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JP6531551B2 - 液体供給ユニットおよび液体供給システム - Google Patents

液体供給ユニットおよび液体供給システム Download PDF

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JP6531551B2
JP6531551B2 JP2015156779A JP2015156779A JP6531551B2 JP 6531551 B2 JP6531551 B2 JP 6531551B2 JP 2015156779 A JP2015156779 A JP 2015156779A JP 2015156779 A JP2015156779 A JP 2015156779A JP 6531551 B2 JP6531551 B2 JP 6531551B2
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Description

本発明は、液体噴射装置に液体を供給する液体供給ユニットおよび液体供給システムに関する。
液体噴射装置の一種として印刷装置が普及しており、印刷装置用の液体供給ユニットとしてインクカートリッジが利用されている。従来から、インクカートリッジを印刷装置に着脱するための種々の係合機構が提案されている。例えば、係合機構としてのレバーを、インクカートリッジの側壁に設ける技術が知られている(特許文献1)。この従来技術では、インクカートリッジをホルダーに装着すると、インクカートリッジのレバーがホルダーの係合部に係合して固定される。取り外しの際には、ユーザーがレバーを押すことによってインクカートリッジと係合部との係合が解除され、インクカートリッジをホルダーから取り外すことができる。特許文献2には、係合機構としてのレバーを、印刷装置のキャリッジ上のホルダーに設ける技術が開示されている。特許文献2の印刷装置では、インクカートリッジをホルダーに装着すると、インクカートリッジの係合部がホルダーのレバーに係合して固定される。取り外しの際には、ユーザーがレバーを押すとことによってインクカートリッジとレバーとの係合が解除され、インクカートリッジをホルダーから取り外すことができる。
特開2007−230249号公報 特開2013−141804号公報
インクカートリッジの小型化と同様にレバーの小型化を進めると、レバーの操作性が損なわれてしまう懸念がある。そのため、インクカートリッジの側壁に特許文献1のようなレバーを設けることに困難さを感じる場合があった。一方で、特許文献2のように、レバーを印刷装置のキャリッジ上のホルダーに設けても、ホルダーの縁に設けられたレバーを押してインクカートリッジを着脱する構造の場合、レバーを小型化すると、ユーザーがレバーを指で正しく操作することが困難になる。そのため、従来の技術にない新たな係合機構の提供が望まれている。そして、このような課題は、印刷装置のインクカートリッジに限らず、他の種類の液体噴射装置の液体供給ユニットにも共通する課題であった。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
本発明の一形態は、液体導入部と、可動部と、を有する液体噴射装置に装着可能な液体供給ユニットであって、筐体と、前記筐体に変位可能に接続された係合部と、を備え、前記筐体は前記液体導入部に液体を供給可能な液体供給部を有し、前記係合部は、前記液体供給ユニットが前記液体噴射装置に装着された状態において前記液体供給部が前記液体導入部に当接する面を基準面とし、前記基準面に対し垂直となる方向を装着方向とし、前記装着方向のうち前記液体導入部から前記液体供給部に向かう方向を第1方向とし、前記装着方向のうち前記液体供給部から前記液体導入部に向かう方向を第2方向と定義したとき、前記液体供給ユニットが前記第1方向に沿って離れる動きを規制するよう、前記可動部に係合可能である、ことを特徴とする。
この形態によれば、液体供給ユニットの係合部を筐体に対して変位させることによって、液体噴射装置の可動部と液体供給ユニットの係合部とを係合させることができる。従って、従来技術に無い新たな係合機構によって係合部と可動部を係合させることができる。これにより、液体供給ユニットの小型化に有利であり、第1方向すなわち、液体噴射装置から取り外す方向への液体供給ユニットの移動を容易に制限することができる。
本発明の一形態において、前記液体供給部は前記液体が通過可能な液体供給口と前記液体供給口を囲む外壁とを有し、前記液体導入部は前記液体が通過可能な液体導入口と前記液体導入口を囲むシール部とを有し、前記基準面は、前記外壁が前記シール部と当接し、前記シール部から前記第1方向に付勢される面である、ことが望ましい。これにより、液体供給ユニットはシール部材により第1方向に持ち上げられ、係合部が可動部に係合することで第1方向への動きを規制することができる。従って、液体供給部と液体導入部の接続状態を安定させることができる。
本発明の一形態において、前記可動部は凹部を有し、前記係合部は、前記液体供給ユニットを前記液体噴射装置に装着する過程において前記可動部を可動させて前記凹部に挿入される爪部を有する、ことが望ましい。これにより、液体供給ユニットは、係合部および可動部を変位させることで凹部と爪部とを係合させることができる。従って、液体供給ユニットの第1方向(液体噴射装置から取り外す方向)への移動を容易に制限することができる。
本発明の一形態において、前記可動部は前記液体噴射装置の壁に配置され、前記係合部は、前記液体供給ユニットを前記液体噴射装置に装着する過程において、前記可動部と前記壁の間に挿入され、前記可動部を可動させる爪部を有する、ことが望ましい。これにより、液体供給ユニットは、係合部および可動部を変位させることで可動部と壁との間に爪部を係合させることができる。従って、液体供給ユニットの第1方向(液体噴射装置から取り外す方向)への移動を容易に制限することができる。
本発明の一形態において、前記爪部は前記可動部に当接可能な当接面を有し、前記当接面は斜面または曲面である、ことが望ましい。あるいは、前記爪部は前記壁に当接可能な当接面を有し、前記当接面は斜面または曲面である、ことが望ましい。これにより、液体供給ユニットは、係合部を変位させるとき、可動部あるいは壁部に斜面または曲面を当接させて可動部を可動させながら、爪部の先端を凹部あるいは可動部と壁部との隙間に挿入させて係合させることができる。従って、液体供給ユニットの第1方向(液体噴射装置から取り外す方向)への移動を容易に制限することができる。
本発明の一形態において、さらに、前記係合部を、前記液体供給ユニットを前記液体噴射装置に装着した状態において前記液体供給ユニットから前記可動部に向かう方向に付勢する付勢部を備え、前記係合部は操作部を有する、ことが望ましい。これにより、液体供給ユニットを液体噴射装置に装着するとき、操作部を用いて係合部を筐体に対して変位させ、しかる後に、付勢部の付勢力によって可動部に係合させることができる。従って、液体供給ユニットの第1方向(液体噴射装置から取り外す方向)への移動を容易に制限することができる。
本発明の一形態によれば、前記係合部は、前記可動部に係合可能な突起と、操作部と、前記突起と前記操作部との間に位置する回動支点と、を有する、ことが望ましい。これにより、液体供給ユニットを液体噴射装置に装着するとき、操作部を用いて係合部を筐体に対して回動させて、突起を可動部に係合させることができる。従って、液体供給ユニットの第1方向(液体噴射装置から取り外す方向)への移動を容易に制限することができる。
次に、本発明の一形態は、上記の液体供給ユニットと、液体収容容器と、前記液体供給ユニットと前記液体収容容器とを接続する液体供給チューブと、を含む液体供給システムである。このような形態は、液体収容容器から液体供給ユニットに液体を供給しながら、液体噴射装置で液体を噴射することができる。
本発明の実施形態1に係るインクカートリッジを装着したプリンターの斜視図である。 インクカートリッジを斜め下側から見た外観斜視図である。 インクカートリッジを斜め上側から見た外観斜視図である。 インクカートリッジの断面図である。 ホルダーの斜視図である。 ホルダーの断面図である。 インクカートリッジをホルダーに装着する過程を模式的に示す説明図である。 インクカートリッジをホルダーに装着する過程における第1係合部の位置の変化を示す説明図である。 第1係合部の先端形状の説明図である。 インクカートリッジがホルダーに装着された状態の断面図である。 実施形態2のインクカートリッジをホルダーに装着する過程を模式的に示す説明図である。 第1係合部と可動部とが係合する箇所を模式的に示す説明図である。 実施形態3のインクカートリッジをホルダーに装着する過程を模式的に示す説明図である。 実施形態4のインクカートリッジをホルダーに装着する過程を模式的に示す説明図である。 実施形態5のインクカートリッジとホルダーを模式的に示す説明図である。 回動可能なレバー式の可動部をホルダーに設けた形態の断面図である。 インクカートリッジのインク収容室の他の形態を示す説明図である。 インクカートリッジの外殻形状の他の形態を示す説明図である。 インクタンクとアダプターに分離可能なインクカートリッジを模式的に示す説明図である。 インクカートリッジを用いたインク供給システムを模式的に示す説明図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した液体供給ユニットおよび液体供給システムの実施形態を説明する。
[実施形態1]
(全体構成)
図1は本発明の実施形態1に係るインクカートリッジを装着したプリンターの斜視図である。液体噴射装置としてのプリンター500は、プリンター500の各部を制御する制御部510と、キャリッジユニット520と、キャリッジユニット520を主走査方向に往復移動させる主走査送り機構と、主走査送り機構と直交する副走査方向に印刷媒体Pを搬送する副走査送り機構を備える。キャリッジユニット520には、液体供給ユニットとしてのインクカートリッジ20が装着される。
本明細書では、相互に直交する3方向をX方向、Y方向、Z方向とする。図1に示すXYZの3方向は、矢印の向きが+方向(正方向)、矢印の向きとは逆向きが−方向(負方向)を示す。プリンター500は、その使用状態において、水平な平面であるXY面に配置される。このとき、キャリッジユニット520を往復移動させる主走査方向(プリンター500の左右方向)に沿った方向がX方向であり、印刷媒体Pを搬送する副走査方向(プリンター500の前後方向)に沿った方向がY方向である。また、鉛直方向(プリンター500の上下方向)はZ方向であり、−Z方向が鉛直下方向となる。
キャリッジユニット520は、インクカートリッジ20が装着されるカートリッジ装着部としてのホルダー60と、ホルダー60の下側に搭載された印刷ヘッド540を備える。本形態のプリンター500は、キャリッジユニット520を構成するホルダー60(オンキャリッジ・ホルダー)にインクカートリッジ20が装着されるオンキャリッジタイプのプリンターである。プリンター500とインクカートリッジ20は、インクカートリッジ20のインク等の液体を印刷ヘッド540に供給して印刷媒体Pに吐出する液体噴射システムを構成する。
なお、キャリッジユニット520とは別の部位に定置式のカートリッジホルダー(オフキャリッジ・ホルダー)を設け、このカートリッジホルダーに装着されたインクカートリッジ20からのインクを、フレキシブルチューブを介してキャリッジユニット520上の印刷ヘッド540に供給してもよい。このようなプリンターは、オフキャリッジタイプと呼ばれる。
プリンター500の主走査機構は、キャリッジモーター522および主走査方向に掛け渡された駆動ベルト524を備え、駆動ベルト524を介して、キャリッジモーター522の動力をキャリッジユニット520に伝達する。また、副走査送り機構は、搬送モーター532およびプラテンローラー534を備え、プラテンローラー534を介して、搬送モーター532の動力で印刷媒体Pを搬送する。キャリッジモーター522および搬送モーター532は、制御部510からの制御信号に基づいて動作する。
インクカートリッジ20は、印刷材としてのインクを収容する。インクカートリッジ20に収容されるインクは、インクカートリッジ20が装着されるホルダー60を介して、印刷ヘッド540に供給される。実施形態1のホルダー60には、複数のインクカートリッジ20が着脱可能に装着される。具体的には、ブラック、イエロー、マゼンダ、ライトマゼンダ、シアン、およびライトシアンの6色のインクを吐出するため、6種類のインクカートリッジ20を1つずつ装着可能な6つのカートリッジ装着スロットがホルダー60に設けられている。なお、ホルダー60に装着可能なインクカートリッジ20の数や種類は上記のような数や種類に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
制御部510とキャリッジユニット520は、フレキシブルケーブル517を介して電気的に接続されている。印刷ヘッド540は、制御部510からの制御信号に基づいて動作し、印刷媒体Pに向けてインクを吐出する。これにより、印刷媒体Pに印刷が施される。
(インクカートリッジ)
図2、図3はインクカートリッジ20の外観斜視図であり、図2は斜め下側から見た斜視図、図3は斜め上側から見た斜視図である。インクカートリッジ20は、筐体22と、液体供給部としてのインク供給部280と、端子部40と、第1係合部914と、第2係合部220を備える。第1係合部914と第2係合部220は、インクカートリッジ20をホルダー60に係合させるための構造である。第1係合部914は筐体22とは別体であり、筐体22に対して変位可能に接続されている。一方、第2係合部220は筐体22と一体に構成されている。
筐体22の内部には、液体収容室としてのインク収容室200が形成されている。筐体22は、ポリプロピレン(PP)製である。なお、筐体22の一部が樹脂製フィルムで形成されていてもよい。筐体22は略直方体状であり、−Z方向側の壁面である第1壁201と、+Z方向側の壁面である第2壁202と、+Y方向側の壁面である第3壁203と、−Y方向側の壁面である第4壁204と、+X方向側の壁面である第5壁205と、−X方向側の壁面である第6壁206を備える。また、筐体22は、第1壁201と第5壁205が交差する角部をカットした斜面である第8壁208と、第8壁208と第1壁201とを繋ぐ第7壁207を備える。
筐体22の第8壁208は、XY面およびXZ面に対して傾斜し、YZ面に対して垂直な面である。端子部40は、第8壁208に配置された回路基板41と、回路基板41に搭載された端子群42を備える。端子群42は、回路基板41の表面に配列された接触部を備える。回路基板41の裏側には記憶素子が設けられている。記憶素子には、インクカートリッジ20のインクに関する情報(インク量やインク色など)が記憶されている。端子群42は、記憶素子と電気的に接続されている。
図4は、インクカートリッジ20の断面図である。インク供給部280は、インク供給口281と、インク供給口281を囲む外壁282を備える。インク供給口281にはインク流通孔283が形成され、インクの通過が可能である。外壁282は、第1壁201から−Z方向に突出する周壁であり、その先端面は−Z方向を向く開口面288となっている。外壁282に囲まれる領域には、インク供給口281を−Z方向から覆うように発泡体樹脂284が配置されている。インクカートリッジ20の出荷時には、インク供給部280の開口面288はキャップまたはフィルムなどの封止部材(図示せず)で封止されている。この封止部材は、ホルダー60にインクカートリッジ20を装着する前に、インクカートリッジ20から取り外される。封止部材を取り外すと、インクカートリッジ20内のインク収容部200は、インク流通孔283および発泡体樹脂284を介して外部と連通する。
筐体22において、第2壁202と第3壁203が繋がる角部には、Y方向に移動可能な移動部910が配置されている。移動部910は、操作部912と、第1係合部914を備える。第1係合部914は、移動部910の+Y方向の端部に設けられ、第3壁203に設けられた開口から+Y方向に突出する。操作部912は、移動部910の+Z方向の面に設けられ、筐体22の第2壁202に設けられた開口から外部に露出する。移動部910の−Y方向側には、付勢部916が配置されている。付勢部916は、例えば金属製のバネであり、移動部910を+Y方向に付勢可能である。
操作部912の表面には、多数の凹凸が形成されている。ユーザーは、第2壁202に露出する操作部912に指を押し当てて、移動部910を+Y方向および−Y方向に容易にスライドさせることができる。これにより、第3壁203からの第1係合部914の突出寸法が変化する。なお、本形態では、操作部912と第1係合部914が一体の部材である移動部910を構成しているが、操作部912と第1係合部914を別体の部材で構成してもよい。
第2係合部220は、筐体22の第4壁204から−Y方向に突出する突起である。第1係合部914と第2係合部220は、後述するように、ホルダー60と係合することによって、インクカートリッジ20が+Z方向に移動する動きを規制する。
(ホルダー)
図5はホルダー60の斜視図であり、図6はホルダー60の断面図である。ホルダー60は、インクカートリッジ20を収容するカートリッジ収容部602を備える。カートリッジ収容部602は、ホルダー60の底壁部601、第1側壁部603、第2側壁部604、第3側壁部605、第4側壁部606に囲まれる凹部空間である。底壁部601は、ホルダー60の底部を構成する。第1側壁部603と第2側壁部604は、それぞれ、ホルダー60の+Y方向の壁面と−Y方向の壁面を構成する。また、第3側壁部605と第4側壁部606は、それぞれ、ホルダー60の−X方向の壁面と+X方向の壁面を構成する。これら5面の壁部は板状であり、合成樹脂によって形成されている。
カートリッジ収容部602には、接点機構70およびインク導入部640が設けられている。接点機構70は、底壁部601と第1側壁部603が繋がる角部の内側に配置されている。また、インク導入部640は、底壁部601に設けられている。実施形態1では、6つのインクカートリッジ20をX方向に並べてホルダー60に装着するため、6つの接点機構70と6つのインク導入部640をカートリッジ収容部602に設けている。6つの接点機構70と6つのインク導入部640は、X方向に配列されている。隣り合うインク導入部640の間はリブによって仕切られている。リブによってX方向に区画された領域は、それぞれ、1つのインク導入部640を備えるカートリッジ装着スロットになっている。
接点機構70は、複数の端子を配列した端子群71と、これら端子群71を保持する端子台72を備える。端子台72は、底壁部601および第1側壁部603に対して傾斜する傾斜面73を備え、傾斜面73に端子群71を構成する各端子の接触部が配置されている。端子群71は、各端子の接触部が傾斜面73から突出する方向に付勢されている。端子群71の接触部は、インクカートリッジ20がホルダー60に装着されたとき、インクカートリッジ20側の端子群42の接触部と弾性的に接触する。
インク導入部640は、インク導入口641と、インク導入口641を囲むシール部648を備える。シール部648はZ方向に弾性変形可能である。インク導入口641は、底壁部601からカートリッジ収容部602内に突出する。インク導入口641の先端にはメッシュフィルター642が取り付けられている。インク導入口641には、インクが通過するインク通路が形成されている。
第1側壁部603はホルダー60の+Y方向の端部に位置し、ホルダー60の正面を構成する。ホルダー60は、第3側壁部605に対してZ方向に移動可能な可動部80を備える。実施形態1では、可動部80の−Z方向の端部と第3側壁部605との間には、金属製のバネなどの付勢部81が配置されている。付勢部81は、可動部80を−Z方向に付勢する。可動部80はカートリッジ収容部602に面しており、この部位に、インクカートリッジ20の第1係合部914と係合可能な係合凹部82が形成されている。
第2側壁部604はホルダー60の−Y方向の端部に位置し、ホルダー60の背面を構成する。第2側壁部604のカートリッジ収容部602に面する部位には、インクカートリッジ20の第2係合部220と係合可能な係合孔620が形成されている。係合孔620は、第2側壁部604をY方向に貫通する貫通部である。
ホルダー60には、装着されるインクカートリッジ20の数に応じた数の係合凹部82と係合孔620が設けられている。本形態では、6個のインクカートリッジ20を装着するため、第1側壁部603に沿って、係合凹部82を備える可動部80がX方向に6個並んでいる。また、第2側壁部604には、X方向に並ぶ6つの係合孔620が形成されている。
(インクカートリッジの装着)
図7は、インクカートリッジ20をホルダー60に装着する過程を模式的に示す説明図である。また、図8は、インクカートリッジ20をホルダー60に装着する過程における第1係合部914の位置の変化を示す説明図である。図8(a)に示すように、インクカートリッジ20をホルダー60に装着する前は、インクカートリッジ20の第1係合部914が付勢部916の付勢力によって筐体22から+Y方向に突出しており、その先端は、第1位置Aにある。ホルダー60にインクカートリッジ20を装着する際には、まず、図7(a)に示すように、インクカートリッジ20の後端側(第2係合部220の側)をインクカートリッジ20の前端側(第1係合部914の側)に対し−Z方向に下げた斜めの姿勢で、インクカートリッジ20をカートリッジ収容部602に入れる。そして、突起状の第2係合部220をホルダー60の係合孔620に挿入して係合させる。なお、ホルダー60の係合孔620は、貫通部でなくてもよい。例えば、第2係合部220を係合可能な凹部であってもよい。
しかる後に、図7(b)に示すように、インクカートリッジ20の前端側(第1係合部914の側)を−Z方向に下げて水平な姿勢にする。このとき、ユーザーが操作部912を指で押さえて移動部910を−Y方向に移動させて、第1係合部914を筐体22内に引き込む。第1係合部914の先端を第2位置B(図8(b)参照)まで引き込むと、インクカートリッジ20をカートリッジ収容部602に水平な姿勢で収めることができる。
しかる後に、ユーザーが操作部912から指を離すと、付勢部916の付勢力によって第1係合部914が筐体22から+Y方向に突出する。これにより、図7(c)に示すように、第1係合部914が可動部80の係合凹部82に挿入されて係合される。このとき、第1係合部914の先端は、可動部80の係合凹部82に衝突するため、図8(c)に示す第3位置Cまで突出する。第3位置Cは、第1位置Aよりも−Y方向側の位置である。
なお、第1係合部914の先端が、第1位置Aと同じ位置に戻った状態で、可動部80の係合凹部82に収まるものであってもよい。
このように、インクカートリッジ20は、+Y方向の端部(前端部)で第1係合部914が可動部80の係合凹部82と係合し、−Y方向の端部(後端部)で第2係合部220が第2側壁部604の係合孔620と係合する。可動部80は、付勢部81によって−Z方向に付勢されているので、第1係合部914と係合凹部82との係合状態は安定している。これら2箇所の係合構造によって、インクカートリッジ20がホルダー60に対して+Z方向へ移動することが規制される。
図9は、第1係合部914の先端形状の説明図であり、図7(c)の領域Aの部分拡大図である。図9(a)に示すように、第1係合部914の先端には、先細り形状の爪部915が形成されている。爪部915は、インクカートリッジ20をホルダー60に装着するとき、可動部80を可動させて係合凹部82に係合される。
爪部915は、係合凹部82への挿入方向である+Y方向に対して傾斜し、且つ、係合相手である可動部80の移動方向であるZ方向(+Z方向あるいは−Z方向)に対しても傾斜した斜面915aを備える。図9に示す例では、斜面915aは、インクカートリッジ20がホルダー60に装着された状態で斜め前方上側を向く面(+Y方向および+Z方向を向く傾斜面)である。斜面915aは、係合凹部82に爪部915が挿入されるときに、係合凹部82の+Z方向の縁に当接する当接面である。このように、当接面が挿入方向(+Y方向)に対して傾いていると、+Y方向に進入する爪部915が可動部80を+Z方向に押し上げる。その結果、図9(b)に示すように、係合凹部82の奥まで爪部915を挿入することができる。
斜面915aは、インクカートリッジ20の斜め前方下側を向く傾斜面(+Y方向および−Z方向側を向く傾斜面)であってもよい。この場合、斜面915aは、係合凹部82の−Z方向の縁に当接する当接面となる。従って、第1係合部914が+Y方向に移動するとき、斜面915aによって可動部80を−Z方向に押し下げて、係合凹部82の奥まで爪部915を挿入することができる。なお、爪部915の先端に、図9(c)に示すような曲面(凸状の湾曲面)を設けてもよい。このような形状でも、斜面915aを設けた場合と同様な効果が得られる。
図10は、インクカートリッジ20がホルダー60に装着された状態の断面図であり、図7(c)の状態を示す。インクカートリッジ20がホルダー60に装着されるとき、ホルダー60側のインク導入部640と、インクカートリッジ20側のインク供給部280がZ方向に対向する。インク供給部280は、インク供給口281を囲む外壁282の先端面である開口面288を備える。開口面288は−Z方向を向いており、インク導入口641を囲むシール部648に弾性的に接触して密着する。これにより、インク供給口281とインク導入口641の周囲が密閉され、インクの漏出が防止される。また、このとき、メッシュフィルター642が発泡体樹脂284に押し付けられた状態で面接触する。これにより、メッシュフィルター642と発泡体樹脂284が接続された状態となる。
本明細書において、インクカートリッジ20のインク供給部280が、ホルダー60のインク導入部640に当接する面を基準面SPとし、インク供給部280とインク導入部640とが当接する方向を装着方向SDとすると、装着方向SDは基準面SPに対し垂直となる方向である。上述したように、インク供給部280とインク導入部640は、開口面288とシール部648とが当接するので、基準面SPは開口面288である。プリンター500の使用状態では、開口面288はXY面であるため、基準面SPはXY面であり、装着方向SDはZ方向である。また、装着方向SDのうちインク導入部640からインク供給部280に向かう方向(インクカートリッジ20を取り外す方向)を第1方向とし、インク供給部280からインク導入部640に向かう方向(インクカートリッジ20を取り付ける方向)を第2方向とするとき、第1方向は+Z方向であり、第2方向は−Z方向である。
図10に示すように、インクカートリッジ20をホルダー60に装着すると、開口面288はシール部648に弾性的に接触して、シール部648から+Z方向(第1方向)の付勢力Psを受ける。また、回路基板41の端子群42に接点機構70の端子群71が弾性的に接触して、回路基板41が端子群71から斜め上向きの付勢力Ptを受ける。これらの付勢力Ps、Ptは、インク供給部280からインク導入部640に向かう第2方向(−Z方向)と逆向きの力であるので、インクカートリッジ20がホルダー60から外れる方向に作用する。しかしながら、上述したように、本形態では、第1係合部914が可動部80の係合凹部82と係合し、第2係合部220が第2側壁部604の係合孔620と係合しているので、インクカートリッジ20は+Z方向(第1方向)への移動が規制されており、付勢力Ps、Ptに抗して図10の位置に位置決めされる。従って、端子部40の端子群42と接点機構70の端子群71との電気的接続が安定する。また、インク導入部640とインク供給部280との接続状態を、インクの漏れがない安定した接続状態に維持することができる。
以上のように、実施形態1では、インクカートリッジ20をホルダー60に装着するとき、インクカートリッジ20の第1係合部914をY方向に変位させて、第1係合部914の先端に設けられた爪部915を、ホルダー60に連結された可動部80の係合凹部82に挿入して係合させることができる。そして、これにより、ホルダー60から取り外す方向(+Z方向/第1方向)へのインクカートリッジ20の移動を容易に制限することができる。このような構成では、インクカートリッジ20とホルダー60とを係合させる際に、ホルダー60の側に設けたレバーなどを操作する必要がない。よって、インクカートリッジ20およびホルダー60の小型化に有利である。
[実施形態2]
図11は、実施形態2のインクカートリッジ20をホルダー60Aに装着する過程を模式的に示す説明図である。以下、既に説明した形態と同一の部分は同一の符号で示して説明を省略し、異なる部分のみ異なる符号を付して説明する。実施形態2は、インクカートリッジ20の第1係合部914と係合するホルダー60Aの部分の構造が実施形態1と異なる。
実施形態2のホルダー60Aは、第1側壁部603Aと、第1側壁部603Aに沿ってZ方向に移動可能な可動部80Aを備える。第1側壁部603Aは、可動部80Aに対して+Z方向側に位置する第1規制面84と、可動部80Aに対して−Z方向側に位置する第2規制面85を備える。実施形態2の第1規制面84と第2規制面85は、カートリッジ収容部602に面する凹部の内側面であり、この凹部に可動部80AがZ方向にスライド可能な状態で配置されている。第1規制面84と可動部80Aとの間には、金属製のバネなどの付勢部86が配置されている。付勢部86は、可動部80Aを−Z方向に付勢する。
ホルダー60Aにインクカートリッジ20を装着する際には、実施形態1と同様に行う。すなわち、図11(a)に示すように、インクカートリッジ20の後端側(第2係合部220の側)をインクカートリッジ20の前端側(第1係合部914の側)に対し−Z方向に下げた斜めの姿勢で、突起状の第2係合部220をホルダー60Aの係合孔620に係合させる。しかる後に、図11(b)に示すように、インクカートリッジ20の第1係合部914を筐体22内に引き込み、インクカートリッジ20をカートリッジ収容部602に水平な姿勢で収める。しかる後に、付勢部916の付勢力によって第1係合部914を筐体22から+Y方向に突出させる。これにより、図11(c)に示すように、第1係合部914は、可動部80Aの下端面と第1側壁部603Aの第2規制面85との隙間に挿入されて、ホルダー60Aに係合される。可動部80Aは、付勢部86によって−Z方向に付勢されているので、第1係合部914とホルダー60Aとの係合状態は安定している。
図12は、第1係合部914と可動部80Aとが係合する箇所を模式的に示す説明図であり、図11(c)の領域Bの部分拡大図である。第1係合部914の先端には、+Y方向および−Z方向を向く斜面915aを備える爪部915が形成されている。斜面915aは、可動部80Aの下端面と第2規制面85との間の隙間に爪部915が挿入されるときに、第1側壁部603Aに設けられた第2規制面85の−Y方向の縁に当接する当接面である(図12(a)参照)。なお、実施形態1と同様に、斜面915aは+Y方向および−Z方向を向く傾斜面であってもよいし、図12(c)に示すような曲面であってもよい。このような形状では、+Y方向に進入する爪部915が可動部80Aを+Z方向に押し上げる。その結果、図12(b)に示すように、係合凹部82の奥まで爪部915を挿入することができる。
実施形態2では、可動部80Aの下端面と第1側壁部603Aの第2規制面85の縁が、図12(d)に示すようなR状の面、あるいは斜面になっていることが望ましい。このような形状にすることで、可動部80Aの下端面と第1側壁部603Aの第2規制面85との隙間に、第1係合部914の先端を容易に係合させることができる。
[実施形態3、4]
図13は、実施形態3のインクカートリッジ20Bをホルダー60Bに装着する過程を模式的に示す説明図である。また、図14は、実施形態4のインクカートリッジ20Bをホルダー60Cに装着する過程を模式的に示す説明図である。実施形態3、4のインクカートリッジ20Bは、第1係合部914Bが実施形態1、2と異なる位置に配置されている。具体的には、インクカートリッジ20Bの上端面(筐体22の第2壁202)のすぐ下側から、第1係合部914Bが突出している。第1係合部914Bは、操作部912と一体に形成されて、移動部910Bを構成している。
実施形態3のホルダー60Bは、第1側壁部603Bと、第1側壁部603Bに対してZ方向に移動可能な可動部80Bを備える。可動部80Bの下端部(−Z方向の端部)と第1側壁部603Bとの間には、金属製のバネなどの付勢部87が配置されている。付勢部87は、可動部80Bを−Z方向に付勢する。可動部80Bは、実施形態1と同様に、カートリッジ収容部602の側を向く面に形成された係合凹部88を備える。
また、実施形態4のホルダー60Cは、第1側壁部603Cと、第1側壁部603Cに沿ってZ方向に移動可能な可動部80Cを備える。第1側壁部603Cは、実施形態2の第1側壁部603Aと同様に形成され、可動部80Cに対して+Z方向側に位置する第1規制面89と、可動部80Aに対して−Z方向側に位置する第2規制面90を備え、第1規制面89と第2規制面90の間に、可動部80CがZ方向にスライド可能な状態で配置されている。第2規制面90と可動部80Cとの間には、金属製のバネなどの付勢部91が配置されている。付勢部91は、可動部80Cを−Z方向に付勢する。
ホルダー60B、60Cにインクカートリッジ20Bを装着する際には、実施形態1、2と同様に行う。すなわち、図13(a)、図14(a)に示すように、インクカートリッジ20Bの後端側(第2係合部220の側)をインクカートリッジ20Bの前端側(第1係合部914Bの側)に対し−Z方向に下げた斜めの姿勢で、突起状の第2係合部220をホルダー60B、60Cの係合孔620に係合させる。しかる後に、図13(b)、図14(b)に示すように、インクカートリッジ20Bの第1係合部914Bを筐体22内に引き込み、インクカートリッジ20Bをカートリッジ収容部602に水平な姿勢で収める。しかる後に、付勢部916の付勢力によって第1係合部914Bを筐体22から+Y方向に突出させる。これにより、図13(c)に示すように、第1係合部914Bは、可動部80Bの係合凹部88に挿入されて係合される。あるいは、図14(c)に示すように、第1係合部914Bは、可動部80Cの上端面と第1側壁部603Cの第1規制面89との間の隙間に挿入されて、ホルダー60Cに係合される。
なお、実施形態1、実施形態2、実施形態3、実施形態4で説明したインクカートリッジ20、20Bのいずれについても、第1係合部914、914Bが上端面(筐体22の第2壁202)から+Y方向に向かって延在し、かつ筐体22の第3壁203から+Y方向に向かって突出している形態であってもよい。
[実施形態5]
図15は、実施形態5のインクカートリッジ20Dとホルダー60Dを模式的に示す説明図であり、図15(a)はインクカートリッジ20Dの説明図、図15(b)はインクカートリッジ20Dをホルダー60Dに装着した状態を示す。実施形態5のインクカートリッジ20Dは、筐体22に対して回動可能な移動部910Dを備える。移動部910Dは、筐体22の第2壁202と第3壁203(図4参照)が繋がる角部に設けられた回動支点92を中心として、X方向と平行な回転軸線回りに回動可能である。移動部910Dは、操作部912Dと、第1係合部914Dを備える。第1係合部914Dの先端には、突起93が設けられている。回動支点92は、操作部912Dと突起93の間に設けられている。なお、回動支点92は、筐体22の第2壁202に設けられていても、第3壁203に設けられていてもよい。
ホルダー60Dは、実施形態2と同様の第1側壁部603Dと、第1側壁部603Dに沿ってZ方向に移動可能な可動部80Dを備える。可動部80Dは、第1側壁部603Dに形成された凹部空間に収容され、Z方向に移動可能である。可動部80Dの+Z方向側には付勢部94が配置され、付勢部94は可動部80Dを−Z方向に付勢している。可動部80Dの下端面は、可動部80Dが収容される凹部空間の内側面である第1規制面95と対向する。
ホルダー60Dにインクカートリッジ20Dを装着する際には、まず、実施形態1〜4と同様にして、インクカートリッジ20Dの後端側の第2係合部220をホルダー60Dの係合孔620に係合させる。しかる後に、ユーザーが操作部912Dを+Y方向に倒し、第1係合部914Dを−Z方向に回動させて下向きの姿勢にする。そして、この状態でインクカートリッジ20Dをカートリッジ収容部602に水平な姿勢で収める。このとき、可動部80Dの下端面と、第1側壁部603Dの第1規制面95との隙間に第1係合部914Dの突起93を係合させる。これにより、第1係合部914Dがホルダー60Dに係合して、インクカートリッジ20DのZ方向への移動が規制される。
なお、実施形態5において、実施形態1、3と同様に可動部80Dに凹部を形成し、この凹部に第1係合部914Dを形成させる構成としてもよい。また、突起93の形状を実施形態1等の爪部915の先端と同様の形状にしてもよい。
[可動部の他の形態]
図16は、回動可能なレバー式の可動部80Eをホルダー60Eに設けた形態の断面図である。この形態では、ホルダー60Eの第1側壁部603Eの上部に、X方向と平行な回転軸線96回りに回動可能な可動部80Eが設けられている。可動部80Eは、回転軸線96から+Z方向側に延びる部分に形成された係合凹部97を備える。この形態のホルダー60Eには、実施形態3、4のインクカートリッジ20Bを装着可能であり、インクカートリッジ20Bの第1係合部914Bを係合凹部97に係合させることができる。これにより、上記各形態と同様に、ホルダー60Eから取り外す方向(+Z方向/第1方向)へのインクカートリッジ20Bの移動を容易に制限することができる。また、従来技術に無い新たな係合機構によってインクカートリッジ20Bをホルダー60Eに装着することが可能である。
[インク収容室の他の形態]
図17は、インクカートリッジのインク収容室の他の形態を示す説明図である。図17(a)は、実施形態3、4のインクカートリッジ20Bと同様の第1係合部914Bを備えるインクカートリッジの形態である。図17(a)の形態では、上述したように、第1係合部914Bは操作部912と一体に形成されて移動部910Bを構成している。付勢部916は別体のバネ等で形成されている。この形態では、インクカートリッジの内部空間であるインク収容室が、インク貯蔵室242とインク供給室244に区画されている。インク貯蔵室242は第3壁203の側に位置する。筐体22の第2壁202には、インク貯蔵室242の上方にインク注入口241が形成されている。インク注入口241は、インクカートリッジの使用時にはシール材等でシールされる。一方、インク供給室244は第4壁204の側に位置する。インク供給室244にはインク保持部材246が配置されている。筐体22の第2壁202には、インク供給室244の上方の位置に大気連通孔243が形成されている。また、インク供給室244は、インク供給部280のインク流通孔283に連通する。
図17(b)は、第1係合部914B、操作部912と一体形成された付勢部917を備える移動部910aを有し、インク収容室の構造は、図17(a)のインクカートリッジと同様の形態である。移動部910aは、インクカートリッジの筐体とは別体に形成され、付勢部917がY方向に弾性変形して、第1係合部914Bを+Y方向に付勢する。
図17(c)は、第1係合部914B、操作部912と一体形成された付勢部917を備える移動部910bが、インクカートリッジの筐体と一体に形成された形態である。この形態では、インク収容室の構造は、図17(a)と同様である。移動部910bは、インクカートリッジの筐体と繋がっている付勢部917がY方向に弾性変形して、第1係合部914Bを+Y方向に付勢する。
図17(d)は、インク貯蔵室242と第3壁203および回路基板41との間に収容室248が形成され、ここに移動部910cが配置されている。この移動部910cは、第1係合部914CのZ方向の位置が、図17(a)の第1係合部914Bよりも−Z方向側である。具体的には、第1係合部914Cは、インクカートリッジの底面である第1壁201からの距離が、インクカートリッジのZ方向の高さ(第1壁201と第2壁202との距離)の1/2以下となる位置に配置されている。このように、第1係合部914Cを低い位置に設けることで、端子部40と接点機構70との接続状態をより安定化させることができる。
[インクカートリッジの外殻形状の他の形態]
図18は、インクカートリッジの外殻形状の他の形態を示す説明図である。なお、第1係合部914を備える移動部910の構成は上記の各形態で示した範囲内であるため、図18では、移動部910の図示を省略している。図18(a)に示すインクカートリッジ20cの筐体は、楕円形または長円形の側面を有し、正面からみた形態(Y方向視の形態)は一定の幅を有する。インクカートリッジ20cの底面にはインク供給部280が形成され、正面の斜め下側に設けられた斜面(第8壁208)には端子部40設けられている。また、インクカートリッジ20cの背面には第2係合部220が形成されている。なお、図18(a)で破線で示す形態は、実施形態1のインクカートリッジ20が備える筐体22の外形である。
図18(b)に示すインクカートリッジ20dの筐体は、直方体形状をしているが、端子部40が設けられる第8壁208が第3壁203と繋がっていない。
図18(c)に示すインクカートリッジ20eの筐体、および図18(d)に示すインクカートリッジ20fの筐体は、端子部40が設けられる第8壁208が第1壁201と繋がっており、第1壁201と第8壁208との間に、図18(d)において破線で示す第7壁207が設けられていない。
図18(e)に示すインクカートリッジ20gは、筐体の第8壁208に、端子部40がバネを介して取り付けられている。また、図18(f)に示すインクカートリッジ20hは、筐体が可動壁209を備えており、端子部40が可動壁209に取り付けられている。
[インク収容部を分離可能な形態]
図19は、インクタンク211とアダプター212に分離可能なインクカートリッジ20Jを模式的に示す説明図である。図19(a)はインクタンク211をアダプター212に装着した状態、図19(b)はインクタンク211をアダプター212から分離した状態を示す。インクタンク211はインクが収容される容器であり、アダプター212に着脱可能である。アダプター212は、上述した実施形態1のインクカートリッジ20の筐体22を構成する壁部のうち、少なくとも第1壁201、第3壁203、第4壁204、第8壁208を構成する部分を備える。アダプター212の底部を構成する第1壁201にはインク供給部280が設けられ、第8壁208には端子部40が設けられ、第4壁204には第2係合部220が設けられ、第3壁203には第1係合部914が設けられている。従って、アダプター212にインクタンク211を装着した状態で、上記各形態と同様に、アダプター212をホルダー60に着脱することが可能である。
インクタンク211の底部には、インク供給部280と接続されるタンク側供給部213が設けられている。インクカートリッジ20Jは、インクタンク211をアダプター212に装着した状態で、タンク側供給部213およびインク供給部280を介して、インクタンク211内のインクを、上述したホルダー60のインク導入部640へ供給することができる。
[外付けタンクを備えるインク供給システムの形態]
図20は、インクカートリッジ20を用いたインク供給システム100を模式的に示す説明図である。液体供給システムとしてのインク供給システム100は、インクカートリッジ20と、液体としてのインクを収容する外部タンク101と、インクカートリッジ20と外部タンク101とを接続する液体供給チューブとしてのフレキシブルチューブ102を備える。外部タンク101は、プリンター500の外部に設置される。例えば、プリンター500の外部に定置式のタンクホルダーを設置し、このタンクホルダーに外部タンク101をセットすることができる。
インク供給システム100は、外部タンク101のインクをフレキシブルチューブ102を介してインクカートリッジ20に供給可能である。従って、インクカートリッジ20を上述したプリンター500のホルダー60に装着すると、外部タンク101のインクをインクカートリッジ20を介してホルダー60のインク導入部640に供給し、プリンター500で印刷を行うことができる。この形態では、インク切れになったときにインクカートリッジ20を交換する必要がなく、外部タンク101を交換するか、あるいは外部タンク101にインクを補充すればよい。従って、インクカートリッジ20を小型化できる。なお、複数のインクカートリッジ20を装着するプリンター500の場合には、複数のインクカートリッジ20のうちの1部をフレキシブルチューブ102で外部タンク101に接続することもできる。
以上説明したように、実施形態1のインクカートリッジ20の第1係合部914および可動部80の構成、インク収容部の構成、筐体22の構成、等は、実施形態2以降の形態で示したように、種々の変形が可能である。そして、いずれの構成でも、上述した実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、インクカートリッジをホルダーに装着すると、インクカートリッジの前端と後端の2箇所の係合構造によって、インクカートリッジがホルダーに対して+Z方向へ移動することが規制される。これにより、インクカートリッジとホルダーとの電気的接続が安定し、インクの漏れも防止される。そして、2箇所の係合構造のうちの一方は、ホルダー側の可動部に対し、インクカートリッジの係合部を変位させて係合させる構造である。従って、係合状態が安定する。
なお、上記各形態の構成は、目的や用途に応じて、適宜組み合わせて用いることができる。また、本発明は、インクジェットプリンターおよびそのインクカートリッジに限らず、インクを含む各種の液体を噴射する各種の液体噴射装置およびそのホルダーに着脱される液体供給ユニットにも適用することができる。例えば、ファクシミリなどの画像形成装置に適用することができる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を含むものとする。また、カラーフィルターの製造に用いられる色材を噴射する装置、電極材を噴射する装置、各種の試料を噴射する装置、潤滑油を噴射する装置、樹脂液を噴射する装置、エッチング液を噴射する装置、等で用いる液体供給ユニットに適用することができる。
20、20B、20D、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20J…インクカートリッジ(液体供給ユニット)、22…筐体、40…端子部、41…回路基板、42…端子群、60、60A、60B、60C、60D、60E…ホルダー、70…接点機構、71…端子群、72…傾斜面、73…端子台、80、80A、80B、80C、80D、80E…可動部、81…付勢部、82…係合凹部(凹部)、84…第1規制面、85…第2規制面、86…付勢部、87…付勢部、88…係合凹部、89…第1規制面、90…第2規制面、91…付勢部、92…回動支点、93…突起、94…付勢部、95…第1規制面、96…回転軸線、97…係合凹部、100…インク供給システム(液体供給システム)、101…外部タンク(液体収容容器)、102…フレキシブルチューブ(液体供給チューブ)、200…インク収容室、201…第1壁、202…第2壁、203…第3壁、204…第4壁、205…第5壁、206…第6壁、207…第7壁、208…第8壁、209…可動壁、211…インクタンク、212…アダプター、213…タンク側供給部、220…第2係合部、241…インク注入口、242…インク貯蔵室、243…大気連通孔、244…インク供給室、246…インク保持部材、248…収容室、280…インク供給部(液体供給部)、281…インク供給口(液体供給口)、282…外壁、283…インク流通孔、284…発泡体樹脂、288…開口面、500…プリンター、510…制御部、517…フレキシブルケーブル、520…キャリッジユニット、522…キャリッジモーター、524…駆動ベルト、532…搬送モーター、534…プラテンローラー、540…印刷ヘッド、601…底壁部、602…カートリッジ収容部、603、603A、603B、603C、603D、603E…第1側壁部(壁)、604…第2側壁部、605…第3側壁部、606…第4側壁部、620…係合孔、640…インク導入部(液体導入部)、641…インク導入口(液体導入口)、642…フィルター、648…シール部、910、910B、910D、910a、910b、910c…移動部、912、912D…操作部、914、914B、914C、914D…第1係合部(係合部)、915…爪部、915a…斜面(当接面)、916…付勢部、917…付勢部、P…印刷媒体、Ps、Pt…付勢力、SD…装着方向、SP…基準面

Claims (3)

  1. 可動部を有する液体噴射装置に装着可能な液体供給ユニットであって、
    Z方向において対向する第1壁及び第2壁と、
    前記Z方向と直交するY方向において対向する第3壁及び第4壁と、
    前記第1壁に設けられた液体供給部と、
    前記第3壁に設けられた開口から突出するように設けられ、前記液体供給ユニットが前記液体噴射装置に装着された状態において前記可動部と係合する係合部と、
    を備え、
    前記第3壁から前記可動部に向かって離れる方向を+Y方向とし、前記可動部から前記第3壁に近づく方向を−Y方向としたとき、
    前記係合部は、前記第3壁に設けられた開口からの突出寸法が変化するよう、前記+Y方向及び前記−Y方向に移動可能に設けられ
    前記係合部が前記開口から+Y方向に突出することにより前記可動部と係合する、
    ことを特徴とする液体供給ユニット。
  2. 請求項1に記載の液体供給ユニットであって、
    前記係合部を前記+Y方向に付勢する付勢部を備える、
    ことを特徴とする液体供給ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の液体供給ユニットであって、
    前記係合部を前記−Y方向に移動させるための操作部を有する、
    ことを特徴とする液体供給ユニット。
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