JP6678005B2 - 油中水型皮膚外用組成物 - Google Patents
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Description
分散剤として両末端シリコーン変性グリセリンを添加することで、粉体として、疎水化処理酸化チタンを配合していても、低粘度領域での安定性に極めて優れた油中水型乳化化粧料を得られることが知られていた(特許文献1)。
しかしながら、後述のように、化粧もちを改善するために、疎水化処理酸化亜鉛を加えると、安定性が悪くなってしまうという問題が生じていた。
(A)平均粒子径が20nm〜100nmである疎水化処理酸化亜鉛1〜50%と
(B)疎水化処理顔料級酸化鉄0.5〜10%と
(C)疎水化処理顔料級酸化チタン1〜50%と
(D)両末端シリコーン化ポリグリセリン0.1%〜10%と
(E)ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリル脂肪酸エステル0.1〜10%を必須の構成とし、前記(D)成分と(E)成分の比率が、0<(D)/(E)<10であることを特徴とする。
前記組成物において、(D)成分と(E)成分の比率である、(D)/(E)が、0.1〜7.5であると、外観安定性の点でより優れている。
前記組成物において、(A)成分の疎水化処理方法がパルミチン酸デキストリン処理、アルキルトリエトキシシラン処理、シリコーン処理のいずれかであることが好ましい。
前記組成物において、(E)成分がセスキイソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−5、ジイソステアリン酸ジグリセリルのいずれかであることが好ましい。
本発明に用いる疎水化処理酸化亜鉛は、平均粒子径が20nm〜100nmである。平均粒子径が20nm未満の場合には、きしみなどの発生により使用感触が損なわれる。100nmを超える場合には、十分な化粧もち効果が得られにくい。
平均粒子径は透過電子顕微鏡写真の画像解析による個数平均径などの常法によって測定される。
特に、高温における粘度安定性も考慮すると、パルミチン酸デキストリン処理、アルキルトリエトキキシシラン処理、シリコーン処理が好ましい。
疎水化処理の方法は特に限定されず常法に従って表面処理される。例えば、パルミチン酸デキストリン中にて酸化亜鉛を、一定時間、混合攪拌し、これをろ過することによって、パルミチン酸デキストリンで疎水化処理酸化亜鉛を製造することが出来る。
本発明に用いる酸化鉄は、黄酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄等の顔料級酸化鉄を疎水化処理したものである。
これら異なる色の酸化鉄を混合することにより、目的とする組成物の色に調整する。
本発明に用いる酸化チタンは、顔料級酸化チタンを疎水化処理したものである。疎水化処理顔料級酸化チタンは、平均粒子径が、100〜500nmであり、平均粒子径が200nm以上が好ましく用いられる。その配合量は、1〜50質量%であり、より好ましくは、3〜20質量%である。1質量%未満ではシミやそばかすなどに対する十分な隠ぺい効果が得られず、50質量%を超えるとのびが悪くなり、粉っぽい仕上がりになってしまう。
特に、酸化鉄には、アルキル変性シリコーン処理が好ましく、酸化チタンには、アルキルトリメトキシシラン処理が好ましい。
両末端シリコーン化ポリグリセリンの基本構造はBAB型トリブロック共重合体であり、Bは、例えば下記構造式(a)で示される片末端水素残基シリコーンなどを用いることができる。
Aはポリグリセリン残基である。
下記構造式(a)の片末端水素シリコーンは公知の化合物である。そして、任意の重合度のBAB型トリブロック共重合体が公知の方法により製造出来る。
構造式(a):
AとBとの間の結合は本発明にとって本質的な構造ではないが、本発明に例示される両末端シリコーン化ポリグリセリンは、前記構造式(a)の化合物と下記構造式(b)で示す化合物を、白金触媒を用い、エーテル結合により結合させたものである。
構造式(b):
従って、両末端シリコーン化ポリグリセリンの機能発現には、Bブロックの溶媒中への溶解性とAブロック鎖の粉体表面への高い吸着性が重要である。すなわち、AB両ブロックの親水/親油性のバランス(HLB)が適切な範囲にあることが機能発現に必須となる。HLBは公知の方法により求めることができるが、例えばGriffinの式(HLB値=ポリグリセリン部分子量×20/総分子量)により算出される。本発明においては、両末端シリコーン化ポリグリセリンのHLBが0.2〜3.0であることが好ましい。
一般式(c):
一般式(d):
ソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタンと脂肪酸のエステルである。また、ポリグリセリル脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸のエステルである。
これらの脂肪酸エステルは1種または、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらの脂肪酸は1種または、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
特に、常温で液体であるセスキイソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタンを用いることが好ましい。
特に、常温で液体であるジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−5、ジイソステアリン酸ジグリセリルを用いることが好ましい。
その他の成分としては、(A)成分以外の微粒子粉体、(B)成分および(C)成分以外の顔料級粉体、液体油脂、固体油脂、ロウ、高級脂肪酸、高級アルコール、界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等が挙げられる。
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体としては、市販品では、DOW CORNING TORAY TSポリマー 50−D5;東レダウコーニング社製、PEG/PPG−20/22ブチルエーテルジメチコン(「KF−6012」;信越化学工業社製)、PEG/PPG−20/20ジメチコン(「SH3749」;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、ラウリルPEG/PPG−18/18メチコン(「5200 Formulation Aid」;東レ・ダウコーニング社製)、PEG/PPG−19/19ジメチコン(「BY22―008」;東レ・ダウコーニング社製)、等が挙げられる。
粘度の測定には、BL型回転式粘度計( 芝浦システム株式会社製、単一円筒型回転粘度計、デジタルビスメトロン VDA2)を使用した。測定条件は、ローター#2、回転数12rpmであった。
粘度低下率=4週間経過後に測定した粘度/試料調製日に測定した粘度
○:粘度低下率0.6〜1.6未満
△:粘度低下率0.3〜0.6未満、1.6〜2.0未満
×:粘度低下率0.3未満または、2.0以上
○:外観が変化しなかった。
△:外観がやや濃くなった。
×:外観が濃くなった。
*2:MT−014V(テイカ社製。平均粒径約0.07μm)
*3:EP1−LL−100P(大東化成工業社製。平均粒径約0.3μm)
EP1−ベンガラNo.216P(大東化成工業社製。平均粒径約0.3μm)
EP1−BL−100P(大東化成工業社製。平均粒径約0.3μm)
*4:OTS−2 SACHTLEBEN RC402(大東化成工業社製。平均粒径約0.3μm)
*5:KF−6109(信越化学工業社製)
*6:WOGEL−18DV(マツモトファインケミカル社製)
*7:エステモール 182V(日清オイリオグループ社製)
*8:DOW CORNING TORAY TSポリマー 50−D5(東レダウコーニング社製;ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体とデカメチルシクロペンタシロキサンの混合物;表中は実分の配合量である)
そこで、分散剤を、ジイソステアリン酸ジグリセリル、又はセスキイソステアリン酸ソルビタンに置換したところ、粘度安定性は改善したものの、外観安定性が悪化した(試験例1−3、1−4)。
この外観安定性の悪化の機構は、未だ不明の点もあるが、酸化亜鉛の配合により、酸化鉄又は酸化チタンの系の中での凝集状態を悪化させるためだと考えられる。
次に、酸化亜鉛の疎水化処理の方法を変えることにより、粘度安定性及び外観安定性に優れた油中水型皮膚外用組成物を調製できないかと検討をした。
*10:コスモール42SV(日清オイリオグループ社製)
*11:NIKKOL SI−10RV(日光ケミカルズ社製)
*12:コスモール82(日清オイリオグループ社製)
*15:EP1 TiO2 CR50(大東化成工業社製)
*17:OTS−2 LL−100P(大東化成工業社製)
OTS−2 ベンガラNo.216P(大東化成工業社製)
OTS−2 BL−100P(大東化成工業社製)
Claims (5)
- (A)平均粒子径が20nm〜100nmである疎水化処理酸化亜鉛1〜50%と
(B)疎水化処理顔料級酸化鉄0.5〜10%と
(C)疎水化処理顔料級酸化チタン1〜50%と
(D)両末端シリコーン化ポリグリセリン0.1%〜10%と
(E)ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリル脂肪酸エステル0.1〜10%と
を必須の構成とし、(D)成分と(E)成分の比率が、0<(D)/(E)<10であることを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。 - 請求項1に記載の組成物において、(D)/(E)が、0.1〜7.5であることを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
- 請求項1または2に記載の組成物において、(A)成分の疎水化処理方法がパルミチン酸デキストリン処理、アルキルトリエトキシシラン処理、シリコーン処理のいずれかであることを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物において、(E)成分がセスキイソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−5、ジイソステアリン酸ジグリセリルのいずれかであることを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物において、さらに、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体を含むことを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
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