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JP6520852B2 - 温度センサ - Google Patents

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JP6520852B2 JP2016142399A JP2016142399A JP6520852B2 JP 6520852 B2 JP6520852 B2 JP 6520852B2 JP 2016142399 A JP2016142399 A JP 2016142399A JP 2016142399 A JP2016142399 A JP 2016142399A JP 6520852 B2 JP6520852 B2 JP 6520852B2
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Description

本発明は、温度によって抵抗値が変化する抵抗体を用いて被測定部位の温度を測定する温度センサに関する。
車両の排気通路を流れる排ガス等の温度を測定する電気式の温度センサとしては、サーミスタ素子を用いたもの、熱電対を用いたもの、白金抵抗体を用いたもの等が知られている。温度センサに用いられるサーミスタ素子又は白金抵抗体は、白金又は白金合金を用いた一対の電極線を接続して構成されている。
また、例えば、特許文献1のサーミスタ式温度センサにおいては、一対の電極線は、主成分である白金又は白金合金に対してジルコニア等の金属酸化物を含有させた分散強化材から構成している。そして、金属酸化物の存在によって、一対の電極線における白金又は白金合金の結晶粒の粗大化を防止している。
特許第3666289号公報
しかしながら、特許文献1においては、電極線と、サーミスタ素子の出力信号を温度センサの外部に取り出すための芯線(信号線)とを互いに溶融させて接合する場合に、この溶融接合部を保護するための具体的な工夫はなされていない。特許文献1においては、白金又は白金合金の結晶粒の粗大化を防止して、電極線自体の断線を防止することはできる。しかし、溶融接合部は、電極線を構成する白金又は白金合金と芯線を構成する材料とが混合された組成を有する。そのため、電極線と溶融接合部との界面が、電極線と溶融接合部との界面に作用する熱応力の集中、電極線と溶融接合部との線膨張係数の差による応力等によって断線しにくくする工夫が必要とされる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、電極線に生じる熱応力を緩和し、電極線と溶融接合部との界面を断線から保護することができる温度センサを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、温度によって抵抗値が変化する抵抗体(21)と、
該抵抗体から引き出された電極線(22)と、
該電極線と溶融によって接合された信号線(3)と、
上記抵抗体、及び上記電極線と上記信号線との溶融接合部(Y)を覆うカバー(4)と、を備えた温度センサ(1)において、
上記電極線は、白金を含む金属粒子(K)と、該金属粒子中に分散された酸化物粒子(S)と、気孔(H)とを有しており、
上記気孔は、上記電極線の内部、及び該電極線と上記溶融接合部との界面(B)に形成されており、
上記電極線の内部における面積当たりの気孔割合は4%以下であり、上記界面の面積当たりの気孔割合は、上記電極線の内部における面積当たりの気孔割合よりも小さく、かつ3%以下である、温度センサにある。
上記温度センサは、金属粒子及び酸化物粒子を含有する分散強化型の電極線を備える。また、電極線の内部には気孔が形成されている。
温度センサが使用される際、抵抗体の周辺は、温度が大きく変化する環境下に配置され、電極線には熱応力が生じる。電極線においては、金属粒子に酸化物粒子が分散されていることにより、高温時における金属粒子の粗大化(金属粒子の再結晶化)が抑制され、電極線の強度の低下が抑制される。
また、電極線には気孔が形成されている。この気孔は、焼結製法での製造時において残留するガス成分によって形成されたものである。
温度センサの使用時において、電極線に気孔が形成されていることにより、電極線に生じる熱応力が緩和され、電極線と溶融接合部との界面に作用する熱応力の集中が緩和される。それ故、上記温度センサによれば、電極線に生じる熱応力を緩和し、電極線と溶融接合部との界面を断線から保護することができる。
また、電極線と信号線との接合時においては、電極線と信号線とは、電極線を構成する材料と信号線を構成する材料とが加熱、溶融され、これらが冷却されて接合される。このとき、電極線においては、酸化物粒子が存在することによって、金属粒子の再結晶化が抑制され、電極線の強度の低下が抑制される。
実施形態にかかる、温度センサを示す説明図。 実施形態にかかる、電極線と信号線とを接合する溶融接合部の周辺を示す説明図。 実施形態にかかる、電極線と信号線とを接合する溶融接合部の周辺を拡大して模式的に示す説明図。 実施形態にかかる、電極線と溶融接合部との界面の周辺を拡大して模式的に示す説明図。 実施形態にかかる、電極線と信号線とを接合する他の溶融接合部の周辺を示す説明図。 実施形態にかかる、4回のレーザーの照射によって形成される他の溶融接合部を示す説明図。
上述した温度センサにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
本形態の温度センサ1は、図1に示すように、サーミスタ素子2、信号線3及びカバー4を備える。サーミスタ素子2は、図2に示すように、温度によって抵抗値が変化する抵抗体21と、抵抗体21から引き出された電極線22とを有する。サーミスタ素子2の電極線22と信号線3とは、母材同士の溶融によって接合されている。カバー4は、サーミスタ素子2と、電極線22と信号線3との溶融接合部Yとを覆っている。電極線22は、図3、図4に示すように、白金を含む金属粒子Kと、金属粒子K中に分散された酸化物粒子Sと、気孔Hとを有している。
本形態の温度センサ1は、車両の内燃機関の排気管に配置され、内燃機関から排気される排ガスの温度を測定するものである。
図1に示すように、温度センサ1は、サーミスタ素子2、信号線3及びカバー4の他に、信号線3を内部に挿通させる管部材51、管部材51の基端側の外周を保持するリブ52、リブ52に連結され、温度センサ1を排気管に取り付けるためのニップル53、管部材51の基端側部分の外周を覆う保護チューブ54、信号線3に接続されるリード線55、リード線55を保護チューブ54に保持するためのブッシュ56等を備えている。
サーミスタ素子2は、温度センサ1の先端側の端部に配置されており、サーミスタ素子2によって、温度センサ1の先端側の端部に感温部11が形成されている。
図2に示すように、カバー4は、先端側が閉塞された有底円筒形状に形成されており、管部材51の先端部の外周に取り付けられている。カバー4内には、サーミスタ素子2の抵抗体21をカバー4内に保持するためのフィラー41が配置されている。フィラー41は、絶縁性のセラミック粒子等によって構成されている。信号線3は、管部材51の先端側と基端側とに引き出されており、管部材51の先端から突出した位置において電極線22と接続され、管部材51の基端から突出した位置においてリード線55と接続されている。信号線3は、絶縁物511によって管部材51に保持されている。信号線3は、ニッケルを含有する超合金であるNCF600もしくはNCF601、ステンレス鋼であるSUS304もしくはSUS310、あるいは、Fe−Cr−Al合金等によって構成されている。
図1、図2に示すように、電極線22は、サーミスタ素子2の抵抗体21から一対に引き出されており、一対の電極線22には、一対の信号線3が接続されている。また、一対の信号線3には、一対のリード線55が接続されている。温度の変化に伴ってサーミスタ素子2の抵抗体21に生じる抵抗値の変化を示す出力信号は、一対の電極線22、一対の信号線3及び一対のリード線55によって温度センサ1の外部に取り出される。
サーミスタ素子2の抵抗体21は、絶縁物を含有する半導体材料等によって構成されている。抵抗体21は、温度の上昇に伴って抵抗値が上昇するPTCサーミスタを構成するもの、温度の上昇に伴って抵抗値が低下するNTCサーミスタを構成するもの等とすることができる。PTCサーミスタを構成する抵抗体21には、チタン酸バリウムに添加物が加えられたセラミックの材料、ポリマー中にカーボンブラック、ニッケル等の導電性粒子が分散された材料等が使用される。NTCサーミスタを構成する抵抗体21には、ニッケル、マンガン、コバルト、鉄等の酸化物が混合されて焼結された材料等が使用される。
抵抗体21及び電極線21の一部は、酸素還元劣化を抑制するためのガラス層23によって覆われている。
電極線22における金属粒子Kは、白金(Pt)によって構成されている。金属粒子Kは、多数の粒子同士が互いに密着する状態で存在する。
電極線22における酸化物粒子Sは、金属酸化物の粒子であるジルコニア(ZrO2)によって構成されている。酸化物粒子Sは、金属粒子K内において多数存在する。電極線22における酸化物粒子Sの含有量は、電極線22の全体に対して3000ppm(0.3質量%)以下である。
電極線22は、金属粒子K及び酸化物粒子Sを含有する電極材料の粉末焼結を行った後、この電極材料の伸線加工(引抜き加工)を行うことによって製造される。白金等の電極線22の伸線加工を考慮すると、電極線22における酸化物粒子Sの含有量は、電極線22の全体に対して3000ppm以下とすることが好ましい。酸化物粒子Sの含有量が3000ppmを超えると、電極線22の材料硬さが高くなり過ぎて、伸線加工における断線の問題が生じやすくなる。
全ての酸化物粒子Sの粒径、すなわち多数の酸化物粒子Sの各々の粒径は、0.5μm以下である。酸化物粒子Sの形状は一定ではない。酸化物粒子Sの粒径は、酸化物粒子Sの最大長さとして表され、酸化物粒子S内を端から端まで通る多数の仮想直線を想定した場合に、最も長い仮想直線の長さとして表される。
電極線22における酸化物粒子Sの粒径が小さいほど、酸化物粒子Sが金属粒子K中に分散されることによる分散強化の効果は高まる。また、温度センサ1によって測定を行う排ガスの温度が1050℃以下の条件において、金属粒子Kの再結晶化を抑制するためには、全ての酸化物粒子Sの粒径が0.5μm以下であることが好ましい。
図3、図4においては、金属粒子K、酸化物粒子S及び気孔Hを、イメージ的に捉えやすくするために模式的に記載している。金属粒子K、酸化物粒子S及び気孔Hの実際の大きさ等は図示されたものとは異なることがある。酸化物粒子Sの粒子径は金属粒子Kの粒子径よりも小さい。酸化物粒子S及び気孔Hは、多数の金属粒子K内、多数の金属粒子K同士の境界、金属粒子Kと溶融接合部Yとの境界B等に存在する。
電極線22における気孔Hは、電極線22の粉末焼結を行う際に、電極線22に残留したガス等によって形成されたものである。
温度センサ1の製造時においては、電極線22が信号線3と接合された状態のサーミスタ素子2をカバー4内に配置し、カバー4内にサーミスタ素子2を配置する。そして、カバー4内における隙間にフィラー41を配置し、フィラー41の焼結を行うために、カバー4及びサーミスタ素子2が配置された、温度センサ1の先端側部分を加熱する。このとき、電極線22が900〜1100℃の高温に加熱される。このとき、電極線22中に残留していたガスが凝集し、気孔Hが形成される。
電極線22中に形成される気孔Hは、フィラー41の焼結を行う際に容易に形成することができる。また、気孔Hは、フィラー41の焼結時以外の過程においても、電極線22が高温に加熱される過程で形成されてもよい。
本形態において、電極線22と信号線3とは、図2に示すように、電極線22の端部と信号線3の端部とを重ね合わせて、この重ね合わせ部分A1に形成される溶融接合部Yによって接合されている。また、電極線22と信号線3とは、レーザー溶接を行うことによって接合されている。なお、電極線22と信号線3とは、図5に示すように、電極線22の端面と信号線3の端面とを突き合わせて、この突合せ部分A2に形成される溶融接合部Yによって接合することもできる。
溶融接合部Yは、電極線22を構成する材料と信号線3を構成する材料とが互いに溶け合って形成されている。溶融接合部Yにおいては、電極線22における金属粒子Kの溶融によって、気孔Hがほとんど消滅している。ただし、溶融接合部Yにおいては、レーザー溶接を行う際に、新たに別の気孔が形成されていることもある。
電極線22における気孔Hは、電極線22の内部、及び電極線22と溶融接合部Yとの界面Bに形成されている。界面Bとは、具体的には電極線22の溶接熱影響部のことであり、溶接熱影響部の結晶粒は、電極線22の一般部(残部)の結晶粒よりも粗大化している。また、界面Bの面積当たりの気孔割合(気孔Hの面積割合)は、電極線22の内部における面積当たりの気孔割合に比べて小さい。電極線22の内部における面積当たりの気孔割合は4%以下である。また、界面Bの面積当たりの気孔割合は、3%以下である。
ここで、気孔Hは、電極線22を切断した切断面によって観察することができるため、面積当たりの気孔割合によって表している。
気孔割合は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いた観察によって測定することができる。気孔割合は、例えば、イオンビーム加工等によって電極線22と溶融接合部Yとの界面Bを切断し、この切断面を、SEM(走査電子顕微鏡法)等によって観察して測定することができる。
界面Bの面積当たりの気孔割合とは、界面Bを切断したときに、この切断面となる界面Bの全体の面積に対して、気孔Hが占める面積の割合(%)のことをいう。電極線22の内部における面積当たりの気孔割合とは、電極線22の内部を切断したときに、この切断面の全体の面積に対して、気孔Hが占める面積の割合(%)のことをいう。界面Bにおける気孔による気体(気泡)は、電極線22と信号線3との溶接接合を行う際に、電極線22における金属粒子Kが溶接熱の影響を受け、金属粒子Kが再結晶化する際に外部(大気中)へ排出される。
この理由は、金属粒子Kが再結晶化する、すなわち金属粒子Kの粒子サイズが大きくなることによって、その表面積が小さくなり、気孔Hが存在できる場所を失うためである。これにより、界面Bにおける気孔割合は、電極線22の内部における面積当たりの気孔割合よりも小さくなる。界面Bは再結晶化して強度低下することから、溶接熱を必要以上に上げないようにする必要がある。
電極線22と信号線3とを接合する方法としては、レーザー溶接法が好ましく、その溶接のパワーは、700〜800Wにすることが好ましい。
また、界面Bにおける再結晶による強度低下を必要以上に促進しないために、レーザー焦点を溶接箇所に対してジャストフォーカスで設定することによって、溶接時間を短くすることが好ましい。具体的な溶接時間は2〜4msecとすることにより、界面Bの気泡は減少し、界面Bにおける再結晶化も最小限に抑えることができる。
互いに突き合わせた電極線22と信号線3とを1回の溶接によって接合する場合には、溶接のパワーを高める必要がある。この場合、界面Bの再結晶化が促進されるおそれがある。
そこで、電極線22と信号線3との接合は、溶接のパワーを低くし、溶接を多数回に分けて行うこともできる。例えば、図6に示すように、互いに突き合わせた電極線22と信号線3との外周に、それらの周方向に90°ごとの溶接間隔で4回レーザーを照射することによって、電極線22と信号線3とを接合することができる。同図においては、4回のレーザーの照射によって順次形成される溶接部を符号Y1,Y2,Y3,Y4によって示し、溶融接合部Yが溶接部Y1,Y2,Y3,Y4によって形成される状態を示す。
このように、電極線22と信号線3とを接合する際の工夫により、界面Bの気泡は外部へ排出され、かつ界面Bの再結晶化は最小限に抑えられる。
界面Bの面積当たりの気孔割合とは、界面Bを切断したときに、この切断面となる界面Bの全体の面積に対して、気孔Hが占める面積の割合(%)のことをいう。電極線22の内部における面積当たりの気孔割合とは、電極線22の内部を切断したときに、この切断面の全体の面積に対して、気孔Hが占める面積の割合(%)のことをいう。界面Bにおける気孔による気体は、電極線22と信号線3との溶接接合を行う際に、電極線22における金属粒子Kの溶融中に外部(大気中)へ排出される。これにより、界面Bにおける気孔割合は、電極線22の内部における面積当たりの気孔割合よりも小さくなる。
温度センサ1の使用時において、サーミスタ素子2の周辺は、温度が大きく変化する環境下に配置され、電極線22には熱応力が生じる。電極線22に生じる熱応力としては、内燃機関の冷熱サイクルを受けてカバー4が膨張・収縮を行う際に、カバー4からフィラー41を介して電極線22に作用する熱応力がある。また、本形態の温度センサ1は、車両の内燃機関の排ガスの温度を測定するために使用されるため、電極線22には振動による応力も生じる。そのため、サーミスタ素子2における電極線22と溶融接合部Yとの界面Bを、熱応力及び振動による応力から保護することが重要となる。
電極線22においては、金属粒子Kに酸化物粒子Sが分散されていることにより、高温時における金属粒子Kの粗大化(金属粒子Kの再結晶化)が抑制され、電極線22の強度の低下が抑制される。また、気孔Hの形成によって、電極線22と溶融接合部Yとの界面Bを、熱応力及び振動による応力から保護することが可能となる。
具体的には、電極線22に気孔Hが形成されていることにより、温度センサ1の使用時において、電極線22に生じる熱応力が緩和され、電極線22と溶融接合部Yとの界面Bに作用する熱応力の集中が緩和される。すなわち、電極線22が高温に加熱される際に、電極線22に生じる熱応力は、気孔Hによる緩衝作用が生じることによって小さくなると考えられる。そのため、電極線22に多数の気孔Hが形成されていることにより、電極線22の全体における熱応力を緩和することができる。このことは、電極線22中の気孔Hによって、電極線22の全体としてのヤング率(縦弾性係数)が下がっていることと等価であると推定される。
また、溶融接合部Yは、電極線22を構成する材料と信号線3を構成する材料とが混ざり合って形成された部分である。そして、溶融接合部Yの材質と電極線22の材質とは異なり、溶融接合部Yの線膨張係数と電極線22の線膨張係数とは異なっている。そして、この線膨張係数の差により、電極線22の全体において生じる熱応力は、電極線22と溶融接合部Yとの界面Bにおいて最も高くなる。
そこで、電極線22と溶融接合部Yとの界面Bにおける気孔割合が、電極線22の内部における気孔割合よりも小さいことにより、熱応力が最も高くなる界面Bを断線から適切に保護することができる。すなわち、電極線22の内部においては、必要とする気孔割合が確保されることによって、カバー4及びフィラー41を介して電極線22に作用する熱応力を緩和し、さらには界面Bへの熱応力を低減することができる。また、最大応力負荷部である界面Bにおける気孔割合をできるだけ小さくすることにより、界面Bに存在する気孔Hによる強度低下を抑制することができる。
それ故、本形態の温度センサ1によれば、電極線22に生じる熱応力を緩和し、電極線22と溶融接合部Yとの界面Bを断線から保護することができる。
また、電極線22に、車両が走行する際の振動、車両の内燃機関が燃焼する際の振動等が加わる場合であっても、電極線22における気孔Hの形成によって、電極線22と溶融接合部Yとの界面Bに作用する応力が緩和される。そのため、熱及び振動に対する温度センサ1の信頼性を向上させることができる。
また、電極線22と信号線3との接合時において、電極線22と信号線3とは、電極線22を構成する材料と信号線3を構成する材料とが加熱、溶融され、これらが冷却されて接合される。このとき、溶融接合部Yにおいては、電極線22と信号線3との固溶強化作用により、その強度が向上する。また、界面Bにおいては、溶接熱による再結晶化は抑制できない。しかし、酸化物粒子Sが分散された分散強化型の白金においては、Ir、Rh等の固溶強化材を使用したPt−Ir合金、Pt−Rh合金等の白金合金の場合ほどの再結晶化による結晶粒粗大化は見られない。すなわち、酸化物粒子Sが分散されていない固溶強化型の白金合金に比べて、酸化物粒子Sが分散された分散強化型の白金の方が、溶接熱影響部の強度が高くなる。そのため、電極線22と信号線3との接合時における温度センサ1の信頼性も向上させることができる。
それ故、本形態の温度センサ1によれば、熱及び振動に対する温度センサ1の信頼性と、電極線22と信号線3との接合時における温度センサ1の信頼性とを両立させることができる。
また、電極線22に使用する金属粒子Kは、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ストロンチウム(Sr)のうちの少なくとも一種が固溶された白金合金としてもよい。この場合、電極線22は、酸化物粒子Sによる分散強化に加えて、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ストロンチウム(Sr)のうちの少なくとも一種による固溶強化によって、強度向上及び再結晶化抑制が可能になる。
すなわち、この場合には、固溶強化の効果が加わることにより、酸化物粒子Sの含有量を減らしても、分散強化型の白金と同等の強度が得られる。例えば、3000ppmの酸化物粒子が加わった分散強化型の白金に比べて、1500ppmの酸化物粒子が加わるとともに、白金に、金属粒子Kの全体に対する5質量%のロジウムが固溶された白金合金は、引張強度は全く同等だが、伸びが1000℃の雰囲気評価にて5倍程度になる。イリジウム、ストロンチウムについても同様の効果が見られる。
電極線22に白金合金を用いることにより、電極線22の弾性が改善され、言い換えれば電極線22のヤング率が下がる。電極線22として、酸化物粒子Sの分散に加えてイリジウム、ロジウム、ストロンチウムのうちの少なくとも一種が固溶された白金合金を使用することにより、電極線22と溶融接合部Yとの界面Bへの熱応力をより効果的に低減させることができる。
また、熱応力を効果的に低減させるためには、全ての酸化物粒子Sの粒径が0.5μm以下であることが好ましい。
また、抵抗体21は、サーミスタ素子2を構成するものとする以外にも、白金抵抗体とすることができる。白金抵抗体は、白金の抵抗値が、温度によって変化する特性を利用して、測温を行うものである。
なお、本発明は、本形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜、他の形態を構成することができる。
(確認試験)
本確認試験においては、電極線22に、酸化物粒子S及び気孔Hを有するサーミスタ素子2を用いた温度センサ1に、繰り返し熱衝撃を与えて、電極線22の耐久性を確認する熱衝撃試験を行った。温度センサ1には、室温と、内燃機関における排ガスの温度と想定される1050℃との間で変化させた熱衝撃を、1万サイクル、繰り返し与えた。また、金属粒子Kには白金を使用し、酸化物粒子Sにはジルコニアを使用した。電極線22の耐久性は、酸化物粒子Sの粒径を適宜変化させて確認した。
電極線22における、観察可能な全ての酸化物粒子Sのうち、最も大きな酸化物粒子Sの最大長さである粒径を最大粒径とした。酸化物粒子Sの最大粒径は、倍率を15000倍にしたSEM(走査電子顕微鏡法)によって確認した。熱衝撃試験によって得られた、電極線22の耐久結果を表1に示す。耐久結果は、電極線22に損傷が生じなかった場合を○で示し、電極線22に損傷が生じた場合を×で示す。
Figure 0006520852
同表において、酸化物粒子Sの最大粒径が、0.2μm、0.5μmである場合には、耐久結果が○となり、電極線22に損傷が生じないことが確認された。一方、酸化物粒子Sの最大粒径が1.0μm、2.0μmである場合には、耐久結果が×となり、電極線22に損傷が生じることが確認された。
これらの結果より、酸化物粒子Sの最大粒径が0.2〜0.5μmの範囲内にあることによって、電極線22の耐久性が優れることが分かった。この理由としては、次の2つが考えられる。1つ目の理由としては、酸化物粒子Sの最大粒径が大きくなることによる分散強化度の低下が起因して、高温時に電極線22が再結晶化してしまい、強度が低下したためと考えられる。2つ目の理由としては、酸化物粒子Sの最大粒径が大きくなることによる分散強化度の低下が起因して、溶接熱の影響による界面Bの再結晶化が極端に進み、強度が低下したためであると考えられる。
1 温度センサ
2 サーミスタ素子
21 抵抗体
22 電極線
3 信号線
4 カバー
Y 溶融接合部
K 金属粒子
S 酸化物粒子
H 気孔

Claims (4)

  1. 温度によって抵抗値が変化する抵抗体(21)と、
    該抵抗体から引き出された電極線(22)と、
    該電極線と溶融によって接合された信号線(3)と、
    上記抵抗体、及び上記電極線と上記信号線との溶融接合部(Y)を覆うカバー(4)と、を備えた温度センサ(1)において、
    上記電極線は、白金を含む金属粒子(K)と、該金属粒子中に分散された酸化物粒子(S)と、気孔(H)とを有しており、
    上記気孔は、上記電極線の内部、及び該電極線と上記溶融接合部との界面(B)に形成されており、
    上記電極線の内部における面積当たりの気孔割合は4%以下であり、上記界面の面積当たりの気孔割合は、上記電極線の内部における面積当たりの気孔割合よりも小さく、かつ3%以下である、温度センサ。
  2. 全ての上記酸化物粒子の粒径は、0.5μm以下である、請求項に記載の温度センサ。
  3. 上記酸化物粒子の含有量は、電極線の全体に対して3000ppm以下である、請求項1又は2に記載の温度センサ。
  4. 上記金属粒子は、白金に、イリジウム、ロジウム、ストロンチウムのうちの少なくとも一種が固溶されたものである、請求項1〜のいずれか一項に記載の温度センサ。
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