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JP6650326B2 - 組電池および組電池の製造方法 - Google Patents

組電池および組電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、単電池を複数枚積層した組電池および組電池の製造方法に関する。
従来から、扁平に形成した電池本体を備える単電池を複数枚積層した組電池がある(特許文献1参照)。単電池は、発電要素において電極を構成する集電箔に接続され、電流を送受する電極タブを備えている。各々の単電池の電極タブは、導電性を備えたバスバによって電気的に接続している。
特許文献1において、バスバは、各々の電極タブを積層方向に沿って独立して挟持するように、積層方向と直交する方向に対して波状に形成した凹部と凸部を備えている。各々の単電池の電極タブは、バスバの複数の凹部に独立して挿入した状態においてバスバに接合されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2012−515418号公報
特許文献1の構成において電極タブとバスバとの間の接続品質を向上させるためには、電極タブの先端部がバスバの凹部に十分に挿入された状態において接合する必要がある。しかしながら、単電池の積層方向に対して交差する方向における単電池の各々の位置にはばらつきがある。そのため、特許文献1の構成において電極タブの先端部をバスバの凹部に挿入しようとしたときに、バスバに近い側にずれている単電池の電極タブの先端部がバスバの凹部に十分に挿入されていても、バスバから遠い側にずれている単電池の電極タブの先端部がバスバの凹部に十分に挿入されているとは限らない。
バスバから遠い側にずれている単電池の電極タブの先端部をバスバの凹部に十分に挿入させるためには、単電池に対してバスバを近づける必要がある。しかしながら、バスバに近い側にずれている単電池の電極タブの先端部がバスバの凹部に十分に挿入された状態から、単電池に対してバスバをさらに近づけると、近い側にずれている単電池の電極タブがバスバに押されることとなる。そのため、電極タブに負荷がかかるという問題が生じる。その結果、例えば、発電要素において電極を構成する集電箔と電極タブとの間の電気的な接続が不安定になるおそれがある。
本発明の目的は、単電池の積層方向に交差する方向における単電池の位置にばらつきがあっても、電極タブにかかる負荷を軽減しつつ、電極タブとバスバとの間の接続品質を向上できる組電池および組電池の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の組電池は、電流を送受する電極タブを備える偏平な単電池を、その厚み方向に複数枚積層してなる電池群と、電池群に取り付けられ、少なくとも2つの単電池における電極タブ同士を電気的に接続する板形状のバスバと、を有する。バスバは、単電池の積層方向に沿って延びている主部と、電極タブのそれぞれに向かって主部から突出している複数の凸部と、を有する。電極タブのそれぞれは、バスバの主部に向かって延びている基端部と、屈曲点を介して基端部に連続し、基端部が延びている方向に交差する方向に延びて対応する前記凸部に当接する先端部と、を有する。
また、上記目的を達成するための本発明の組電池の製造方法は、電流を送受する電極タブを備える偏平な単電池であって、電極タブが、一の方向に延びている基端部と、屈曲点を介して基端部に連続し一の方向に交差する方向に延びている先端部と、を有している単電池を準備する。また、少なくとも2つの単電池における電極タブ同士を電気的に接続する板形状のバスバであって、板形状の主部から突出する複数の凸部が形成されたバスバを準備し、単電池をその厚み方向に複数枚積層して電池群を形成する。そして、主部を単電池の積層方向に沿わせ、かつ、複数の凸部のそれぞれを対応する電極タブに向けた状態においてバスバを電池群に取り付けることによって、それぞれの電極タブの先端部とバスバの対応する凸部とを当接させる。
本発明に係る組電池および組電池の製造方法によれば、電極タブは、電極タブの先端部がバスバに押されたときに屈曲点において屈曲する。当該屈曲動作により、電極タブの先端部がバスバに押されることに起因して電極タブの先端部にバスバから作用する力の少なくとも一部が吸収される。そのため、バスバから近い側にずれている電極タブにかかる負荷を軽減しつつ、バスバから遠い側にずれている単電池の電極タブの先端部をバスバに十分に当接させられる。従って、単電池の積層方向に交差する方向における単電池の位置にばらつきがある場合であっても、電極タブにかかる負荷を軽減しつつ、電極タブとバスバとの間の接続品質を向上させることができる組電池および組電池の製造方法を提供できる。
実施形態に係る組電池を示す斜視図である。 図1に示される組電池から上部加圧板と下部加圧板および左右の側板を取り外し、保護カバーと、バスバユニットと、電池群と、に分解して示す斜視図である。 第1セルサブアッシのアノード側電極タブと第2セルサブアッシのカソード側電極タブをバスバによって接合する状態を模式的に分解して示す斜視図である。 積層した単電池の電極タブにバスバを接合した状態の要部を断面で示す斜視図である。 図4Aを側方から示す側面図である。 バスバを取り外した状態の図4B中に示す領域5Aの拡大図である。 図4B中に示す領域5Aの拡大図である。 図5A中に示す領域6Aの拡大図である。 撓み部が撓んだ様子を示す図6Aに対応する拡大図である。 本実施形態に係る組電池の製造方法を示すフローチャートである。 電池群にバスバユニットの一部の部材を取り付けている状態を模式的に示す斜視図である。 バスバユニットのバスバを単電池の電極タブに対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。 積層した単電池の電極タブにバスバをレーザ接合している状態の図4Bに対応する断面図である。 図10中に示す領域11の拡大図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。図中において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、方位を示している。Xによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向と交差し、かつ、単電池110の長手方向に沿った方向を示している。Yによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向と交差し、かつ、単電池110の短手方向に沿った方向を示している。Zによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向を示している。
まず、本実施形態の組電池100を、図1〜図6を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る組電池100を示す斜視図である。図2は、図1に示される組電池100から上部加圧板151と下部加圧板152および左右の側板153を取り外し、保護カバー140と、バスバユニット130と、電池群100Gと、に分解して示す斜視図である。図3は第1セルサブアッシ100M(3組毎に並列接続する単電池110)のアノード側電極タブ113Aと第2セルサブアッシ100N(3組毎に並列接続する単電池110)のカソード側電極タブ113Kをバスバ131によって接合する状態を模式的に分解して示す斜視図である。図4Aは、積層した単電池110の電極タブ113にバスバ131を接合した状態の要部を断面で示す斜視図である。図4Bは、図4Aを側方から示す側面図である。図5Aは、バスバ131を取り外した状態の図4Bに示す領域5Aの拡大図である。図5Bは、図4B中に示す領域5Aの拡大図である。図6Aは、図5A中に示す領域6Aの拡大図である。図6Bは、撓み部113dが撓んだ様子を示す図6Aに対応する拡大図である。
なお、図1に示される状態において、左手前側を組電池100全体および各構成部品の「前面側」といい、右手奥側を組電池100全体および各構成部品の「背面側」といい、右手前側および左手奥側を組電池100全体および各構成部品の左右の「側方側」という。また、図2、図8および図9では、バスバ131の凸部131bを省略している。
図1および図2に示すように、組電池100は、扁平形状を有する単電池110を厚み方向に複数枚積層した電池群100Gを含む積層体100Sを有する。組電池100はさらに、積層体100Sの前面側に取り付けられる保護カバー140と、単電池110の積層方向Zに沿ってそれぞれの単電池110を加圧した状態において積層体100Sを収容する筐体150と、を有する。積層体100Sは、電池群100Gと、電池群100Gの前面側に取り付けられ複数個のバスバ131を一体的に保持するバスバユニット130と、を有する。保護カバー140は、バスバユニット130を被覆して保護する。バスバユニット130は、複数個のバスバ131と、複数個のバスバ131をマトリクス状に一体的に取り付けるバスバホルダ132と、を有する。複数のバスバ131のうち、アノード側の終端にはアノード側ターミナル133を取り付け、カソード側の終端にはカソード側ターミナル134を取り付けている。
本実施形態の組電池100は、概説すれば、電流を送受する電極タブ113を備える偏平な単電池110を、その厚み方向に複数枚積層してなる電池群100Gと、電池群100Gに取り付けられ、少なくとも2つの単電池110における電極タブ113同士を電気的に接続する板形状のバスバ131と、を有する。バスバ131は、単電池110の積層方向Zに沿って延びている主部131aと、電極タブ113のそれぞれに向かって主部131aから突出している複数の凸部131bと、を有する。電極タブ113のそれぞれは、バスバ131の主部131aに向かって延びている基端部113aと、屈曲点113bを介して基端部113aに連続し、基端部113aが延びている方向X1に交差する方向に延びて対応する凸部131bに当接する先端部113cと、を有する。以下、本実施形態の組電池100について詳述する。
図3に示すように、電池群100Gは、電気的に並列接続した3つの単電池110からなる第1セルサブアッシ100Mと、電気的に並列接続した別の3つの単電池110からなる第2セルサブアッシ100Nと、をバスバ131によって直列に接続して構成している。
図5Aおよび図5Bを参照して後述するように、電極タブ113は屈曲点113bにおいて屈曲した形状を有している。第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nは、単電池110の電極タブ113の先端部113cの屈曲方向を除いて同一の構成である。具体的には、第2セルサブアッシ100Nは、第1セルサブアッシ100Mに含まれる単電池110の天地を逆転させたものである。本実施形態において、第2セルサブアッシ100Nの電極タブ113の先端部113cの屈曲方向は、第1セルサブアッシ100Mの電極タブ113の先端部113cの屈曲方向と同一になるように積層方向Zの下方の側に揃えている。各々の単電池110は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けている。
単電池110は、例えば、扁平なリチウムイオン二次電池に相当する。単電池110は、図4Aおよび図4Bに示すように、発電要素111を一対のラミネートフィルム112によって封止した電池本体110Hと、発電要素111に電気的に接続され電池本体110Hから外部に導出された薄板状の電極タブ113と、を備えている。単電池110の外形寸法は、例えば、長手方向Xの長さを280mm〜300mm、短手方向Yの長さを200〜225mm、厚さを5〜10mmとし得るが、これに限定されない。
発電要素111は、正極と負極をセパレータで挟持したものを複数枚積層して構成している。発電要素111は、外部から電力の供給を受けて充電した上で、外部の電気デバイスに対して放電しつつ電力を供給する。
ラミネートフィルム112は、絶縁性を備えたシートによって金属箔の両側を覆って構成している。一対のラミネートフィルム112は、発電要素111を積層方向Zに沿った両側から被覆して、その四辺を封止している。一対のラミネートフィルム112は、図4Aおよび図4Bに示すように、短手方向Yに沿った一端部112aの間から外部に向かって、アノード側電極タブ113Aおよびカソード側電極タブ113Kを導出させている。
電極タブ113は、図3および図4Aおよび図4Bに示すように、アノード側電極タブ113Aおよびカソード側電極タブ113Kから構成し、それぞれ一対のラミネートフィルム112の一端部112aの間から互いに離間した状態において外部に向かって延在している。アノード側電極タブ113Aは、発電要素111中のアノード側の構成部材の特性に合わせて、アルミニウムからなる。カソード側電極タブ113Kは、発電要素111中のカソード側の構成部材の特性に合わせて、銅からなる。アノード側電極タブ113Aの厚さは、例えば、0.4mmとし得る。また、カソード側電極タブ113Kの厚さは、例えば、0.2mmとし得る。
組電池100は、図3に示すように、電気的に並列接続した3つの単電池110(第1セルサブアッシ100M)と、電気的に並列接続した別の3つの単電池110(第2セルサブアッシ100N)を、直列に接続している。したがって、3つの単電池110毎に、その単電池110の天地を入れ替えて、単電池110のアノード側電極タブ113Aとカソード側電極タブ113Kの位置を、積層方向Zに沿って交差させるようにしている。
図3の下方に図示した第1セルサブアッシ100Mは、図中の右側にアノード側電極タブ113Aを配置し、図中の左側にカソード側電極タブ113Kを配置している。一方、図3の上方に図示した第2セルサブアッシ100Nは、図中の右側にカソード側電極タブ113Kを配置し、図中の左側にアノード側電極タブ113Aを配置している。
また、各々の電極タブ113の先端部113cは、図3に示すように、積層体100Sの同一面の側に配設している。第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nの上面に位置する単電池110には、上方に積層する積層部材と接着する両面テープ160を貼り付けている。
図5Aおよび図5Bを参照して後述するように、電極タブ113は屈曲点113bにおいて屈曲した形状を有しており、3つの単電池110毎の天地を単純に入れ替えただけでは、電極タブ113の屈曲方向が揃わない。そのため、本実施形態では、全ての単電池110の電極タブ113の先端部113cが積層方向Zに沿って電極タブ113の基端部113aよりも下方になるように電極タブ113を屈曲させている。
一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)は、図3に示すように、積層した単電池110の間に配設している。
第1スペーサ121は、図3および図4Bに示すように、単電池110の電極タブ113を突出させたラミネートフィルム112の一端部112aに沿って配設している。第1スペーサ121は、図1および図2に示すように、バスバユニット130が当接する積層基準面121aを有する。
第2スペーサ122は、図3に示すように、ラミネートフィルム112の他端部112bに沿って配設している。
各々の単電池110は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けた上で、積層方向Zに沿って複数枚積層する。一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)は、絶縁性を備えた強化プラスチックスからなる。
バスバユニット130は、図2に示すように、バスバ131を一体的に複数備えている。バスバ131は、導電性を備えた金属からなり、少なくとも2つの単電池110の電極タブ113の先端部113c同士を電気的に接続する。
図3に示すように、バスバ131は、一の単電池110のアノード側電極タブ113Aとレーザ溶接するアノード側バスバ131Aと、積層方向Zに沿って隣り合う他の単電池110のカソード側電極タブ113Kとレーザ溶接するカソード側バスバ131Kを、接合して一体的に構成している。
アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、同一の形状からなり、それぞれL字状に形成している。アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、天地を反転させて重ね合わせている。具体的には、バスバ131は、アノード側バスバ131Aの積層方向Zに沿った一端部の屈折した部分と、カソード側バスバ131Kの積層方向Zに沿った一端部の屈折した部分を接合して、一体化している。
アノード側バスバ131Aは、アノード側電極タブ113Aと同様に、アルミニウムからなる。カソード側バスバ131Kは、カソード側電極タブ113Kと同様に、銅からなる。異なる金属からなるアノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、超音波接合によって互いに接合している。アノード側バスバ131Aの厚みは、例えば、0.6mmにし得る。また、カソード側バスバ131Kの厚みは、例えば、0.4mmにし得る。
バスバ131は、図3に示すように、組電池100が例えば3つの単電池110を並列接続したものを複数組にわたって直列接続して構成されたものである場合、アノード側バスバ131Aの部分を、積層方向Zに沿って互いに隣接している3つの単電池110のアノード側電極タブ113Aに対してレーザ溶接する。同様に、バスバ131は、カソード側バスバ131Kの部分を、積層方向Zに沿って互いに隣接している3つの単電池110のカソード側電極タブ113Kに対してレーザ溶接する。
ただし、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図8の図中右上に位置するバスバ131(図8において、符号131(A)で示す)は、21つの単電池110(3並列7直列)のアノード側の終端に相当し、アノード側バスバ131Aのみから構成している。このアノード側バスバ131Aは、電池群100Gの最上部の3つの単電池110のアノード側電極タブ113Aに対してレーザ接合する。同様に、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図8の図中左下に位置するバスバ131(図8において、符号131(B)で示す)は、21つの単電池110(3並列7直列)のカソード側の終端に相当し、カソード側バスバ131Kのみから構成している。このカソード側バスバ131Kは、電池群100Gの最下部の3つの単電池110のカソード側電極タブ113Kに対してレーザ接合する。
バスバホルダ132は、図2に示すように、複数のバスバ131を、複数枚積層した各々の単電池110の電極タブ113に対面するようにマトリクス状に一体的に保持している。バスバホルダ132は、絶縁性を備えた樹脂からなり、枠状に形成している。
アノード側ターミナル133は、図2に示すように、第1セルサブアッシ100Mと第2セルサブアッシ100Nを交互に積層して構成した電池群100Gのアノード側の終端に相当する。アノード側ターミナル133は、導電性を備えた金属板からなる。
カソード側ターミナル134は、図2に示すように、第1セルサブアッシ100Mと第2セルサブアッシ100Nを交互に積層して構成した電池群100Gのカソード側の終端に相当する。カソード側ターミナル134は、導電性を備えた金属板からなる。
本実施形態において、電極タブ113とバスバ131とは、電極タブ113とバスバ131とが当接することによって接続されている。図5A、図5B、図6Aおよび図6Bを参照して、電極タブ113とバスバ131との当接に係る構成についてさらに詳しく説明する。
図5A、図5B、図6Aおよび図6Bを参照して、組電池100は、バスバ131に押されることに起因して電極タブ113に作用する力Fの少なくとも一部を、電極タブ113の屈曲動作によって吸収する吸収構造を有する。具体的には、バスバ131は、単電池110の積層方向Zに沿って延びている主部131aと、電極タブ113のそれぞれに向かって主部131aから突出している複数の凸部131bと、を有する。そして、電極タブ113のそれぞれは、バスバ131の主部131aに向かって延びている基端部113aと、屈曲点113bを介して基端部113aに連続し、基端部113aが延びている方向X1に交差する方向に延びて対応する凸部131bに当接する先端部113cと、を有する。
図4Bに示すように、積層方向Zに対して交差する方向Xにおける単電池110の位置には、ばらつきがある。そのため、バスバ131から遠い側にずれている単電池110の電極タブ113とバスバ131とが当接するようにバスバ131を電池群100Gに取り付けた場合、バスバ131に近い側にずれている単電池110の電極タブ113の先端部113cはバスバ131に押されることになる。電極タブ113の先端部113cがバスバ131に押されると、例えば、発電要素111において電極を構成する集電箔と電極タブ113との間の電気的な接続が不安定になるなどの問題が生じるおそれがある。
上述したように、電極タブ113のそれぞれは、バスバ131の主部131aに向かって延びている基端部113aと、屈曲点113bを介して基端部113aに連続し、基端部113aが延びている方向X1に交差する方向に延びて対応する凸部131bに当接する先端部113cと、を有する。
これにより、バスバ131から近い側にずれている単電池110(A)の電極タブ113は、先端部113cがバスバ131に押されることに起因して、図5Aに示す状態から図5Bに示す状態へと、屈曲点113bにおいて屈曲する。この屈曲動作によって、電極タブ113は、バスバ131から押されたときに先端部113cに作用する力Fの少なくとも一部を吸収できる。そのため、積層方向Zに対して交差する方向Xにおける単電池110の位置にばらつきがあっても、電極タブ113にかかる負荷を軽減しつつ、バスバ131から遠い側にずれている単電池110の電極タブ113とバスバ131とを十分に当接させることができる。その結果、発電要素111において電極を構成する集電箔と電極タブ113との間の電気的な接続が不安定になるなどの問題を生じさせることなく、電極タブ113とバスバ131との間の接続品質を向上できる。さらに、単電池110の電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとを十分に当接させた状態においてレーザ溶接できるため、溶接品質を向上できる。
図6Aを参照して、本実施形態における電極タブ113の基端部113aには、先端部113cと凸部131bとが相対的に押し付けられることによって撓む撓み部113dが配置されている。本実施形態における撓み部113dは、基端部113aの一部が積層方向Zに突出した形状を備える。撓み部113dの寸法は、先端部113cと凸部131bとが相対的に押し付けられることによって撓む限りにおいて限定されない。例えば、基端部113aが延びている方向X1における撓み部113dの長さR2は、2〜3mmとし得る。また、撓み部113dの高さH2は、2〜3mmとし得る。
図6Bに示すように、電極タブ113の先端部113cがバスバ131に押されたとき、撓み部113dは次のように変形する。すなわち、基端部113aが延びている方向X1における撓み部113dの長さR2が小さくなり、撓み部113dの高さH2が大きくなるように変形する。このように、撓み部113dが撓むことによって、電極タブ113の先端部113cがバスバ131に押されることに起因して先端部113cに作用する力Fの一部が吸収される。そのため、電極タブ113にかかる負荷をさらに軽減しつつ、電極タブ113とバスバ131とを十分に当接させられる。
再び図5Bを参照して、本実施形態において、バスバ131の凸部131bと第1スペーサ121とは、隙間を隔てて離間している。
これにより、バスバ131の凸部131bと第1スペーサ121とが相対的に押し付けられることなく、バスバ131の凸部131bと電極タブ113の先端部113cとは当接した状態にある。すなわち、バスバ131の凸部131bと電極タブ113の先端部113cとを当接させるために、バスバ131の凸部131bと第1スペーサ121とを相対的に押し付ける必要がない。そのため、組電池100を製造する際に、バスバ131の凸部131bと第1スペーサ121とを相対的に押し付ける治具が必要ないから、組電池100の製造が容易になる。また、バスバ131の凸部131bが押し付けられる部位を第1スペーサ121に設ける必要がないから、第1スペーサ121を小型化でき、組電池100を軽量化できる。
さらに、バスバ131の凸部131bと第1スペーサ121との間に隙間が形成されていることによって、電極タブ113の先端部113cとバスバ131とをレーザ溶接する際に加えられた熱が、第1スペーサ121に伝搬することを防止できる。従って、電極タブ113とバスバ131とをレーザ溶接する際に、第1スペーサ121が損傷するのを防止できる。
電極タブ113の基端部113aと先端部113cの寸法、バスバ131の凸部131bの寸法、基端部113aと先端部113cとがなす角度αの初期値α1は、次の条件を満たす限りにおいて限定されない。すなわち、バスバ131に押されることに起因して電極タブ113に作用する力Fの少なくとも一部を、電極タブ113の屈曲動作によって吸収するという条件を満たす限りにおいて限定されない。ただし、図5Aを参照して、角度αの初期値α1は、先端部113cがバスバ131に当接していない状態における電極タブ113の基端部113aと先端部113cとがなす角度αの値である。本実施形態では、全ての単電池110の電極タブ113が同じ初期値α1を有するように電極タブ113を構成しているが、これに限定されない。
本実施形態では、上述した条件に加えて、次の条件(i)および(ii)を満たすように、上述した寸法等を決定する。すなわち、(i)バスバ131が電池群100Gに取り付けられることによって、全ての単電池110の電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとの当接が完了し、(ii)バスバ131が電池群100Gに取り付けられた状態において、バスバ131から最も近い位置にずれている単電池110(A)の電極タブ113の基端部113aと先端部113cとがなす角度α2は90°以上に維持されるという条件を満たすように決定する。
図5Aを参照して、上述した条件(i)および(ii)を満たす寸法として、電極タブ113の基端部113aの長さPは、例えば、6〜8mmとし得る。また、電極タブ113の先端部113cの長さQは、5〜6mmとし得る。ただし、電極タブ113の基端部113aの長さPは、本実施形態において、積層方向Zに交差する方向Xにおける電極タブ113と電池本体110Hとの接合箇所から屈曲点113bまでの距離を意味する。
図5Bを参照して、積層方向Zにおける凸部131bの長さR1は、例えば、2〜3mmとし得る。また、凸部131bの高さH1は、例えば、2〜3mmとし得る。
そして、基端部113aと先端部113cとがなす角度αの初期値α1は、例えば、次のように決定できる。
図2を参照して、バスバユニット130は、第1スペーサ121の積層基準面121aに当接した状態で電池群100Gに取り付けられる。このとき、バスバ131は、図4Bに示すように、積層基準面121aから所定の距離Uだけ離れた位置に配置される。一方で、上述したように、積層方向Zに交差する方向Xにおける積層された単電池110の位置にはばらつきがある。そのため、積層基準面121aから所定の距離Uだけ離れた位置にバスバ131が配置された状態において、バスバ131と電池本体110Hとの間の距離D(図5B参照)にはばらつきがある。ここでは、バスバ131に最も近い位置にずれている単電池110(A)の電池本体110Hとバスバ131との距離をDminとし、バスバ131から最も遠い位置にずれている単電池110(B)の電池本体110Hとバスバ131との距離をDmaxとする。
距離Dminおよび距離Dmaxは、第1スペーサ121の成形誤差や電池本体110Hの成形誤差等に基づいて、公知の方法によって計算できる。そして、角度αの初期値α1は、距離DmaxおよびDminと、基端部113aの長さPおよび先端部113cの長さQと、凸部131bの長さR1および高さH1と、に基づいて、条件(i)および(ii)を満たすように、公知の幾何学的方法によって決定できる。
保護カバー140は、図1〜図3に示すように、バスバユニット130を被覆することによって、バスバ131同士が短絡したり、バスバ131が外部の部材に接触して短絡したり漏電したりすることを防止する。さらに、保護カバー140は、アノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134を外部に臨ませて、各々の単電池110の発電要素111に充放電をさせる。保護カバー140は、絶縁性を備えたプラスチックスからなる。
保護カバー140は、図3に示すように、平板状に形成し、積層方向Zに沿って起立している。保護カバー140は、その側面140aの上端140bと下端140cを長手方向Xに沿って屈折した形状からなり、バスバユニット130に嵌合させる。
保護カバー140の側面140aは、図2および図3に示すように、バスバユニット130に備えられたアノード側ターミナル133に対応する位置に、当該アノード側ターミナル133よりも若干大きい矩形状の孔からなる第1開口140dを備えている。同様に、保護カバー140の側面140aは、バスバユニット130に備えられたカソード側ターミナル134に対応する位置に、当該カソード側ターミナル134よりも若干大きい矩形状の孔からなる第2開口140eを備えている。
筐体150は、図1および図2に示すように、電池群100Gを積層方向Zに沿って加圧した状態において収容している。筐体150は、電池群100Gを積層方向Zの上下から挟持しつつ加圧する上部加圧板151および下部加圧板152と、を有する。また、筐体150は、上部加圧板151および下部加圧板152が互いに離間しないように、上部加圧板151および下部加圧板152の相対位置を固定する一対の側板153を有する。上部加圧板151および下部加圧板152は、発電要素111に適正な面圧を与える。上部加圧板151と側板153とは、レーザ溶接によって接合されている。同様に、下部加圧板152と側板153とは、レーザ溶接によって接合されている。
次に、組電池100の製造方法を図7〜図11を参照しつつ説明する。
図7は、本実施形態に係る組電池100の製造方法を示すフローチャートである。図8は、電池群100Gにバスバユニット130の一部の部材を取り付けている状態を模式的に示す斜視図である。図9は、バスバユニット130のバスバ131を単電池110の電極タブ113に対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。図10は、積層した単電池110の電極タブ113にバスバ131をレーザ接合している状態の図4Bに対応する断面図である。図11は、図10中に示す領域11の拡大図である。
組電池100の製造方法(製造工程)は、単電池110を準備する工程(ステップS1)と、バスバ131を準備する工程(ステップS2)と、単電池110を積層して電池群100Gを形成する工程(ステップS3)と、電池群100Gにバスバ131を取り付ける工程(ステップS4)と、電極タブ113とバスバ131とを接合する工程(ステップS5)と、を備えている。以下に、各工程について詳細に説明する。
単電池を準備する工程(ステップS1)では、電流を送受する電極タブ113を備える偏平な単電池110を準備する。本実施形態では、電極タブ113が、一の方向X1に延びている基端部113aと、屈曲点113bを介して基端部113aに連続し一の方向X1に交差する方向に延びている先端部113cと、を有している単電池110を準備する(図5A参照)。
バスバ131を準備する工程(ステップS2)では、少なくとも2つの単電池110における電極タブ113同士を電気的に接続する板形状のバスバ131を準備する。本実施形態では、板形状の主部131aから突出する複数の凸部131bが形成されたバスバ131を準備する(図5B参照)。
単電池110を積層して電池群100Gを形成する工程(ステップS3)では、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けた単電池110を、その厚み方向に複数積層することによって電池群100Gを形成する(図2および図3参照)。電池群100Gは、当該電池群100Gの積層方向Zに沿って加圧された状態において筐体150に収容される。単電池110の積層と筐体150への電池群100Gの収容は、載置台701(図8参照)の上で行われる。
電池群100Gにバスバ131を取り付ける工程(ステップS4)では、図5Bおよび図8に示すように、主部131aを単電池110の積層方向Zに沿わせ、かつ、複数の凸部131bのそれぞれを対応する電極タブ113に向けた状態においてバスバ131を電池群100Gに取り付ける。そして、電池群100Gにバスバ131を取り付けることによって、それぞれの電極タブ113の先端部113cとバスバ131の対応する凸部131bとを当接させる。本実施形態では、第1スペーサ121の積層基準面121aに、バスバユニット130を当接させることによって、バスバ131を取り付ける。電池群100Gへのバスバ131の取り付けは、例えば、ロボットアームを使用して行うことができる。
上述したように、電極タブ113は、一の方向X1に延びている基端部113aと、屈曲点113bを介して基端部113aに連続し一の方向X1に交差する方向に延びている先端部113cと、を有する。
これにより、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとを相対的に押し付けたとき、電極タブ113は、屈曲点113bにおいて屈曲する。この屈曲動作によって、電極タブ113は、バスバ131から押されたときに先端部113cに作用する力Fの少なくとも一部を吸収できる。そのため、積層方向Zに対して交差する方向Xにおける単電池110の位置にばらつきがあっても、電極タブ113にかかる負荷を軽減しつつ、バスバ131から遠い側にずれている単電池110の電極タブ113とバスバ131とを十分に当接させることができる。その結果、電極タブ113とバスバ131との間の接続品質を向上できる。
また、積層方向Zに対して交差する方向Xにおける単電池110の位置にばらつきがあっても、バスバ131から遠い側にずれている単電池110の電極タブ113とバスバ131とを当接させられることは、次の利点も有する。すなわち、積層方向Zに対して交差する方向Xにおける単電池110の位置のばらつきに係る制限を緩和できるから、単電池110を積層する際の積層方向Zに対して交差する方向Xにおける位置決め精度を粗くできる。よって、組電池100の製造がより容易になる。
本実施形態では、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとを当接させる際には、電極タブ113の基端部113aと先端部113cとがなす角度α(図5A参照)が鈍角の状態から、当該先端部113cとバスバ131の凸部131bとを相対的に押し付ける。
電極タブ113の基端部113aと先端部113cとがなす角度αが鈍角であることにより、先端部113cの先端側(屈曲点113bから離れた側)と屈曲点113bとの間の距離が長くなる(図5Bの下側に示す単電池110(B)参照)。これにより、電極タブ113の屈曲点113bとバスバ131とがより長い距離だけ離れていても、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとを当接させられる。すなわち、バスバ131からより長い距離だけ離れている単電池110(B)の電極タブ113の先端部113cにバスバ131の凸部131bを当接させられる。このとき、バスバ131により近い側にずれている単電池110(A)の電極タブ113の屈曲点113bがバスバ131に当接することも回避できる。その結果、積層方向Zに交差する方向Xにおける単電池110の位置のばらつきがより大きい場合であっても、電極タブ113に負荷をかけることなく、電極タブ113とバスバ131とを十分に当接させられる。
また、本実施形態では、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとを当接させる際には、基端部113aに形成された撓み部113dを撓ませながら当該先端部113cとバスバ131の凸部131bとを相対的に押し付ける(図6B参照)。
これにより、電極タブ113の先端部113cにバスバ131の凸部131bから作用する力Fの一部を吸収できる。そのため、電極タブ113にかかる負荷をさらに軽減しつつ、電極タブ113とバスバ131とを当接させられる。
本実施形態では、電池群100Gにバスバ131を取り付けることによって、それぞれの電極タブ113の先端部113cとバスバ131の対応する凸部131bとを当接させる方法として、次の方法を採用している。すなわち、電極タブ113の基端部113aと先端部113cの寸法、バスバ131の凸部131bの寸法、基端部113aと先端部113cとがなす角度αの初期値α1を、上述した条件(i)を満たすように決定する方法を採用している。
当該方法によれば、単電池110の電極タブ113およびバスバ131が所定の寸法等を有するように構成すれば、電池群100Gにバスバ131を取り付けることによって、それぞれの電極タブ113の先端部113cとバスバ131の対応する凸部131bとを当接させられる。そのため、組電池100を製造する際に、バスバ131の凸部131bと第1スペーサ121とを相対的に押し付ける治具が必要ないから、組電池100の製造が容易になる。
電極タブ113とバスバ131とを接合する工程(ステップS5)では、図9および図10に示すように、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとを当接させた状態で、凸部131bに向けてレーザ光L1を照射することによって、電極タブ113とバスバ131とを接合する。
積層方向Zに対して交差する方向Xにおける単電池110の位置にばらつきがある場合、電極タブ113とバスバ131とが当接した状態における基端部113aと先端部113cとがなす角度αにはばらつきが生じる(図5B参照)。そのため、バスバ131が凸部131bを有していない場合、バスバ131における電極タブ113の当接箇所131cは積層方向Zに沿って変化し得る。
一方で、本実施形態では、バスバ131が凸部131bを有している。そのため、基端部113aと先端部113cとがなす角度αに応じて、図11に示すように、当接箇所131cの位置は凸部131b上において変化し得るが、当接箇所131cは凸部131b上に限られる。よって、凸部131bにレーザ光L1を照射することによって、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとを容易かつ確実に接合できる。なお、図11では、バスバ131から最も近い位置にずれている単電池110(A)の電極タブ113の先端部113cを113c(A)で示している。また、バスバ131から最も遠い位置にずれている単電池110(B)の電極タブ113の先端部113cを113c(B)で示している。
本実施形態において、図9に示すように、レーザ光L1の照射は、レーザ発振器705を使用して行う。レーザ発振器705には、公知のレーザ発振器を使用できる。レーザ発振器705によって照射されるレーザ光L1の特性等は、電極タブ113とバスバ131とをレーザ溶接し得る限りにおいて限定されない。
レーザ光L1の出力は、例えば、1.5〜2.5kWとし得る。また、レーザ光L1のスポット径は、例えば、70〜90μmとし得る。スポット径を70〜90μmとすることによって、電極タブ113とバスバ131とが溶け込み易くなる。
また、本実施形態において、レーザ光L1は、例えば、楕円形形状等のウォブリング形状を描くように揺動させながら照射する。レーザ光L1を揺動させることによって、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとの当接箇所131cをさらに確実にカバーできるようにレーザ光L1を照射できる。
電極タブ113とバスバ131とを接合する工程(ステップS5)が終了したら、アノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134をバスバ131に接合し、保護カバー140を積層体100Sに取り付けて、組電池100の製造を完了する。製造が完了した組電池100は、載置台701から取り外して、電池性能等を検査する検査工程に搬出する。
図7〜図11を参照しつつ説明した組電池100の製造方法は、工程全般をコントローラによって制御する自動機、工程の一部を作業者が担う半自動機、または工程全般を作業者が担うマニュアル機のいずれの形態によって具現化してもよい。
上述した本実施形態に係る組電池100および組電池100の製造方法によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態に係る組電池100および組電池100の製造方法では、バスバ131は、単電池110の積層方向Zに沿って延びている主部131aと、電極タブ113のそれぞれに向かって主部131aから突出している複数の凸部131bと、を有する。また、電極タブ113のそれぞれは、バスバ131の主部131aに向かって延びている基端部113aと、屈曲点113bを介して基端部113aに連続し、基端部113aが延びている方向X1に交差する方向に延びて対応する凸部131bに当接する先端部113cと、を有する。
このように構成した組電池100および組電池100の製造方法によれば、電極タブ113は、電極タブ113の先端部113cがバスバ131に押されたときに屈曲点113bにおいて屈曲する。当該屈曲動作により、電極タブ113の先端部113cがバスバ131に押されることに起因して電極タブ113の先端部113cにバスバ131から作用する力Fの少なくとも一部が吸収される。そのため、バスバ131から近い側にずれている電極タブ113にかかる負荷を軽減しつつ、バスバ131から遠い側にずれている単電池110の電極タブ113の先端部113cをバスバ131に十分に当接させられる。さらに、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとが当接するため、電極タブ113の先端部113cとバスバ131とを安定して接触させることができるとともに接触面積が増加する。従って、単電池の積層方向に交差する方向における単電池の位置にばらつきがある場合であっても、電極タブにかかる負荷を軽減しつつ、電極タブとバスバとの間の接続品質を向上させることができる組電池および組電池の製造方法を提供できる。
本実施形態に係る組電池100および組電池100の製造方法では、電極タブ113の基端部113aには、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとが相対的に押し付けられることによって撓む撓み部113dが配置されている。
このように構成した組電池100および組電池100の製造方法によれば、撓み部113dを撓ませることによって、電極タブ113の先端部113cにバスバ131の凸部131bから作用する力Fの一部を吸収できる。これにより、電極タブ113にかかる負荷をさらに軽減しつつ、電極タブ113とバスバ131とを当接させられる。
本実施形態に係る組電池100では、電極タブ113を保持する絶縁性の第1スペーサ121をさらに有し、バスバ131の凸部131bと第1スペーサ121とは、隙間を隔てて離間している。
このように構成した組電池100によれば、バスバ131の凸部131bを第1スペーサ121に押し付けることなく、バスバ131の凸部131bと電極タブ113の先端部113cとの当接が完了する。これにより、バスバ131の凸部131bを第1スペーサ121に押し付ける治具を使用する必要がないため、組電池100の製造が容易になる。また、バスバ131の凸部131bが押し付けられる部位を第1スペーサ121に設ける必要がない。そのため、第1スペーサ121を小型化できるから、組電池100を軽量化できる。
本実施形態に係る組電池100の製造方法では、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとは、電極タブ113の基端部113aと先端部113cとがなす角度αが鈍角の状態から当接する。
このように構成した組電池100の製造方法によれば、電極タブ113の屈曲点113bとバスバ131とがより長い距離だけ離れていても、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとを当接させられる。これにより、バスバ131からより長い距離だけ遠い位置にずれている単電池110(B)の電極タブ113の先端部113cにバスバ131の凸部131bを当接させられる。このとき、バスバ131により近い側にずれている単電池110(A)の電極タブ113の屈曲点113bがバスバ131に当接することも回避できる。そのため、積層方向Zに交差する方向Xにおける単電池110の位置のばらつきがより大きい場合であっても、電極タブ113に負荷をかけることなく、電極タブ113とバスバ131とを十分に当接させられる。
また、本実施形態に係る組電池100の製造方法では、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとを当接させた状態で、凸部131bに向けてレーザ光L1を照射することによって、電極タブ113とバスバ131とを接合する。
このように構成した組電池100の製造方法によれば、バスバ131における電極タブ113の先端部113cの当接箇所131cを凸部131b上に限ることができる。そして、レーザ光L1は凸部131bに向けて照射されるから、凸部131b上における当接箇所131cの位置によらず、当該当接箇所131cにレーザ光L1が照射される。よって、積層方向Zに交差する方向Xにおける単電池110の位置がばらついていることに起因して、凸部131bにおける当接箇所131cの位置が変化しても、電極タブ113とバスバ131とを容易かつ確実に接合できる。
以上、実施形態を通じて組電池100を説明したが、本発明は実施形態において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、バスバ131は、バスバユニット130を介して電池群100Gに取り付けられた。しかしながら、バスバ131は、バスバユニット130を介することなく、電池群100Gに直接取り付けてもよい。例えば、バスバ131の外周部の一部に絶縁性の材料を塗布しておき、当該材料部分を介して電池群100Gに取り付けるなどの方法で、電池群100Gにバスバ131を直接取り付けることができる。
また、上述した実施形態の組電池100において、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとの接続は、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとがレーザ溶接によって接合されることによってなされた。しかしながら、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとが電気的に接続されている限りにおいて、電極タブ113の先端部113cとバスバ131の凸部131bとの接合方法は限定されない。
また、上述した本実施形態では、電極タブ113の基端部113aと先端部113cの寸法、バスバ131の凸部131bの寸法、基端部113aと先端部113cとがなす角度αの初期値α1を、次の条件(ii)を少なくとも満たすように決定した。すなわち、(ii)バスバ131が電池群100Gに取り付けられた状態において、バスバ131から最も近い位置にずれている単電池110(A)の電極タブ113の基端部113aと先端部113cとがなす角度α2は90°以上に維持されるように決定した。しかしながら、角度α2は、バスバ131が電池群100Gに取り付けられた状態において、バスバ131から最も近い位置にずれている単電池110(A)の電極タブ113の屈曲点113bがバスバ131に押されていないという条件を満たす限りにおいて変更可能である。例えば、角度α2が鋭角になるように上述した寸法等を決定してもよい。
100 組電池、
100S 積層体、
100G 電池群、
100M 第1セルサブアッシ、
100N 第2セルサブアッシ、
110 単電池、
110H 電池本体、
111 発電要素、
112 ラミネートフィルム、
112a 一端部、
112b 他端部、
113 電極タブ、
113A アノード側電極タブ、
113K カソード側電極タブ、
113a 基端部、
113b 屈曲部、
113c 先端部、
113d 撓み部、
120 一対のスペーサ、
121 第1スペーサ、
122 第2スペーサ、
121a 積層基準面、
130 バスバユニット、
131 バスバ、
131A アノード側バスバ、
131K カソード側バスバ、
131a 凸部、
131b 当接箇所、
131c 側部、
132 バスバホルダ、
133 アノード側ターミナル、
134 カソード側ターミナル、
140 保護カバー、
150 筺体、
151 上部加圧板、
152 下部加圧板、
153 側板、
160 両面テープ、
701 載置台、
705 レーザ発振器、
D バスバと電池本体との距離、
L1 レーザ光、
P 基端部の長さ、
Q 先端部の長さ、
R1 凸部の長さ、
R2 撓み部の長さ、
X (単電池110の積層方向と交差し、かつ、単電池110の)長手方向、
Y (単電池110の積層方向と交差し、かつ、単電池110の)短手方向、
Z (単電池110の)積層方向。

Claims (7)

  1. 電流を送受する電極タブを備える偏平な単電池を、その厚み方向に複数枚積層してなる電池群と、
    前記電池群に取り付けられ、少なくとも2つの前記単電池における前記電極タブ同士を電気的に接続する板形状のバスバと、を有し、
    前記バスバは、前記単電池の積層方向に沿って延びている主部と、前記電極タブのそれぞれに向かって前記主部から突出している複数の凸部と、を有し、
    前記電極タブのそれぞれは、前記バスバの前記主部に向かって延びている基端部と、屈曲点を介して前記基端部に連続し、前記基端部が延びている方向に交差する方向に延びて対応する前記凸部に当接する先端部と、を有する、組電池。
  2. 前記基端部には、前記先端部と前記凸部とが相対的に押し付けられることによって撓む撓み部が配置されている、請求項1に記載の組電池。
  3. 前記電極タブを保持する絶縁性のスペーサをさらに有し、
    前記バスバの前記凸部と前記スペーサとは、隙間を隔てて離間している、請求項1または請求項2に記載の組電池。
  4. 電流を送受する電極タブを備える偏平な単電池であって、前記電極タブが、一の方向に延びている基端部と、屈曲点を介して前記基端部に連続し前記一の方向に交差する方向に延びている先端部と、を有している単電池を準備し、
    少なくとも2つの前記単電池における前記電極タブ同士を電気的に接続する板形状のバスバであって、板形状の主部から突出する複数の凸部が形成されたバスバを準備し、
    前記単電池をその厚み方向に複数枚積層して電池群を形成し、
    前記主部を前記単電池の積層方向に沿わせ、かつ、複数の前記凸部のそれぞれを対応する前記電極タブに向けた状態において前記バスバを前記電池群に取り付けることによって、それぞれの前記電極タブの前記先端部と前記バスバの対応する前記凸部とを当接させる、組電池の製造方法。
  5. 前記基端部と前記先端部とがなす角度が鈍角の状態から当該先端部と前記凸部とを当接させる、請求項4に記載の組電池の製造方法。
  6. 前記基端部に形成された撓み部を撓ませながら前記先端部と前記凸部とを当接させる、請求項4または請求項5に記載の組電池の製造方法。
  7. 前記先端部と前記凸部とを当接させた状態で、前記凸部に向けてレーザ光を照射することによって、前記電極タブと前記バスバとを接合する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の組電池の製造方法。
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