以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ゲーム機3は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。ゲーム機3は、各種のカードをプレイに使用するカードゲームを提供するカードゲーム機として構成されている。より具体的には、ゲーム機3は、このようなカードゲームとして、各選手に対応するカードを利用し、各カードに対応する選手をゲーム中に再現しつつ、各選手への指示や育成等を通じて監督としての役割をプレイするシミュレーション形式の野球ゲームを提供する。なお、ゲーム機3は、このような野球ゲーム、カードゲーム、或いはシミュレーション形式に限定されず、適宜に各種のゲームを提供してよい。
ゲームシステム1には、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3に野球ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部23が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、ユーザに野球ゲームを含む各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部23には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDも記録される。サーバ用データSDは、野球ゲーム用の各種のデータを含み得るが、このようなデータとして図2の例ではキャラクタデータ25及びカードデータ26が示されている。
キャラクタデータ25は、野球ゲームの各選手を定義するパラメータを管理するためのデータである。キャラクタデータ25では、各選手を識別するために選手毎にユニークなキャラクタIDを介して各選手の初期パラメータ(変更前の基礎的なパラメータ)が管理される。各選手は、ゲーム開始当初は、キャラクタデータ25に基づいて同じパラメータの値によって定義される。一方、カードデータ26は、野球ゲーム用の各カードに関連付けられる情報を管理するためのデータである。このような情報には、パラメータの変化分(選手毎の成長分)の情報も含まれる。カードデータ26では、各カードを識別するためにカード毎にユニークなカードIDを介して、このような各カードの情報が管理される。さらに、カードデータ26では、ユーザIDを介して各カード(後述の各選手に対応する選手カードの場合、各キャラクタ)に関連付けられるユーザ(所有者)も管理される。キャラクタデータ25、及びカードデータ26の詳細は更に後述する。
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、サービス提供部24が設けられる。サービス提供部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム提供部33が設けられる。ゲーム提供部33は、ゲームの進行に必要な各種の処理を実行するとともに、センターサーバ2のサービス提供部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。具体的には、ゲーム提供部33は、例えば、このようなゲームの進行に必要な各種の処理の一部として、再現処理、カード発行処理、及びパラメータ引継処理を実行する。これらの処理の手順については後述する。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図2の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、プログラムPG2に従ってユーザに所定の野球ゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、例えば野球ゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータ、或いは前回までのプレイ結果(過去の実績)等の各ユーザに固有の内容を次回以降に引き継ぐためのプレイデータといった各種のデータを含んでいてよいが、図2の例ではキャラクタデータ25、及びカードデータ26が示されている。キャラクタデータ25及びカードデータ26は、必要な部分を含むように配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。
また、ゲーム機3には、モニタMO、及びプリンタ38が制御ユニット31の出力装置として、タッチパネルTP、及びリーダ36が制御ユニット31の入力装置として、それぞれ設けられている。モニタMOは、野球ゲームを提供するためのゲーム画面を表示する周知の表示装置である。プリンタ38は、制御ユニット31からの出力信号に基づいて、画像、各種コード等の記号、或いは文字等を印刷するための周知の出力装置である。プリンタ38は、このような印刷を通じてカード39を生成(排出、或いは発行)する。一方、タッチパネルTPは、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力(制御ユニット31に入力)する周知の入力装置である。リーダ36は、ユーザが所持するカード39から情報を取得するための装置である。リーダ36は、例えば、所定の規則に従って生成されたコード(パターン)を介して各種の情報がカード39に記録されている場合に、そのようなコードを介して(それを読み取ることにより)そのコードに含まれる情報を取得するように構成される。具体的には、例えばゲームに各選手を再現するためのカード39には、選手の再現に必要な情報としてカード39毎にユニークなカードIDの情報を記録するコードが印刷される。そして、リーダ36は、このようなカードIDの情報を取得するために、カード39に印刷されたコードの読み取りに使用される。
なお、各選手に対応するカード39のコードは、例えばカードデータ26によって各カード39に対応するキャラクタIDの情報が管理されていない場合等、各種の情報としてキャラクタIDの情報を更に含んでいてよい。一方で、ユーザ毎に各選手のパラメータが管理される場合には、カードIDの代わりにユーザ毎にユニークなユーザIDの情報がコードを介して各カード39に記録されていてもよい。つまり、カードIDの情報は省略され、各カード39にはユーザID及びキャラクタIDの情報が記録されていてもよい。あるいは、このようなコードは、選手の再現に必要な情報として各カード39に対応する選手のパラメータの情報自体を含んでいてもよい。また、リーダ36は、例えばその他にも近距離無線通信を利用してカード39の情報を取得するように構成されてもよい。この場合、カード39には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体が設けられ、それらを介してカードID等の情報が記録されていてよい。また、それらのICチップ等への情報の書き込みを通じてカード39が生成されてもよい。同様に、ゲーム機3には、例えば、その他にも公知のゲーム機と同様に各種の出力装置或いは入力装置が接続され得る。例えば、そのような入力装置には、現金、代替硬貨、メダル、電子通貨(ポイントを含む)等を利用してユーザからゲームに必要な所定の対価を徴収するための対価徴収装置が含まれてもよい。そして、そのような装置によって、例えば電子通貨の残量を記録するカードを介して電子通貨等の各種の対価が徴収されてよい(カード39に電子通貨が記録される場合等、リーダ36が対価徴収装置として機能してもよい)。
次に、図3及び図4を参照して、ゲーム機3が提供する野球ゲームにおいて使用されるカード39について説明する。カード39は、キャラクタとしての各選手を定義するパラメータを特定するためのカードIDを記録するカード39(以下、選手カード39と呼ぶ場合がある)を含んでいる。選手カード39は、各選手を野球ゲームに再現するために使用されるカード39である。このような選手カード39に対応する選手が野球ゲームに再現され、野球ゲームはそのような選手を通じてプレイされるが、初回プレイの場合等、選手カード39を所有していない場合もある。このため、野球ゲーム内には、予めチーム毎に所定数の選手が用意されている。各ユーザは、初回プレイの場合等、選手カード39を所有していない場合には、希望のチームを選択のうえ、そのチームに所属する各選手のうちからスターティングメンバー、つまり試合用の9名(いわゆるDH制の場合は10名)の選手を選択し、各選手カード39に対応する選手の代わりにそれらの9名の選手を通じて試合をプレイする。スターティングメンバーを構成するに十分な選手カード39をユーザが所有していない場合も、残りのスターティングメンバーはチーム毎に予め用意された各選手から選択される。そして、そのような野球ゲームを通じてゲーム内に用意された複数の選手の一部が各ユーザの所有する選手となるように選手カード39として発行される。このため、野球ゲームに予め用意された複数の選手、及び各ユーザが所有する選手カード39に対応する選手が、本発明の複数のキャラクタ、及び一部のキャラクタ(所有キャラクタ)としてそれぞれ機能する。
図3は、選手カード39の種類の一例を説明するための説明図である。図3に示すように、選手カード39は、通常型の選手カード39N、及び特別型の選手カード39Sを含んでいる。通常型の選手カード39Nは、野球ゲームのプレイを通じてゲーム機3によって生成(排出)され、ユーザUに付与される選手カード39である。通常型の選手カード39Nは、通常選手カード39N1、及び当選カード39N2を含んでいる。一方、特別型の選手カード39Sは、ゲーム機3よりも設備の整った工場PFによって生成(生産)される選手カード39である。特別型の選手カード39Sは、特別選手カード39S1を含んでいる。特別選手カード39S1は、通常型の選手カード39Nのうち、当選カード39N2との交換によりユーザUの手に渡る選手カード39である。このため、特別選手カード39S1は、ゲーム機3において当選カード39N2が発行された場合の景品として機能する。
具体的には、通常選手カード39N1は、野球ゲームにおいて付与条件が満たされた場合に発行される。付与条件は、例えば野球ゲームのプレイ毎に毎回満たされる。このため、野球ゲームをプレイすると、毎回選手カード39が発行される。また、その際に発行される選手カード39の選手は、対象抽選を通じて予め野球ゲーム内に用意された複数の選手から抽選で決定される。つまり、通常選手カード39N1は、野球ゲームのプレイ毎に毎回対象抽選を通じて決定された対象の選手に対応するように発行される。また、通常選手カード39N1には、各選手に固有のキャラクタ情報が印刷される。例えば、このようなキャラクタ情報には、選手の名前、所属するチーム名、背番号等の各種パラメータの情報、選手の図柄(画像)を示す情報、各選手カード39の種類或いは希少性を示す情報、及びこれらを特定するための特定情報としてのカードIDの情報を含むコードを示す情報が含まれる。なお、付与条件は、上述の場合に限定されず、例えばユーザが選手カード39の発行を希望した(希望する操作をした)場合、或いは試合に勝利した場合等のプレイ状況が所定の結果を満たした場合等、適宜の場合に満たされてよい。つまり、通常選手カード39N1は、適宜の付与条件に基づいて発行されてよい。同様に、発行対象の選手カード39の選手も、上述の抽選に限定されず、ユーザの選択、或いはプレイ状況等の適宜の条件に基づいて決定されてよい。
一方、当選カード39N2は、当選条件が満たされた場合に発行される。当選条件は、付与条件とは別の条件である。当選条件として、例えば、当選カード39N2を発行するための景品抽選における抽選結果が利用される。具体的には、当選条件は、このような景品抽選において当選に対応する抽選結果が得られた場合(換言すれば、景品抽選において当選した場合)に満たされる。また、このような景品抽選は、発行対象の選手を決定するための対象抽選よりも前に実行される。つまり、野球ゲームがプレイされる(付与条件が満たされる)と、まず景品抽選が実行され、その景品抽選において当選した場合に当選カード39N2が発行対象の選手カード39として決定され、発行される。一方、景品抽選において当選しなかった場合(ハズレの場合)に通常選手カード39N1が発行対象の選手カード39として決定され、その対象の選手を決めるために対象抽選が実行される。そして、その対象抽選で決定された選手に対応する通常選手カード39N1が実際に発行される。
また、当選カード39N2には、キャラクタ情報の代わりに当選情報が印刷される。当選カード39N2は、特別選手カード39S1と引き換えるための引換券、換言すれば特別選手カード39S1を所有するための所有権として機能する選手カード39である。このため、当選情報は、このような引換券(所有権)としての役割を果たすための引き換え用の情報を含んでいる。具体的には、当選情報は、このような引き換え用の情報(所有権に関連する情報)として、例えば、当選を示す文字(記号)等の景品抽選の結果を示す結果情報、引き換え有効期間(引き換え期限)を示す期限情報、引き換え可能場所を示す場所情報等の引き換えに必要な情報を含んでいる。つまり、当選カード39N2には、これら当選を示す文字、引き換え有効期間等の情報が表示される。さらに、当選カード39N2も選手カード39の一種として機能するため、通常選手カード39N1と同様に、当選カード39N2には当選カード39N2に対応する選手を特定するためのカードIDの情報を含むコードが印刷される。より具体的には、当選カード39N2は引き換え対象の特別選手カード39S1と同様の選手に対応する選手カード39として機能する。このため、当選情報は、このような選手を特定するためのカードIDの情報を含むコードを示す情報を含んでいる。結果として、この例においてこのような当選情報が本発明の関連情報として機能する。なお、当選対象の選手が複数存在する場合には、当選カード39N2の発行対象を決めるために、景品抽選は発行対象の選手が決定されるように実行されてよい。具体的には、景品抽選は、単に当選か否か決定する方式ではなく、複数の当選対象の選手のいずれかを示すように当選が決定される方式により実現されてよい。つまり、複数の当選対象の選手にそれぞれ対応するように複数の当選が景品抽選に含まれていてよい。また、当選条件は、抽選に限定されない。例えば、プレイ状況、或いはユーザの選択結果等の適宜の条件が利用されてよい。
また、特別選手カード39S1は、当選カード39N2との引き換え用に景品として用意された選手カード39である。特別選手カード39S1には、通常選手カード39N1と同様にパラメータの情報等を含むキャラクタ情報が印刷される。一方で、特別選手カード39S1は、工場PFにおいてプリンタ38よりも高精細、精巧な印刷が可能な印刷機を通じて生産される。このため、特別選手カード39S1は、特殊な印刷が施されていたり、選手の図柄の背景が豪華に演出されていたりといった具合に通常選手カード39N1と仮に同じ選手に対応していたとしても価値が相違している。希少性も通常選手カード39N1より高い。この例において、選手カード39が本発明のキャラクタ記録媒体として機能する。また、通常選手カード39N1、当選カード39N2、及び特別選手カード39S1、が本発明の所有キャラクタ記録媒体、関連記録媒体、及び特別記録媒体としてそれぞれ機能する。
なお、通常選手カード39N1のキャラクタ情報と特別選手カード39S1のキャラクタ情報とは完全に一致していてもよいし、一部において相違していてもよい。例えば、上述のとおり選手の図柄の背景が通常選手カード39N1と比べて豪華であってもよい。つまり、同じ選手を示す図柄であっても、その装飾の内容は相違していてもよい。さらに、同じ選手であっても、姿勢や服装等の変化により選手を示す図柄が相違していてもよい。また、希少性を示す情報の内容が互いに相違していてもよい。あるいは、通常選手カード39N1と特別選手カード39S1との間の相違は、印刷方式だけであってもよい。つまり、特別選手カード39S1に表示されるキャラクタ情報は通常選手カード39N1と完全に一致していてもよい。あるいは反対に、特別選手カード39S1のために専用の選手が用意され、対象の選手の相違(換言すれば選手の価値の相違)により特別選手カード39S1は通常選手カード39N1と相違していてもよい。同様に、通常選手カード39N1と特別選手カード39S1とは、ゲーム機3の読み込みに使用される情報の記録方法が相違していてもよい。例えば、このような情報(例えばカードIDの情報)は、通常選手カード39N1にはコードを介して記録される一方で、特別選手カード39S1にはICチップ等の上書き可能な媒体を介して記録されていてもよい。この場合、特別選手カード39S1のゲームへの使用に伴い、ゲームのプレイ状況に応じた変化が記録される場合でも、そのような上書き可能な媒体の記録内容の更新を通じて同じ特別選手カード39S1を継続的に使用し続けることができる。一方で、鑑賞等に用途が限定されるように、このような情報の記録は省略され、特別選手カード39S1のゲーム機3での使用が制限されてもよい。
図4は、当選カード39N2が特別選手カード39S1と引き換えられる場合の引き換えの手順の一例を説明するための説明図である。図4に示すように、特別選手カード39S1は工場PFから店舗6に納品され、店舗6において当選カード39N2と交換される。つまり、ユーザUは、店舗6に当選カード39N2を持参し、そこで当選カード39N2を特別選手カード39S1と引き換える。このため、店舗6に特別選手カード39S1の在庫がない場合等、当選カード39N2が特別選手カード39S1と引き換えられるまでに時間がかかってしまう場合がある。一方で、当選カード39N2も選手カード39であることから、ゲーム機3において野球ゲームで使用され、そのような野球ゲームのプレイを通じて当選カード39N2に対応する選手のパラメータに変化が生じている場合もある。このような場合、その変化の内容はカードデータ26を介して特別選手カード39S1に対応する選手にも引き継がれる。
具体的には、選手カード39に対応する選手のパラメータの変化分(差分)の情報は、その選手カード39に固有の情報としてカードIDを介してカードデータ26によって管理される。これは選手カード39の一種である当選カード39N2も同様である。このため、当選カード39N2がゲーム機3で使用される場合、その当選カード39N2に印刷されたコードを介してその当選カード39N2を示すカードIDの情報が取得され、そのカードIDにカードデータ26を介して関連付けられるパラメータの情報に基づいて当選カード39N2に対応する選手がゲーム内に再現される。同様に、野球ゲームを通じて、その当選カード39N2に対応する選手のパラメータに変化が生じた場合、その変化後のパラメータもカードデータ26によって管理される。つまり、プレイ状況に基づくパラメータの変化はカードデータ26に反映される。そして、カードデータ26では、当選カード39N2のカードIDと、引き換え対象の特別選手カード39S1に対応するカードIDとが関連付けられるように管理される。このため、カードデータ26を介して当選カード39N2に対応する選手と、特別選手カード39S1に対応する選手とは同じパラメータによって再現される。
図4の例では、特別選手カード39S1には、キャラクタ情報の一種として、この特別選手カード39S1に対応する特定の選手を示す選手画像(図柄)BPが表示されている。一方、当選カード39N2には当選情報の一種として“当たり”を示す情報が表示されているが、この当選カード39N2も同じ特定の選手BPに対応している。このため、当選カード39N2の使用に伴い、モニタMOに表示されるゲーム画面50には特定の選手の選手画像BPがカードデータ26のパラメータに基づいて再現され、表示されている。同様に、特別選手カード39S1がゲーム機3で使用される場合も、カードIDを介して同じカードデータ26のパラメータが特定の選手の再現に使用される。つまり、特別選手カード39S1に対応する選手画像BP(特定の選手)と、当選カード39N2に対応する選手画像BP(特定の選手)とは、カードデータ26を介して同じパラメータによって再現される。結果として、当選カード39N2の使用に伴い特定の選手のパラメータに変化が生じている(例えば選手が成長している)場合、その変化の内容は特別選手カード39S1によって再現される特定の選手のパラメータに反映される。つまり、当選カード39N2と特別選手カード39S1との間でパラメータの変化に関する引継が実現される。また、この例において、特定の選手に対応する選手画像BP、カードデータ26、及びそこに含まれるパラメータ(厳密には、このようなパラメータとキャラクタデータ25のパラメータとの合算)が、本発明の特定のキャラクタ、引き継ぎデータ、及び変化後のパラメータとしてそれぞれ機能する。
なお、当選カード39N2は、引換専用のカード39としてゲーム機3での使用が制限されてもよい。具体的には、例えば、当選カード39N2には、コードの印刷が省略されてもよい。つまり、当選カード39N2には、ゲーム機3で選手の再現に使用される情報(リーダ36の読み取り用の情報)が記録されていなくてもよい。あるいは、特別選手カード39S1と引き換えられた後に当選カード39N2の使用が制限されてもよい。このような制限は、例えばカードIDの管理によって実現されてよい。具体的には、選手の使用を制限するカードIDを管理するための無効カードデータに引き換え後の当選カード39N2に対応するカードIDを追加することにより、このような制限が実現されてよい。これにより、引き換え後の当選カード39N2が不正な目的(例えば引き換えが有効との誤った情報に基づく引き換え目的等)で取引されることを抑制することができる。このため、このような制限が実現される場合、当選カード39N2は特別選手カード39S1との引き換え後にユーザに戻されてもよい。同様に、このような制限に伴い、当選カード39N2が使用される場合に選手の再現に使用されるパラメータの成長分はリセットされてもよい。具体的には、カードデータ26で管理される当選カード39N2の成長分のパラメータ、及び特別選手カード39S1のカードIDとの関連付けがリセットされてよい。この場合、特別選手カード39S1のカードIDに対応するパラメータの成長分(リセット前の成長分)が別途管理されるようにカードデータ26が更に更新されてよい。また、このような制限は、引き換え期限後に適用されてもよい。つまり、引き換え期間経過後は、当選カード39N2の使用が制限されてもよい。これにより、引き換えを促進することができる。さらに、当選カード39N2(所有権)がユーザと関連付けられて管理される場合、そのようなユーザの希望、或いは別のユーザによる当選カード39N2の使用等の不正条件に基づいて当選カード39N2の使用が制限されてもよい。同様に、当選カード39N2の交換が管理される場合は、そのような交換自体が制限されてもよい。また、当選カード39N2と特別選手カード39S1との間の引き換えは、店舗6に限定されず、適宜の場所で実行されてよい。例えば、このような引き換えは、専用或いは兼用の各種の施設において実行されてもよいし、ユーザUの住所等が管理されている場合はそのような場所への配送(郵送等)によって実現されてもよい。特別選手カード39S1が配送される場合、配送後の当選カード39N2の使用は再現時に再現不可とすることにより制限されてもよいし、引き続き許容されてもよい。
次に、キャラクタデータ25、及びカードデータ26の詳細について説明する。図5は、キャラクタデータ25の構成の一例を示す図である。図5に示すように、キャラクタデータ25は、各選手の基礎(初期)パラメータを選手毎に管理するキャラクタレコード25Rを含んでいる。また、キャラクタレコード25Rは、“キャラクタID”、及び“パラメータ(初期)”の情報を含んでいる。“キャラクタID”は、上述のキャラクタIDを示す情報である。キャラクタIDは、同じ選手(例えば選手画像BPに対応する同じ特定の選手間)には同じIDが使用される。“パラメータ(初期)”は、各選手の初期パラメータの内容を示す情報である。各選手は、ゲーム開始当初は、“パラメータ(初期)”に基づいて同じパラメータ(“パワー:50”等)によって定義される。キャラクタレコード25Rには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この場合、キャラクタデータ25の“パラメータ(初期)”に対応するパラメータが本発明の変化前のパラメータとして機能する。
図6は、カードデータ26の構成の一例を示す図である。より具体的には、図6の例は、各選手カード39に対応するカードデータ26の構成の一例を示している。この場合、図6に示すように、カードデータ26は、各選手カード39に固有の各種の情報を選手カード39毎に管理するカードレコード26Rを含んでいる。また、カードレコード26Rは、“カードID”、“キャラクタID”、“ユーザID”、“パラメータ(差分)”、“種別”、及び“引継”の情報を含んでいる。つまり、図6の例では、これらの情報が各選手カード39に関連付けられている。
“カードID”、“キャラクタID”、及び“ユーザID”は、上述のカードID、キャラクタID、及びユーザIDをそれぞれ示す情報である。これらの“キャラクタID”のキャラクタID、及び“ユーザID”のユーザIDの情報によって各選手(例えば図4の例の選手画像BPに対応する特定の選手)と各ユーザUとが関連付けられる。“パラメータ(差分)”は、基礎(初期)パラメータからの変化分(差分)のパラメータの内容(“パワー:1”等)を示す情報である。つまり、各選手カード39の選手に固有の成長分(変化分)は“パラメータ(差分)”としてカードデータ26によって管理される。そして、各選手カード39の選手がゲームにおいて使用される場合には、キャラクタデータ25の“パラメータ(初期)”(“パワー:50”等)及びカードデータ26の“パラメータ(差分)”(“パワー:1”等)の情報によって各選手カード39の選手がゲームに再現される。なお、各選手カード39の選手に固有の成長分は、各種条件により変動してよい。つまり、同じ選手に対応する選手カード39であっても、選手カード39毎に成長後のパラメータに差がついてよい。
また、“種別”は、カードの種別(例えば、通常選手カード39N1、及び当選カード39N2等を区別する情報が種別を示す情報として利用されてよい)を示す情報である。“種別”の情報によって、同じ選手に対応する選手カード39であっても別々の種別として管理される。“引継”は、“パラメータ(差分)”の引継先を示す情報である。“引継”の情報は、例えば、当選カード39N2と特別選手カード39S1との間のパラメータの引継に使用される。このため、“引継”の情報として、特別選手カード39S1を示すカードIDの情報が記述される。より具体的には、当選カード39N2に対応する“カードID”の情報に引継先の特別選手カード39S1に対応するカードIDの情報が“引継”の情報として記述される。カードレコード26Rには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
次に、図7〜図9を参照して、ゲーム提供部33が実行する再現処理、カード発行処理、及びパラメータ引継処理について説明する。再現処理は、各選手カード39に対応する選手をゲームに再現する(登場させる)ための処理である。ゲーム提供部33は、例えば対価の徴収等、所定のゲーム開始条件が満たされた場合に図7の再現処理を開始し、まずリーダ36を介して読み取りが実行された選手カード39のカードIDの情報を取得する(ステップS101)。この取得は、読み取り結果に基づいてリーダ36が出力する出力信号に基づいて実行される。続いてゲーム提供部33は、ステップS101で取得したカードIDが既に登録(読み取り)済みのカードIDに該当するか否か判別する(ステップS102)。ステップS101で取得したカードIDが既に登録済みのカードIDに該当する場合、ゲーム提供部33はモニタMOにエラー(登録不可)を表示させる(ステップS103)。そして、ゲーム提供部33は、エラーの表示後に今回の処理を終了する。
一方、ステップS101で取得したカードIDが既に登録済みのカードIDに該当しない場合、ゲーム提供部33はその取得したカードIDに対応する選手の再現用のパラメータを生成する(ステップS104)。具体的には、ゲーム提供部33は、まずステップS101で取得したカードIDに対応するカードデータ26を取得する。続いてゲーム提供部33はカードデータ26に基づいてそのカードIDに対応するキャラクタIDを特定し、そのキャラクタIDに対応するキャラクタデータ25を取得する。そして、ゲーム提供部33は、キャラクタデータ25の“パラメータ(初期)”(“パワー:50”等)及びカードデータ26の“パラメータ(差分)”(“パワー:1”等)の情報に基づいて再現用のパラメータ(“パワー:51”等)を生成する。つまり、ゲーム提供部33は、初期パラメータと成長分のパラメータとを合算することにより再現用のパラメータを生成する。
続いてゲーム提供部33は、ステップS104で生成した再現用のパラメータに基づいて選手をゲーム中に再現する(ステップS105)。つまり、ゲーム提供部33は、再現用のパラメータによって定義される選手をゲーム中に登場させる。そして、ゲーム提供部33は、ステップS105において選手を再現した後に今回の処理を終了する。これにより、各選手カード39に対応する選手がゲーム中に再現される。
一方、カード発行処理は、付与条件に基づいて選手カード39を発行するための処理である。図8の例は、当選条件に基づいて当選カード39N2が発行される場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、付与条件が満たされる場合に図8のカード発行処理を開始し、まず新しく発行する選手カード39に対応するカードIDを新しく付与する(ステップS201)。続いてゲーム提供部33は、その発行したカードIDに対応するカードレコード26Rをカードデータ26に追加する(ステップS202)。次にゲーム提供部33は、景品抽選を実行する(ステップS203)。つまり、ゲーム提供部33は、景品(特別選手カード39S1)を発行すべきか否かを決定するための景品抽選を実行する。そして、ゲーム提供部33は、景品抽選の結果に基づいて当選条件が満たされるか否か判別する(ステップS204)。具体的には、ゲーム提供部33は、景品抽選の結果が当選に該当するか否か判別する。また、複数の当選対象の選手が存在している場合には、ゲーム提供部33は、景品抽選の結果に基づいて当選対象の選手も判別する。
当選条件が満たされない場合、つまり景品抽選の結果が当選ではない場合(ハズレの場合)、ゲーム提供部33は、今回発行対象の選手カード39を通常選手カード39N1に決定し、その発行対象の選手を決定するための対象抽選を実行する(ステップS205)。一方、当選条件が満たされる場合、つまり景品抽選の結果が当選に該当する場合(当たりの場合)、ゲーム提供部33は景品付与を決定する(ステップS206)。より具体的には、ゲーム提供部33は、景品付与の決定として、今回発行対象の選手カード39を特別選手カード39S1の引換券(所有権)として機能する当選カード39N2に決定する。そして、ステップS206において今回発行対象の選手カード39を当選カード39N2に決定した後、或いはステップS205において今回発行対象の通常選手カード39N1の選手を決定した後に、ゲーム提供部33は選手カード39を発行する(ステップS207)。つまり、通常選手カード39N1、或いは当選カード39N2(所有権)が実際にユーザに発行(付与)される。また、このような発行は、プリンタ38への印刷指示によって実現される。このため、ゲーム提供部33は、ステップS206或いはステップS205の決定結果に従って通常選手カード39N1、及び当選カード39N2のいずれかを印刷するために必要な印刷データをプリンタ38に出力することにより、この発行を実現する。そして、ゲーム提供部33は、該当の選手カード39を発行した後(印刷データの出力を通じてプリンタ38によって通常選手カード39N1、或いは当選カード39N2が印刷された後)に、今回の処理を終了する。
図8の手順により、付加条件に基づいて選手カード39が実際に発行される。より具体的には、特別選手カード39S1を景品として付与するための景品抽選がまず実行され、そこにおいて当選した場合(当選条件が満たされた場合)、発行対象の選手を決定するための対象抽選は省略され、特別選手カード39S1の引換券として機能する当選カード39N2が発行される。一方、そのような景品抽選において当選しなかった場合(当選条件が満たされない場合)、更に対象抽選が実行され、その対象抽選によって決定された選手に対応する通常選手カード39N1が発行される。
また、パラメータ引継処理は、複数の選手カード39間においてパラメータの差分(成長分)の引継を実現するための処理である。図9の例は、このような複数の選手カード39として、当選カード39N2と特別選手カード39S1との間で引継が実現される場合を示している。より具体的には、当選カード39N2が引継元(パラメータの差分を受け渡す選手カード39)として、特別選手カード39S1が引継先(パラメータの差分を受け取る選手カード39)として、それぞれ機能する場合を示している。また、図9の例は、このような引継が店舗6のゲーム機3を介して実行される場合を示している。具体的には、ゲーム機3が、このような引継を実現するための引継機能(引継モード)をユーザUの希望(選択)を通じて提供する場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、そのような引継モードの提供を希望する操作(選択)後にリーダ36を通じて特別選手カード39S1の読み取りが実行される毎に図9のパラメータ引継処理を開始し、まず引継先のカードIDの情報を取得する(ステップS301)。換言すれば、ゲーム提供部33は、引継先の選手カード39としてリーダ36の出力結果に基づいて特別選手カード39S1のカードIDの情報を取得する。
続いてゲーム提供部33は、引継元のカードIDを取得する(ステップS302)。この取得は、引継元の選手カード39、つまり当選カード39N2を介して実現される。具体的には、まずゲーム提供部33は、当選カード39N2のコードからリーダ36がカードIDの情報を取得するように、モニタMOを利用してそのような読み取りの実行をユーザUに要求する。そして、ゲーム提供部33は、そのような読み取りが実行された場合に、そのようなその読み取り結果(リーダ36の出力信号)を取得することにより、引継元の選手カード39、つまり当選カード39N2のカードIDを取得する。
次にゲーム提供部33は、ステップS301及びステップS302の取得結果に基づいて、引継先のカードIDと引継元のカードIDとが関連づけられるように、カードデータ26を更新する(ステップS303)。具体的には、ゲーム提供部33は、ステップS302で特定した当選カード39N2のカードIDに対応する“カードID”の情報を含むカードレコード26Rをまず特定する。そして、ゲーム提供部33は、その特定したカードレコード26Rに“引継”の情報として特別選手カード39S1のカードIDの情報が記述されるように、カードデータ26を更新する。換言すれば、ゲーム提供部33は、このようなカードレコード26Rを含むカードデータ26を生成する。これにより引継先のカードIDと引継元のカードIDとの間の関連付けが実現される。そして、ゲーム提供部33は、このようなカードデータ26の更新を実行した後に、今回の処理を終了する。
図9の手順により、カードデータ26を介して当選カード39N2と特別選手カード39S1とが関連付けられる。結果として、特別選手カード39S1は、当選カード39N2のカードIDを介して当選カード39N2の選手のパラメータ、つまりゲームのプレイを通じて変化した後のパラメータにも関連付けられる。このため、当選カード39N2と特別選手カード39S1との間でパラメータの引継が実現される。なお、当選カード39N2の発行時にその当選カード39N2に対応する特別選手カード39S1のカードIDが取得される場合(例えば、同時に特別選手カード39S1のカードIDの発行も可能な場合等)、図9の処理は、このようなカードIDを取得することによりユーザUの操作を介さずにゲーム機3或いはセンターサーバ2を通じて実現されてもよい。また、当選カード39N2の発行時以外(例えば、特別選手カード39S1の生産時等)において当選カード39N2のカードIDとそれに対応する特別選手カード39S1のカードIDとが取得可能な場合には、そのような適宜の時期に図9の処理がゲーム機3等によって実行されてよい。
以上に説明したように、この形態によれば、付与条件に基づいてユーザUの所有するキャラクタとして選手カード39が付与されるときに景品抽選が実行される。そして、その景品抽選において景品の付与が決定された場合には、そのような選手カード39として通常選手カード39N1が生成される代わりに、通常選手カード39N1よりも価値の高い特別選手カード39S1を景品として所有する所有権がユーザUに付与される。このため、このような所有権の付与を利用して、ゲームのプレイに対する動機づけを行うことができ、ひいてはゲームのプレイを促進することができる。一方で、景品抽選の結果に応じて通常選手カード39N1の代わりに付与されるのは、特別選手カード39S1自体ではなく、それを所有するための所有権である。このため、実際の特別選手カード39S1の付与を所有権に基づいて適宜に実現することができる。これにより、比較的低費用で特別選手カード39S1の付与を実現する手法を採用する余地を生じさせることができる。
具体的には、例えば特別選手カード39S1はゲーム機3ではなく、工場PFにおいて高性能の印刷機を通じて生成される。そして、そのような特別選手カード39S1が納品される店舗6において当選カード39N2と特別選手カード39S1との間の引き換えを実現する手法により、実際の特別選手カード39S1の付与が実現される。このため、複数のゲーム機3に対応する特別選手カード39S1の印刷を一箇所の工場PFに集約することができる。これにより、同様の高性能の印刷機を各ゲーム機3が備える場合に比べて、比較的低費用で高品質の特別選手カード39S1の付与を実現することができる。
また、景品抽選において景品の付与が決定された場合には、所有権(引換券)として機能する当選カード39N2が生成される。これにより、所有権を物理的な存在として付与することができる。また、そのような当選カード39N2には、“当たり”或いは引き換え期間等の所有権に関連する情報が表示されている。これらにより、当選カード39N2の所有権としての機能をより明確化することができる。
さらに、そのような当選カード39N2には、通常選手カード39N1と同様に、カードIDの情報を含むコードが印刷される。より具体的には、当選カード39N2には、特別選手カード39S1と同様の特定の選手を再現するためのカードIDの情報が記録される。これにより、そのような当選カード39N2を、景品としての特別選手カード39S1の代わりに、その特別選手カード39S1と同様の特定の選手に対応する選手カード39として機能させることができる。また、そのような当選カード39N2に対応する特定の選手がゲームのプレイに使用され、パラメータに変化が生じた場合には、そのようなパラメータの変化がその当選カード39N2に景品として対応する特別選手カード39S1の特定の選手に引き継がれる。つまり、特別選手カード39S1の代わりとして機能する当選カード39N2に対応する特定の選手のプレイ状況を特別選手カード39S1に対応する特定の選手に反映することができる。これにより、実際に当選カード39N2と特別選手カード39S1との引き換えが実現されるまでの期間を、当選カード39N2に対応する特定の選手を利用して予めその特定の選手を育成しておく等により有効活用することができる。結果として、当選カード39N2の価値をより高めることができるだけでなく、そのようなプレイ状況の反映を通じて引き換えまでの期間を有効活用することできる(単に待つだけの期間を削減することができる)ので特別選手カード39S1の価値を高めることができる。
以上の形態において、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図8の手順を実行することにより本発明の抽選実行手段、権利付与手段、及びキャラクタ付与手段として機能する。具体的には、ゲーム提供部33が図8のステップS203を実行することにより抽選実行手段として機能する。また、ゲーム提供部33が図8のステップS206を経てステップS207を実行する場合に権利付与手段として、図8のステップS205を経てステップS207を実行する場合にキャラクタ付与手段として、それぞれ機能する。同様に、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図7の手順を実行することにより本発明の情報取得手段、及び再現手段として機能する。具体的には、ゲーム提供部33が図7のステップS101を実行することにより情報取得手段として、図7のステップS105を実行することにより再現手段として、それぞれ機能する。さらに、ゲーム提供部33が図9のステップS303を実行することにより本発明のデータ生成手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、各選手は選手カード39の発行を介してユーザUに付与されている。しかし、各選手の付与は、このような形態に限定されない。例えば、選手カード39は省略されてもよい。この場合、ユーザUの所有する選手は、例えばカードデータ26を介して管理され、このようなカードデータ26の更新により選手の付与が実現されてもよい。所有権の付与も同様である。この場合、所有権に対応する景品として、各種の物理的な景品が利用されてよい。あるいは、その他にも所有権に対応する景品として、ゲーム機3以外の他のゲーム機が提供するゲームに関する電子的な景品(例えば、他のゲーム機3のプレイ等の条件に基づいて付与される要素)が利用されてもよい。同様に、上述の形態では、ゲーム機3は野球ゲームを提供している。しかし、ゲーム機3が提供するゲームは、このような野球ゲームに限定されない。ゲーム機3は、シミュレーションゲーム、アクションゲーム、或いはロールプレイングゲーム等の適宜のゲームを提供してよい。そして、このような各種のゲームの各種のキャラクタ(人格的要素を持つものに限定されず、車等の各種の存在を含む)が選手と同様の役割を果たしてよい。
また、ゲーム機3はアーケードゲーム機に限定されず、据え置き型のいわゆる家庭用ゲーム装置やユーザ端末装置4等がゲーム機3として利用されてもよい。また、ゲーム機3はこれらのユーザ端末装置4等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。さらに、ゲーム装置がセンターサーバ2として機能してもよい。つまり、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3等のゲーム装置が実行してもよい。あるいは、その反対にゲーム機3の役割の全部若しくは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、プレイの進行のために用意された複数のキャラクタの少なくとも一部のキャラクタを付与条件に基づいてユーザ(U)の所有する所有キャラクタ(39)として付与するゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記付与条件に基づいて前記所有キャラクタとして前記ユーザに前記一部のキャラクタが付与されるときに、景品(39S1)の付与を決定するための景品抽選を実行する抽選実行手段(33)と、前記景品抽選において前記景品の付与が決定された場合に、前記一部のキャラクタの付与の代わりに前記景品を所有するための所有権(39N2)を前記ユーザに付与する権利付与手段(33)と、を備えるものである。
本発明によれば、付与条件に基づいてユーザの所有する所有キャラクタとして一部のキャラクタが付与されるときに景品抽選が実行される。そして、その抽選において景品の付与が決定された場合には、そのような一部のキャラクタの付与の代わりにそれよりも価値の高い景品を所有するための所有権がユーザに付与される。このため、このような所有権の付与を利用して、ゲームのプレイに対する動機づけを行うことができ、ひいてはゲームのプレイを促進することができる。一方で、景品抽選の結果に応じて一部のキャラクタの代わりに付与されるのは、景品自体ではなく、それを所有するための所有権である。このため、例えば所定の設備を有する工場等において生産された景品を所有権と引き換える等の手法により、実際の景品の付与を所有権に基づいて適宜に実現することができる。これにより、比較的低費用で景品の付与を実現する手法を採用する余地を生じさせることができる。
所有キャラクタは、各種の態様で付与されてよい。例えば、所定のデータによって各ユーザに関連付けられる等により電子的に管理されてもよいし、所有キャラクタに対応する物理的な物が付与されてもよい。つまり、所有キャラクタは電子的に付与されてもよいし、物理的に付与されてもよい。また、物理的に付与される場合、その物と各ユーザとの関連は電子的に管理されていてもよいし、管理されていなくてもよい。つまり、各ユーザが所有する所有キャラクタは電子的に管理されていてもよいし、管理されていなくてもよい。同様に、所有権に対応する景品として、一部のキャラクタよりも価値が高い限り、適宜の景品が利用されてよい。例えば、景品は、電子的な要素であってもよいし、物理的な物であってもよい。また、このような景品は、ゲームの各キャラクタに関連していてもよいし、関連していなくてもよい。具体的には、例えば、ゲームの各キャラクタに対応する物理的な物として、各キャラクタに対応する記録媒体が採用されてもよい。一部のキャラクタの付与も同様である。このため、景品の価値は、例えば記録媒体間において一部のキャラクタより高くてもよいし、各記録媒体に対応するキャラクタ間において一部のキャラクタより高くてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記所有キャラクタが付与される場合に、各キャラクタを示すキャラクタ情報を記録するキャラクタ記録媒体(39)のうち前記所有キャラクタに対応する前記キャラクタ情報を記録する前記キャラクタ記録媒体としての所有キャラクタ記録媒体(39N1)を生成することにより前記所有キャラクタを前記ユーザに付与するキャラクタ付与手段(33)を備え、前記権利付与手段は、前記キャラクタ付与手段によって生成される前記所有キャラクタ記録媒体よりも価値の高い前記キャラクタ記録媒体としての特別記録媒体(39S1)を前記景品として利用し、当該特別記録媒体を所有する権利を前記所有権として前記ユーザに付与する態様が採用されてもよい。
同様に、所有権の付与は、適宜に実行されてよい。例えば、所有権の付与は、所定のデータによって各ユーザに関連付けられる等により電子的に管理されてもよいし、引換券等の発行を通じて物理的な物として付与されてもよい。具体的には、所有キャラクタを所有記録媒体の生成により付与される本発明の一態様において、前記権利付与手段は、前記所有権に関連する関連情報を記録することにより前記所有権として機能する関連記録媒体(39N2)を前記所有キャラクタ記録媒体の代わりに生成することにより前記所有権を前記ユーザに付与してもよい。
関連情報として、所有権に関する各種の情報が利用されてよい。例えば、関連情報は、景品が特定のキャラクタに対応する場合にその特定のキャラクタを示すキャラクタ情報の一部或いは全部を含んでいてもよいし、そのようなキャラクタ情報を全く含んでいなくてもよい。例えば、所有権の付与として関連記録媒体が生成される本発明の一態様において、前記権利付与手段は、前記景品抽選の結果を示す結果情報、及び前記関連記録媒体が前記所有権として機能するように前記関連記録媒体が前記特別記録媒体と引き換えられる場合の引き換え期限を示す期限情報の少なくともいずれか一方を前記関連情報として利用し、当該一方の情報が前記特別記録媒体に表示されるように前記関連記録媒体を生成してもよい。この場合、関連記録媒体の所有権としての機能をより明確化することができる。
関連記録媒体は、適宜の態様で生成されてよい。例えば、関連記録媒体は、キャラクタ記録媒体として機能してもよいし、キャラクタ記録媒体として機能しなくてもよい。具体的には、例えば、所有権の付与として関連記録媒体が生成される本発明の一態様として、前記キャラクタ情報が各キャラクタを特定するための特定情報(例えばカードIDの情報)を含む場合に、前記所有キャラクタ記録媒体から前記特定情報を取得する情報取得手段と、前記特定情報に基づいて前記所有キャラクタ記録媒体に対応する前記所有キャラクタを前記ゲームに再現する再現手段(33)と、を備え、前記権利付与手段は、前記特別記録媒体が特定のキャラクタ(BP)に対応する前記キャラクタ情報を記録している場合に、前記関連情報が前記特定のキャラクタに対応する前記特定情報を含むように前記関連記録媒体を生成する態様が採用されてもよい。この場合、関連記録媒体を、特別記録媒体と同様の特定のキャラクタに対応するキャラクタ記録媒体として機能させることができる。これにより、関連記録媒体の価値を高めることができる。
関連記録媒体がキャラクタ記録媒体として機能する場合において、関連記録媒体はキャラクタをゲームに再現するように使用されてもよいし、そのように使用されなくてもよい。また、関連記録媒体がキャラクタをゲームに再現するように使用される場合において、そのキャラクタを使用したゲームのプレイ状況は特別記録媒体に影響を与えてもよいし、与えなくてもよい。同様に、関連記録媒体に対応するキャラクタのプレイ状況が特別記録媒体に影響を与える場合において、そのような影響は適宜に生じてよい。例えば、特別記録媒体に対応する特定のキャラクタに生じてもよいし、特別記録媒体の印刷内容等、特別記録媒体自体に生じてもよい。あるいは、特別記録媒体に対応する特定のキャラクタを使用したゲームに生じてもよい。例えば、関連記録媒体がゲームのプレイに使用される本発明の一態様として、前記ゲームのプレイ状況に応じて前記特定のキャラクタを定義するパラメータが変化後のパラメータに変化する場合に、前記変化後のパラメータが前記特別記録媒体に基づいて再現される前記特定のキャラクタに引き継がれるように、前記変化後のパラメータの情報を前記特別記録媒体と関連付けて管理する引き継ぎデータ(26)を生成するデータ生成手段(33)を備える態様が採用されてもよい。この場合、関連記録媒体に対応する特定のキャラクタのプレイ状況を特別記録媒体に対応する特定のキャラクタに反映することができる。これにより、関連記録媒体の価値をより高めることができるだけでなく、そのようなプレイ状況の反映を通じて特別記録媒体の価値を高めることができる。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記ゲームを提供するための出力装置(MO)、及び前記ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置(TP)に接続されるコンピュータ(33)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。