以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下では、コネクタ、ヘッダハウジングおよびソケットハウジングの長手方向をX方向、コネクタ、ヘッダハウジングおよびソケットハウジングの幅方向(短手方向)をY方向、図29から図32におけるコネクタの上下方向をZ方向として説明する。また、ソケットおよびヘッダは、図29から図32に示す状態における上側を上下方向上側(表面側)、下側を上下方向下側(裏面側)として説明する。
まず、図29から図32を参照しながら、本実施形態にかかるコネクタ10の概要を説明する。
本実施形態にかかるコネクタ10は、図29から図32に示すように、相互に嵌合するヘッダ20とソケット30とを備えている。本実施形態では、ヘッダ20は、ヘッダ側信号用端子22およびヘッダ側電源用端子23が配設されるヘッダハウジング21を有している。一方、ソケット30は、ソケット側信号用端子32およびソケット側電源用端子33が配設されるソケットハウジング31を有している。
そして、ヘッダハウジング21とソケットハウジング31とを嵌合させることで、ヘッダ側信号用端子22とソケット側信号用端子32とを接触させるとともに、ヘッダ側電源用端子23とソケット側電源用端子33とを接触させるようにしている。
なお、ソケット20は第2の回路基板40に装着されるものであり、ヘッダ30は第1の回路基板60に装着されるものである。
したがって、ヘッダ20とソケット30とを嵌合させると、ヘッダ20を装着した第2の回路基板40と、ソケット30を装着した第1の回路基板60とが電気的に接続されることとなる。
具体的には、本実施形態にかかるヘッダ20を第2の回路基板40上に実装することで、ヘッダ側信号用端子22およびヘッダ側電源用端子23が第2の回路基板40上の回路パターン41に電気的に接続されるようにしている。この第2の回路基板40としては、プリント配線基板(Printed Circuit Board)やFPC(Flexible Printed Circuit)等を用いることができる。
また、本実施形態にかかるソケット30を第1の回路基板60上に実装することで、ソケット側信号用端子32およびソケット側電源用端子33が第1の回路基板60上の回路パターン61に電気的に接続されるようにしている。この第1の回路基板60としても、プリント配線基板(Printed Circuit Board)やFPC(Flexible Printed Circuit)等を用いることができる。
なお、本実施形態にかかるコネクタ10は、スマートフォーン等の携帯端末としての電子機器における回路基板同士を電気的に接続するために用いられることが想定されている。ただし、本発明のコネクタは、電子機器に用いられるのであれば、いかなる部品同士の電気的な接続に用いられてもよい。
次に、図1から図14を参照しながら、コネクタ10で用いられるヘッダ20の構成を説明する。
ヘッダ20は、上述したようにヘッダハウジング21を備えている。このヘッダハウジング21は、本実施形態では、絶縁性の合成樹脂によって平面視で全体的に矩形(長方形)状に成形されている(図1から図6参照)。
そして、ヘッダハウジング21には、金属製のヘッダ側信号用端子22および金属製のヘッダ側電源用端子23が配設されている。ヘッダ側信号用端子22は、信号線に電気的に接続されて信号を伝達するために用いられる端子である。一方、ヘッダ側電源用端子23は、電源線に電気的に接続されて電源を供給するために用いられる端子である。
本実施形態では、ヘッダハウジング21の一方の長辺に沿って、1つのヘッダ側信号用端子22と2つのヘッダ側電源用端子23が、互いに離間するように並設されている。そして、ヘッダハウジング21の幅方向(短手方向)Yの一方側に並設された1つのヘッダ側信号用端子22および2つのヘッダ側電源用端子23で、ヘッダ側端子群G1を構成している。
また、ヘッダハウジング21の他方の長辺に沿っても、1つのヘッダ側信号用端子22と2つのヘッダ側電源用端子23が、互いに離間するように並設されている。そして、ヘッダハウジング21の幅方向(短手方向)Yの他方側に並設された1つのヘッダ側信号用端子22および2つのヘッダ側電源用端子23も、ヘッダ側端子群G1を構成している。
このように、本実施形態では、ヘッダハウジング21には、当該ヘッダハウジング21の長手方向Xに沿って配設されたヘッダ側信号用端子22およびヘッダ側電源用端子23で構成されるヘッダ側端子群G1が2列(複数列)配置されている。
また、1列のヘッダ側端子群G1には、ヘッダ側信号用端子22の両端にヘッダ側電源用端子23がそれぞれ配置されている。言い換えると、ヘッダ側電源用端子23がヘッダハウジング21の長手方向Xの両端に配設されるとともに、ヘッダ側電源用端子23の間にヘッダ側信号用端子22が配設されている。このように、本実施形態では、ヘッダ側信号用端子22よりもヘッダハウジング21の長手方向Xの外側に配設されるヘッダ側電源用端子23を有している。
さらに、本実施形態では、ヘッダハウジング21の長手方向Xの両端に、金属製のヘッダ側保持金具24が配設されている。このヘッダ側保持金具24は、ヘッダハウジング21の強度を高めるとともに、ヘッダ側保持金具24が有する固定端子24aを上述した第2の回路基板40に取付固定するために用いられるものである。
次に、図4から図6を参照しながら、ヘッダハウジング21の構成を説明する。
ヘッダハウジング21は、板状壁部21aと、その周縁部に沿って略矩形環状に連続的に形成される周壁部21bとで一方側(図5の下側)が開口した略箱状に形成されており、周壁部21bの内方に凹部21c(図1参照)が形成されている。そして、周壁部21bの外周側下端には、外側に向かうにつれて上方(板状壁部21a側)に位置するように傾斜したテーパ部21dが形成されている。このテーパ部21dは、周壁部21bの長手方向壁部21eの長手方向両端および周壁部21bの短手方向壁部21fの幅方向Y全体に形成されている。すなわち、ヘッダハウジング21の長手方向X両端に、短手方向壁部21fと当該短手方向壁部21fの幅方向Yの両端に連続する長手方向壁部21eの長手方向端部とで、平面視(裏面視)で略U字状のテーパ部21dがそれぞれ形成されている。
なお、隣り合うヘッダ側信号用端子22とヘッダ側電源用端子23との間の周壁部21bは、R状(逆U字状)に湾曲形成されている。
また、短手方向壁部21fの幅方向Yの長さが、対向する2つの長手方向壁部21e間の距離よりも大きくなるように形成されており、ヘッダハウジング21は、全体的に平面視略I字状に形成されている。
次に、図7から図9を参照しながら、ヘッダ側信号用端子22の構成を説明する。
ヘッダ側信号用端子22は、金属成形により製造されており、導電体である。そして、このヘッダ側信号用端子22は、ヘッダハウジング21の側面から突出する付け根部22aを備えている。付け根部22aは、第2の回路基板40の回路パターン41に半田50によって固定される部位である。また、付け根部22aの上面は、図29から分かるように、ヘッダハウジング21の上面(板状壁部21aの外表面)に対して略平行に延びている。
また、ヘッダ側信号用端子22は、付け根部22aに連続する内側部22bを備えている。内側部22bは、ヘッダハウジング21の板状壁部21aと長手方向壁部21eとの接合部を曲がりながら貫通し、長手方向壁部21eの内表面に沿って長手方向壁部21eの先端部まで延びている。
そして、ヘッダ側信号用端子22の内側部22bの内側表面上には、凹部22cが形成されている。本実施形態では、凹部22cは、平坦状の奥面22gと、奥面22gの長手方向Xの両側に連設された傾斜面22hと、奥面22gの上下方向Zの両側に連設された傾斜面22iとで、略四角錐台状に形成されている。この凹部22cには、後述するソケット側信号用端子32の円弧状突起部32kが嵌まり込む。
さらに、ヘッダ側信号用端子22は、内側部22bの一方端に連続する先端部22dを備えている。先端部22dは、ヘッダハウジング21の長手方向壁部21eの先端の形状に沿って曲がっている。
ヘッダ側信号用端子22は、先端部22dに連続する被係止部22eを備えている。本実施形態では、被係止部22eは、ヘッダ側信号用端子22におけるヘッダハウジング21の長手方向Xの一端から他端にかけて形成されている。すなわち、ヘッダ側信号用端子22の幅方向全体に亘って、段差状の被係止部22eが形成されている。
この被係止部22eは、図29および図30を対比すれば分かるように、ヘッダ側信号用端子22がソケット側信号用端子32に嵌め込まれるときに、段差部としての係止部32dよりも奥へ挿入される。そのため、被係止部22eは、ヘッダ側信号用端子22がソケット側信号用端子32から引き抜かれるときに、係止部32dに当接する。つまり、ヘッダ側信号用端子22の被係止部22eは、ソケット側信号用端子32の係止部32dによって係止される。したがって、ヘッダ側信号用端子22のソケット側信号用端子32からの引き抜けが抑制されている。つまり、ヘッダ側信号用端子22は、所定値よりも小さな外力をかけただけでは、ソケット側信号用端子32から引き抜くことができない。一方、ヘッダ側信号用端子22は、所定値以上の大きな外力をかけると、ソケット側信号用端子32から引き抜かれ得る。つまり、ヘッダ側信号用端子22の被係止部22eおよびソケット側信号用端子32の係止部32dは、所定値以上の外力を加えることにより、互いの係止を解除することが可能なロック機構を構成している。
被係止部22eは、ヘッダ側信号用端子22の厚さを部分的に異ならせる母材の圧延により製造されてもよいが、ヘッダ側信号用端子22の母材を厚さ方向に曲げる成形により製造されてもよい。
さらに、ヘッダ側信号用端子22は、被係止部22eを介して、先端部22dに連続し、長手方向壁部21eの外表面に沿って延びる外側部22fを備えている。本実施形態では、長手方向壁部21e(周壁部21b)の外周に突設された突出壁部21gによって、ヘッダ側信号用端子22の外側部22f先端の位置決めがなされている。
このようなヘッダ側信号用端子22は、所定厚さを持った帯状の金属材を湾曲成形することにより形成することができる。
また、本実施形態では、ヘッダ側信号用端子22は、インサート成形によってヘッダハウジング21に配設されるようにしている。なお、ヘッダ側信号用端子22をヘッダハウジング21に圧入することで、ヘッダ側信号用端子22をヘッダハウジング21に配設させるようにしてもよい。
次に、図10から図12を参照しながら、ヘッダ側電源用端子23の構成を説明する。
ヘッダ側電源用端子23は、金属成形により製造されており、導電体である。そして、このヘッダ側電源用端子23は、ヘッダハウジング21の側面から突出する付け根部23aを備えている。付け根部23aは、第2の回路基板40の回路パターン41に半田50によって固定される部位である。また、付け根部23aの上面は、図31から分かるように、ヘッダハウジング21の上面(板状壁部21aの外表面)に対して略平行に延びている。
また、ヘッダ側電源用端子23は、付け根部23aに連続する内側部23bを備えている。内側部23bは、ヘッダハウジング21の板状壁部21aと長手方向壁部21eとの接合部を曲がりながら貫通し、長手方向壁部21eの内表面に沿って長手方向壁部21eの先端部まで延びている。
そして、ヘッダ側電源用端子23の内側部23bの内側表面上には、凹部23cが形成されている。本実施形態では、凹部23cは、平坦状の奥面23gと、奥面23gの長手方向Xの両側に連設された傾斜面23hと、奥面23gの上下方向Zの両側に連設された傾斜面23iとで、略四角錐台状に形成されている。この凹部23cには、後述するソケット側電源用端子33の円弧状突起部33kが嵌まり込む。
さらに、ヘッダ側電源用端子23は、内側部23bの一方端に連続する先端部23dを備えている。先端部23dは、ヘッダハウジング21の長手方向壁部21eの先端の形状に沿って曲がっている。
ヘッダ側電源用端子23は、先端部23dに連続する被係止部23eを備えている。図31および図32を対比すれば分かるように、被係止部23eは、ヘッダ側電源用端子23がソケット側電源用端子33に嵌め込まれるときに、段差部としての係止部33dよりも奥へ挿入される。そのため、被係止部23eは、ヘッダ側電源用端子23がソケット側電源用端子33から引き抜かれるときに、係止部33dに当接する。つまり、ヘッダ側電源用端子23の被係止部23eは、ソケット側電源用端子33の係止部33dによって係止される。したがって、ヘッダ側電源用端子23のソケット側電源用端子33からの引き抜けが抑制されている。つまり、ヘッダ側電源用端子23は、所定値よりも小さな外力をかけただけでは、ソケット側電源用端子33から引き抜くことができない。一方、ヘッダ側電源用端子23は、所定値以上の大きな外力をかけると、ソケット側電源用端子33から引き抜かれ得る。つまり、ヘッダ側電源用端子23の被係止部23eおよびソケット側電源用端子33の係止部33dは、所定値以上の外力を加えることにより、互いの係止を解除することが可能なロック機構を構成している。
被係止部23eは、ヘッダ側電源用端子23の厚さを部分的に異ならせる母材の圧延により製造されてもよいが、ヘッダ側電源用端子23の母材を厚さ方向に曲げる成形により製造されてもよい。
さらに、ヘッダ側電源用端子23は、被係止部23eを介して、先端部23dに連続し、長手方向壁部21eの外表面に沿って延びる外側部23fを備えている。さらに、本実施形態では、長手方向壁部21e(周壁部21b)の外周に突設された突出壁部21hによって、ヘッダ側電源用端子23の外側部23f先端の位置決めがなされている。
このように、本実施形態では、ヘッダ側信号用端子22の側断面形状とヘッダ側電源用端子23の側断面形状とが略同一形状をしている(図9(a)および図12(a)参照)。
また、上述したように、ヘッダ側信号用端子22およびヘッダ側電源用端子23は、ヘッダハウジング21の長手方向Xに沿って配設されている。そして、本実施形態では、ヘッダ側電源用端子23は、ヘッダハウジング21の長手方向Xに沿った幅が、ヘッダ側信号用端子22の長手方向Xに沿った幅よりも広くなるように形成されている。
すなわち、本実施形態では、ヘッダ側電源用端子23よりもヘッダハウジング21の長手方向Xの幅が狭いヘッダ側信号用端子22を有するようにしている。なお、本実施形態では、全てのヘッダ側信号用端子22が、ヘッダ側電源用端子23よりもヘッダハウジング21の長手方向Xの幅が狭くなっている。
このように、ヘッダ側電源用端子23におけるヘッダハウジング21の長手方向Xに沿った幅を広くしているため、付け根部23aの長手方向X中央部に、凹状に切り欠かれた形状をした凹部23jを形成している。この凹部23jを形成することで、付け根部23aの突出量の増加を抑制しつつ、付け根部23aの回路パターンに接する輪郭線の長さを長くすることができる。また、輪郭線の形状をより複雑な形状となるようにすることができる。こうすることで、凹部23jを形成しない場合に較べて、幅広のヘッダ側電源用端子23を第2の回路基板40の回路パターン41に半田50によって固定する際の、付け根部23aと回路パターン41との半田50による固定強度が高くなる。
また、ヘッダ側電源用端子23の内側部23bの内側表面上には、長手方向Xに沿って、2つの凹部23cが形成されており、後述するソケット側電源用端子33の2つの円弧状突起部33kがそれぞれ嵌まり込むようになっている。
さらに、本実施形態では、被係止部23eが、ヘッダ側電源用端子23におけるヘッダハウジング21の長手方向Xの一端から他端にかけて形成されている。すなわち、幅広のヘッダ側電源用端子23の幅方向全体に亘って、段差状の被係止部23eを形成している。こうすることで、ヘッダ側電源用端子23の被係止部23eおよびソケット側電源用端子33の係止部33dによるロック力を向上させることができる。また、ヘッダ20およびソケット30の挿抜を繰り返した際にも、被係止部23eが摩耗しにくくなるため、製品の長寿命化を図ることが可能となる。
このようなヘッダ側電源用端子23は、所定厚さを持った帯状の金属材を湾曲成形することにより形成することができる。
また、本実施形態では、ヘッダ側電源用端子23は、インサート成形によってヘッダハウジング21に配設されるようにしている。なお、ヘッダ側電源用端子23をヘッダハウジング21に圧入することで、ヘッダ側電源用端子23をヘッダハウジング21に配設させるようにしてもよい。
次に、図13および図14を参照しながら、ヘッダ側保持金具24の構成を説明する。
ヘッダ側保持金具24は、ヘッダ側信号用端子22やヘッダ側電源用端子23と同様に金属成形により製造されている。
ヘッダ側保持金具24は、ヘッダハウジング21の側面から突出する固定端子24aを備えている。固定端子24aは、第2の回路基板40の回路パターン41に半田50によって固定される部位である。また、固定端子24aの上面も、ヘッダハウジング21の上面(板状壁部21aの外表面)に対して略平行に延びている。
また、ヘッダ側保持金具24は、固定端子24aに連続する内側部24bを備えている。この内側部24bには、長手方向Xの一方側に開口した切り欠き24cが形成されている。このような切り欠き24cを内側部24bに形成することで、ヘッダハウジング21とヘッダ側保持金具24とをより密着させることができるようになり、ヘッダハウジング21の強度をより高めることができる。
また、本実施形態では、ヘッダ側保持金具24は、インサート成形によってヘッダハウジング21に配設されるようにしている。なお、ヘッダ側保持金具24をヘッダハウジング21に圧入することで、ヘッダ側保持金具24をヘッダハウジング21に配設させるようにしてもよい。
次に、図15から図28を用いてコネクタ10で用いられるソケット30の構成を説明する。
ソケット30は、上述したようにソケットハウジング31を備えている。このソケットハウジング31は、本実施形態では、絶縁性の合成樹脂によって平面視で全体的に矩形(長方形)状に成形されている(図15から図20参照)。
そして、ソケットハウジング31には、金属製のソケット側信号用端子32および金属製のソケット側電源用端子33が配設されている。ソケット側信号用端子32は、信号線に電気的に接続されて信号を伝達するために用いられる端子である。一方、ソケット側電源用端子33は、電源線に電気的に接続されて電源を供給するために用いられる端子である。
本実施形態では、ソケットハウジング31の一方の長辺に沿って、1つのソケット側信号用端子32と2つのソケット側電源用端子33が、互いに離間するように並設されている。そして、ソケットハウジング31の幅方向(短手方向)Yの一方側に並設された1つのソケット側信号用端子32および2つのソケット側電源用端子33で、ソケット側端子群G2を構成している。
また、ソケットハウジング31の他方の長辺に沿っても、1つのソケット側信号用端子32と2つのソケット側電源用端子33が、互いに離間するように並設されている。そして、ソケットハウジング31の幅方向(短手方向)Yの他方側に並設された1つのソケット側信号用端子32および2つのソケット側電源用端子33も、ソケット側端子群G2を構成している。
このように、本実施形態では、ソケットハウジング31には、当該ソケットハウジング31の長手方向Xに沿って配設されたソケット側信号用端子32およびソケット側電源用端子33で構成されるソケット側端子群G2が2列(複数列)配置されている。
また、1列のソケット側端子群G2には、ソケット側信号用端子32の両端にソケット側電源用端子33がそれぞれ配置されている。言い換えると、ソケット側電源用端子33がソケットハウジング31の長手方向Xの両端に配設されるとともに、ソケット側電源用端子33の間にソケット側信号用端子32が配設されている。このように、本実施形態では、ソケット側信号用端子32よりもソケットハウジング31の長手方向Xの外側に配設されるソケット側電源用端子33を有している。
なお、ソケット側信号用端子32およびソケット側電源用端子33は、ヘッダ20とソケット30とを嵌合させた際に、対応するヘッダ側信号用端子22およびヘッダ側電源用端子23にそれぞれ接触するように、ソケットハウジング31に配設されている。
さらに、本実施形態では、ソケットハウジング31の長手方向Xの両端に、金属製のソケット側保持金具34が配設されている。このソケット側保持金具34は、ソケットハウジング31の強度を高めるとともに、ソケット側保持金具34が有する固定端子34dを上述した第1の回路基板60に取付固定するために用いられるものである。
次に、図18から図20を参照しながら、ソケットハウジング31の構成を説明する。
ソケットハウジング31は、板状壁部31aと、その周縁部に沿って略矩形環状に連続的に形成される周壁部31bとで一方側(図15の上側)が開口した略箱状に形成されている。さらに、本実施形態では、板状壁部31aの中央部に、周壁部31bから所定間隔をあけて略矩形状の島部31cが形成されている。そして、これら周壁部31bと島部31cとの間にヘッダ20の周壁部21bを嵌合するための略枠状の嵌合溝部31dが形成されている。なお、島部31cは、凹部21cに嵌合される。
また、嵌合溝部31dには、短手方向壁部21fおよび長手方向壁部21eが嵌合されるため、嵌合溝部31dは、長手方向Yの両端部が幅広となるように形成されている。
さらに、本実施形態では、周壁部31dの内周側上端に、内側に向かうにつれて下方(板状壁部31a側)に位置するように傾斜したテーパ部31eが形成されている。このテーパ部31eは、周壁部31bの長手方向壁部31hの長手方向両端および周壁部31bの短手方向壁部31iに形成されている。また、隣り合うソケット側信号用端子32とソケット側電源用端子33との間の周壁部31bにもテーパ部31eが形成されている。このように、本実施形態では、周壁部31bのほぼ全周にわたってテーパ部31eが形成されている。
また、本実施形態では、ソケットハウジング31には、ソケット側信号用端子32が収容されるソケット側信号用端子収容部31fが板状壁部31aを貫通するように形成されている(図18から図20参照)。また、ソケットハウジング31には、ソケット側電源用端子33が収容されるソケット側電源用端子収容部31gが板状壁部31aを貫通するように形成されている。
ソケット側信号用端子収容部31fは、長手方向壁部31hにソケット側信号用端子収容凹部31jを嵌合溝部31dと連通するように形成するとともに、島部31cにソケット側信号用端子収容凹部31mを嵌合溝部31dと連通するように形成することで、形成されている。
また、ソケット側電源用端子収容部31gは、長手方向壁部31hにソケット側電源用端子収容凹部31kを嵌合溝部31dと連通するように形成するとともに、島部31cにソケット側電源用端子収容凹部31nを嵌合溝部31dと連通するように形成することで、形成されている。
そして、ソケット側信号用端子32およびソケット側電源用端子33は、ソケットハウジング31の裏面側からソケット側信号用端子収容部31fおよびソケット側電源用端子収容部31gにそれぞれ圧入される。
次に、図21から図23を参照しながら、ソケット側信号用端子32の構成を説明する。
ソケット側信号用端子32は、金属成形により製造されており、導電体である。そして、このソケット側信号用端子32は、ソケットハウジング21の側面から突出する付け根部32aを備えている。付け根部32aは、第1の回路基板60の回路パターン61に半田70によって固定される部位である。また、付け根部32aの下面は、第1の回路基板60の主表面Mに沿って延び、ソケットハウジング31の底面(板状壁部31aの裏面)と同一平面内に位置付けられている。
ソケット側信号用端子32は、付け根部32aから立上がり、第1の回路基板60から離れるように延びる立上り部32bを備えている。立上り部32bは、付け根部32aから曲がってソケット側信号用端子収容凹部31j内に入り、長手方向壁部31hの内表面に沿って延びている。
ソケット側信号用端子32は、立上り部32bの上端にその一方端が連続する反転U字状部32cを備えている。反転U字状部32cは、文字「U」が上下逆さまに配置された形状を有している。なお、反転U字状部32cは、先端面32nと、当該先端面32nの長手方向X両側に連設される傾斜面32pとを有しており、水平断面視で略台形状に突出する突状に形成されている(図23(b)参照)。
ソケット側信号用端子32は、反転U字状部32cの他方端に連続する係止部32dを備えている。本実施形態では、係止部32dは、ソケット側信号用端子32におけるソケットハウジング31の長手方向Xの一端から他端にかけて形成されている。すなわち、ソケット側信号用端子32の幅方向全体に亘って、段差状の係止部32dが形成されている。
この係止部32dは、上述したように、ヘッダ側信号用端子22がソケット側信号用端子32から引き抜かれるときに、被係止部22eの移動を抑制する部分として機能する。つまり、ソケット側信号用端子32の係止部32dは、ヘッダ側信号用端子22の被係止部22eに当接し、被係止部22eを係止し得る。ソケット側信号用端子32の係止部32dおよびヘッダ側信号用端子22の被係止部22eは、所定値以上の外力を加えることにより、係止を解除することが可能なロック機構を構成している。
係止部32dは、ソケット側信号用端子32の厚さを部分的に異ならせる母材の圧延により製造されてもよいが、ソケット側信号用端子32の母材を厚さ方向に曲げる成形により製造されてもよい。
また、ソケット側信号用端子32は、係止部32dに連続し、立上り部32bにほぼ平行に延びる立下り部32eを有している。
そして、ソケット側信号用端子32は、立下り部32eの下端に連続する第1の円弧状部32fを備えている。
ソケット側信号用端子32は、図29および図30に示すように、第1の円弧状部32fに連続する対向部32zを備えている。対向部32zは、次に説明する平坦部32g、第1の斜め部32h、第2の円弧状部32i、第2の斜め部32j、円弧状突起部32k、および先端部32mを含んでいる。対向部32zは、具体的には次のようなものである。
対向部32zは、傾斜部32fの下端に連続する平坦部32gを備えている。平坦部32gは、図29に示すように、立下り部32eから離れるように、第1の回路基板60の主表面Mに沿って延びている。ただし、平坦部32gは、主表面Mに平行である必要はない。平坦部32gは、後述するばね部のばね長を大きくするために設けられている。
対向部32zは、図29に示すように、平坦部32gに連続し、第1の回路基板60の主表面Mに対して斜め方向に延びる第1の斜め部32hを備えている。第1の斜め部32hは、第1の回路基板60から離れるにしたがって、立下り部32eから離れるように延びている。第1の斜め部32hは第2の円弧状部32iに連続している。第2の円弧状部32iは、立下り部32eから離れるように突出する湾曲部である。第2の円弧状部32iは、第1の回路基板60の主表面Mに対して斜め方向に延びる第2の斜め部32jに連続している。第2の斜め部32jは、第1の回路基板60から離れるにしたがって、立下り部32eに近づくように延びている。したがって、第2の斜め部32jは、第1の斜め部32hの上方に位置付けられている。
対向部32zは、図29に示すように、第2の斜め部32jの上端に、その一方端が連続する円弧状突起部32kを備えている。円弧状突起部32kは、先端面32rと、当該先端面32rの長手方向X両側に連設される傾斜面32sとを有しており、水平断面視で略台形状に突出する突状に形成されている(図26(b)参照)。
この円弧状突起部32kは、図29に示すように、ヘッダ側信号用端子22の凹部22cに嵌まり込む。円弧状突起部32kの他方端は先端部32mに連続している。先端部32mは、第2の斜め部32jにほぼ平行に延びている。図29および図30から分かるように、対向部32z(32g,32h,32i,32j,32k,32m)は、傾斜部32fの下端に連続し、全体として立下り部32eに対向している。
本実施形態においては、ヘッダ20とソケット30とが嵌合する時には、図30に示すように、ヘッダ側信号用端子22は、反転U字状部32cと円弧状突起部32kとの間に挿入される。このとき、立下り部32e、傾斜部32f、平坦部32g、第1の斜め部32h、円弧状部32i、第2の斜め部32j、円弧状突起部32k、および先端部32mは、一体となって、ばね部として機能する。ばね部(32e,32f,32g,32h,32i,32j,32k,32m)は、ヘッダ側信号用端子22の凸部がソケット側信号用端子32の凹部に挿入されると、弾性変形する。それにより、立下り部32eおよび反転U字状部32cとの2つの部分と円弧状突起部32kとの間の距離が大きくなる。このとき、ヘッダ側信号用端子22の被係止部22eが、ソケット側信号用端子32の係止部32dよりも下方に挿入される。それにより、ソケット側信号用端子32の円弧状突起部32kがヘッダ側信号用端子22の凹部22cに嵌まり込む。
ヘッダ側信号用端子22がソケット側信号用端子32に嵌合した状態では、弾性変形したばね部に復元力が生じる。この復元力により、円弧状突起部32kは、ヘッダ側信号用端子22を立下り部32eおよび反転U字状部32cのそれぞれに対して押し付ける。それにより、ヘッダ側信号用端子22は、ソケット側信号用端子32に挟持される。このとき、ヘッダ側信号用端子22は、ソケット側信号用端子32の反転U字状部32c、立下り部32e、および円弧状突起部32kのそれぞれに接触する。
具体的には、図29から図33に示すように、ヘッダ側信号用端子22の先端部22dが、ソケット側信号用端子32の立下り部32eに接触する。すなわち、ソケット側信号用端子32の接点部R1およびヘッダ側信号用端子22の接点部R1が互いに接触することとなる。
また、ヘッダ側信号用端子22の凹部22cは、ソケット側信号用端子32の円弧状突起部32kに接触する。すなわち、ソケット側信号用端子32の接点部R2およびヘッダ側信号用端子22の接点部R2が互いに接触することとなる。
このように、ヘッダ側信号用端子22とソケット側信号用端子32は、幅方向Yに離間した複数の接点(接点部R1および接点部R2)で接触する。そのため、ヘッダ側信号用端子22とソケット側信号用端子32との電気的接続の信頼性が高い。
さらに、本実施形態では、互いに接触するソケット側信号用端子32の接点部R2およびヘッダ側信号用端子22の接点部R2のうちいずれか一方の接点部であるヘッダ側信号用端子22の接点部R2に、凹部22cが形成されている。そして、他方の接点部であるソケット側信号用端子32の接点部R2が、凹部22cにおけるソケットハウジング31の長手方向X両端部で接触するようにしている。
具体的には、図33(a)に示すように、ソケット側信号用端子32の円弧状突起部32kが凹部22cに嵌まり込む際に、円弧状突起部32kの先端面32rと傾斜面32sとの境界部分が傾斜面22hにそれぞれ接触している。このように、本実施形態では、ソケット側信号用端子32の接点部R2が、ヘッダ側信号用端子22の接点部R2に2点(接点C1および接点C2)で接触するようにしている。
なお、ばね部の弾性変形に起因して、接点部R1、接点部R2以外に、平坦部32gと第1の斜め部32hとの境界部が第1の回路基板60に接点部R5で接触する場合もある。
このように、本実施形態のヘッダ側信号用端子22とソケット側信号用端子32とは、幅方向Yに離間した複数の接点で接している。しかしながら、本発明のヘッダ側信号用端子とソケット側信号用端子とは、たとえば、ヘッダ側信号用端子の内側面とソケット側信号用端子の対向部との1接点のみで接触するものであってもよい。
なお、ばね部(32e,32f,32g,32h,32i,32j,32k,32m)は、U字状部(32e,32f,32g,32h,32i,32j)と、当該U字状部(32e,32f,32g,32h,32i,32j)の一端(32j側)に連設された自由端部(32k,32m)とで構成されている。そして、自由端部(32k,32m)の円弧状突起部32kに、ソケット側信号用端子32の接点部R2が設けられている。
このように、ソケット側信号用端子32は、U字状部(32e,32f,32g,32h,32i,32j)を有しており、当該U字状部(32e,32f,32g,32h,32i,32j)の一端(32j側)には、接点部R2が設けられる自由端部(32k,32m)が連設されている。
このようなソケット側信号用端子32は、所定厚さを持った帯状の金属材を湾曲成形することにより形成することができる。
また、ソケット側信号用端子32は、ソケット30を組み立てる際に、ソケットハウジング31の裏面側(図15の下側)からソケット側信号用端子収容部31fに挿入(圧入)することで、ソケットハウジング31に装着されている。
なお、ソケット側信号用端子32をソケットハウジング31にインサート成形する等して、ソケット側信号用端子32をソケットハウジング31に装着するようにしてもよい。
次に、図24から図26を参照しながら、ソケット側電源用端子33の構成を説明する。
ソケット側電源用端子33は、金属成形により製造されており、導電体である。そして、このソケット側電源用端子33は、ソケットハウジング21の側面から突出する付け根部33aを備えている。付け根部33aは、第1の回路基板60の回路パターン61に半田70によって固定される部位である。また、付け根部33aの下面は、第1の回路基板60の主表面Mに沿って延び、ソケットハウジング31の底面(板状壁部31aの裏面)と同一平面内に位置付けられている。
ソケット側電源用端子33は、付け根部33aから立上がり、第1の回路基板60から離れるように延びる立上り部33bを備えている。立上り部33bは、付け根部33aから曲がってソケット側電源用端子収容凹部31k内に入り、長手方向壁部31hの内表面に沿って延びている。
ソケット側電源用端子33は、立上り部33bの上端にその一方端が連続する反転U字状部33cを備えている。反転U字状部33cは、文字「U」が上下逆さまに配置された形状を有している。なお、反転U字状部33cは、先端面33rと、当該先端面33rの長手方向X両側に連設される傾斜面33sとを有しており、水平断面視で略台形状に突出する突状に形成されている(図26(b)参照)。
ソケット側電源用端子33は、反転U字状部33cの他方端に連続する係止部33dを備えている。この係止部33dは、上述したように、ヘッダ側電源用端子32がソケット側電源用端子33から引き抜かれるときに、被係止部23eの移動を抑制する部分として機能する。つまり、ソケット側電源用端子33の係止部33dは、ヘッダ側電源用端子23の被係止部23eに当接し、被係止部23eを係止し得る。ソケット側電源用端子33の係止部33dおよびヘッダ側電源用端子23の被係止部23eは、所定値以上の外力を加えることにより、係止を解除することが可能なロック機構を構成している。
係止部33dは、ソケット側電源用端子33の厚さを部分的に異ならせる母材の圧延により製造されてもよいが、ソケット側電源用端子33の母材を厚さ方向に曲げる成形により製造されてもよい。
また、ソケット側電源用端子33は、係止部33dに連続し、立上り部33bにほぼ平行に延びる立下り部33eを有している。
そして、ソケット側電源用端子33は、立下り部33eの下端に連続する第1の円弧状部33fを備えている。
ソケット側電源用端子33は、図31および図32に示すように、第1の円弧状部33fに連続する対向部33zを備えている。対向部33zは、次に説明する平坦部33g、第1の斜め部33h、第2の円弧状部33i、第2の斜め部33j、円弧状突起部33k、および先端部33mを含んでいる。対向部33zは、具体的には次のようなものである。
対向部33zは、傾斜部33fの下端に連続する平坦部33gを備えている。平坦部33gは、図31に示すように、立下り部33eから離れるように、第1の回路基板60の主表面Mに沿って延びている。ただし、平坦部33gは、主表面Mに平行である必要はない。平坦部33gは、後述するばね部のばね長を大きくするために設けられている。
対向部33zは、図31に示すように、平坦部33gに連続し、第1の回路基板60の主表面Mに対して斜め方向に延びる第1の斜め部33hを備えている。第1の斜め部33hは、第1の回路基板60から離れるにしたがって、立下り部33eから離れるように延びている。第1の斜め部33hは第2の円弧状部33iに連続している。第2の円弧状部33iは、立下り部33eから離れるように突出する湾曲部である。第2の円弧状部33iは、第1の回路基板60の主表面Mに対して斜め方向に延びる第2の斜め部33jに連続している。第2の斜め部33jは、第1の回路基板60から離れるにしたがって、立下り部33eに近づくように延びている。したがって、第2の斜め部33jは、第1の斜め部33hの上方に位置付けられている。
対向部33zは、図31に示すように、第2の斜め部33jの上端に、その一方端が連続する円弧状突起部33kを備えている。円弧状突起部33kは、先端面33vと、当該先端面33vの長手方向X両側に連設される傾斜面33wとを有しており、水平断面視で略台形状に突出する突状に形成されている(図26(b)参照)。
この円弧状突起部33kは、図31に示すように、ヘッダ側電源用端子23の凹部23cに嵌まり込む。円弧状突起部33kの他方端は先端部33mに連続している。先端部33mは、第2の斜め部33jにほぼ平行に延びている。図31および図32から分かるように、対向部33z(33g,33h,33i,33j,33k,33m)は、傾斜部33fの下端に連続し、全体として立下り部33eに対向している。
本実施形態においては、ヘッダ20とソケット30とが嵌合する時には、図32に示すように、ヘッダ側電源用端子23は、反転U字状部33cと円弧状突起部33kとの間に挿入される。このとき、立下り部33e、傾斜部33f、平坦部33g、第1の斜め部33h、円弧状部33i、第2の斜め部33j、円弧状突起部33k、および先端部33mは、一体となって、ばね部として機能する。ばね部(33e,33f,33g,33h,33i,33j,33k,33m)は、ヘッダ側電源用端子23の凸部がソケット側電源用端子33の凹部に挿入されると、弾性変形する。それにより、立下り部33eおよび反転U字状部33cとの2つの部分と円弧状突起部33kとの間の距離が大きくなる。このとき、ヘッダ側電源用端子23の被係止部23eが、ソケット側電源用端子33の係止部33dよりも下方に挿入される。それにより、ソケット側電源用端子33の円弧状突起部33kがヘッダ側電源用端子23の凹部23cに嵌まり込む。
ヘッダ側電源用端子23がソケット側電源用端子33に嵌合した状態では、弾性変形したばね部に復元力が生じる。この復元力により、円弧状突起部33kは、ヘッダ側電源用端子23を立下り部33eおよび反転U字状部33cのそれぞれに対して押し付ける。それにより、ヘッダ側電源用端子23は、ソケット側電源用端子33に挟持される。このとき、ヘッダ側電源用端子23は、ソケット側電源用端子33の反転U字状部33c、立下り部33e、および円弧状突起部33kのそれぞれに接触する。
具体的には、図31から図33に示すように、ヘッダ側電源用端子23の先端部23dが、ソケット側電源用端子33の立下り部33eに接触する。すなわち、ソケット側電源用端子33の接点部R3およびヘッダ側電源用端子23の接点部R3が互いに接触することとなる。
また、ヘッダ側電源用端子23の凹部23cは、ソケット側電源用端子33の円弧状突起部33kに接触する。すなわち、ソケット側電源用端子33の接点部R4およびヘッダ側電源用端子23の接点部R4が互いに接触することとなる。
このように、ヘッダ側電源用端子23とソケット側電源用端子33は、幅方向Yに離間した複数の接点(接点部R3および接点部R4)で接触する。そのため、ヘッダ側電源用端子23とソケット側電源用端子33との電気的接続の信頼性が高い。
このように、本実施形態では、ソケット側信号用端子32の側断面形状とソケット側電源用端子33の側断面形状とが略同一形状をしている(図23(a)および図26(a)参照)。
また、上述したように、ソケット側信号用端子32およびソケット側電源用端子33は、ソケットハウジング31の長手方向Xに沿って配設されている。そして、本実施形態では、ソケット側電源用端子33は、ソケットハウジング31の長手方向Xに沿った幅が、ソケット側信号用端子32の長手方向Xに沿った幅よりも広くなるように形成されている。
すなわち、本実施形態では、ソケット側電源用端子33よりもソケットハウジング31の長手方向Xの幅が狭いソケット側信号用端子32を有するようにしている。なお、本実施形態では、全てのソケット側信号用端子32が、ソケット側電源用端子33よりもソケットハウジング31の長手方向Xの幅が狭くなっている。
このように、ソケット側電源用端子33におけるソケットハウジング31の長手方向Xに沿った幅を広くしているため、付け根部33aの長手方向X中央部に、凹状に切り欠かれた形状をした凹部33nを形成している。この凹部33nを形成することで、付け根部33aの突出量の増加を抑制しつつ、付け根部33aの回路パターンに接する輪郭線の長さを長くすることができる。また、輪郭線の形状をより複雑な形状となるようにすることができる。こうすることで、凹部33nを形成しない場合に較べて、幅広のソケット側電源用端子33を第1の回路基板60の回路パターン61に半田70によって固定する際の、付け根部33aと回路パターン61との半田70による固定強度が高くなる。
また、立上り部33bから反転U字状部33cにかけての長手方向Xの中央部には、穴33pが形成されている。そして、ソケット側電源用端子33をソケット側電源用端子収容部31gに挿入(圧入)した際には、ソケット側電源用端子収容凹部31kに形成された突起部31pが穴33pに挿入されて、ソケット側電源用端子33がソケットハウジング31に支持されるようにしている。
さらに、本実施形態では、係止部33dが、ソケット側電源用端子33におけるソケットハウジング31の長手方向Xの一端から他端にかけて形成されている。すなわち、幅広のソケット側電源用端子33の幅方向全体に亘って、段差状の係止部33dを形成している。こうすることで、ヘッダ側電源用端子23の被係止部23eおよびソケット側電源用端子33の係止部33dによるロック力を向上させることができる。また、ヘッダ20およびソケット30の挿抜を繰り返した際にも、係止部33dが摩耗しにくくなるため、製品の長寿命化を図ることが可能となる。
さらに、本実施形態では、ばね部(33e,33f,33g,33h,33i,33j,33k,33m)は、U字状部(33e,33f,33g,33h,33i,33j)と、当該U字状部(33e,33f,33g,33h,33i,33j)の一端(33j側)に連設された自由端部(33k,33m)とで構成されている。そして、自由端部(33k,33m)の円弧状突起部33kに、ソケット側信号用端子33の接点部R4が設けられている。
このように、ソケット側電源用端子33は、U字状部(33e,33f,33g,33h,33i,33j)を有しており、当該U字状部(33e,33f,33g,33h,33i,33j)の一端(33j側)には、接点部R4が設けられる自由端部(33k,33m)が連設されている。
そして、複数の片部35,36が、少なくとも自由端部(33k,33m)に形成されている。
本実施形態では、ばね部(33e,33f,33g,33h,33i,33j,33k,33m)の一部に、帯状に切り欠かれた形状をした溝部33tを形成することで、2つ(複数)の片部35,36を設けている。
この2つ(複数)の片部35,36は、可撓性を有しており、それぞれ独立して撓むことが可能である。
そして、2つの片部35,36のそれぞれに接点部R4が設けられている。
このように、本実施形態では、ソケット側電源用端子33およびヘッダ側電源用端子23には、互いに接触する接点部R4が複数設けられている。具体的には、ソケットハウジング31の長手方向Xに沿って2カ所に接点部R4が設けられている。
なお、本実施形態では、溝部33tの奥部33uは、立下り部33eの途中に位置している。すなわち、溝部33tの奥部33uは、係止部33dよりも自由端部(33k,33m)側に位置している。
こうすることで、係止部33dによるロック力を低減させることなく、自由端部(33k,33m)にばね性を持たせることができるようになる。
また、ソケット側電源用端子収容凹部31nには、仕切り壁31rが形成されている。そして、ソケット側電源用端子33をソケット側電源用端子収容部31gに挿入(圧入)した際には、溝部33tに仕切り壁31rが挿入されて、2つ(複数)の片部35,36が互いに干渉してしまうのを抑制されるようになっている。
さらに、本実施形態では、互いに接触するソケット側電源用端子33の接点部R4およびヘッダ側電源用端子23の接点部R4のうちいずれか一方の接点部であるヘッダ側電源用端子23の接点部R4に、凹部23cが形成されている。そして、他方の接点部であるソケット側電源用端子33の接点部R4が、凹部23cにおけるソケットハウジング31の長手方向X両端部で接触するようにしている。
具体的には、図33(b)に示すように、ソケット側電源用端子33の円弧状突起部33kが凹部23cに嵌まり込む際に、円弧状突起部33kの先端面33vと傾斜面33wとの境界部分が傾斜面23hにそれぞれ接触している。このように、本実施形態では、ソケット側電源用端子33の接点部R4が、ヘッダ側電源用端子23の接点部R4に2点(接点C1および接点C2)で接触するようにしている。
本実施形態では、長手方向Xに沿って離間するように形成された2カ所の接点部R4のいずれもが、2点(接点C1および接点C2)で接触するようになっている。
なお、ばね部の弾性変形に起因して、接点部R3、接点部R4以外に、平坦部33gと第1の斜め部33hとの境界部が第1の回路基板60に接点部R5で接触する場合もある。
このようなソケット側電源用端子33は、所定厚さを持った帯状の金属材を湾曲成形することにより形成することができる。
また、ソケット側電源用端子33は、ソケット30を組み立てる際に、ソケットハウジング31の裏面側(図15の下側)からソケット側電源用端子収容部31gに挿入(圧入)することで、ソケットハウジング31に装着されている。
なお、ソケット側電源用端子33をソケットハウジング31にインサート成形する等して、ソケット側電源用端子33をソケットハウジング31に装着するようにしてもよい。
次に、図27および図28を参照しながら、ソケット側保持金具34の構成を説明する。
ソケット側保持金具34は、所定厚さの金属板をプレス成形することにより形成された保持金具板を折曲形成することによって形成することができ、コネクタ10の幅方向Yに延在する側板部34aと、側板部34aの下側を長手方向X中央側に向かって略直角に折曲した底板部34cとを備えている。そして、底板部34cの両端部をコネクタ10の幅方向Y両側から外側に突出させることで、固定端子34dとしての第1の固定端子34jが形成されている。
側板部34aの幅方向Y両端部には、側板部34aの幅方向Y両端部をコネクタ10の長手方向X中央側に向かって略直角に折曲した延設部34bが形成されている。そして、この延設部34bの延在方向の終着部34gには下方に向かって延在して第1の回路基板60に半田70で固定される固定端子34dとしての第2の固定端子34kが設けられている。
本実施形態では、近傍に配置される第1の固定端子34jおよび第2の固定端子34kで形成される固定端子の組が、コネクタ10の一対の長辺のそれぞれの長手方向Xの両端に、ソケット側端子群G2と並設するように、合計4組設けられている。
このように、本実施形態では、ソケット側保持金具34が、第1の回路基板60上に固定される第1の固定端子34jと、当該第1の固定端子34jとは別に形成されて第1の回路基板60上に固定される第2の固定端子34kと、を有している。そして、この第2の固定端子34kがソケット側保持金具34の側板部34bから延出されている。
このとき、第2の固定端子34kが、組となる第1の固定端子34jからのソケット側保持金具34上における道のり(ソケット側保持金具34の外面に沿った距離)が最大となる位置に設けられるようにしている。
また、本実施形態では、ソケット側保持金具34は、インサート成形によって、ソケットハウジング31に装着(配設)されている。このとき、ソケット側保持金具34の少なくとも一部がソケットハウジング31に沿って露出するようにしている。
すなわち、ソケット側保持金具34の少なくとも一部がソケットハウジング31の外面31sに沿って露出している。
さらに、本実施形態では、周壁部31bおよび板状壁部31aの外面31sの一部とソケット側保持金具34の外壁面34eの一部とが略面一の状態となるようにしている。換言すると、周壁部31bの外面31sにソケット側保持金具34の外壁面34eの一部が略面一の状態で露出するように、ソケットハウジング31にソケット側保持金具34が一体成形されている。
具体的には、側板部34aの外面34fの上部がソケットハウジング31のX方向(長手方向)最外端に延在する側面(長手方向の端面)31tに対して面一の状態で露出している。このように、本実施形態では、ソケット側保持金具34は、ソケットハウジング31の側面31tおよび底面31uのうち少なくともいずれか一方の面に沿って露出するようにしている。
なお、底板部34cの外面34iは、ソケットハウジング31の底面31u(外面31s)に対して面一の状態でなく露出しているが、底板部34cの外面34iを、ソケットハウジング31の底面31u(外面31s)に対して面一の状態で露出させることも可能である。また、ソケット側保持金具34の外壁面34eは、周壁部31bの外面(短手方向壁部31iの側面31s)に露出させる必要はなく、また、露出させる場合であっても、周壁部31bの外面(短手方向壁部31iの側面31s)に対して面一の状態で露出させる必要はない。また、延設部34bの外壁面34e(外面34h)を周壁部31bの外面(長手方向壁部31hの側面31s)から露出させることも可能である。このとき、面一の状態で露出させてもよいし、面一の状態とならないように露出させてもよい。
そして、図30および図32に示すように、ヘッダハウジング21の周壁部21bをソケットハウジング31の嵌合溝部31dに挿入して嵌合することで、ヘッダ20がソケット30に嵌合される。
なお、ヘッダ20をソケット30に嵌合させる際には、例えば、Y方向(幅方向:短手方向)一端側の長辺部分に形成されたテーパ部31eとテーパ部21dとを重ね合わせ、Y方向(幅方向:短手方向)他端側にずらしながら嵌合させるようにすることができる。こうすれば、テーパ部31eおよびテーパ部21dを誘い込み部として機能させることができ、より容易にヘッダ20をソケット30に嵌合させることができるようになる。
そして、ヘッダ20をソケット30に嵌合させた状態では、ソケット側信号用端子32の接点部R1およびヘッダ側信号用端子22の接点部R1が互いに接触することとなる。
また、ソケット側信号用端子32の接点部R2およびヘッダ側信号用端子22の接点部R2が互いに接触することとなる。
そして、ソケット側電源用端子33の接点部R3およびヘッダ側電源用端子23の接点部R3が互いに接触することとなる。
また、ソケット側電源用端子33の接点部R4およびヘッダ側電源用端子23の接点部R4が互いに接触することとなる。
その結果、ソケット側信号用端子32とヘッダ側信号用端子22とが電気的に接続されるとともに、ソケット側電源用端子33とヘッダ側電源用端子23とが電気的に接続される。
こうして、第1の回路基板60の回路パターン61と第2の回路基板40の回路パターン41とが相互に電気的に接続されることとなる。
一方、ヘッダ20とソケット30とを離脱させる際には、これら両者を引き剥がし方向に抜去する。すると、段差状の係止部32dと段差状の被係止部22eとが相対摺動しつつ、ソケット側信号用端子32のばね部(32e,32f,32g,32h,32i,32j,32k,32m)が弾性変形し、係止部33dと被係止部32eとの係止が解除される。このとき、円弧状突起部32kの凹部22cへの嵌まり込みも解除される。
また、段差状の係止部33dと段差状の被係止部23eとが相対摺動しつつ、ソケット側電源用端子33のばね部(33e,33f,33g,33h,33i,33j,33k,33m)が弾性変形し、係止部33dと被係止部23eとの係止が解除される。このとき、円弧状突起部33kの凹部23cへの嵌まり込みも解除される。
こうして、ヘッダ20とソケット30とを分離させることができるようになる。
また、本実施形態では、上述したように、ヘッダハウジング21の長手方向X両端部にはヘッダ側保持金具24が、ソケットハウジング31の長手方向X両端部にはソケット側保持金具34が配設されている。このヘッダ側保持金具24およびソケット側保持金具340は、ヘッダハウジング21およびソケットハウジング31の強度を高めるとともに、上述した回路基板にそれぞれ取付固定するために用いられるものである。
本実施形態では、ヘッダ側保持金具24の固定端子24aを第2の回路基板40に半田付けすることで、ヘッダ20が第2の回路基板40に対して強固に結合されるようにしている。
また、ソケット側保持金具34の固定端子34dを第1の回路基板60に半田付けすることで、ソケット30が第1の回路基板60に対して強固に結合されるようにしている。
このような構成によれば、各回路基板に強固に結合されたヘッダ20とソケット30とを相互に嵌合させることができる。これにより、ヘッダ側信号用端子22とソケット側信号用端子32とが接触導通するとともに、ヘッダ側電源用端子23とソケット側電源用端子33とが接触導通し、各回路基板の回路パターン同士を電気的に接続することができる。
次に、図34から図37を参照しながら、各端子および各保持金具の回路パターンへの固定構造を説明する。なお、各端子および各保持金具の回路パターンへの固定構造は、図34から図37の構造に限定されるものではない。
ヘッダ側信号用端子22、ヘッダ側電源用端子23およびヘッダ側保持金具24は、図34に示すようにして、回路パターン41に固定されるようにすることができる。
長手方向Xの中央部に配設されたヘッダ側信号用端子22は、付け根部22aが、それぞれ信号用の回路パターン41aに半田50で固定される。
一方、長手方向Xの両側に配設されたヘッダ側電源用端子23は、付け根部23aが共通の回路パターン41bに半田50で固定される。そして、ヘッダ側保持金具24も、固定端子24aが共通の回路パターン41bに半田50で固定される。
このように、図34では、固定端子24aと付け根部23aとが共通の回路パターン41bに半田付けされている。
さらに、図34では、隣り合うように配置されているヘッダ側電源用端子23とヘッダ側保持金具24とが共通の回路パターン41bに半田付けされている。すなわち、隣り合うように配置されているヘッダ側電源用端子23とヘッダ側保持金具24とが回路パターン41bを共用している。
したがって、長手方向Xの一側に配設された2つのヘッダ側電源用端子23は、長手方向Xの一側に配設された回路パターン41bおよび長手方向Xの一側に配設されたヘッダ側保持金具24を介して電気的に接続されている。また、長手方向Xの他側に配設された2つのヘッダ側電源用端子23も、長手方向Xの他側に配設された回路パターン41bおよび長手方向Xの他側に配設されたヘッダ側保持金具24を介して電気的に接続されている。
一方、ソケット側信号用端子32、ソケット側電源用端子33およびソケット側保持金具34は、図35に示すようにして、回路パターン61に固定されるようにすることができる。
長手方向Xの中央部に配設されたソケット側信号用端子32は、付け根部32aが、それぞれ信号用の回路パターン61aに半田70で固定される。
長手方向Xの両側に配設されたソケット側電源用端子33は、付け根部33aが共通の回路パターン61bに半田70で固定される。そして、ソケット側保持金具34も、固定端子34dが共通の回路パターン61bに半田70で固定される。
このように、図35では、固定端子34dと付け根部33aとが共通の回路パターン61bに半田付けされている。
さらに、図35では、隣り合うように配置されているソケット側電源用端子33とソケット側保持金具34とが共通の回路パターン61bに半田付けされている。したがって、長手方向Xの一側に配設された2つのソケット側電源用端子33は、長手方向Xの一側に配設された回路パターン61bおよび長手方向Xの一側に配設されたソケット側保持金具34を介して電気的に接続されている。また、長手方向Xの他側に配設された2つのソケット側電源用端子33も、長手方向Xの他側に配設された回路パターン61bおよび長手方向Xの他側に配設されたソケット側保持金具34を介して電気的に接続されている。
さらに、本実施形態では、互いに組になる第1の固定端子34jおよび第2の固定端子34kが、付け根部33aが半田付けされる回路パターン61bに半田付けされている。
また、ヘッダ側信号用端子22、ヘッダ側電源用端子23およびヘッダ側保持金具24は、図36に示すようにして、回路パターン41に固定されるようにすることができる。
長手方向Xの中央部に配設されたヘッダ側信号用端子22は、付け根部22aが、それぞれ信号用の回路パターン41aに半田50で固定される。
また、長手方向Xの両側に配設されたヘッダ側電源用端子23は、付け根部23aが電源用の回路パターン41cに半田50で固定される。
そして、ヘッダ側保持金具24は、固定端子24aが金具固定用の回路パターン41dに半田50で固定される。
このように、図36では、固定端子24aと付け根部23aとをそれぞれ別の回路パターン41に半田付けさせている。
一方、ソケット側信号用端子32、ソケット側電源用端子33およびソケット側保持金具34も、図37に示すようにして、回路パターン61に固定されるようにすることができる。
長手方向Xの中央部に配設されたソケット側信号用端子32は、付け根部32aが、それぞれ信号用の回路パターン61aに半田70で固定される。
また、長手方向Xの両側に配設されたソケット側電源用端子33は、付け根部33aが電源用の回路パターン61cに半田70で固定される。
そして、ソケット側保持金具34は、固定端子34dが金具固定用の回路パターン61dに半田70で固定される。
このように、図37では、固定端子34dと付け根部33aとをそれぞれ別の回路パターン61に半田付けしている。
そして、ソケット側の固定構造として、図34と図36のいずれかを選択し、ヘッダ側の固定構造として、図35と図37のいずれかを選択し、それぞれを組み合わせることで、コネクタ10の回路パターンへの固定構造を得ることができる。
以上、説明したように、本実施形態のコネクタ10は、ソケット側信号用端子32およびソケット側電源用端子33が配設される略矩形状のソケットハウジング31を有するソケット30と、ヘッダ側信号用端子22およびヘッダ側電源用端子23が配設される略矩形状のヘッダハウジング21を有するヘッダ20と、を備えている。
そして、ソケット側信号用端子32およびソケット側電源用端子33が、ソケットハウジング31の長手方向Xに沿って配設されており、ソケット側電源用端子33よりもソケットハウジング31の長手方向Xの幅が狭いソケット側信号用端子32を有している。
こうすれば、互いに離間配置されている複数の端子を電源用端子として併用する場合に較べて、デッドスペースが形成されてしまうのが抑制されるため、ソケット30の長手方向Xを小型化することが可能になる。
また、ソケット側信号用端子32の断面形状とソケット側電源用端子33の断面形状とが略同一形状をしている。その結果、部品加工性が向上するとともに組み立て加工性が向上する。
また、ソケットハウジング31には、当該ソケットハウジング31の長手方向Xに沿って配設されたソケット側信号用端子32およびソケット側電源用端子33で構成されるソケット側端子群G2が複数列配置されている。
こうすれば、端子の断面積を増加させることができるため、電流容量を増加させることができる。
また、ソケット側電源用端子33は、ヘッダ側電源用端子23に係止される段差状の係止部33dを有しており、係止部33dが、ソケット側電源用端子33におけるソケットハウジング31の長手方向Xの一端から他端にかけて形成されている。
その結果、ロック力を向上させることができる上、挿抜を繰り返した際に摩耗しにくくなるため、製品の長寿命化を図ることが可能となる。
また、ソケット側信号用端子32よりもソケットハウジング31の長手方向Xの外側に配設されるソケット側電源用端子33を有している。
こうすれば、発熱量の大きいソケット側電源用端子33をソケットハウジング31の長手方向Xの外側に配置されることになるため、放熱効率をより高めることができるようになる。
また、ソケット側電源用端子33およびヘッダ側電源用端子23には、互いに接触する接点部R4が、ソケットハウジング31の長手方向Xに沿って複数設けられている。
こうすれば、端子の接触信頼性を向上させつつ、接触抵抗の低減を図ることができるようになる。
また、ソケット側電源用端子33には、複数の片部35,36が形成されており、複数の片部35,36のそれぞれに接点部R4が設けられている。
こうすることで、端子の接触信頼性を向上させつつ、接触抵抗の低減を図ることができるようになる。
また、複数の片部35,36は、可撓性を有しており、それぞれ独立して撓むことが可能である。
こうすることで、端子の接触信頼性をより向上させつつ、接触抵抗の低減を図ることができるようになる。
また、ソケット側電源用端子33は、U字状部(33e,33f,33g,33h,33i,33j)を有している。このU字状部(33e,33f,33g,33h,33i,33j)の一端(33j側)には、接点部R4が設けられる自由端部(33k,33m)が連設されている。そして、複数の片部35,36が、少なくとも自由端部(33k,33m)に形成されている。
こうすることで、端子の接触信頼性をより向上させることができるようになる。
また、互いに接触するソケット側電源用端子33の接点部R4およびヘッダ側電源用端子23の接点部R4のうちいずれか一方の接点部(ヘッダ側電源用端子23の接点部R4)には凹部23cが形成されている。そして、他方の接点部(ソケット側電源用端子33の接点部R4)が凹部23cにおけるソケットハウジング31の長手方向X両端部(接点C1,C2)で接触する。
こうすることで、端子の接触信頼性をより向上させることができるようになる。
また、ソケットハウジング31には、ソケット側保持金具34が配設されており、ソケット側保持金具34の少なくとも一部(34a,34c)がソケットハウジング31の外面31sに沿って露出している。
こうすることで、ソケットハウジングの小型化を図りつつ、ソケットハウジングとソケット側保持金具とをより強固に固定することができる。
さらに、ソケット側保持金具34は、ソケットハウジング31の側面31tおよび底面31uのうち少なくともいずれか一方の面に沿って露出している。
したがって、ソケットハウジングの小型化を図りつつ、ソケットハウジングとソケット側保持金具とをより一層強固に固定することができるようになる。
また、ソケット側保持金具34がインサート成形によってソケットハウジング31に配設されている。
その結果、ソケットハウジングとソケット側保持金具とをより強固に固定することができる上、圧入した場合に較べて、ソケットハウジングとの接触面積を増加させることができるため、放熱性を高めることができるようになる。
また、ソケット側保持金具34は、第1の回路基板60に形成された回路パターン61に半田付けされる固定端子34dを有している。そして、ソケット側電源用端子33は、第1の回路基板60に形成された回路パターン61に半田付けされる付け根部33aを有している。そして、固定端子34dと付け根部33aとが共通の回路パターン61bに半田付けされている。
こうすれば、ソケット側保持金具34が固定される回路パターンも、ソケット側電源用端子33が発する熱の放熱板として利用することができ、放熱性をより高めることができるようになる。
また、ソケット側保持金具34とソケット側電源用端子33とが隣り合うように配置されている。
こうすれば、放熱性を高めることができる上、回路パターンの配線形状が複雑化してしまうのを抑制することができるようになる。
また、固定端子34dは、第1の固定端子34jと、当該第1の固定端子34jとは別に形成される第2の固定端子34kと、を有している。
したがって、ソケット側保持金具34と第1の回路基板60とをより強固に固定することができるようになる。
このとき、第1の固定端子34jおよび第2の固定端子34kが、付け根部33aが半田付けされる回路パターン61bに半田付けされるようにすれば、放熱効果をさらに向上させることができるようになる。
また、ヘッダ側信号用端子22およびヘッダ側電源用端子23が、ヘッダハウジング21の長手方向Xに沿って配設されており、ヘッダ側電源用端子23よりもヘッダハウジング21の長手方向Xの幅が狭いヘッダ側信号用端子22を有している。
こうすれば、互いに離間配置されている複数の端子を電源用端子として併用する場合に較べて、デッドスペースが形成されてしまうのが抑制されるため、ヘッダ20の長手方向Xを小型化することが可能になる。
また、ヘッダ側信号用端子22の断面形状とヘッダ側電源用端子23の断面形状とが略同一形状をしているため、部品加工性が向上するとともに組み立て加工性が向上する。
また、ヘッダハウジング21には、当該ヘッダハウジング21の長手方向Xに沿って配設されたヘッダ側信号用端子22およびヘッダ側電源用端子23で構成されるヘッダ側端子群G1が複数列配置されている。
その結果、端子の断面積を増加させることができるため、電流容量を増加させることができる。
また、ヘッダ側電源用端子23は、ソケット側電源用端子33に係止される段差状の被係止部23eを有しており、被係止部23eが、ヘッダ側電源用端子23におけるヘッダハウジング21の長手方向Xの一端から他端にかけて形成されている。
その結果、ロック力を向上させることができる上、挿抜を繰り返した際に摩耗しにくくなるため、製品の長寿命化を図ることが可能となる。
また、ヘッダ側信号用端子22よりもヘッダハウジング21の長手方向Xの外側に配設されるヘッダ側電源用端子23を有している。このように、発熱量の大きいヘッダ側電源用端子をヘッダハウジングの長手方向外側に配置することで、放熱性を高めることができるようになる。
また、ヘッダハウジング21には、ヘッダ側保持金具24が配設されている。そして、ヘッダ側保持金具24は、第2の回路基板40に形成された回路パターン41に半田付けされる固定端子24aを有している。また、ヘッダ側電源用端子23は、第2の回路基板40に形成された回路パターン41に半田付けされる付け根部23aを有している。そして、固定端子24aと付け根部23aとが共通の回路パターン41bに半田付けされている。
こうすれば、ヘッダ側保持金具24が固定される回路パターンも、ヘッダ側電源用端子23が発する熱の放熱板として利用することができ、放熱性をより高めることができるようになる。
また、ヘッダ側保持金具24とヘッダ側電源用端子23とが隣り合うように配置されている。
こうすれば、放熱性を高めることができる上、回路パターンの配線形状が複雑化してしまうのを抑制することができるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、ヘッダ20が、平面視で当該ヘッダ20の中心に対して点対称となるように形成されているとともに、ソケット30が、平面視で当該ソケット30の中心に対して点対称となるように形成されているもの(極性がないコネクタ)を例示した。
しかしながら、極性を有するコネクタ(180度回転させた際に、同一の形状とならないようにしたコネクタ)に本発明を適用することも可能である。
また、ヘッダ20とソケット30とを嵌合させた状態で、ヘッダ側保持金具とソケット側保持金具とが係合する構成とすることも可能である。
また、ソケットハウジングやヘッダハウジング、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。