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JP6673429B2 - グロメットおよびワイヤハーネス - Google Patents

グロメットおよびワイヤハーネス Download PDF

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JP6673429B2
JP6673429B2 JP2018198481A JP2018198481A JP6673429B2 JP 6673429 B2 JP6673429 B2 JP 6673429B2 JP 2018198481 A JP2018198481 A JP 2018198481A JP 2018198481 A JP2018198481 A JP 2018198481A JP 6673429 B2 JP6673429 B2 JP 6673429B2
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Description

本発明は、車両のパネル等の貫通孔に装着され電線群を挿通する止水性を考慮したグロメットおよびワイヤハーネスに関する。
従来より自動車のエンジンルームと車室を仕切るダッシュパネルのような車体パネルに貫通孔が設けられ、この貫通孔を通してエンジンルーム側と車室側との間でワイヤハーネスを配策することが一般に行われている。このようなワイヤハーネスの配策に際しては、ワイヤハーネスと車体パネルの貫通孔との間にグロメットを設け貫通孔の隙間からの水や埃の侵入や騒音の侵入の防止が図られている。
車体パネルの貫通孔にはバーリングが設けられているものも多く存在する。バーリングが設けられた車体パネルに対しては、バーリングの形状を考慮したうえでグロメットの形状を設計し止水性を確保する必要がある。
車体パネルに設けられたバーリングを有する貫通孔に嵌合させるグロメットの例としては特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1に記載のグロメット10は図7に示すようにテーパ部2と嵌合部3とを有し、嵌合部3は第1の溝部4と第2の溝部6と環状突起5とつば部7とを備えている。また、パネル11のバーリングは垂直に立ち上がっている。
このグロメット10にパネル11を嵌合させるとバーリングの立上り部が環状突起5を押圧し、図7中のA、B、Cの3点でシールすることで止水性を確保している。
特開平4−249817号公報
しかしながら、バーリングの形状は特許文献1に記載されているようにパネル面に対し垂直に立ち上がるものだけでなく、傾斜したものもある。このようなパネル面に対し傾斜したバーリングを有するパネルにグロメットを嵌合させた例を図8に示す。図8に示す例においてはバーリングとグロメットの接する面が傾斜していることから、充分な面圧が得られず止水性が低下するという課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、車体パネルのバーリングがパネル面に対し傾斜している場合に止水性を向上させることができるグロメットおよびこれを用いたワイヤハーネスを提供することを目的とする。
本発明に係るグロメットは、上記目的達成のため、室外と室内とを隔てる隔壁パネルに形成されたバーリングが前記隔壁パネルより室内側に突出するテーパ筒形状であり、前記バーリングに対し、電線群が挿通された状態で室外側から挿入して止水するように取り付けられるグロメットであって、挿入方向の先端側から基端側にわたり筒径が漸次拡大するテーパ筒部と、前記テーパ筒部の基端側外面部に形成され前記バーリングに嵌合される嵌合部と、を有し、前記嵌合部は、前記バーリングへの組付け時に前記バーリングの先端面側部分を収容するように形成された環状溝部と、前記環状溝部に連接して形成され、前記バーリングへの組付け時に前記バーリングのテーパ筒内面部と一致する基準テーパ筒面の小径側の一部と密着するテーパ筒外面部と、前記テーパ筒外面部に連接して形成され、前記基準テーパ筒面の残余部に対して両側部分が直線辺で、中央部分が断面円弧形状であり外方に突出し、かつ前記バーリングへの組付け時に前記バーリングのテーパ筒内面部に押圧され密着する第1のシール部と、前記第1のシール部に連接して形成され、前記バーリングへの組付け時に前記バーリングの外側を取り囲んで前記隔壁パネルに対面している環状平面部と、前記環状平面部の外周端に連接して形成され、前記環状平面部を取り巻く環状に、かつ前記環状平面部よりも室内側に突出する第2のシール部と、前記第2のシール部の外側に形成された外側環状平面部の外周端に前記外側環状平面部を取り巻く環状に、かつ前記外側環状平面部よりも室内側に突出する第3のシール部と、を備えるよう構成されている。
この構成により、環状溝部は、バーリングの先端面側部分を先端方向に食い込む状態に収容し、テーパ筒外面部はバーリングのテーパ筒内面部に密着し、第1のシール部がバーリングに押し込まれて変形してバーリングのテーパ筒内面部に密着する。また、第2のシール部は第1のシール部がバーリングに押し込まれて変形した状態で環状平面部を取り巻いた位置で隔壁パネルに強く密着する。
したがって、嵌合部は環状溝部とテーパ筒外面部と第1のシール部と第2のシール部とがそれぞれバーリングに密着、嵌合され面圧を確保できるので、隔壁パネルのバーリングが隔壁パネル面に対し傾斜している場合に止水性を向上させることができる。
本発明に係るグロメットは、前記嵌合部は、前記バーリングへの組付け時に前記バーリングの先端面側部分を収容するように形成された環状溝部を備え、前記環状溝部は、前記バーリングの先端面側部分を収容する際に、前記バーリングの先端面側部分が先端方向に食い込む状態になるよう構成してもよい。
この構成により、バーリングの先端面側部分が環状溝部に収容される際に、バーリングの先端面側部分が先端方向に環状溝部に食い込み、バーリングとグロメットとの密着力が強まり止水性を向上させることができる。
本発明に係るグロメットは、当該グロメットの挿入方向の先端側から基端側にわたり筒径が漸次拡大するテーパ筒部を有し、前記環状平面部から前記テーパ筒部の下端までの高さは、前記食い込む状態が生じるように、前記バーリングの鉛直方向の高さよりも小さくなるよう構成してもよい。
この構成により、グロメットを隔壁パネルに組み付けるとバーリングがグロメット側に食い込み鉛直方向の力が働くので、グロメットの密着力を強め止水性を向上させることができる。
本発明に係るグロメットは、前記バーリングの前記テーパ筒内面部の上端における内径は、前記食い込む状態が生じるように、前記環状溝部の最小内径よりも小さくなるよう構成してもよい。
この構成により、グロメットを隔壁パネルに組み付けるとバーリングがグロメット側に食い込み水平方向の力が働くので、グロメットの密着力を強め止水性を向上させることができる。
本発明に係るワイヤハーネスは、電線群と、前記グロメットとを備え、前記電線群が前記グロメットに挿通され、前記電線群と前記グロメットとが、前記グロメットの先端側で粘着テープを巻いてなるテープ固定部で連結固定される構成である。
この構成により、本発明に係るワイヤハーネスは、電線群がグロメットに挿通され、電線群とグロメットとが、グロメットの先端側で粘着テープを巻いてなるテープ固定部で連結固定されるので、グロメット装着後に、グロメットに挿通された電線群にグロメット中心から側方に作用する外力が継続的に作用すると、グロメットの基端側が外力によって引っ張られる側に変形する。
この場合、グロメットが、変形する側と反対側で、環状溝部とバーリングの先端面側部分との食い込みが浅くなる状態になるが、密着が解かれることがなく、第1のシール部には殆ど変形が生じず、バーリングのテーパ筒内面に強く密着する状態が保持される。このため、第2のシール部と隔壁パネルの室外側の面との密着が弱くて、この間から水分が環状平面部に伝わることがあっても、この水分が、第1のシール部を通過して隔壁パネルの室内側に到達することがなく、止水性を向上させることができる。
本発明によれば、車体パネルのバーリングがパネル面に対し傾斜している場合に止水性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るワイヤハーネスおよびグロメットの構成を示す縦 断面図である。 本発明の実施の形態に係るグロメットの車体パネル嵌合前の嵌合部を示す部 分断面図である。 本発明の実施の形態に係るグロメットの車体パネル嵌合前の嵌合部の詳細を 示す部分断面図である。 本発明の実施の形態に係るグロメットの車体パネル嵌合後の嵌合部を示す部 分断面図である。 本発明の実施の形態に係るグロメットの車体パネル嵌合後の嵌合部の変形例 を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態に係るグロメットに嵌合させる車体パネルを示す断面図 である。 ワイヤハーネスに用いられる従来のグロメットの例を示す縦断面図である。 ワイヤハーネスに用いられる従来のグロメットに車体パネルを嵌合させた例 を示す縦断面図である。
以下、本発明に係るグロメットおよびワイヤハーネスの実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態に係るグロメットおよびワイヤハーネスを示す縦断面図である。図1に示すようにワイヤハーネス1は電線群Wとグロメット10とを備えている。ワイヤハーネス1はグロメット10を介して車体の室内側と室外側とを隔てる車体パネル20に嵌合されている。
電線群Wは複数の電線からなり、グロメット10の内部に車体の室内側から室外側にかけて挿通されている。電線群Wとグロメット10はグロメット10の先端側のテープ固定部22で粘着テープを巻いて連結固定されている。なお、図1中の車体パネルより上方側を室内側といい、下方側を室外側という。また、グロメットの下方側を基端側といい、上方側を先端側という。
図6に示すように車体パネル20にはワイヤハーネス1を挿通させる貫通孔が設けられ、貫通孔の周囲にはバーリング21が形成されている。バーリング21は車体パネル20より室内側に突出し貫通孔の中心に向かい傾斜するテーパ筒形状となっている。
バーリング21の鉛直方向の高さはAであり、後述する環状平面部16からテーパ筒部11の下端までの高さA´よりも大きくなるよう形成されている。また、バーリング21のテーパ筒内面部21aの上端における内径はBであり、後述する環状溝部13の最小内径B´よりも小さくなるよう形成されている。バーリング21への組付け時にバーリング21の先端面側部分がパネル嵌合部12に食い込む状態を生じさせバーリング21とグロメット10との密着力を向上させるためである。
本実施の形態においてバーリング21のテーパ筒形状の傾きは車体パネル20に対し約60度であるが、必ずしもこの角度に限られるものでなく例えば45度等の他の角度であってもよい。バーリング21は、後述するグロメット10のパネル嵌合部12に嵌合されるようになっている。
次に図2〜図5を用いてグロメット10のパネル嵌合部12付近について説明する。図2はグロメット10を車体パネル20に嵌合させる前の状態を示している。グロメット10はテーパ筒部11とパネル嵌合部12とを備えている。グロメット10は、電線群Wが挿通された状態で室外側から挿入してバーリング21に取り付けられ車体外部からの水分等の侵入を防ぐよう止水する。グロメット10はゴム等の柔軟な材料により形成されている。
テーパ筒部11は電線群Wの挿入方向の先端側から基端側にわたり筒径が漸次拡大するようになっている。このような形状とすることで、グロメット10の車体パネル20への挿入を容易にしている。
パネル嵌合部12は、環状溝部13とテーパ筒外面部14と円弧リブ15と環状平面部16と補助シール部17と外側環状平面部18と外側補助シール部19とを有している。パネル嵌合部12はテーパ筒部11の基端側外面部に形成されており、図3に示すようにバーリング21に嵌合されるようになっている。パネル嵌合部12は本発明に係る嵌合部を構成し、補助シール部17は本発明に係る第2のシール部を構成する。
環状溝部13は、バーリング21への組付け時にバーリング21の先端面側部分をグロメット10のテーパ筒部11の先端方向に食い込む状態に収容するように形成された環状の溝状の空間であり、バーリング21の先端面側部分を収容する際に、バーリング21の先端面側部分が先端方向に食い込む状態になるよう構成されている。すなわち、グロメット10は、車体パネル20に装着した状態でバーリング21が先端方向に食い込んだ状態となるよう構成されている。また、環状溝部13は、内径が最も小さくなる位置において最小内径B´を有している。
このように、グロメット10は、バーリング21がテーパ筒部11に食い込むことで、バーリング21と密着するので、密着する領域において水等の侵入を防止し止水性を向上させている。ここで食い込む状態とは、図4に示すようにバーリング21の先端面側部分がグロメット10のテーパ筒部11の先端方向に数mm程度食い込んだ状態をいう。
テーパ筒外面部14は、環状溝部13に連接して形成され、バーリング21への組付け時にテーパ筒内面部21aと一致する基準テーパ筒面Lの小径側の一部と密着する。
ここで基準テーパ筒面Lとは、図4に示すように、円弧リブ15の両端を結ぶ直線群からなる面であり、本実施の形態においては車体パネル20に対しグロメット10の中心方向に向けて約60度傾斜するようになっている。この約60度という角度はバーリング21の傾斜角度にあわせ、円弧リブ15とバーリング21とが密着しやすいようにしたものであり、バーリング21の傾斜角度が変わればそれに応じて変えるようにしてもよい。また、小径側とは環状のグロメット10の径が小さくなる側、すなわち図中の上方側である。
テーパ筒外面部14は、基準テーパ筒面L上にあることから、基準テーパ筒面Lと同様車体パネル20に対し約60度傾斜し、バーリング21とも同等の傾斜角度であるが、バーリング21の傾斜角度に応じで傾斜角度を変えるようにしてもよい。
円弧リブ15は、テーパ筒外面部14に連接して形成され、図2に示すバーリング21への組付け前の状態で基準テーパ筒面Lの残余部L1に対して両側部分が直線辺で、中央部分が断面円弧形状であり外方に突出するようになっている。ここで残余部L1とは図4に示す基準テーパ筒面Lのうちバーリング21への組付け前の状態での円弧リブ15と交わる面である。
円弧リブ15は、図3に示すバーリング21への組付け時にはバーリング21のテーパ筒内面部21aに基準テーパ筒面Lに垂直な方向に押圧され変形して密着するようになっている。この密着している領域には、バーリング21に対し円弧リブ15が基準テーパ筒面Lに垂直な方向に押す力が働くので密着力は大きく、水等の侵入を防止し止水性を向上させている。円弧リブ15は本発明に係る第1のシール部を構成する。
環状平面部16は、円弧リブ15に連接して形成され、バーリング21への組付け時にバーリング21の外側を取り囲んで車体パネル20に対面し、バーリング21への組付け時に車体パネル20の室外側の面に密着する環状の平面である。環状平面部16からテーパ筒部11の下端までの高さはA´となっている。
本実施の形態においては環状平面部と車体パネル20は密着する構成としたが、図5に示すように隙間を有する構成としてもよい。環状溝部13や円弧リブ15や補助シール部17において充分にグロメット10とバーリング21および車体パネル20が密着し止水効果が得られているためである。
補助シール部17は、環状平面部16の外周端に連接して形成され、環状平面部16を取り巻く環状に、かつ環状平面部16よりも室内側に突出するようになっている。グロメット10を車体パネル20に組み付ける際には、補助シール部17は車体パネル20に下方に押圧されて変形し、密着するようになっている。
外側環状平面部18は補助シール部17の外側に連接して形成され、水平な環状の平面を構成している。本実施の形態においては外側環状平面部18の高さは環状平面部16の高さよりも低くなっており、図3に示すグロメット10を車体パネル20に組み付けた状態で外側環状平面部18と車体パネル20とは密着せずに所定の隙間を有している。しかし、外側環状平面部18の高さを環状平面部16の高さと同じとし、組付け時に外側環状平面部18と車体パネル20とが密着するようにしてもよい。
外側補助シール部19は外側環状平面部18の外側に連接して形成され、外側環状平面部18の外周端に外側環状平面部18を取り巻く環状に、かつ外側環状平面部18よりも室内側に突出するようになっている。グロメット10を車体パネル20に組み付ける際には、外側補助シール部19は車体パネル20に下方に押圧されて変形し、密着するようになっている。
本実施の形態では補助シール部17の外側に外側環状平面部18と外側補助シール部19を1つずつ形成したが、複数組形成するようにしてもよい。
次にグロメット10を車体パネル20に組み付けた際に働く力の作用について図3を用いて説明する。グロメット10における環状平面部16からテーパ筒部11の下端までの高さA´はバーリング21の鉛直方向の高さAよりも小さいため、グロメット10を車体パネル20に組み付けるために、まず車体パネル20が円弧リブ15をバーリング21の傾斜方向と垂直な方向に、補助シール部17と外側補助シール部19を下方に押圧し変形させる。
円弧リブ15は基準テーパ筒面Lの位置まで変形し、図中の点線で示す円弧リブ15´となる。補助シール部17と外側補助シール部19は環状平面部16の高さまで変形し、図中の点線で示す補助シール部17´と外側補助シール部19´となる。
また、バーリング21のテーパ筒内面部21aの上端における内径Bは環状溝部13の最小内径B´よりも小さいので、組み付け時にバーリング21の先端部分はグロメット10の環状溝部13に食い込みグロメット10を変形させるようになっている。
車体パネル20にグロメット10を組み付けた後は、グロメット10の補助シール部17、外側補助シール部19、テーパ筒部11、環状溝部13が車体パネル20に対し図中の矢印方向に反力を働かせている。この反力には水平方向の成分と垂直方向の成分の両方向の成分があるので、グロメット10は水平方向と垂直方向の両方向に車体パネル20に対する密着する力が働くようになっている。
したがって、グロメット10は多方向から加わる外力に対して、車体パネル20との密着状態を保持することができ、例えば水平方向にのみ密着する力を働かせる構成と比較した場合、より安定的に密着状態を保持でき止水性に優れている。
以上のように、本実施の形態に係るグロメット10は、室外と室内とを隔てる車体パネル20に形成されたバーリング21が車体パネル20より室内側に突出するテーパ筒形状であり、バーリング21に対し、電線群Wが挿通された状態で室外側から挿入して止水するように取り付けられ、挿入方向の先端側から基端側にわたり筒径が漸次拡大するテーパ筒部11と、テーパ筒部11の基端側外面部に形成されバーリング21に嵌合されるパネル嵌合部12と、を有している。
また、嵌合部12は、バーリング21への組付け時にバーリング21の先端面側部分を先端方向に食い込む状態に収容するように形成された環状溝部13と、環状溝部13に連接して形成され、バーリング21への組付け時にバーリング21のテーパ筒内面部21aと一致する基準テーパ筒面Lの小径側の一部と密着するテーパ筒外面部14と、テーパ筒外面部14に連接して形成され、基準テーパ筒面Lの残余部L1に対して両側部分が直線辺で、中央部分が断面円弧形状であり外方に突出し、かつバーリング21への組付け時にバーリング21のテーパ筒内面部21aに押圧され密着する円弧リブ15と、円弧リブ15に連接して形成され、バーリング21への組付け時にバーリング21の外側を取り囲んで車体パネル20に対面している環状平面部16と、環状平面部16の外周端に連接して形成され、環状平面部16を取り巻く環状に、かつ環状平面部16よりも室内側に突出する補助シール部17と、を備えている。
この構成により、環状溝部13は、バーリング21の先端面側部分を先端方向に食い込む状態に収容し、テーパ筒外面部14はバーリング21のテーパ筒内面部21aに密着し、円弧リブ15がバーリング21に押し込まれて変形してバーリング21のテーパ筒内面部21aに密着し、環状平面部16は、車体パネル20の室外側の面に密着する。また、補助シール部17は円弧リブ15がバーリング21に押し込まれて変形した状態で環状平面部16を取り巻いた位置で車体パネル20に強く密着する。
したがって、パネル嵌合部12は環状溝部13とテーパ筒外面部14と円弧リブ15と環状平面部16と補助シール部17とがそれぞれバーリング21に密着、嵌合され面圧を確保できるので、車体パネル20のバーリング21が車体パネル20面に対し傾斜している場合に止水性を向上させることができる。
また、バーリング21の先端面側部分が環状溝部に収容される際に、バーリング21の先端面側部分が先端方向に環状溝部13に食い込むようにしているので、バーリング21とグロメット10との密着力が強まり止水性を向上させることができる。
また、環状平面部16からテーパ筒部11の下端までの高さはバーリング21の鉛直方向の高さよりも小さくなるよう構成してもよい。
この構成により、グロメット10を車体パネル20に組み付けるとバーリング21がグロメット10側に食い込み鉛直方向の力が働くので、グロメット10の密着力を強め止水性を向上させることができる。
バーリング21のテーパ筒内面部21aの上端における内径は環状溝部13の最小内径よりも小さくなるよう構成してもよい。
この構成により、グロメット10を車体パネル20に組み付けるとバーリング21がグロメット10側に食い込み水平方向の力が働くので、グロメット10の密着力を強め止水性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るワイヤハーネス1は、電線群Wと、グロメット10とを備え、電線群Wがグロメット10に挿通され、電線群Wとグロメット10とが、グロメット10の先端側で粘着テープを巻いてなるテープ固定部22で連結固定される構成である。
この構成により、ワイヤハーネス1は、電線群Wがグロメット10に挿通され、電線群Wとグロメット10とが、グロメット10の先端側で粘着テープを巻いてなるテープ固定部22で連結固定されるので、グロメット10装着後に、グロメット10に挿通された電線群Wにグロメット10の中心から側方に作用する外力が継続的に作用すると、グロメット10の基端側が外力によって引っ張られる側に変形する。
この場合、グロメット10が、変形する側と反対側で、環状溝部13とバーリング21の先端面側部分との食い込みが浅くなる状態になるが、密着が解かれることがなく、円弧リブ15には殆ど変形が生じず、バーリング21のテーパ筒内面部21aに強く密着する状態が保持される。このため、補助シール部17と車体パネル20の室外側の面との密着が弱くて、この間から水分が環状平面部に伝わることがあっても、この水分が、円弧リブ15を通過して車体パネル20の室内側に到達することがなく、止水性を向上させることができる。
本発明によれば、車体パネルのバーリングがパネル面に対し傾斜している場合に止水性を向上させることができるグロメットおよびこれを用いたワイヤハーネスを提供することができ、グロメットおよびワイヤハーネスの全般に有用である。
1 ワイヤハーネス
10 グロメット
11 テーパ筒部
12 パネル嵌合部(嵌合部)
13 環状溝部
14 テーパ筒外面部
15 円弧リブ(第1のシール部)
16 環状平面部
17 補助シール部(第2のシール部)
20 車体パネル(隔壁パネル)
21 バーリング
21a テーパ筒内面部
22 テープ固定部
L 基準テーパ筒面
L1 残余部
W 電線群

Claims (5)

  1. 室外と室内とを隔てる隔壁パネルに形成されたバーリングが前記隔壁パネルより室内側に突出するテーパ筒形状であり、前記バーリングに対し、電線群が挿通された状態で室外側から挿入して止水するように取り付けられるグロメットであって、
    前記バーリングに嵌合される嵌合部を有し、
    前記嵌合部は、前記バーリングのテーパ筒内面部に押圧され密着する第1のシール部と、
    前記第1のシール部の外側に形成された環状平面部の外周端に前記環状平面部を取り巻く環状に、かつ前記環状平面部よりも室内側に突出する第2のシール部と、
    前記第2のシール部の外側に形成された外側環状平面部の外周端に前記外側環状平面部を取り巻く環状に、かつ前記外側環状平面部よりも外側および室内側に突出する第3のシール部と、を備え、
    前記第3のシール部の鉛直方向の高さが前記第2のシール部の鉛直方向の高さよりも高いことを特徴とするグロメット。
  2. 前記嵌合部は、前記バーリングへの組付け時に前記バーリングの先端面側部分を収容するように形成された環状溝部を備え、
    前記環状溝部は、前記バーリングの先端面側部分を収容する際に、前記バーリングの先端面側部分が先端方向に食い込む状態になるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のグロメット。
  3. 当該グロメットの挿入方向の先端側から基端側にわたり筒径が漸次拡大するテーパ筒部を有し、
    前記環状平面部から前記テーパ筒部の下端までの高さは、前記食い込む状態が生じるように、前記バーリングの鉛直方向の高さよりも小さくなるよう構成したことを特徴とする請求項2に記載のグロメット。
  4. 前記バーリングの前記テーパ筒内面部の上端における内径は、前記食い込む状態が生じるように、前記環状溝部の最小内径よりも小さくなるよう構成したことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか1項に記載のグロメット。
  5. 電線群と、請求項1乃至請求項4に記載のグロメットとを備え、前記電線群が前記グロメットに挿通され、前記電線群と前記グロメットとが、前記グロメットの先端側で粘着テープを巻いてなるテープ固定部で連結固定されていることを特徴とするワイヤハーネス。
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