JP6668963B2 - H形鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面30a、30b及び孔型底面31a、31bと、突起部35、36の傾斜面とのなす角度θfは、図3に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面40a、40b及び孔型底面41a、41bと、突起部45、46の傾斜面とのなす角度θfは、図4に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面50a、50b及び孔型底面51a、51bと、突起部55、56の傾斜面とのなす角度θfは、上記第3孔型K3と同様に、図5に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
「噛み出し」が発生してしまった被圧延材に対しては、例えば特許文献2に記載されているような、エッジング圧延を行う孔型(エッジング孔型)と、平造形圧延を行う孔型(平造形孔型)と、を繰り返し用いて造形を行ういわゆる「耳取り」と呼ばれる形状整形パスを導入することで、形状不良の正常化を図っている。
図9(a)に示すように、被圧延材Aのコーナー部Cとは、図中に破線で示す、ウェブ部82内面の延長線とフランジ部80内面の延長線との交点から外れた部位であると定義される。そして、本実施の形態に係る第5孔型K5の孔型設計を、ウェブ部82の圧下開始位置においてコーナー部Cの圧下量を低減させるような形状にすることで平造形圧延時のウェブ高さ拡がり量を抑えることができ、形状不良の抑制が図られることになる。
また、この圧下量低減手段としての逃がし部90の詳細な形状は以下のように定めることが好ましい。即ち、図9(b)に示すように、ウェブ部82の中央位置において孔型ロールと当該ウェブ部82とを隙間なく当接させた状態において、コーナー部Cが圧下されないような形状とすることが望ましい。
第5孔型K5での圧延造形は通常複数パスで行われ、当該複数パスの全パスでコーナー部Cにロールが接触しないと、コーナー部Cの圧延造形が全く行われないといった問題があるため、1パス目以降の圧延造形では、ロールが好適にコーナー部Cに接触するような孔型設計としても良い。即ち、逃がし部90の形状は、ウェブ部82の中央位置において孔型ロールと当該ウェブ部82とが隙間なく当接する位置に基づいて定めることが望ましい。逃がし部90をこのような形状とすることで、コーナー部Cの圧下量の低減が図られるため、平造形圧延時のウェブ高さ拡がり量を抑えることができる。
図10は、従来のH形鋼の製造方法におけるエッジング圧延時の定常部と非定常部との圧延形状の相違に関する説明図であり、(a)が定常部、(b)が非定常部を示している。図10(a)に示すように、被圧延材定常部におけるウェブ部の厚みtwは、素材スラブの厚みとほぼ同じ厚みとなる。また、図10(b)に示すように、被圧延材非定常部におけるウェブ部の最大厚みtw0は、素材スラブの厚みに比べ増厚し大きくなる。
これは、従来の製造方法におけるエッジング圧延では、当該エッジング圧延による幅拡がりを利用した工程となっているために圧下が被圧延材のウェブ部に及ぶことに起因している。特に、被圧延材長手方向端部にあたる非定常部では、圧延造形に際し長手方向へのメタルフローが容易に生じやすいため、ウェブ部中央部の厚みが増厚し、素材スラブ厚よりも大きくなる。
この図10(b)に示すようなウェブ中央部の厚みが素材スラブ厚よりも厚い、被圧延材の非定常部が、平造形孔型に導入されると、当該平造形孔型での圧延造形パス(特に、初期パス)において孔型側壁へのメタルの拡がり量が大きくなり、いわゆる「噛み出し」といった形状不良が発生してしまう恐れがある。
このような観点からも、本実施の形態に係る製造方法では、特に、被圧延材Aの非定常部についても、エッジング圧延後に平造形孔型のみを用いた複数パス圧延によって粗圧延工程を行い、いわゆる「噛み出し」と呼ばれる形状不良を生じさせることなく粗圧延工程を完了することができる。これにより、生産性や歩留まりの向上を図ることができる。
一方で、特に大型のH形鋼製品の製造においては、ウェブ内法拡幅圧延を利用して圧延造形を行う場合がある。ウェブ内法拡幅圧延は、H形鋼製品の製造において従来より一般的に行われている手法であり、通常は新たな圧延スタンドを設ける、あるいは、2ヒート圧延によって孔型数を確保し、ウェブ内法拡幅圧延を行うことが知られている。
例えば、上記実施の形態に係る圧延ラインT(図1参照)では、粗圧延工程を行う圧延機列として、サイジングミル3と粗圧延機4が設けられているが、サイジングミル3に全てのエッジング孔型(K1〜K4)を刻設し、粗圧延機4に平造形孔型(K5)及び必要に応じてウェブ内法拡幅圧延を行う拡幅孔型を刻設することが可能である。
ここで、実施例及び比較例においては、ウェブ厚み300mmの被圧延材に対し平造形圧延を行い、ウェブ厚み90mmまで平造形圧延を行う場合を例に挙げてパススケジュールの策定を行った。
なお、本実施例では、幅1500mm×厚み300mmのスラブを素材として、ウェブ高さ1000mm×フランジ幅400mmのH形鋼製品を製造する場合の平造形孔型を例示し、平造形圧延で用いる孔型のコーナー部対向箇所の形状は、いわゆるダブルRと呼ばれる形状とし、R1000及びR70の曲率を有する曲線を連続的に繋げて構成したものとした。
一方、表2に示すように、実施例では、いわゆる「耳取り」と呼ばれる形状整形パスは行っておらず、平造形孔型(G4)のみを用いたパススケジュール設計となっている。
即ち、表3に示すように、比較例に係るパススケジュールに比べ、実施例に係るパススケジュールでは、そのパス回数が17回から13回に低減されている。また、同じ平造形圧延を実施する場合の圧延時間も削減されており、平造形圧延の効率化が実現されていることが分かる。特に、実施例に係るパススケジュールでは、いわゆる「耳取り」と呼ばれる形状整形パスを行うためのロールセットアップ時間が不要となるため、圧延時間の大幅な削減が実現される。
2…加熱炉
3…サイジングミル
4…粗圧延機
5…中間ユニバーサル圧延機
8…仕上ユニバーサル圧延機
9…エッジャー圧延機
11…スラブ
13…H形粗形材
14…中間材
16…H形鋼製品
20…上孔型ロール(第1孔型)
21…下孔型ロール(第1孔型)
25、26…突起部(第1孔型)
28、29…割り込み(第1孔型)
30…上孔型ロール(第2孔型)
31…下孔型ロール(第2孔型)
35、36…突起部(第2孔型)
38、39…割り込み(第2孔型)
40…上孔型ロール(第3孔型)
41…下孔型ロール(第3孔型)
45、46…突起部(第3孔型)
48、49…割り込み(第3孔型)
50…上孔型ロール(第4孔型)
51…下孔型ロール(第4孔型)
55、56…突起部(第4孔型)
58、59…割り込み(第4孔型)
80…フランジ部
82…ウェブ部
85…上孔型ロール(第5孔型)
86…下孔型ロール(第5孔型)
90…逃がし部
100…ボックス孔型
110…(ボックス孔型の)上孔型ロール
111…(ボックス孔型の)下孔型ロール
K1…第1孔型
K2…第2孔型
K3…第3孔型
K4…第4孔型
K5…第5孔型(平造形孔型)
T…製造ライン
A…被圧延材
Claims (4)
- 粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、
前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を圧延造形する5以上の複数の孔型が刻設され、
当該複数の孔型では被圧延材の1又は複数パス造形が行われ、
前記複数の孔型のうち第1孔型及び第2孔型には、被圧延材の幅方向に対し鉛直に割り込みを入れて被圧延材端部に分割部位を形成させる突起部が形成され、
前記複数の孔型のうち最終孔型を除く第3孔型以降には、前記割り込みに当接し、形成された分割部位を順次折り曲げる突起部が形成され、
前記複数の孔型のうち最終孔型は平造形孔型であり、
当該平造形孔型における圧延造形は、リバース圧延によって当該平造形孔型のみを用いた連続的な複数パス圧延によって行われ、
前記平造形孔型において、被圧延材におけるウェブ部とフランジ部との接続箇所内側に対向するコーナー部対向箇所には、当該平造形孔型に導入された被圧延材のウェブ部とフランジ部との接続箇所内側に対する圧下量低減手段としての逃がし部が設けられ、
前記逃がし部の形状は、前記平造形孔型による複数パス圧延時において、当該平造形孔型に導入された被圧延材のウェブ部中央位置と、平造形孔型ロールとが当接した状態で、前記ウェブ部とフランジ部との接続箇所内側が圧下されないように設計されることを特徴とする、H形鋼の製造方法。 - 前記平造形孔型の前孔型として、被圧延材の前記割り込みを押し広げ、形成された分割部位の外側を略平坦形状に造形するボックス孔型を更に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のH形鋼の製造方法。
- 前記粗圧延工程を行う圧延機は、2以上の圧延スタンドから構成され、前記複数の孔型のうち、最終孔型を除く孔型と、最終孔型と、は異なる圧延スタンドに刻設されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のH形鋼の製造方法。
- 前記粗圧延工程を行う圧延機には、前記複数の孔型に加え、当該複数の孔型での圧延造形の後段において被圧延材のウェブ内法拡幅圧延を行う拡幅孔型がさらに刻設され、当該拡幅孔型は、前記平造形孔型と同じ圧延スタンドに刻設されることを特徴とする、請求項3に記載のH形鋼の製造方法。
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