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JP6663126B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

エンジンの排気浄化装置 Download PDF

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Description

本発明は、排気中の窒素酸化物を浄化する排気浄化触媒を備えたエンジンの排気浄化装置に関する。
エンジンの排気通路には、排気を浄化するための排気浄化装置が備えられている。例えば、エンジンの排気中のNOx(窒素酸化物)を浄化するために、NOx吸蔵触媒や選択還元触媒等の排気浄化触媒が開発されている。
NOx吸蔵触媒は、リーン雰囲気下でNOxを吸蔵し、リッチ雰囲気下でNOxを窒素に還元する。なお、NOx吸蔵触媒は、低温領域で吸蔵量を多く確保でき、高温領域で吸蔵量が低下する性質を有している。一方、選択還元触媒は、主に高温領域でアンモニア等の還元剤を使用して排気中のNOxを窒素に還元する。
例えば特許文献1には、ディーゼルエンジンの排気通路に、排気中のPM(粒子状物質)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタを設け、ディーゼルパティキュレートフィルタの上流側の排気通路にNOx吸蔵触媒を備えるとともに、ディーゼルパティキュレートフィルタの下流側の排気通路に選択還元触媒を備えた排気浄化装置が開示されている。
特許第4730336号公報
ところで、排気通路にNOx吸蔵触媒を備えたエンジンでは、NOx吸蔵触媒に吸蔵したNOxを除去するために、例えばエンジンの燃料噴射制御によってNOx吸蔵触媒にリッチ空燃比の排気を供給するNOxパージが必要に応じて行われる。
しかしながら、例えば低負荷運転が続いてNOx吸蔵触媒の温度が低下している場合には、NOxパージをすることができず、NOx吸蔵触媒におけるNOx吸蔵量が更に増加する。このようにNOx吸蔵量が増加すると、その後例えば高負荷運転等により排気温度が上昇してNOxパージが開始されたときに、NOx吸蔵触媒からNOxが流出してしまう。特許文献1のようにNOx吸蔵触媒の下流に選択還元触媒を設けている構成では、NOx吸蔵触媒から流出したNOxを選択還元触媒にて還元除去可能であるものの、低負荷運転が続いていた状態では選択還元触媒の温度が低下しており、選択還元触媒においてNOxを十分に除去できず下流に流出してしまうといった虞がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、排気通路に窒素酸化物吸蔵還元触媒及び選択還元触媒を備えたエンジンにおいて、排気浄化性能の優れた排気浄化装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1のエンジンの排気浄化装置では、エンジンの排気通路に設けられ、排気中の窒素酸化物を吸蔵する窒素酸化物吸蔵還元触媒と、前記窒素酸化物吸蔵還元触媒の下流側の前記排気通路に設けられ、還元剤を用いて窒素酸化物を還元除去する選択還元触媒と、前記選択還元触媒に前記還元剤を供給する還元剤供給部と、前記窒素酸化物吸蔵還元触媒の窒素酸化物吸蔵量を推定する窒素酸化物吸蔵量推定部と、前記窒素酸化物吸蔵量が所定の第1の吸蔵量より多くなった状態で、所定のパージ条件が成立した場合には、排気の空燃比をストイキまたはリッチにして、前記窒素酸化物吸蔵還元触媒に吸蔵した前記窒素酸化物を還元するパージ制御を実行するパージ制御部と、前記窒素酸化物吸蔵量が前記第1の吸蔵量より大きい第2の吸蔵量より大きくなった状態で、前記パージ条件が成立しない場合には、排気の空燃比をリーンにした状態で、前記還元剤供給部により前記還元剤を供給して前記選択還元触媒に対する前記還元剤供給前記選択還元触媒の温度を所定温度以上に上昇させる昇温制御を実行する昇温制御部と、を備えることを特徴とする。
また、好ましくは、前記パージ制御部は、前記昇温制御を実行中に前記パージ条件が成立した際には、前記昇温制御から前記パージ制御に強制的に切換えるとよい。
また、好ましくは、前記昇温制御を、前記エンジンの吸気量の絞り及び前記エンジンの燃料噴射量の増加の少なくともいずれか一方により行うとよい。
また、好ましくは、前記還元剤供給部は、前記選択還元触媒の上流側の前記排気通路に尿素水溶液を供給して、当該尿素水溶液が加水分解して得られるアンモニアを前記選択還元触媒に供給するとよい。
また、好ましくは、前記エンジンの負荷が所定値以上である場合には、前記窒素酸化物吸蔵量に拘わらず、前記昇温制御を実行するとよい。
本発明のエンジンの排気浄化装置によれば、排気通路に低温領域で浄化効率の高い窒素酸化物吸蔵還元触媒と高温領域で浄化効率の高い選択還元触媒が設けられているので、広範囲の温度領域で浄化効率を向上させることができる。更に、窒素酸化物の下流側に選択還元触媒が設けられているので、窒素酸化物吸蔵還元触媒から窒素酸化物が流出しても選択還元触媒によって還元除去することができる。
特に、窒素酸化物吸蔵還元触媒が低温で窒素酸化物の還元除去が不能であってパージ条件が成立せずに、窒素酸化物吸蔵量の吸蔵量が多くなった状態では、排気の空燃比をリーンにして排気温度を選択還元触媒の所定温度以上に上昇させる昇温制御を実行することで、燃料消費を抑えつつ選択還元触媒での浄化をすぐに可能にするよう準備させることができる。これにより、パージ制御が開始されたときに、窒素酸化物吸蔵還元触媒から窒素酸化物が流出したとしても、選択還元触媒にて十分に窒素酸化物を還元除去することができ、大気中への窒素酸化物の排出を減少させることができる。
本発明の実施形態におけるエンジンの吸排気系の概略構成図である。 本実施形態のエンジンコントロールユニットにおける排気浄化装置の制御手順を示すフローチャートである。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の排気浄化装置1が適用された第1の実施形態のディーゼルエンジン(以下、エンジン2という)の吸排気系の概略構成図である。
エンジン2は、走行駆動源として車両に搭載されており、多気筒の筒内直接噴射式エンジンであって、図1では簡略して1つの気筒のみ記載している。エンジン2は、各気筒に設けられた燃料噴射ノズル3から、任意の噴射時期及び噴射量で各気筒の燃焼室4内に燃料を噴射可能な構成となっている。
エンジン2の吸気通路5には、新気の流量を調整するための電子制御スロットルバルブ6が設けられている。
エンジン2の排気通路10には、エンジン2から下流に向かって順番に、NOx吸蔵触媒11(窒素酸化物吸蔵還元触媒)、ディーゼルパティキュレートフィルタ12、選択還元触媒13が設けられている。
ディーゼルパティキュレートフィルタ12と選択還元触媒13との間の排気通路10には、尿素水(尿素水溶液)を噴射供給する尿素水インジェクタ14(還元剤供給部)が設けられている。尿素水インジェクタ14には、車両に搭載した図示しない尿素水タンクから尿素水が供給される。
尿素水インジェクタ14から排気通路10内に噴射された尿素水が排気の熱によって加水分解されてアンモニアを発生し選択還元触媒13に到達するように、尿素水インジェクタ14の噴射位置が設定されている。
NOx吸蔵触媒11は、排気中の窒素酸化物(以下、NOx)を貯留し、高温リッチ雰囲気下でNOxを還元除去する。
ディーゼルパティキュレートフィルタ12は、排気中の黒鉛を主成分とする微粒子状物資を捕集する。
選択還元触媒13は、尿素水から生成したアンモニアを還元剤として用いて排気中のNOxを還元浄化する。
また、エンジン2には、EGR装置15が備えられている。EGR装置15は、吸気通路5と排気通路10とを連通するEGR通路16と、EGR通路16を開閉するEGRバルブ17とにより構成されている。
更に、エンジン2には、エンジン2の回転速度を検出する回転速度センサ20が設けられている。エンジン2の吸気通路5には、吸気流量を検出するエアフローセンサ21が設けられている。選択還元触媒13には、選択還元触媒13の温度を検出する選択還元触媒温度センサ22が設けられている。
エンジンコントロールユニット30(窒素酸化物吸蔵量推定部、パージ制御部、昇温制御部)は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、タイマ及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成され、回転速度センサ20、エアフローセンサ21、選択還元触媒温度センサ22等の各種センサの検出情報と、車両のアクセル操作量等の情報を入力し、当該各種情報に基づいて、燃料噴射ノズル3からの燃料噴射量及び燃料噴射時期、電子制御スロットルバルブ6の開度、尿素水インジェクタ14からの尿素水噴射量及び尿素水噴射時期、EGRバルブ17の開度を演算して、上記各種機器の作動制御を行うことで、エンジン2の運転制御を行う。
また、エンジンコントロールユニット30は、ポスト噴射等により、空燃比を14.7以下のストイキまたはリッチとするとともにNOx吸蔵触媒11を所定温度以上に昇温させることで、NOx吸蔵触媒11に貯留したNOxを還元除去するNOxパージを実行する機能を有している(パージ制御部)。
次に、図2を用いて、NOx吸蔵触媒11に貯留されたNOxを還元除去するNOxパージ制御について説明する。
図2は、エンジンコントロールユニット30におけるNOxパージ制御手順を示すフローチャートである。
図2に示す本実施形態の排気浄化装置1の作動制御は、エンジン運転時にエンジンコントロールユニット30において所定期間毎に繰り返し実行される。
始めに、ステップS10では、NOx吸蔵触媒11に吸蔵されているNOx吸蔵量Qa(窒素酸化物吸蔵量)が所定値A(第1の吸蔵量)より大きいか否かを判別する。NOx吸蔵量Qaは、例えば前回のNOxパージ終了から現在までのエンジン2の運転時間及び運転状態に基づいて推定すればよい(窒素酸化物吸蔵量推定部)。所定値Aは、NOxパージを実行するか否かを判別する閾値であり、NOx吸蔵触媒11におけるNOx吸蔵量Qaの最大許容量より少ない値に設定すればよい。NOx吸蔵量Qaが所定値Aより大きい場合には、ステップS20に進む。NOx吸蔵量Qaが所定値A以下である場合には、本ルーチンを終了する。
ステップS20では、NOx吸蔵量Qaが所定値B(第2の吸蔵量)より大きいか否かを判別する。所定値Bは、所謂スリップ判定値であって、所定値Aより大きい値であり、NOxパージを行った際にNOxが還元除去しきれずにNOx吸蔵触媒11から流出してしまうか否かを判別可能な閾値に設定すればよい。NOx吸蔵量Qaが所定値Bより大きい場合には、ステップS30に進む。NOx吸蔵量Qaが所定値B以下である場合には、ステップS60に進む。
ステップS30では、選択還元触媒13におけるアンモニア吸着量Qbが所定値Cより大きいか否かを判別する。アンモニア吸着量Qbは、例えば選択還元触媒13におけるアンモニア吸着量Qbの増加分から消費分を減算して求めればよい。アンモニア吸着量Qbの増加分は、尿素水噴射量と排気温度に依存するアンモニア生成率とアンモニア吸着率との積算値により演算できる。なお、アンモニア吸着率は、アンモニア既吸着量が多い場合に低くなり、選択還元触媒13の温度にも依存する。アンモニア吸着量Qbの消費分は、選択還元触媒13入口のNOx量と選択還元触媒13の温度及びアンモニア既吸着量に依存するNOx浄化率との積算値に、選択還元触媒13の温度及びアンモニア既吸着量に依存する選択還元触媒13から脱離または酸化してしまうアンモニア量を加算した値で求められる。所定値Cは、NOxパージした際にNOx吸蔵触媒11から流出して選択還元触媒13に流入するNOxを十分に還元除去できるアンモニア吸着量に設定すればよい。アンモニア吸着量Qbが所定値Cより大きい場合には、ステップS40に進む。アンモニア吸着量Qbが所定値C以下である場合には、ステップS80に進む。
ステップS40では、選択還元触媒温度センサ22から選択還元触媒温度Tbを入力し、選択還元触媒温度Tbが所定値T1(所定温度)より低いか否かを判別する。所定値T1は、選択還元触媒13においてNOxを十分に還元除去可能となる活性温度に設定すればよい。選択還元触媒温度Tbが所定値T1より低い場合には、ステップS50に進む。選択還元触媒温度Tbが所定値T1以上である場合には、ステップS60に進む。
ステップS50では、選択還元触媒活性用昇温制御(昇温制御)を実行する(昇温制御部)。選択還元触媒活性用昇温制御は、電子制御スロットルバルブ6によって吸気量を絞ったり、燃料噴射ノズル3からの燃料噴射量を増加したりすることで、排気温度を上昇させる。なお、ここでは、NOx吸蔵触媒11からNOxが流出しないように、排気の空燃比をNOxパージの際よりもリーン側に制御する。例えば、本実施形態のエンジン2が通常燃焼時に空燃比20程度のリーンバーンエンジンである場合には、NOxパージ時には空燃比14.7以下のストイキまたはリッチ燃焼とし、本ステップの選択還元触媒活性用昇温制御及び後述するステップS90におけるアンモニア発生用昇温制御では、空燃比を17〜18程度のスライトリーンにすればよい。すなわち、通常のリーン燃焼よりリッチ側には空燃比を変更するものの、空燃比としては14.7以上のリーン燃焼を実施するものである。これにより、NOxの流出増加を抑えつつ選択還元触媒13を昇温することが可能となる。なお、このようにスライトリーンにしてもNOxの流出が抑えられるのは、NOx吸蔵触媒に吸蔵されたNOxは硝酸塩(硝酸バリウムなど)として蓄積されることから、硝酸塩を分解してNOxを放出するには還元雰囲気にする必要があるため、スライトリーンではNOx は放出されないからである。そして、ステップS60に進む。
ステップS60では、NOxパージ条件が成立しているか否かを判別する。NOxパージ条件は、例えばNOx吸蔵触媒11の温度がNOxパージ可能な所定温度(第1の所定温度)以上であることを検出したり、高負荷運転であることを判定したりすればよい。NOxパージ条件が成立している場合には、ステップS70に進む。NOxパージ条件が成立していない場合には、本ルーチンを終了する。
ステップS70では、NOxパージ(パージ制御)を実行する。NOxパージは、上記のように、ポスト噴射等により、NOx吸蔵触媒11をパージ可能な第1の所定温度以上に維持しつつ空燃比を14.7以下のストイキまたはリッチとすることで行なわれる。そして、本ルーチンを終了する。
ステップS80では、選択還元触媒温度センサ22から選択還元触媒温度Tbを入力し、選択還元触媒温度Tbが所定値T2より低いか否かを判別する。所定値T2は、尿素水が加水分解されてアンモニアが発生する温度に設定すればよい。選択還元触媒温度Tbが所定値T2より低い場合には、ステップS90に進む。選択還元触媒温度Tbが所定値T2以上である場合には、ステップS100に進む。
ステップS90では、アンモニア発生用昇温制御を実行する。アンモニア発生用昇温制御は、尿素水インジェクタ14から噴射した尿素水を加水分解してアンモニアを発生させ、選択還元触媒13に吸着させるための制御であり、ステップS50における選択還元触媒活性用昇温制御と同様に、吸気量を絞ったり、燃料噴射量を増加したりすることで、排気温度を上昇させる。そして、ステップS100に進む。
ステップS100では、尿素水インジェクタ14から、選択還元触媒13においてNOxを還元除去するための尿素水を噴射させる。そして、ステップS30に戻る。
以上のように、本実施形態では、排気通路10に低温領域で浄化性能の優れたNOx吸蔵触媒11と高温領域で浄化性能の優れた選択還元触媒13を備えているので、広範囲の排気温度でNOxの浄化性能を向上させることができる。NOx吸蔵触媒11にNOxが所定値Aを超えて多く吸蔵された場合には、NOxパージが要求されるが、例えばアイドリング運転のような低負荷運転が継続されてNOx吸蔵触媒11の温度が低下し、NOxパージが不能である場合には、NOx吸蔵触媒11におけるNOx吸蔵量Qaが更に増加する。本実施形態では、NOxの発生を抑える装置としてEGR装置15を備えているが、アイドリング運転のような運転状況では燃焼安定性を確保するため、排気の還流量が抑えられ、NOxの発生を十分に抑制することが困難である。
そこで、本実施形態では、NOx吸蔵触媒11におけるNOx吸蔵量Qaがスリップ判定値である所定値Bより大きくなってしまった場合に選択還元触媒活性用昇温制御を行うことで、排気温度を上昇させて選択還元触媒13の温度を活性温度である所定値T1まで上昇させる。これにより、NOx吸蔵触媒11からNOxが流出したとしても、NOx吸蔵触媒11の下流の選択還元触媒13によって浄化することができ、大気中へのNOxの排出を減少させることができる。また、この昇温制御では空燃比をリーンに留めておくことで、燃料消費を抑えることができる。
また、NOx吸蔵触媒11におけるNOx吸蔵量Qaが所定値Bより大きく、かつ選択還元触媒13のアンモニア吸着量Qbが所定値Cに達していない場合には、アンモニア発生用昇温制御を行って尿素が加水分解できる温度まで選択還元触媒13を昇温させた上で尿素水を噴射しておくことで、選択還元触媒13を十分に活性化させておくだけでなく選択還元触媒13のアンモニア吸着量Qbを十分に確保しておくことができる。
以上のように、本実施形態では、NOx吸蔵量Qaが所定値Aを超えてNOxパージが要求されている状態において、NOx吸蔵触媒11におけるNOx吸蔵量Qaがスリップ判定値より大きくなった場合には、NOxパージから昇温制御(昇温制御、アンモニア発生用昇温制御)に切換えて行うことで、NOxパージが不能であるときに選択還元触媒13にアンモニアを十分に吸着させるとともに十分に活性化させておき、選択還元触媒13においてNOxの浄化を可能に準備させておくことができる。したがって、例えば高負荷運転が行なわれてNOxパージが可能となったときに、NOxパージの開始時においてNOx吸蔵触媒11からNOxが流出したとしても選択還元触媒13によってすぐにかつ十分に浄化することができ、大気中へのNOxの排出を減少させ、排気浄化性能を向上させることができる。また、これらの昇温制御によりNOx吸蔵触媒11も昇温するので、NOxパージの開始を早めることができる。
なお、以上の実施形態では、NOx吸蔵触媒11におけるNOx吸蔵量Qaがスリップ判定値である所定値Bより大きくなった際に昇温制御を行うが、NOx吸蔵量が所定値B以下であり通常燃焼である場合でも、エンジン2の負荷が所定値以上の高負荷運転状態である場合には、図2に示す作動制御のステップS30以降を実施するようにしてもよい。この所定値は、NOx吸蔵触媒11が高温となってNOxが流出するような運転状態での負荷である。
このように、高負荷運転においても選択還元触媒13の昇温制御を行うことで、NOx吸蔵触媒11のNOxの浄化率が低下してNOx吸蔵触媒11からNOxが流出する高温下においても、NOx吸蔵触媒11の下流の選択還元触媒13において十分にNOxを除去することができ、大気中へのNOxの排出を抑制することができる。
また、本願発明は、上記実施形態に限定するものではない。本願発明は、排気浄化装置として排気通路にNOx吸蔵触媒及び選択還元触媒を備えたエンジンに広く適用することができる。
2 エンジン
10 排気通路
11 NOx吸蔵触媒(窒素酸化物吸蔵還元触媒)
13 選択還元触媒
14 尿素水インジェクタ(還元剤供給部)
30 エンジンコントロールユニット(窒素酸化物吸蔵量推定部、パージ制御部、昇温制御部)

Claims (5)

  1. エンジンの排気通路に設けられ、排気中の窒素酸化物を吸蔵する窒素酸化物吸蔵還元触媒と、
    前記窒素酸化物吸蔵還元触媒の下流側の前記排気通路に設けられ、還元剤を用いて窒素酸化物を還元除去する選択還元触媒と、
    前記選択還元触媒に前記還元剤を供給する還元剤供給部と、
    前記窒素酸化物吸蔵還元触媒の窒素酸化物吸蔵量を推定する窒素酸化物吸蔵量推定部と、
    前記窒素酸化物吸蔵量が所定の第1の吸蔵量より大きい第2の吸蔵量より大きくなった状態で、所定のパージ条件が成立した場合には、排気の空燃比をストイキまたはリッチにして、前記窒素酸化物吸蔵還元触媒に吸蔵した前記窒素酸化物を還元するパージ制御を実行するパージ制御部と、
    前記窒素酸化物吸蔵量が前記第1の吸蔵量より大きい第2の吸蔵量より大きくなった状態で、前記パージ条件が成立しない場合には、排気の空燃比をリーンにした状態で、前記還元剤供給部により前記還元剤を供給して前記選択還元触媒に対する前記還元剤供給前記選択還元触媒の温度を所定温度以上に上昇させる昇温制御を実行する昇温制御部と、
    を備えることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 前記パージ制御部は、前記昇温制御を実行中に前記パージ条件が成立した際には、前記昇温制御から前記パージ制御に強制的に切換えることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 前記昇温制御は、前記エンジンの吸気量の絞り及び前記エンジンの燃料噴射量の増加の少なくともいずれか一方により行われることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの排気浄化装置。
  4. 前記還元剤供給部は、前記選択還元触媒の上流側の前記排気通路に尿素水溶液を供給して、当該尿素水溶液が加水分解して得られるアンモニアを前記選択還元触媒に供給することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンジンの排気浄化装置。
  5. 前記エンジンの負荷が所定値以上である場合には、前記窒素酸化物吸蔵量に拘わらず、前記昇温制御を実行することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエンジンの排気浄化装置。
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