以下に添付図面を参照して、本発明の折込ローラ及び折機の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図5は、第1実施形態のチョッパ折り装置が適用されたオフセット輪転印刷機を表す概略図である。
第1実施形態において、図5に示すように、オフセット輪転印刷機10は、給紙装置11と、インフィード装置12と、印刷装置13と、乾燥装置14と、冷却装置15と、ウェブパス装置16と、折り装置17と、排紙装置18とから構成されている。
給紙装置11は、2つの巻取体(ウェブロール)が装着されるリールスタンドを有しており、一方の巻取体から引き出されて走行しているウェブを他方の巻取体のウェブに接続することで、連続してウェブを供給することができる。インフィード装置12は、給紙装置11から供給されたウェブを印刷装置13側に供給するものである。印刷装置13は、4つのインキ色である藍(Cyan)、紅(Magenta)、黄(yellow)、墨(Black)ごとの4個の印刷ユニット13a,13b,13c,13dがウェブWの走行方向に沿って配置されて構成されている。乾燥装置14は、印刷装置13により印刷が施されたウェブW上のインキを乾燥させるためのものであり、冷却装置15は、乾燥装置14での乾燥後の過剰な熱を蓄えるウェブWを適正な温度まで冷却するものである。ウェブパス装置16は、乾燥・冷却されたウェブWを搬送するものであり、折り装置17は、ウェブWを縦折りされた後に裁断し、所定の大きさに折り畳んで折帖Fを形成するものであり、排紙装置18は、この折帖Fを機外へ搬出するものである。
従って、給紙装置11により巻取体からロール状のウェブWが引き出され、インフィード装置12により印刷装置13に供給され、この印刷装置13にて、各印刷ユニット13a,13b,13c,13dにより多色印刷が施される。そして、印刷されたウェブWは、乾燥装置14でインキが乾燥され、冷却装置15で冷却され、ウェブパス装置16を経て搬送された折り装置17により折帖Fが形成され、排紙装置18により搬出される。
ここで、折り装置17について詳細に説明する。図1は、第1実施形態のチョッパ折り装置を有する折り装置の概略構成図である。
本実施形態の折り装置17において、図1に示すように、最上部に、ウェブWを挟持して搬送する一対のリードインローラ21と、一対のニッピングローラ22が設けられている。そして、一対のニッピングローラ22の下方に、アジロミシン装置23が設けられている。アジロミシン装置23は、ウェブWの背側に断続的に切れ目を入れるものであり、アジロ刃23aと刃受23bを有している。アジロミシン装置23の下方に、鋸胴24と折胴25と咥胴26が順に対接して配設されており、各胴24,25,26が同期して駆動回転可能となっている。
鋸胴24は、その周面に図示しない鋸刃が設けられており、ウェブWを所定の長さで断裁することができる。折胴25は、その周面に図示しない鋸刃受と針装置が設けられている。鋸刃受は、所定の位置で鋸刃と回転位相が一致し、この鋸刃を受け止めることができる。針装置は、折胴25の回転に連動して作動し、所定の位置で針を外方に突出して断裁されたウェブWにおける走行方向における先端部を保持する一方、所定の位置で針を内方に戻してウェブWの先端部の保持を解除することができる。また、折胴25は、その周面に図示しない差し刃が設けられており、所定の位置で差し刃を外方に突き出すことで、断裁されたウェブWをその搬送方向における中央部で横折りすることができる。咥胴26は、その周面に図示しない咥え装置が設けられており、この咥え装置は、咥胴26の回転に連動して作動し、折胴25の周面から差し刃により突き出されたウェブWの中央部をこの咥え装置が咥えて横折りすることができる。
そのため、ウェブWは、リードインローラ21及びニッピングローラ22によりガイドされて搬送され、アジロミシン装置23によりウェブWの背側に断続的な切れ目が入れられる。ウェブWが鋸胴24と折胴25の間に入ると、所定の位置で、針装置が作動して針を外方に突出することで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。この状態で、折胴25が回転し続けると、ウェブWは、折胴25の周面に保持されたまま移動する。そして、所定の位置で、鋸刃によりウェブWが横裁断される。続いて、針装置が作動して針を戻すことで、ウェブWの先端部の保持を解除すると同時に、差し刃が折胴25の周面から外方に突出することで、ウェブWが折胴25の周面から引き剥がされる。すると、折胴25の周面から突出したウェブWは、咥胴26の咥え装置により咥えられることで折帖F1が形成される。
折り装置17は、咥胴26に隣接してチョッパ折装置30が設けられている。このチョッパ折装置30は、チョッパテーブル31と、搬送コンベア32,33と、チョッパブレード34と、一対の折込ローラ35,36と、羽根車37、排紙コンベア38とを有している。
チョッパ折装置30において、チョッパテーブル31は、搬送面となる上面が水平方向に沿って配設されている。このチョッパテーブル31は、上方に上部搬送コンベア32が配置される一方、下方に下部搬送コンベア33が配置されている。各搬送コンベア32,33は、無端の搬送ベルトと複数のガイドローラと駆動モータとによって構成される。各搬送コンベア32,33は、上下の搬送ベルトがチョッパテーブル31の上面に対向するように接触することで、咥胴26が解除したチョッパテーブル31上の折帖F1を挟んで搬送することができる。
チョッパテーブル31は、その所定の位置に折帖F1の搬送方向に沿ってスリット41が形成されると共に、スリット41より折帖F1の搬送方向の前方側(下流側)に隣接してストッパ42が設けられている。この場合、各搬送コンベア32,33とスリット41は、折帖F1の搬送方向に直交する水平方向にずれて配置されている。チョッパブレード34は、このスリット41の上方に配置され、図示しない駆動装置により鉛直方向に沿って移動自在に支持されている。このチョッパブレード34は、スリット41より長さと幅が小さく、下降時にチョッパテーブル31上を搬送される折帖F1の幅方向の中間位置に接触することで、この折帖F1をスリット41内に押し込むものである。チョッパブレード34によりスリット41内に押し込まれた折帖F1は、2つ折りされて折帖F2となる。
一対の折込ローラ35,36は、チョッパテーブル31の下方に折帖F1の搬送方向に沿って配置されており、スリット41の下方位置が一対の折込ローラ35,36の対接位置になるように配置されている。一対の折込ローラ35,36は、ほぼ同様の構成をなし、図示しない駆動装置により同期して駆動回転可能であり、スリット41から下降した折帖F2をニップ圧により挟み込んで折り曲げることで、折り目を付けることができる。
この一対の折込ローラ35,36は、その両側に一対の紙ガイド43,44が配置されている。この一対の紙ガイド43,44は、一対の折込ローラ35,36により挟持されて折り目が付けられた折帖F2をこの折込ローラ35,36の周面から剥がすものである。羽根車37は、一対の折込ローラ35,36の下方に配置され、図示しない駆動装置により所定の速度で回転可能となっており、順次形成される折帖F2を連続して受け止める。排紙コンベア38は、羽根車37が受け取った折帖F2を一部重なった状態で受け取り、外部に搬送する。
そのため、咥胴26により横折りされた折帖F1は、上下の搬送コンベア32,33によりチョッパテーブル31上を搬送され、先端部がストッパ42に至る。このとき、チョッパテーブル31上の折帖F1に対してチョッパブレード34が下降し、折帖F1は、中央部分が先行してチョッパテーブル31のスリット41に押し込まれて縦折りされる。縦折りされた折帖F2は、回転する各折込ローラ35,36により挟持されることで折り目が付けられる。このとき、各折込ローラ35,36により挟持された折帖F2は、各紙ガイド43,44により各折込ローラ35,36の周面から剥がされる。その後、折帖F2は、羽根車37を介して排紙コンベア38に送られて外部に搬送される。
以下、上述したチョッパ折り装置30における折込ローラ35,36について詳細に説明する。図2は、一対の折込ローラを表す平面図、図3は、一対の折込ローラを表す図2のIII−III断面図、図4は、一対の折込ローラを表す図2のIV−IV断面図である。
折込ローラ35,36は、図2から図4に示すように、軸方向におけるほぼ中間部に紙折部35a,35b,35c,36a,36b,36cが設けられ、この紙折部35a,35b,35c,36a,36b,36cの間に周方向に沿う溝部35d,35e,36d,36eが設けられている。また、折込ローラ35,36は、紙折部35a,35b,35c,36a,36b,36cより軸方向の外側端部に支持部35f,35g,36f,36gが設けられており、支持部35f,35g,36f,36gが図示しないフレームに軸受を介して回転自在に支持されている。そして、折込ローラ35,36は、軸方向における一端部に駆動装置が連結されている。
本実施形態では、3つの紙折部35a,35b,35c,36a,36b,36cが2つの溝部35d,35e,36d,36eを介して断続的に設けられている。この場合、紙折部35a,35b,35c,36a,36b,36cの数、長さ、直径や溝部35d,35e,36d,36eの数、長さ、直径などはこの実施形態に限定されるものではなく、適宜設定すればよいものである。
紙折部35a,35b,35c,36a,36b,36cは、チョッパブレード34により2つ折りされた折帖F1を挟持して折り目を付けるものであり、折帖F1(折帖F2)が下方移動する幅方向の搬送領域Aより長いものとなっている。溝部35d,35e,36d,36eは、前述した一対の紙ガイド43,44の上端部が侵入するように配置されている。この場合、溝部35d,35e,36d,36eの幅(軸方向長さ)は、紙ガイド43,44の幅よりも大きく設定されている。
このように構成された一対の折込ローラ35,36は、折帖F1(シート)の搬送方向(図1にて、左方向)における下流側に低ニップ圧部が設けられている。この低ニップ圧部は、溝部35d,35e,36d,36eより折帖F1の搬送方向における下流側に設けられている。本実施形態にて、低ニップ圧部は、小径部としての紙折部35a,36aにより構成されている。
即ち、折込ローラ35,36は、紙折部35a,36aの直径D2が、紙折部35b,36c,36b,36cの直径D1より小径に形成されている。そのため、紙折部35b,35cと紙折部36b,36cは、隙間S1をもって折帖F1を挟持するが、紙折部35aと紙折部36aは、隙間S1より大きい隙間S2をもって折帖F1を挟持する。この隙間S1,S2の大きさは、折帖F1を挟持して折り目を付けて折帖F2を形成するという基本的な機能は有しているものである。
そのため、チョッパテーブル31上を水平方向に搬送される折帖F1は、下方に移動するチョッパブレード34によりスリット41に押し込まれて縦折りされた後、回転する一対の折込ローラ35,36により挟まれることで折り目が付けられ、折帖F2が形成される。このとき、チョッパテーブル31上を搬送される折帖F1は、水平方向の慣性力を有しており、チョッパブレード34により2つ折りにされて下方に押されるとき、下流側の端部が下方に傾斜した前のめり状態となりやすい。すると、この前のめり状態の折帖F1は、斜め状態となって前端部が先に一対の折込ローラ35,36に挟持されることから、ブレーキが掛けられる。一方、後端部は、まだ一対の折込ローラ35,36に挟持されていないことから、継続して水平方向の慣性力が作用し続ける。そのため、折帖F1は、前端部と後端部との間で座屈して弛みが生じ、弛みが生じた状態で各折込ローラ35,36により挟持されるため、折り目を中心とした皺が発生してしまう。
本実施形態では、一対の折込ローラ35,36における下流側の端部に低ニップ圧部として、下流側の紙折部35b,35c,36b,36cより小径となる下流側の紙折部35a,36aを設けている。そのため、前のめり状態になった折帖F1は、前端部が先に各折込ローラ35,36の紙折部35a,36aに挟持されるが、この紙折部35a,36aのニップ圧が低いことから、紙折部35a,36aと折帖F1との間で滑りが生じて慣性力が弱められる。すると、折帖F1は、後端部が継続して水平方向の慣性力を受けて移動しても、前端部と後端部との間での座屈が抑制され、弛みが生じにくくなる。そして、折帖F1は、その後に全ての領域が各折込ローラ35,36により挟持されることから、弛みのない状態で折り目が付けられることとなり、皺の発生が抑制される。
このように第1実施形態の折込ローラにあっては、水平方向に搬送される折帖F1が鉛直方向の下方に移動するチョッパブレード34により2つ折りされて折帖F2が形成され、この折帖F2を挟んで折り目を付ける一対の折込ローラ35,36において、折帖F1の搬送方向における下流側に低ニップ圧部として、紙折部35b,35c,36b,36cより小径の紙折部35a,36aを設けている。
従って、折帖F1が前のめり状態になっても、紙折部35a,36aのニップ圧が低いことから、前端部と後端部との間での座屈が抑制されて弛みが生じにくくなり、折込ローラ35,36により弛みのない状態で折り目が付けられる。その結果、折帖F2の皺の発生を抑制することで折帖F2の品質を向上することができる。
第1実施形態の折込ローラでは、外周面に周方向に沿って紙ガイド43,44が侵入する溝部35d,35e,36d,36eを設け、小径の紙折部35a,36aを溝部35d,35e,36d,36eより下流側に設けている。従って、外周面に溝部35d,35e,36d,36eが設けられると、折帖F1が折込ローラ35,36により挟まれるときに皺が発生しやすいが、溝部35d,35e,36d,36eより下流側で折込ローラ35,36によるニップ圧が低いことから、弛みが生じにくくなって皺の発生を抑制することができる。
第1実施形態の折込ローラでは、低ニップ圧部を小径の紙折部35a,36aとしている。従って、紙折部35a,36aにおけるロール間隙間が大きくなり、紙折部35a,36aでのニップ圧が他の位置でのニップ圧より低くなり、簡単な構成で容易に低ニップ圧部を形成することができる。
また、第1実施形態の折機にあっては、搬送面が水平をなして配置されて折帖F1の搬送方向に沿ってスリット41が設けられるチョッパテーブル31と、チョッパテーブル31上の折帖F1を搬送する搬送コンベア32,33と、鉛直方向に沿って移動自在に支持されてチョッパテーブル31上の折帖F1に上方から接触してスリット41内に押し込むことで2つ折りするチョッパブレード34と、スリット41から下方に移動した2つ折りの折帖F2を挟み込んで折り目を付ける一対の折込ローラ35,36とを設けている。
従って、チョッパテーブル31上を水平方向に搬送される折帖F1は、下方に移動するチョッパブレード34が接触してスリット41内に押し込まれることで2つ折りされた後、回転する一対の折込ローラ35,36により挟まれることで折り目が付けられ、折帖F2が形成される。このとき、チョッパブレード34の押し込まれた折帖F1が前のめり状態になっても、紙折部35a,36aのニップ圧が低いことから、前端部と後端部との間での座屈が抑制されて弛みが生じにくくなり、折込ローラ35,36により弛みのない状態で折り目が付けられる。その結果、折帖F2の皺の発生を抑制することで折帖F2の品質を向上することができる。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の折込ローラを表す正面図、図7は、一対の折込ローラを表す断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態において、図6及び図7に示すように、折込ローラ51,52は、軸方向におけるほぼ中間部に紙折部51a,51b,51c,52a,52b,52cが設けられ、この紙折部51a,51b,51c,52a,52b,52cの間に周方向に沿う溝部51d,51e,52d,52eが設けられている。また、折込ローラ51,52は、紙折部51a,51b,51c,52a,52b,52cより軸方向の外側端部に支持部51f,51g,52f,52gが設けられており、支持部51f,51g,52f,52gが図示しないフレームに軸受を介して回転自在に支持されている。そして、折込ローラ51,52は、軸方向における一端部に駆動装置が連結されている。
紙折部51a,51b,51c,52a,52b,52cは、チョッパブレード34により2つ折りされた折帖F1を挟持して折り目を付けるものである。溝部51d,51e,52d,52eは、一対の紙ガイド43,44(図3及び図4参照)の上端部が侵入するように配置されている。
この一対の折込ローラ51,52は、折帖F1の搬送方向における下流側に低ニップ圧部が設けられている。この低ニップ圧部は、溝部51d,51e,52d,52eより折帖F1の搬送方向における下流側に設けられている。本実施形態にて、低ニップ圧部は、紙折部51a,52aの周方向における一部に設けられる切欠部51h,52hにより構成されている。
即ち、折込ローラ51,52は、紙折部51a,51b,51c,52a,52b,52cは、同じ直径であって、紙折部51a,52aの周方向における所定の範囲(角度)θ1,θ2に切欠部51h,52hが設けられている。この場合、切欠部51hの角度θ1と切欠部52hの角度θ2は、同じ角度である。そのため、紙折部51b,51cと紙折部52b,52cは、隙間S1をもって折帖F1を挟持するが、紙折部51aと紙折部52aは、切欠部51h,52h以外の位置でニップし、切欠部51h,52hの位置で隙間S1より大きい隙間S2をもって折帖F1を挟持する。この隙間S1,S2の大きさは、第1実施形態と同様である。
そのため、チョッパテーブル31上を水平方向に搬送される折帖F1は、下方に移動するチョッパブレード34によりスリット41に押し込まれて縦折りされた後、回転する一対の折込ローラ51,52により挟まれることで折り目が付けられ、折帖F2が形成される。このとき、チョッパテーブル31上を搬送される折帖F1は、水平方向の慣性力を有しており、チョッパブレード34により2つ折りにされて下方に押されるとき、下流側の端部が下方に傾斜した前のめり状態となりやすい。前のめり状態になった折帖F1は、前端部が先に各折込ローラ51,52の紙折部51a,52aに挟持されるが、この紙折部51a,52aは、切欠部51h,52hの位置でニップ圧が低いことから、紙折部51a,52aと折帖F1との間で滑りが生じて慣性力が弱められる。すると、折帖F1は、後端部が継続して水平方向の慣性力を受けて移動しても、前端部と後端部との間での座屈が抑制され、弛みが生じにくくなる。そして、折帖F1は、その後に全ての領域が各折込ローラ51,52により挟持されることから、弛みのない状態で折り目が付けられることとなり、皺の発生が抑制される。
このように第2実施形態の折込ローラにあっては、水平方向に搬送される折帖F1が鉛直方向の下方に移動するチョッパブレード34により2つ折りされて折帖F2が形成され、この折帖F2を挟んで折り目を付ける一対の折込ローラ51,52において、折帖F1の搬送方向における下流側に低ニップ圧部として、紙折部51a,52aの周方向における所定の範囲θ1,θ2に切欠部51h,52hを設けている。
従って、折帖F1が前のめり状態になっても、切欠部51h,52hにより紙折部51a,52aのニップ圧が低いことから、前端部と後端部との間での座屈が抑制されて弛みが生じにくくなり、折込ローラ51,52により弛みのない状態で折り目が付けられる。その結果、折帖F2の皺の発生を抑制することで折帖F2の品質を向上することができる。また、各折込ローラ51,52が折帖F1を挟み始める時のニップ圧を低くして折帖F1の弛みの発生を抑制する一方で、その後の各折込ローラ51,52によるニップ圧を大きくして適正に折帖F1に折り目を付けることができる。
[第3実施形態]
図8は、第3実施形態の折込ローラを表す正面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態において、図8に示すように、折込ローラ61は、軸方向におけるほぼ中間部に紙折部61a,61b,61cが設けられ、この紙折部61a,61b,61cの間に周方向に沿う溝部61d,61eが設けられている。また、折込ローラ61は、紙折部61a,61b,61cより軸方向の外側端部に支持部61f,61gが設けられており、支持部61f,61gが図示しないフレームに軸受を介して回転自在に支持されている。そして、折込ローラ61は、軸方向における一端部に駆動装置が連結されている。紙折部61a,61b,61cは、チョッパブレード34により2つ折りされた折帖F1を挟持して折り目を付けるものである。溝部61d,61eは、一対の紙ガイドの上端部が侵入するように配置されている。
この折込ローラ61は、折帖の搬送方向における下流側に低ニップ圧部が設けられている。この低ニップ圧部は、溝部61d,61eより折帖F1の搬送方向における下流側に設けられている。本実施形態にて、低ニップ圧部は、小径部としての紙折部61aにより構成されており、紙折部61aは、折帖の搬送方向における下流側に向けて外径が小さくなる円錐台形状をなしている。
この場合、折込ローラ61の紙折部61aは、溝部61d側の端部の外径が紙折部61b,61cと同じ直径であり、軸方向における中間位置が、第1実施形態の紙折部35aと同じ直径であり、溝部61dとは反対側の端部の外径が第1実施形態の紙折部35aより小径に設定されている。そのため、紙折部61b,61cの位置で対向する折込ローラと隙間なくニップするが、紙折部61aの位置で対向する折込ローラと接触せずに各周面の間に隙間が設けられる。
なお、小径としての紙折部61aの形状は、上述したものに限定されるものではない。図9は、折込ローラの変形例を表す正面図である。
図9に示すように、折込ローラ62は、紙折部62a,62b,62cと、溝部62d,62eと、支持部62f,62gとから構成されている。紙折部62a,62b,62cは、チョッパブレードにより2つ折りされた折帖を挟持して折り目を付けるものである。そして、折込ローラ62は、折帖の搬送方向における下流側に低ニップ圧部が設けられている。この低ニップ圧部は、溝部62d,62eより折帖の搬送方向における下流側に設けられている。本実施形態にて、低ニップ圧部は、小径部としての紙折部62aにより構成されており、紙折部62aは、折帖の搬送方向における下流側に向けて外径が小さくなる段付き形状をなしている。
このように第3実施形態の折込ローラにあっては、折込ローラ61,62において、折帖の搬送方向における下流側に低ニップ圧部として、小径部となる紙折部61a,62aを折帖の搬送方向における下流側に向けて外径が小さくなる円錐台形状または段付き形状としている。
従って、紙折部61a,62aは、ニップ圧が下流側に向けて徐々に低くなり、水平方向への折帖の慣性力を適正に弱めて弛みが生じにくくし、折帖の皺の発生を抑制することで折帖の品質を向上することができる。
[第4実施形態]
図10は、第4実施形態の折込ローラを表す正面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態において、図10に示すように、折込ローラ71は、軸方向におけるほぼ中間部に紙折部71a,71b,71cが設けられ、この紙折部71a,71b,71cの間に周方向に沿う溝部71d,71eが設けられている。また、折込ローラ71は、紙折部71a,71b,71cより軸方向の外側端部に支持部71f,71gが設けられており、支持部71f,71gが図示しないフレームに軸受を介して回転自在に支持されている。そして、折込ローラ71は、軸方向における一端部に駆動装置が連結されている。
この折込ローラ71は、折帖の搬送方向における下流側に低ニップ圧部が設けられている。この低ニップ圧部は、溝部71d,71eより折帖の搬送方向における下流側に設けられている。本実施形態にて、低ニップ圧部は、低摩擦部としての紙折部71aにより構成されている。
即ち、折込ローラ71は、紙折部71aの表面粗さが紙折部71b,71cの表面粗さより小さく設定されており、紙折部71aは、紙折部71b,71cより摩擦抵抗が小さくなるように設定されている。そのため、紙折部71b,71cの位置で対向する折込ローラ71同士のニップ圧が高くなるが、紙折部71aの位置で対向する折込ローラ71同士のニップ圧が低くなる。例えば、折込ローラ71は、紙折部71aや紙折部71b,71cの表面に耐摩耗性コーティング層を設けるが、耐摩耗性コーティング層の表面を研磨して仕上げ加工するとき、紙折部71aと紙折部71b,71cの表面粗さを相違させる。
そのため、チョッパテーブル上を水平方向に搬送される折帖は、下方に移動するチョッパブレードによりスリットに押し込まれて縦折りされた後、回転する一対の折込ローラ71により挟まれることで折り目が付けられ、折帖が形成される。このとき、チョッパテーブル上を搬送される折帖は、水平方向の慣性力を有しており、チョッパブレードにより2つ折りにされて下方に押されるとき、下流側の端部が下方に傾斜した前のめり状態となりやすい。前のめり状態になった折帖は、前端部が先に各折込ローラ71の紙折部71aに挟持されるが、この紙折部71aは、表面粗さが小さくてニップ圧が低いことから、紙折部71aと折帖との間で滑りが生じて慣性力が弱められる。すると、折帖は、後端部が継続して水平方向の慣性力を受けて移動しても、前端部と後端部との間での座屈が抑制され、弛みが生じにくくなる。そして、折帖は、その後に全ての領域が各折込ローラ71により挟持されることから、弛みのない状態で折り目が付けられることとなり、皺の発生が抑制される。
なお、紙折部71aのニップ圧を紙折部71b,71cのニップ圧より小さくする構成は、上述したものに限定されるものではない。図11は、折込ローラの変形例を表す正面図である。
図11に示すように、折込ローラ72は、紙折部72a,72b,72cと、溝部72d,72eと、支持部72f,72gが設けられている。折込ローラ72は、折帖の搬送方向における下流側に低ニップ圧部が設けられている。この低ニップ圧部は、溝部72d,72eより折帖の搬送方向における下流側に設けられている。本実施形態にて、低ニップ圧部は、低摩擦部としてのセレーション形状をなす紙折部72aにより構成されている。そのため、紙折部72b,72cの位置で対向する折込ローラ72同士のニップ圧が高くなるが、紙折部72aの位置で対向する折込ローラ72同士のニップ圧が低くなる。即ち、紙折部72b,72cは、外面が周方向に平滑であることから面圧が高くなるが、紙折部72aは、外面が周方向に凹凸であることから接触面積が減って面圧が低くなる。
このように第4実施形態の折込ローラにあっては、折込ローラ71,72において、折帖の搬送方向における下流側に低ニップ圧部(低摩擦部)として、表面粗さの小さい紙折部71a,72aを設けている。
従って、折帖が前のめり状態になっても、紙折部71a,72aの把持力が小さくてニップ圧が低いことから、前端部と後端部との間での座屈が抑制されて弛みが生じにくくなり、折込ローラ71,72により弛みのない状態で折り目が付けられる。その結果、折帖の皺の発生を抑制することで折帖の品質を向上することができる。
第4実施形態の折込ローラでは、紙折部72aをセレーション形状することで、折帖における水平方向の把持力を小さくして折帖の弛みの発生を抑制する一方で、鉛直方向の把持力を小さくせずに適正に折帖に折り目を付けることができる。
[第5実施形態]
図12は、第5実施形態の折込ローラを表す平面図、図13は、折込ローラのローラ隙間調整装置を表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第5実施形態において、図12に示すように、折込ローラ81,82は、折帖F1の搬送方向における下流側に配置される第1ローラ83,85と、折帖F1の搬送方向における上流側に配置される第2ローラ84,86とを有している。第1ローラ83,85は、紙折部83a,85aが設けられている。第2ローラ84,86は、紙折部84a,84b,86a,86bと、溝部84c,86cが設けられている。紙折部83a,84a,84b,85a,86a,86bは、チョッパブレード34により2つ折りされた折帖F1を挟持して折り目を付けるものである。
また、第1ローラ83,85は、ローラ隙間調整装置91が設けられ、第2ローラ84,86は、ローラ隙間調整装置92が設けられている。
一対の折込ローラ81,82は、折帖F1の搬送方向における下流側に低ニップ圧部が設けられている。この低ニップ圧部は、折帖F1の搬送方向における下流側に位置する第1ローラ83,85に設けられている。本実施形態にて、低ニップ圧部は、第1ローラ83,85のローラ隙間調整装置91により形成される。
また、ローラ隙間調整装置91,92は、折込ローラ81,82(第1ローラ83,85、第2ローラ84,86)間の隙間Sを調整するものである。ローラ隙間調整装置91は、第1ローラ83,85間の隙間を調整するものであり、ローラ隙間調整装置92は、第2ローラ84,86間の隙間Sを調整するものである。
ローラ隙間調整装置91において、図13に示すように、各第1ローラ83,85(紙折部83a,85a)は、それぞれ支持軸101,102を中心として揺動する支持アーム103,104の一端部に回転自在に支持されている。そのため、各支持アーム103,104の他端部を接近させると、第1ローラ83,85間の隙間Sが拡大し、各支持アーム103,104の他端部を離間させると、第1ローラ83,85間の隙間Sが縮小する。
支持アーム103,104は、各他端部内にそれぞれ可動ストッパ部材105,106が配置されており、ねじ軸107の各端部が各可動ストッパ部材105,106に螺合し、支持アーム103,104の各他端部の間に圧縮スプリング108が介装されている。そして、ねじ軸107が駆動装置109により正逆回転可能となっている。
そのため、支持アーム103,104は、圧縮スプリング108の付勢力により各他端部が離間する方向に付勢される一方、各可動ストッパ部材105,106により離間する方向への動きが規制されており、各第1ローラ83,85は、所定の隙間Sが設定される。そして、ねじ軸107は、各可動ストッパ部材105,106に対する螺合部が逆ねじとなっており、駆動装置109によりねじ軸107を正回転させると、各可動ストッパ部材105,106同士が接近し、各第1ローラ83,85の隙間Sが大きくなる。一方、駆動装置109によりねじ軸107を逆回転させると、各ストッパ部材105,106同士が離間し、各第1ローラ83,85の隙間Sが小さくなる。
なお、ここでは、折込ローラ81のローラ隙間調整装置91について説明したが、折込ローラ82のローラ隙間調整装置92も同様の構成であり、図12に示すように、ローラ隙間調整装置92は、駆動装置110により第2ローラ84,86間の隙間を調整することができる。
本実施形態では、各ローラ隙間調整装置91,92により第1ローラ83,85間の隙間S(S1)が第2ローラ84,86間の隙間S(S2)より小さくなるように設定されている。そのため、チョッパテーブル31上を水平方向に搬送される折帖F1は、下方に移動するチョッパブレード34によりスリット41に押し込まれて縦折りされた後、回転する一対の折込ローラ81,82により挟まれることで折り目が付けられ、折帖F2が形成される。このとき、チョッパテーブル31上を搬送される折帖F1は、水平方向の慣性力を有しており、チョッパブレード34により2つ折りにされて下方に押されるとき、下流側の端部が下方に傾斜した前のめり状態となりやすい。前のめり状態になった折帖F1は、前端部が先に各折込ローラ81,82に挟持されるが、この紙折部83a,85aでのニップ圧が低いことから、紙折部83a,85aと折帖F1との間で滑りが生じて慣性力が弱められる。すると、折帖F1は、後端部が継続して水平方向の慣性力を受けて移動しても、前端部と後端部との間での座屈が抑制され、弛みが生じにくくなる。そして、折帖F1は、その後に全ての領域が各折込ローラ81,82により挟持されることから、弛みのない状態で折り目が付けられることとなり、皺の発生が抑制される。
このように第5実施形態の折込ローラにあっては、折込ローラ81,82として、折帖F1の搬送方向における下流側に配置される第1ローラ83,85と、折帖F1の搬送方向における上流側に配置される第2ローラ84,86とを設け、第1ローラ83,85にローラ隙間調整装置91を設け、第2ローラ84,86にローラ隙間調整装置92を設け、第1ローラ83,85のニップ圧を第2ローラ84,86のニップ圧より小さく調整している。
従って、折帖F1が前のめり状態になっても、第1ローラ83,85のニップ圧が低いことから、前端部と後端部との間での座屈が抑制されて弛みが生じにくくなり、折込ローラ81,82により弛みのない状態で折り目が付けられる。その結果、折帖F1の皺の発生を抑制することで折帖F1の品質を向上することができる。また、ローラ隙間調整装置91により第1ローラ83,85に低ニップ圧部を形成することで、折帖F1の種類(厚さや硬さなど)に応じて容易に低ニップ圧部のニップ圧を調整することができ、折帖F1の弛みを生じにくくして皺の発生を容易に抑制することができる。
なお、上述した実施形態では、一対の折込ローラの両方に低ニップ圧部を設けたが、一方の折込ローラだけに低ニップ圧部を設けてもよい。