JP6521561B2 - 車両のクラッチスリップ発進制御装置 - Google Patents
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Description
この車両のクラッチスリップ発進制御装置において、前記クラッチスリップ発進制御手段は、前記摩擦クラッチのスリップ発進時、前記摩擦クラッチの出力回転から駆動系ねじり共振周波数付近の振動成分である駆動系ねじり共振周波数振動成分を抽出し、
前記抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分と逆位相のクラッチトルク容量となるクラッチ制振トルク容量指令を算出し、
前記摩擦クラッチのスリップ発進時にベースとなるクラッチトルク容量指令に、前記クラッチ制振トルク容量指令を加算してトルク指令を算出し、
前記摩擦クラッチに対して前記トルク指令を出力する制御を行う。
すなわち、駆動系に回転差を吸収するトルクコンバータ等がないシステムの場合、振動が減衰しにくいため、一旦振動してしまうと収まらない。そのため、ドライブシャフト径を太くしたり、アクティブダンパーを採用したりするが、このような対策は、コストやレイアウトに跳ね返る。
これに対し、摩擦クラッチのトルク容量制御とすることで、コスト、レイアウトへの跳ね返りがない。そして、抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分に対して逆位相のクラッチトルク容量で振動を抑制するため、有効に駆動系ねじり共振周波数振動が低減される。
この結果、クラッチスリップ発進時、コストやレイアウトに跳ね返ることのないトルク容量制御により、駆動系ねじり共振周波数振動の低減を達成することができる。
実施例1のクラッチスリップ発進制御装置が適用されたFFハイブリッド車両(車両の一例)の構成を、「全体システム構成」、「クラッチスリップ発進制御の詳細構成」に分けて説明する。
図1はFFハイブリッド車両の全体システムを示す。以下、図1に基づいて、FFハイブリッド車両の全体システム構成を説明する。
図2は、実施例1のハイブリッドコントロールモジュール81に有する発進クラッチ(CL2)油圧制御によるクラッチスリップ発進制御系の制御構成例を示す。以下、図2に基づき、クラッチスリップ発進制御系の制御構成を説明する。
具体的には、バンドパスフィルタBPFとハイパスフィルタHPFの組み合わせにより駆動系ねじり共振周波数振動成分のみを抽出する。すなわち、2次のバンドパスフィルタBPFだと、低周波数域のゲインが高く、DC成分が残るため、加減速時にBPF出力がオフセットしてしまう。そこで、ハイパスフィルタHPFを追加して低周波数成分のゲインを下げる。このように、バンドパスフィルタBPFとハイパスフィルタHPFを組み合わせると低周波数成分を下げて、共振周波数付近のみ抽出できる。
ここで、「ロールバック」とは、登坂路発進時にモータ/ジェネレータ4からのモータ駆動力が不足すると、Dレンジでの発進要求時であるにもかかわらず車両が後退する、或いは、Rレンジでの発進要求時であるにもかかわらず車両が前進する現象をいう。
このロールバック判定は、実施例1のようにクランク軸回転センサ13を有する場合にはセンサ信号により判定する。しかし、ロールバック判定する回転センサを有さない場合には、坂道釣り合いトルク以下のCL2トルク容量指令で、車速が発生した場合にロールバックと判定する。ここで、釣り合いトルクは、CL2トルク容量指令と路面勾配で算出する。車両重量は最も軽い重量とする(MinC.W+1名)。推定勾配のばらつきを考慮する。車速の発生は、プライマリ回転の上昇で判定する(図5のロールバック判定領域)。
ここで、抽出した振動成分の位相をずらす理由は、ロールバック時においては180deg位相がずれて振動を抽出してしまうことによる。
すなわち、CL2トルク容量が小さいほどゲインが小さい特性がある場合は、CL2トルク容量指令によって、ゲインを可変にする。本特性の場合は、CL2トルク容量が小さいときはゲインを大きくする。また、CL2フェーシング動摩擦係数特性(図6)も考慮して設定する。図6の特性の場合には、CL2差回転が小さいほどゲインを小さくし、CL2トルク容量が大きいときはゲインを大きくする。
このCL2制振トルク容量指令のディレイ演算は、CL2油圧応答特性(図7)を考慮して設定する。すなわち、CVT油温が高いほどディレイを小さくし、CL2トルク容量が大きいほどディレイを小さくする。
ここで、0.5周期/1周期の切り替えは、図8に示すように、CL2油圧応答特性に最も感度がある、CVT油温条件で切り替える。すなわち、CVT油温の上昇時には、CVT油温T2までは1周期カウンターとし、CVT油温T2を超えると0.5周期カウンターに切り替える。一方、CVT油温の下降時には、CVT油温T1(<T2)までは0.5周期カウンターとし、CVT油温T1未満になると1周期カウンターに切り替える。なお、本制御が非作動のときに切り替えを実施する。
ここで、ディレイを1周期用に変換する場合は、図8に示すように、0.5周期用ディレイ設定値(点線特性)を、1周期用ディレイ設定値まで上昇させる。
ここで、油圧応答が早い場合には、図9に示すように、0.5周期後に振動抑制するようにCL2油圧指令を出力する。つまり、振動抽出時の位相進みを考慮して振動抽出信号をCVT入力回転変動波形に置き換えると、CVT入力回転変動波形が抑えるべき振動波形となる。よって、狙いのCL2実圧特性に示すように、CVT入力回転変動波形に対し逆相で変動するCL2実圧を与えると、抽出された振動が抑えられるが、狙いのCL2実圧特性を得る場合には、油圧応答遅れ分を考慮したCL2油圧指令を出力する。
一方、油圧応答が遅い場合には、図10に示すように、0.5周期後にはCL2油圧が応答しないため、1周期後に振動抑制するようにCL2油圧指令を出力する。
実施例1のFFハイブリッド車両のクラッチスリップ発進制御装置における作用を、[クラッチスリップ発進制御処理作用]、[HEV WSCモードでのクラッチスリップ発進制御作用]に分けて説明する。
HEV WSCモードでのCL2スリップ発進時、抽出した振動と逆位相のCL2トルク容量になるCL2油圧指令を出力するクラッチスリップ発進制御処理作用を、図4に示すフローチャートに基づき説明する。
つまり、ステップS03では、CVT入力回転から駆動系ねじり共振周波数振動成分を抽出するフィルタ(バンドパスフィルタBPFとハイパスフィルタHPFの組み合わせ)が施される。ステップS06では、ステップS04でのステップS04でのロールバック無しであるとの判断に続き、駆動系ねじり共振周波数振動を減衰させるCL2制振トルク容量の演算に使うゲインが演算される。ステップS07では、駆動系ねじり共振周波数振動を減衰させるCL2制振トルク容量指令のディレイ(油圧応答むだ時間)が演算される。ステップS10では、ステップS08での0.5周期後振動抑制との判断に続き、CL2スリップ発進時にベースとなるCL2トルク容量指令(要求駆動力相当)に、ゲイン/ディレイ処理をしたCL2制振トルク容量指令が加算される。そして、この加算したトルク指令を油圧指令に換算することでCL2油圧指令が得られる。すなわち、CVT油温が高く油圧応答が早い場合には、図9に示すように、0.5周期後に振動抑制するようにCL2油圧指令が出力される。
つまり、ステップS09では、ステップS08での1周期後振動抑制であるとの判断に続き、ステップS06で演算されたゲインと、ステップS07で演算されたディレイを1周期用に変換される。ステップS10では、ステップS09でのゲイン/ディレイの1周期用変換に続き、CL2スリップ発進時にベースとなるCL2トルク容量指令(要求駆動力相当)に、ゲイン/ディレイ処理をしたCL2制振トルク容量指令が加算される。そして、この加算したトルク指令を油圧指令に換算することでCL2油圧指令が得られる。油圧応答が遅い場合には、図10に示すように、0.5周期後にはCL2油圧が応答しないため、1周期後に振動抑制するようにCL2油圧指令を出力する。すなわち、CVT油温が低く油圧応答が遅い場合には、図10に示すように、0.5周期後にはCL2油圧が応答しないため、1周期後に振動抑制するようにCL2油圧指令が出力される。
つまり、ステップS05では、ステップS04でのロールバック有りであるとの判断に続き、ステップS03にて抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分の位相が180degずらされる。以降の流れについては、上記CVT油温が高いときの流れ、又は、CVT油温が低いときの流れと同様である。
HEV WSCモードでのCL2スリップ発進時、第2クラッチCL2へのCL2油圧指令により駆動系ねじり共振周波数振動を抑制するクラッチスリップ発進制御作用を、図11に示すタイムチャートに基づき説明する。
すなわち、実施例1のように、駆動系に回転差を吸収するトルクコンバータ等がないシステムの場合、振動が減衰しにくいため、一旦振動してしまうと収まらない。そのため、ドライブシャフト径を太くしたり、アクティブダンパーを採用したりするが、このような対策は、コストやレイアウトに跳ね返る。
これに対し、第2クラッチCL2の油圧制御(トルク容量制御の一例)とすることで、コスト、レイアウトへの跳ね返りがない。そして、抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分に対して逆位相のCL2トルク容量で振動を抑制するため、有効に駆動系ねじり共振周波数振動が低減される。
この結果、CL2スリップ発進時、コストやレイアウトに跳ね返ることのないトルク容量制御により、駆動系ねじり共振周波数振動の低減を達成することができる。
例えば、CVT油温の高低やCL2トルク容量の大小によりCL2油圧応答特性のゲイン/ディレイは異なる。このようにゲイン/ディレイが異なるとき、同じゲイン/ディレイの値を用いると、ハード特性が設定されたゲイン/ディレイの値から外れるとき、駆動系ねじり共振周波数振動を効果的に低減できなくなる。
これに対し、CL2油圧応答性を反映させ、ハード特性の変化に合わせて適切なゲイン/ディレイの値を演算することで、CL2油圧応答性の変化にかかわらず、駆動系ねじり共振周波数振動を効果的に低減することができる。
例えば、CL2差回転の大きさによりCL2フェーシング動摩擦係数は異なる。このようにCL2フェーシング動摩擦係数が異なるとき、同じディレイの値を用いると、ハード特性が設定されたディレイの値から外れるとき、駆動系ねじり共振周波数振動を効果的に低減できなくなる。
これに対し、CL2フェーシング動摩擦係数特性を反映させ、ハード特性の変化に合わせて適切なディレイの値を演算することで、CL2フェーシング動摩擦係数の変化にかかわらず、駆動系ねじり共振周波数振動を効果的に低減することができる。
すなわち、ロールバック時には、抽出した振動成分の位相が180degずれている。このため、ロールバック時にずれている本来の振動成分の位相を戻さないと、CL2制振トルクが駆動系ねじり共振周波数振動と同位相になってしまい、振動を悪化させてしまう。
これに対し、ロールバックを判定し、抽出した振動成分の位相ずれに対応することで、ロールバック時において、振動を悪化させることなく、駆動系ねじり共振周波数振動を低減することができる。
例えば、第2クラッチCL2への油圧指令と実トルクの応答遅れが小さい場合には、0.5周期後振動抑制を選択することで、振動抑制するトルクの位相を合わせることができる。一方、第2クラッチCL2への油圧指令と実トルクの応答遅れが大きい場合には、1周期後振動抑制を選択することで、振動抑制するトルクの位相を合わせることができる。
このように、第2クラッチCL2への油圧指令と実トルクの応答遅れに合わせて振動抑制するトルクの位相を合わせることで、駆動系ねじり共振周波数振動の低減効果を向上させることができる。
すなわち、第2クラッチCL2の制御応答性は、油圧システムの場合、油温をモニターして検知できるため、検知された油温により0.5周期と1周期を切り替えることができる。
したがって、駆動系ねじり共振周波数振動の収束を早くすることができると共に、トルク指令に対し実トルクの応答が遅い領域(油圧システムの場合は、CVT油温の低温領域)まで振動抑制制御領域を拡大することができる。
例えば、TCS,VDC,ABS等で判定されるタイヤスリップ時は駆動系のねじり振動周波数特性が、タイヤスリップにより変化するため狙った効果が出ない。
したがって、タイヤスリップ時には、CL2制振制御を非作動(停止)とすることで、狙った効果が出ないタイヤスリップ時の振動抑制制御作動を回避することができる。
実施例1のFFハイブリッド車両のクラッチスリップ発進制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記クラッチスリップ発進制御手段(図3)は、前記摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)のスリップ発進時、前記摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)の出力回転から駆動系ねじり共振周波数付近の振動成分である駆動系ねじり共振周波数振動成分を抽出し、
前記抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分と逆位相のクラッチトルク容量となるクラッチ制振トルク容量指令を算出し、
前記摩擦クラッチのスリップ発進時にベースとなるクラッチトルク容量指令に、前記クラッチ制振トルク容量指令を加算してトルク指令を算出し、
前記摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)に対して前記トルク指令を出力する。
このため、クラッチスリップ発進時(CL2スリップ発進時)、コストやレイアウトに跳ね返ることのないトルク容量制御により、駆動系ねじり共振周波数振動の低減を達成することができる。
前記摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)の制御応答性(CL2油圧応答性)を反映させて駆動系ねじり共振周波数振動を減衰させるクラッチ制振トルク容量(CL2制振トルク容量)の演算に使うゲインを演算するゲイン演算部51eと、
前記摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)の制御応答性(CL2油圧応答性)を反映させて駆動系ねじり共振周波数振動を減衰させるクラッチ制振トルク容量指令(CL2制振トルク容量指令)のディレイを演算するディレイ演算部51fと、
を有する。
このため、(1)の効果に加え、摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)の制御応答性(CL2油圧応答性)の変化にかかわらず、駆動系ねじり共振周波数振動を効果的に低減することができる。
このため、(2)の効果に加え、摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)のフェーシング動摩擦係数の変化にかかわらず、駆動系ねじり共振周波数振動を効果的に低減することができる。
車両のロールバックを判定するロールバック判定部51cと、
ロールバック判定時、前記摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)の出力回転から抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分の位相を180度ずらすロールバック処理部51dと、
を有する。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、ロールバック時において、振動を悪化させることなく、駆動系ねじり共振周波数振動を低減することができる。
このため、(2)〜(4)の効果に加え、摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)へのトルク指令と実トルクの応答遅れに合わせて振動抑制するトルクの位相を合わせることで、駆動系ねじり共振周波数振動の低減効果を向上させることができる。
このため、(5)の効果に加え、駆動系ねじり共振周波数振動の収束を早くすることができると共に、トルク指令に対し実トルクの応答が遅い領域まで振動抑制制御領域を拡大することができる。
このため、(1)〜(6)の効果に加え、狙った効果が出ないタイヤスリップ時の振動抑制制御作動を回避することができる。
3 第1クラッチ
4 モータ/ジェネレータ(駆動源)
5 第2クラッチ(摩擦クラッチ)
6 ベルト式無段変速機
10R,10L 左右前輪(駆動輪)
11R,11L 左右後輪
81 ハイブリッドコントロールモジュール(クラッチスリップ発進制御手段)
51 発進クラッチ(CL2)制御装置
51a 振動成分抽出部
51b 振動振幅演算部
51c ロールバック判定部
51d ロールバック処理部
51e ゲイン演算部
51f ディレイ演算部
51g 0.5/1周期切り替え処理部
51h 上下限処理部
51i 乗算部
51j ディレイ処理部
51k CL2制振制御作動/非作動判定部
51m 作動/非作動処理部
51n 加算部
51p 油圧/トルク換算部
Claims (7)
- 駆動源と駆動輪との間の駆動系に設けられた摩擦クラッチと、前記摩擦クラッチをスリップさせて車両を発進させる制御を行うクラッチスリップ発進制御手段と、を備えた車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
前記クラッチスリップ発進制御手段は、
前記摩擦クラッチのスリップ発進時、前記摩擦クラッチの出力回転から駆動系ねじり共振周波数付近の振動成分である駆動系ねじり共振周波数振動成分を抽出し、
前記抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分と逆位相のクラッチトルク容量となるクラッチ制振トルク容量指令を算出し、
前記摩擦クラッチのスリップ発進時にベースとなるクラッチトルク容量指令に、前記クラッチ制振トルク容量指令を加算したトルク指令を算出し、
前記摩擦クラッチに対して前記トルク指令を出力する
ことを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。 - 請求項1に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
前記クラッチスリップ発進制御手段は、
前記摩擦クラッチの制御応答性を反映させて駆動系ねじり共振周波数振動を減衰させる前記クラッチ制振トルク容量指令の演算に使うゲインを演算するゲイン演算部と、
前記摩擦クラッチの制御応答性を反映させて駆動系ねじり共振周波数振動を減衰させる前記クラッチ制振トルク容量指令のディレイを演算するディレイ演算部と、
を有することを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。 - 請求項2に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
前記ゲイン演算部は、前記摩擦クラッチのクラッチフェーシング動摩擦係数特性を反映させて駆動系ねじり共振周波数振動を減衰させる前記クラッチ制振トルク容量指令の演算に使うゲインを演算する
ことを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
前記クラッチスリップ発進制御手段は、
車両のロールバックを判定するロールバック判定部と、
ロールバック判定時、前記摩擦クラッチの出力回転から抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分の位相を180度ずらすロールバック処理部と、
を有することを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。 - 請求項2から4までの何れか一項に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
前記クラッチスリップ発進制御手段は、
前記摩擦クラッチの制御応答性を反映させて駆動系ねじり共振周波数振動を減衰させる前記クラッチ制振トルク容量指令の演算に使うゲインを演算するゲイン演算部と、
前記摩擦クラッチの制御応答性を反映させて駆動系ねじり共振周波数振動を減衰させる前記クラッチ制振トルク容量指令のディレイを演算するディレイ演算部と、
を有し、
前記摩擦クラッチへの前記トルク指令と実トルクに応答遅れがある場合、振動抑制するタイミングが0.5周期後振動抑制と1周期後振動抑制との間で切り替えられたとき、前記ゲイン演算部で演算されたゲインと、前記ディレイ演算部で演算されたディレイとを、0.5周期後又は1周期後に遅らせる0.5/1周期切り替え処理部を有する
ことを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。 - 請求項5に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
前記0.5/1周期切り替え処理部は、前記摩擦クラッチの制御応答性を反映させ、高制御応答性であるか低制御応答性であるかにより0.5周期と1周期を切り替える
ことを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。 - 請求項1から6までの何れか一項に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
前記クラッチスリップ発進制御手段は、タイヤスリップ時であるとの判定時、前記抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分と逆位相のクラッチトルク容量となる前記クラッチ制振トルク容量指令を前記クラッチトルク容量指令に加算するクラッチ制振制御を非作動とするクラッチ制振制御作動/非作動判定部を有する
ことを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。
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