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JP6533571B2 - 磁気共鳴イメージング装置及び画像作成方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及び画像作成方法 Download PDF

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JP6533571B2 JP2017512229A JP2017512229A JP6533571B2 JP 6533571 B2 JP6533571 B2 JP 6533571B2 JP 2017512229 A JP2017512229 A JP 2017512229A JP 2017512229 A JP2017512229 A JP 2017512229A JP 6533571 B2 JP6533571 B2 JP 6533571B2
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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging;以下、「MRI」という)技術に関し、特に、被検体の血流に関する情報(血行動態情報)を取得し、その血行動態情報を用いて、さらに新たな血行動態情報を生成する技術に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生する核磁気共鳴(NMR)信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。撮影においては、NMR信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたNMR信号は、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
近年、例えば、脳などの部位の血行動態の評価が、血液灌流画像や関連情報を用いてなされている。血行動態の評価に用いられる画像には、例えば、部位が脳の場合、脳血液量(Cerebral Blood Volume:CBV)画像、脳血流量(Cerebral Blood Flow:CBF)画像、酸素摂取率(Oxygen Extraction Fraction:OEF)画像、脳酸素消費量(Cerebral Metabolic Rate of Oxygen:CMRO2)画像、平均通過時間(Mean Transit Time:MTT)画像などがある。
ところで、1.5T以上の高磁場MRIでは、血液灌流画像(Perfusion Weighted Imaging:PWI)、定量的磁化率マップ(Quantitative Susceptibility Map:QSM)、拡散強調画像(Diffusion Weighted Imaging:DWI)等を生成するプロトコルが、実用化されている。
PWIには、造影剤を用いず、血液をラベルした画像(ラベル画像)とラベルしない画像(コントロール画像)とを取得し、両者の差分を取ることにより血行動態を描出するASL−PWI(Arterial Spin Labeling−PWI:動脈磁化ラベルPWI)と呼ばれる手法がある(例えば、特許文献1、2,3参照)。そして、このASL−PWIからCBF画像を得る技術がある(例えば、非特許文献1、2参照)。
QSMは、SWI(Susceptibility Weighted Imaging:磁化率強調画像)を取得する撮像シーケンスを実行し、得られた位相画像から、組織の位相マップを求め、逆問題により、求める(例えば、非特許文献3、4、特許文献4参照)。このQSMからOEFの分布を画像化する、QMS−OEFと呼ばれる技術がある。また、CMRO2画像を、異なる2つの状態の脳灌流状態のQSMから求め、さらに、このCMRO2画像からOEF画像を求める技術がある(例えば、非特許文献5参照)。非特許文献5には、CMRO2画像を算出する過程で、CBF画像からCBV画像を算出する技術も開示されている。
また、安静時と負荷時といった、複数の異なる状態のSWI画像を取得し、それらを用いてOEF画像を求める技術がある(例えば、非特許文献6参照)。一方、安静時に得た画像のみからOEF画像を求める技術もある(例えば、非特許文献7参照)。
また、DWIから、灌流を反映するIVIM(Intra-Voxel Incoherent Motion)画像を生成し、このIVIM画像から、CBV画像を得る技術がある(例えば、非特許文献8、9参照)。また、ある仮定の元に、IVIM画像からCBV画像、MTT画像、CBF画像を求める方法がある(非特許文献8、表1参照)。IVIM画像から得られる画像のうち、最もDCS(Dynamic Susceptibility Contrast:造影剤を使った精度の高い方法)と相関が高いのはCBV(f)である。IVIM画像から求めたMTT画像の精度は良くない(非特許文献8、図10)。
米国特許第5,846,197号明細書 米国特許第7,545,142号明細書 米国特許第6,285,900号明細書 国際公開第2014/076808号
Nicholas A. et al. "Arterial spin labeling MRI: Clinical applications in the brain", Journal of magnetic resonance imaging 2014,Article first published online: 19 SEP 2014、DOI:10.1002/jmri.24751 p1-p16 E.L. Barbier, et al. "Methodology of brain perfusion imaging", Journal of magnetic resonance imaging 2001 13 p496-520 C. Lin et al. "Susceptibility -weighted imaging and quantitative susceptibility mapping in the brain", Journal of magnetic resonance imaging 2014、Article first published online : 1 OCT 2014, DOI:10.1002/jmri.24768 p1-19 R. Sato et al. "Quantitative susceptibility mapping with a combination of different regularization parameters", ISMRM 2014 p3179 J. Zhang et. al. "Quantitative mapping of cerebral metabolic rate of oxygen (CMRO2) using quantitative susceptibility mapping", Magnetic resonance in medicine 2014 Article first published online: 26 SEP 2014, DOI:10.1002/mrm.25463 p1-8 Y. Zaitsu et al. "Mapping of cerebral oxygen extraction fraction changes with susceptibility-weighted phase imaging", Radiology 2011 volume 261 Number 3 p930-936 K. Kudo et al. "Oxygen extraction fraction measurement using quantitative susceptibility mapping in patients with chronic cerebral ischemia: comparison with positron emission tomography", ISMRM 2014 p3272 Christian Federau et al. "Measuring brain perfusion with intra-voxel incoherent motion (IVIM): Initial clinical experience", Journal of magnetic resonance imaging 2014 39 p624-632 D. Le Bihan, R. Turner "The capillary network: A link between IVIM and classical perfusion", Magnetic resonance in medicine 1992 27 p171-178
上述のように、MRIの複数のプロトコルにより、例えば、脳といった特定の部位の血行動態の評価に必要な多種の画像を得ることができる。
しかしながら、例えば、非特許文献5に開示の技術では、CBV画像は、CBF画像にポジトロンCT(Positron Emission Tomography:PET)で求めた係数をかけることで得ている。このように、MRI装置で得た画像から、上記各種の画像を得るためには、PETの計測結果から得た係数が必要となる。このため、一般に、実臨床では、CBV、CBF、OEFは、そのまま、PETで計測されることが多い。特に、OEFは、貧困灌流領域を画像化できるなど、有用な診断情報が得られる15O−PETを用いることが多い。ところが、15O−PETは、短寿命の放射性同位元素を造影剤として用いるため、検査には造影剤を作る加速器が必要なこと、侵襲性が高い検査であること、検査必要が高額なことなどから、臨床有用性は高いものの、どちらかといえば限定的な普及に留まっている。
さらに、CMRO2画像は、複数の状態、例えば、安静時と負荷時のQSMから算出される。このため、両状態でQSMの撮像を行う必要があり、患者にとって負荷が大きい。また、CMRO2画像をASL−PWI画像とQSM−OEF画像とから求める手法は、提案されていない。また、MTT画像を、ASL−PWI画像とIVIM−CBV画像との演算から求める手法についても、発明者が調べた範囲では提案されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、侵襲性の低い検査のみで、所定の部位の、血行動態を評価するために必要な画像(血流パラメータ)を取得する技術を提供することを目的とする。
本実施形態では、放射線同位元素(例えば、15O)も、MRI用造影剤(例えば、Gd)も使用することなく、MRI装置による造影剤不使用の複数種の撮影のみから、所定の部位の血行動態を評価するために必要な画像群を取得する。例えば、部位が脳の場合、ASL−PWI撮像、QSM撮像、IVIM撮像を行い、その結果から、脳の血行動態を評価するために必要なCBF画像、OEF画像、CBV画像、CMRO2画像、MTT画像を得る。
本発明によれば、侵襲性の低い検査のみで、所定の部位の、血行動態を評価するために必要な画像(血流パラメータ)を取得できる。
第一の実施形態のMRI装置の全体構成のブロック図である。 (a)は、第一の実施形態の制御処理部の機能ブロック図であり、(b)は、第三の実施形態の制御処理部の機能ブロック図である。 第一の実施形態の血行動態算出処理の流れを説明するための説明図である。 第一の実施形態の撮像処理のフローチャートである。 (a)および(b)は、第一の実施形態のASL−PWIシーケンス例を説明するための説明図である。 (a)および(b)は、第一の実施形態のQSMシーケンス例を説明するための説明図である。 第一の実施形態のIVIMシーケンス例を説明するための説明図である。 第一の実施形態のIVIM画像作成手法を説明するための説明図である。 第一の実施形態のCMRO2算出処理を説明するための説明図である。 第一の実施形態のMTT算出処理を説明するための説明図である。 第二の実施形態の撮像処理の第一例のフローチャートである。 第二の実施形態の撮像処理の第二例のフローチャートである。 第三の実施形態の撮像処理と輝度補正処理を説明するための説明図である。 第三の実施形態の撮像処理と静磁場歪補正処理を説明するための説明図である。
<<第一の実施形態>>
本発明の第一の実施形態を説明する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、特に断らない限り、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[装置構成]
まず、本実施形態のMRI装置の一例の全体概要を図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態のMRI装置の一実施形態の全体構成を示すブロック図である。
本実施形態のMRI装置100は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生部120と、傾斜磁場発生部130と、シーケンサ140と、高周波磁場発生部(以下、送信部)150と、高周波磁場検出部(以下、受信部)160と、制御処理部170と、を備える。
静磁場発生部120は、垂直磁場方式であれば、被検体101の周りの空間にその体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば、体軸方向に、均一な静磁場を発生させるもので、被検体101の周りに配置される永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源を備える。
傾斜磁場発生部130は、MRI装置100の座標系(装置座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル131と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源132とを備え、後述のシーケンサ140からの命令に従ってそれぞれの傾斜磁場コイル131の傾斜磁場電源132を駆動することにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場Gx、Gy、Gzを印加する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加してエコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
送信部150は、被検体101の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴(NMR)現象を起こさせるために、被検体101に高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」と呼ぶ。)を照射するもので、高周波発振器(シンセサイザ)152と変調器153と高周波増幅器154と送信側の高周波コイル(送信コイル)151とを備える。高周波発振器152はRFパルスを生成する。変調器153は、シーケンサ140からの指令に従って、出力されたRFパルスを振幅変調する。高周波増幅器154は、この振幅変調されたRFパルスを増幅し、被検体101に近接して配置された送信コイル151に供給する。送信コイル151は供給されたRFパルスを被検体101に照射する。
受信部160は、被検体101の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出される核磁気共鳴信号(エコー信号、NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)161と信号増幅器162と直交位相検波器163と、A/D変換器164とを備える。受信コイル161は、被検体101に近接して配置され、送信コイル151から照射された電磁波によって誘起された被検体101の応答のNMR信号を検出する。検出されたNMR信号は、信号増幅器162で増幅された後、シーケンサ140からの指令によるタイミングで直交位相検波器163により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器164でディジタル量に変換されて、制御処理部170に送られる。
送信コイル151と傾斜磁場コイル131とは、被検体101が挿入される静磁場発生部120の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体101に対向して、水平磁場方式であれば被検体101を取り囲むようにして設置される。また、受信コイル161は、被検体101に対向して、或いは取り囲むように設置される。
シーケンサ140は、制御処理部170からの指示に従って、RFパルスと傾斜磁場パルスとが印加され、被検体101が発生するエコー信号が計測されるよう、各部に指示を行う。具体的には、制御処理部170からの指示に従って、被検体101の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信部150、傾斜磁場発生部130、および受信部160に送信する。
制御処理部170は、MRI装置100全体の制御、各種データ処理等の演算、処理結果の表示及び保存等を行うもので、CPU171と記憶装置172と表示装置173と入力装置174とを備える。記憶装置172は、ハードディスクなどの内部記憶装置と、外付けハードディスク、光ディスク、磁気ディスクなどの外部記憶装置とにより構成される。表示装置173は、CRT、液晶などのディスプレイ装置である。入力装置174は、MRI装置100の各種制御情報や制御処理部170で行う処理の制御情報の入力のインタフェースであり、例えば、トラックボールまたはマウスとキーボードとを備える。入力装置174は、表示装置173に近接して配置される。操作者は、表示装置173を見ながら入力装置174を通してインタラクティブにMRI装置100の各種処理に必要な指示、データを入力する。なお、タッチパネルなど、表示装置173が入力装置174の機能を兼ねていてもよい。
CPU171は、操作者が入力した指示に従って、記憶装置172に予め保持されるプログラムを実行することにより、MRI装置100の動作の制御、各種データ処理等の制御処理部170の各処理を実現する。上記シーケンサ140への指示は、予め記憶装置172に保持されたパルスシーケンス(撮像シーケンス)に従って行われる。また、例えば、受信部160からのデータが制御処理部170に入力されると、CPU171は、信号処理、画像再構成処理等を実行し、その結果である被検体101の断層像を表示装置173に表示するとともに、記憶装置172に記憶する。
現在、MRI装置の撮像対象核種で、臨床で普及しているものは、被検体101の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。MRI装置100では、プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または機能を、二次元もしくは三次元的に撮像する。
[機能構成]
本実施形態では、上述のように、侵襲性の低い検査方法のみで、所定の部位の血行動態を評価可能な画像群(血流パラメータ)を取得する。具体的には、造影剤を使わない、複数種のMRI撮像で得たデータから、必要な画像群を算出する。
これを実現するため、本実施形態の制御処理部170は、図2(a)に示すように、造影剤を使わない所定の撮像シーケンスに従って被検体101の所定の領域からのエコー信号を計測し、得られたエコー信号から再構成画像を得る撮像部210と、再構成画像に予め定めた処理を施し、シーケンス画像を算出するシーケンス画像取得部220と、シーケンス画像に画像処理を施して、前記領域に含まれる所定の部位の血行動態を評価する血行動態画像を算出する画像処理部230と、を備える。なお、画像処理部230は、算出した画像を、記憶装置172に保持するとともに、表示装置173に表示する。
制御処理部170が実現する各機能は、制御処理部170が備えるCPU171が、記憶装置172に予め格納されたプログラムを、メモリにロードして実行することにより実現される。また、全部または一部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field−programmable gate array)などのハードウェアによって実現してもよい。また、各機能の処理に用いる各種のデータ、処理中に生成される各種のデータは、記憶装置172に格納される。
[本実施形態の概要]
本実施形態では、撮像部210は、第一の撮像シーケンスと、前記第一の撮像シーケンスとは異なる第二の撮像シーケンスとを実行する。そして、シーケンス画像取得部220は、第一の撮像シーケンスにより得た再構成画像から第一のシーケンス画像を算出し、第二の撮像シーケンスにより得た再構成画像から第二のシーケンス画像を算出する。
そして、画像処理部230は、前記第一のシーケンス画像および前記第二のシーケンス画像から、第一の血行動態画像および前記第一の血行動態画像とは異なる第二の血行動態画像をそれぞれ算出するとともに、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像から、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像とは異なる第四の血行動態画像を算出する。
なお、撮像部210は、さらに、第一の撮像シーケンスおよび第二の撮像シーケンスとは異なる第三の撮像シーケンスを実行し、シーケンス画像取得部220は、第三の撮像シーケンスにより得た再構成画像から再構成された画像に予め定めた処理を施し、第三のシーケンス画像を算出し、画像処理部230は、前記第三のシーケンス画像から、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像とは異なる第三の血行動態画像を算出するとともに、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像のいずれか一方と前記第三の血行動態画像とから、前記第一の血行動態画像、前記第二の血行動態画像、前記第三の血行動態画像および前記第四の血行動態画像のいずれとも異なる第五の血行動態画像を算出してもよい。
以下、本実施形態について、血行動態を評価する対象部位を脳とし、図3に示すように、第一の撮像シーケンスをASL−PWIシーケンス300とし、第二の撮像シーケンスをQSMシーケンス(QSMを取得するための撮像シーケンス)400とし、第三の撮像シーケンスを、IVIMシーケンス(IVIMを取得するための撮像シーケンス)500とし、第一のシーケンス画像を、ASL−PWI画像310とし、第二のシーケンス画像を、QSM画像410とし、第三のシーケンス画像を、IVIM画像510とし、第一の血行動態画像を、脳血流量(ASL−CBF)画像330とし、第二の血行動態画像を、酸素摂取率(QMS−OEF)画像430とし、第三の血行動態画像を、脳血液量(IVIM−CBV)画像530とし、第四の血行動態画像を、脳酸素消費量(CMRO2)画像620とし、第五の血行動態画像を、平均通過時間(MTT)画像640とする場合を例にあげて説明する。以下、制御処理部170の各機能について、図3に従って、説明する。
[撮像部]
まず、撮像部210による撮像処理200について、説明する。本実施形態では、撮像部210が、ASLーPWIシーケンス300と、QSMシーケンス400と、IVIMシーケンス500とを実行し、それぞれ再構成画像を得る。図4は、撮像部210による撮像処理200のフローチャートである。なお、これらのシーケンスの実行順は問わない。
[ASL−PWI撮像]
撮像部210は、まず、ASL−PWIシーケンス300に従って、ASL−PWI撮像を行う(ステップS1101)。そして、撮像部210は、得られたエコー信号から、血液にラベルをしないコントロール画像(Control)311と血液をラベルした画像(ラベル画像:Spin labeled)312とを得る。
ここで、ASL−PWI撮像に用いられるASL−PWIシーケンス300について説明する。ASL−PWI撮像は、上述のように、コントロール画像311とラベル画像312とを取得し、両者の差分を取ることにより血行動態を描出する撮像である。
図5(a)に示すように、ASL−PWIシーケンス300は、ラベルパルス301を印加して、画像用データを取得する撮像シーケンス(画像取得シーケンス)302を実行するラベリング撮像部303と、コントロールパルス304を印加して、画像取得シーケンス302を実行するコントロール撮像部305とを備える。ASL−PWIシーケンス300では、ラベリング撮像部303による撮像と、コントロール撮像部305による撮像とを1組として撮像が行われる。
ASL−PWIシーケンス300には、例えば、2DのFAIR (Flow sensitive alternating inversion recovery)シーケンス、2DのpCASL(Pseudo−Continuous Arterial Spin Labeling)シーケンスなどが、用いられる。
FAIRでは、反転パルスを印加後、画像取得シーケンスを実行する撮像シーケンスと、反転パルスを付与しないで、画像取得シーケンスを実行する撮像シーケンスとを1セットとして実行する(例えば、Seong-Gi Kim, “Quantification of relative cerebral blood flow change by flow-sensitive alternating inversion recovery(FAIR) technique: application to functional mapping” Magnetic resonance in Medicine, 1995 34 p293-301参照)。
また、ASL−PWIシーケンス300において、画像取得シーケンス302として用いられる撮像シーケンスは、例えば、GrE−EPI(GradientEcho−echo planar imaging)シーケンスである。このGrE−EPIシーケンス350の例を図5(b)に示す。
なお、本図において、RF、Gs、Gp、Gfは、それぞれ、RFパルス、スライス選択傾斜磁場パルス、位相エンコード傾斜磁場パルス、周波数エンコード傾斜磁場パルスの印加軸を示す。以下、本明細書の全シーケンス図において、同様とする。
本図に示すように、EPIシーケンス350は、スライス選択傾斜磁場パルス352とともにRFパルス351を印加した後、位相エンコードを付与する傾斜磁場パルス353を変えつつ、読み出し傾斜磁場パルス354を反転して繰り返し、多数のグラジエントエコー355をつくり、k空間の複数のラインを埋めるシーケンスである。撮像パラメータには、例えば、64x64マトリクス、FOV(field of view:視野)=24x24cm、空間分解能3.8x3.8mm、スライス厚5mm、TI(インバージョンタイム)=1.4s、インバージョンスラブ15mm、画像加算40回を用いる。
なお、ASL−PWIシーケンス300は、上記構成に限定されない。ASL−CBF画像330が適切に取得できればよく、例えば、3Dであっても良い。
また、ASL−PWIシーケンス300には、血液を抑制するパルスを付加することが望ましい。血液を抑制するパルスには、例えば、MPG(Motion Probing Gradient)パルスがある。MPGパルスは、上記FAIRの場合、反転パルスと画像取得シーケンスとの間に印加される。このとき、例えば、MPGパルスの印加の強さを表すb値は、10程度とする。
血液を抑制するパルスを付加することにより、ASL−PWIシーケンス300から算出する後述のASL−CBF画像330において、血液信号を抑制できるメリットがある。
[QSM撮像]
次に、撮像部210は、QSMシーケンス400に従って、QSM撮像を行う(ステップS1102)。QSMシーケンス400は、後述するQSM画像410を取得するために実行する撮像シーケンスであり、具体的にはSWIシーケンスを実行する。撮像部210は、SWIシーケンスで得たデータを再構成して得られる複素画像(SWI画像)から、位相画像(phase map)411と絶対値画像(absolute map)412とを得る。
後述するQSM画像410は、上述のように、SWIシーケンスを実行し、得られた位相画像411から、組織の位相マップを求め、逆問題により、求める。SWIシーケンスには、例えば、3DRFスポイルドSSFP(RF−spoiled steady state free precession)シーケンス、もしくは、3DマルチショットEPIシーケンスなどが用いられる。以下、このSWIシーケンスをQSMシーケンス400と呼ぶ。
QSMシーケンス400として用いられる、3DRFスポイルドSSFPのパルスシーケンス例450を図6(a)に、3DマルチショットEPIのパルスシーケンス例460を図6(b)に、それぞれ示す。
図6(a)に示すように、3DRFスポイルドSSFPは、スライス選択傾斜磁場パルス452とともにRFパルス451を印加した後、位相エンコードを付与する傾斜磁場パルス453を変えつつ、読み出し傾斜磁場パルス454を加え、グラジエントエコー455をつくり、リワインドパルス456を与え、短い繰り返し時間(TR)で、k空間の複数のラインを埋めるシーケンスである。撮像パラメータとして、例えば、FA(flip angle:フリップ角)は18度、TE/TRは30ms/44ms、積算回数は1、FOVは256x256mm、スライス厚は2mm、計測マトリクスは384x160、再構成マトリクスは512x512を用いる。
図6(b)に示すように、3DマルチショットEPIは、スライス選択傾斜磁場パルス462とともにRFパルス461を印加した後、位相エンコードを付与する傾斜磁場パルス463を変えつつ、読み出し傾斜磁場パルス464を反転して繰り返し、複数のグラジエントエコー465をつくり、リワインドパルス466を与え、短い繰り返し時間で、k空間の複数のラインを埋めるシーケンスである。撮像パラメータとして、例えば、FAは18度、TE/TRは30ms/44ms、積算回数は1、FOVは256x256mm、スライス厚は2mm、計測マトリクスは384x160、再構成マトリクスは512x512を用いる。
[IVIM撮像]
撮像部210は、IVIMシーケンス500に従って、IVIM撮像を行う(ステップS1103)。IVIMシーケンス500は、後述するIVIM画像510を取得するために実行する撮像シーケンスであり、ここでは、DWI画像を取得する拡散強調シーケンス、例えば、2Dの拡散強調SE−EPIシーケンス(DW−EPIシーケンス)を用いる。この際、撮像部210は、b値を変えて、複数回撮像を行い、それぞれのエコー信号から画像511を再構成する。用いるb値は、例えばb=0,10,20,40,80,110,140,170,200,500,900などとする。
後述するIVIM画像510は、この、複数の異なるb値で撮像した結果(DWI画像511)から生成される。
IVIMシーケンス500として用いられる、DW−EPIシーケンス550のパルスシーケンス例を図7に示す。
本図に示すように、DW−EPIシーケンス550は、スライス選択傾斜磁場パルス553,554とともにRFパルス551、552を印加した後、位相エンコードを付与する傾斜磁場パルス556を変えつつ、読み出し傾斜磁場パルス557を反転して繰り返し、複数のグラジエントエコー558をつくり、k空間の複数のラインを埋めるシーケンスである。なお、本シーケンスでは、RFパルス552の前後に一組の拡散強調パルス(MPGパルス)555を印加する。撮像パラメータとして、例えば、TR/TE=4000/99ms、MPGパルスのb値=0,10,20,40,80,110,200,400,600,1000、スライス厚4mm、FOV=297x297mm、マトリクス256x256、空間分解能1.2mmx1.2mm、パラレルイメージングファクター2倍速、パーシャルフーリエ75%、脂肪抑制併用、撮像時間3分7秒を用いる。
このとき、MPGパルス555の印加方向はGs、Gp、Gfの3方向とする。撮像は横断面で行う。
IVIMシーケンス500では、MPGパルス555によるフローコンペンセーション効果があるため、血管の信号を抑制できる。
[その他の撮像]
最後に、撮像部210は、その他の診断画像を得る撮像、血管撮像(TOF)などを行い(ステップS1104)、処理を終了する。なお、得られた各画像は、記憶装置172に保存され、また、表示装置173に表示される。
上述のように、撮像順は問わない。また、全ての撮像を一連の撮像として行う必要もない。また、予め撮像を実行し、得られた各再構成画像を記憶装置172に保持しておき、それを用いるよう構成してもよい。なお、記憶装置172には、後述するシーケンス取得部が算出したASL−PWI画像310、QSM画像410、IVIM画像510を保持してもよい。
[シーケンス画像取得部]
次に、シーケンス画像取得部220による、各再構成画像から、シーケンス画像を生成する処理を説明する。本実施形態では、シーケンス画像取得部220は、図3に示すように、ASL−PWI撮像で得た再構成画像からASL−PWI画像310を算出し、QSM撮像で得た再構成画像からQSM画像410を算出する。IVIM撮像で得た再構成画像からIVIM画像510を算出する。
ASL−PWI画像310は、ラベル画像312とコントロール画像311との差分を取ることにより、算出される。
QSM画像410は、位相画像411の成分を主に用いて算出される。QSM画像410の計算には、例えば、L1ノルムを使って逆問題を精度よく解く、例えば、上記特許文献4の図6、図7、図8などに開示の公知技術を使う。
IVIM画像510は、異なるb値で得た各画像(DWI画像)511を、画素毎に、2つの指数関数の合成値としてフィッティングし、得られたフィッティング係数をIVIM画像510の画素値とする。具体的には、図8に示すように、得られたそれぞれの画像の各画素値(Log信号値)を2つの指数関数の合成値としてフィッティングし、フィッティング関数の係数(フィッティング係数;DC、D、f)を画素値とする。
IVIM画像510として得るフィッティング係数は、図8に示すように、例えば、真の拡散係数(DC:Diffusion Coefficient)、灌流を拡散とみなした拡散係数(D:pseudo−diffusion coefficient)、全体に占める灌流の割合(f:perfusion fraction)などである。
[画像処理部]
次に、画像処理部230による各処理を説明する。本実施形態の画像処理部は、シーケンス画像から、各種の血行動態画像を算出する。以下、1種類のシーケンス画像から直接、血行動態画像を算出する、第一の算出処理と、第一の算出処理で算出した、複数の血行動態画像から新たな血行動態画像を算出する第二の算出処理との2つに分けて、本実施形態の画像処理部230による血行動態画像の算出処理を説明する。
以下、図3に示すように、第一の算出処理のうち、ASL−PWI画像310からASL−CBF画像330を算出する処理をASL−CBF算出処理320、QSM画像410からQSM−OEF画像430を算出する処理をQSM−OEF算出処理420、IVIM画像510からIVIM−CBV画像530を算出する処理をIVIM−CBV算出処理520、と呼ぶ。また、第二の算出処理のうち、ASL−CBF画像330とQSM−OEF画像430からCMRO2画像620を算出する処理をCMRO2算出処理610、ASL−CBF画像330とIVIM−CBV画像530とからMTT画像640を算出する処理をMTT算出処理630、と呼ぶ。
まず、第一の算出処理の、各処理を説明する。
[ASL−CBF算出処理]
ASL−PWI画像310から、ASL−CBF画像330を得る、ASL−CBF算出処理320を説明する。ASL−CBF画像330は、ASL−PWI画像310を、別途取得したプロトン密度強調(Proton Density Weighted:PDW)画像で除算することにより得られる。PDW画像取得用パルスシーケンスは公知の方法を用いる。もしくは、撮像パラメータをPDW画像用に調整することによりコントロール画像を流用する方法でも良い。すなわち、画像処理部230は、以下の式(1)に従って、CBF(ASL−CBF画像330)を、PWI(ASL−PWI画像310)から算出する。なお、PWI(ASL−PWI画像310)は、ラベル画像311とコントロール画像312との差分画像である。
CBF=α・PWI/PDW ・・・(1)
ここで、αは、比例係数であり、経験的に求められる値である。
[QSM−OEF算出処理]
QSM画像410から、QSM−OEF画像430得る、QSM−OEF算出処理420を説明する。上述のように、一般には、OEF画像は、安静時と負荷時といった異なる状態のSWI画像から算出する。しかし、ここでは、生体組織の磁化率が、鉄分の量や静脈中の酸素量によって変化することを利用し、安静時に取得したQSM画像410のみから、QSM−OEF画像430を算出する。
QSM画像410は、上述のように、特許文献4に開示されている方法(逆問題を解く方法)で求める。そして、画像処理部230は、QSM画像410の任意のVOI(Volume of Interest)の中で、閾値処理とマスク処理とを組み合わせ、脳内静脈構造を抽出する。そして、このVOIの中で、静脈構造として抽出された部分の磁化率とその他の部分の磁化率との差を求める。最後に、画像処理部230は、この差のデータから、QSM−OEF画像430を算出する。
安静時に取得したQSM画像410のみからQSM−OEF画像430を取得する手法は、実臨床に適用する観点から適している。その理由は、1回の計測で良いので、検査時間が短く、かつ、患者に負荷をかけないため、患者への負荷テストを割愛できるためである。ここで、負荷テストとは、例えば血行動態に変化を与える薬物投与であり、カフェインによる血管収縮後の検査や、過換気(hyperventilation)や酸素吸入(oxygen inhalation)、アセタゾラミド(acetazolamide)負荷である。
[IVIM−CBV算出処理]
IVIM画像510から、IVIM−CBV画像530得る、IVIM−CBV算出処理520を説明する。上述のように、IVIM画像510は、DWIシーケンスで、異なる複数のb値を用いて撮像し、得られたそれぞれの画像の各画素値(Log信号値)をフィッティングすることにより得たフィッティング係数(例えば、真の拡散係数DC、灌流を拡散とみなした拡散係数D、全体に占める灌流の割合f)を画素値とする画像である。
画像処理部230は、IVIM画像510の画素値であるフィッティング係数を用いて以下の式(2)に従って、IVIM−CBV画像530を算出する。なお式(2)は、代表的な例として、fを用いた場合を示している。
f=CBV/fw ・・・(2)
∴ CBV=f×fw
ここで、fwは、NMR visible water content fraction(NMR観測可能水分含有率:組織固有の値として過去の知見をもとに設定する値)であり、例えば、0.78という値をとる。
次に、第二の算出処理の各処理を、図面を用いて説明する。
[CMRO2算出処理]
次に、ASL−CBF画像330と、QMS−OEF画像430とから、CMRO2画像620を算出するCMRO2算出処理610を、図9を用いて説明する。上述のように、ASL−CBF画像330は、撮影対象部位(ここでは、脳)の、血流量を表す画像である。また、QSM−OEF画像430は、撮影対象部位(ここでは、脳)の、酸素摂取率を表す画像である。従って、画像処理部230は、基本的には、両者を乗算することにより、脳酸素消費量を表すCMRO2画像620を得る。
すなわち、本実施形態の画像処理部230は、脳血流量画像(ASL−CBF画像330)と酸素消費量画像(QSM−OEF画像430)とを乗算することにより、脳酸素消費量画像(CMRO2画像620)を算出する。
ただし、両画像は、それぞれ、異なる撮像シーケンスで得た画像から算出されている。このため、空間分解能やスライス厚などが異なるし、傾斜磁場パルスの形状、強度が異なる。両画像間で演算を行うためには、装置由来の画像上の感度分布、画像歪が、画像間で同一に保たれている必要がある。これらを整合させるため、画像処理部230は、乗算する前に、両画像に対し、各種の補正を行う。
CMRO2算出処理610の流れの概略を、図9に示す。本図に示すように、画像処理部230は、乗算616に先立ち、第一の血行動態画像(ここでは、ASL−CBF画像330)および第二の血行動態画像(ここでは、QMS−OEF画像430)の少なくとも一方に対し、相互位置合わせ処理611、歪み補正処理612、ガウスフィルタ処理613、マスク処理614、および輝度補正処理615の少なくとも一つの補正処理を施す。なお、これらの補正処理は、必ずしもすべてを行う必要はない。
具体的には、ASL−CBF画像330とQSM−OEF画像430とを解剖学的標準化手法を用いて位置合わせする相互位置合わせ処理611、歪み補正処理612、ガウスフィルタ処理613を行い、処理後のASL−CBF画像331およびQSM−OEF画像431を得る。その後、QSM撮像で得たQSM画像410を用いて脳領域マスク処理614を行い、脳領域平均カウントにて信号輝度を補正615した上で、両画像を乗算616してCMRO2画像620を算出する。
以下、ASL−CBF画像330、QSM−OEF画像430、およびを、CMRO2画像620を、それぞれ、位置rの関数としてASL−CBF(r)、QSM−OEF(r)およびCMRO2(r)と記載し、相互位置合わせ処理611を関数fr1→r2、歪み補正処理612を関数dr1→r2、ガウスフィルタ処理613を関数g、マスク処理614を関数m、輝度補正処理615を関数sと、それぞれ表すと、CMRO2算出処理610で乗算616に先立って行われる補正処理は、以下の式(3)〜式(5)で表される。なお、関数f、関数dで、添え字のrn→r(n+1)(nは1以上の整数)は、座標上の位置を、rnからr(n+1)に変える処理を表す。
まず、相互位置合わせ処理f、歪み補正処理d、ガウスフィルタ処理g後のASL−CBF画像331(ASL−CBF(r3))およびQSM−OEF画像431(QSM−OEF(r3))は、それぞれ、以下の式(3)、式(4)で表される。
ASL−CBF(r3)
=g(dr2→r3(fr1→r2(ASL−CBF(r1)))) ・・・(3)
QMS−OEF(r3)
=g(dr2→r3(fr1→r2(QMS−OEF(r1)))) ・・・(4)
なお、各補正処理g,d,fの順番は、入れ替わっても良い。
新たに、r3をrとおいて、それぞれにマスク処理mを行い、処理後のASL−CBF画像に輝度補正sを行い、最終的に得られるCMRO2画像620(CMRO2(r))は、以下の式(5)で表される。
CMRO2(r)
=(m(QMS−OEF(r)))×s(m(ALS−CBF(r))) ・・・(5)
以下、各補正処理の詳細を説明する。
[相互位置合わせ処理]
相互位置合わせ処理(関数fr1→r2)611は、解剖学的な標準画像STD(r1)621を用い、異なる被検体101の脳の、対応する部位を、標準画像STD(r1)621上で同じ画素位置とする処理である。標準画像STD(r1)621は、標準となる脳画像で、テンプレートと呼ばれる。
相互位置合わせ処理611による解剖学的標準化によって、異なる被検体101の脳の対応する部位が標準脳画像上で同じ画素位置となるため、多くの被検体101の脳画像を、同じ土俵上で画素毎に比較することができる。
なお、関数fは、非線形変換の関数である。例えば、相互位置合わせ処理611には、公知の解剖学的標準化の手法(ソフトウエア)として、「SPM」(Statistical Parametric Mapping)を用いても良い。また、ASL−CBF画像330と、QSM−OEF画像430とが、例えば、同一被検体101の同じスライスである場合など、位置合わせが不要な画像どうしの場合、相互位置合わせ処理611は行わなくてもよい。
[歪み補正処理]
歪み補正(関数dr2→r3)612には、例えば、歪補正用元画像DIST(r1)622を用い、各画像の傾斜磁場による歪みを補正する。歪補正用元画像DIST(r1)622には、例えば、幾何学的な位置が既知の標準ファントム(例えばADNIファントム)を用いることが出来る。
なお、歪補正用元画像DIST(r1)622を使うかわりに、MRI装置100の設計情報、すなわち、歪の原因となる傾斜磁場コイル131の空間磁場強度分布を、ビオサバールの方程式から求め、パルスシーケンスごとに、この磁場分布が作り出す画像歪を計算し、それを逆補正してもよい。この場合、歪み補正処理dr1→r2612は、逆補正演算そのものを意味する。本処理も、歪みが発生しにくい撮像条件での撮像の場合など、行わなくてもよい。
[ガウスフィルタ処理]
ガウスフィルタ処理(関数g)613は、いわゆるスムージング処理の一種である。空間分解能が粗い画像であっても、ガウス関数を周波数空間で乗算することにより、なめらかに輝度分布を表現することが出来、ボクセルサイズの異なる画像間演算での演算誤差を減らすことができる。例えば、QSM撮像は、一辺が25mm程度のボクセル単位で撮像を行う。一方、ASL撮像では、分解能が1mm程度の画像が得られる。このように、ガウスフィルタ処理613を行うことで、分解能が異なり画素の粗さが違う画像どうしを、整合させる。なお、スムージング処理であれば、他の手法を用いてもよいし、本処理を省略してもよい。
[マスク処理]
マスク処理(関数m)614は、上記各補正後の画像から脳領域を抽出するために行われる。脳の周囲には、頭蓋骨があり、これが、後段の輝度補正処理615で悪影響を及ぼす可能性があるため、マスク処理により、頭蓋骨を除去する。マスクの元画像MASK(r)623として、QSM画像410から、脳領域を抽出した画像を使う。
[輝度補正処理]
輝度補正処理(関数s)615は、ASLのリスケーリングに関する補正である。信号の輝度補正処理615には、例えば、脳領域内の平均カウントを用いる。平均カウントとは、MRI画像の指定領域内の各ボクセルの信号値の総和である。ASLシーケンスにより得られる画像の輝度は、相対値であるため、一般の核医学検査において行われているように、例えば、小脳のような特定の正常脳実質の値を輝度補正元画像SMAP(r)624として用い、画素値を正規化する。一方、QSM−OEF画像430の輝度は、基本的に絶対値なので、リスケーリングは不要である。
[MTT算出処理]
次に、ASL−CBF画像330と、IVIM−CBV画像530とから、MTT画像640を算出するMTT算出処理630を、図10を用いて説明する。上述のように、ASL−CBF画像330は、撮影対象部位の、血流量を表す画像である。また、IVIM−CBV画像530は、撮影対象部位の、血液量を表す画像である。従って、画像処理部230は、基本的には、IVIM−CBV画像530をASL−CBF画像330で除算することにより、平均通過時間を表すMTT画像640を得る。
すなわち、本実施形態の画像処理部230は、脳血液量画像(IVIM−CBV画像530)を脳血流量画像(ASL−CBF画像330)で除算することにより、平均通過時間画像(MTT画像640)を算出する。
このように、本実施形態では、精度の高いASL-CBF画像と精度の高いIVIM−CBV画像から、MTT画像を求めるので、公知のIVIM単体から、求めるMTTと比べて、得られるMTT画像の精度が高い特徴がある。また、本実施形態では、IVIM画像からCBVのみを算出するので、IVIM用のマルチbを使ったDWI撮像プロトコルは、撮像パラメータもしくはb値について、CBVの精度のみを重視した設定とすることも可能という特徴を有する。
ただし、画像処理部230は、MTT算出処理630においても、CMRO2算出処理610と同様に、両画像に対し、各種の補正処理を行う。ここで行う補正処理は、CMRO2算出処理610において、両画像に対して施す処理と基本的に同様である。
すなわち、MTT算出処理630では、図10に示すように、まず、両画像それぞれに対し、解剖学的標準化手法を用いた相互位置合わせ処理631、歪み補正処理632、およびガウスフィルタ処理633を行い、処理後のASL−CBF画像331およびIVIM−CBV画像531を得る。その後、例えば、QSM画像410をマスク元画像623に用いて脳領域マスク処理634を行い、脳領域平均カウントにて信号輝度を補正する輝度補正処理635を行った上で、上述のように除算636し、MTT画像640を算出する。マスク画像は、脳構造を抽出できる画像で有れば良く、別途撮像するT1W(T1強調)画像で有っても良い。なお、MTT算出処理630においても、これらの補正処理は、必ずしも行う必要はない。
ASL−CBF画像330、IVIM−CBV画像530、および、MTT画像640を、それぞれ、位置rの関数としてASL−CBF(r)、IVIM−CBV(r)およびMTT(r)と記載すると、MTT算出処理630は、以下の式(6)から式(8)で表される。
まず、位置合わせf、歪補正d、ガウス関数処理g後のASL−CBF画像331(ASL−CBF(r3))およびIVIM−CBV画像531(IVIM−CBV(r3))は、それぞれ、以下の式(6)、式(7)で表される。
ASL−CBF(r3)
=g(dr2→r3(fr1→r2(ASL−CBF(r1)))) ・・・(6)
IVIM−CBV(r3)
=g(dr2→r3(fr1→r2(IVIM−CBV(r1)))) ・・・(7)
なお、各補正処理g、d、fの順番は、入れ替わっても良い。
新たに、r3をrとおいて、それぞれにマスク処理mを行い、処理後のASL−CBF画像およびIVIM−CBV画像に輝度補正sを行い、最終的に得られるMTT画像640(MTT(r))は、以下の式(8)で表される。なお、マスク画像は、r→r3の変換をしておく。
MTT(r)
=s((m(IVIM−CBV(r))))/s(m(ALS−CBF(r)))・・・(8)
各処理の詳細は、CMRO2算出処理610で説明したとおりであるため、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、造影剤を使わない所定の撮像シーケンスに従って被検体の所定の領域からのエコー信号を計測し、得られたエコー信号から再構成画像を得る撮像部210と、前記再構成画像に予め定めた処理を施し、シーケンス画像を算出するシーケンス画像取得部220と、前記シーケンス画像に画像処理を施して、前記領域に含まれる所定の部位の血行動態を評価する血行動態画像を算出する画像処理部230と、を備え、前記撮像部210は、第一の撮像シーケンスと、前記第一の撮像シーケンスとは異なる第二の撮像シーケンスとを実行し、前記シーケンス画像取得部220は、前記第一の撮像シーケンスにより得た再構成画像から第一のシーケンス画像を算出し、前記第二の撮像シーケンスにより得た再構成画像から第二のシーケンス画像を算出し、前記画像処理部230は、前記第一のシーケンス画像および前記第二のシーケンス画像から、第一の血行動態画像および前記第一の血行動態画像とは異なる第二の血行動態画像をそれぞれ算出するとともに、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像から、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像とは異なる第四の血行動態画像を算出する。
前記撮像部210は、さらに、前記第一の撮像シーケンスおよび前記第二の撮像シーケンスとは異なる第三の撮像シーケンスを実行し、前記シーケンス画像取得部220は、前記第三の撮像シーケンスにより得た再構成画像から再構成された画像に予め定めた処理を施し、第三のシーケンス画像を算出し、前記画像処理部230は、前記第三のシーケンス画像から、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像とは異なる第三の血行動態画像を算出するとともに、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像のいずれか一方と前記第三の血行動態画像とから、前記第一の血行動態画像、前記第二の血行動態画像、前記第三の血行動態画像および前記第四の血行動態画像のいずれとも異なる第五の血行動態画像を算出してもよい。
例えば、前記第一の撮像シーケンスはASL−PWIシーケンス300であり、前記第二の撮像シーケンスはQSMシーケンス400であり、前記第三の撮像シーケンスはIVIMシーケンス500であり、前記部位は脳であり、前記第一の血行動態画像は脳血流量画像330であり、前記第二の血行動態画像は酸素摂取率画像430であり、前記第三の血行動態画像は脳血液量画像530であり、前記第四の血行動態画像は脳酸素消費量画像620であり、前記第五の血行動態画像は平均通過時間画像640であってもよい。
このように、本実施形態によれば、まず、造影剤を用いないMRI装置の撮像法を用い、血行動態画像(ASL−CBF画像330、QSM−OEF画像430、IVIM−CBV画像530)を算出する。そして、ASL−CBF画像330とQSM−OEF画像430とについて、装置由来の画像上の感度分布や、画像歪を補正し、両画像間で略同一にし、その後、両画像から、CMRO2画像620を間接的に算出する。また、ASL−CBF画像330とIVIM−CBV画像530とについて、装置由来の画像上の感度分布や画像歪を補正し、両画像間で略同一にし、その後、両画像からMTT画像640を間接的に算出する。
すなわち、本実施形態では、MRI装置100において、造影剤を使わない、異なる撮像法を用いて性質の異なる複数の画像(ASL−CBF画像330、QSM−OEF画像430、IVIM−CBV画像530)を撮像し、これらを用いた後処理により、他の血流パラメータマップ(MTT画像640、CMRO2画像620など)を得ることができる。これらの画像の算出に、PETによる情報を用いることがない。
従って、本実施形態によれば、放射線同位元素(例えば15O)も、MRI用造影剤(たとえばGd)も使用することなく、侵襲性が低い検査方法で、所定の部位の血行動態を評価するために必要な各画像(最大5種の脳血流情報)を得ることができる。そして、それを、適宜ユーザに提示することができる。
また、上述のように、ASL−CBF画像330とIVIM−CBV画像530とからMTT画像640を算出する。このため、安静時の画像のみから、MTT画像640を求めることができる。同様に、本実施形態では、QSM−OEF画像430を、安静時に取得したQSM画像410のみから算出する。従って、負荷を与えた状態でQSM画像を取得する必要がない(負荷テストの必要がない)。このため、本実施形態によれば、被検体の負荷がさらに少なくて済む。
また、ASL−PWIシーケンス300およびIVIMシーケンス500において、MPGパルスを用いる。このため、血管の信号を抑制できるため、従来技術(例えば、MR装置によるCE−PWIやCT装置によるCE−PWI)に比べ、より正確なMTT画像640を算出できる。
さらに、本実施形態によれば、上記血行動態画像の取得に造影剤等を持ちないため、他の診断画像を得る撮像シーケンスを組み合わせて実行することも可能である。従って、これらもふくめて、診断に提供できる。
すなわち、本実施形態によれば、MRI装置100のみで、血流パラメータと構造に関する情報を複合した画像を得、血流パラメータ画像を中枢神経疾患の診断に適した形で表示することが出来る。よって、本実施形態によれば、血流情報画像を脳疾患の診断に適した形で表示する、擬似的な15O−PET画像(virtual 15O PET)を得ることが出来る。
このように、本実施形態によれば、MTT画像640やCMRO2画像620を、負荷テストや造影剤を用いずに、無侵襲に取得できるため、いままで対象とならなかった小児や健常者に広く応用できる。具体的には小児では、もやもや病やてんかんなど、健常者では、検診や脳科学研究などに応用できる。特に小児での無侵襲脳酸素代謝検査は、従来技術では全く実現できていないため、本実施形態は、臨床上きわめて有用である。
なお、本実施形態では、ASL−PWIシーケンス300、QSMシーケンス400、IVIMシーケンス500を実行し、それぞれ、ASL−CBF画像330、QMS−OEF画像430、IVIM−CBV画像530を得、ASL−CBF画像330とQMS−OEF画像430とからCMRO2画像620を得、ASL−CBF画像330とIVIM−CBV画像530とから、MTT画像640を得る場合を例にあげて説明したが、これに限定されない。
例えば、2つの撮像シーケンスを実行し、3つの血行動態画像を得るようにしてもよい。
すなわち、ASL−PWIシーケンス300とQSMシーケンス400とを実行し、それぞれ、ASL−CBF画像330、QMS−OEF画像430を得、ASL−CBF画像330とQMS−OEF画像430とからCMRO2画像620を得るよう構成してもよい。
また、ASL−PWIシーケンス300とIVIMシーケンス500とを実行し、それぞれ、ASL−CBF画像330、IVIM−CBV画像530を得、ASL−CBF画像330とIVIM−CBV画像530とから、MTT画像640を得るよう構成してもよい。
<<第二の実施形態>>
本発明の第二の実施形態を説明する。第一の実施形態では、各シーケンス画像は、別箇独立の撮像で取得していた。しかしながら、本実施形態では、シーケンス画像を算出する際、他の撮像で得た画像を利用する。
すなわち、本実施形態では、第二の撮像シーケンスとして、予め定めた複数の異なるb値を用いて複数回実行するシーケンスが実行され、撮像部210は、第一の撮像シーケンスを、前記予め定めた複数のb値のいずれかを用いて実行し、第二の撮像シーケンスを、残りのb値を用いて実行し、シーケンス画像取得部220は、第二のシーケンス画像を、前記第一の撮像シーケンスで得た再構成画像も用いて算出する。
本実施形態のMRI装置は、基本的に第一の実施形態のMRI装置100と同様の構成を備える。しかし、上述のように、撮像部210による撮像処理と、シーケンス画像取得部220によるシーケンス画像の算出処理とが異なる。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
なお、本実施形態も、第一の実施形態同様、複数の異なる撮像法を、ASL−PWIシーケンス300、QSMシーケンス400、IVIMシーケンス500による撮像とし、これらの撮像シーケンスで得た再構成画像から、直接算出する血行動態画像を、ASL−CBF画像330、QSM−OEF画像430、IVIM−CBV画像530とし、直接算出される血行動態画像を組み合わせて算出する血行動態画像を、CMRO2画像620、MTT画像640とする場合を例にあげて説明する。
第一の実施形態では、ASL−PWI画像310、QSM画像410、IVIM画像510を、それぞれ、別個独立の撮像で、取得していた。本実施形態では、ASL−PWI画像310を取得するASL−PWIシーケンス300による撮像、または、QSM画像410を取得するQSMシーケンス400による撮像で取得した画像を、IVIM画像510作成に利用し、その分、IVIM画像510の撮像回数を削減する。
まず、ASL−PWI画像310を、IVIM画像510作成に利用する場合(第一例)の、本実施形態の計測処理およびシーケンス画像取得処理の流れの一例を、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態の計測処理のフローチャートである。
撮像部210は、まず、ASL−PWIシーケンス300による撮像を行う(ステップS2101)。このとき、本実施形態では、上述のように、ASL−PWIシーケンス300による撮像において、MPGパルスを印加する。
そして、そのb値を、例えば、10に設定する。この撮像により、撮像部210は、コントロール画像(Control)311とラベル画像(Spin labeled)312とを算出する。このとき、本実施形態では、撮像部210は、コントロール画像311を、例えば、記憶装置172に保持しておく。
次に、撮像部210は、QSMシーケンス400による撮像を行う(ステップS2102)。そして、撮像部210は、位相画像(phase map)411と絶対値画像(absolute map)412とを算出する。
そして、撮像部210は、IVIMシーケンス500による撮像を行う(ステップS2103)。ここでは、b値を変えて、複数回撮像を行う。このとき、ASL−PWI撮像において用いたb値(b=10)以外のb値についてのみ、撮像を行う。そして、撮像部210は、ASL−PWI撮像において用いたb値以外のb値で得た、複数の画像511を算出する。
最後に、その他の診断画像を得る撮像、血管撮像などを行い(ステップS2104)、処理を終了する。
本実施形態のシーケンス画像取得部220は、第一の実施形態同様、ASL−PWI画像310を、コントロール画像311とラベル画像312とから算出し、QSM画像410を位相画像411から算出する。一方、IVIM画像510は、IVIM撮像で得た画像511と、ASL−PWI撮像で得たコントロール画像311とを用いて算出する。
なお、第一例では、ASL−PWIシーケンス300による撮像とIVIMシーケンス500による撮像とは、撮像位置、FOVスライス厚、マトリクス数は、一致させることが好適である。その理由は、両撮像結果から、のちにMTT画像640を求める際、MTT画像640の空間分解能は、低い方の空間分解能で決まるためである。また、臨床診断は、ASL−CBF画像330、IVIM−CBV画像530、MTT画像640を組み合わせて行うためである。
両撮像の、マトリクス数や、FOVが異なる場合は、物理的な位置が合致するように、公知の拡大縮小の変換プロセスを加える。
本実施形態では、QSM画像410を、IVIM画像510作成に利用してもよい。この場合(第二例)の、計測処理およびシーケンス画像取得処理の流れの一例を、図12を用いて説明する。
撮像部210は、まず、ASL−PWIシーケンス300による撮像を行い(ステップS2201)、コントロール画像(Control)311とラベル画像(Spin labeled)312とを得る。
次に、撮像部210は、QSMシーケンス400による撮像を行い(ステップS2202)、位相画像(phase map)411と絶対値画像(absolute map)412とを算出する。位相画像411および絶対値画像412を、例えば、記憶装置172に保持しておく。
このとき、撮像部210は、QSMシーケンス400において、MPGパルスを印加する。そして、そのb値を、例えば、10に設定する。
そして、撮像部210は、IVIMシーケンス500による撮像を行う(ステップS2203)。ここでは、b値を変えて、複数回撮像を行う。このとき、QSM撮像において用いたb値(b=10)以外のb値についてのみ、撮像を行う。そして、撮像部210は、QSM撮像において用いたb値以外のb値で得た、複数の画像511を算出する。
最後に、その他の診断画像を得る撮像、血管撮像などを行い(ステップS2204)、処理を終了する。
本実施形態のシーケンス画像取得部220は、第一の実施形態同様、ASL−PWI画像310を、コントロール画像311とラベル画像312とから算出し、QSM画像410を位相画像411から算出する。一方、IVIM画像510は、IVIM撮像で得た画像511と、QSM撮像で得た絶対値画像412とを用いて算出する。
なお、第二例においても、QSMシーケンス400による撮像とIVIMシーケンス500による撮像とは、位置整合の観点から、撮像位置、FOV、スライス厚、マトリクス数を、一致させることが好適である。しかしながら、臨床診断要件からは、一般にQSM画像410は、高空間分解能で撮像し、IVIM画像510は、比較的低解像度で撮像する。これは、SWIからQSM画像410を求めるプロセスで、高精細の位置情報が有ることが望ましいからである。したがって、SWI撮像とASL−PWI撮像とでは、マトリクスや、FOVが異なる場合が多い。このような場合は、物理的な位置が合致するように、公知の拡大縮小の変換プロセスを加えたのちに、IVIM撮像の低b値画像として用いる。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置は、第一の実施形態と同様の撮像部210と、シーケンス画像取得部220と、画像処理部230とを備える。このように、本実施形態は、第一の実施形態と同様の構成を備える。従って、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、第二の撮像シーケンスは、予め定めた複数の異なるb値を用いて複数回実行され、前記撮像部210は、前記第一の撮像シーケンスを、前記予め定めた複数のb値のいずれかを用いて実行し、前記第二の撮像シーケンスを、残りのb値を用いて実行し、前記シーケンス画像取得部220は、前記第二のシーケンス画像を、前記第一の撮像シーケンスで得た再構成画像も用いて算出する。
例えば、撮像部位が脳であり、撮像シーケンスとしてASL−PWIシーケンス300、前記QSMシーケンス400およびIVIMシーケンス500が用いられる場合、本実施形態の撮像部210は、ASL−PWIシーケンス300およびQSMシーケンス400のいずれか一方を、予め定めたb値のいずれかを用いて実行し、IVIMシーケンス500を、残りのb値を用いて実行し、シーケンス画像取得部220は、IVIM画像510を、さらに、ASL−PWIシーケンス300およびQSMシーケンス400のいずれか一方を実行することにより得た再構成画像も用いて生成する。
このように、本実施形態によれば、ASL−PWI撮像で取得したASL−PWI画像310およびQSM撮像で取得したQSM画像410のいずれか一方を、IVIM−CBV算出処理に利用する。このため、本実施形態によれば、IVIM撮像では、ASL−PWI300で取得したASL−PWI画像310およびQSM400で用いたb値以外のb値の撮像のみを行えばよく、全体の撮像時間が短縮する。
さらに、第一例の場合、ASL−PWI撮像では、ラベリングシーケンス(ラベリング撮像部303;図5(a))と、コントロールシーケンス(コントロール撮像部305)との、両方のパルスシーケンスに同じb値を用いる。この結果、両シーケンスで得られる画像の血流が同様に抑制され、コントロール画像とラベリングル画像との差分画像であるASL−PWI画像310での血流信号の残差が小さくなり、演算画像の精度が向上する。
また、第二例の場合、QSMシーケンスにおいてMPGパルスを印加するので、QSM画像410の血流が抑制され、位相画像における、血流による位相回転が無くなり、磁場マップの演算精度が向上する。
なお、第一例、第二例ともに、撮像順は問わない。また、全ての撮像を一連の撮像として行う必要もない。各再構成画像、または、ASL−PWI画像310、QSM画像410、IVIM画像510の少なくとも1つの画像を、予め撮像し、記憶装置172に保持しておき、その後の血行動態画像の算出に、それを用いるよう構成してもよい。
<<第三の実施形態>>
次に、本発明の第三の実施形態を説明する。本実施形態では、各撮像で得られた画像を補正するにあたり、2種以上の画像に同じ補正データを使用して補正を行う。
本実施形態のMRI装置は、基本的に第一の実施形態のMRI装置100と同様の構成を備える。ただし、本実施形態では、各撮像により得たデータから再構成された画像に対し、補正を行う。このため、本実施形態の制御処理部170は、図2(b)に示すように、第一の実施形態の制御処理部170の構成に、補正部240をさらに備える。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
本実施形態も、複数の異なる撮像法を、第一の実施形態同様、ASL−PWIシーケンス300,QSMシーケンス400、IVIMシーケンス500による撮像とし、これらの撮像シーケンスで得た再構成画像から、直接算出する血行動態画像を、ASL−CBF画像330、QSM−OEF画像430、IVIM−CBV画像530とし、直接算出される血行動態画像を組み合わせて算出する血行動態画像を、CMRO2画像620、MTT画像640とする場合を例にあげて説明する。
[補正部]
本実施形態の補正部240の処理を、図13および図14を用いて説明する。本実施形態の補正部240は、再構成画像に対し、画像の輝度分布の補正と、静磁場による画像歪の補正と、を行う。
まず、輝度分布の補正手法を説明する。本実施形態の補正部240は、予め定めた撮像シーケンス(感度マップ取得シーケンス)により得られたデータから、感度マップ(sensitivity map)710を取得する。そして、この感度マップ710を用いて、補正部240は、位相画像411、絶対値画像412、コントロール画像311、ラベル画像312、異なるb値による画像511、それぞれの画像面内の輝度を補正711する。なお、位相画像に対しては、必要に応じて位相を補正する。
感度マップ取得シーケンスは、撮像部位が決まった後で、プリスキャンとして、各撮像に先立ち、撮像部210により実施される。この、感度マップ取得シーケンスは、例えば、2Dもしくは3Dの高速GrEシーケンスを用いる。このとき、被検体のT1、T2、コントラストを出来るだけ排除するようにシーケンスパラメータを選ぶ。面内のマトリクス数は、32もしくは64程度とする。
上記感度マップ取得シーケンスによって得られる感度マップ710は、送信コイル151の面内感度分布と受信コイル161の面内感度分布とを主とするマップとなる。本実施形態の補正部240は、この感度マップ710を用い、それぞれの画像の輝度分布を補正する。これにより、MRI装置100(送信コイル及び受信コイル)の感度の影響を、最終画像から低減或いは排除することが出来る。
次に、静磁場による画像歪の補正について説明する。本実施形態の補正部240は、QSM撮像により得られる位相画像411から、磁場マップ(Field map)720を生成する。そして、補正部240は、この磁場マップ720を用いて、コントロール画像311、ラベル画像312、異なるb値による画像511、それぞれの磁場による画像歪を補正721する。
この補正は、磁場マップ720から、面内の磁場分布を多項式展開した際の、1次項、2次項、3次項までの静磁場成分を抽出し、画像の歪を推測し、その歪を補正する処理である。例えば、脳では,脳低部、副鼻腔、眼底部で、体内の空洞部分と隣接するので、これらの部分で、局所的な磁場歪が発生し、画質が大きく歪む。特にEPIシーケンスを用いる撮像では、その画像歪が顕著である。本実施形態の補正部240は、このような局所的な歪を、磁場マップ720を用いて補正する。
ここで、本実施形態の撮像部210による撮像処理および補正部240による補正処理の流れを、図13および図14を用いて説明する。図13は、感度マップ710による画像面内輝度補正711を説明するための処理フローであり、図14は、磁場マップ720による静磁場画像歪補正721を説明するための処理フローである。各ステップの処理は同じであり、両図を用いて説明する。
撮像部210は、感度マップ取得シーケンスを実行する(ステップS3101)。そして、補正部240は、感度マップ710を取得する。
次に、撮像部210は、QSMシーケンス400による撮像を行い(ステップS3102)、位相画像(phase map)411と絶対値画像(absolute map)412とを取得する。補正部240は、感度マップ710を用いて、これらの画像の面内輝度を補正711する。なお、位相画像に対しては、必要に応じて位相を補正する。さらに、補正部240は、位相画像411から、磁場マップ720を生成する。
次に、撮像部210は、ASL−PWIシーケンス300による撮像を行い(ステップS3103)、コントロール画像311とラベル画像312とを取得する。補正部240は、感度マップ710を用いて、コントロール画像311およびラベル画像312の面内輝度を補正711する。また、補正部240は、磁場マップ720を用いて、これらの画像の静磁場による画像歪を補正721する。
そして、撮像部210は、b値を変えて、複数回、IVIMシーケンス500による撮像を行い(ステップS3104)、b値毎に、複数の画像511を得る。補正部240は、感度マップ710を用いて、各画像511の面内輝度を補正711する。また、補正部240は、磁場マップ720を用いて、各画像511の静磁場による画像歪を補正721する。
最後に、その他の診断画像を得る撮像、血管撮像などを行い(ステップS3105)、処理を終了する。
なお、撮像順は問わない。また、各補正も、画像を取得する毎に行う必要はない。血行動態画像を算出する前であれば、補正のタイミングは問わない。例えば、全撮像を終えた後にまとめて補正を行ってもよい。
また、全ての撮像を一連の撮像として行う必要もない。各再構成画像、ASL−PWI画像310、QSM画像410、IVIM画像510の少なくとも1つの画像を、同じ被検体101同じMRI装置100で、予め撮像し、記憶装置172に保持しておき、その後の血行動態画像の算出に、それを用いるよう構成してもよい。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置は、第一の実施形態と同様の撮像部210と、シーケンス画像取得部220と、画像処理部230とを備える。このように、本実施形態は、第一の実施形態と同様の構成を備える。従って、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態のMRI装置100は、再構成画像に対して補正処理を行う補正部240をさらに備え、前記撮像部210は、感度マップ710を生成するための感度マップ取得シーケンスをさらに実行し、前記補正部240は、前記感度マップ取得シーケンスの実行結果から前記感度マップ710を生成し、当該感度マップ710を用いて、前記再構成画像の輝度を補正する。
さらに、撮像部位が脳であり、撮像シーケンスとしてASL−PWIシーケンス300、前記QSMシーケンス400およびIVIMシーケンス500が用いられる場合、本実施形態の補正部240は、前記QSMシーケンス400により得られた位相画像411から磁場マップ720を生成し、当該磁場マップ720を用いて、前記ASL−PWIシーケンスの実行結果から再構成された画像(コントロール画像311、ラベル画像312)およびIVIMシーケンスの実行結果から再構成された画像(異なるb値で得た画像群511)の少なくとも一方の、静磁場による画像歪を補正してもよい。
このように、本実施形態では、撮像ごとの感度分布や、磁場ひずみを、それぞれ同じ補正データで補正できるので、高い補正精度が得られる。
なお、本実施形態は、第二の実施形態と組み合わせてもよい。
また、本実施形態の感度マップは、例えば、上記第一の実施形態および第二の実施形態の輝度補正元画像SMAP(r)として用いることができる。すなわち輝度補正処理615において、本実施形態の感度マップを用いて、画像面内の輝度分布を補正してもよい。
なお、上記各実施形態の手法は、SPECT(Single Photo Emission CT)の代わりに用いることができる。
SPECT負荷検査には、アセタゾラミド(acetazolamide)を用いる。アセタゾラミドは、脳血管拡張作用を有し、正常脳では局所脳血流が増加する一方、脳の代謝、血圧、呼吸、脈拍などにほとんど影響を与えない。このため、脳血管反応性(脳循環予備能)を評価するために使われる。
脳循環予備能は、例えば、脳主幹動脈に高度狭窄や閉塞などの病変が存在する場合に評価される。このような場合、アセタゾラミド負荷により正常側の脳の血流は上昇し、狭窄病変側は増加しない。このような血流上昇の有無で治療方針に関する情報が得られる。
広く臨床で使われているアセタゾラミド負荷SPECTではあるが、SPECTのアセタゾラミド反応性はCBVやOEFとの相関は低く侵襲も大きいというデメリットもある。
これに対し、本実施形態の手法によれば、非造影MRIの計測で、同様の情報を得ることができる。すなわち、本実施形態によれば、無侵襲に血管予備能・代謝予備能を正確に評価できるメリットがある。
また、上記各実施形態では、撮像部の画像再構成機能、シーケンス画像取得部および画像処理部は、MRI装置100が備えるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、これらのうち、少なくとも一つの機能が、MRI装置100とデータの送受信が可能な、MRI装置100とは独立した情報処理装置上に構築されてもよい。
100:MRI装置、101:被検体、120:静磁場発生部、130:傾斜磁場発生部、131:傾斜磁場コイル、132:傾斜磁場電源、140:シーケンサ、150:送信部、151:送信コイル、152:高周波発振器、153:変調器、154:高周波増幅器、160:受信部、161:受信コイル、162:信号増幅器、163:直交位相検波器、164:D変換器、170:制御処理部、171:CPU、172:記憶装置、173:表示装置、174:入力装置、200:撮像処理、210:撮像部、220:シーケンス画像取得部、230:画像処理部、240:補正部、300:ASL−PWIシーケンス、301:ラベルパルス、302:画像取得シーケンス、303:ラベリング撮像部、304:コントロールパルス、305:コントロール撮像部、310:ASL−PWI画像、311:コントロール画像、312:ラベル画像、320:ASL−CBF算出処理、330:ASL−CBF画像、331:ASL−CBF画像、350:EPIシーケンス、351:RFパルス、352:スライス選択傾斜磁場パルス、353:位相エンコード傾斜磁場パルス、354:周波数エンコード傾斜磁場パルス、355:グラジエントエコー、400:QSMシーケンス、410:QSM画像、411:位相画像、412:絶対値画像、420:QSM−OEF算出処理、430:QSM−OEF画像、431:QSM−OEF画像、450:パルスシーケンス例、460:パルスシーケンス例、500:IVIMシーケンス、510:IVIM画像、511:画像、520:IVIM−CBV算出処理、530:IVIM−CBV画像、531:IVIM−CBV画像、550:EPIシーケンス、555:MPGパルス、610:CMRO2算出処理、611:相互位置合わせ処理、612:歪み補正処理、613:ガウスフィルタ処理、614:マスク処理、615:輝度補正処理、616:乗算、620:CMRO2画像、621:解剖学的標準画像、622:歪補正用元画像、623:マスク元画像、624:輝度補正元画像、630:MTT算出処理、631:相互位置合わせ処理、632:歪み補正処理、633:ガウスフィルタ処理、634:マスク処理、635:輝度補正処理、636:除算、640:MTT画像、710:感度マップ、711:画像面内輝度補正、720:磁場マップ、721:静磁場画像歪補正

Claims (13)

  1. 造影剤を使わない所定の撮像シーケンスに従って被検体の所定の領域からのエコー信号を計測し、得られたエコー信号から再構成画像を得る撮像部と、
    前記再構成画像に予め定めた処理を施し、シーケンス画像を算出するシーケンス画像取得部と、
    前記シーケンス画像に画像処理を施して、前記領域に含まれる所定の部位の血行動態を評価する血行動態画像を算出する画像処理部と、を備え、
    前記撮像部は、第一の撮像シーケンスと、前記第一の撮像シーケンスとは異なる第二の撮像シーケンスと、前記第一の撮像シーケンスおよび前記第二の撮像シーケンスとは異なる第三の撮像シーケンスとを実行し、
    前記シーケンス画像取得部は、前記第一の撮像シーケンスにより得た再構成画像から第一のシーケンス画像を算出し、前記第二の撮像シーケンスにより得た再構成画像から第二のシーケンス画像を算出し、前記第三の撮像シーケンスにより得た再構成画像から再構成された画像に予め定めた処理を施し、第三のシーケンス画像を算出し、
    前記画像処理部は、前記第一のシーケンス画像および前記第二のシーケンス画像から、第一の血行動態画像および前記第一の血行動態画像とは異なる第二の血行動態画像をそれぞれ算出するとともに、前記第三のシーケンス画像から、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像とは異なる第三の血行動態画像を算出し、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像から、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像とは異なる第四の血行動態画像を算出し、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像のいずれか一方と前記第三の血行動態画像とから、前記第一の血行動態画像、前記第二の血行動態画像、前記第三の血行動態画像および前記第四の血行動態画像のいずれとも異なる第五の血行動態画像を算出すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第一の撮像シーケンスは、ASL−PWIシーケンスであり、
    前記第二の撮像シーケンスは、QSMを取得する撮像シーケンスであり、
    前記第三の撮像シーケンスは、IVIMを取得する撮像シーケンスであり、
    前記部位は、脳であり、
    前記第一の血行動態画像は、脳血流量画像であり、
    前記第二の血行動態画像は、酸素摂取率画像であり、
    前記第三の血行動態画像は、脳血液量画像であり、
    前記第四の血行動態画像は、脳酸素消費量画像であり、
    前記第五の血行動態画像は、平均通過時間画像であること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記再構成画像に対して補正処理を行う補正部をさらに備え、
    前記補正部は、前記QSMシーケンスにより得た再構成画像から磁場マップを生成し、当該磁場マップを用いて、前記ASL−PWIシーケンスにより得た再構成画像およびIVIMシーケンスにより得た再構成画像の少なくとも一方の静磁場による画像歪を補正すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記再構成画像に対して補正処理を行う補正部をさらに備え、
    前記撮像部は、感度マップを生成するための感度マップ取得シーケンスをさらに実行し、
    前記補正部は、前記感度マップ取得シーケンスの実行結果から前記感度マップを生成し、当該感度マップを用いて、前記再構成画像の輝度を補正すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 造影剤を使わない所定の撮像シーケンスに従って被検体の所定の領域からのエコー信号を計測し、得られたエコー信号から再構成画像を得る撮像部と、
    前記再構成画像に予め定めた処理を施し、シーケンス画像を算出するシーケンス画像取得部と、
    前記シーケンス画像に画像処理を施して、前記領域に含まれる所定の部位の血行動態を評価する血行動態画像を算出する画像処理部と、を備え、
    前記撮像部は、第一の撮像シーケンスと、前記第一の撮像シーケンスとは異なる第二の撮像シーケンスとを実行し、
    前記シーケンス画像取得部は、前記第一の撮像シーケンスにより得た再構成画像から第一のシーケンス画像を算出し、前記第二の撮像シーケンスにより得た再構成画像から第二のシーケンス画像を算出し、
    前記画像処理部は、前記第一のシーケンス画像および前記第二のシーケンス画像から、第一の血行動態画像および前記第一の血行動態画像とは異なる第二の血行動態画像をそれぞれ算出するとともに、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像から、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像とは異なる第四の血行動態画像を算出する磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第一の撮像シーケンスは、ASL−PWIシーケンスであり、
    前記第二の撮像シーケンスは、IVIM(IntraVoxel Incoherent Motion)を取得する撮像シーケンスであり、
    前記部位は、脳であり、
    前記第一の血行動態画像は、脳血流量画像であり、
    前記第二の血行動態画像は、脳血液量画像であり、
    前記第四の血行動態画像は、平均通過時間画像であること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記画像処理部は、前記脳血液量画像を前記脳血流量画像で除算することにより、前記平均通過時間画像を算出すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第一の撮像シーケンスおよび前記第二の撮像シーケンスは、それぞれ、MPG(Motion Probing Gradient)パルスを印加するシーケンスであり、
    前記第二の撮像シーケンスは、予め定めた複数の異なるb値を用いて複数回実行され、
    前記撮像部は、前記第一の撮像シーケンスを、前記予め定めた複数のb値のいずれかを用いて実行し、前記第二の撮像シーケンスを、残りのb値を用いて実行し、
    前記シーケンス画像取得部は、前記第二のシーケンス画像を、前記第一の撮像シーケンスで得た再構成画像も用いて算出すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第一の撮像シーケンスは、前記第二の撮像シーケンスと、撮像位置、FOV、スライス厚、およびマトリクス数の少なくとも一つを一致させて実行されること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 造影剤を使わない所定の撮像シーケンスに従って被検体の所定の領域からのエコー信号を計測し、得られたエコー信号から再構成画像を得る撮像部と、
    前記再構成画像に予め定めた処理を施し、シーケンス画像を算出するシーケンス画像取得部と、
    前記シーケンス画像に画像処理を施して、前記領域に含まれる所定の部位の血行動態を評価する血行動態画像を算出する画像処理部と、を備え、
    前記撮像部は、第一の撮像シーケンスと、前記第一の撮像シーケンスとは異なる第二の撮像シーケンスとを実行し、
    前記シーケンス画像取得部は、前記第一の撮像シーケンスにより得た再構成画像から第一のシーケンス画像を算出し、前記第二の撮像シーケンスにより得た再構成画像から第二のシーケンス画像を算出し、
    前記画像処理部は、前記第一のシーケンス画像および前記第二のシーケンス画像から、第一の血行動態画像および前記第一の血行動態画像とは異なる第二の血行動態画像をそれぞれ算出するとともに、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像から、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像とは異なる第四の血行動態画像を算出する磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記画像処理部は、前記第四の血行動態画像の算出に先立ち、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像の少なくとも一方に対し、相互位置合わせ処理、歪み補正処理、ガウスフィルタ処理、マスク処理、および輝度補正処理の少なくとも一つの処理を施すこと
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第一の撮像シーケンスは、ASL−PWI(Arterial Spin LabelingーPerfusion Weighted Imaging)シーケンスであり、
    前記第二の撮像シーケンスは、QSM(Quantitative Susceptibility Map)を取得する撮像シーケンスであり、
    前記部位は、脳であり、
    前記第一の血行動態画像は、脳血流量画像であり、
    前記第二の血行動態画像は、酸素摂取率画像であり、
    前記第四の血行動態画像は、脳酸素消費量画像であること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  11. 請求項10記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記画像処理部は、前記脳血流量画像と前記酸素摂取率画像とを乗算することにより、前記脳酸素消費量画像を算出すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 造影剤を使わない第一の撮像シーケンスに従って得た、被検体の所定の部位の第一の再構成画像から、前記部位の血行動態を評価する第一の血行動態画像を算出し、
    前記第一の撮像シーケンスとは異なり、かつ、造影剤を使わない第二の撮像シーケンスに従って得た、前記部位の第二の再構成画像から、前記第一の血行動態画像とは異なり、かつ、前記部位の血行動態を評価する第二の血行動態画像を算出し、
    前記第一の撮像シーケンスおよび前記第二の撮像シーケンスとは異なり、かつ、造影剤を使わない第三の撮像シーケンスに従って得た、前記部位の第三の再構成画像から、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像とは異なり、かつ、前記部位の血行動態を評価する、第三の血行動態画像をさらに算出し、
    前記第一の血行動態画像と、前記第二の血行動態画像とから、前記部位の血行動態を評価する、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像とは異なり、かつ、前記部位の血行動態を評価する第四の血行動態画像を算出し、前記第一の血行動態画像および前記第二の血行動態画像のいずれか一方と前記第三の血行動態画像とから、前記部位の血行動態を評価する、前記第一の血行動態画像、前記第二の血行動態画像、前記第三の血行動態画像および前記第四の血行動態画像のいずれとも異なり、かつ、前記部位の血行動態を評価する第五の血行動態画像をさらに算出すること
    を特徴とする画像作成方法。
  13. 請求項12に記載の画像作成方法であって、
    前記第一の撮像シーケンスは、ASL−PWIシーケンスであり、
    前記第二の撮像シーケンスは、QSMを取得する撮像シーケンスであり、
    前記第三の撮像シーケンスは、IVIMを取得する撮像シーケンスであり、
    前記部位は、脳であり、
    前記第一の血行動態画像は、脳血流量画像であり、
    前記第二の血行動態画像は、酸素摂取率画像であり、
    前記第三の血行動態画像は、脳血液量画像であり、
    前記第四の血行動態画像は、脳酸素消費量画像であり、
    前記第五の血行動態画像は、平均通過時間画像であること
    を特徴とする画像作成方法。
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