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JP6665799B2 - 燃料タンクシステム - Google Patents

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JP6665799B2
JP6665799B2 JP2017009527A JP2017009527A JP6665799B2 JP 6665799 B2 JP6665799 B2 JP 6665799B2 JP 2017009527 A JP2017009527 A JP 2017009527A JP 2017009527 A JP2017009527 A JP 2017009527A JP 6665799 B2 JP6665799 B2 JP 6665799B2
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Description

本発明は、燃料タンクシステムに関する。
従来、燃料タンク内で発生した燃料蒸気をキャニスタに吸着させると共に、キャニスタに吸着された燃料蒸気を吸気管の負圧を利用してエンジン側に供給する燃料タンクシステムが用いられている。
このような燃料タンクシステムでは、燃料タンクからキャニスタに燃料蒸気を供給するタイミングを制御するために、燃料タンクとキャニスタを連通するベーパ流路に電磁開閉弁(封鎖弁)を設けている。また、キャニスタから吸気管に供給される燃料蒸気量(燃料蒸気供給タイミング)を制御するためにキャニスタと吸気管を結ぶパージ流路に電磁開閉弁を設けている(特許文献1参照)。
特開2006−188993号公報
上記特許文献1記載の燃料タンクシステムは、燃料蒸気の流量(供給タイミング)を制御するための電磁開閉弁をベーパ流路とパージ流路にそれぞれ設けているが、このように複数 (二つ)の電磁開閉弁を設けることによって、燃料タンクシステムのコストが上昇するという不都合があった。すなわち、上記燃料タンクシステムは、電磁開閉弁の削減という点では改善の余地があった。
本発明は上記事実を考慮し、エンジン駆動走行時時、駐車時、給油時に用いられる電磁弁を削減した燃料タンクシステムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、燃料が貯留される燃料タンクと、前記燃料タンクから燃料蒸気が供給されて吸着されると共に、吸気管に燃料蒸気を供給するキャニスタと、前記燃料タンクと前記キャニスタの間に配設された弁室と、前記燃料タンクと前記弁室とを接続し、端部が前記弁室に開口している第1開口部とされているベーパ通路と、前記弁室と前記キャニスタとを接続する共通通路と、前記弁室と前記吸気管とを接続し、端部が前記弁室に開口している第2開口部とされていると共に、内部に孔部が設けられた弁座が設けられたパージ通路と、前記弁室内部に配設され、前記第1開口部と前記第2開口部に対して進退自在なプランジャと、前記プランジャの先端に設けられ前記第1開口部と前記第2開口部に当接することにより当該第1開口部と第2開口部を同時に閉塞可能なディスク部と、前記ディスク部に取り付けられ、前記パージ通路内部に挿入され、前記弁座の孔部に挿通された軸体と、前記軸体の先端に取り付けられ前記弁座に着座可能な小ディスク部と、を有する機能統合弁と、前記プランジャを前記弁室内で進退させることにより、エンジン駆動走行時に前記ディスク部を前記第1開口部と前記第2開口部から離間させると共に、前記小ディスク部を前記弁座から離間させて前記ベーパ通路と前記パージ通路と前記共通通路とを相互に連通させた全開状態とし、駐車時には前記ディスク部が前記第1開口部と前記第2開口部とを閉塞することで前記ベーパ通路と前記パージ通路と前記共通通路とを相互に遮断させた全閉状態とし、給油時には前記ディスク部を前記第1開口部と前記第2開口部から離間させると共に、前記小ディスク部を前記弁座に当接させることにより、前記ベーパ通路と前記共通通路のみを連通し、前記パージ通路と前記共通通路及び前記ベーパ通路とを遮断させた半開状態となるように前記機能統合弁を制御する制御手段と、を備える。
この構成によれば、エンジン駆動走行時時に、制御手段が機能統合弁を全開状態に切り換えることによって、共通通路とパージ通路、すなわちキャニスタと吸気管が連通される。この結果、吸気管とキャニスタの間に十分な圧力差(負圧)があれば、その圧力差によってキャニスタから吸気管に燃料蒸気が供給される。また、機能統合弁が全開状態となることによって、ベーパ通路とパージ通路がキャニスタを介することなく、連通される。したがって、吸気管と燃料タンクとの間に十分な圧力差(負圧)があれば、その圧力差によって燃料タンクから吸気管に燃料蒸気が供給される。
一方、駐車時には、制御手段が機能統合弁を全閉状態に切り換えることによって、共通通路とパージ通路とベーパ通路とを相互に全て遮断する。これによって、駐車時にキャニスタから外部に燃料蒸気が排出されることが防止されると共に、燃料タンクからキャニスタに燃料蒸気が供給され続け、過剰に付着することが防止される。
さらに、給油時には、制御手段が機能統合弁を半開状態に切り換えることによって、共通通路とベーパ通路のみを連通させ、他の通路間を遮断する。これによって、給油時に過剰となった燃料蒸気をキャニスタに供給して吸着させることができる。
このように、単一の機能統合弁を切り換えるだけで、エンジン駆動走行時時、駐車時、給油時に燃料タンク、キャニスタ、吸気管の連通・遮断状態を切り換えることができる。
請求項1記載の発明の燃料タンクシステムは、上記構成としたので、エンジン駆動走行時、駐車時、給油時に用いられる電磁弁を削減することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの閉時の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの閉時の要部構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの開時の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの開時の要部構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの開時の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムの開時の要部構成を示す図である。
本発明の一実施形態に係る燃料タンクシステムについて図1〜図6を参照して説明する。なお、各図は模式的なものであり、本発明と関連性の低いものは図示を省略している。
(全体構成)
先ず、燃料タンクシステム10の全体構成について説明し、その後で機能統合弁18の具体的構成について説明する。燃料タンクシステム10は、ガソリンエンジンで駆動される自動車に適用されたものである。
本実施形態に係る燃料タンクシステム10は、図1に示すように、燃料Fが貯留される燃料タンク12と、燃料タンク12内の燃料蒸気が吸着されるキャニスタ14と、キャニスタ14に吸着された燃料蒸気が供給される吸気管16と、後述する機能統合弁18と、後述するセンサやスイッチからの信号に基づいて機能統合弁18、OBDユニット72などを制御するECU20とを基本的に備えている。
燃料タンク12は、燃料Fが貯留される燃料タンク本体21と、燃料タンク本体21から斜め上方に延在するフィラーパイプ22と、フィラーパイプ22の燃料注入口を閉塞するキャップ24と、を備えている。
燃料タンク本体21の内部には、燃料ポンプ26が配設されている。燃料ポンプ26から後述するインテークマニホールド58に燃料を供給する燃料供給管28は、燃料タンク本体21の上部に形成された開口部を閉塞する蓋体30を貫通して、インテークマニホールド58まで延在している。
また、燃料タンク本体21の内部の上方には、フロートバルブ32が配設されている。さらに、燃料タンク本体21には、燃料タンク本体21の内部の気圧(大気圧との差圧)を検出する圧力センサ34が配設されている。
一方、フィラーパイプ22の燃料注入口は、車体のリッド35の内側に配設されており、給油時には、開放されたリッド35からキャップ24が取り外されたフィラーパイプ22に給油ノズル110が挿入されることにより、燃料タンク本体21に燃料が供給されるものである(図5参照)。
なお、リッド35は、図1に示すように、車室内の給油スイッチ29を操作することにより開放されるものであり、給油スイッチ29の操作信号はECU20に出力されるように構成されている。リッド35には、リッド35の閉塞をスイッチの信号としてECU20に出力するリッドスイッチ36が設けられている。
キャニスタ14は、キャニスタ本体38が壁40によって上下に区画されており、それぞれに燃料蒸気の吸着剤となる活性炭42が配設されている。
キャニスタ本体38の上流側の第1ポート44は、燃料タンク本体21(フロートバルブ32)とベーパ管46、機能統合弁18、共通管48を介して接続されている。
また、第1ポート44は、エンジン50の吸気管16と共通管48、機能統合弁18、パージ管52を介して接続されている。吸気管16は、エアクリーナ54を介して吸入された空気をスロットルバルブ56で流量調整し、インテークマニホールド58を介してエンジン50に燃料の混合気を供給するものである。
キャニスタ本体38の下流側の第2ポート60には、大気開放管62が連通されている。大気開放管62は、第2ポート60と反対側の端部が外部に連通した大気口64とされている。大気開放管62の大気口64側には、エアフィルタ68が配設されている。
なお、大気開放管62の第2ポート60側には、穴あき検知時等に用いられるポンプや第2ポート60と大気口64とを連通・遮断する電磁開閉弁等がユニット化されたOBDユニット72が配設されている。
また、圧力センサ34、給油スイッチ29、リッドスイッチ36、機能統合弁18、OBDユニット72は、それぞれECU20と信号線(図1参照)で接続されている。ECU20は、圧力センサ34、給油スイッチ29、リッドスイッチ36等からの検出信号に基づいて機能統合弁18、OBDユニット72等を制御する。
さらに、ECU20には、燃料タンクシステム10において共通管48とパージ管52が連通され、OBDユニット72の電磁開閉弁が開放されている場合における、インテークマニホールド58の負圧と大気圧とパージ管52の流量との関係が示されたパージ管流量マップが記憶されている。このインテークマニホールド58の負圧は直接計測したものでも良いし、例えば、吸気管16に対する注入空気量とスロットルバルブ56の開度とインテークマニホールド58の負圧との関係をマップとしてECU20に記憶させたものから求めても良い。
また、ECU20には、燃料タンクシステム10においてベーパ管46とパージ管52が連通されている場合における、燃料タンク本体21の圧力と、インテークマニホールド58の負圧と、ベーパ管46の流量との関係が示されたベーパ管流量マップが記憶されている。
(機能統合弁18の構成)
次に、機能統合弁18の構成について図2を参照して詳細に説明する。
図2に示すように、共通管48の端部には、機能統合弁18が配設されている。共通管48の端部には、共通管48に連通する弁室80と、弁室80に隣接するソレノイド室82が設けられている。機能統合弁18は、ソレノイド室82に配設されたソレノイド84と、ソレノイド84に通電されることによって軸方向(図2、矢印A方向参照)に移動するプランジャ86と、プランジャ86の端部に形成されたディスク部(弁体)88とを有する。プランジャ86の一端は弁室80内に位置しており、その一端にディスク部88が形成されている。したがって、ディスク部88は、弁室80内を変位する構成とされている。
ディスク部88において、パージ管52の端部52Aの後述する開口部96に対向する位置には、プランジャ86の延在(軸)方向と平行な方向に延在する軸体90と、軸体90の先端に形成されたパージ管52の内径よりも小径な小ディスク部92とを有する。
一方、弁室80の下端面80Aの略中心から軸方向にベーパ管46が弁室80の中程まで進入し、端部46Aが弁室80に開口している。端部46Aの開口している部分を開口部94という。また、弁室80の下端面80Aから軸方向に沿ってベーパ管46に並んでパージ管52が弁室80の中程まで進入している。パージ管52の端部52Aは、弁室80に開口した開口部96とされている。
このベーパ管46の端部46Aの軸方向高さとパージ管52の端部52Aの軸方向高さは同一、すなわち面一とされており、機能統合弁18のディスク部88が端部46A、52Aに当接することによって、開口部94、96が閉塞される構成である。
また、パージ管52の端部52A側に、内周面から内側に突出した弁座98が形成されている。弁座98には、軸体90が挿通可能な孔部が形成されている。したがって、プランジャ86の軸方向に沿った進退動作により、軸体90の先端に形成された小ディスク部92が弁座98に当接した場合には、パージ管52と弁室80(ベーパ管46、共通管48)との連通が遮断される構成である。
また、ベーパ管46の端部46A近傍と共通管48の弁室80近傍との間には、両者を連通するリリーフ管100が設けられている。リリーフ管100には、リリーフ弁102が設けられている。リリーフ弁102は、燃料タンク12側の圧力がキャニスタ14(大気)側の圧力よりも所定値以上高い場合に開放される第1ダイヤフラム弁104と、キャニスタ14側の圧力が燃料タンク12側の圧力よりも所定値以上高い場合に開放される第2ダイヤフラム弁106とを有する。
(作用)
本実施形態に係る燃料タンクシステム10の作用(動作)を説明する。以下、各状態における制御について説明する。なお、図2に示すように、機能統合弁18は、初期状態において、ディスク部88がベーパ管46の端部46A及びパージ管52の52Bに当接されており、ベーパ管46と共通管48とパージ管52は、相互に全て遮断されている。この状態を、機能統合弁18の「全閉状態」という。この際、OBDユニット72の電磁開閉弁も閉じられている。
[給油時]
先ず、給油時について、図1、図2、図5及び図6を参照して説明する。
図5に示すように、自動車の給油スイッチ29が操作されることにより、給油スイッチ29からECU20にオン信号が入力されると、ECU20では給油が開始されたと判定する。これによって、ECU20は、機能統合弁18に操作信号を出力し、ソレノイド84に通電する。これによって、プランジャ86を軸方向上側(矢印A1方向)に移動させ、ベーパ管46の端部46A、パージ管52の端部52Aに着座していたディスク部88(図2参照)を端部46A、端部52Aから離間させる(図6参照)。この結果、図6に示すように、ベーパ管46の開口部94が開口され、ベーパ管46と弁室80(共通管48)が連通される。
また、このプランジャ86の移動によって軸体90も軸方向上側(矢印A1方向)に移動し、軸体90の軸方向下端部に形成された小ディスク部92が弁座98に当接する(着座する)。すなわち、ディスク部88がパージ管52の端部52Aから離間することによって開口部96が開口されるが、小ディスク部92が弁座98に着座されることによってパージ管52と弁室80(共通管48)との遮断状態が維持される。なお、この状態を機能統合弁18の「半開状態」という。この際、OBDユニット72の電磁開閉弁が開き、キャニスタ14の第2ポート60と大気口64が連通される。
ここで、図5に示すように、リッド35が開放されてキャップ24が取り外されることによって、給油ノズル110がフィラーパイプ22に挿入されて燃料タンク本体21に燃料が供給される。この結果、燃料タンク本体21の燃料蒸気圧が高まり、燃料蒸気がベーパ管46から共通管48を介してキャニスタ14の第1ポート44に供給される(図5及び図6の破線矢印V1参照)。キャニスタ14において活性炭42に燃料が吸着された後、燃料蒸気から燃料が除去された気体が大気口64から外部に排出される。
ECU20は、リッドスイッチ36からON(閉塞)信号が入力されるまでは、給油が継続していると判定して、機能統合弁18の半開状態を維持する。
図1に示すように、給油終了後に、フィラーパイプ22の燃料注入口がキャップ24で閉塞され、リッド35が閉塞されると、リッドスイッチ36からオン信号がECU20に出力される。ECU20は、リッドスイッチ36からON信号が入力されると、リッド35が閉塞され給油が終了したと判定する。
この後、ECU20は機能統合弁18に操作信号を出力し、ソレノイド84に通電する。これによって、プランジャ86が軸方向下側(矢印A2方向)に移動され、ベーパ管46の端部46A、パージ管52の端部52Aから離間していたディスク部88(図6参照)を端部46A、52Aに着座させる(図2参照)。この結果、ベーパ管46の開口部94及びパージ管52の開口部96が閉塞され、ベーパ管46、パージ管52と弁室80(共通管48)が遮断される。すなわち、図1に示すように、燃料タンクシステム10が初期(閉)状態に戻される。これにより、給油時の制御を終了する。
[エンジン駆動走行時]
次に、エンジン駆動走行時の制御について、図1〜図4を参照して説明する。
先ず、ECU20は、エンジンECU(不図示)からエンジン駆動信号が入力されることにより、エンジン駆動走行時制御を開始する。
なお、初期状態で機能統合弁18は全閉状態とされている(ディスク部88がベーパ管46の端部46A、パージ管52の端部52Aに着座している)(図1、図2参照)。一方、OBDユニット72の電磁開閉弁は開放されている。
次に、ECU20は、圧力センサ34の検出値から燃料タンク本体21の圧力(気圧)Ptと大気圧Paとを読み出す。この圧力Ptと大気圧Paとを比較し、圧力Ptが大気圧Paより小さい場合(Pt<Pa)には、何ら操作を行わず、全閉状態を維持する。
一方、圧力Ptが大気圧Pa以上の場合(Pt≧Pa)に、以下の比較を行う。すなわち、ECU20は、インテークマニホールド58の負圧と圧力センサ34で検出された大気圧Paに基づいてパージ管流量マップからパージ管52の気体流量Qpを読み出す。また、圧力センサ34で検出された燃料タンク本体21の圧力Ptとインテークマニホールド58の負圧に基づいてベーパ管流量マップからベーパ管46の気体(燃料蒸気)流量Qvを読み出す。
この気体流量Qpと気体流量Qvとを比較し、気体流量Qpが気体流量Qvより小さい場合(Qp<Qv)には、何ら操作を行わず、全閉状態を維持する。
一方、気体流量Qpが気体流量Qv以上の場合(Qp≧Qv)には、ECU20から機能統合弁18に操作信号を出力し、ソレノイド84に通電する。これにより、プランジャ86が軸方向上側(矢印A1方向)に所定距離L1移動され、ベーパ管46の端部46A、パージ管52の端部52Aに着座していたディスク部88(図2参照)が端部46A、52Aから離間される(図4参照)。ここで、所定距離L1とは、図4に示すように、軸体90がその距離移動しても小ディスク部92が弁座98に当接しない(着座)しない距離である。この結果、ベーパ管46の開口部94及びパージ管52の開口部96が開口した状態となる。また、小ディスク部92が弁座98から離間されている。
したがって、図4に示すように、ベーパ管46、パージ管52が弁室80(共通管48)に連通されると共に、ベーパ管46が弁室80を介してパージ管52と連通される。なお、この状態を機能統合弁18の「全開状態」という。
これにより、キャニスタ14に吸着されていた燃料が燃料蒸気として共通管48(弁室80)、パージ管52を介して吸気管16に供給される(図4、実線矢印V2参照)。
この際、燃料タンク本体21内の圧力Ptが大気圧Pa以上(Pt≧Pa)であり、気体流量Qpが気体流量Qv以上(Qp≧Qv)であるため、燃料タンク本体21からベーパ管46を介して弁室80に供給された燃料蒸気は、キャニスタ14側に到ることなく、パージ管52から吸気管16に供給される(図4、破線矢印V3参照)。
ECU20では、燃料タンク本体21の圧力Ptが大気圧Paより小さくなった場合(Pt<Pa)、あるいはパージ管52の気体流量Qpがベーパ管46の気体流量Qvより小さくなった場合(Qp<Qv)に、ECU20から機能統合弁18に操作信号を出力し、ソレノイド84に通電する。これにより、プランジャ86が軸方向下側(矢印A2方向)に移動され、ディスク部88がベーパ管46の端部46A、パージ管52の端部52Aに当接される(着座する)。この結果、ディスク部88がベーパ管46、パージ管52の各端部46A、52Aに形成された開口部94、96を閉塞する。すなわち、ベーパ管46、パージ管52と弁室80(共通管48)が遮断される。
このように、一定の条件を満たしている場合のみ、機能統合弁18を駆動してベーパ管46とパージ管52と共通管48とを相互に全て連通させることによってキャニスタ14及び燃料タンク本体21から吸気管16に燃料蒸気を供給することができる。また、燃料タンク本体21から弁室80側に供給される燃料蒸気は、上記関係式を満たす条件下では吸気管16側に全量供給でき、キャニスタ14に吸着されることが防止される。
[駐車時]
次に、駐車時の制御について図1、図2を参照して説明する。ECU20は、ハイブリッドECUからの信号により、車両が非走行状態にあることを検出し、なおかつ、給油を開始してないと判断した場合には、駐車時であると判断する。
ECU20は、ディスク部88がベーパ管46の端部46A及びパージ管52の端部52Aから離間している場合には、機能統合弁18に操作信号を出力し、ソレノイド84に通電する。これにより、プランジャ86を軸方向下側(矢印A2方向)に移動させ、ディスク部88をベーパ管46の端部46A、パージ管52の端部52Aに当接させる(着座させる)。また、OBDユニット72の電磁開閉弁を閉じることによって、キャニスタ14の第2ポート60と大気口64が遮断される。
この結果、ベーパ管46とパージ管52と共通管48とは、相互に全て遮断される。すなわち、キャニスタ14がエンジン50(吸気管16)側、燃料タンク12側、大気口64側のいずれとも遮断される。したがって、キャニスタ14に吸着された燃料が燃料蒸気として大気口64から外部に排出されることが防止される。さらに、エンジン50の非駆動時に、燃料タンク本体21内で発生した燃料蒸気がキャニスタ14に供給され続けることによって、キャニスタ14に燃料蒸気が過剰に吸着されることを防止することができる。
なお、外気温の上昇等によって燃料タンク本体21内の燃料蒸気圧が過剰になった場合には、リリーフ弁102の第1ダイヤフラム弁104が開放されることによって、ベーパ管46からリリーフ管100、共通管48を介してキャニスタ14側に過剰な燃料蒸気を逃すことができる。また、キャニスタ14側、すなわち弁室80及び共通管48の燃料蒸気圧が過剰となった場合には、リリーフ弁102の第2ダイヤフラム弁106が開放されることによって、共通管48からリリーフ管100、ベーパ管46を介して燃料タンク本体21に過剰な燃料蒸気を逃すことができる。
(効果)
燃料タンクシステム10では、機能統合弁18によってベーパ管46、パージ管52、共通管48とを相互に全て連通又は全て遮断する、あるいはベーパ管46と共通管48のみを連通させることが可能である。したがって、車両のエンジン駆動走行時や駐車時、給油時等に用いるため、従来パージ管52とベーパ管46にそれぞれ設けられていた2つの電磁開閉弁を1つの機能統合弁18で代用することができる。したがって、燃料タンクシステム10として用いる電磁弁を1つ削減することができ、燃料タンクシステム10のコストダウンを図ることができる。
機能統合弁18は、プランジャ86の端部に形成されたディスク部88をベーパ管46、パージ管52の端部46A、52Aに当接・離間可能とされると共に、ディスク部88と一体的に設けられた小ディスク部92がパージ管52内に設けられた弁座98に当接・離間可能とされたため、プランジャ86の進退移動のみで機能統合弁18の全開状態、全閉状態、半開状態を切換可能である。
また、エンジン駆動走行時に、所定条件を満たした場合のみ、ベーパ管46、パージ管52と弁室80(共通管48)とを連通可能としたため、キャニスタ14から吸気管16に燃料蒸気を確実に供給すると共に、燃料タンク本体21からキャニスタ14を介することなく吸気管16側に燃料蒸気を供給することができる。すなわち、機能統合弁18の全開時に燃料タンク本体21からキャニスタ14側に燃料蒸気が供給されることが防止される。
さらに、駐車時等、機能統合弁18の全閉時にディスク部88がベーパ管46の端部46A、パージ管52の端部52Aに着座している場合において、燃料タンク本体21側の圧力が過剰に高くなった場合、又は弁室80(共通管48)側の圧力が過剰に高くなった場合には、リリーフ弁102の第1ダイヤフラム弁104又は第2ダイヤフラム弁106が開放されることによって、燃料タンク本体21側の燃料蒸気をキャニスタ14(共通管48)側に、あるいは共通管48側の燃料蒸気を燃料タンク本体21側に逃すことができる。
さらに、駐車中には、機能統合弁18が全閉状態(ベーパ管46と共通管48とパージ管52とを相互に全て遮断)とされていると共に、OBDユニット72の電磁開閉弁が閉じられている。したがって、キャニスタ14が燃料タンク12、大気口64、吸気管16の全てから遮断された状態とされている。したがって、キャニスタ14の活性炭42に吸着されている燃料が拡散により大気口64から大気に放出されることが防止される。また、燃料タンク12内で発生した燃料蒸気がキャニスタ14内の活性炭42に過剰に付着することが防止される。
なお、ECU20では、給油開始を給油スイッチ29からのオン信号の入力に基づいて判定していたが、リッドスイッチ36のオフ(開放)信号で判断するようにしても良い。
また、燃料タンクシステム10におけるエンジン駆動走行時の機能統合弁18の制御方法等は一例であり、本実施形態に限定されるものではない。
さらに、本実施形態では、燃料タンクシステム10をガソリンエンジンで駆動される自動車に適用された例で説明したが、モータ駆動走行も行う、いわゆるハイブリッド車に適用することもできる。
10 燃料タンクシステム
12 燃料タンク
14 キャニスタ
16 吸気管
18 機能統合弁
20 ECU(制御手段)
46 ベーパ管(ベーパ通路)
48 共通管(共通通路)
52 パージ管(パージ通路)

Claims (1)

  1. 燃料が貯留される燃料タンクと、
    前記燃料タンクから燃料蒸気が供給されて吸着されると共に、吸気管に燃料蒸気を供給するキャニスタと、
    前記燃料タンクと前記キャニスタの間に配設された弁室と、
    前記燃料タンクと前記弁室とを接続し、端部が前記弁室に開口している第1開口部とされているベーパ通路と、
    前記弁室と前記キャニスタとを接続する共通通路と、
    前記弁室と前記吸気管とを接続し、端部が前記弁室に開口している第2開口部とされていると共に、内部に孔部が設けられた弁座が設けられたパージ通路と、
    前記弁室内部に配設され、前記第1開口部と前記第2開口部に対して進退自在なプランジャと、前記プランジャの先端に設けられ前記第1開口部と前記第2開口部に当接することにより当該第1開口部と第2開口部を同時に閉塞可能なディスク部と、前記ディスク部に取り付けられ、前記パージ通路内部に挿入され、前記弁座の孔部に挿通された軸体と、前記軸体の先端に取り付けられ前記弁座に着座可能な小ディスク部と、を有する機能統合弁と、
    前記プランジャを前記弁室内で進退させることにより、エンジン駆動走行時に前記ディスク部を前記第1開口部と前記第2開口部から離間させると共に、前記小ディスク部を前記弁座から離間させて前記ベーパ通路と前記パージ通路と前記共通通路とを相互に連通させた全開状態とし、駐車時には前記ディスク部が前記第1開口部と前記第2開口部とを閉塞することで前記ベーパ通路と前記パージ通路と前記共通通路とを相互に遮断させた全閉状態とし、給油時には前記ディスク部を前記第1開口部と前記第2開口部から離間させると共に、前記小ディスク部を前記弁座に当接させることにより、前記ベーパ通路と前記共通通路のみを連通し、前記パージ通路と前記共通通路及び前記ベーパ通路とを遮断させた半開状態となるように前記機能統合弁を制御する制御手段と、
    を備える燃料タンクシステム。
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