[第1の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
<1.構成の概要:図1A、図1Bおよび図2>
図1A、図1Bおよび図2を参照して、本発明の一実施形態(第1の実施形態)に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1Aは本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図1Bは本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の背面側を示す斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
まず図1Aを参照して、パチンコ遊技機1の正面側の構成について説明する。図1Aに示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、島設備側の遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。
また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能に構成された、演出ボタン13(第1操作手段)と、上方向を指し示すボタン75a、右方向を指し示すボタン75b、下方向を指し示すボタン75c、左方向を指し示すボタン75dから構成され、上下左右方向に操作可能な十字形の方向キー75方向キー75(第2操作手段)とが設けられている。演出ボタン13または方向キー75は、遊技者が操作可能な操作手段として機能し、所定の操作有効受付期間中に操作入力の受付が有効化され、この有効期間中に所定の操作(たとえば、1回押し、長押し、連打など)がなされると、その操作の前後で演出に変化をもたらすことができるようになっている。また、演出ボタン13や方向キー75は、客待ち中のデモ画面(客待ち演出)中に、音量設定や光量設定などの遊技に関する遊技設定画面(後述の図6のメニュー画面100)において、遊技者が好みの遊技設定を行う際にも利用される。なお、演出ボタン13には、その内部に内蔵ランプ(ボタンLED13b)が設けられており、ボタンLED13bの発光態様の違いにより、操作受付有効期間(たとえば、所定色で点灯または点滅中)と、操作受付無効期間(たとえば、消灯中)とが報知可能となっている。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。
また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響による音演出効果を発揮するスピーカ46が設けられている。また、遊技機の適所、たとえば、ガラス扉6の前枠周縁に周方向や後述のセンター飾り体48の内部に、光の装飾による光演出効果を発揮する装飾ランプ45(演出用LED)が複数設けられている。
パチンコ遊技機1の背面には、図1Bに示すように、遊技盤収納フレームを覆って遊技盤3を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられ、これにより遊技盤3と前面枠2とが一体化されている。この裏機構盤16の上部の一側寄りには、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端に接続して遊技球払出装置19(図3参照)を設けてある。さらに、裏機構盤16の上部の他側隅部には、遊技機外部に設置されたデータカウンタDTやホールコンピュータHC(図3参照)に電気的に接続するための枠用外部端子基板21が端子基板ケース22に収めて設けられている。
また、裏機構板の略中央には、遊技盤3の裏側に装着された裏カバーが嵌合しており、この裏カバーに装着された透明ケース23(副制御基板ケース23)の内部には、演出制御基板24が設けられている。副制御基板ケース23の下方には、裏カバーに装着された透明ケース26(主制御基板ケース26)に収めた状態で主制御基板20が設けてある。さらに主制御基板ケース26の下方には、透明ケース28(払出制御基板ケース28)に収めた状態で払出制御基板29が設けてあるとともに、透明ケース30(電源基板ケース30)に収めた状態で電源基板(図示せず)が配設されている。さらにまた、発射操作ハンドル15に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた発射装置32(図3参照)の後側に発射制御基板28が設けられている。
(遊技盤:図2)
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3a、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、所定の表示領域(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄の3つの装飾図柄(図5参照))の変動表示動作(変動表示および停止表示)を含む、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り体48が設けられている。センター飾り体48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り体48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えており、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として働く。本実施形態では、センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間に遊技球が通過可能な遊動領域が形成されており、発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り体48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と、下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置:第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置:第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動表示および停止表示)による‘特別図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置36では、この特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、種々の予告演出(演出画像)とともに‘装飾図柄変動表示ゲーム’が実行されるようになっている。なお、特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣に、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1、特別図柄2、普通図柄の各作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)と高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下、「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。本実施形態に係る普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行される。たとえば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。
また普通図柄表示装置39aに隣接して、右打ち表示装置39bが設けられている。この右打ち表示装置39bは、LEDの点灯・消灯状態の組合せにより、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利であるのか、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利であるのかを報知する。たとえば、LEDの発光状態が、点灯した状態であれば右打ち有利、消灯状態であれば左打ち有利であることが報知される。
また、右打ち表示装置39bに隣接して2個のLED(ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39cが設けられている。このラウンド数表示装置39cは、複数個のLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り体48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口を開放または拡大可能にする‘始動口開閉手段’を有しない「入賞率固定型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り体48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な「入賞率変動型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として左右一対の可動翼片(可動部材)47を備え、この可動翼片47が開閉動作を行うことで、第2の特別図柄始動口である下始動口35を開放または拡大可能となっている。
また、普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(普通図柄用通過領域)からなる普通図柄始動口37(第3の特別図柄始動口:第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていないが、これに限らず、両流下経路に形成してもよい。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り体48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに不図示のゲージ構成(遊技くぎの配列パターン)により、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞しうるが、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれるようになっている。
また遊技領域3a内には、遊技球の流下を妨害しない位置に複数の可動体役物が配設されている。本実施形態では、センター飾り体48内の右上側に、第1の可動体役物(時計針82を備える時計型役物80)が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物(花型役物)90が配設されている。これら時計型役物80(時計針82)や花型役物90(第1可動体91、第2可動体92)は、その動作態様により、当りへの期待度(当選期待度)を報知する。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43などの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43aなどの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段として機能する。上記入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。なお上記した各入賞手段については、遊技性に応じて、その個数、形状、形成位置などを適宜変更することができる。また、各入賞手段について、左流下経路3bおよび/または右流下経路3cのいずれを流下する遊技球を、入賞困難または入賞不可能、あるいは入賞可能とするかについても遊技性に応じて適宜変更することができる。
各入賞口に遊技球が入賞した場合、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数が、遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。たとえば、上始動口34は3個、下始動口35は1個、普通図柄始動口37は0個(賞球なし)、大入賞口50は15個、一般入賞口43は6個が払い出される。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、または入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御を司る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板(主制御手段)20(以下、「主制御部20」と称する)と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行制御(現出制御)を統括的に司る演出制御基板(演出制御手段)24(以下、「演出制御部24」と称する)と、遊技球払出装置19による賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源から遊技機の各基板に対して必要な電源(バックアップ電源を含む)を生成し供給する電源基板(電源制御手段(図示せず))と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM202(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
また図示はしていないが、主制御部20は、周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込み等の割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、電源投入時や遮断時や電源異常などを検知し、システムリセット信号を出力してCPUをリセット可能なリセット回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、あらかじめ設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路なども備えている。なお、少なくとも主制御部(主制御基板)20と払出制御基板29は、不図示の電源基板から受ける電圧降下信号を受けることによって、電源遮断に先立ち、必要なバックアップ処理の実行を開始し、電源遮断前の遊技動作を電源復帰後に再開できるようになっている(バックアップ機能)。このパチンコ遊技機1では少なくとも数日は、各RAMの記憶内容を保持することが可能となっている。
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数(乱数の大きさ:65536))として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ちなどのゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
また主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口センサ34a、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37への遊技球の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aとが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。主制御部20は、これらセンサからの検出信号に基づき、いずれの入賞口に遊技球が入賞(入球)したのかを把握する。
また主制御部20には、アウト口49および各入賞口を通じて遊技機から排出される遊技球(いわゆる、アウト球)を検出するOUT監視スイッチ49aが接続され、主制御部20は、OUT監視スイッチ49aからの検出信号を受信可能となっている。主制御部20は、OUT監視スイッチ49aからの検出信号に基づき、アウト球数を計数する計数手段を備えており、その計数結果は、後述の性能情報(ベース値)の算出に利用される。
また主制御部20には、パチンコ遊技機1に対する不正行為を検出するための不正検出センサ72a〜72cが接続され、主制御部20は不正検出センサからの検出信号に基づき、遊技機に対する不正行為を監視する。この不正検出センサには、振動センサ72a、電波センサ72b、磁気センサ72cなどがあり、遊技機の適所に設けられている。不正検出センサにより検出されるエラーは、遊技機に対して深刻度の高いエラーとして、他のエラーと比し、優先的に報知される。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを駆動制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと、特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cと、右打ち表示装置39bと、ラウンド数表示装置39cとが接続され、主制御部20は、これらに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部端子基板21が接続され、主制御部20は、この枠用外部端子基板21を介して、所定の遊技情報を含む信号(外端信号)遊技機の外部に出力可能となっている。枠用外部端子基板21は、遊技機外部に設けられた、いわゆる「データカウンタDT」や「ホールコンピュータHC」に接続可能に構成となっており、上記外端信号は「データカウンタDT」や「ホールコンピュータHC」に送られる。
主制御部20は、上記外端信号として、たとえば、当り遊技開始情報、始動口への入賞情報(特別図柄の変動開始情報)、賞球数情報、セキュリティ情報(たとえば、振動センサエラー、電波センサエラー、磁気センサエラー、RAMクリア、設定変更などの発生情報)などを含む1または複数の外端信号を出力する。なお上記「データカウンタDT」とは、遊技機に関する特定の遊技情報(たとえば、大当り回数、回転数(特別図柄の変動回数)、特別図柄の変動開始・停止情報、入賞情報など)を報知可能な遊技情報報知装置であり、通常、遊技機の上部に設置される。また上記「ホールコンピュータHC」とは、枠用外部端子基板21から出力される外端信号に基づき、遊技機の遊技情報を監視・収集し、パチンコホールに設置された遊技機の稼働状況を統括的に管理する遊技店専用の管理コンピュータである。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、賞球の払い出しの必要がある場合には、払出制御基板29に対して、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。
この払出制御基板29には、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19が接続されている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への払出動作に関する後述の状態信号の送信などである。
遊技球払出装置19には、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ19aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ19bなどが設けられており、払出制御基板29は、これらセンサからの各検出信号を受信可能となっている。また遊技球払出装置19には、遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動する払出モータ19cが設けられており、払出制御基板29は、払出モータ19cを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また払出制御基板29には、上受け皿9に貯留される遊技球の貯留状態(上受け皿9が満杯状態であるか否か)を検出する満杯検出センサ60と、前枠2および/または前面操作パネル7の開放状態を検出する扉開放センサ61が接続されている。本実施形態に係る扉開放センサ61は、扉開放検出手段として機能し、たとえば、前枠2が外枠4に対して前側に開放したときにON状態(開放状態検出)、閉鎖したときにOFF状態(閉鎖状態検出)となるように構成されている。
また払出制御基板29は、満杯検出センサ60、扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、球計数センサ19bなどからの検出信号に基づいて、上記状態信号として、満杯状態を示す「球詰り信号」、前枠2・前面操作パネル7が開放されていることを示す「扉開放信号」、遊技球払出装置19からの遊技球の供給不足を示す「補給切れ信号」、賞球の払出不足や賞球数に異常が発生したこと示す「計数エラー信号」、払い出し動作が完了したことを示す「払出完了信号」などの様々な状態信号を、主制御部20に対して送信可能な構成となっている。主制御部20は、これら状態信号に基づいて、前枠2・前面操作パネル7が開放状態であるか否か(扉開放エラー)や、遊技球払出装置19の払出動作が正常か否か(補給切れエラー)や、上受け皿9の満杯状態であるか否か(球詰りエラー)などを監視する。
また払出制御基板29には発射制御基板(発射制御部)28が接続され、払出制御基板29は発射制御基板28に対して発射動作を許可する発射許可信号ES(発射制御信号)を送信可能となっている。発射制御基板28は、上記発射許可信号ESが出力されていることに基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。また、遊技球の打ち出しの強さは、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
また主制御部20には、RAM203の所定領域を初期化するためのRAMクリアスイッチ98と、設定値の変更操作が可能な設定変更許容状態に切り替えるための設定キースイッチ94と、その設定変更許容状態において、設定値を変更するための設定変更スイッチ95と、設定変更スイッチ95により選択された設定値を確定させるための設定変更完了スイッチ96とが接続され、主制御部20はこれらスイッチからの検出信号を受信可能となっている。本実施形態の場合、RAMクリアスイッチ98、設定変更スイッチ95、および設定変更完了スイッチ96は、いずれも操作者が操作可能な押しボタン式スイッチとなっており、設定キースイッチ94は、設定鍵を挿入してON/OFF操作することにより、設定変更許容状態(ON)と設定変更禁止状態(OFF)とに切り替え可能なキースイッチとなっている。なお、これらのスイッチは、設定値不正操作などの不正行為防止の観点から、遊技機内部の適所に形成されており、前枠2を開放しない限り、遊技機外部からのON/OFF操作が不可能となっている。
また主制御部20には、設定値に関する情報を表示する設定表示器97(設定表示手段)が接続され、主制御部20は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。本実施形態に係る設定表示器97は、1個の7セグメント表示器から構成されており、主制御部(主制御基板)20上に装着されている。なお設定表示器97は、主制御基板に限らず、払出制御基板28、発射制御基板29、中継基板(各種表示装置やスイッチ類などと制御基板との接続を中継する中継用基板:図示せず)、または演出制御部(演出制御基板(液晶制御基板を含む))24など、遊技機内部の適所に設けることができる。
(設定値について)
上記「設定値」とは、段階的に出玉率(いわゆる、機械割(PAYOUT率))に変化をもたらすものであり、本実施形態では、設定1〜6の6段階の設定値が設けられている。この「設定値」は、少なくとも大当り(後述の条件装置が作動することとなる当り種別)の抽選確率(当選確率)を設定1〜6の段階別(6段階)に規定するもので、設定値が高くなるほど、大当りの抽選確率(大当り当選確率)が高く設定され、遊技者に有利に作用するようになっている。たとえば、低確率時において、設定1で1/410、設定2で1/390、設定3で1/370、設定4で1/350、設定5で1/330、設定6で1/320などである。すなわち、設定値が高くなるほど、大当りに当選し易くなり(機械割が高くなる)、遊技者に有利に作用することになる。このように、設定値とは、主として、機械割に影響する事象を段階別に規定する値であり、大当りなどの特定事象の発生し易さに関連する等級についての値を意味する。斯様な「設定値」は、専ら、パチンコホール(遊技店)の営業戦略に基づき決定される。なお、大当り抽選確率が高確率状態の場合には(後述の特別図柄確変機能が作動する場合)、その確率が、10倍を超えない値まで上昇し、かつ設定値ごとに、その上昇率(比率)が異なるものでないようになっている。上記の例で言えば、低確率時の大当り抽選確率が設定1〜6=1/410〜1/320、上昇率が10倍とした場合、高確率時の大当り抽選確率は、設定1〜6=1/41〜1/32となる。
なお、大当りを複数種類設けている場合には、設定値に応じて、1または複数種類の大当りの当選確率を変化させることができる。たとえば、大当り1〜4という4種類の大当りがある場合、設定値が相対的に高くなるほど、大当り1〜4のすべての当選確率を高くなるように構成してもよいし、一部の大当りである大当り1〜3の当選確率だけを高くなるように構成してもよいし(この場合、大当り4については全設定値で共通の当選確率となる)、特定の大当りのみ(たとえば、大当り1のみ)の当選確率だけを高くなるように構成してもよい(この場合、大当り2〜4については全設定値で共通の当選確率となる)。また、設定値が相対的に高くなるほど、大当り1〜4の合算当選確率を高くなるように構成してもよい。また、条件装置の作動契機とならない小当り種別の当選確率を、前述の大当りのケースと同様に、設定値に応じて変化させてもよい。
(設定値の変更操作について)
本実施形態では、電源投入時に、少なくとも設定キースイッチ94とRAMクリアスイッチ98とがON状態の場合に設定変更許容状態に制御され、それ以外のスイッチ操作にて、電源を投入した場合には、設定変更禁止状態に制御されるようになっている。この設定変更許容状態中において、設定変更スイッチ95をON操作すると、設定表示器97の現在の表示値が「1→2→3→4→5→6→1→2→3→・・・」のように1〜6の範囲で循環するように切り替え表示される。そして希望する設定値が表示された際に、設定変更完了スイッチ96をON操作すると(設定確定操作)、現在の表示値が今回の設定値として確定され、その設定値データがRAM203の所定領域(設定値格納領域)に記憶される。そして、設定キースイッチ94が現在のON状態からOFF状態に操作すると、設定変更許容状態が終了され、以後、確定された設定値の下で遊技が開始されることになる。本実施形態の主制御部20は、所定の操作手段の操作に基づいて、遊技者に対する有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値を選択する設定値選択手段と、設定値選択手段により選択された設定値を設定する設定値設定手段とを備えている。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報や、エラー情報などの各種遊技処理情報を、演出制御コマンドにより、演出制御部24に対して送信可能となっている。ただし、外部からのゴト行為を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
(性能表示器99について)
また主制御部20には、所定期間(特定遊技期間)の遊技結果に係る情報(以下、「性能情報」と称する)を表示(報知)する性能表示器99(情報表示手段)が接続され、主制御部20は、これを表示制御するための制御信号を送信可能となっている。本実施形態の性能表示器99は、複数個の7セグメントLEDからなり、具体的には、表示部と回路部がユニット化された7セグメントLED(7セグ表示器99a〜99d)を4個横に並べ、これをたとえば、主制御基板20上に搭載して、4桁の数字を表示可能な表示器を構成する。また各7セグメントLEDには、7セグメント数字の下にデシマルポイントDP(ドット)を有している。
本実施形態では、上記性能情報として、通常状態(大当り抽選確率が低確率(通常確率)、かつ後述の電サポ無し状態)中の総払出個数(通常時払出個数)と、通常状態中の累計アウト球数(通常時アウト個数)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト個数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト個数×100で算出される値。以下、「ベース値」とも称する)を採用し、これを性能表示器99により所定態様にて表示する。なお、表示値については、小数点第1位を四捨五入した値が所定の表示態様でされる。ただし、単に永続的に計測してベース値(性能情報)を表示するのではなく、累計アウト球数が所定の規定個数(たとえば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了し、その計測終了時点のベース値を、履歴情報として、RAM203の所定領域(性能表示格納領域)に格納する(今回のベース値を記憶する)。上記の計測終了契機となる「規定個数」とは、本実施形態の場合、通常時アウト個数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)の累計アウト球数(以下、「全状態アウト個数」と称する)を採用している。この全状態アウト個数もリアルタイムに計測される。
なお、上記履歴情報として、今回のベース値を記憶した後は、今回の計測で使用した計測情報格納領域をゼロクリアし、次回の通常時払出個数、通常時アウト個数、ベース値、全状態アウト球数の計測を開始し、新たなベース値をリアルタイムに計測する。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源LSI)、RTC機能部(Real Time Clock)、演出抽選乱数用のカウンタ回路、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。また、RTC機能部は、時を刻む時計ICであり、現在の時刻(「現在が何時何分何秒である」)という実時間上の時間情報および/または日付(月、日、曜日)に関する暦情報を提供する時計手段として働く。なお、RTC機能部は、二次電池を備えており、電源基板から供給される電源電圧を二次電池に充電することで永続的に動作可能となっているため、パチンコ遊技機1の電源が切られている場合であっても、現在の日時を計時し続けている。ただしRTC機能部は、内部の発信器の周波数のずれなどにより、時間経過とともに計時する時刻にずれが生じうる。そこで、遊技機外部から時刻調整手段により提供される正確な時間情報に基づき、RTC機能部の時刻調整を行うことで、正確な時間情報を提供することができるようになっている。
演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、演出手段である液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、各種の演出用LED(装飾ランプ45、ボタンLED13b、その他の演出用LED)の発光制御、各種の可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、主に、液晶表示装置36による演出(画像表示演出)を制御し、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDPと、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、上記画像表示演出の他、光演出、音演出、可動体による可動体演出などを現出させるために、装飾ランプ45、ボタンLED13bなどの各種の演出用LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部、可動体役物を動作させる可動体役物モータ80cに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。演出制御部24は、これらの制御部に対し、演出手段に関する制御信号を送信可能となっている。
音響制御部は、スピーカ16に対する音声再生動作(音演出動作)を統括的に制御する音源LSI(音演出制御手段)と、遊技に関する音演出を実現するための音データが記憶された音データROM(サウンドROM(音データ記憶手段))とが搭載され、音源LSIには、インターフェース基板を介して、音演出手段(音出力手段)として機能する4つのスピーカ16が接続されている。音データROMの音データには、各スピーカ16から出力される効果音や音声の音演出態様(音量レベル、音色、エフェクト、定位など)を特定可能なデータが含まれる。音源LSIは、CPU241からの命令に応じて、上記音データROMから現出すべき音演出の音声データを取得し、デコードして所望の音声信号を生成してアンプに出力し、これにより、スピーカ16から出力される音演出を制御する。音源LSIによる音演出制御処理により、音演出に関するモノラル再生やステレオ再生も実現可能となっている。
また演出制御部24には、可動体役物の動作を監視する位置検出センサ82aが接続され、演出制御部24は、位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。また位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば、所定のエラー報知を行う。
また演出制御部24には、演出ボタン13の操作を検出する演出ボタンスイッチ13aと、方向キー75(75a〜75d)の操作を検出する方向キースイッチ75a’〜75d’とが接続され、演出制御部24は、これら演出ボタン13や方向キー75からの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドを受信した場合、そのコマンドに含まれる情報に基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やその他の演出用LEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示動作や予告演出等)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。また演出制御部24は、所定の操作受付有効期間中において、操作手段(演出ボタンスイッチ13aや方向キースイッチ75a’〜75d’)からの操作検出信号に基づき、操作手段に対してどのような操作(たとえば、押圧、長押し、連打など)が行われたことを検出可能な機能部を有し(操作態様識別手段)、上記メニュー画面中や遊技者参加型演出において、その操作態様に応じた演出を現出可能に構成されている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いたパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、大当り抽選結果が「小当り」の場合には所定の「小当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜のために、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」を単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」を「特別図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果(大当り抽選の結果)が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示態様)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口への入賞球)が所定個数(役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数(最大入賞数):たとえば、10個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件(ラウンド遊技終了条件(閉鎖条件))を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大16ラウンド)繰り返される。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当り開始インターバル時間を利用してオープニング演出が行われ、大当り開始インターバル時間が経過した後(オープニング演出が終了した後)、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数が終了すると、大当り終了インターバル時間を利用してエンディング演出が行われ、これにより、大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング期間、規定ラウンド数(最大ラウンド数)を上限としたラウンド遊技期間、およびエンディング期間の各遊技期間から構成される。なお、ラウンド遊技中には「ラウンド中演出」が、ラウンド遊技間には「ラウンド間インターバル演出」が現出される。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」、「小当り」、または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「小当り」であったならばその小当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い(大当り、小当りまたはハズレが1種類の場合は、図柄抽選を行う必要がないため、その抽選を省略することができる)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果や、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を、演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄に関する情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(たとえば、リーチ演出種別(いわゆる、ノーマルリーチ(Nリーチ)やスペシャルリーチ(SPリーチ)など)や、疑似連演出とその回数)の発生を指定する情報を含むことができる。詳しくは、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これら変動パターンには、たとえば、リーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との発生を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定しリーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’など、複数種類の変動パターンが含まれる。また、特定の予告演出を指定する変動パターンは、その予告演出の演出時間を確保する関係上、基本的には、通常変動パターンの変動時間よりも長時間の変動時間が定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)などを決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い、装飾図柄変動表示ゲーム中の予告演出や装飾図柄の変動表示演出を現出制御する。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45などの演出用LEDの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、所定の変動時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間(可動翼片47により下始動口35が開状態となる作動時間)が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。
(3−1−3.作動保留球)
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、当り遊技中、または普電開放遊技中に、各始動口34〜35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち始動口センサ34a〜35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する各作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されない(特定の図柄についての保留記憶数がゼロであってもよい)。また各図柄の最大保留記憶数の全部または一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。本明細書中では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄の各作動保留球をそれぞれ、特図1作動保留球、特図2作動保留球、普図作動保留球とも称する。
(3−2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動機能(確変機能)」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当り抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、320分の1)から高確率(たとえば、32分の1)に変動させて、通常状態よりも有利な「高確率状態(大当り高確率状態)」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の2)から高確率(たとえば、255分の255)に変動させて、通常状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。
また本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮機能(時短機能)」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから停止表示される迄の平均時間)を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。この特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常状態よりも単位時間あたりの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから停止表示される迄の平均時間)を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、30秒から1秒に短縮される)、通常状態よりも単位時間あたりの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。この開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間)を通常状態よりも延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長状態下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常状態よりも単位時間あたりの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。したがって、開放延長機能が作動すると、下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常状態より高まり、開放延長機能が作動しない(非作動)状態と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。本実施形態では、普図確変機能、普図時短機能、および開放延長機能の3つの機能が作動する状態を「電チューサポート状態(電サポ有り状態)」として扱う。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、少なくとも特別図柄確変機能が作動し、開放延長機能が作動しない遊技状態(本実施形態では、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態)を「潜確状態」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常状態」である場合には大当り抽選確率が‘低確率状態(通常確率)’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また大当り中は大入賞口が開閉される当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(高ベース遊技状態)
上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間(平均的な1ゲーム消化時間)が通常状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、少なくとも開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。したがって、確変状態や時短状態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動するため、普電開放遊技の発生が容易になり、可動翼片47の作動率が著しく向上する遊技状態とされる。なお、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」とも称する。
<4.当りについて>
次に図4を参照して、本実施形態に係る遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別と当り遊技について)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームにて抽選される当りの種類、つまり大当り抽選対象となる当り種別として、図4に示す通り、大当り1〜11、小当り1などの複数種類の当り種別が設けられている。これらの当りのうち、大当り1〜11は、条件装置の作動契機となる大当り種別に属する当りであり、小当り1は、条件装置の作動契機とならない小当り種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動が、ラウンド遊技を行うための役物連続作動装置(特別電動役物を連続作動させる装置)の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合(役物連続作動装置が作動中に大入賞口に入賞したものを除く)に作動するものをいう。
したがって、小当りに当選した場合には、役物連続作動装置が作動せず、大当りのようなラウンド遊技は実行されない。しかし、大当りによるラウンド遊技と同一または酷似あるいは全く異なる動作態様で、大入賞口の開閉動作を制御しうる。換言すれば、見た目上のラウンド遊技(疑似的なラウンド遊技)を実行することができる。斯様な小当りは、大当りと同様に、大入賞口の開閉動作を伴う当り遊技(特別遊技状態)への発生契機(移行契機)となる点で、単なる「ハズレ」とは異なる。なお、小当り1は、「小当り種別」に属する当りではあるが、説明の便宜上特に必要がない限り、上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱う。
図4の「当りの内容」の欄の大当り1〜11における「16R」、「8R」、「4R」、「2R」の表記は、それぞれ、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を示す。また同欄の「長開放」の表記は、1回のラウンド遊技における大入賞口の最大開放時間が、大入賞口への入賞数が最大入賞数(10個)に達する可能性が見込める「長開放時間(たとえば、29.8秒)」に設定される大当りであることを示し、「短開放」とは大入賞口の最大開放時間が「長開放」よりも短い「短開放時間(たとえば、1.8秒)」に設定される大当りであることを示す。また同欄の「確変」「時短」「潜確」の表記は、それぞれ、確変状態への移行契機となる「確変大当り」、時短状態への移行契機となる「時短大当り」、潜確状態への移行契機となる「潜確大当り」を示す。したがって、たとえば、大当り1の「12R長開放確変大当り」であれば、確変移行契機の大当りであって、最大ラウンド数が12R、各ラウンド遊技の大入賞口が長開放パターンで開閉動作される大当りであることを示す。大当り遊技中の利益状態については、最大ラウンド数が相対的に多いほど高くなり、また大入賞口の最大開放時間が相対的に長時間になるほど高くなる。
(4−2.当り遊技後の移行先遊技状態について)
次に図4を参照して、当り遊技終了後に移行される遊技状態について説明する。図4の当選時の遊技状態の欄には、当り種別に応じて、当選時の遊技状態と、その当り遊技に移行される遊技状態との関係を示してある。
(大当りに当選した場合の移行先遊技状態について)
大当りに当選した場合、その当選時の遊技状態に応じて、大当り遊技終了後の遊技状態が決定されるようになっている。具体的には、図示のように、大当り1、3、5、8、10に当選した場合には、その当選時の遊技状態がいずれの遊技状態であっても「確変状態(高確率・電サポ有り)」に移行される。すなわち、大当り1、3、5、8、10は、いずれも確変状態への移行契機となる確変大当りとなっている。また、大当り2、4、9に当選した場合には「時短A(時短回数100回)」に移行され、大当り6、11に当選した場合には「時短B(時短回数50回)」に移行されるようになっている。すなわち、大当り2、4、6、9、11は、いずれも時短状態への移行契機となる時短大当りとなっている。しかし大当り7に当選した場合は、その当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なるようになっており、当選時の遊技状態が通常状態であれば「潜確状態(高確率・電サポ無し)」に移行される潜確大当りとして機能するが、潜確状態、時短状態または確変状態であれば「確変状態」に移行される確変大当りとして機能するようになっている(図4の大当り7の欄参照)。図4では説明の便宜のために、通常状態時に当選した場合に、どのような遊技状態に移行されるかを基準に、確変大当りや時短大当りや潜確大当りなどの名称を付けている。
本実施形態に係る「潜確状態」、「確変状態」、または「時短状態」については、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)が、所定の規定回数終了するまで継続され、その規定回数内で大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない小当りを除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、次回ゲームから通常状態(通常遊技状態)に移行されるようになっている。本実施形態の場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数として、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計実行回数(特別図柄1および2の合計変動回数))がカウントされる。
上記所定の規定回数に関し、潜確状態または確変状態については、所定の規定回数(以下「ST回数」と称する)として、65536回が設定される。このST回数は、大当り当選確率(たとえば、確変中の大当り確率、設定1〜6=1/41〜1/32)との関係上、ST回数に到達することなく、ほぼ確実に、次回大当りが当選するまで高確率状態を継続させることが可能な回数となっている。勿論、高確率状態の継続率を適度な連荘率(たとえば、継続率65%程度)とするために、ST回数を適宜な値(たとえば、ST回数=33回程度)に設定してもよいし、次回大当りが当選するまで高確率状態を100%継続させる構成としてもよい(ST回数を無限回数としてもよい)。また、時短状態については、時短Aの場合は、時短回数100回、時短Bの場合は、時短回数50回が設定される。なお、時短Aと時短Bとが同じ時短回数(たとえば、70回)であってもよい。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技状態に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、遊技状態の移行に対応して、各演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記演出モードには、「通常状態」に係る「通常演出モード」、「潜確状態」に係る「潜確演出モード」、「確変状態」に係る「確変演出モード」、「時短状態」に係る「時短演出モード」、「当り遊技状態」に係る「当り遊技演出モード」といった、各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。時短演出モードについては、時短Aと時短Bとで共通の時短演出モードであってもよいし、異なる演出モードであってもよい。各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる表示態様で表示される。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態を指定したり、遊技状態が移行される旨を指定したりする演出制御コマンドに基づいて、主制御部20側の遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。斯様な特定の演出制御コマンドには、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、客待ち中コマンド、スペック指定コマンド、当り中に送信されるコマンド(後述の大当り開始コマンドや、大当り終了コマンド)などがある。また演出制御部24は、遊技状態に関連した演出モードを管理する機能部(演出状態管理手段)を有し、現在の演出モードを管理する。
(5−2.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(本実施形態では、「変動パターン指定コマンド」および/または「装飾図柄指定コマンド」に含まれる情報)に基づき、大当り抽選結果に関連した様々な「予告演出」を現出制御可能に構成されている(予告演出制御手段)。斯様な予告演出は、当り種別に当選したか否かの期待度(周知の「当選期待度」)、および/または所定の事象(たとえば、当確、特定の当りの当確、他の予告演出の発生など)を示唆(予告)し、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。広く知られた予告演出として代表的なものには(たとえば、特開2016−174722号公報参照)、いわゆる「リーチ演出」、疑似変動を1または複数回行う「疑似連演出」、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)についての当選期待度を予告する「先読み予告演出」、特定の操作を要求して遊技者がこれに応えて操作手段を操作することで演出内容に変化をもたらす「遊技者参加型演出」などがあり、その他、「ステップアップ予告演出」や「背景チェンジ予告演出」などがある。
図5を用いて、上記先読み予告演出を含め、本実施形態に係る液晶表示装置の画面表示の概要について説明する。図5は、本実施形態に係る液晶表示装置36の画面表示の説明に供する説明図である。
液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方)、特別柄1作動保留球の個数を表示する保留表示領域76と、特図2作動保留球の個数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関して、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される。
この作動保留球の有無に関する表示(以下、「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1〜d1(特別図柄1側に対応)、a2〜d2(特別図柄2側に対応)が設けられている。また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。
作動保留球が発生した場合、演出制御コマンドとして、大当り抽選結果に関連する先読み判定情報と、先読み判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含む現存の作動保留球数)とを特定可能な「保留加算コマンド」が演出制御部24に対して送信される。
上記先読み判定情報とは、具体的には、主制御部20において、作動保留球が図柄変動表示ゲームに供される際に実行される大当り抽選結果(変動開始時の大当り抽選結果)に関する遊技情報や、変動開始時の変動パターンを先読み判定した際に得られる先読み変動パターンに関する遊技情報をいう。
演出制御部24が保留加算コマンドを受信すると、これに含まれる先読み判定情報に基づき、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、「先読み予告演出」に関する演出制御処理を行う。具体的には、保留加算コマンドに含まれる情報に基づいて、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行い、これに当選した場合、先読み予告の演出シナリオが決定され、そのシナリオに従い、当選期待度に応じた先読み予告演出を現出させる。上記先読み予告抽選の当選確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高確率となっている。よって、先読み予告演出が発生するか否かにより、当り種別への当選期待度が示される。
この実施形態では、先読み予告抽選に当選した場合に、保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の青色、緑色、赤色、D柄、虹色の特殊な保留色や色彩の保留表示(特別保留表示態様)に変化する「保留表示変化系」の先読み予告演出(保留変化予告)が行われる。図5では、ハッチングされた保留表示部b1の作動保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの青色、緑色、赤色、D柄、虹色の表示は、この色の順に、当選期待度が高いことを意味し、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコン(当確保留予告)となっている。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行し(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御(シフト表示)が行われるが、上記した特別保留表示は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。なお、液晶画面内の右下隅には、装飾図柄や予告演出などのメイン演出とは別のサブ的な演出(サブ演出)の表示領域として、特別図柄や普通図柄の変動表示動作、作動保留球数に関するサブ表示領域79を設けてある。
(6.演出手段)
パチンコ遊技機1における各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物は、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置(画像表示手段)と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出(画像表示演出)を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
(客待ち演出、メニュー画面について:図6)
主制御部20は、特図1作動保留球および特図2作動保留球がゼロの状態になると、演出制御コマンドとして「客待ち中コマンド」を演出制御部24に送信する。演出制御部24がこの客待ち中コマンドを受信した場合、所定の実行条件に基づき、パチンコ遊技機1に係る遊技の説明やその紹介(デモンストレーション)のためのデモムービーが流れる「客待ち演出(デモ画面)」を現出させる。具体的には、客待ち中コマンドを受信した後、遊技が開始されずに、つまり作動保留球が発生せずに(保留加算コマンドや変動パターン指定コマンドを受信することなく)、所定時間(たとえば、180秒)が経過した場合、客待ち演出を現出させる。通常の遊技中の場合には、上記180秒の待機時間が経過するまでは、今回の図柄変動表示ゲームの終了後に停止した装飾停止図柄の表示状態が引き続き表示され、装飾ランプ45は所定の発光パターンで発光し、スピーカ43は、消音状態(所定の音演出を実行していてもよい)とする「デモ開始待ち演出」が現出され、客待ち演出開始までこの状態が維持される。
(節電モードについて)
上記客待ち演出(デモ画面表示)の開始後、所定の節電モード移行条件を満たすと「節電モード」に移行される。この節電モードには、客待ち演出の開始後に、作動保留球が発生せず、かつメニュー画面(遊技設定画面)に切り替わることなく、所定時間(たとえば、120秒)が経過した場合に移行されるようになっている。演出制御部24は、節電モード移行条件の成立を監視し、当該条件を満たした場合には、デモモード中(客待ち演出)を終了して、節電モードに移行させる。このとき、液晶表示装置36に節電用画面(たとえば、液晶画面に「節電中です」の文字表示)を表示させ、装飾ランプ45やその他の演出用LEDの一部またはすべてを消灯させ節電状態に制御する(節電制御)。なお以下では、「客待ち中」と称する場合、特に断りの無い限り、デモ開始待ち演出中、客待ち演出中、および節電モード中の少なくとも1つ期間(すべての期間、または一部期間)であることを意味する。
また本実施形態では、作動保留球が無い場合、つまり上記したデモ開始待ち演出中、または客待ち演出中、あるいは節電モード中に、所定の遊技情報や遊技環境(音量、光量など)に関する設定などが可能な「メニュー画面(遊技設定画面)」を表示制御可能に構成されている(遊技設定モード制御手段)。詳しくは、演出制御部24は、デモ開始待ち演出中または客待ち演出中に、遊技者からの「メニュー表示要求操作(たとえば、演出ボタン13の押圧操作)」の有無を監視し、メニュー表示要求操作があった場合には、現在の表示画面から、図6に示すメニュー画面100に切り替え表示する。このメニュー画面への切り替え可能期間は、ボタンLED13bにより、所定の発光態様にて報知される。このメニュー画面100は、複数の選択肢(選択項目)を表示するメニュー画面である。
図6に、本実施形態に係るメニュー画面を示す。このメニュー画面100には、図示のように、遊技環境に関連する選択項目(メニュー項目)として、メニュー項目画像102a〜102hの8項目が碁盤目状に表示され、その下側には、メニュー画面における操作方法を説明するための文字情報(選択、決定)とともに、方向キー75を模した方向キー画像104と演出ボタン13を模したボタン画像106とが横並びに表示されている。また、メニュー項目画像102a〜102hには、「音量調整」や「光量調整」など、メニュー項目の内容に関連した名称が表示されている。
各種のメニュー項目は、方向キー75により選択可能となっており、選択したメニュー項目が強調表示され、いずれのメニュー項目が選択中であるかを容易に識別することができるようになっている。図示の例では、「本日の出玉ランキング102f」が選択中の例を示してある。そして、演出ボタン13を押下すると、選択中のメニュー項目が表示対象として確定され、そのメニュー項目に対応する画面(情報画面、設定画面)が表示されるようになっている。これらメニュー画面に関する表示制御は、演出制御部24がその機能部を備えている(遊技設定制御手段)。以下、本発明に関連の深いメニュー項目として、「光量調整102g」と、「音量調整102c」とについて説明する。
上記「音量調整102c」が決定された場合、スピーカ46の音量調整が可能な音量調整画面が表示される。
図7Aに、上記音量調整画面の一例を示す。図示のように、音量調整画面110には、方向キー画像104a、ボタン画像106b、およびこれら画像のボタンが担う役割が表示され、液晶画面に画像とメッセージにて設定方法が示唆される。図中、5個の長方形枠(音量調整バー)110aの並びは、設定レベルメータであり、塗りつぶしの長方形枠の数(長方形枠のアラビア数字1〜5)により、現在の音量レベルを表している。この音量調整画面110の表示中において、方向キー75の左右操作による音量の段階的調整(ここでは、音量調整可能範囲として、音量レベル1〜5の5段階の音量調整が可能)と、演出ボタン13の決定操作とにより、遊技者が好みの音量に調整することが可能となっている(ユーザー音量調整手段)。具体的には、左右ボタンでは、左ボタン75aを押圧操作することで音量レベル低方向への設定変更が可能であり、右ボタン75dを押圧操作することで音量レベル高方向への設定変更が可能である(後述の光量調整の操作も同様)。この変更操作の後、演出ボタン13を押すと、選択した音量レベルで確定され、音量調整画面110が閉じて、メニュー画面100に戻る。以後、設定した音量レベルに基づく音量(トータルボリューム値)で、ゲームが進行されることとなる。以下では、必要に応じて、上記音量調整画面110にて設定されうる音量を「ユーザー側設定音量」と称する場合がある。
また「光量調整102g」が決定された場合、装飾ランプ45や液晶画面などの光量(明るさ)調整が可能な光量調整画面が表示される。
図7Bに、上記光量調整画面の一例を示す。図示のように、光量調整画面111には、方向キー画像104a、ボタン画像106b、およびこれら画像のボタンが担う役割が表示され、液晶画面に画像とメッセージにて設定方法が示唆される。また図中、5個の長方形枠(光調整バー)111aの並びは、設定レベルメータであり、図中の塗りつぶしの長方形枠の数長方形枠のアラビア数字1〜5)により、現在の光量レベルが示される。光量調整の操作についても、上述した音量調整と基本操作は同じであり、方向キー75の左右操作による光量の段階的調整(ここでは、光量調整可能範囲として、光量レベル1〜5の5段階の光量調整が可能)と、演出ボタン13の決定操作とにより、遊技者が好みの光量に調整することが可能となっている(ユーザー光量調整手段)。以下では、必要に応じて、上記光量調整画面111にて設定されうる音量を「ユーザー側設定光量」と称する場合がある。
このように、図7Aまたは図7Bの調整画面の表示中において、遊技者が遊技環境の音量調整や光量調整を目的として、方向キー75や演出ボタン13が押圧操作されると、遊技者が所望する設定レベルの音量や光量に調整することができる。なお、方向キー75を用いた上記音量調整および/または光量調整は、客待ち中に限らず、図柄変動表示ゲーム中に独立して調整可能に構成してもよい。
また「メニュー画面終了102h」が決定された場合、メニュー画面100が終了され、デモ開始待ち演出が表示される。
(遊技機に対する音量設定について:図7A、図8)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1には、パチンコ遊技機1の背面側(図1B参照)の適所(たとえば、演出制御基板24上)に、遊技機から出力される音量、つまり、スピーカ46から出力される音量の最大値(方向キー75の左右操作による音量調整可能なトータルボリューム値の上限値)を段階的に設定するための裏スイッチ71(調整モード切替手段)が設けられている。裏スイッチ71は、遊技機内部に形成されているため、通常、遊技者側は操作不可能であり、専ら、パチンコホール店員が操作するスイッチとなっている。本実施形態では、裏スイッチ71として、後述の図8(C)に示すロータリータイプのディップスイッチ(DIP Switch)を採用しているが、音量調整を多段階的に設定可能な構成であればスイッチの種類は特に限定されない(後述の第2の実施形態に係る光量調整についても同様)。たとえば、スライドタイプやピアノタイプのディップスイッチ、自動復帰型のプッシュスイッチ、位置保持型スイッチ(オルタネートスイッチ、プッシュロックスイッチ)などを利用することができる。
図8(C)に、本実施形態の裏スイッチ71の構成を示す。裏スイッチ71は、その内部に複数の選択端子を有するハウジング部71aと、回動可能に構成され、共通端子が接続する選択端子を切り替えるための操作部71bとを有して構成される。操作部71bには、選択位置を示す0〜9の目盛と、いずれの選択端子に接続されているかを示す凹部型の矢印が形成されており、操作部71bを回転させることで、設定状態(調整モード)を切り替え可能となっている。本実施形態の裏スイッチ71は、ポジション数10のロータリータイプのディップスイッチを採用し、後述の図8(A)に示す「調整モード0〜9」のいずれの調整モードにも自由に切り替えることが可能である。
上記音量の最大値(最大音量)の調整は、専ら、ホール店員によって行われる。本実施形態では、裏スイッチ71を用いて、図8(A)に示す「調整モード0〜9」の10段階を1段階ずつ切り換え可能となっており、その切り替え可能範囲には、最大音量(最大音圧)として、主に、テスト時・工場出荷時用で利用される「SAC00(無音:0dB)」、「SAC11(プレゼン用設定:70dB)、「SAC23(出荷時用設定:85dB)」と、主に、通常の遊技で利用される「SAC15(音量小:75dB)」、「SAC19(音量小中:80dB)」、「SAC23(音量中:85dB)」(出荷用と共通)、「SAC27(音量中大:90dB)」、「SAC31(音量大:95dB)」との7段階の音量(複数段階(複数の設定値)に応じた最大音量(最大音量レベル)がある(図8(A)の調整モードに応じた‘最大音量’の欄参照)。この7段階の各音量が、上記トータルボリューム値の“最大音量(制限音量)”となっており、本実施形態では、当該最大音量を、裏スイッチ71を用いて段階的に調整可能(最大音量を制限可能)となっている。なお上記「SAC00」の無音とは、音出力をしない(音量ゼロ)、または非可聴の音量を意味する。
また図8(B)に示す「SAC01」〜「SAC031」の可聴域の音量の場合、その音の大きさ(dB)は、SACに付随する数値(「SAC**」の‘**’の数値)が高いほど、比例的に大きくなるという傾向を持たせてある。しかし必ずしもこのような傾向を持たせなくてもよく、各SAC(音量データ)に対応して出力される音量は、遊技機の特性(たとえば、派手な音演出を行う機種であるか否か、遊技機のタイプ(たとえば、羽根物、一般確変機、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機など))に応じて適宜定めることができる。本実施形態の場合、図8(B)の音量データ選択テーブルに示すように、無音を含め32段階の音量データの選択が可能となっている。これにより、種々の音量を設定することができるようになっている。なお「音量」とは、実際の音量に限らず、音量を数値的(定量的)に示すことができるものであればよい。また本実施形態では、スピーカ46から出力される音量の指標としてデシベル(dB)を用いるが、これは音の大きさを表現するための一例であって、ラウドネス(sone)やラウドネスレベル(phon)など、他の音量を表すものを用いてもよい。
本実施形態では、パチンコホール側が裏スイッチ71を用いて好みの調整モードに設定し、遊技機から出力される最大音量を段階的に制限することができる。すなわち、図7Aに示す音量調整画面110において、方向キー75の左右操作による音量の調整範囲の上限値(ユーザー側設定音量の最大音量)を、パチンコホール側が設定(制限)することができるようになっている。したがって、遊技者が音量調整画面110において、音量レベルを最大レベル(図7Aに示すレベル5MAX)に設定したとしても、現在の調整モードで制限された最大音量以上の音量に設定することができない。しかし、パチンコホール側が設定した調整モードに対応する最大音量の範囲内で、ユーザー側設定音量を自由に設定することができる。
図8(A)に示す調整モードの用途について、遊技機のテスト時やプレゼンテーションなどを行う場合には、主に調整モード0(無音用)または調整モード1(プレゼン用)に設定される。通常の営業では、調整モード2〜9のいずれかの調整モード(通常遊技用調整モード)に設定される。なお、調整モード2(出荷用)は、工場出荷時の際に設定される調整モードであり、法的要請の観点から最大音量が所定値以下(85dB以下)に調整される。
また本実施形態では、調整モードに応じて、節電モードに移行するか否かの設定も行うことができるようになっている。具体的には、調整モード3〜7は、“節電モード移行不可(非節電モード用(以下、「通常用」とも称する))”の設定(通常1〜5)、調整モード2、8〜9は、“節電モード移行可(以下、「節電モード用」とも称する)”の設定(節電1、節電3、節電5)となっている。いずれの調整モードも、方向キー75による音量調整操作を行うことが可能である(図8(A)の‘音量可変幅’の欄参照)。
(デフォルトの音量(初期設定音量)の設定)
なお、パチンコ遊技機1への電源投入時または裏スイッチ71による調整モード変更時は、調整モードに応じたデフォルトの音量(初期設定音量(初期設定音量レベル))に自動設定されるようになっている。デフォルトの音量(音量レベル)は、たとえば、調整モード0〜1はそれぞれ音量レベル1に設定され、調整モード2〜9は、中間レベルの音量(音量レベル3)に設定される(図8(A)の灰色ブロック枠の参照)。また、この設定状態は、たとえば、図7Aに示す音量調整画面110の設定レベルメータ110aにより、該当する音量レベルが表示されるようになっている。なお、方向キー75の音量調整操作により、デフォルトの音量レベルとは異なる他の音量レベルに変更され、その状態のまま客待ち演出が実行された場合には、客待ち演出の実行を契機に、デフォルトの音量レベルに再設定されるようになっている。
以下では説明の便宜のために、裏スイッチ71を用いて、調整モードに応じて設定される最大音量を、特に必要の無い限り、調整モード別に区別することなく「ホール側設定音量」と称する。
次に図8を参照しながら、調整モードに応じて、遊技機(スピーカ46)から出力される音量について説明する。図8(A)は、裏スイッチ71の設定状態に応じて、調整モードを選択設定するために用いる調整モード選択テーブルの概念図を示し、図8(B)は、スピーカ46から出力する音量(トータルボリューム値)を定めるために用いる音量データ選択テーブルの概念図を示したものである。
遊技機(スピーカ46)から出力される音量は、裏スイッチ71によって設定された「ホール側設定音量」と、そのホール側設定音量(最大音量)を上限として、遊技者によって調整される上記「ユーザー側設定音量」とに基づいて定まる。
本実施形態では、ホール関係者が裏スイッチ71を操作して、0〜9の目盛のいずれかに設定した場合、0〜9の目盛に対応した調整モードが定まる。具体的には、演出制御部24は、裏スイッチ71の信号入力状態を監視し、裏スイッチ71による設定状態に対応した調整モードを、図8(A)に示す調整モード選択テーブルに基づき設定する。たとえば、裏スイッチ71の操作部71bの矢印が指し示す先を目盛「3」に合わせた場合、調整モード3に設定される(図8(A)、図8(C)参照)。
このように、裏スイッチ71が操作されて設定状態が変更された場合には、図8(A)に示す調整モード選択テーブル(音量用)を参照して、新たな調整モードに設定(更新)する。これにより、遊技機から出力される音量の最大値(遊技者側にて調整可能な音量の上限値)が定まる。また、調整モードが変更された場合、上記したように、遊技機の初期音量は、現在の調整モードに応じたデフォルトの音量に設定される。
本実施形態の場合、図8(A)に示す通り、各調整モード1〜9(調整モード0は音量調整不可(全音量レベルで固定値)のため除く)における最低音量は、一律の「SAC03」の40dBである(図8(A)の‘音量レベル1’の欄を参照)。また、各調整モード1〜9のうち、非節電モード用(通常用)の調整モード3〜7は、調整可能な最大音量がそれぞれ異なる。したがって、ユーザー側設定音量の調整可能範囲も調整モードに応じてそれぞれ異なり、遊技者は、調整モードに応じた最大音量以下の範囲内で、音量調整が可能となっている。たとえば、調整モード3では最低40dB〜最大75dBまで、調整モード7では最低40dB〜最大95dBまで調整可能(ただし、図示の通り、ここでは5段階の音量レベルに対応する音量値)となっている。なお、節電モード用の調整モード2は調整モード5と同一、調整モード8は調整モード7と同一、調整モード9は調整モード3と同一のものとなっている。
ここでは、説明の重複記載を避けるために、代表的に、裏スイッチ71により「調整モード3」に設定されたケースについて説明する。この調整モード3の場合、ホール側設定音量は「SAC15(75dB)」である。そして遊技者は、図7Aに示す音量調整画面110の表示中において、最低音量「SAC03」〜最大音量「SAC15」の範囲内で5段階の音量調整操作を行い、好みの音量に設定することが可能である。具体的には、調整モード3下では、音量レベルを1段階上げ下げする毎に、「SAC03(最小音量)(40dB)」⇔「SAC06(50dB)」⇔「SAC09(デフォルトの音量)(60dB)」⇔「SAC012(72dB)」⇔「SAC15(最大音量)(75dB)」という具合に、最大音量「SAC15」を上限として順次切り替え可能となっている。
音量の設定処理内容は、次の通りである。演出制御部24(CPU241)は、音量調整画面表示中(音量調整可能期間中)において、方向キー75の左右方向操作を検出すると、図8(B)に示す32段階の音量のうち、現在の音量を示す音量データを定めたアドレス値からオフセット値「3」を加算または減算したアドレス先が指定する音量データを取得する。たとえば、現在の音量レベルが最低レベルの「音量レベル1(最小音量)」の「SAC03(40dB)」である場合において、遊技者が方向キー75の右方向キー75bを1回押した場合(音量レベルを1段階上げる操作をした場合)、演出制御部24は、図8(B)に示す「音量データ選択テーブル」を参照して、「SAC03」(現在の基準アドレス)からオフセット値「3」を加算したアドレスが指定する音量データ(相対アドレス先の音量データ)「SAC06(50dB)」を取得する。このとき、この「SAC06」に対応する音量(50dB)で、所定の操作時演出音をスピーカ46から出力させて、音量の上り変化程度を遊技者に報知する。この状態で、遊技者が決定ボタンである演出ボタン13の押下した場合(決定操作)、演出制御部24は、その押下操作の検出信号の受信を契機に、現在の音量データ「SAC03」を、新たな音量データ「SAC06」に更新して、トータルボリューム値を変更する。これにより、音量レベルが1段階上がり、音量レベルが「2」となる。
そして、新たな音量レベルの変更がなされるまで、今回設定された「SAC06」に対応する音量にて、ゲームが進行することになる。その後、たとえば、音量調整画面110の表示中において、遊技者が方向キー75による音量調整操作をして、方向キー75の左方向キー75aを1回押した場合(音量レベル1段階下げる操作をした場合)、演出制御部24は、その検出信号に基づき、「SAC06」が示すアドレス(現在の基準アドレス)からオフセット値「3」を減算したアドレス先が指定する「SAC03」を取得する。そして、「SAC03」に対応する音量(40dB)で、所定の操作時演出音をスピーカ46から出力させて、音量の下がり変化程度を遊技者に報知する。この状態で、遊技者が決定ボタンである演出ボタン13を押下した場合、演出制御部24は、その押下操作の検出信号の受信を契機に、現在の音量データ「SAC06」を、新たな音量データ「SAC03」に更新して、トータルボリューム値を変更する。これにより、音量レベルが1段階下がり、音量レベルが「1」となる。なお、音量レベルを複数段階上げ下げする場合は、上記した1段階上げ下げする処理を複数回繰り返すだけであり、その処理内容は同じである。
このように調整モード3の場合には、図8(A)に示す通り、遊技者が方向キー75を左右方向に操作して音量レベルを1段階上げ下げする毎に、所定値を加算または減算した音量データを取得して、「SAC03(最小音量)」⇔「SAC06」⇔「SAC09(デフォルトの音量)」⇔「SAC012」⇔「SAC15(最大音量)」という具合に、最大音量「SAC15」を上限として、5段階の切り替えが可能となっている。
上記調整モード4〜7についても処理内容は実質的に同じである。ただし図8(A)に示す通り、調整モード3〜7は、それぞれ設定可能な最大音量が異なるため(図中の「音量レベル5」の欄参照)、音量レベルを1段階上げ下げする際のオフセット値(音量可変幅)が異なる。具体的には、調整モード4については、最低音量「SAC03(40dB)」〜最大音量「SAC19(80dB)」の範囲内で、音量レベルを1段階上げ下げする毎にオフセット値「±4」の音量データを、調整モード5については、最低音量「SAC03(40dB)」〜最大音量「SAC23(85dB)」の範囲内で、音量レベルを1段階上げ下げする毎にオフセット値「±5」の音量データを、調整モード6については、最低音量「SAC03(40dB)」〜最大音量「SAC27(90dB)」の範囲内で、音量レベルを1段階上げ下げする毎にオフセット値「±6」の音量データを、調整モード7については、最低音量「SAC03(40dB)」〜最大音量「SAC31(95dB)」の範囲内で、音量レベルを1段階上げ下げする毎にオフセット値「±7」の音量データが取得されるようになっている。このように、調整モード3〜7はオフセット値(加算値または減算値)、つまり音量可変幅がそれぞれ異なる関係となっている。また音量レベルを1段階上げ下げする際の技術として、同一調整モード内で音量レベルを順次1段階上げていく場合には、1段階ごとに所定値(一定の音量可変幅:たとえば、調整モード3の場合は「3」)を順次加算して「音量を大」にし、同一調整モード内で音量レベルを順次1段階下げていく場合には、1段階ごとに、所定値(一定の音量可変幅:ここでは「3」)を順次減算して「音量を小」にするという形態となっている(図8、後述の図9参照)なお、節電モード用の調整モード2、8、9については、調整モード5、7、3と同事である。また「一定の音量可変幅」で音量レベルを上げ下げする形態は、音量値自体を一定値ずつ上げ下げする形態であってもよい。たとえば、調整モードが小・中・大の三種類である場合、調整モード小の場合は「40dB⇔49dB⇔58dB⇔67dB⇔76dB(9dBずつ等間隔の音量値で上げ下げ可能)」、調整モード中の場合は「40dB⇔51dB⇔62dB⇔73dB⇔84dB(11dBずつ等間隔の音量値で上げ下げ可能)」、調整モード大の場合は「40dB⇔53dB⇔66dB⇔79dB⇔92dB(13dBずつ等間隔の音量値で上げ下げ可能)」のように等間隔の音量値で上げ下げ可能に構成することができる。
以上に説明した実施形態は、下記(イ)〜(ハ)の特徴的構成を有する。
(イ)裏スイッチ71による設定状態、つまり各調整モード(設定値)に応じて、レベル1段階あたりのオフセット値(加算値または減算値)、つまり音量可変幅が異なる。ただし本実施形態の場合、図8(A)に示すように、各調整モードすべてにおいて、オフセット値が異なるわけではなく、少なくとも調整モード3〜7に対応するオフセット値が、それぞれ異なる値(オフセット値3〜7)の構成である。ただし、調整モード0〜2は、専ら、テスト用やプレゼンテーション用や工場出荷時に利用される特殊な調整モードであり、これらは、通常の遊技では殆ど利用されない調整モードである。したがって、通常の遊技で用いられる調整モードについて、それぞれオフセット値(音量可変幅)が異なるといえる。
(ロ)本実施形態に係る調整モードには、節電モード用(節電モード移行可)の調整モード2、8、9と、非節電モード用(節電モード移行不可)の調整モード3〜7とが設けられている。ここで、“節電モードに制御可能な遊技機”という点に着目した場合、下記(α)〜(θ)の特徴がある。
(α)少なくとも非節電モード用の調整モードについては、オフセット値(音量可変幅)がそれぞれ異なる構成である。
(β)少なくとも節電モード用の調整モードについては、オフセット値(音量可変幅)がそれぞれ異なる構成である。
(γ)上記(α)かつ上記(β)を有する構成である。
(δ)節電モード用の調整モードの最大音量を、非節電モード用の各調整モードで定められる最大音量のうち、一番大きい音量値と同一(共通)音量値に定めることができる。具体的には、節電モード用の調整モード8(節電5)と、非節電モード用の調整モード7(通常5)の関係を指す(最大音量「SAC031(95dB)」)。
(ε)節電モード用の調整モードの最大音量を、非節電モード用の各調整モードで定められる最大音量のうち、一番小さい音量値と同一(共通)音量値に定めることができる。具体的には、節電モード用の調整モード9(節電5)と、非節電モード用の調整モード3(通常1)の関係を指す(最大音量「SAC015(75dB)」)。
(ζ)節電モード用の調整モードの最大音量を、非節電モード用の各調整モードで定められる最大音量のうち、中間の音量値と同一(共通)音量値に定めることができる。具体的には、節電モード用(兼、工場出荷用)の調整モード2(節電3)と、非節電モードの調整モード5(通常3)の関係を指す。
(η)節電モード用の調整モードには、少なくとも第1調整モードと第2調整モードとが含まれ、当該第1調整モードの最大音量は非節電モード用の調整モードのうち一番大きい音量値と同一(共通)音量値であり、当該第2調整モードの最大音量は節電モード用の調整モードのうち一番小さい音量値と同一(共通)音量値とすることができる。
(θ)節電モード用の調整モードには、少なくとも第1〜第3調整モードが含まれ、当該第1調整モードの最大音量は非節電モード用の調整モードのうち一番大きい音量値と同一(共通)音量値であり、当該第2調整モードの最大音量は非節電モード用の調整モードのうち中間の音量値と同一(共通)音量値であり、当該第3調整モードの最大音量は非節電モード用の調整モードのうち一番小さい音量値と同一(共通)音量値とすることができる。
(ハ)本実施形態では、音量の下限値(音量レベル1の音量)と音量の上限値(音量レベル5の音量)について、下記(ι)〜(λ)の特徴を有する。ただし、音量調整不可(固定)の調整モード0(無音)を除く。
(ι)音量の下限値が、調整モード1〜9で共通(同一)である。ただし音量の上限値については、非節電モード用(第1群)に属する調整モード3〜7でそれぞれ異なり、節電モード用(第2群)に属する調整モード2、8、9でそれぞれ異なる。
(κ)音量の下限値が、非節電モード用の各調整モード(調整モード3〜7)で共通(同一)であるが、音量の上限値は、各調整モードでそれぞれ異なる。
(λ)音量の下限値が、節電モード用の各調整モード(調整モード2、8、9)で共通(同一)であるが、音量の上限値は、各調整モードでそれぞれ異なる。
(ニ)図7Aに示す音量調整画面110の設定レベルメータ110aに替えて、または、設定レベルメータ110aとともに、音量値情報を報知する音量値報知画像を表示することができる。たとえば、音量レベル1(SAC03)のときは「現在40dB」などの文字情報を液晶画面の所定領域に表示することができる。
また、選択中の音量レベルの音量値情報を単独で、あるいは、現在の音量値情報とともに表示してもよい。
また、図7A(A)〜(C)に示すように、現在の調整モードに応じた音量レベル1〜5に対応する音量値を数値的に表示してもよい。図示の(A)〜(C)では、符号110aの設定レベルメータ1〜5(音量レベル1〜5)のそれぞれの下部に、音量をデシベル(dB)形式で表示(数値的に表示)した音量調整画面を例示している。なお、同図(A)は、調整モード7(最大音量:大)、同図(B)は調整モード5(最大音量:中)、調整モード3(最大音量:小)の場合の表示例を示してある。図示からも分かる通り、調整モードに応じて、音量レベル2〜5の音量がそれぞれ異なるが、遊技者が方向キー75を操作して5段階の設定レベルのいずれかに調整することができるようになっている(全音量レベルを選択可能)。この点、調整モードに応じて、音量レベルの選択不可領域が存在する後述の図10とは異なる。また、この音量調整画面110の場合、音量レベル1〜5のいずれかに変更した場合、音量がどの程度大きくなるかを、遊技者に対して数値的に報知することができる。すなわち、遊技者が、設定レベルメータを見れば、現在の調整モードの調整範囲、最小音量(MIN)、最大音量(MAX)などを視覚的に把握することができる(後述の図7Bについても同様)。
なお、音量情報に関する画像の表示位置は特に限定はなく、設定レベルメータ110aの長方形枠の上部、長方形枠内、または長方形枠の下部に表示したり、長方形枠と重複表示したりすることができる。また、音量調整画面110の右上隅部、右下隅部など、音量調整画面110に表示される他の画像(たとえば、ボタン画像など)の邪魔にならない位置に表示することができる。
(第1の実施形態の変形例)
また本実施形態は、下記の(ホ)〜(ル)のように構成することができる。なお、下記の(ホ)〜(ル)の構成例については、特段断りの無い限り、調整モードに関し、音量調整不可(固定)の調整モード0、または、専らテスト用などとして利用され、通常の遊技で利用しない調整モード0〜1については考慮しない。
(変形例1)
(ホ)図7Aに示す音量調整画面110の表示中に、裏スイッチ71により調整モードを変更した場合、設定レベルメータ110aの表示態様は変化せずに、音量だけ変化する。具体的には、設定レベルメータ110aの表示態様は変化せずに、変更後の調整モードに対応するデフォルトの音量に調整される。変更前後で、同じ音量である場合には、設定レベルメータ110aの表示および音量はいずれも変化しない。
(変形例2)
(ヘ)遊技動作の異常がある場合のエラー報知演出に係る音演出(以下、「エラー音」と略す)の音量を、調整モードに応じたエラー専用の音量に定めることができる。エラー専用の音量としては、たとえば、エラー音以外の音演出(たとえば、図柄変動表示ゲームに係る音演出)の最大音量よりも大きい音量(たとえば、+5dB)に定めることができる。代表的に、調整モード3〜7に着目して説明すれば、エラー音の最大音量を80dB〜100dBに定めることができる(調整モードの最大音量については図8(A)参照)。
また、調整モードに応じた上記エラー専用の音量に定める場合、調整モードに応じて、エラー音と、エラー音以外の音演出とで、最大音量の音量可変幅が異なるようにしてもよい。たとえば、調整モード3と調整モード4との最大音量の音量可変幅は「5dB」であるが、エラー音の場合は「10dB」とすることができる。また、ユーザー側設定音量(音量レベル1〜音量レベル5)に応じて、エラー音も追従して、音量を上げ下げ可能な(変化可能)構成としてもよい。なお「エラー音以外の音演出」は、図柄変動表示ゲームに係る音演出(予告演出に係る音演出など)だけでなく、図柄変動表示ゲームが実行されていないときの演出音、たとえば、音量・光量調整操作時の音演出(操作音)なども含まれる。
(変形例3)
(ト)エラー音の音量を、調整モードに応じた最大音量(調整モードに応じた音量で固定)とすることができる。この場合、エラー音は、ユーザー側設定音量(音量レベル1〜音量レベル5)に依存せずに、調整モードに応じた最大音量(一定の音量)のままで出力することができる。この場合、パチンコホール側の裏スイッチ71の操作によるエラー音の音量調整は可能であるが、遊技者側の操作手段による音量調整は不可能な構成となる。エラー音について、遊技者側の音量調整に応じて無闇に音量が変化してしまうのは、エラーが生じた際にはエラー報知を周囲に対して行う、というエラー報知の本来の目的を達成する上で不都合となりうるからである。
(変形例4)
(チ)特定のエラーに係るエラー音の音量を、調整モードに応じて変化しない構成とすることができる。たとえば、RAMクリアスイッチ98によるRAMクリア処理が実行されると、RAMクリアエラー用のエラー報知演出(RAMクリア報知)が実行されるが、当該エラー報知演出に係るエラー音(RAMクリア時の警報音)の音量については、調整モードによらず変化しない、つまり、一定の音量のまま出力させることができる。RAMクリアエラーや、不正検出センサ72a〜72cにより検出されるエラーなどのように、遊技機に対する深刻度が高いエラーについては、無闇にエラー音の音量が変化させないことが好ましいからである。なお「特定のエラー」は1種類に限らず、複数種類であってもよい。たとえば、RAMクリアエラーと扉開放エラーとについては、調整モードに応じて、エラー音の音量が変化しないが、他のエラーについては、調整モードに応じてエラー音の音量が変化するように構成することができる。また、遊技機に対する深刻度が高いエラーについては、各調整モードで設定されるいずれの最大音量よりも大きい特別音量(たとえば、100dB)とすることが好ましい。
(変形例5)
(リ)同一の調整モードであっても、エラー音と、エラー音以外の音演出とで、最大音量が異なる構成とすることができる。たとえば、エラー音以外の音演出の音量は、調整モードで定まる最大音量(たとえば、調整モード3の場合は「SAC15(75dB)」)であるが、エラー音は、調整モードで定まる音量よりも大きくすることができる(たとえば、「SAC16(77dB)」以上)。端的に言えば、エラー音と、エラー音以外の音演出の音量の大小関係が「エラー音>エラー音以外の音演出」を満たす構成である。
(変形例6)
(ヌ)同一の調整モードにおいて、エラー音と、エラー音以外の音演出とで、最大音量(音量レベル5の音量)は同一(共通)であるが、最大音量以外の上限値については「エラー音>エラー音以外の音演出」の関係を満たす構成とすることができる。すなわち、音量レベル1〜4のいずれかに調整した場合、その調整した音量レベルに対応する音量よりもエラー音の音量が大きい、という構成である。たとえば、調整モード3下で、音量レベル4に設定した場合、「SAC12(72dB)」よりも大きい音量(たとえば「SAC13(73dB)」以上)とすることができる。他の音量レベル1〜3についても同様である。
上記(ホ)〜(ヌ)の構成によれば、エラー報知演出に係る音演出(エラー音)の音量が、当該エラー報知演出以外の音演出の音量よりも大きいため、エラーが発生している旨を周囲に対して効果的に報知することができる。
(変形例8)
(ル)上記実施形態では、調整モードに応じたデフォルトの音量(初期設定音量)に関し、図8(A)に示すように、デフォルトの音量(音量レベル)は、たとえば、調整モード0〜1はそれぞれ音量レベル1に設定され、調整モード2〜9は、中間レベル(音量レベル3)に設定されるとして説明した。しかし本発明はこれに限らず、下記(λ)〜(ρ)のように構成することができる。
(λ)全調整モードで、デフォルトの音量を、最小レベル(下限値)の音量レベル1に設定する。
(μ)全調整モードで、デフォルトの音量を、中間レベルの音量レベル3に設定する。
(ν)全調整モードで、デフォルトの音量を、最大レベル(上限値)の音量レベル5に設定する。
(ξ)音量調整不可(固定)の調整モード0(無音)を除く、調整モード1〜9について、またはプレゼン用などの調整モード0〜1を除く、調整モード2〜9について、デフォルトの音量(初期設定音量)を、それぞれ同じ音量レベルとすることができる。たとえば、調整モード1〜9(または2〜9)について、デフォルトの音量を、音量レベル1(下限値)、または音量レベル3、あるいは音量レベル5(上限値)とすることができる。
(ο)節電モード用の調整モードと、非節電モード用の調整モードとで、デフォルトの音量を異なる音量レベルに設定することができる。たとえば、節電モード用の調整モードの場合は、音量レベル1、非節電モード用の調整モードは音量レベル3などである。
(π)調整モードに応じて、デフォルトの音量(音量レベル)を異なる音量レベルに設定することができる。たとえば、最大音量が第1音量(たとえば、85dB)以下の調整モードの場合は‘音量レベル1’に設定し、当該第1音量を超える最大音量の調整モードの場合は音量レベル3に設定することができる。またたとえば、最大音量が相対的に大きくなるに従い、デフォルトの音量レベルも相対的に高くなるように設定することができる。具体的には、非節電モード用(通常用)の調整モード3〜7に着目した場合、調整モード3は音量レベル1、調整モード4は音量レベル2、調整モード5は音量レベル3、調整モード6は音量レベル4、調整モード7は音量レベル5という具合である。またこれとは逆に、最大音量が相対的に大きくなるに従い、デフォルトの音量レベルも相対的に低くなるように設定することができる。
(ρ)上記(λ)〜(π)の構成において、図7Aに示す音量調整画面110の設定レベルメータ110aにより、デフォルトの音量の設定状態に対応した音量レベルを表示可能に構成することができる。たとえば、デフォルトの音量が音量レベル4に設定されるケースでは、図7Aに示す設定レベルメータ110aのように、塗りつぶしの長方形枠の数が4つ表示されて、音量レベル4であることが報知される。このとき、図7Aに示すように、設定レベルメータ110aに付随する形で、音量レベル1〜5に対応する音量を数値的に表示することもできる。
(変形例9)
(ヲ)裏スイッチ71による調整モードの切り替え操作した場合、液晶表示装置36に、音量調整画面110を表示する(少なくとも設定レベルメータ110aを表示する)構成とすることができる。この場合、デフォルトの音量の設定状態に対応した音量レベルを表示させる構成とすることが好ましい。より好ましくは、図7Aに示すように、音量レベル1〜5に対応する音量を数値的に表示する(上記(ニ)中の説明、図7Aの音量調整画面110参照)。このようにすれば、ホール店員が調整モードを変更した際に、最大音量などのチェックがし易くなる。
(変形例10)
(ワ)工場出荷用の調整モード2は、音量レベルを調整可能であるとして説明したが、調整モード0と同様に、音量調整不可(全音量レベルで固定値:たとえば、80dB)としてもよい。
上記第1の実施形態および上記(イ)〜(ワ)で開示される形態(構成例)について、音量調整に関するすべての形態について、音量調整不可(固定)の調整モードや、無音の調整モード0の有無は本発明の技術的思想には影響を与えない。また、通常の遊技での用途から外れる調整モード(たとえば、調整モード0、1など)の有無についても本発明の技術的思想には影響を与えない。また本発明は、上記第1の実施形態、上記(イ)〜(ワ)、後述の「その他の変形例の(エ)」(後述の図10参照)で開示される音量調整に関する構成例のうち、少なくとも2つを組合せた構成とすることができる。
以上に示した第1の実施形態(変形例を含む)よれば、下記のような問題を解決することができる。パチンコホール内の遊技機の台数が多い場合や密集している場合、遊技機からの出力音が干渉して、パチンコホール内に響き渡る音が爆音(100dB以上)に変化してしまう場合もある。このような遊技環境下では、たとえば、火災報知機による警報音や全国瞬時警報システム(Jアラート)などの緊急性を要する警報音を聞き逃してしまい、防災・防犯上の問題が生じうる。特に、国民保護に係る警報のサイレン音を聞き逃してしまうと、想定される被害は極めて甚大である。また、大音量の中に晒されてしまうと、ホール店員や遊技者に対して、音響性外傷(たとえば、騒音性難聴など)の被害を与えてしまう恐れもある。本実施形態では、音演出手段(スピーカ46)から出力される音量の上限値(最大音量)を多段階に調整可能な構成とし、遊技環境に適した音量を出力することができるようになっている。これにより、上記問題点を解決しうる遊技機を提供することができる。
[第2の実施形態]
以上に説明した実施形態(第1の実施形態)では、遊技機から出力される光演出について、その最大音量を多段階的に調整可能な構成について説明した。次に、遊技機による光演出、つまり、装飾ランプ45から照射される光量について、その最大光量を多段階的に調整可能な構成(第2の実施形態)について説明する。
なお第2の実施形態の説明において、上記した第1の実施形態と実質的に同じ構成要素についての説明は重複記載を避けるために適宜省略し、第1の実施形態と異なる点を中心的に説明する。また、上記第1の実施形態で説明した音量に関する事項について、「音量」の文言を「光量」の文言に置換して説明できる事項については、適宜置換して説明し、その際に実質的に同じ内容となるものについては、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
(遊技機に対する光量設定について:図7B、図9)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1には、第1の実施形態で説明した裏スイッチ71と同様の機能を持つ、光量調整用のロータリータイプのディップスイッチ(以下、説明の便宜のために「裏スイッチ71」と称する)が、パチンコ遊技機1の背面側の適所(たとえば、演出制御基板24上)に設けられており、この裏スイッチ71を操作することで、遊技機から照射される光量の最大値(方向キー75の左右操作による光量調整可能な光量の上限値)を段階的に設定することが可能となっている。この点、裏スイッチ71による音量調整操作と同じである。ただし、この実施形態の場合、独立した2つの裏スイッチ71(音量用調整モード切替スイッチと光量用調整モード切替スイッチ)が設けられており、最大音量と最大光量とが別個独立して調整可能となっている。ここで、「光量」とは、たとえば光度(SI単位系:cd)、照度(SI単位系:lx)、輝度(SI単位系:cd/m2)、光束(SI単位系:lm)、光束発散度(SI単位系:rlx)などに置き換えることができる。
上記光量の最大値(最大光量)の調整は、第1の実施形態で説明した最大音量の調整と同じく、専ら、ホール店員によって行われる。本実施形態では、裏スイッチ71を用いて、図9(A)に示す「調整モード0〜9」の10段階を1段階ずつ切り換え可能となっており、その切り替え可能範囲には、最大光量として、主に、テスト時・工場出荷時用で利用される「LAC00(消灯:0%)」、「LAC11(プレゼン用設定:50%)、「LAC23(出荷時用設定:80%)」、主に、通常の遊技で利用される「LAC15(光量小:60%)」、「LAC19(光量小中:70%)」、「LAC23(光量中:80%)」(出荷用と共通)、「LAC27(光量中大:90%)」、「LAC31(光量大:100%)」の7段階の光量(MAX光量レベル)がある。この7段階の各光量を“最大光量(制限光量)”として、段階的に調整可能(最大光量を制限可能)となっている(図9(A)の調整モードに応じた‘最大光量’の欄参照)。なお、本実施形態における「100%」の光量とは、装飾ランプ45(演出用LED)の最大光量を示す数値である。たとえば、光量が「50%」や「70%」などと表記する場合は、最大の光量値に、そのパーセンテージを乗算した光量値で、装飾ランプ45が発光することを意味する。つまり、光量が70%の場合は、光量が50%と比較して、照射光が明るく、遊技者が眩しく感じるということになる。
本実施形態では、パチンコホール側が裏スイッチ71を用いて好みの調整モードに設定し、遊技機から出力される最大光量を段階的に制限することができる。すなわち、図7Bに示す光量調整画面111において、方向キー75の左右操作による光量の調整範囲の上限値(ユーザー側設定光量の最大光量)を、パチンコホール側が設定することができるようになっている。したがって、遊技者が光量レベルを最大レベル(図7Bに示すレベル5MAX)に設定したとしても、現在の調整モードで制限された最大光量以上の光量に設定することができない。しかし、ホール側が設定した調整モードに対応する最大光量の範囲内で、ユーザー側設定光量を自由に設定することができる。
図9(A)に示す調整モード0〜9の用途、節電モード設定については、図示の通り、第1の実施形態と同じである。なお、パチンコ遊技機1への電源投入時または裏スイッチ71による調整モード変更時は、調整モードに応じたデフォルトの光量(初期設定光量)に自動設定されるようになっている。この点も、第1の実施形態と同じである。なお、デフォルトの光量は、たとえば、調整モード0〜1はそれぞれ光量レベル1に設定され、調整モード2〜9は、中間レベルの光量(光量レベル3)に設定される(図9(A)の灰色ブロック枠の参照)。この設定状態は、図7Bに示す音量調整画面111の設定レベルメータ111aにより、該当する光量レベルが表示されるようになっている。なお、方向キー75の光量調整操作により、デフォルトの光量レベルとは異なる他の光量レベルに変更され、その状態のまま客待ち演出が実行された場合、客待ち演出の実行を契機に、デフォルトの光量レベルに再設定されるようになっている。
次に図9を参照しながら、調整モードに応じて、遊技機(装飾ランプ45)から照射される光量について説明する。図9(A)は、裏スイッチ71の設定状態に応じて、調整モードを選択設定するために用いる調整モード選択テーブルの概念図を示し、図9(B)は、装飾ランプ45の光量を定めるために用いる光量データ選択テーブルの概念図を示したものである。
遊技機(装飾ランプ45)から出力される光量は、裏スイッチ71によって設定された「ホール側設定光量」と、そのホール側設定光量の範囲内にて遊技者によって調整される上記「ユーザー側設定光量」とに基づいて定まる。
裏スイッチ71が操作されて設定状態が変更された場合には、光量の場合には、図9(A)に示す調整モード選択テーブル(光量用)を参照して、新たな調整モードに設定(更新)する。これにより、光量の最大値(遊技者側にて調整可能な光量の上限値)が定まる。また、調整モードが変更された場合、上記したように、遊技機の初期音量は、現在の調整モードに応じたデフォルトの音量に設定される。
本実施形態の場合、図9(A)に示す通り、各調整モード1〜9(調整モード0は光量調整不可(全光量レベルで固定値)のため除く)における最低光量は、一律の「LAC03」の30.0%である(図9(A)の‘光量レベル1’の欄を参照)。各調整モード1〜9のうち、通常用(節電モード移行無し)の調整モード3〜7は、ユーザー側設定光量の調整可能範囲(図示の光量レベル1〜光量レベル5の光量)と、調整可能な最大光量とがそれぞれ異なるものとなっているが、節電モード用の調整モード2は調整モード5と同一、調整モード8は調整モード7と同一、調整モード9は調整モード3と同一のものとなっている。
ここでは、説明の重複記載を避けるために、代表的に、裏スイッチ71により「調整モード3」に設定されたケースについて説明する。この調整モード3の場合、ホール側設定光量は「LAC15(30.0%)」である。そして遊技者は、図7Bに示す光量調整画面110の表示中において、方向キー75を左右方向に操作して、最低音量「LAC03」〜最大音量「LAC15」の範囲内で5段階の光量調整操作を行って、好みの光量に設定することが可能である。具体的には、調整モード3下では、光量レベルを1段階上げ下げする毎に、「LAC03(最小光量)(30.0%)」⇔「LAC06(37.5%)」⇔「LAC09(デフォルトの光量)(45.0%)」⇔「LAC012(52.5%)」⇔「LAC15(最大光量)(60.0%)」という具合に、最大光量「LAC15」を上限として、5段階の切り替えが可能である。なお、光量の設定は、図9(A)に示す調整モード選択テーブル、図9(B)に示す光量データ選択テーブルを用いて行うが、その設定処理の内容については、当該テーブルを用いる点以外は、上記第1の実施形態で説明した音量の設定処理の内容と実質的に同じであるため、重複記載を避けるためにその詳細は省略する。
上記調整モード4〜7についても処理内容は実質的に同じであり、また図9(A)から分かる通り、各調整モードの光量調整範囲は「ユーザー側設定光量レベル」の欄に、各調整モードの光量可変幅(オフセット値)は「光量可変幅」の欄に、各調整モードに応じて設定される最大光量は「最大光量[%]」の欄に示す通りである。
以上に説明した実施形態は、下記(ツ)〜(フ)の特徴的構成を有する。
(ツ)各調整モード(設定値)に応じて、レベル1段階あたりのオフセット値(加算値および/または減算値)、つまり光量可変幅が異なる。
(ネ)本実施形態に係る調整モードには、節電モード用(節電モード移行可)の調整モード2、8、9と、非節電モード用(節電モード移行不可)の調整モード3〜7とが設けられている。下記(δ2)〜(θ2)の特徴がある。ここで、“節電モードに制御可能な遊技機”という点に着目した場合について、上記第1の実施形態に係る(α)〜(θ)のうち(α)〜(γ)については同じであるため、その説明は省略する。
(δ2)節電モード用の調整モードの最大光量を、非節電モード用の各調整モードで定められる最大光量のうち、一番大きい光量値と同一(共通)光量値に定めることができる。具体的には、節電モード用の調整モード8(節電5)と、非節電モード用の調整モード7(通常5)の関係を指す(最大光量「LAC031(100%)」)。
(ε2)節電モード用の調整モードの最大光量を、非節電モード用の各調整モードで定められる最大光量のうち、一番小さい光量値と同一(共通)光量値に定めることができる。具体的には、節電モード用の調整モード9(節電1)と、非節電モード用の調整モード3(通常1)の関係を指す(最大光量「LAC015(60.0%)」)。
(ζ2)節電モード用の調整モードの最大光量を、非節電モード用の各調整モードで定められる最大光量のうち、中間の光量値と同一(共通)光量値に定めることができる。具体的には、節電モード用(兼、工場出荷用)の調整モード2(節電3)と、非節電モードの調整モード5(通常3)の関係を指す。
(η2)節電モード用の調整モードには、少なくとも第1調整モードと第2調整モードとが含まれ、当該第1調整モードの最大光量は非節電モード用の調整モードのうち一番大きい光量値と同一(共通)光量値であり、当該第2調整モードの最大光量は節電モード用の調整モードのうち一番小さい光量値と同一(共通)光量値とすることができる。
(θ2)節電モード用の調整モードには、少なくとも第1〜第3調整モードが含まれ、当該第1調整モードの最大光量は非節電モード用の調整モードのうち一番大きい光量値と同一(共通)光量値であり、当該第2調整モードの最大光量は非節電モード用の調整モードのうち中間の光量値と同一(共通)光量値であり、当該第3調整モードの最大光量は非節電モード用の調整モードのうち一番小さい光量値と同一(共通)光量値とすることができる。
(ナ)本実施形態では、光量の下限値(光量レベル1の光量)について、下記(ι2)〜(λ2)の特徴を有する。ただし、光量調整不可の調整モード0(消灯)を除く。
(ι2)光量の下限値が、調整モード1〜9で共通(同一)である。ただし光量の上限値については、非節電モード用(第1群)に属する調整モード3〜7でそれぞれ異なり、節電モード用(第2群)に属する調整モード2、8、9でそれぞれ異なる。
(κ2)光量の下限値が、非節電モード用の各調整モード(調整モード3〜7)で共通(同一)であるが、光量の上限値は、各調整モードでそれぞれ異なる。
(λ2)光量の下限値が、節電モード用の各調整モード(調整モード2、8、9)で共通(同一)であるが、光量の上限値は、各調整モードでそれぞれ異なる。
(ラ)図7Bに示す光量調整画面111の設定レベルメータ111aに替えて、または、設定レベルメータ111aとともに、光量値情報を報知する光量値報知画像を表示することができる。たとえば、光量レベル1(LAC03)のときは、たとえば、「現在40dB」などの文字情報を液晶画面の所定領域に表示することができる。
また、選択中の光量レベルの光量値情報を単独で、あるいは、現在の光量値情報とともに表示してもよい。
また、図7B(A)〜(C)に示すように、現在の調整モードに応じた光量レベル1〜5に対応する光量値を数値的に表示してもよい。図示の(A)〜(C)では、符号110aの設定レベルメータ1〜5(音量レベル1〜5)のそれぞれの下部に、光量をパーセント(%)形式で表示(数値的に表示)した光量調整画面を例示している。なお、同図(A)は、調整モード7(最大光量:大)、同図(B)は調整モード5(最大光量:中)、調整モード3(最大光量:小)の場合の表示例を示してある。図示からも分かる通り、調整モードに応じて、光量レベル2〜5の光量がそれぞれ異なるが、遊技者が方向キー75を操作して5段階の設定レベルのいずれかに調整することができるようになっている(全光量レベルを選択可能)。この点、調整モードに応じて、光量レベルの選択不可領域が存在する後述の図11とは異なる。また、この光量調整画面111の場合、光量レベル1〜5のいずれかに変更した場合、光量がどの程度高くなるかを、遊技者に対して数値的に報知することができる。すなわち、遊技者が、設定レベルメータを見れば、現在の調整モードの調整範囲、最小光量(MIN)、最大光量(MAX)などを視覚的に把握することができる。
なお、光量情報に関する画像の表示位置は特に限定はなく、設定レベルメータ111aの長方形枠の上部、長方形枠内、または長方形枠の下部に表示したり、長方形枠と重複表示したりすることができる。また、光量調整画面111の右上隅部、右下隅部など、光量調整画面111に表示される他の画像(たとえば、ボタン画像など)の邪魔にならない位置に表示することができる。
(第2の実施形態の変形例)
また本実施形態は、下記の(ウ)〜(コ)のように構成することができる。なお、下記の(ウ)〜(コ)の構成例については、特段断りの無い限り、調整モードに関し、光量調整不可(固定)の調整モード0、または、専らテスト用などとして利用され、通常の遊技で利用しない調整モード0〜1については考慮しない。
(変形例1)
(ウ)図7Bに示す光量調整画面111の表示中に、裏スイッチ71により調整モードを変更した場合、設定レベルメータ111aの表示態様は変化せずに、光量だけ変化する。具体的には、設定レベルメータ111aの表示態様は変化せずに、変更後の調整モードに対応するデフォルトの光量に調整される。変更前後で、同じ光量である場合には、設定レベルメータ111aの表示および光量はいずれも変化しない。
(変形例2)
(ヰ)エラー報知演出に係る光演出(以下、「エラー光」と略す)の光量を、調整モードに応じたエラー専用の光量に定めることができる。エラー専用の光量としては、たとえば、エラー光以外の光演出の最大光量よりも大きい光量(たとえば、+5%)に定めることができる。代表的に、調整モード3〜7に着目して説明すれば、エラー光の最大光量を60%〜100%に定めることができる(調整モードの最大光量については図8(A)参照)。
また、調整モードに応じた上記エラー専用の光量に定める場合、調整モードに応じて、エラー光と、エラー光以外の光演出(たとえば、図柄変動表示ゲームに係る光演出)とで、最大光量の光量可変幅が異なるようにしてもよい。たとえば、調整モード3と調整モード4との最大光量の光量可変幅は「10%」であるが、エラー光の場合は「15%」とすることができる。また、ユーザー側設定光量(光量レベル1〜光量レベル5)に応じて、エラー光も追従して、光量を上げ下げ可能な(変化可能)構成としてもよい。なお「エラー光以外の光演出」は、図柄変動表示ゲームに係る光演出(予告演出に係る光演出など)だけでなく、図柄変動表示ゲームが実行されていないときの光演出、たとえば、・光量調整操作時の光演出(操作時光演出)なども含まれる。
(変形例3)
(ノ)エラー光の光量を、調整モードに応じた最大光量(調整モードに応じた光量で固定)とすることができる。この場合、エラー光は、ユーザー側設定光量(光量レベル1〜光量レベル5)に依存せずに、調整モードに応じた最大光量(一定の光量)のままで発光させることができる。この場合、裏スイッチ71によるエラー光の光量調整は可能であるが、遊技者側の操作手段による光量調整は不可能な構成となる。エラー光について、遊技者側の光量調整に応じて無闇に光量が変化してしまうのは、エラーが生じた際にはエラー報知を周囲に対して行う、というエラー報知の本来の目的を達成する上で不都合となりうるからである。
(変形例4)
(オ)特定のエラーに係るエラー光の光量を、調整モードに応じて変化しない構成とすることができる。たとえば、RAMクリアスイッチ98によるRAMクリア処理が実行されると、RAMクリアエラー用のエラー報知演出が実行されるが、当該エラー報知演出に係るエラー光(RAMクリア時の警報音)の光量については、調整モードによらず変化しない、つまり、一定の光量のまま発光させることができる。RAMクリアエラーや、不正検出センサ72a〜72cにより検出されるエラーなどのように、遊技機に対する深刻度が高いエラーについては、無闇にエラー光の光量を変化させないことが好ましいからである。なお「特定のエラー」は1種類に限らず、複数種類であってもよい。また、遊技機に対する深刻度が高いエラーについては、光量を100%とすることが好ましい。
(変形例5)
(ク)同一の調整モードであっても、エラー光と、エラー光以外の光演出とで、最大光量が異なる構成とすることができる。たとえば、エラー光以外の光演出の光量は、調整モードで定まる最大光量(たとえば、調整モード3の場合は「LAC15(60.0%)」)であるが、エラー光は、調整モードで定まる光量よりも高くすることができる(たとえば、「LAC16(62.5%)」以上)。端的に言えば、エラー光と、エラー光以外の光演出の光量の関係が「エラー光>エラー光以外の光演出」を満たす構成である。
(変形例6)
(ヤ)同一の調整モードにおいて、エラー光と、エラー光以外の光演出とで、最大光量(光量レベル5の光量)は同一(共通)であるが、最大光量以外の上限値については「エラー光>エラー光以外の光演出」の関係を満たす構成とすることができる。すなわち、光量レベル1〜4のいずれかに調整した場合、その調整した光量レベルに対応する光量よりもエラー光の光量が大きい、という構成である。たとえば、調整モード3下で、光量レベル4に設定した場合、「LAC12(52.5%)」よりも高い光量(たとえば「LAC13(55.0%)」以上)とすることができる。他の光量レベル1〜3についても同様である。
上記(ヰ)〜(ヤ)の構成によれば、エラー報知演出に係る光演出(エラー光)の光量が、当該エラー報知演出以外の光演出の光量よりも大きいため、エラーが発生している旨を周囲に対して効果的に報知することができる。
(変形例8)
(マ)上記実施形態では、調整モードに応じたデフォルトの光量(初期設定光量)に関し、図8(A)に示すように、デフォルトの光量は、たとえば、調整モード0〜1はそれぞれ光量レベル1に設定され、調整モード2〜9は、中間レベル(光量レベル3)に設定されるとして説明した。しかし本発明はこれに限らず、下記(λ2)〜(ρ2)のように構成することができる。
(λ2)全調整モードでデフォルトの光量を、最小レベルの光量レベル1に設定する。
(μ2)全調整モードでデフォルトの光量を、中間レベルの光量レベル3に設定する。
(ν2)全調整モードでデフォルトの光量を、最大レベルの光量レベル5に設定する。
(ξ2)光量調整不可(固定)の調整モード0(消灯)を除く、調整モード1〜9について、または調整モード0〜1を除く、調整モード2〜9について、デフォルトの光量(初期設定光量)を、それぞれ同じ光量レベルとすることができる。たとえば、調整モード1〜9(または2〜9)について、デフォルトの光量を、光量レベル1(下限値)、または光量レベル3、あるいは光量レベル5とすることができる。
(ο2)節電モード用の調整モードと、非節電モード用の調整モードとで、デフォルトの光量を異なるレベルに設定することができる。たとえば、節電モード用の調整モードの場合は、光量レベル1、非節電モード用の調整モードは光量レベル3などである。
(π2)調整モードに応じて、デフォルトの光量を異なる光量レベルに設定することができる。たとえば、最大光量が第1光量(たとえば、70%)以下の調整モードの場合は‘光量レベル1’に設定し、当該第1光量を超える最大光量の調整モードの場合は光量レベル3に設定することができる。またたとえば、最大光量が相対的に大きくなるに従い、デフォルトの光量レベルも相対的に高くなるように設定することができる。具体的には、通常用の調整モード3〜7に着目した場合、調整モード3は光量レベル1、調整モード4は光量レベル2、調整モード5は光量レベル3、調整モード5は光量レベル4、調整モード6は光量レベル5という具合である。またこれとは逆に、最大光量が相対的に大きくなるに従い、デフォルトの光量レベルが相対的に低くなるように設定することができる。
(ρ2)上記(λ2)〜(π2)の構成において、図7Bに示す光量調整画面111の設定レベルメータ111aにより、デフォルトの光量の設定状態に対応した光量レベルを表示可能に構成することができる。たとえば、デフォルトの光量が光量レベル3に設定されるケースでは、図7Bに示す設定レベルメータ111aのように、塗りつぶしの長方形枠の数が3つ表示されて、光量レベル3であることが報知される。このとき、図7Bに示すように、設定レベルメータ111aに付随する形で、光量レベル1〜5に対応する光量を数値的に表示することもできる。
(変形例9)
(ケ)裏スイッチ71による調整モードの切り替え操作した場合、液晶表示装置36に、光量調整画面111を表示する(少なくとも設定レベルメータ111aを表示する)構成とすることができる。この場合、前述した変形例8の(π2)及び(ρ2)の構成のように、デフォルトの光量を調整モードに応じて異ならせて、デフォルトの光量の設定状態に対応した光量レベルを表示させる構成とすることが好ましい。より好ましくは、図7Bに示すように、光量レベル1〜5に対応する光量を数値的に表示する(上記(ラ)中の説明、図7Bの光量調整画面111参照)。このようにすれば、ホール店員が調整モードを変更した際に、最大光量などのチェックがし易くなる。
(変形例10)
(フ)工場出荷用の調整モード2は、光量レベルを調整可能であるとして説明したが、光量調整不可(全光量レベルで固定値:たとえば、80%)としてもよい。
(変形例11)
(コ)本実施形態では、音量調整用の裏スイッチと、光調整用の裏スイッチとの2つの調整モード切替スイッチを備え、光量用の調整モードと音量用の調整の調整モードとが、それぞれ独立して調整可能な構成であるとして説明した。しかし本発明これに限らず、図8(A)の音量調整用データと、図9(A)の光量調整用データとを含む調整モード選択テーブル(以下、「音量光量用調整モード選択テーブル」と称する)を用意し、1つの裏スイッチ71により、調整モード0〜9のいずれかに設定可能に構成することができる。本実施形態の場合、図8(A)および図9(A)から分かる通り、音量用の調整モードと光量用とで、調整モード数が同一であり、双方の調整モードの用途なども一致するように構成してある。したがって、1つの裏スイッチ71により、たとえば、調整モード3に設定した場合、音量については図8(A)に示す調整モード3、光量については図9(A)に示す調整モード3の共通の調整モード3に設定される。そして、音量については図8(A)に示す調整モード3のデータが参照され、最大音量が「SAC15」の75dBに設定され、デェフォルトの音量が音量レベル3の「SAC09」の60dBに設定される。また、ユーザー側設定音量の設定範囲は、「SAC03(最小音量)」⇔「SAC06」⇔「SAC09(デフォルトの音量)」⇔「SAC012」⇔「SAC15(最大音量)」となる。他方、光量については図9(A)に示す調整モード3のデータが参照され、最大光量が「LAC15(60.0%)に設定され、デェフォルトの光量が光量レベル3の「SAC09」の45%に設定される。また、ユーザー側設定光量の設定範囲は、「LAC03(最小光量)(30.0%)」⇔「LAC06(37.5%)」⇔「LAC09(デフォルトの光量)(45.0%)」⇔「LAC012(52.5%)」⇔「LAC15(最大光量)(60.0%)」となる。
(その他の変形例)
(エ)上記第1の実施形態に係る音量調整画面110(設定レベルメータ110a)は、図7に示す表示態様に限られない。たとえば、図10に示す音量調整画面110b、110d、110f(設定レベルメータ110c、110e、110g)のような表示態様としてもよい。この図10に示す音量調整画面の変形例について説明する。ここでは、説明の便宜上、12段階のレベル設定が可能なものとして説明する。本変形例は、端的に言えば、設定された最大音量が大きいほど、設定レベルメータによる音量レベルの設定可能範囲が広がる、というものである。
詳しくは、たとえば、調整モード7、8の場合は「最大音量95dB」、調整モード2、5の場合は「最大音量85dB」、調整モード3、9の場合は「最大音量75dB」となっている。ここで、調整モード7、8の場合は図10(A)に示すように、全12段階のレベル設定が可能であるが(設定レベルメータ110c参照)、調整モード7、8よりも最大音量が小さい調整モード2、5の場合には、図10(B)に示すように、設定レベルメータ110eが示す12段階のレベルのうち、音量レベル11〜12が灰色に塗り潰されており、この範囲は設定不可(レベル選択不可範囲)、つまり、音量レベルが10段階のレベル設定に制限される。同様に、さらに最大音量が小さい調整モード3、9の場合は、図10(C)に示すように、設定レベルメータ110fが示す12段階のレベルのうち、音量レベル9〜12が灰色に塗り潰されており、音量レベルが8段階のレベル設定に制限されるようになっている。このように本変形例では、最大音量が相対的に小さい調整モードに設定されている場合には、設定レベルメータによるレベル設定範囲を相対的に狭め、反対に、最大音量が相対的に大きい調整モードに設定されている場合には、設定レベルメータによるレベル設定範囲を相対的に広げて、現在の調整モードの設定値を、設定レベルメータを通じて間接的に報知可能となっている。
なお上記したように、設定された最大音量に応じて設定レベルメータによるレベル設定範囲を変動させるのではなく、調整モードの値に応じて、設定レベルメータよるレベル設定範囲を変動させる構成としてもよい。たとえば、7段階のレベル設定が可能なものとして説明すれば、調整モード3であればレベル設定範囲が3段階まで(音量レベル1〜3まで)、調整モード4であればレベル設定範囲が4段階まで(音量レベル1〜4まで)、・・・、調整モード6であればレベル設定範囲が6段階まで(音量レベル1〜6まで)、調整モード7であればレベル設定範囲が7段階まで(音量レベル1〜7まで)といった具合である。いずれにしても、現在の調整モードの設定値を、設定レベルメータを通じて間接的に報知可能な構成であればよい。
また、図11(A)〜(C)に示す光量調整画面111b、111d、111fの設定レベルメータ111c、111e、111gについても同様に、設定された最大光量が大きいほど、設定レベルメータによる光量レベルの設定可能範囲が広がるという表示例を示したものである。この光量調整に係る変形例も前述の音量調整の変形例と同事象である。そのため、重複記載を避けるために、その詳細な説明は省略する。
上記第2の実施形態(変形例を含む)によれば、下記のような問題を解決することができる。近年、弾球遊技機や回胴式遊技機などの遊技機においては、遊技者の当選期待感を煽るために、フラッシュなどの眩しい光演出を連続して現出したり、派手な光演出を長時間現出したりする遊技機も多く、遊技者の中には、その眩しすぎる光を不快であるとする声も多い。そこで本実施形態では、光演出手段の光量の上限値(最大光量)を、多段階的に調整可能な構成とし、遊技機から照射される光量の上限値(最大光量)を、パチンコホール側にて適宜調整可能となっている。これにより、遊技者の要望や遊技環境に適した光量に調整しうる遊技機を提供することができる。なお、光量の調整部分は、遊技機に設けられた光演出手段(装飾ランプ45)の全部、または一部(たとえば、センター飾り体48の発光手段群のみ)であってもよい。
上記第2の実施形態、上記(ツ)〜(コ)、および「その他の変形例の上記(エ)(図11)」で開示される形態(構成例)について、光量調整不可(固定)の調整モードや、消灯の調整モード0の有無は本発明の技術的思想には影響を与えない。また、通常の遊技での用途から外れる調整モード0〜1の有無についても本発明の技術的思想には影響を与えない。また本発明は、上記第2の実施形態および上記(ツ)〜(コ)、(エ)で開示される光量調整に関する構成例のうち少なくとも2つを組合せた構成とすることができる。さらに本発明は、上記第1の実施形態、上記(イ)〜(ワ)、上記第2の実施形態、上記(ツ)〜(コ)、および上記(エ)で開示される構成例のうち、少なくとも2つを組合せた構成とすることができる。すなわち本発明は、音量調整に関する第1の実施形態と、光量調整に関する第2の実施形態とに係る各種の構成例を、適宜組合せた構成も含まれる。
[第3の実施形態]
次に図12〜図28を参照して、上記デフォルトの音量レベル(初期設定音量)と、その表示例について説明する。なお、上記第1の実施形態では、調整モード2を「出荷用」と「節電モード用(節電3:最大音量「中」)」とを兼用した調整モードであるとして説明したが、以下では、「出荷用」と表記する場合、当該調整モードを「出荷用」専用の調整モードとして説明する。また、図12〜図28においては、本発明の理解を容易なものとするために、図12〜図28に示す調整モード選択テーブル中のアラビア数字を、図8で示す「SAC」ではなく、単純に「デシベル[dB]」表記に変更したものを示す。ただし、デシベルで表記する音量値は、その数値の大小により、音量の大小関係を端的に示すものに用いるものであり、実際の音量とは異なるのは勿論のことである。また図12〜図28において、淡灰色のブロック枠が示す「初期位置」とは、デフォルトの音量(音量レベル)を意味する。
(具体例1:図12)
図12は、上記「変形例8の(ル)(π)」で説明した“調整モードに応じて、デフォルトの音量レベルを異なる音量レベルに設定する形態”の具体例を示したものである。ここでは、調整モード選択テーブルとして、最大音量を5段階に調整可能であり(5種類の最大音量からいずれかに設定可能。ただし、調整モードに応じてデフォルトの音量レベルが異なる場合がある)、音量レベル1〜5の5段階に調整可能の「5×5段階バージョン」の構成を例示している(後述の具体例2も同様)。
図12において、たとえば、調整モード0〜2(無音用、プレゼン用、出荷用:第1調整モードに属する調整モード)の場合は音量レベル1に設定し、通常用の調整モード3〜7(第2調整モードに属する調整モード)の場合は、それぞれ異なる音量レベル1〜5に設定することができる。また本例では、節電モード用の調整モードについて、調整モード8(音量小)と調整モード9(音量大)の2種類設けたものを代表的に示してある。また節電モード用の調整モード8(音量小)、9(音量大)については、最大音量の関係からデフォルトの音量を通常用と同じ音量レベルに合わせている(調整モード8は音量レベル1に、調整モード9は音量レベル5に設定している)。
(デフォルトの音量レベルの表示について)
また、デフォルトの音量(音量レベル)に関する情報は、上記「変形例8の(ル)(ρ)」で既に説明したように、設定レベルメータを用いて、デフォルトの音量レベルを報知可能に構成されている(図12(A)〜(C)参照)。また、単にデフォルトの音量レベルを報知するだけでなく、上記「変形例8の(ル)(ρ)」で説明したように、設定レベルメータに付随する形で、音量レベルに対応する音量を数値的に表示することもできる(図7A(A)〜(C)の設定レベルメータ110a下部のデシベル(dB)表示画像参照)。デフォルトの音量レベルの表示については、後述の具体例2〜5についても同様である。
なお本例では、無音用やプレゼン用や出荷用の調整モードと、通常用の調整モード3(通常用モードの中で、最大音量が最低値のもの)とを同じ音量値(たとえば、65dB)としてもよい。
(具体例2:図13(A)〜(C))
図13(A)〜(C)は、前述した図12の変形例を示したものであり、基本的構成は、上記「変形例8の(ル)の(λ)、(μ)、(ν)」で説明した構成と同じである。詳しくは、音量調整不可の調整モード0を除く、音量調整可能な調整モードに関し、“調整モードによらず、デフォルトの音量(音量レベル)を所定の音量レベルに設定する”という構成例である。具体的には、デフォルトの音量に関し、図13(A)〜(C)はそれぞれ、最小レベル(音量レベル1)、中間レベル(音量レベル3)、最大レベル(音量レベル5)に設定する例を示したものである。
(具体例3:図14)
図14(A)(B)は、調整モード毎の音量値は変わらないが(各調整モードで、各音量レベルの音量値が共通(同一)の値)、調整モードに応じて遊技者が設定可能な音量調整範囲(遊技者の音量調整操作による調整可能な音量レベルの範囲)を異ならせることを以て、最大音量を調整モードに応じて異ならせる、という構成例である。ここでは、最大音量を5段階に調整可能であり、音量レベルを1〜10の10段階に調整可能の「5×10段階バージョン」の構成を例示している。なお以下では、遊技者による音量調整操作により調整可能な音量レベルの範囲を「遊技者側音量調整範囲」と称する場合がある。
図14において、図示の濃灰色(太線の枠内)の部分は(無音用の調整モードを除く)、遊技者が調整不可の範囲(レベル選択不可範囲)を示している(後述の図15〜図17C、図21〜図28についても同様)。たとえば、調整モード3の場合は、音量レベル7〜10は調整不可(レベル選択不可範囲)、つまり遊技者側音量調整範囲は音量レベル1〜6の範囲となっており、これにより、遊技者は、最大で音量レベル6の「50dB」までしか調整することができない。他方、調整モード4の場合は、音量レベル8〜10は調整不可(レベル選択不可範囲)であるが、遊技者側音量調整範囲は音量レベル1〜7の範囲となっており、遊技者は、調整モード3の場合と比し、最大で音量レベル7の「59dB」まで調整することができる。本例では、調整モード7(通常5)、9(節電5)の場合に、音量レベル1〜10までの全音量レベルが選択可能であり、最大音量の86dBまで調整可能となっている。なお、他の調整モードについては、図示の通りである。
このように、図14に示す構成例では、遊技者が調整可能な音量調整可能範囲が調整モードに応じて異なるものとなっている。これにより、調整モード毎の最大音量は同一でありながらも、調整モードに応じて(全調整モードの全部または一部で)、最大音量を異ならせることができるようになっている。
なお、図14(A)と図14(B)とでは、図示の通り、デフォルトの音量レベルが、異なる。具体的には、図(A)に示す例は、デフォルトの音量レベルが、遊技者側音量調整範囲のうちで最大の音量レベルに設定されるケースを示している。他方、図(B)は、調整モードによらず、同一の音量レベル(本例では、デフォルト=音量レベル6)に設定されるケースを示している。つまり図(B)の場合、いずれの調整モードにおいても遊技者が設定可能な音量レベルに設定されるケースであり、この例では、音量レベル1〜6のいずれかのレベルに設定することができる。
上記図12〜図14、図17A〜図22、図25、図26、図28において、音量調整不可の調整モード0(無音用)については、音量調整自体が不可となっている。音量調整自体を不可する方法としては、たとえば、設定レベルメータ自体を表示しないようにする、あるいは、設定レベルメータは表示するが、音量調整操作は不能とする、などにより、音量調整自体ができないように構成することができる。また、「音量調整不可」などのメッセージ表示をして(たとえば、後述の図18(A)参照)、音量調整操作ができない旨を報知してもよい。
(具体例4:図15〜図16)
図15は、上記した図14の具体例3の変形例を示すものである。本例が、図14の構成例と異なる点は、最大音量を10段階に調整可能であり(10種類の最大音量からいずれかに設定可能)、音量レベルを1〜10の10段階に調整可能の「10×10段階バージョン」の構成である点、「無音用、プレゼン用、出荷用、節電用」などの調整モードは設けていない点である。
図15に示すデフォルトの音量レベルに関し、図15(A)は、デフォルトの音量レベルが、調整モード毎にデフォルトの音量レベルが異なり、デフォルトの音量レベルが遊技者側音量調整範囲のうちで最大の音量レベルに設定される。また、調整モードを上昇または下降方向に変更した場合、デフォルトの音量レベルが規則的に階段状に変化するようになっている。また、本例の調整モード0は、無音用の調整モードではないが、音量調整操作ができない調整モードとなっている。
他方、図15(B)は、調整モードによらず、所定の音量レベルに設定されるケースであり、基本的構成は、上記した図14(具体例3)(B)と同じである。ただし図15(B)の場合、遊技者が設定可能な音量レベルが音量レベル1であるため、ここでは、デフォルトの音量を、最小の音量レベル(音量レベル1)に設定される構成例となっている。
(具体例4の変形例:図16)
また上記した図15(具体例4)の変形例として、たとえば、図16(A)(B)に示すように、デフォルトの音量レベルを、複数の調整モードで共通レベルに設定する構成としてもよい。たとえば図16(A)に示すように、調整モード0〜2(第1グループ)を音量レベル1、調整モード3〜5(第2グループ)を音量レベル4、調整モード6〜9(第3グループ)を音量レベル7といったように、複数の調整モードを複数のグループに纏めて、それぞれを共通レベルとすることができる。また図16(B)に示すように、調整モード0〜4(第1グループ)を音量レベル1、調整モード5〜8(第2グループ)を音量レベル5、遊技者側音量調整範囲を最大とする調整モード9は、単独で、最大の音量レベル10、という具合に、1または複数のグループと、共通化されない単独の調整モードを1または複数有する構成としてもよい。
(具体例5:図17)
図17A〜図17Cは、上記した図15(または図16)の具体例5を示すものである。本例が、図15の構成例と異なる点は、最大音量を図15の構成例よりも多い、16段階に調整可能であり(16種類の最大音量からいずれかに設定可能)、音量レベルを1〜10の10段階に調整可能の「16×10段階バージョン」の構成の点である。
図17Aに示す構成例では、節電モード用の調整モードA〜Eの5種類設けられているが、最大音量の設定可能範囲については、「大」「中」「小」の3種類である。
また図17B、図17Cに示す構成例では、節電モード用の調整モードA〜Eの5種類設けられており、図示の通り、調整モードA〜Eで、最大音量がそれぞれ異なり、「小」「中」「大」「特大」「MAX」の5種類の最大音量の設定が可能である。
図17Aに示す構成例では、少なくとも音量調整不可(固定)の調整モードF(無音)またはプレゼン用などの調整モードを除く、調整モード0〜Eについて、下記(A)〜(E)に述べるデフォルト音量設定を含む形態となっている。
(A)通常用の調整モード0〜9は、それぞれ異なるデフォルトの音量レベルに設定される。基本的構成は、上記した図15(A)(具体例4)と同じである(調整モード毎に、デフォルトの音量レベルが異なる)。
(B)節電モード用の調整モードA〜Cに着目した場合、それぞれ異なるデフォルトの音量レベルに設定される。基本的構成は、上記した図15(A)(具体例4)と同じであり(調整モード毎に、デフォルトの音量レベルが異なる)、具体的には、節電モード用の調整モードA〜Cと、通常用(非節電モード)の調整モード0〜9とは、デフォルト音量設定の傾向が同じ、つまり、デフォルトの音量レベルが、遊技者側音量調整範囲のうちで最大の音量レベルに設定されるようになっている。
(C)節電モード用の調整モードの最大音量を、通常用(非節電モード)の調整モードで定められる最大音量のうち、一番大きい音量値と同一(共通)音量値である(第1の実施形態で説明した上記(ロ)の(δ)と同様)。また、デフォルトの音量レベルも同じレベルである。具体的には、節電モード用の調整モードCと、通常用の調整モード9の関係である。
(D)節電モード用の調整モードの最大音量を、通常用の調整モードで定められる最大音量のうち、一番小さい音量値と同一(共通)音量値に定めることができる(第1の実施形態で説明した上記(ロ)の(ε)と同様)。また、デフォルトの音量レベルも同じレベルである。具体的には、節電モード用の調整モードAと、通常用の調整モード0の関係を指す。
(E)節電モード用の調整モードA〜Fのうち、一部が共通のデフォルトの音量レベルである。具体的には、調整モードDと調整モードEの関係を指す。
図17Bに示す構成例では、図17Aで述べた上記(A)〜(D)のデフォルト音量設定を含む形態の他、(F)通常用の調整モード0〜9と、節電モード用の調整モードA〜Eとで、デフォルトの音量レベルがそれぞれ異なる、という特徴を持ち、最大音量が大きくなるに従いデフォルトの音量レベルも高いレベルに設定される(最大音量が小さくなるに従い、デフォルトの音量レベルも低いレベルに設定される)。ここでは、図15(A)に示す構成例と同じく、デフォルトの音量レベルが、遊技者側音量調整範囲のうちで最大の音量レベルに設定されるようになっている。
図17Cに示す構成例は、図15(B)に示す構成例と同じく、調整モードによらず、所定の音量レベルに設定されるケースである。ただし図17Cの場合も遊技者が設定可能な音量レベルが音量レベル1であるため、ここでは、デフォルトの音量を、最小の音量レベル(音量レベル1)に設定される構成例となっている。
(設定レベルメータ110a(音量調整画面110)の現出中に、裏スイッチ71を操作した場合の設定レベルメータ110aの表示例について:図18〜図28)
次に、図18〜図28を参照して、音量調整画面110の現出中に、裏スイッチ71を操作した場合に、音量調整画面110、特に、設定レベルメータ110aの表示態様がどのように変化するかについて詳細に説明する。なお以下で説明する図18〜図28で示される調整モード選択テーブルにおいて、各調整モードにおける“デフォルトの音量レベル”は、上記図12〜図17と同様に、淡灰色で示すブロック枠(図示の「初期位置」の記載参照)の音量レベルに設定されるものとする。また、濃灰色で示すブロック枠(たとえば、図18の調整モード0、図21の調整モード1の音量レベル7〜10の範囲など)は、遊技者側音量調整範囲のうち、“レベル選択不可範囲”を示す。以下、調整モードに対応する上記「デフォルトの音量レベル」や「レベル選択不可範囲」の詳細については、図18〜図28に示す通り明白であるため、説明の便宜上、適宜省略する。
(表示例1:図18)
図18に、表示例1を示す。図18は、上記図13(A)に示す構成例(具体例2)と類似する「5×5段階バージョン」の調整モード選択テーブルに関する表示例を示すものである。ここでは、調整モード1、2のデフォルトの音量レベルが音量レベル1、その他の調整モードは音量レベル5に設定される構成となっている。
図18(A)〜(E)は、図示の調整モード選択テーブルにおいて、図18(A)は音量調整不可(無音用)の「調整モード0」の設定状態を示し、図18(B)〜(E)は、調整モード0の設定状態から調整モードを「0→1」、「1→2」、「2→3」、「3→4」と切り替えたときの設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。
ここで図18(A)は、調整モード0に設定されたときの表示である。この実施形態の場合、液晶画面の中央に大きく「音量調整不可」のメッセージが表示され、方向キー75による音量調整操作ができないように制御される(音量調整操作不可状態に制御)。この音量調整不可画面では、設定レベルメータを表示してもしなくてもよい。なお、後述の図19〜図22、図25、図26、図28における調整モード0については、図18(A)に示すものと同様に制御されるものとし、図19〜図22、図25、図26、図28において、調整モード0についての詳細な説明は、重複記載を避けるために省略する。
本表示例1の場合、図18(B)〜(E)に示す通り、設定レベルメータ110aは、調整モードを「0→1」、「1→2」に切り替えたときはいずれも「音量レベル1」を表示し、調整モードを「2→3」、「3→4」に切り替えたときは「音量レベル5」を表示する。すなわち、設定レベルメータ110aは、切り替え後の調整モードのデフォルトの音量レベルに対応した表示となっている。
(表示例2:図19)
図19に、表示例2を示す。図19は、図18で説明した調整モード選択テーブルの変形例に関する表示例を示したものである。図19に示す調整モード選択テーブルでは、図18とは異なり、音量調整不可の調整モード0を除き、デフォルトの音量レベルが音量レベル5に設定される。
図19(B)〜(E)は、調整モード3(同図(A))の設定状態から、調整モードを「3→4」、「4→5」、「5→6」、「6→7」と切り替えたときの設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。
本表示例2の場合も、図18の表示例と同じく、設定レベルメータ110aが切り替え後の調整モードのデフォルトの音量レベルに対応した表示となる。したがって、図19(B)〜(E)に示す通り、調整モード3からいずれの調整モードに切り替えても(音量調整不可の調整モード0は除く)、デフォルトの音量レベルが最大レベルの「音量レベル5」に設定されるため、設定レベルメータ110aの表示状態も、常に「音量レベル5」の設定状態で表示される。すなわち、設定レベルメータ110aの表示状態が調整モードに応じて変化しない。ただし、音量は音量レベルに応じて変化する。この点で、本表示例2は、設定レベルメータ110aの表示態様は変化しないが、音量は変化する、といった形態を例示したものである。
(表示例3:図20)
図20に、表示例3を示す。図20は、上記図12に示す構成例(具体例1)と類似する「5×5段階バージョン」の調整モード選択テーブルに関する表示例を示すものである。ここでは、調整モード1〜3のデフォルトの音量レベルが音量レベル1、その他の調整モードはそれぞれ図示の通りである。
図20(B)〜(E)は、調整モード3(同図(A))の設定状態から、調整モードを「3→4」、「4→5」、「5→6」、「6→7」と切り替えたときの設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。
本表示例3の場合も、図18の表示例と同じく、設定レベルメータ110aが切り替え後の調整モードのデフォルトの音量レベルに対応した表示となる。したがって、調整モード3から調整モードを「3→4」、「4→5」、「5→6」、「6→7」と切り替えたときは、図20(B)〜(E)に示す通り、設定レベルメータ110aも、音量レベル2→3→4→5と1段階ずつ上昇表示(レベルアップ表示)されていく。また、音量も音量レベルに応じて変化する。この点で、本表示例3は、設定レベルメータ110aの表示と音量の双方が変化する、といった形態を例示したものである。
(表示例4:図21〜図22)
図21に、表示例4を示す。図21は、上記図14(B)に示す構成例(具体例3)と同様の「10×10段階バージョン」の調整モード選択テーブルに関する表示例を示すものである。図21に示す調整モード選択テーブルでは、デフォルトの音量レベルが、調整モード0を除き、音量レベル6に設定される。
図21(B)〜(E)は、調整モード3(同図(A))の設定状態から、調整モードを「3→4」、「4→5」、「5→6」、「6→7」と切り替えたときの設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。
本表示例4の場合、調整モード3の設定状態では、同図(A)に示すように、設定レベルメータ110aは、音量レベル6を表示し、レベル選択不可範囲が音量レベル7〜10となっている。しかし調整モードを「3→4」、「4→5」、「5→6」、「6→7」と切り替えていく場合は(調整モードを上昇方向に変更した場合)、デフォルトの音量レベルは、いずれも「音量レベル6」のままであるが、レベル選択不可範囲が1音量レベルずつ減少していく、すなわち、遊技者側音量調整範囲が1音量レベルずつ増加していく。このような遊技者側音量調整範囲の変化に対応して、本表示例4では、図21(B)〜(E)に示すように、レベル選択不可範囲が1レベル分消える、すなわち、遊技者側音量調整範囲が1レベル分増える、という表示態様に変化するようになっている。たとえば、調整モードを「3→4」に切り替えた場合は、音量レベル7の略台形枠が、レベル選択不可として濃灰色に塗り潰されていた表示状態から、塗りつぶしの無い白色枠に変化して、遊技者側音量調整範囲が1レベル分増加したことが報知されるようになっている。調整モード7に切り替えた場合は、図21(E)に示すように、デフォルト音量レベルは音量レベル6のままであるが、レベル選択不可範囲が無くなり、遊技者側音量調整範囲が全音量レベルにまで増加することとなる。ただし調整モードが変化しても、設定レベルメータ110aの段階表示(たとえば、音量調整バーの数(ここでは、10本)や形態など)は、変化しない(後述の図22〜図28も同様)。上記のような点から、本表示例4は、設定レベルメータ110aの表示は変化するが音量は変化しない、といった形態を例示したものである。
図22は、図21(E)の調整モード7の設定状態から、調整モードを「7→6」、「6→5」、「5→4」、「4→3」と、逆に切り替えていくとき(調整モードを下降方向に変更した場合)の設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。この場合は、図22から分かる通り、設定レベルメータ110aの表示態様は、図21(A)〜(E)の表示の逆を辿る、すなわち、図21(E)→(D)→(C)→(B)→(A)の表示態様の順に変化していく。
(表示例5:図23〜図24)
図23に、表示例5を示す。図23は、上記図15(B)に示す構成例(具体例4)と同様の「10×10段階バージョン」の調整モード選択テーブルに関する表示例を示すものである。図23に示す調整モード選択テーブルでは、デフォルトの音量レベルが、全調整モードで、音量レベル1に設定される。
図23(B)〜(E)は、調整モード0(同図(A))の設定状態から、調整モードを「0→1」、「1→2」、「2→3」、「3→4」と切り替えたときの設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。
本表示例5の場合、調整モード0の設定状態では、同図(A)に示すように、設定レベルメータ110aは、音量レベル1を表示し、レベル選択不可範囲が音量レベル2〜10となっている。しかし調整モードを「0→1」、「1→2」、「2→3」、「3→4」と切り替えていく場合は(調整モードを上昇方向に変更した場合)、デフォルトの音量レベルは、いずれも「音量レベル1」のままであるが、レベル選択不可範囲が1音量レベルずつ減少していく、すなわち、遊技者側音量調整範囲が1音量レベルずつ増加していく。この点、上記した図21に示す表示例4と同事象である。本表示例5では、設定レベルメータ110aが、図23(B)〜(E)に示すような表示態様となる。なお、本表示例5と、図21に示す表示例4とは、デフォルトの音量レベルが異なるだけで、表示態様の変化については実質的に同じ内容であるので、重複記載を避けるために、詳細な説明は省略する。
図24は、本表示例5において、調整モード9(音量レベルMAX)の設定状態から、調整モードを「9→8」、「8→7」、「7→6」、「6→5」と、逆に切り替えていくとき(調整モードを下降方向に変更した場合)の設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。図24から分かる通り、設定レベルメータ110aの表示態様は、上記した図22に示す表示例4と同事象であり、調整モードを9から順次切り替えていく場合は、調整モードを上昇方向に変更した場合と逆の表示態様、すなわち、図24(B)〜(E)からも分かる通り、レベル選択不可範囲が1音量レベルずつ増加し、遊技者側音量調整範囲が1音量レベルずつ減少していく、という表示態様遷移となる。
(表示例6:図25)
図25に、表示例6を示す。図25は、上記図17Cに示す構成例(具体例5)と同様の「16×10段階バージョン」の調整モード選択テーブルに関する表示例を示すものである。図25に示す調整モード選択テーブルでは、デフォルトの音量レベルが、全調整モードで、音量レベル1に設定される
図25(B)〜(E)は、調整モードC(同図(A))の設定状態から、調整モードを「C→B」、「B→A」、「A→9」、「9→8」と切り替えたときの設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。
本表示例5の場合、調整モードCの設定状態では、同図(A)に示すように、設定レベルメータ110aは、デフォルトの音量レベルとして音量レベル1を示し、遊技者側音量調整範囲として音量レベル1〜6を示し(図示の淡灰色枠+白色枠の範囲)、レベル選択不可範囲が音量レベル7〜10を示している(図25に示す調整モード選択テーブルの“調整モードC”の欄参照)。
調整モードを「C→B」に切り替えた場合、調整モードBは、調整モード選択テーブルを参照すれば、デフォルトの音量レベルが音量レベル1、遊技者側音量調整範囲が音量レベル1〜3、レベル選択不可範囲が音量レベル4〜10である。したがって、設定レベルメータ110aは、図25(B)に示す表示態様となる。以下同様に、調整モードを「B→A」、「A→9」、「9→8」に切り替えていく場合、デフォルトの音量レベルは、いずれも「音量レベル1」のままであるが、遊技者側音量調整範囲やレベル選択不可範囲が各調整モードに応じて変化し、設定レベルメータ110aの表示態様は、図25(C)〜(E)のように変化していく。
(表示例7:図26)
図26に、表示例7を示す。図26は、上記図14(A)に示す構成例(具体例3)と同様の「5×10段階バージョン」の調整モード選択テーブルに関する表示例を示すものである。図26に示す調整モード選択テーブルでは、図示の通り、デフォルトの音量レベルが、遊技者側音量調整範囲の最大音量レベルに設定される。
図26(B)〜(E)は、調整モード3(同図(A))の設定状態から、調整モードを「3→4」、「4→5」、「5→6」、「6→7」と切り替えたときの設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。
本表示例7の場合は、調整モードを切り替えた場合、デフォルトの音量レベルが、調整モードに応じた遊技者側音量調整範囲の最大音量レベルに設定されることから、調整モードを「3→4」に切り替えた場合、設定レベルメータ110aは、音量レベル1〜7(デフォルトの音量レベル=音量レベル7)の遊技者側音量調整範囲を示し(図示の淡灰色枠の範囲)、音量レベル8〜10のレベル選択不可範囲を示している。本表示例7は、デフォルトの音量レベルが遊技者側音量調整範囲の最大音量レベルに設定されるため、設定レベルメータ110aが、デフォルトの音量レベルを境に、左側は淡灰色の設定レベルメータの遊技者側音量調整範囲、右側は、濃灰色の設定レベルメータのレベル選択不範囲となっている。調整モードを「4→5」、「5→6」、「6→7」と切り替えた場合には、設定レベルメータ110aは、図26(C)〜(E)に示す表示態様となる。調整モード7まで切り替えた場合、図26(E)に示すように、レベル選択不可範囲が無くなり、遊技者側音量調整範囲が全音量レベルとなる。本表示例7では、設定レベルメータ110aの表示と音量の双方が変化し、変更時は、常に、上限値の最大音量レベルに設定される。なお、調整モードを下降方向に変更した場合も同様である。
(表示例8:図27)
図27に、表示例8を示す。図27は、上記図15(A)に示す構成例(具体例4)と同様の「10×10段階バージョン」の調整モード選択テーブルに関する表示例を示すものである。図27に示す調整モード選択テーブルでは、上記した図26に示す表示例7と同様に、デフォルトの音量レベルが、遊技者側音量調整範囲の最大音量レベルに設定される。
図27(B)〜(E)は、調整モード0(同図(A))の設定状態から、調整モードを「0→1」、「1→2」、「2→3」、「3→4」と切り替えたときの設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。本表示例8は、調整モードを上昇または下降方向に変更した場合、デフォルトの音量レベルが規則的に階段状に変化する点が、図26に示す表示例7の一部ランダム的なデフォルトの音量レベルとは異なる。
本表示例8の場合、調整モード0の設定状態では、同図(A)に示すように、設定レベルメータ110aは、音量レベル1(デフォルトの音量レベル)を表示し、レベル選択不可範囲が音量レベル2〜10となっている。しかし調整モードを「0→1」、「1→2」、「2→3」、「3→4」と切り替えていく場合は(調整モードを上昇方向に変更した場合)、図27(B)〜(E)に示すように、デフォルトの音量レベルが1段階ずつレベルアップしていくとともに、レベル選択不可範囲が1音量レベルずつ減少していく(遊技者側音量調整範囲が1音量レベルずつ増加していく)。本表示例8は、図26の表示例7と同じように、デフォルトの音量レベルが遊技者側音量調整範囲の最大音量レベルに設定されるため、設定レベルメータ110aが、デフォルトの音量レベルを境に、左側は淡灰色の設定レベルメータの遊技者側音量調整範囲、右側は、濃灰色の設定レベルメータのレベル選択不範囲となっている。なお図示はしていないが、調整モード9まで切り替えた場合、レベル選択不可範囲が無くなり、遊技者側音量調整範囲が全音量レベルとなる。本表示例8は、図26に示す表示例7と同じく、設定レベルメータ110aの表示と音量の双方が変化し、変更時は、常に、上限値の最大音量レベルに設定される。なお、調整モードを下降方向に変更した場合も同様である。
(表示例9:図28)
図28に、表示例9を示す。図28は、上記図17Bに示す構成例(具体例5)と同様の「16×10段階バージョン」の調整モード選択テーブルに関する表示例を示すものである。本表示例9は、図27に示す表示例8の規則的なデフォルトの音量レベルとは異なり、節電モード用の調整モードが後半の調整モードA〜Fに存在する関係上、一部ランダム的なデフォルトの音量レベルとなっているが、基本的には、上記表示例7、8と同じである。
図28(B)〜(E)は、調整モードC(同図(A))の設定状態から、調整モードを「C→B」、「B→A」、「A→9」、「9→8」と切り替えたときの設定レベルメータ110aの表示態様を示したものである。
本表示例9は、図26〜図27の表示例7、8と同じように、調整モードを切り替えた場合、デフォルトの音量レベルが、調整モードに応じた遊技者側音量調整範囲の最大音量レベルに設定されることから、調整モードを「C→B」、「B→A」、「A→9」、「9→8」と切り替えたときの設定レベルメータ110aの表示態様は、図28(B)〜(E)に示す通り、設定レベルメータ110aが、デフォルトの音量レベルを境に、左側は淡灰色の設定レベルメータの遊技者側音量調整範囲、右側は、濃灰色の設定レベルメータのレベル選択不範囲となっている。なお、調整モードを「A→9」に切り替えた場合は、レベル選択不可範囲が無くなり、遊技者側音量調整範囲が全音量レベルとなる。本表示例9も、表示例7、8と同じく、設定レベルメータ110aの表示と音量の双方が変化し、変更時は、常に、上限値の最大音量レベルに設定される。
(エラー音について)
次に図29〜図33を参照して、エラー音について説明する。図29は、図12または図13の調整モード選択テーブルを用いる場合のエラー時音量選択テーブルを、図30は、図14((A)または(B))の調整モード選択テーブルを用いる場合のエラー時音量選択テーブルを、図31は、図15((A)または(B))、図16((A)または(B))の調整モード選択テーブルを用いる場合のエラー時音量選択テーブルを、図32は、図17Aの調整モード選択テーブルを用いる場合のエラー時音量選択テーブルを、図33は、図17Bまたは図17Cの調整モード選択テーブルを用いる場合のエラー時音量選択テーブルを示したものである。
上記エラー時音量選択テーブルは、現在の調整モードに応じて、エラー音の音量を決定する音量データを定められている。エラー音を出力する場合には、このエラー時音量選択テーブルが参照される。図29〜図33のエラー時音量選択テーブルには、それぞれ(a)〜(e)の5種類のエラー時音量選択テーブルを示している。
まず、図29に示すエラー時音量選択テーブル1に係る(a)〜(e)と、図30に示すエラー時音量選択テーブル2に係る(a)〜(e)について説明する。これらのテーブル(a)〜(e)は、下記のような特徴を持つ。
テーブル(a):各調整モードの上限値でエラー音を出力する。つまり、音量レベル5に対応する音量で、エラー音を出力する。
テーブル(b):各調整モードの上限値よりも大きい音量でエラー音を出力する(最大音量の調整モードについては同じ音量)。図示のテーブル(b)に示す通り、各調整モードにおいて、「調整モードの最大音量<エラー音の音量」の関係を満たすようにする。ただし、各調整モードのうち、一番大きい音量が設定される調整モードについては、「調整モードの最大音量=エラー音の音量」とする。たとえば、図29に示すテーブル(b)、または図30に示すテーブル(b)を参照すれば、調整モード0〜9のうち、一番大きな音量値が設定されるのは調整モード7、9である。この調整モード7、9の場合には、エラー音をその調整モードに係る最大音量で出力する。
テーブル(c):(b)+エラー音の音量の範囲は遊技に関する音量の1段階の範囲よりも小さい。「エラー音の音量の範囲は遊技に関する音量の1段階の範囲よりも小さい」とは、図12の調整モード選択テーブルおよび図29(c)を参照して、通常用の調整モード3〜7(通常1〜5)に着目すれば、図29に示すテーブル(c)ではエラー音量の範囲が「76〜80(音量値の差が「4」)」、図12の調整モード選択テーブル(遊技に関する音量)では、遊技に関する音量の1段階の範囲の音量値の差が一律「5」となっている。「エラー音の音量の範囲<遊技に関する音量の1段階の範囲」とすることで、エラー音が無闇に低いボリュームで出力されないようになっている。
テーブル(d):調整モード3、4は、当該調整モードに応じた上限値で出力、調整モード5、6、7は最大値で出力する。ここでは、テーブル(c)と同様に、通常用の調整モード3〜7に着目した場合である。その理由は、調整モード0〜2は、無音用・プレゼン用・出荷用の用途であるので通常の遊技では利用されることはほぼ無く、また節電モード用の調整モードも頻繁に利用されるものではないため、特に、通常用の調整モードの関係に着目している(後述の図30〜図33も同様)。
テーブル(e):上記テーブル(a)〜(d)において、電源投入時に発生しうるエラー種別(たとえば、上記RAMクリア報知、バックアップ復帰報知、設定変更中報知、設定確認中報知など)は、最大値(たとえば、各調整モードのうち、一番大きい音量値)で出力する。なお「バックアップ復帰報知」とは、電源投入時に、電断時のバックアップデータから遊技を復旧するバックアップ復帰処理が実行された場合に、主制御部20から送信される停電復帰表示コマンドを演出制御部24が受信した場合に実行されるエラー報知の一つである。また、「設定変更中報知」とは、設定値の変更を行うための設定変更処理が実行された場合に(上記設定変更許容状態に切り替え操作が実行された場合)、主制御部20から送信される設定変更中コマンドを演出制御部24が受信した場合に実行されるエラー報知の一つである。また、「設定変更中報知」とは、設定値を確認する設定確認処理(パチンコホール店員などが現在の設定値を設定表示器97に表示させる処理)が実行された場合に、主制御部20から送信される設定確認中コマンドを演出制御部24が受信した場合に実行されるエラー報知の一つである。なお、遊技機に対する深刻度が高いエラー種別(たとえば、不正検出センサ(振動センサ72a、電波センサ72b、磁気センサ72c)による不正行為検出によるエラー)の場合も最大値で出力することが好ましい。
次に、図30に示すエラー時音量選択テーブル3に係る(a)〜(e)について説明する。このテーブル(a)〜(e)は、下記のような特徴を持つ。なお、上記図29、図30のエラー時音量選択テーブルと実質的に同じ特徴については重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
テーブル(a):各調整モードの上限値でエラー音を出力する。
テーブル(b):各調整モードの上限値よりも大きい音量でエラー音を出力する(最大音量の調整モードについては同じ音量)。
テーブル(c):(b)+エラー音の音量の範囲は遊技に関する音量の1段階の範囲よりも小さい。
テーブル(d):調整モード3、4は、当該調整モードに応じた上限値で出力、調整モード5、6、7は最大値で出力する。
テーブル(e):上記テーブル(a)〜(d)において、電源投入時に発生しうるエラー種別は、最大値で出力する。
次に、図31に示すエラー時音量選択テーブル3に係る(a)〜(e)について説明する。これらのテーブル(a)〜(e)は、下記のような特徴を持つ。なお、上記図29、図30のエラー時音量選択テーブルと実質的に同じ特徴については重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
テーブル(a):各調整モードの上限値でエラー音を出力する。
テーブル(b):各調整モードの上限値よりも大きい音量でエラー音を出力する(最大音量の調整モードについては同じ音量)。
テーブル(c):(b)+エラー音の音量の範囲は遊技に関する音量の1段階の範囲よりも小さい。
テーブル(d):調整モード3、4は、当該調整モードに応じた上限値で出力、調整モード5、6、7は最大値で出力する。
テーブル(e):上記テーブル(a)〜(d)において、電源投入時に発生しうるエラー種別は、最大値で出力する。
次に、図32に示すエラー時音量選択テーブル3に係る(a)〜(e)と、図33に示すエラー時音量選択テーブル4に係る(a)〜(e)とについて説明する。これらのテーブル(a)〜(e)は、下記のような特徴を持つ。なお、上記図29、図30のエラー時音量選択テーブルと実質的に同じ特徴については重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
テーブル(a):各調整モードの上限値でエラー音を出力する。
テーブル(b):各調整モードの上限値よりも大きい音量でエラー音を出力する(最大音量の調整モードについては同じ音量)。
テーブル(c):(b)+エラー音の音量の範囲は遊技に関する音量の1段階の範囲よりも小さい。
テーブル(d):調整モード0、1、2は、当該調整モードに応じた上限値で出力、調整モード3〜9は最大値で出力する。なお、節電モード用の調整モードA〜Fの関係についても同様の思想に含まれる。
テーブル(e):上記テーブル(a)〜(d)において、電源投入時に発生しうるエラー種別は、最大値で出力する。
なお、図29〜図33に示すエラー時音量選択テーブルを用いてエラー音を出力する場合には、遊技者による音量調整操作を不可状態に制御されるようになっている。エラー中(特定のエラー中であってもよい)は、遊技者により設定されたの音量レベルは無効化され、エラー時音量選択テーブルの音量データが優先して用いられる、つまり、エラー専用の音量でエラー音が出力されることとなる。また、エラー中の光量調整については、通常の遊技に係る光演出の輝度の調整可能であるが、エラー光の輝度は調整不可に制御される。たとえば、玉詰りエラーがエラー音とエラー表示(画像)だけの場合に、図柄変動表示ゲームに係る光演出の光量調整は可能であるが、光演出を伴うエラー報知の場合は、そのエラー光の光量調整はできないように制御される。したがって、エラー中(特定のエラーに限ってもよい)は、エラー音およびエラー光を対象とした調整は不可となる。
<音量調整の制御系について:図34〜図44>
本実施形態における遊技機は、演出制御部24に音響制御部(出音制御部(たとえば、音源LSIなど))が設けられている。この音響制御部は、遊技の進行に応じた各種効果音(通常の遊技進行に係る音演出(遊技音)や、エラー報知に係る音演出(エラー音)など)が記録された音源部と、外部操作手段(たとえば、裏スイッチ71)によって効果音の音量を調整可能な音量調整部とを有する。この音量調整部は、通常、パチンコホール店員が操作可能で遊技者が操作することのできない裏スイッチ71より調整可能なハード音量レベル設定と、遊技者が方向キー75や演出ボタン13などの操作手段により調整可能なソフト音量レベル設定という2つの設定機能を備えている。
本実施例において、スピーカから出力される音量は、一次ボリュームV1と、二次ボリュームVs(=V2,V3)と、トータルボリュームTVの総合値(V1*Vs*TV)で規定されるが、パチンコホール店員や遊技者が人為的に規定される音量の設定値は、最終段階のトータルボリューム値TVに反映される。
図34(イ)を参照して、前者の「ハード音量レベル設定の機能」として、パチンコホール店員が遊技機の前枠2を開き、遊技機内部に設けた裏スイッチ71を操作することにより、基本音量レベルとして「一次ボリュームV1」(一次Vol)と、「二次ボリュームVs」(二次Vol)の値が設定される。正確には、ハード音量レベル設定では、ロータリータイプの裏スイッチ71の選択位置により「一次ボリューム」(一次Vol)と「二次ボリュームVs」(二次Vol)の値が定まる。
また後者の「ソフト音量レベル設定の機能」は、上記のハード音量レベルの範囲を「トータルボリューム(トータルVol)」とし、このトータルボリュームの範囲が液晶画面に、遊技者が所定の音量調整操作により、多段階に音量レベルが調整できるように設定されている(図7A等参照)。たとえば、図34の従来例において、(イ)の遊技音の場合、一次Vol(0x80)、二次Vol(0x80)とされ、トータルボリュームは1〜5までの5段階で40から80まで段階的に音量レベルが設定される。
ここで、図34(ロ)のように、電源投入時のエラー報知(たとえば、上記したRAMクリア報知、バックアップ復帰報知、設定変更中報知、設定確認中報知など)やゴト行為などに基づく不正行為検出エラー(強)が出た場合は、二次ボリュームVsがマスクされるとともにトータルボリュームTVがマスクされMAXの音量(最大出力音量)でエラー音が出力される。しかし、図34(ハ)のように、球詰まりのような致命的でないエラー(弱)の場合は、遊技音のみ二次ボリュームをマスクして、遊技者がトータルボリュームを加減できるようになっている。
図35は、従来仕様のままで、エラー音が上下するようにした場合を示す。エラーが出た場合、遊技音について二次ボリュームVsを完全にマスクしているが、トータルボリュームTVはマスクしていないので、遊技者の調整操作でエラー音が上下してしまう、という課題がある。
図36は、上記課題を解決する方法の一つを示したもので、解決方法2−1は、ハードボリュームのみを参照して出力するものである。これによれば、ソフトボリューム(トータルボリュームTV)を参照しないため、遊技者の調整操作の如何によりエラー音が上下してしまうことがなくなる。解決方法2−2は、従来通りソフトボリューム(トータルボリュームTV)を参照するが、遊技者による調整操作を不能にしてしまうものである。これによれば、ソフトボリューム(トータルボリュームTV)を参照することになっているが、遊技者により調整操作はできないので、遊技者の調整操作でエラー音が上下してしまう、ということがなくなる。
図37は二次ボリュームVsが5段階に設定し得る点で図34〜図36と相違する。ここに示す上記課題の解決方法は、遊技音についての二次ボリュームVsをマスクし、トータルボリュームもMAXに固定してしまうものである。
(音声ボリューム制御:図38)
次に音声ボリュームの制御の仕方について説明する。
図38(1)において、電源投入時に、裏スイッチ71の設定状態、つまり調整モードの値を読み取り、「W_ハードVOL」、「W_ソフトVOL」にセットする。「W_ハードVOL」、「W_ソフトVOL」は、ボリュームに関するワーク領域であり、「W_ハードVOL」には調整モードに応じた値がセットされ、「W_ソフトVOL」には遊技者による音量調整操作に応じた音量レベルに対応した値がセットされる(電源投入時はデフォルトの音量レベルデータがセットされる)。そして、定期監視処理・音声ボリュームのリセット処理を行う。
裏スイッチ71の設定状態の変更の有無(調整モードの変更の有無)を定期的に監視して、W_ハードVOLと、調整モードの値を比較し、異なっていれば、W_ソフトVOLに再セットし、W_ハードVOLも新しい情報(新しい調整モードに対応するデータ値)に更新する。
遊技者の音量調整操作による設定は、「W_ソフトVOL」に対して行う。音量調整操作有効期間中は、音量調整画面110が現出される(設定レベルメータ110aの表示(レベルメータの表示変化など)を含む音量調整画面110に必要な液晶コマンドが、液晶制御部に対して送信される)。
たとえば「特定のエラー報知中」の音声ボリューム調整は、W_ソフトVOLで設定するが、特定のエラー発生中はエラー専用のエラーボリューム(たとえば、図29〜図33のエラー時音量選択テーブルの音量データ)を設定する。音声ボリュームのリセットは、客待ち演出の実行を契機に(デモタイマがゼロになったときに)、遊技者が設定した音量(音量レベル)位置が、現在の調整モードの初期位置(デフォルトの音量(音量レベル))より小さいときには、音声ボリュームのリセット処理が実行され、デフォルトの音量に再設定される(たとえば、遊技者がボリュームを下げて立ち去ったときに、ボリュームがデフォルトの音量レベルに戻る)。
<エラー中であっても遊技者がボリューム調整し得る例、図39〜図41>
図39〜図41は、エラー中であっても遊技者がボリューム調整し得る場合、ここでは、遊技機に対する深刻度が低いエラー(報知優先順位が低いエラー)と考えられる場合について示したものである。
(可動体役物エラー:図39)
図39は、可動物役物エラー(可動体役物が原点位置に回帰していないなどの場合)に関し、エラーフラグのON/OFFをトリガーに、音量調整をする際の参照先を切り替える例(パターン)を示したものである。可動体役物について、音、ランプ(光)、液晶(液晶画面の画像表示)に関してエラーフラグが発生してから終了するまでの区間(時刻t1〜t2)を示している。このエラー区間(時刻t1〜t2)において、ハードボリュームは参照されるが、ソフトボリュームは参照されない。また設定レベルメータの表示もなされない。ただし、裏スイッチ71による調整モードの調整操作、すなわち、音量レベルの調整は可能であり、また遊技機に与える深刻度があまり高くないエラーであるので、遊技者による音量調整(音量レベル調整)も可能である。裏スイッチ71の調整が行われた場合は、上記したように、新たな調整モードに対応するデータに、ハードボリュームとソフトボリュームの値をそれぞれ更新する。また遊技者の調整が行われた場合は、ハードボリュームは更新せずソフトボリュームの値を更新する。
可動体役物エラーが解消されると(終了時点t2)、エラーフラグが切替り、ハードボリュームは非参照、ソフトボリュームは参照、設定レベルメータは表示可能な状態に切り替わる。
図39では、エラー区間において、設定レベルメータの表示を表示可能とし、遊技者による調整を可能としたが、設定レベルメータの表示を表示可能とし、遊技者による調整操作は不能としてもよい。調整操作不能とは、遊技者操作の結果を設定レベルメータ110aに反映せず、実際の音量にも反映しない、または、遊技者操作の結果を表示バーに反映するが、実際の音量には反映させない、いずれをも含む概念である。
(扉開放エラー:図40)
図40は扉開放エラーに関し、音量調整をする際の参照先を切り替えるパターン例を示したものである。扉開放から扉閉鎖までのエラー区間(時刻t1〜t2)、音はその途中の時刻taで鳴り止み、ランプ(光)と液晶に関しては、エラーフラグが発生してから終了するまでの区間にわたり動作している。
パターン1は、扉開放エラーに関し、エラーに関する音出力の有/無をトリガーに、音量調整をする際の参照先を切り替えるパターン例を示したものである。このエラー発生から途中までの区間(時刻t1〜ta)において、ハードボリュームは参照されるが、ソフトボリュームは参照されない。また設定レベルメータの表示もなされない。ただし、裏スイッチ71による音量レベル調整は可能であり、また遊技者による音量レベル調整も可能である。裏スイッチ71調整が行われた場合は、ハードボリュームとソフトボリュームの値をそれぞれ更新する。また遊技者の調整が行われた場合は、ハードボリュームは更新せずソフトボリュームの値を更新する。
パターン2は、エラーの発生/解除をトリガーに、参照先を切り替える例を示したものである。扉開放から扉閉鎖までの区間(時刻t1〜t2)において、ハードボリューム、ソフトボリュームが参照されるか否か、設定レベルメータが表示されるか否か、裏スイッチ71による音量レベル調整は可能か否か、そして遊技者による音量レベル調整が可能であるか否か、について記載している。それらは時刻taがt1に変わっているだけで、他はパターン1と同じである。
パターン3は、エラーフラグのON/OFFをトリガーに参照先を切り替える例を示したものである。この例の場合、音と液晶については扉閉鎖と同時刻t2で終了するが、ランプだけはさらに30秒を経過した時点t3において消灯する。このパターン3では、この時点t3で参照先の切り替わりが起きる。パターン2との違いは、切り替わりが時刻t3になっている点にあり、他はパターン2同じである。
(RAMクリア報知:図41)
図41は、RAMクリア報知に関し、音量調整をする際の参照先を切り替えるパターン例を示したものである。RAMクリア報知開始から報知終了までのエラー区間(時刻t1〜t2)、音、ランプ(光)、液晶に関しては動作しており、可動体役物(RAMクリア時のイニシャライズ動作)は途中の時刻tbまで作動する関係になっている。
パターン1は、RAMクリア報知に関し、エラーフラグのON/OFFをトリガーに、音量調整をする際の参照先を切り替える例を示したものである。RAMクリア報知について、音、ランプ(光)、液晶に関してエラーフラグが発生してから終了するまでのエラー区間(時刻t1〜t2)において、ハードボリュームは参照されるが、ソフトボリュームは参照されない。また設定レベルメータの表示もなされない。また遊技者による音量レベル調整も不可能である。ただし、裏スイッチ71による音量レベル調整は可能である。
RAMクリア報知についてエラーが解消されると(報知終了時点t2)、エラーフラグが切替り、ハードボリュームは非参照、ソフトボリュームは参照、設定レベルメータは表示可能な状態に切り替わる。
パターン2は、エラーフラグのON/OFFをトリガーに、参照先を切り替える例を示したものである。RAMクリア報知終了までのエラー区間(時刻t1〜t2)において、ハードボリュームは参照されるが、ソフトボリュームは非参照とされる。この点は、パターン1と同じである。報知終了の時点t2において、ハードボリュームは非参照に、ソフトボリュームは参照可能に切り替わる。
また、設定レベルメータは時刻tbまで非表示とされ、時刻tb以降は表示される。エラー区間(時刻t1〜t2)において裏スイッチ71による音量レベル調整は可能である。そして遊技者による音量レベル調整は時刻tbまで不可能とされ、時刻tb移行は可能とされる。
パターン3は、エラーフラグのON/OFFをトリガーに参照先を切り替える例を示したものである。パターン2との違いは、このパターン3では設定レベルメータおよび裏スイッチ71調整について、時刻tbでの切り替わりがない点にあり、他はパターン2同じである。
<エラー中であっても遊技者がボリューム調整し得ない例、図42〜図44>
図42〜図44は、エラーが発生して遊技者がボリューム調整し得ない場合、つまり重大なエラーであるとして扱う場合について示したものである。
(可動体役物エラー:図42)
図42は、特定の可動物役物エラー(可動体役物エラーのうち、深刻度が高いエラー)に関し、エラーフラグのON/OFFをトリガーに、音量調整をする際の参照先を切り替える例を示したものである。可動体役物について、音、ランプ(光)、液晶に関してエラーフラグが発生してから終了するまでのエラー区間(時刻t1〜t2)において、ハードボリュームは参照されないが、ソフトボリュームは参照される。また設定レベルメータの表示もなされない。ただし、裏スイッチ71による調整モードの調整(音量レベル調整)は可能であるが、遊技機に与える深刻度が高いエラーであるので、遊技者による音量レベル調整は不能である。この関係は可動体役物のエラーが解消されても(終了時点t2)続く。設定レベルメータは表示可能に、裏スイッチ71調整が可能に、遊技者調整が可能な状態に切り替わる。
(扉開放エラー:図43)
図43は扉開放エラーに関し、音量調整をする際の参照先を切り替えるパターン例を示したものである。扉開放から扉閉鎖までのエラー区間(時刻t1〜t2)、音はその途中の時刻taで鳴り止み、ランプ(光)と液晶に関しては、エラーフラグが発生してから終了するまでの区間にわたり動作している。
パターン1は、扉開放エラーに関し、エラーに関する音出力の有/無をトリガーに、音量調整をする際の参照先を切り替えるパターン例を示したものである。このエラー発生から途中までの区間(時刻t1〜ta)において、ハードボリュームは参照されないが、ソフトボリュームは参照される。また設定レベルメータは非表示とされる。ただし、裏スイッチ71による音量レベル調整は可能であるが、遊技者による音量レベル調整は不可能である。
パターン2は、エラーの発生/解除をトリガーに、参照先を切り替える例を示したものである。扉開放から扉閉鎖までの区間(時刻t1〜t2)において、ハードボリュームは参照されないが、ソフトボリュームは参照される。設定レベルメータは非表示とされ、裏スイッチ71による音量レベル調整は可能とされ、そして遊技者による音量レベル調整は不可能とされる。
パターン3は、エラーフラグのON/OFFをトリガーに参照先を切り替える例を示したものである。この例の場合、音と液晶については扉閉鎖と同時刻t2で終了するが、ランプだけはさらに30秒を経過した時点t3において消灯する。このパターン3では、この時点t3で参照先の切り替わりが起きる。パターン2との違いは、切り替わりが時刻t3になっている点にあり、他はパターン2と同じである。
(RAMクリア報知:図44)
図44は、RAMクリア報知に関し、音量調整をする際の参照先を切り替えるパターン例を示したものである。RAMクリア報知開始から報知終了までのエラー区間(時刻t1〜t2)、音、ランプ(光)、液晶に関しては動作しており、可動体役物は途中の時刻tbまで作動する関係になっている。
パターン1は、RAMクリア報知に関し、エラーフラグのON/OFFをトリガーに、音量調整をする際の参照先を切り替える例を示したものである。RAMクリア報知について、音、ランプ(光)、液晶に関してエラーフラグが発生してから終了するまでのエラー区間(時刻t1〜t2)において、ハードボリュームは参照されるが、ソフトボリュームは参照されない。また設定レベルメータの表示もなされない。また遊技者による音量レベル調整も不可能である。ただし、裏スイッチ71による音量レベル調整は可能である。
パターン2は、エラーフラグのON/OFFをトリガーに、参照先を切り替える例を示したものである。RAMクリア報知終了までの区間(時刻t1〜t2)において、ハードボリュームは参照されないが、ソフトボリュームは参照される。
また、設定レベルメータは時刻tbまで非表示とされ、時刻tb以降は表示される。エラー区間(時刻t1〜t2)において裏スイッチ71による音量レベル調整は可能であるが、遊技者による音量レベル調整は不可能である。遊技者による音量レベル調整は、時刻t2移行は可能とされる。
パターン3は、エラーフラグのON/OFFをトリガーに参照先を切り替える例を示したものである。パターン2との違いは、このパターン3では設定レベルメータおよび裏スイッチ71調整について、時刻tbでの切り替わりがない点にあり、他はパターン2同じである。
上記した第3の実施形態に係る具体例1〜5、表示例1〜9で開示される形態(構成例や制御例)について、音量調整不可(固定)の調整モードや、無音の調整モード、通常の遊技での用途から外れる調整モード(出荷用、プレゼン用)の有無は本発明の技術的思想には影響を与えない。また、通常用(非節電モード用)の調整モードと節電モード用の調整モードとが含まれる実施形態(構成例など)については、節電モード用の調整モードの有無は本発明の技術的思想には影響を与えない。また、通常用(非節電モード用)の調整モードだけに着目した関係、節電モード用の調整モードにだけ着目した関係も本発明の技術的思想に含まれる(第1〜第2の実施形態で開示されるすべての形態についても同様)。また、第1〜第3の実施形態で開示されるすべての形態について、うち少なくとも2つを組合せた構成とすることができる。すなわち本発明は、音量調整に関する第1、第3の実施形態と、光量調整に関する第2の実施形態とに係る各種の構成例を、適宜組合せた構成も含まれる。また第3の実施形態は、第1の実施形態と密接に関連性を有するものであり、第1の実施形態で述べた作用効果を奏することができる。
以上に説明した全ての実施形態(各実施形態で説明した構成、変形例のすべてを含む)の1または複数を組合せた構成としてもよく、各実施形態において記載した内容は個別の実施形態のみに限定されるものではない。
以上に説明した各実施形態では、遊技媒体として遊技球を利用したパチンコ遊技機について説明したが、本発明の目的を達成できる遊技機であれば特に制限されない。たとえば、遊技媒体として遊技メダルを利用する遊技機や、電磁気的記録を利用した遊技媒体を利用した遊技機(いわゆる「管理式遊技機」)や、回胴式遊技機などであってもよい。