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JP6516471B2 - ポリアミド樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物および成形品 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物およびその成形品に関するものである。
ポリアミド樹脂は、機械的および熱的性質並びに耐油性に優れているため、自動車や電気・電子製品等の部品に広く用いられている。また、ポリアミドにガラス繊維を配合した強化ポリアミド樹脂は、機械的物性、耐熱性、耐薬品性等が大きく向上するため、従来金属製であった部品を、軽量化および工程の合理化等の観点から代替することも可能となり、近年積極的に検討が進められている。
しかし、ポリアミド樹脂の機械的強度を向上させるためにガラス繊維を配合すると表面外観が低下するという問題がある。これら表面外観を改善するために、結晶化温度が210℃以下でかつ芳香環を持つポリアミド樹脂を用いることが知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、同様に表面外観を改善する技術として、ポリアミド樹脂中に繰り返し構造単位としてヘキサメチレンイソフタルアミド単位とカプロアミド単位を持つ共重合体を用いることも知られている(たとえば、特許文献2および特許文献3参照)。
特開平11−279399号公報 特開2006−137815号公報 特開2004−107536号公報
しかし、特許文献2や3に記載されている技術では機械的強度が充分でなく、さらなる改良が望まれる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、優れた機械的物性を有しながら外観に優れる成形品が得られるポリアミド樹脂組成物およびその成形品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記課題に対して鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂とガラス繊維を含むポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂組成物の結晶化ピークの補外結晶化開始点を特定の範囲とすることにより、高い機械的物性を有しながら外観にも優れる成形品が得られるポリアミド樹脂組成物を見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明のポリアミド樹脂組成物は、
(A)ポリアミド樹脂30〜70質量部と(B)ガラス繊維70〜30質量部を含むポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂組成物の結晶化ピークの補外結晶化開始点が175℃以上200℃以下であることを特徴とする。
ここで、ポリアミド樹脂組成物の結晶化ピークの補外結晶化開始点とは、日本工業規格K7121を元に、DSC(示差走査熱量測定:DSCには入力補償DSCと熱流速DSCの2つの測定方法があるが、本発明においてDSCは入力補償DSCである)を用いて、融点+20℃の温度で5分保持した後、ポリアミド樹脂組成物を冷却速度100℃/minで降温させたときに観測される結晶化ピークの補外結晶化開始温度であり、補外結晶化開始温度は、高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、結晶化ピークの高温側の曲線にこう配が最大になる点で引いた接線の交点の温度である。
(A)成分は結晶性芳香族ポリアミドであることが好ましい。
(A)成分はジアミンとジカルボン酸を縮合して得られるポリアミド樹脂であって、構成するジカルボン酸の一部が芳香族を有するジカルボン酸であり、全ジカルボン酸100質量%に対する芳香族を有するジカルボン酸の割合が、5〜35質量%であることが好ましい。
芳香族を有するジカルボン酸はテレフタル酸および/またはイソフタル酸であることが好ましい。
(A)成分はポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)とポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)の共重合体またはポリアミド66とポリアミド6Iとポリアミド6(ポリカプロラクタム)の共重合体であることが好ましい。
結晶化ピークの補外結晶化開始点から補外結晶化終了点までの温度幅は25℃以上であることが好ましい。ここで、補外結晶化終了点とは上記補外結晶化開始点と同様に測定される結晶化ピークの補外結晶化終了温度であり、補外結晶化終了温度は低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、結晶化ピークの低温側の曲線にこう配が最大となる点で引いた接線の交点の温度である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、さらにカーボンブラックを含むことが好ましい。
カーボンブラックの平均一次粒径は20nm以下であることが好ましい。
カーボンブラックの含有量はポリアミド樹脂組成物100質量部に対して0.1質量部以下であることが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、さらにニグロシンを含み、ニグロシンの含有量はカーボンブラックの含有量以下であることが好ましい。
(B)成分の含有量は(A)成分の含有量よりも多くてもよい。
本発明の成形体は、上記本発明のポリアミド樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂30〜70質量部と(B)ガラス繊維70〜30質量部を含むポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂組成物の結晶化ピークの補外結晶化開始点が175℃以上200℃以下であるので、優れた機械的物性を有しながら、外観に優れる成形品が得られるポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂30〜70質量部と、(B)ガラス繊維70〜30質量部とを含み、ポリアミド樹脂組成物中におけるポリアミド樹脂の結晶化ピークの補外結晶化開始点が175℃以上200℃以下である。
以下、本発明のポリアミド樹脂組成物の各構成要素について詳細に説明する。
[(A)成分:ポリアミド樹脂]
(A)成分のポリアミド樹脂としては、強度と外観のバランスの観点から、結晶性芳香族ポリアミドが好ましい。結晶性芳香族ポリアミドとは、結晶性を示すポリアミド樹脂中に芳香族構造を持つ構成単位を含むポリアミド樹脂のことを指す。
本発明において、好ましい(A)成分はジアミンとジカルボン酸を縮合して得られるポリアミド樹脂であって、構成するジカルボン酸の一部が芳香族を有するジカルボン酸であり、全ジカルボン酸100質量%に対する芳香族を有するジカルボン酸の割合が、5〜35質量%であることが好ましく、好ましくは5〜25質量%であり、より好ましくは10〜25質量%であり、さらに好ましくは10〜20質量%である。5質量%以上とすることで成形品の表面にガラス繊維の露出を抑制し、ポリアミド樹脂組成物として優れた外観を得やすくなり、25質量%以下とすることでポリアミド樹脂組成物として結晶性の低下を抑制し、高い機械的物性を発揮させることができる。
芳香族を有するジカルボン酸はテレフタル酸および/またはイソフタル酸であることが好ましい。テレフタル酸および/またはイソフタル酸を構成単位に含むポリアミドとしては、例えば、イソフタル酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるポリヘキサメチレンイソフタラミド(6I)、テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから得られるポリヘキサメチレンテレフタラミド(6T)、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)が挙げられ、好ましくはポリアミド6Iまたはポリアミド6Iとポリアミド6Tの共重合体、より好ましくはポリアミド6Iである。
本発明で用いる(A)成分は、外観の観点から、芳香族構造を持つ構成単位として6Iを含むことが好ましい。
本発明において、特に好ましい(A)成分としては、より優れた外観が得られること、機械強度の観点から、ポリアミド66/6Iまたはポリアミド66/6Iにポリアミド6を共重合したポリアミド66/6I/6を好適に用いることができる。ポリアミド6をさらに共重合すると、結晶化温度が低下し、光沢の優れた成形品が得られ易くなる。特にポリアミド6を10質量%以下とすることで結晶性の低下を抑制し機械的物性を維持できる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、他のポリアミドをブレンドすることができる。他のポリアミドは、例えば、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド612(ポリヘキサメチレンドデカミド)、ポリアミド610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ポリアミド12(ポリドデカラクタム)、ポリアミド11(ポリウンデカラクタム)、ポリアミドMXD6、ポリアミド6Tなどが挙げられる。
また、上記のポリアミド66/6Iにさらに他のポリアミド形成成分を共重合することもできる。他のポリアミド形成成分としては、ω−ラウリルラクタムから得られるラウリルアミド単位、セバシン酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンセバカミド単位、ドデカン二酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンドデカンアミド単位、テレフタル酸およびヘキサメチレンジアミンから得られるヘキサメチレンテレフタラミド単位などが挙げられる。具体的には、ポリアミド66/6I/12、ポリアミド66/6I/610、ポリアミド66/6I/612、ポリアミド66/6I/6Tが例示できる。
(A)成分を製造する方法としては、例えば、アジピン酸、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの塩から溶融重合法、固相重合法、塊状重合法、溶液重合法、またはこれらを組み合わせた方法等、種々の重縮合を行う方法が利用できる。また、アジピン酸クロライド、イソフタル酸クロライドとヘキサメチレンジアミンから溶液重合、界面重合等の方法によっても得ることができる。これらの中でも、溶融重合もしくは溶融重合と固相重合の組み合わせによる方法が経済的にも好ましい。
(A)成分の分子量は、硫酸溶液粘度ηr(ポリマー1gに対して95.5%硫酸100mL、25℃測定)で1.5〜3.5が好ましく、より好ましくは1.8〜3.0、さらに好ましくは、2.0〜2.8である。ηrが1.5以上とすることで樹脂組成物の脆化を抑えられ、また成形時にシリンダーのノズル先端からのドローリングが起こりにくくすることができる。また、ηrが3.5以下とすることで樹脂の溶融粘度が高くなりすぎず、成形時の部分的な無機充填剤の浮き上がりを抑え、表面光沢性を維持できる。
(A)成分の配合量としては30〜70質量部の範囲であり、好ましくは35〜67質量部である。30質量部以上とすることで、樹脂の流動性が維持でき、薄肉部に対しても樹脂の充填が可能、また表面光沢性の良い成形品を得ることができる。又、70質量部以下とすることで金属代替可能な外装材料として強度剛性を確保することができる。
[(B)成分:ガラス繊維]
本発明に用いられる(B)成分のガラス繊維は、通常、熱可塑性樹脂に使用されているものを使うことができ、繊維径や長さに特に制限はなく、例えば、直径が5〜25μmのチョップドストランド、ロービング、ミルドファイバーのいずれを使用しても良い。強度剛性の発現および組成物中での分散性の観点から、好ましくはチョップドストランドである。チョップドストランドを用いる場合には、その長さが0.1〜6mmの範囲で適宜選択して用いることができる。
ガラス繊維は、その表面に、通常公知のシラン系カップリング剤を付着させたものを用いても良い。シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが利用できる。
ガラス繊維の配合量としては30〜70質量部であり、好ましくは33〜65質量部である。30質量部以上とすることで、金属代替可能な材料として強度剛性を維持できる。又、70質量部以下とすることで、樹脂の流動性を維持でき、薄肉部への樹脂の充填が可能となるほか、表面光沢性の良い成形品を得ることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物の結晶化ピークの補外結晶化開始点は、175℃以上200℃以下であり、好ましくは180℃以上195℃以下である。175℃以上であれば成形時の結晶化を確保でき、200℃以下とすることで結晶化開始を遅らせて成形品の表面外観を確保できる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、成形品の外観と強度のバランスの観点から、結晶化ピークの補外結晶化開始点と同条件で測定した結晶化ピークの補外結晶化開始点から補外結晶化終了点までの温度幅が25℃以上であることが好ましく、より好ましくは30℃以上であることが望ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は着色剤を用いて着色してもよい。着色剤としては、ポリアミド樹脂組成物としたときに結晶化ピークの補外結晶化開始点が175℃以上200℃以下の範囲を満たすものであれば、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。たとえば黒に着色する場合であれば、結晶化を促進させる観点から、カーボンブラックやニグロシンの使用が好ましい。
カーボンブラックの場合には、平均一次粒径が10nm〜40nmの範囲が好ましく、10〜30nmがより好ましく、10〜20nmが特に好ましい。組成物中への分散性の観点から10nm以上が好ましく、強度・剛性発現の観点から40nm以下が好ましい。ここで、平均一次粒径とはASTM D3849規格(カーボンブラックの標準試験法−電子顕微鏡法による形態的特徴付け)に記載の手順によりアグリゲート拡大画像を取得し、このアグリゲート画像から単位構成粒子として3,000個の粒子径を測定し、算出した平均値を意味する。また、比表面積が50〜300m2/g(BET吸着法)の範囲、吸油量(ジブチルフタレートを用いた測定値)が50mL/100g〜150mL/100gの範囲であるものが好ましく使用できる。
カーボンブラックの添加量はポリアミド樹脂組成物100質量部に対して好ましくは0.1質量部以下0.02質量部以上であり、より好ましくは0.1質量部以下0.025質量部以上、さらに好ましくは0.06質量部以下0.03質量部以上である。結晶化温度を200℃以下とし、高い表面外観を発現する観点からは10質量部以下が好ましい。
ニグロシンとしては、特に限定されるものではないが、例えばC.I.SOLVENT BLACK 5やC.I.SOLVENT BLACK 7としてCOLORINDEXに記載されている、黒色のトリフェナジンオキサジン、フェナジンアジンなどのアジン系縮合混合物が挙げられる。また、その一部が変性されていてもかまわない。市販されているニグロシンの例としては、ヌビアンブラックPA−9801、ヌビアンブラックPA−9800、ヌビアンブラックPA−0800等が例示できる。
本発明のポリアミド樹脂組成物に用いられる着色剤としては、外観と強度のバランス向上の観点から、カーボンブラックとニグロシンを併用することが好ましい。併用する場合の添加量は、ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して0.005〜0.1質量部が好ましく、より好ましくは0.005〜0.04質量部、さらに好ましくは0.01〜0.02質量部である。
また、ポリアミド樹脂組成物中のニグロシンの含有量はカーボンブラックの含有量以下であることが好ましく、カーボンブラックに対するニグロシンの質量比は、カーボンブラック1に対して、0.05〜1.0の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.5の範囲である。成形品外観向上の観点から0.05以上であり、強度向上の観点から1.0以下が好ましい。
[ポリアミド樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法としては、上記の(A)成分、(B)成分および必要に応じて用いられる各種の添加剤を混合し、混練すればよい。その際、配合、混練方法には特に制限はなく、通常用いられる混合機、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンブレンダー等で混合が行われる。混練機としては、一般に単軸または2軸の押出機が用いられる。このような押出機により、通常は、まず上記本発明の樹脂組成物からなるペレットが製造され、このペレットを圧縮成形、射出成形、押出成形等により任意の形状に成形して所望の樹脂製品とすることができる。
射出成形条件としては特に限定はないが、成形温度が250℃〜310℃の範囲、金型温度が40℃〜120℃の範囲で成形する方法が例示できる。
また、本発明の組成物を得るための混合順序にしても特に制限はないが、1)(A)成分、(B)成分、および着色剤を一括して混練する方法、2)(A)成分と(B)成分を溶融混練後、着色剤を混練する方法等が挙げられる。また、全部を溶融混練せずに、いわゆるペレットブレンドとしては、3)(A)成分の一部と(B)成分を混練したものと、(A)成分の残りと着色剤とを混練したものを、ペレットブレンドして加工に供する方法等が例示できる。また、予め、(A)成分の一部と着色剤とを混練して着色剤を高濃度で含むマスターペレットを製造しておき、これと(B)成分と(A)成分の残りをブレンドまたは再混練して用いることもできる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じ本発明の目的を損なわない範囲において、通常のポリアミド樹脂に添加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光劣化防止剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、難燃剤等を添加することもできるし、他の熱可塑性樹脂をブレンドしても良い。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、例えば、アウタードアハンドル、ホイールキャップ、ルーフレール、ドアミラーベース、ルームミラーアーム、サンルーフデフレクター、ラジエターファン、ベアリングリテーナー等の自動車部品、および机および椅子の脚、座受け、肘掛け等の各種オフィス部品、さらには、車椅子部品、ドアハンドル、手摺り、浴室等の握り棒、窓用ノブ、グレーティング材等、工業用途および雑貨用途に利用できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(1)評価方法は下記の通りである。
〔補外結晶化開始点、補外結晶化開始点と補外結晶化終了点の差〕
JIS K7121を参考に、パーキンエルマー社製DSC7を用いて、融点+20℃の温度で5分保持した後、100℃/minの降温速度で冷却した際に観測される結晶化ピークの補外結晶化開始温度と補外結晶化終了温度を測定した。これより「補外結晶化開始点」と、「補外結晶化開始点と補外結晶化終了点の差」を求めた。
〔引張強度〕
東芝機械(株)製;IS−50EP射出成形機を用いて、樹脂温度290℃、金型温度:80℃に設定し、射出+保圧時間:25秒、冷却時間:15秒の成形条件で、ISOタイプAの多目的試験片を成形した。得られた多目的試験片を用いて、ISO527に従って、引張速度5mm/minの条件で、引張破断強さを測定した。得られた破断強さを引張強度とした。
〔表面光沢〕
東芝機械(株)社製;IS150E射出成形機を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度110℃または80℃で、充填時間が約1.5秒になるように射出圧力、および速度を適宜調整し、100×90×3mmの射出成形板を得た。この平板を用い、光沢計(HORIBA製;IG320)を用いてJIS−K7150に準じて60度グロスを測定した。
(2)実施例、比較例に用いた原料を以下に示す。
(A)ポリアミド
a1:後記する製造例で得られたポリアミド66/6I共重合体
a2:後記する製造例で得られたポリアミド66/6I/6共重合体
a3:ポリアミド66:レオナ(登録商標)1300(旭化成ケミカルズ社製)
(B)無機充填剤
b1:ガラス繊維(日本電気硝子(株)社製;ECS 03T−275H)
(C)カーボンブラック
c1:一次粒子径が13nmのカーボンブラック
c2:一次粒子径が18nmのカーボンブラック
c3:一次粒子径が27nmのカーボンブラック(三菱化学(株)製;三菱カーボン(登録商標)#50)
(D)ニグロシン
d1:ヌビアンブラックTN−870(オリヱント化学工業社製)
〔製造例1:ポリアミド(a1)の製造〕
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩2.00kgと、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.50kg、およびアジピン酸0.10kg、ヨウ化銅29g、ヨウ化カリウム480gおよび純水2.5kgを5Lのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。充分N置換した後、攪拌しながら温度を室温から220℃まで約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ内の水蒸気による自然圧で内圧は18kg/cm(G)(17.7×10Pa)になるが、18kg/cm(G)(17.7×10Pa)以上の圧力にならないよう水を反応系外に除去しながらさらに加熱を続けた。さらに2時間後、内温が260℃に到達したら加熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、約2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得られた粉砕ポリマーを10Lのエバポレーターに入れ、N気流下、200℃で10時間固相重合した。
〔製造例2:ポリアミド(a2)の製造〕
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩、ε−カプロラクタムをそれぞれ80:15:5の質量比で投入し、投入した全原料と同量の純水を加え、重合缶内を充分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は20kg/cm(G)(19.6×10Pa)に調整しながら最終到達温度は270℃とし、水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。
〔実施例1〜8、比較例1〜5〕
ポリアミド樹脂、着色剤、およびガラス繊維を表1記載の割合になるように、東芝機械(株)製;TEM35φ2軸押出機(設定温度:290℃、スクリュー回転数300rpm)を用いて、トップフィードホッパーよりポリアミド樹脂と着色剤を供給し、さらに、サイドフィード口よりガラス繊維を供給し、紡口より押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてポリアミド樹脂組成物を得た。その組成および評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜8はいずれも機械的強度が高いながらも外観表面が良好な成形品が得られた。一方で、比較例は機械的強度と表面光沢の両立を図ることができなかった。
〔実施例9〜11、比較例6〜8〕
ポリアミド樹脂、着色剤、およびガラス繊維を表2記載の割合になるようにした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得た。得られた組成物の組成および評価結果を表2に示す。
表2に示す実施例9〜11のポリアミド樹脂組成物は(B)成分の含有量が低いにもかかわらず、対応する比較例6〜8よりも機械的強度が高く、外観表面が良好な成形品が得られた。
〔実施例12および13、比較例9〜11〕
ポリアミド樹脂、着色剤、およびガラス繊維を表3記載の割合になるようにした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得た。得られた組成物の組成および評価結果を表3に示す。
ポリアミド6を含む共重合体は元来高い外観性を得られやすいものの機械的強度が低下しやすく、そのために(B)成分の含有量を高くする必要があり、このために良好な外観が得られにくくなるが、表3に示す実施例12および13のポリアミド樹脂組成物は機械的強度が高いながらも外観表面が良好な成形品が得られた。
本発明のポリアミド樹脂組成物およびこれを用いた成形品は、優れた機械的物性および成形品表面外観を有しており、自動車分野、電気・電子分野、機械工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野等において、産業上の利用可能性がある。

Claims (7)

  1. (A)ポリアミド樹脂30〜70質量部と(B)ガラス繊維70〜30質量部を含むポリアミド樹脂組成物であって、該ポリアミド樹脂組成物の結晶化ピークの補外結晶化開始点が175℃以上200℃以下であり、前記(A)成分がポリアミド66とポリアミド6Iの共重合体またはポリアミド66とポリアミド6Iとポリアミド6の共重合体であって、さらに、平均一次粒径が20nm以下のカーボンブラックとニグロシンを含むポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分はジアミンとジカルボン酸を縮合して得られるポリアミド樹脂であって、構成するジカルボン酸の一部が芳香族を有するジカルボン酸であり、全ジカルボン酸100質量%に対する芳香族を有するジカルボン酸の割合が、5〜35質量%である請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記結晶化ピークの補外結晶化開始点から補外結晶化終了点までの温度幅が25℃以上である請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記カーボンブラックの含有量が前記ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、0.1質量部以下である請求項1、2または3記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記ニグロシンの含有量が、前記カーボンブラックの含有量以下である請求項1〜4いずれか1項記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記(B)成分の含有量が前記(A)成分の含有量よりも多いことを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 請求項1〜いずれか1項記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品。
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