とする。
本発明によれば、車両から照射される路面照射光に基づいて、当該車両の存在を他の移動体に、当該車両と他の移動体との間の距離に応じて適切に認識させることができる。
本発明の実施形態のポジション照明装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例のポジション照明装置が設けられた自動二輪車を示す説明図である。 本発明の第1の実施例のポジション照明装置から照射される路面照射光の照射位置および自車と他の移動体との間の距離を示す説明図である。 本発明の第1の実施例のポジション照明装置の構成を示す説明図である。 他の移動体から発せられる検知波を示す説明図である。 本発明の第1の実施例のポジション照明装置における処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施例のポジション照明装置の構成を示す説明図である。 本発明の第2の実施例のポジション照明装置から照射される路面照射光の個数および照射位置等を示す説明図である。 本発明の第3の実施例のポジション照明装置から照射される路面照射光の形状を示す説明図である。 本発明の第4の実施例のポジション照明装置から照射される路面照射光の揺動を示す説明図である。 本発明の第5の実施例のポジション照明装置の構成を示す説明図である。 本発明の第6の実施例(本発明を自転車に適用した例)を示す説明図である。 本発明の第7の実施例(本発明を電動福祉車両に適用した例)を示す説明図である。
図1は本発明の実施形態のポジション照明装置を示している。図1において、本発明の実施形態のポジション照明装置1は、車両から路面に路面照射光を照射することにより当該車両の存在を当該車両の後方または側方に位置する他の移動体に認識させる装置である。
ポジション照明装置1は車両に設けられる。車両は、自動二輪車、スクータ、自動三輪車、バギー車等の鞍乗型車両である。また、車両は自転車でもよい。また、車両は電動車両(例えば、高齢者等の移動手段としての一人乗りの電動福祉車両)でもよく、自動四輪車でもよい。以下、ポジション照明装置1が設けられた車両を「自車」という。一方、上記他の移動体は、車両に限らず、歩行者等の人でもよい。
ポジション照明装置1は、照明部2、距離検出部3および照射制御部4を備えている。
照明部2は、路面において、自車の後方および側方の領域の少なくとも一部に路面照射光を照射する。
距離検出部3は、自車と他の移動体との間の距離を検出する。自車と他の移動体との間の距離の検出は、自車と他の移動体との間の距離値を具体的に測定することにより行うことができる。また、当該距離の検出は、例えば、至近距離、中・近距離、遠距離といったように、距離の大きさに応じた区分を設定し、自車と他の移動体との間の距離がいずれの区分に属するかを認識することによって行ってもよい。
照射制御部4は、距離検出部3により検出された自車と他の移動体との間の距離に基づいて、照明部2を制御し、路面照射光の状態を変化させる。路面照射光の状態は、路面上における路面照射光の位置、照射範囲、大きさ、形状、個数、強度または色等である。また、路面照射光の状態は、路面照射光の点滅の有無、または点滅速度でもよい。また、路面照射光の状態は、路面照射光の移動の有無、または移動速度でもよい。移動は、例えば揺動、回転等である。
路面照射光の状態の変化には種々の態様が考えられる。例えば、自車と他の移動体との間の距離が大きい場合には、路面上における路面照射光の位置を自車から離し、自車と他の移動体との間の距離が小さい場合には、路面上における路面照射光の位置を自車に近づけてもよい。また、自車と他の移動体との間の距離が大きい場合には、路面上における路面照射光の形状を縦長にし、自車と他の移動体との間の距離が小さい場合には、路面上における路面照射光の形状を横長にしてもよい。また、自車と他の移動体との間の距離が大きい場合には、路面照射光を路面上において自車の真後ろに配置し、自車と他の移動体との間の距離が小さい場合には、路面照射光を路面上において自車の後方左側、後方右側、または真横(左側または右側)に配置してもよい。また、自車と他の移動体との間の距離が大きい場合には、路面上における路面照射光の個数を1個にし、自車と他の移動体との間の距離が小さい場合には、路面上における路面照射光の個数を2個以上にしてもよい。また、自車と他の移動体との間の距離が大きい場合には、路面上における路面照射光の強度を大きくし、自車と他の移動体との間の距離が小さい場合には、路面上における路面照射光の強度を小さくしてもよい。また、自車と他の移動体との間の距離が大きい場合には、路面照射光を長い間隔で点滅させ、自車と他の移動体との間の距離が小さい場合には、路面照射光を短い間隔で点滅させてもよい。また、自車と他の移動体との間の距離が大きい場合には、路面照射光を遅い速度で揺動させ、自車と他の移動体との間の距離が小さい場合には、路面照射光を速い速度で揺動させてもよい。
また、以上のような路面照射光の状態は、自車と他の移動体との間の距離に応じて連続的に変化させてもよい。また、路面照射光の状態を、例えば、近距離、遠距離というように2段階に変化させてもよいし、例えば、至近距離、近距離、中距離、遠距離といったように多段階に変化させてもよい。
本発明の実施形態によるポジション照明装置1によれば、照明部2から照射される路面照射光に基づいて、自車の存在を他の移動体に、自車と他の移動体との間の距離に応じて適切に認識させることができる。
図2ないし図6は本発明の第1の実施例を示している。これらの図のうち、図2は自動二輪車31を示している。自動二輪車31には、本発明の第1の実施例のポジション照明装置11が設けられている。図2に示すように、自動二輪車31にはエンジン32が設けられ、エンジン32の前方には、前輪33、フロントフェンダ34、ヘッドランプ35およびハンドル36が設けられている。また、エンジン32の上方には、燃料タンク37およびシート38が設けられている。また、エンジン32の後方には、後輪39、リヤフェンダ40、シートカウル41およびテールランプ42が設けられている。
ポジション照明装置11は自動二輪車31の後部に配置されている。具体的には、ポジション照明装置11は、自動二輪車31のリヤフェンダ40の上部、テールランプ42の下方、またはシートカウル41の一部に取り付けられている。もっとも、ポジション照明装置11のうち、明暗検出部26は、自動二輪車31において、太陽光が当たり易い部分であって、かつヘッドランプ35から発せられる光、およびテールランプ42から発せられる光がいずれも当たり難い部分に配置されている。例えば、明暗検出部26は燃料タンク37の上側等に取り付けられている。
図3は、ポジション照明装置11から照射される路面照射光Lの照射位置等を示している。図4(1)はポジション照明装置11の構成を示している。図4(2)はポジション照明装置11の各ランプユニット16、17、18から発せられる光の方向を示している。図4(3)は本発明の第1の実施例のポジション照明装置における照明部の変形例を示している。図3に示すように、ポジション照明装置11は、自車29から路面Rに路面照射光Lを照射することにより自車29の存在を自車29の後方または側方に位置する他の移動体30に認識させる装置である。なお、第1の実施例において、自車29は、ポジション照明装置11が設けられた自動二輪車31である。また、他の移動体30は車両であり、例えば図3に示すようなトラックである。
ポジション照明装置11は、図4(1)に示すように、ケーシング12、照明部15、距離検出部21、照明制御部25および明暗検出部26を備えている。
照明部15は、路面Rにおいて自車29の後方の領域に路面照射光Lを照射する機能を有している。第1の実施例において、照明部15は、3個のランプユニット16、17、18を備えている。各ランプユニット16、17、18は光源19およびリフレクタ20を備えている。光源19はたとえば白色光を発するハロゲンランプまたはLED(発光ダイオード)である。各ランプユニット16、17、18はケーシング12の内部に配置されている。また、ケーシング12において自車29の後方を向いた面には開口部(図示せず)が形成され、各ランプユニット16、17、18から発せられた光はこの開口部を通過し、路面において自車29の後方の位置へ照射されるようになっている。
また、3個のランプユニット16、17、18はいずれも路面Rにおいて自車29の後方の領域に路面照射光Lを照射するのであるが、詳細には、路面照射光Lの照射位置がそれぞれ異なる。すなわち、ランプユニット16は、図3(1)に示すように、路面Rにおいて自車29から後方へ大きく離れた位置に路面照射光Lを照射する。ランプユニット17は、図3(2)に示すように、路面Rにおいて自車29から後方へ少し離れた位置(ランプユニット16からの路面照射光Lの照射位置よりも自車29に近い位置)に路面照射光Lを照射する。ランプユニット18は、図3(3)に示すように、路面Rにおいて自車29の後部に接近した位置(ランプユニット17からの路面照射光Lの照射位置よりも自車29に近い位置)に路面照射光Lを照射する。
別言すると、図4(2)に示すように、3個のランプユニット16、17、18の光軸は、いずれも自車29の後方の左右方向中心を向き、かつ路面Rに向かって下方へ傾斜しているが、詳細には、光軸の下方への傾斜角度がそれぞれ異なる。すなわち、3個のランプユニット16、17、18のうち、ランプユニット16の光軸の下方への傾斜角度は最も小さい(最も水平に近い)。また、ランプユニット17の光軸の下方への傾斜角度は、ランプユニット16の光軸の下方への傾斜角度よりも大きい。また、ランプユニット18の光軸の下方への傾斜角度は、ランプユニット17の光軸の下方への傾斜角度よりも大きい(最も垂直に近い)。
なお、図4(1)に示すように、3個のランプユニット16、17、18は上下方向に一列に並んでいるが、ランプユニット16、17、18の配列はこれに限定されない。例えば、ランプユニット16、17、18の光軸の左右方向および上下方向の傾斜角度を適宜調整し、ランプユニット16、17、18を左右方向に一列に並べてもよい。
一方、距離検出部21は、自車29と他の移動体30との間の距離を検出する機能を有している。具体的には、距離検出部21は、他の移動体30から発せられた複数種類の検知波をそれぞれ検出する機能を有している。検知波とは、物体の存在を検知するのに用いることができる波であり、例えば超音波、レーザー光、ミリ波等である。
より具体的には、距離検出部21は、図4(1)に示すように、超音波検出部22、レーザー光検出部23およびミリ波検出部24を備えている。超音波検出部22は、他の移動体30から発せられた超音波を検出する。レーザー光検出部23は、他の移動体30から発せられたレーザー光を検出する。ミリ波検出部24は、他の移動体30から発せられたミリ波を検出する。また、超音波検出部22、レーザー光検出部23およびミリ波検出部24は、例えば、ケーシング12において自車29の後方を向いた面に取り付けられている。
他の移動体30から発せられた検知波の種類に基づいて自車29と他の移動体30との間の距離を認識することができる。具体的には、他の移動体30から発せられた超音波を検出することにより、自車29と他の移動体30との間の距離が至近距離であること認識することができる。また、他の移動体30から発せられたレーザー光を検出することにより、自車29と他の移動体30との間の距離が中・近距離であることを認識することができる。また、他の移動体30から発せられたミリ波を検出することにより、自車29と他の移動体30との間の距離が遠距離であることを認識することができる。例えば、至近距離とは0m以上5m未満であり、中・近距離とは5m以上20m未満であり、遠距離とは20m以上150m未満である。
ここで、他の移動体30から発せられた検知波の種類に基づいて自車29と他の移動体30との間の距離を認識することができる仕組みについて説明する。図5は、他の移動体30から発せられる複数種類の検知波、具体的には、超音波U、レーザー光Bおよびミリ波Mを示している。なお、図5では、他の移動体30の一例としてのトラックを上方から見た状態を示している。
他の移動体30は走行支援または自動運転を行うシステムを備えている。そして、そのシステムは、他の移動体30の前方または側方に存在する物体を検知するために、超音波センサ、レーザーレーダ、ミリ波レーダ等を備えている。一般的な超音波センサの検知可能距離は5m程度である。なお、検知可能距離とは、センサまたはレーダが物体を検知することができるセンサまたはレーダと物体との間の最大距離である。超音波レーダは、超音波Uを発し、その超音波Uの物体からの反射波を検出することにより、他の移動体30の前方の至近距離内に存在する物体を検出することができる。また、一般的なレーザーレーダの検知可能距離は20m程度である。レーザーレーダは、レーザー光Bを発し、そのレーザー光Bの物体からの反射光を検出することにより、他の移動体30から前方へ中・近距離離れた位置に存在する物体を検出することができる。また、一般的なミリ波レーダの検知可能距離は150m程度である。ミリ波レーダは、ミリ波Mを発し、そのミリ波Mの物体からの反射波を検出することにより、他の移動体30から前方へ遠距離離れた位置に存在する物体を検出することができる。
このような他の移動体30が自車29から後方へ遠距離離れた位置に存在しているとき、自車29には、他の移動体30から発せられたミリ波Mが当たる。また、他の移動体30が自車29から後方へ中・近距離離れた位置に存在しているとき、自車29には、他の移動体30から発せられたミリ波Mおよびレーザー光Bが同時に当たる。また、他の移動体30が自車29の後方の至近距離内に存在しているとき、自車29には、他の移動体30から発せられたミリ波M、レーザー光Bおよび超音波Uが同時に当たる。したがって、自車29において、ミリ波Mのみが検出されたときには、検出された検知波がミリ波のみであることに基づいて、自車29と他の移動体30との間の距離が遠距離であることを認識することができる。また、ミリ波Mおよびレーザー光Bのみが同時に検出されたときには、同時に検出された検知波のうち、検知可能距離が最も小さい検知波がレーザー光Bであることに基づいて、自車29と他の移動体30との間の距離が中・近距離であることを認識することができる。また、ミリ波M、レーザー光Bおよび超音波Uが同時に検出されたときには、同時に検出された検知波のうち、検知可能距離が最も小さい検知波が超音波Uであることに基づいて、自車29と他の移動体30との間の距離が至近距離であること認識することができる。
一方、照明制御部25は、図4(1)に示すように、距離検出部21により検出された検知波の種類に基づいて照明部15を制御し、路面Rにおける路面照射光Lの照射位置を変化させる機能を有している。照明制御部25は、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置により構成することができる。具体的には、照明制御部25はケーシング12内に設けられている。照明制御部25には超音波検出部22、レーザー光検出部23およびミリ波検出部24がそれぞれ接続されている。また、照明制御部25には各ランプユニット16、17、18が接続されている。照明制御部25は、超音波検出部22が超音波を検出したときに出力する検出信号、レーザー光検出部23がレーザー光を検出したときに出力する検出信号、およびミリ波検出部24がミリ波を検出したときに出力する検出信号を受け取る。そして、照明制御部25は、受け取った検出信号に基づいて各ランプユニット16、17、18へ制御信号を出力し、3個のランプユニット16、17、18の点灯・消灯を切り替え、路面照射光Lの照射位置を変化させる。
また、照明制御部25は、自車29の周囲の明暗に応じて距離検出部21および照明部15の稼働・停止を切り替える機能を有している。具体的には、照明制御部25には明暗検出部26が接続されている。明暗検出部26は明暗を検出する機能を有し、例えば光導電素子を備えている。明暗検出部26は、自車29の周囲の明暗(光の強度)に応じた検出信号を出力する。明暗検出部26により、昼間か夜間かを認識することができ、また、昼間においては自車29がトンネル内のように太陽光が遮られた場所に存在するか否かを認識することができる。照明制御部25は、明暗検出部26から出力された検出信号に基づいて、距離検出部21および照明部15への電力供給のオン・オフを切り替える。なお、照明制御部25は照射制御部および点灯制御部の具体例である。
図6はポジション照明装置11の照明制御部25における処理を示している。自車29の電源がオンになると、ポジション照明装置11の照明制御部25および明暗検出部26に電力が供給され、照明制御部25および明暗検出部26が稼働を開始する。この時点では、超音波検出部22、レーザー光検出部23、ミリ波検出部24および各ランプユニット16、17、18には電力が供給されておらず、これらは停止している。
稼働を開始した照明制御部25は、まず、明暗検出部26から出力された検出信号に基づき、自車29の周囲の光の強度が基準強度未満であるか否かを判断する(ステップS1)。昼間において太陽光が遮られていない場所に自車29がいる場合には、自車29の周囲の光の強度が基準強度以上となる。一方、昼間において太陽光が遮られた場所に自車29がいる場合、または夜間には、自車29の周囲の光の強度が基準強度未満となる。
自車29の周囲の光の強度が基準強度未満である場合には(ステップS1:YES)、照明制御部25は、距離検出部21および照明部15に電力を供給し、これらを稼働させる。この結果、超音波検出部22、レーザー光検出部23およびミリ波検出部24が検出動作を開始し、ランプユニット16、17、18のうちのいずれかが自動的に点灯する(ステップS2)。
一方、自車29の周囲の光の強度が基準強度以上である場合には(ステップS1:NO)、照明制御部25は、距離検出部21および照明部15に電力を供給せず、これらの停止状態を維持する。また、今まで距離検出部21および照明部15に電力が供給され、これらが稼働していた場合には、照明制御部25は、距離検出部21および照明部15への電力供給を断ち、これらを停止させる。この結果、超音波検出部22、レーザー光検出部23およびミリ波検出部24の検出動作が停止し、ランプユニット16、17、18のうち、現在点灯しているランプユニットが自動的に消灯する(ステップS3)。その後、処理はステップS1に戻る。
自車29の周囲の光の強度が基準強度未満であり、距離検出部21および照明部15を稼働させた場合には、照明制御部25は、次に、何らかの検知波が検出されたか否かを判断する(ステップS4)。自車29の後方に他の移動体30が存在し、かつ自車29と当該他の移動体30との間の距離が至近距離、中・近距離または遠距離である場合には、当該他の移動体30から発せられた何らかの検知波(少なくともミリ波)が自車29に当たる。そして、この検知波が自車29の超音波検出部22、レーザー光検出部23またはミリ波検出部24により検出され、超音波検出部22、レーザー光検出部23またはミリ波検出部24から照明制御部25へ検出信号が出力される。この検出信号に基づき、照明制御部25は何らかの検知波が検出されたと判断することができる。一方、自車29の後方に他の移動体30が存在しない場合、または自車29の後方に存在する他の移動体30と自車29との間の距離が遠距離よりも大きい場合には、他の移動体30から発せられた検知波は自車29に届かない(または、検知波が自車29に届いたとしても極めて弱く明確に検出することができない)。この場合には、超音波検出部22、レーザー光検出部23およびミリ波検出部24のいずれからも検出信号が出力されないので、このことに基づき、照明制御部25はいずれの検知波も検出されないと判断することができる。
いずれの検知波も検出されない場合には(ステップS4:NO)、照明制御部25は、路面照射光Lの照射位置を初期位置に設定する(ステップS5)。路面照射光Lの初期位置をどのような位置にするかは任意に決めることができる。例えば、路面照射光Lの初期位置を、自車29と他の移動体30との間の距離が遠距離であるときの路面照射光Lの照射位置と同じとしてもよい。この場合には、照明制御部25は、ステップS5において、ランプユニット16を点灯させ、ランプユニット17および18を消灯させる。その後、処理はステップS1に戻る。
一方、何らかの検知波が検出された場合には(ステップS4:YES)、次に、照明制御部25は、同時に検出された検知波の中に超音波が含まれているか否かを判断する(ステップS6)。この判断は、超音波検出部22からの検出信号に基づいて行うことができる。同時に検出された検知波の中に超音波が含まれていない場合には(ステップS6:NO)、続いて、照明制御部25は、同時に検出された検知波の中にレーザー光が含まれているか否かを判断する(ステップS7)。この判断は、レーザー光検出部23からの検出信号に基づいて行うことができる。
図3(1)に示すように、自車29と他の移動体30との間の距離が遠距離である場合には、他の移動体30から発せられたミリ波が自車29に当たるが、他の移動体30から発せられたレーザー光および超音波は自車29に届かない(または、届いたとしても極めて弱く明確に検出することができない)。この結果、当該ミリ波を検出したミリ波検出部24から検出信号が出力されるが、超音波検出部22およびレーザー光検出部23からは検出信号が出力されない。超音波検出部22、レーザー光検出部23およびミリ波検出部24からの検出信号のこのような出力状態に基づき、照明制御部25は、同時に検出された検知波の中に超音波が含まれておらず、さらにレーザー光も含まれてないと判断する(ステップS6:NO、ステップS7:NO)。この場合、照明制御部25は、路面照射光Lの照射位置を、路面Rにおいて自車29から後方へ大きく離れた位置に設定する(ステップS8)。具体的には、照明制御部25は、ランプユニット16を点灯させ、ランプユニット17および18を消灯させる。その後、処理はステップS1に戻る。
一方、図3(2)に示すように、自車29と他の移動体30との間の距離が中・近距離である場合には、他の移動体30から発せられたミリ波およびレーザー光が自車29に当たるが、他の移動体30から発せられた超音波は自車29に届かない(または、届いたとしても極めて弱く明確に検出することができない)。この結果、当該ミリ波を検出したミリ波検出部24、および当該レーザー光を検出したレーザー光検出部23から検出信号がそれぞれ出力されるが、超音波検出部22からは検出信号が出力されない。このような検出信号の出力状態に基づき、照明制御部25は、同時に検出された検知波の中に超音波は含まれていないが、レーザー光が含まれていると判断する(ステップS6:NO、ステップS7:YES)。この場合、照明制御部25は、路面照射光Lの照射位置を、路面Rにおいて自車29から後方へ少し離れた位置に設定する(ステップS9)。具体的には、照明制御部25は、ランプユニット17を点灯させ、ランプユニット16および18を消灯させる。その後、処理はステップS1に戻る。
他方、図3(3)に示すように、自車29と他の移動体30との間の距離が至近距離である場合には、他の移動体30から発せられたミリ波、レーザー光および超音波が自車29に当たる。この結果、当該ミリ波、レーザー光および超音波がミリ波検出部24、レーザー光検出部23および超音波検出部22によりそれぞれ検出され、ミリ波検出部24、レーザー光検出部23および超音波検出部22から検出信号がそれぞれ出力される。このような検出信号の出力状態に基づき、照明制御部25は、同時に検出された検知波の中に超音波が含まれていると判断する(ステップS6:YES)。この場合、照明制御部25は、路面照射光Lの照射位置を、路面Rにおいて自車29に接近した位置に設定する(ステップS10)。具体的には、照明制御部25は、ランプユニット18を点灯させ、ランプユニット16および17を消灯させる。その後、処理はステップS1に戻る。図5に示す処理は、自車29の電源がオンである間、繰り返し実行される。
このような照明制御部25の処理により、自車29と他の移動体30との間の距離が遠距離であるときには、路面照射光Lの位置は、自車29から後方へ大きく離れた位置となる。この結果、路面照射光Lと他の移動体30との間の距離が、自車29と他の移動体30との間の距離よりも小さくなる。これにより、他の移動体30の運転者30A等の目に届く、路面照射光Lの路面Rに対する反射光が弱くなることを抑制することができる。したがって、自車29と他の移動体30との間の距離が遠距離である場合に、自車29の存在を路面照射光Lに基づいて他の移動体30の運転者30A等に容易に、明確に、そして確実に認識させることができる。
また、上記照明制御部25の処理により、自車29と他の移動体30との間の距離が中・近距離であるときには、路面照射光Lの位置は、自車29から後方へ少し離れた位置となる。すなわち、他の移動体30の自車29への接近に伴い、路面照射光Lの位置が自車29に接近する。仮に路面照射光Lの位置が、自車29から後方へ大きく離れた位置に固定されているとすれば、他の移動体30の自車29への接近に伴い、路面照射光Lの路面に対する反射光が、他の移動体30の運転者30A等の視界において下方へ移動していく。このため、自車29の存在を路面照射光Lに基づいて他の移動体30の運転者30A等に認識させることが困難になる。しかしながら、ポジション照明装置11では、他の移動体30の自車29への接近に伴って路面照射光Lの位置が自車29に接近するので、他の移動体30が自車29に接近しても、路面照射光Lの路面に対する反射光が、他の移動体30の運転者30A等の視界の中心に近い位置に止まる。したがって、自車29と他の移動体30との間の距離が中・近距離である場合でも、自車29の存在を路面照射光Lに基づいて他の移動体30の運転者30A等に容易、明確かつ確実に認識させることができる。
また、上記照明制御部25の処理により、自車29と他の移動体30との間の距離が至近距離であるときには、路面照射光Lの位置は、自車29の後部に接近した位置となる。すなわち、他の移動体30の自車29への接近に伴い、路面照射光Lの位置が自車29に一層接近する。仮に路面照射光Lの位置が、自車29から後方へ離れた位置に固定されているとすれば、他の移動体30が自車29に極めて接近した場合、路面照射光Lの路面に対する反射光が、他の移動体30の運転者30A等の視界の中心から下方へ大きく外れてしまう場合がある。例えば、図3に示すように、他の移動体30がトラックやバスであり、他の移動体30の運転席が高い位置に配置されている場合には、路面照射光Lの路面に対する反射光が、他の移動体30の運転者30Aの視界から完全に外れてしまう。また、他の移動体30がトラックやバスである場合には、路面照射光Lとなるべき光が他の移動体30の車体の前面においてフロントガラスよりも下の部分に当たってしまい、当該光が他の移動体30の運転者30Aの目に入り得ない状態となることもある。このため、自車29の存在を路面照射光Lに基づいて他の移動体30の運転者30A等に認識させることが困難になる。しかしながら、ポジション照明装置11によれば、他の移動体30の自車29への接近に伴って路面照射光Lの位置が自車29に一層接近するので、路面照射光Lの路面に対する反射光が、他の移動体30の運転者30A等の視界から外れてしまうことを防止することができる。したがって、自車29と他の移動体30との間の距離が至近距離である場合でも、自車29の存在を路面照射光Lに基づいて他の移動体30の運転者30A等に容易、明確かつ確実に認識させることができる。
また、自車29と他の移動体30との間の距離が至近距離となった場合に、ポジション照明装置11において、路面照射光Lを、路面Rにおいて自車29の後部の直下の位置に照射するようにすれば、路面照射光Lの路面に対する反射光が自車29の後部に当たるようになる。これにより、自車29自体を明るく照らすことができる。したがって、自車29の存在を、他の移動体30の運転者30A等に、より一層容易、明確かつ確実に認識させることができる。
このように、本発明の第1の実施例のポジション照明装置11によれば、他の移動体30が自車29に接近するに従って路面Rにおける路面照射光Lの位置を自車29に接近させることとしたから、路面照射光Lに基づいて自車29の存在を他の移動体30に、自車29と他の移動体30との間の距離に応じて適切に認識させることができる。したがって、自車29の予防安全性能を高めることができる。例えば、自車29が自動二輪車31のような小型の車両であっても、他の移動体から見落とされることを防ぐことができる。
また、ポジション照明装置11によれば、他の移動体30から発せられる検知波の種類を検出することにより、路面照射光Lの照射位置を制御することとしたから、自車29と他の移動体30との間の距離に応じた路面照射光Lの照射位置の制御を簡単な構成で実現することができる。例えば、検知波を発する手段をポジション照明装置または自車29に設ける必要がなくなる。
また、ポジション照明装置11によれば、自車29において、他の移動体30から発せられた複数の検知波が同時に検出された場合には、当該同時に検出された複数の検知波のうち検知可能距離が最も小さい検知波に基づいて路面照射光の照射位置を制御することとしたから、自車29と他の移動体30との間の距離に応じた路面照射光Lの照射位置の制御を、他の移動体30から発せられた検知波を利用して高精度に行うことができる。
また、ポジション照明装置11によれば、明暗検出部26および照明制御部25により、自車29の周囲の明暗に応じて路面照射光Lの点灯、消灯(本実施例においては照明部15への電力供給のオン、オフ)を自動的に切り替える構成としたから、自車29の運転者は、ポジション照明装置11を手動で操作する必要がない。したがって、自動二輪車31にポジション照明装置11が追加されたために自動二輪車31の運転者の操作の手間が増えることを防止することができる。
また、ポジション照明装置11では、図2に示すように、照明部15の各ランプユニット16、17、18が、自車29のハンドル36よりも低い位置に配置されている。これにより、ランプユニット16、17、18から発せられた光が、自車29の後方に存在する他の移動体30の上部に直接当たることを防止することができる。したがって、ランプユニット16、17、18から発せられた光が他の移動体の運転者等の目に直接入ることを防ぐことができる。
また、ポジション照明装置11によれば、他の移動体30が自車29に接近するに従って路面Rにおける路面照射光Lの位置を自車29に接近させることとしたから、路面照射光Lに基づいて他の移動体30の自車29への接近を自車29の運転者に確実に認識させることができる。すなわち、他の移動体30が自車29へ接近すると、路面照射光Lの照射位置が路面Rにおいて自車29の後部に接近した位置となり、路面照射光Lがバックミラーに映り込む。したがって、自車29の運転者は他の移動体30の接近を確実に認識することができる。
特に、後方映像表示装置を備えた車両にポジション照明装置11を適用した場合には、路面照射光Lに基づいて他の移動体30の自車29への接近を自車29の運転者に確実に認識させるという作用効果を奏するポジション照明装置11の有用性が高まる。後方映像表示装置とは、車両の後方を撮像し、当該撮像した映像を当該車両の通常走行時における運転者の後方確認用の映像としてモニタに表示する装置である。例えば特開2013−060128号公報には後方映像表示装置の一例が記載されている。後方映像表示装置を備えた車両にポジション照明装置11を適用した場合、他の移動体30が自車29へ接近すると、路面照射光Lが撮像されてモニタに表示される。したがって、自車29の運転者は、路面照射光Lに基づいて、他の移動体30の接近を確実に認識することができる。
なお、上述した第1の実施例のポジション照明装置11では、照明部15に、光軸の下方への傾斜角度がそれぞれ異なる3個のランプユニット16、17、18を設け、これらランプユニット16、17、18の点灯、消灯を切り替えることにより、路面照射光Lの照射位置を変化させる構成を例にあげた。この構成によれば、路面照射光Lの照射位置を変化させる構成を容易に実現することができる。しかしながら、この構成に代え、図4(3)に示すように、照明部27に1個のランプユニット28を設け、このランプユニット28を上下方向に回動させることにより、路面照射光Lの照射位置を変化させる構成としてもよい。ランプユニット28を回動させる手段としてモータを用いることができる。この構成によれば、ランプユニットの個数を少なくすることができる。
また、上述した第1の実施例のポジション照明装置11では、照明部15、距離検出部21および照明制御部25を単一のケーシング12に設ける場合を例にあげたが、照明部15、距離検出部21および照明制御部25をそれぞれ分離させて、自動二輪車31においてそれぞれ別々の箇所に配置してもよい。また、照明制御部25は自動二輪車31のECU(エンジンコントロールユニット)に組み込んでもよい。
図7および図8は本発明の第2の実施例を示している。具体的には、図7(1)は本発明の第2の実施例のポジション照明装置51の構成を示している。図7(2)および(3)は本発明の第2の実施例のポジション照明装置における照明部の変形例をそれぞれ示している。図8は、ポジション照明装置51から照射される路面照射光Lの個数および照射位置等を示している。なお、第2の実施例のポジション照明装置51において、第1の実施例のポジション照明装置11と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明の第2の実施例のポジション照明装置51は、自車29と他の移動体30との間の距離に基づいて、路面Rにおける路面照射光Lの照射位置、個数および強度を変化させる。ポジション照明装置51は第1の実施例のポジション照明装置11と同様に自車29(自動二輪車31)に設けられている。図7(1)に示すように、ポジション照明装置51は、ケーシング52、照明部55、距離検出部21、照明制御部59および明暗検出部26を備えている。ケーシング52は、その形状が、照明部55におけるランプユニット56L、56R、57L、57R、58L、58Rの配置に応じて横長である。距離検出部21は、超音波検出部22、レーザー光検出部23およびミリ波検出部24を備えている。
照明部55は6個のランプユニット56L、56R、57L、57R、58L、58Rを備えている。各ランプユニット56L、56R、57L、57R、58L、58Rは光源19およびリフレクタ20を備えている。6個のランプユニット56L、56R、57L、57R、58L、58Rは、ケーシング52の内部に配置され、左右方向に一列に並べられている。また、ケーシング52において自車29の後方および側方を向いたそれぞれの面には開口部(図示せず)が形成され、各ランプユニット56L、56R、57L、57R、58L、58Rから発せられた光はこの開口部を通過し、路面において自車29の後方の位置へ照射されるようになっている。なお、ランプユニット56L、56R、57L、57R、58L、58Rは光発生部の具体例である。
また、6個のランプユニット56L、56R、57L、57R、58L、58Rは、路面Rにおいて、自車29の後方の左右方向に広い領域に路面照射光Lを照射する。具体的には、図8(1)に示すように、第1のランプユニット56Lおよび第2のランプユニット56Rは、自車29の後方であって自車29の左右方向中心の位置(以下、これを「自車29の後方中心位置」という。)に路面照射光Lを照射する。また、図8(2)に示すように、第3のランプユニット57Lは、自車29の後方中心位置から左方に少し外れた位置に路面照射光Lを照射する。また、第4のランプユニット57Rは、自車29の後方中心位置から右方に少し外れた位置に路面照射光Lを照射する。また、図8(3)に示すように、第5のランプユニット58Lは、自車29の後方中心位置からから左方に大きく外れた位置(第3のランプユニット57Lからの路面照射光Lの照射位置よりも左方の位置)に路面照射光Lを照射する。また、第6のランプユニット58Rは、自車29の後方中心位置から右方に大きく外れた位置(第4のランプユニット57Rからの路面照射光Lの照射位置よりも右方の位置)に路面照射光Lを照射する。すなわち、6個のランプユニット56L、56R、57L、57R、58L、58Rのそれぞれの光軸は、いずれも自車29の後方であって、かつ路面Rに向かって下方へ一定角度傾斜しているが、光軸の左右方向における傾斜角度がそれぞれ異なる。
また、ランプユニット56Lおよび56Rからの路面照射光Lの路面Rにおける照射位置は互いに重なり合っている。また、ランプユニット57Lおよび57Rからの路面照射光Lの路面Rにおける照射位置は自車29の後方中心位置を基準として左右対称である。また、ランプユニット58Lおよび58Rからの路面照射光Lの路面Rにおける照射位置も同様に左右対称である。
一方、照明制御部59は、路面照射光Lの照射位置、個数および強度を変化させるために照明部55を制御する処理を除き、第1の実施例による照明制御部25と同様である。以下、路面照射光Lの照射位置、個数および強度を変化させるために照明部55を制御する処理について説明する。
自車29と他の移動体30との間の距離が遠距離であり、同時に検出された検知波の中に超音波もレーザー光も含まれてない場合(すなわち検知波がミリ波のみの場合)、照明制御部59は、路面照射光Lの個数を1個に設定し、路面照射光Lの照射位置を自車29の後方中心位置に設定し、かつ路面照射光Lの強度を通常の強度よりも大きくする。具体的には、照明制御部59は、ランプユニット56Lおよび56Rを点灯させ、ランプユニット57L、57R、58Lおよび58Rを消灯させる。
図8(1)に示すように、ランプユニット56Lおよび56Rからの路面照射光Lの路面Rにおける照射位置は互いに重なり合っているので、ランプユニット56Lおよび56Rを同時に点灯させることによって路面Rに形成される路面照射光Lは1個となる。また、2個のランプユニット56Lおよび56Rからそれぞれ発せられる光が互いに重なり合うことによって路面照射光Lが形成されるので、この路面照射光Lの強度は、1個のランプユニットから発せられる光によって形成される路面照射光Lの強度(通常の強度)よりも大きくなる。
このように、自車29と他の移動体30との間の距離が遠距離である場合には、路面において自車29の後方中心位置に1個の路面照射光Lが照射される。この結果、他の移動体30の運転者30A等の視界において、手前の路面照射光Lとその先の自車29(自動二輪車31)とが一直線上に並ぶ。したがって、自車29の存在を他の移動体30の運転者30A等に容易、明確かつ確実に認識させることができる。また、路面照射光Lの強度を大きくすることにより、他の移動体30の運転者30A等の目に届く、路面照射光Lの路面に対する反射光を強くすることができる。これにより、自車29の存在を他の移動体30の運転者30A等に容易、明確かつ確実に認識させる効果を高めることができる。
一方、自車29と他の移動体30との間の距離が中・近距離であり、同時に検出された検知波の中に超音波は含まれていないが、レーザー光が含まれている場合、照明制御部59は、路面照射光Lの個数を2個に設定し、2個の路面照射光Lの照射位置を自車29の後方中心位置から左方および右方にそれぞれ少し外れた位置に設定し、かつ路面照射光Lの強度を通常の強度とする。具体的には、照明制御部59は、ランプユニット57Lおよび57Rを点灯させ、ランプユニット56L、56R、58Lおよび58Rを消灯させる。
図8(2)に示すように、ランプユニット57Lおよび57Rからの路面照射光Lの路面Rにおける照射位置は互いに異なるので、ランプユニット57Lおよび57Rを同時に点灯させることによって路面Rに形成される路面照射光Lは2個となり、各路面照射光Lの強度は通常の強度となる。また、ランプユニット57Lおよび57Rからの路面照射光Lの照射位置は、自車29の後方中心位置から左方および右方にそれぞれ少し外れているので、路面Rにおいて自車29の後方の左右方向において広い範囲に路面照射光Lが形成される。
このように、自車29と他の移動体30との間の距離が中・近距離である場合には、路面Rにおいて自車29の後方の左右方向において広い範囲に路面照射光Lを照射することにより、他の移動体30の運転者30A等に、路面照射光Lを容易に認識させることができ、その先に存在する自車29を明確かつ確実に認識させることができる。
また、自車29と他の移動体30との間の距離が至近距離であり、同時に検出された検知波の中に超音波が含まれている場合、照明制御部59は、路面照射光Lの個数を2個に設定し、2個の路面照射光Lの照射位置を自車29の後方中心位置から左方および右方にそれぞれ大きく外れた位置に設定し、かつ路面照射光Lの強度を通常の強度とする。具体的には、照明制御部59は、ランプユニット58Lおよび58Rを点灯させ、ランプユニット56L、56R、57Lおよび57Rを消灯させる。
図8(3)に示すように、ランプユニット58Lおよび58Rからの路面照射光Lの路面Rにおける照射位置は互いに異なるので、ランプユニット58Lおよび58Rを同時に点灯させることによって路面Rに形成される路面照射光Lは2個となり、各路面照射光Lの強度は通常の強度となる。また、ランプユニット58Lおよび58Rからの路面照射光Lの照射位置は、自車29の後方中心位置から左方および右方にそれぞれ大きく外れているので、自車29(自動二輪車31)の車幅の範囲を左方および右方に大きく超えた位置に路面照射光Lがそれぞれ形成される。すなわち、自車29が走行する領域から大きく側方に外れた領域に路面照射光Lが形成される。
このように、自車29と他の移動体30との間の距離が至近距離である場合には、自車29が走行する領域から大きく側方に外れた領域に路面照射光Lを照射することにより、次のように、自車29の存在を他の移動体30の運転者30A等に確実に認識させることができる。すなわち、トラックのように運転席が高い位置に配置されている他の移動体30が自車29に極めて接近したとき、自車29が他の移動体30の運転者30A等の視界の中心から大きく下方に外れ、他の移動体30の運転者30A等が自車29(前方の自動二輪車31)の存在を認識することが困難になる場合がある。しかし、このような場合でも、自車29が走行する領域から大きく側方に外れた領域に照射された路面照射光Lが他の移動体30の運転者30A等の視界に入るので、他の移動体30の運転者30A等は当該路面照射光Lに基づいて自車29の存在を確実に認識することができる。
このように、本発明の第2の実施例のポジション照明装置51によっても、路面照射光Lに基づいて自車29の存在を他の移動体30に、自車29と他の移動体30との間の距離に応じて適切に認識させることができる。また、本発明の第2の実施例のポジション照明装置51によっても、第1の実施例のポジション照明装置11とほぼ同様に、路面照射光Lに基づいて他の移動体30の自車29への接近を自車29の運転者に確実に認識させることができる。
なお、上述した第2の実施例のポジション照明装置51では、図7(1)に示すように、照明部55の6個のランプユニット56L、56R、57L、57R、58L、58Rを左右方向に一列に並べる場合を例にあげた。しかし、これに代えて、図7(2)に示すポジション照明装置61の照明部62のように、6個のランプユニット56L、56R、57L、57R、58L、58Rを上下2列に並べてもよい。また、図7(3)に示すポジション照明装置63の照明部64のように、2個のランプユニット65、66を左右方向に並べて設け、各ランプユニット65、66をモータ等で左右方向に回動させる構成としてもよい。
また、上述した第2の実施例のポジション照明装置51に次のような構成を持たせてもよい。すなわち、自車29が走行しているレーンと同一のレーンを走行する後方の他の移動体と自車29との間の距離と、自車29が走行しているレーンの左隣りのレーンを走行する後方の他の移動体と自車29との間の距離と、自車29が走行しているレーンの右隣りのレーンを走行する後方の他の移動体と自車29との間の距離とをそれぞれ識別可能に検出する。そして、自車29が走行しているレーンと同一のレーンを走行する後方の他の移動体と自車29との間の距離が至近距離となったときには、自車29が走行しているレーンの路面Rにおいて自車29の後方の位置に路面照射光Lを照射する。また、自車29が走行しているレーンの左隣りのレーンを走行する後方の他の移動体と自車29との間の距離が至近距離となったときには、自車29が走行しているレーンの左隣りのレーンの路面Rにおいて自車29の真左または左後方の位置に路面照射光Lを照射する。また、自車29が走行しているレーンの右隣りのレーンを走行する後方の他の移動体と自車29との間の距離が至近距離となったときには、自車29が走行しているレーンの右隣りのレーンの路面Rにおいて自車29の真右または右後方の位置に路面照射光Lを照射する。この構成により、自車29が走行しているレーンの左隣りおよび右隣りのレーンをそれぞれ走行している他の移動体に対しても、自車29の存在を容易、明確かつ確実に認識させることができる。
図9は本発明の第3の実施例を示している。本発明の第3の実施例のポジション照明装置71は、自車29と他の移動体30との間の距離に基づいて、路面Rにおける路面照射光Lの形状を変化させる。具体的には、自車29と他の移動体30との間の距離が大きい場合には、路面Rにおける路面照射光Lの形状を縦長にする。一方、自車29と他の移動体30との間の距離が小さい場合には、路面Rにおける路面照射光Lの形状を横長にする。例えば、自車29と他の移動体30との間の距離が遠距離である場合には、路面Rにおける路面照射光Lの形状を縦長にする。一方、自車29と他の移動体30との間の距離が中・近距離または至近距離である場合には、路面Rにおける路面照射光Lの形状を横長にする。
自車29と他の移動体30との間の距離が大きい場合には、路面Rに形成された路面照射光Lと他の移動体30との間の距離が大きくなる。この場合、他の移動体30の運転者30A等の視線が、路面Rに形成された路面照射光Lに入射する角度が小さくなる。この結果、他の移動体30の運転者30A等の視界において、路面照射光Lの路面Rに対する反射光の形状が上下方向に縮小された形状となる。このため、仮に路面照射光Lの形状が例えば真円に近い形状であるとすると、他の移動体30の運転者30A等の視界において路面照射光Lの路面Rに対する反射光の大きさが非常に小さくなり、他の移動体30の運転者30A等において路面照射光Lを認識することが困難になる。しかしながら、本発明の第3の実施例のポジション照明装置71では、自車29と他の移動体30との間の距離が大きい場合に、路面照射光Lの形状を縦長にするので、他の移動体30の運転者30A等の視界に入る路面照射光Lの路面Rに対する反射光が上下方向に縮小されても、当該路面照射光Lの反射光の大きさが然程小さくならない。したがって、他の移動体30の運転者30A等は路面照射光Lを明確に認識することができる。
一方、自車29と他の移動体30との間の距離が小さい場合には、路面Rに形成された路面照射光Lと他の移動体30との間の距離が小さくなる。この場合には、路面照射光Lの路面Rに対する反射光が他の移動体30の運転者30A等の視界の中心から下方に外れ、他の移動体30の運転者30A等において路面照射光Lを認識し難くなる。しかしながら、本発明の第3の実施例のポジション照明装置71では、自車29と他の移動体30との間の距離が小さい場合には、路面照射光Lの形状を横長にする。この結果、路面照射光Lの路面Rに対する反射光が他の移動体30の運転者30A等の視界における左側および右側からも入るようになる。したがって、他の移動体30の運転者30A等は路面照射光Lを容易かつ確実に認識することができる。
このように、本発明の第3の実施例によるポジション照明装置71によっても、自車29の存在を路面照射光Lに基づいて他の移動体30の運転者30A等に容易、明確かつ確実に認識させることができる。また、本発明の第3の実施例によるポジション照明装置71によっても、第1に実施例によるポジション照明装置11とほぼ同様に、路面照射光Lに基づいて他の移動体30の自車29への接近を自車29の運転者に確実に認識させることができる。
図10は本発明の第4の実施例を示している。本発明の第4の実施例のポジション照明装置81は、路面Rにおいて路面照射光Lを揺動(スイング)させる。さらに、ポジション照明装置81は、自車29と他の移動体30との間の距離に基づいて、路面照射光Lの揺動速度を変化させる。例えば、ポジション照明装置81は、他の移動体30が自車29に接近するにしたがって、路面照射光Lの揺動速度を速くする。より具体的には、自車29と他の移動体30との間の距離が遠距離の場合には、路面照射光Lの揺動速度を最も遅い第1の速度とする。また、自車29と他の移動体30との間の距離が中・近距離の場合には、路面照射光Lの揺動速度を第1の速度よりも速い第2の速度とする。また、自車29と他の移動体30との間の距離が至近距離の場合には、路面照射光Lの揺動速度を第2の速度よりも速い第3の速度とする。
ポジション照明装置81の照明部には、例えば1個のランプユニットと、モータと、このモータの回転出力を利用してランプユニットを左右方向に揺動させる動力変換機構が設けられている。また、ポジション照明装置81の照明制御部は、自車29と他の移動体30との間の距離に基づいてモータの回転速度を変化させる。
このようなポジション照明装置81によっても、自車29の存在を路面照射光Lに基づいて他の移動体30の運転者30A等に容易、明確かつ確実に認識させることができる。また、路面照射光Lに基づいて他の移動体30の自車29への接近を自車29の運転者に確実に認識させることができる。
図11は本発明の第5の実施例を示している。本発明の第5の実施例のポジション照明装置91は、当該ポジション照明装置91から検知波を発し、この検知波の他の移動体30からの反射波を検出することにより、自車29と他の移動体30との間の距離を検出する。すなわち、図11に示すように、ポジション照明装置91の距離検出部92は、超音波検出部22、レーザー光検出部23およびミリ波検出部24に加え、超音波発生部93、レーザー光発信部94およびミリ波発信部95を備えている。ポジション照明装置91は、第1の実施例のポジション照明装置11と同様に自車29(自動二輪車31)の後部に設けられている。
超音波発生部93は、自車29の後方へ超音波を発する。自車29の後方の至近距離の位置に他の移動体30が存在する場合には、超音波発生部93から発せられた超音波は当該他の移動体30に当たり、当該他の移動体30からの超音波の反射波が超音波検出部22により検出される。
レーザー光発信部94は、自車29の後方へレーザー光を発信する。自車29の後方の至近距離または中・近距離の位置に他の移動体30が存在する場合には、レーザー光発信部94から発せられたレーザー光は当該他の移動体30に当たり、当該他の移動体30からのレーザー光の反射光がレーザー光検出部23により検出される。
ミリ波発信部95は、自車29の後方へミリ波を発信する。自車29の後方の至近距離、中・近距離または遠距離の位置に他の移動体30が存在する場合には、ミリ波発信部95から発せられたミリ波は当該他の移動体30に当たり、当該他の移動体30からのミリ波の反射波がミリ波検出部24により検出される。
ポジション照明装置91のその余の構成および動作は、第1の実施例のポジション照明装置11と同様である。
このようなポジション照明装置91によっても、自車29の存在を路面照射光Lに基づいて他の移動体30の運転者30A等に容易、明確かつ確実に認識させることができる。また、路面照射光Lに基づいて他の移動体30の自車29への接近を自車29の運転者に確実に認識させることができる。
さらに、ポジション照明装置91によれば、自ら超音波、レーザー光およびミリ波を発するので、他の移動体30が超音波、レーザー光またはミリ波を発する装置を備えていない場合でも、自車29と他の移動体30との間の距離を検出することができ、当該距離に基づいて路面照射光Lの状態を変化させることができる。
図12は本発明の第6の実施例を示している。本発明の第6の実施例は、本発明のポジション照明装置を自転車に適用した例である。図12に示すように、ポジション照明装置101は、自転車102の後部、例えばリヤフェンダ103に取り付けられている。なお、ポジション照明装置101を自転車102の後ろ側の荷台104に取り付けてもよい。また、ポジション照明装置101は、その照明部がハンドル105よりも低い位置となるように配置することが好ましい。
また、図12に示すポジション照明装置101は、第4の実施例のポジション照明装置81と同様に、路面Rにおいて路面照射光Lを揺動させ、自車と他の移動体との間の距離に基づいて、路面照射光Lの揺動速度を変化させるタイプのポジション照明装置である。なお、このタイプのポジション照明装置に代えて、上述した第1、第2、第3、または第5の実施例のポジション照明装置11、51、71、91を自転車102に設けてもよい。また、ポジション照明装置101の電源は、自転車102が電動機付き自転車である場合には、自転車102に設けられたバッテリを利用する。自転車102が通常の自転車である場合には、ポジション照明装置101の電源としてバッテリを設ける。
本発明の第6の実施例によれば、路面照射光Lに基づいて自転車102の存在を他の移動体に容易、明確かつ確実に認識させることができ、自転車102の予防安全性能を高めることができる。また、路面照射光Lに基づいて他の移動体30の自転車102への接近を自転車102の運転者に確実に認識させることができる。
図13は本発明の第7の実施例を示している。本発明の第7の実施例は、本発明のポジション照明装置を高齢者等の移動手段としての一人乗りの電動福祉車両に適用した例である。図13に示すように、電動福祉車両115は、左右一対の前輪116、左右一対の後輪117、ハンドル118、背もたれ付きのシート119およびリヤカウル120等を備えている。また、リヤカウル120内には、走行用モータおよびその走行用モータを駆動させるバッテリ等が設けられている。ポジション照明装置111は、電動福祉車両115の後部に取り付けられている。具体的には、ポジション照明装置111は、距離検出部および照明制御部を含む装置本体112から照明部113が分離した構成を有している。装置本体112と照明部113との間はケーブル等により電気的に接続されている。そして、装置本体112は電動福祉車両115のリヤカウル120の後部に取り付けられている。また、照明部113はシート119の背もたれの後面側であって、ハンドル118よりも低い部分に取り付けられている。
また、図13に示すポジション照明装置111は、第4の実施例のポジション照明装置81と同様に、路面Rにおいて路面照射光Lを揺動させ、自車と他の移動体との間の距離に基づいて、路面照射光Lの揺動速度を変化させるタイプのポジション照明装置である。なお、このタイプのポジション照明装置に代えて、上述した第1、第2、第3、または第5の実施例のポジション照明装置11、51、71、91を電動福祉車両115に設けてもよい。
本発明の第7の実施例によれば、路面照射光Lに基づいて電動福祉車両115の存在を他の移動体に容易、明確かつ確実に認識させることができ、電動福祉車両115の予防安全性能を高めることができる。また、路面照射光Lに基づいて他の移動体30の電動福祉車両115への接近を電動福祉車両115の運転者に確実に認識させることができる。
なお、本発明のポジション照明装置はゴルフカート、ショッピングカート等の他の電動車両にも適用することができる。
また、以上説明した本発明のポジション照明装置の実施例の他に、次のような実施例がある。すなわち、ポジション照明装置において、路面照明光を点滅させ、自車と他の移動体との間の距離に基づいて点滅速度を変化させてもよい。例えば、自車と他の移動体との間の距離が大きい場合には、路面照射光の点滅速度を遅くし、自車と他の移動体との間の距離が小さい場合には、路面照射光の点滅速度を速くする。
また、ポジション照明装置において、自車と他の移動体との間の距離に基づいて路面照明光の色を変化させてもよい。例えば、自車と他の移動体との間の距離が大きい場合には、路面照射光の色を白色にし、自車と他の移動体との間の距離が小さい場合には、路面照射光の色を赤色にする。また、ポジション照明装置において、自車と他の移動体との間の距離に基づいて、路面における路面照明光の大きさ(照射範囲)を変化させてもよい。
また、ポジション照明装置において、例えばレーザー光およびミリ波の2種類の検知波に基づいて路面照射光の状態を変化させてもよいし、4種類以上の検知波に基づいて路面照射光の状態を変化させてもよい。
また、ポジション照明装置において、路面照射光を形成するためのランプユニットの個数は限定されない。また、路面照射光の照射位置を複数設定する場合には、複数のランプユニットにそれぞれ光源を設けるのではなく、より少ない個数の光源から発せられる光をリフレクタや導光管を用いて分散させる構成としてもよい。
なお、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うポジション照明装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
1、11、51、61、63、71、81、91、101、111 ポジション照明装置
2、15、27、55、62、64、113 照明部
3、21、92 距離検出部
4、25、59 照明制御部(照射制御部、点灯制御部)
16、17、18、28、56L、56R、57L、57R、58L、58R、65、66 ランプユニット(光発生部)
22 超音波検出部
23 レーザー光検出部
24 ミリ波検出部
26 明暗検出部(点灯制御部)
29 自車
30 他の移動体
30A 運転者
31 自動二輪車(車両)
36、105、118 ハンドル
93 超音波発生部
94 レーザー光発信部
95 ミリ波発信部
102 自転車(車両)
112 装置本体
115 電動福祉車両(車両)
R 路面
L 路面照射光
U 超音波
B レーザー光
M ミリ波

Claims (10)

  1. 車両から路面に路面照射光を照射することにより前記車両の存在を前記車両の後方または側方に位置する他の移動体に認識させるポジション照明装置であって、
    前記路面において前記車両の後方および側方の領域の少なくとも一部に前記路面照射光を照射する照明部と、
    前記車両と前記他の移動体との間の距離を検出する距離検出部と、
    前記距離検出部により検出された前記車両と前記他の移動体との間の距離に基づいて前記照明部を制御し、前記路面照射光の状態を変化させる照射制御部と
    前記車両の周囲の明暗を検出する明暗検出部とを備え
    前記距離検出部は前記他の移動体から発せられた複数種類の検知波をそれぞれ検出し、前記照射制御部は前記距離検出部により検出された検知波の種類に基づいて前記路面照射光の状態を変化させ、
    前記照明制御部は、前記明暗検出部による前記車両の周囲の明暗の検出結果に応じ、前記照明部および前記距離検出部への電力供給のオン、オフを切り替えることを特徴とするポジション照明装置。
  2. 車両から路面に路面照射光を照射することにより前記車両の存在を前記車両の後方または側方に位置する他の移動体に認識させるポジション照明装置であって、
    前記路面において前記車両の後方および側方の領域の少なくとも一部に前記路面照射光を照射する照明部と、
    前記車両と前記他の移動体との間の距離を検出する距離検出部と、
    前記距離検出部により検出された前記車両と前記他の移動体との間の距離に基づいて前記照明部を制御し、前記路面照射光の状態を変化させる照射制御部とを備え
    前記照明部は光を発する複数の光発生部を有し、
    前記照射制御部は、前記車両と前記他の移動体との間の距離が大きいときには前記複数の光発生部から発せられる光を互いに重ねることにより1個の路面照射光を形成し、前記車両と前記他の移動体との間の距離が小さいときには前記複数の光発生部から照射される光を互いに離すことにより複数の路面照射光を形成することを特徴とするポジション照明装置。
  3. 前記照射制御部は、前記車両と前記他の移動体との間の距離に基づいて前記路面上における前記路面照射光の位置、照射範囲、大きさ、形状、個数、強度または色を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載のポジション照明装置。
  4. 前記照射制御部は、前記車両と前記他の移動体とが接近したときに、前記路面上における前記路面照射光の位置を前記車両に接近させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のポジション照明装置。
  5. 前記距離検出部が前記他の移動体から発せられた複数の検知波を同時に検出した場合には、前記照射制御部は当該同時に検出された複数の検知波のうち検知可能距離が最も小さい検知波に基づいて前記路面照射光の状態を変化させることを特徴とする請求項に記載のポジション照明装置。
  6. 前記照射制御部は、前記車両と前記他の移動体との間の距離が大きいときには前記路面上における前記路面照射光の形状を縦長にし、前記車両と前記他の移動体との間の距離が小さいときには前記路面上における前記路面照射光の形状を横長にすることを特徴とする請求項1、3、4または5に記載のポジション照明装置。
  7. 前記照射制御部は、前記車両と前記他の移動体との間の距離に基づいて前記路面照射光の揺動速度または点滅速度を変化させることを特徴とする請求項1、3、4または5に記載のポジション照明装置。
  8. 前記車両は、前記車両の後方を撮像し、当該撮像した映像を前記車両の通常走行時における運転者の後方確認用の映像としてモニタに表示する後方映像表示装置を備えた車両であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のポジション照明装置。
  9. 前記照明部は前記車両においてハンドルよりも低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のポジション照明装置。
  10. 前記車両は鞍乗型車両、電動福祉車両または自転車であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のポジション照明装置。
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