JP6529124B2 - 重包装用クラフト紙の破袋評価方法および重包装用クラフト紙 - Google Patents
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Description
クラフト紙の横方向の試験片に対し、伸長速度500mm/分以上で1回の引張り操作を試験片が破断するまで行う引張試験、および、破断するまでの1回の引張試験から求められる引張強さの50%以上の範囲の荷重をかけた後0点に戻す動作を伸長速度500mm/分以上で破断するまで繰り返す引張試験を行い、
また、下記に示す塑性変形量、破断伸びをそれぞれ測定し、測定した前記塑性変形量の和を、引張試験の繰返し回数から1を差し引いた値で除して塑性変形量の平均値を求め、次いで、前記破断伸びを前記塑性変形量の平均値で除した値である破袋指数を求め、前記破袋指数を以て、前記落下試験における破れの発生を予測するための指標とすることを特徴とする重包装用クラフト紙の破袋評価方法である。
−塑性変形量(mm):繰返し引張試験において、紙を引張った後0点に戻し、次の引張り開始時に紙が伸びたまま戻らずに前の引張時の長さよりも長くなっている量。
−破断伸び(mm):繰返し引張試験と同速度で破断するまで実施する1回の引張試験で、破断したときの伸び。
クラフト紙の横方向の試験片に対し、伸長速度500mm/分以上で1回の引張り操作を試験片が破断するまで行う引張試験、および、破断するまでの1回の引張試験から求められる引張強さの50%以上の範囲の荷重をかけた後0点に戻す動作を伸長速度500mm/分以上で繰り返す引張試験を行い、当該試験片が破断するまでの試験回数を指標として、前記落下試験における破れの発生を予測することを特徴とする重包装用クラフト紙の破袋評価方法である。
請求項1に記載の破袋指数と請求項5に記載の引張試験の回数の双方を、前記落下試験における破れの発生を予測するための指標とすることを特徴とする重包装用クラフト紙の破袋評価方法である。
本発明を実施するための形態について説明する前に、以下の説明において用いる用語の定義をしておく。
・1回の引張試験による引張強さ(kN/m):クラフト紙の横方向の試験片を、繰返し引張試験と同じ伸長速度での1回の引張試験で破断するときの引張強さ
・破断伸び(mm):クラフト紙の横方向の試験片を、繰返し引張試験と同じ伸長速度での1回の引張試験で破断するまでの伸びの長さ
・繰返し引張試験:クラフト紙の横方向の試験片に、一定の伸長速度で、一定の荷重をかけたのち0点に戻す動作を破断するまで繰返す試験
・伸び量(mm):繰返し引張試験において試験片が引っ張られて伸びる量(図1(1b、2b)参照)
・塑性変形量(mm):繰返し引張試験において、紙を引張った後0点に戻し、次の引張り開始時に紙が伸びたまま戻らずに前の引張時の長さよりも長くなっている量(図1(1a、2a)参照)
・塑性変形量の和(mm):繰返し引張試験のなかで、複数回行う引張試験の各回の塑性変形量の総和
・弾性変形量(mm):繰返し引張試験のなかで、荷重をかけたのち0点に戻した際に戻る量(図1(1b−1a、2b−2a)参照)
・伸び−荷重曲線:荷重と伸びの関係を示す曲線
「塑性変形量の和(B)」 + 「伸び量(b)」 ≧ 「破断伸び(A)」
(サンプルA)
クルパック装置を装備したギャップフォーマー型抄紙機で抄速480m/分、原料として30%の濃度で高濃度叩解した未晒針葉樹クラフトパルプを100%配合して抄造した、坪量83g/m2の重袋用クルパック紙である。なお、クルパックでのマイナスドローは、−4.5%とした。
(サンプルB)
原料の叩解濃度を13%とした以外は、実施例1と同様にして抄造した重袋用クルパック紙である。
(サンプルC)
原料の叩解濃度を3.0%とした以外は、実施例1と同様にして抄造した重袋用クルパック紙である。
(落下試験)
JIS Z0217:1998に従って評価した。
○…10回の落下試験のうち破袋がなし
△…10回の落下試験のうち破袋が1〜2回発生
×…10回の落下試験のうち破袋が3回以上発生
ORIENTEC社製テンシロン万能材料試験機RTC−1210Aにて、クラフト紙の横方向サンプル(15mm巾)を、伸長速度を1,000mm/分、500mm/分、200mm/分、50mm/分の4段階に変更して、1回の引張試験による引張強さ、および、破断伸びを測定した。なお、JIS P8113:2006で規定されている伸長速度は20±5mm/分であり、本発明における伸長速度はそれより高く設定されている。
ORIENTEC社製テンシロン万能材料試験機RTC−1210Aにて、クラフト紙の横方向サンプル(15mm巾)の引張強さを、伸長速度を1,000mm/分、500mm/分、200mm/分、50mm/分の4段階に変更し、荷重を2.00kN/m(30N/15mm巾)、1.33kN/m(20N/15mm巾)、1.00kN/m(15N/15mm巾)の3段階に変更して繰返し引張試験を実施し、破断するまでの引張りの繰返し回数、および、塑性変形量の和を求めた。
前記荷重kN/mを、1回の引張試験による引張強さで除して、荷重/引張強さ(%)を求めた。
塑性変形量の和を、引張試験の繰返し回数から最後の1回を差し引いた値で除して塑性変形量の平均値を求め、次いで、破断伸びを塑性変形量の平均値で除して破袋指数を求めた。
A、B、Cの各サンプルについて、伸長速度1,000mm/分、荷重2.00kN/mの測定条件で測定を行った実施例1は、いずれも破断の際にかかる荷重が引張強さの50%以上であり、落下試験と引張りの繰返し回数、破袋指数との間に相関がみられた。上記測定条件において、落下試験で破袋を生じさせないと判断する繰返し引張試験での破断するまでの引張りの繰返し回数の目安は6回以上、破袋指数の目安は7.0以上と考えられた。
伸長速度1,000mm/分、荷重1.33kN/mの測定条件で測定を行った実施例2は、いずれも破断の際にかかる荷重が引張強さの50%以上であり、落下試験と引張りの繰返し回数、破袋指数との間に相関がみられた。前記測定条件において、落下試験で破袋を生じさせないと判断する繰返し引張試験での破断するまでの引張りの繰返し回数の目安は11回以上、破袋指数の目安は14.0以上と考えられた。
伸長速度500mm/分、荷重2.00kN/mの測定条件で測定を行った実施例3は、いずれも破断の際にかかる荷重が引張強さの50%以上であり、落下試験と引張りの繰返し回数、破袋指数との間に相関がみられた。前記測定条件において、落下試験で破袋を生じさせないと判断する繰返し引張試験での破断するまでの引張りの繰返し回数の目安は11回以上、破袋指数の目安は16.0以上と考えられた。
伸長速度1,000mm/分、荷重1.00kN/mの測定条件で測定を行った比較例1については、荷重が引張強さに対して50%未満となり、サンプルA、Bの引張繰り返し回数が30回以上となった。30回までの結果より算出した破袋指数は、落下試験との間に相関がみられたものの、正確な破袋指数は測定困難なので、試験条件としては不適と判断された。
伸長速度200mm/分、荷重2.00kN/mの測定条件で測定を行った比較例2については、いずれも破断の際にかかる荷重が引張強さの50%以上であったが、サンプルAの引張繰り返し回数が30回以上となった。30回までの結果より算出した破袋指数は、落下試験との間に相関がみられなかったので、正確な破袋指数は測定困難であり、試験条件としては不適と判断された。
伸長速度50mm/分、荷重2.00kN/mの測定条件で測定を行った比較例3については、いずれも破断の際にかかる荷重が引張強さの50%以上であったが、サンプルA、Cの引張繰り返し回数が30回以上となった。30回までの結果より算出した破袋指数も、落下試験との間に相関はみられず、試験条件としては不適と判断された。
Claims (9)
- JIS Z0217:1998に規定される落下試験における破れの発生を予測する重包装用クラフト紙の破袋評価方法であって、
クラフト紙の横方向の試験片に対し、伸長速度500mm/分以上で1回の引張り操作を試験片が破断するまで行う引張試験、および、破断するまでの1回の引張試験から求められる引張強さの50%以上の範囲の荷重をかけた後0点に戻す動作を伸長速度500mm/分以上で破断するまで繰り返す引張試験を行い、
また、下記に示す塑性変形量、破断伸びをそれぞれ測定し、測定した前記塑性変形量の和を、引張試験の繰返し回数から1を差し引いた値で除して塑性変形量の平均値を求め、次いで、前記破断伸びを前記塑性変形量の平均値で除した値である破袋指数を求め、前記破袋指数を以て、前記落下試験における破れの発生を予測するための指標とすることを特徴とする重包装用クラフト紙の破袋評価方法。
−塑性変形量(mm):繰返し引張試験において、紙を引張った後0点に戻し、次の引張り開始時に紙が伸びたまま戻らずに前の引張時の長さよりも長くなっている量。
−破断伸び(mm):繰返し引張試験と同速度で破断するまで実施する1回の引張試験で、破断したときの伸び。 - 伸長速度1,000mm/分、荷重2.00kN/mの条件下で求めた前記破袋指数が7.0以上の場合に、前記落下試験において破れが発生しないと判断する、請求項1に記載の重包装用クラフト紙の破袋評価方法。
- 伸長速度1,000mm/分、荷重1.33kN/mの条件下で求めた前記破袋指数が14.0以上の場合に、前記落下試験において破れが発生しないと判断する、請求項1に記載の重包装用クラフト紙の破袋評価方法。
- 伸長速度500mm/分、荷重2.00kN/mの条件の下で求めた前記破袋指数が16.0以上の場合に、前記落下試験において破れが発生しないと判断する、請求項1に記載の重包装用クラフト紙の破袋評価方法。
- JIS Z0217:1998に規定される落下試験における破れの発生を予測する重包装用クラフト紙の破袋評価方法であって、
クラフト紙の横方向の試験片に対し、伸長速度500mm/分以上で1回の引張り操作を試験片が破断するまで行う引張試験、および、破断するまでの1回の引張試験から求められる引張強さの50%以上の範囲の荷重をかけた後0点に戻す動作を伸長速度500mm/分以上で繰り返す引張試験を行い、当該試験片が破断するまでの試験回数を指標として、前記落下試験における破れの発生を予測することを特徴とする重包装用クラフト紙の破袋評価方法。 - 前記繰返し引張試験を、伸長速度1,000mm/分、荷重2.00kN/mの条件下で実施した場合において、前記繰返し引張試験の回数が6回以上の場合に破れが発生しないと判断する、請求項5に記載の重包装用クラフト紙の破袋評価方法。
- 前記繰返し引張試験を、伸長速度1,000mm/分、荷重1.33kN/mの条件下で実施した場合において、前記繰返し引張試験の回数が11回以上の場合に破れが発生しないと判断する、請求項5に記載の重包装用クラフト紙の破袋評価方法。
- 前記繰返し引張試験を、伸長速度500mm/分、荷重2.00kN/mの条件下で実施した場合において、前記繰返し引張試験の回数が11回以上の場合に破れが発生しないと判断する、請求項5に記載の重包装用クラフト紙の破袋評価方法。
- JIS Z0217:1998に規定される落下試験における破れの発生を予測する重包装用クラフト紙の破袋評価方法であって、
請求項1に記載の破袋指数と請求項5に記載の引張試験の回数の双方を、前記落下試験における破れの発生を予測するための指標とすることを特徴とする重包装用クラフト紙の破袋評価方法。
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