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JP6516094B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は空気調和機等に関する。
特許文献1に開示されるように、空気清浄機は一般に知られる。空気清浄機は空気清浄フィルタを備える。空気清浄フィルタは例えばHEPAフィルタで構成される。HEPAフィルタは花粉やPM2.5といった微粒子を捕獲する。一般に空気調和機で使用される粗塵用フィルタに比べてHEPAフィルタの通風抵抗は著しく大きい。
特開2015−023968号公報
一般の冷房動作や暖房動作に加えて空気調和機に空気清浄機能の搭載が望まれる。空気調和機のエアフィルタに空気清浄フィルタが用いられると、通風抵抗が大きすぎ、空気調和機の冷房能力および暖房能力は著しく低下してしまう。特に、一般的に空気調和機で用いられるクロスフローファンは通風抵抗の増大に弱く、送風能力が著しく低下してしまう。
本発明のいくつかの態様によれば、通風抵抗の増加を抑制しつつ気流の清浄度を高めることができる空気調和機は提供されることができる。
本発明の一形態は、気流の通路を形成し、前記通路の横断面に開口面を区画する筐体と、前記筐体に支持されて、二次元面内で第1区画に粗塵用フィルタを有し、前記二次元面内で第1区画に相違する第2区画に空気清浄フィルタを有するエアフィルタと、前記開口面に空気清浄フィルタを配置する第1位置、および、前記開口面から少なくとも部分的に空気清浄フィルタをずらして前記空気清浄フィルタに代えて前記粗塵用フィルタを配置第2位置との間でエアフィルタを駆動する駆動部材とを備える空気調和機に関する。
開口面に空気清浄フィルタが位置すると、気流は空気清浄フィルタを通過する。気流に含まれる花粉やPM2.5といった微粒子は空気清浄フィルタで捕獲される。こうして空気調和機で空気清浄機能は実現される。開口面から空気清浄フィルタがずらされると、開口面には粗塵用フィルタが位置する。粗塵用フィルタは一般の空気調和機向けエアフィルタとして機能する。通風抵抗の増大は回避される。必要なときにだけ空気清浄機能が実現されることで、空気調和機は通風抵抗の増加を抑制しつつ気流の清浄度を高めることができる。
空気調和機では前記粗塵用フィルタはメッシュシートで形成されてもよい。空気清浄フィルタはHEPAフィルタまたはMEPAフィルタから形成されればよい。その一方で、空気清浄フィルタは不織布から形成されてもよい。空気調和機は、前記第2位置の前記空気清浄フィルタを塞ぐフィルタ清掃ユニットをさらに備えてもよい。
以上のような空気調和機の実現にあたって、空気調和機用エアフィルタは、二次元面内に第1区画および第2区画を規定するフレームと、前記フレームの前記第1区画に配置されて前記フレームに支持される粗塵用フィルタと、前記フレームの前記第2区画に配置されて前記フレームに支持される空気清浄フィルタとを備えればよい。
以上のように開示の空気調和機によれば、通風抵抗の増加を抑制しつつ気流の清浄度を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す概念図である。 一実施形態に係る室内機の外観を概略的に示す斜視図である。 室内機の本体の構成を概略的に示す斜視図である。 室内機の構造を概略的に示す分解斜視図である。 本体内の構造を概略的に示す部分斜視図である。 エアフィルタの構造を概略的に示す拡大斜視図である。 室内機の本体の拡大垂直断面図である。 図7に対応し、エアフィルタが第1位置に位置する室内機の本体の拡大垂直断面図である。 図7に対応し、エアフィルタが第2位置に位置する室内機の本体の拡大垂直断面図である。 他の実施形態に係るエアフィルタの構造を概略的に示す拡大斜視図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
(1)空気調和機の構成
図1は本発明の一実施形態に係る空気調和機11の構成を概略的に示す。空気調和機11は室内機12および室外機13を備える。室内機12は例えば建物内の室内空間に設置される。その他、室内機12は室内空間に相当する空間に設置されればよい。室内機12には室内熱交換器14が組み込まれる。室外機13には圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18が組み込まれる。室内熱交換器14、圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18は冷凍回路19を形成する。
冷凍回路19は第1循環経路21を備える。第1循環経路21は四方弁18の第1口18aおよび第2口18bを相互に結ぶ。第1循環経路21には、圧縮機15が設けられている。圧縮機15の吸入管15aは四方弁18の第1口18aに冷媒配管を介して接続される。第1口18aからガス冷媒は圧縮機15の吸入管15aに供給される。圧縮機15は低圧のガス冷媒を所定の圧力まで圧縮する。圧縮機15の吐出管15bは四方弁18の第2口18bに冷媒配管を介して接続される。圧縮機15の吐出管15bからガス冷媒は四方弁18の第2口18bに供給される。冷媒配管は例えば銅管であればよい。
冷凍回路19は第2循環経路22をさらに備える。第2循環経路22は四方弁18の第3口18cおよび第4口18dを相互に結ぶ。第2循環経路22には、第3口18c側から順番に室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14が組み込まれる。室外熱交換器16は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーの交換をする。室内熱交換器14は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーの交換をする。第2循環経路22は例えば銅管などの冷媒配管で形成されればよい。
室外機13には送風ファン23が組み込まれる。送風ファン23は室外熱交換器16に通風する。送風ファン23は例えば羽根車の回転に応じて気流を生成する。気流は室外熱交換器16を通り抜ける。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
室内機12には送風ファン24が組み込まれる。送風ファン24は室内熱交換器14に通風する。送風ファン24は羽根車の回転に応じて気流を生成する。送風ファン24の働きで室内機12には室内空気が吸い込まれる。室内空気は室内熱交換器14を通り抜け冷媒と熱交換する。熱交換された冷気または暖気の気流は室内機12から吹き出される。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
冷凍回路19で冷房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第3口18cを相互に接続し第1口18aおよび第4口18dを相互に接続する。したがって、圧縮機15の吐出管15bから高温高圧の冷媒が室外熱交換器16に供給される。冷媒は室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14を順番に流通する。室外熱交換器16では冷媒から外気に放熱する。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室内熱交換器14で周囲の空気から吸熱する。冷気が生成される。冷気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。
冷凍回路19で暖房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第4口18dを相互に接続し第1口18aおよび第3口18cを相互に接続する。圧縮機15から高温高圧の冷媒が室内熱交換器14に供給される。冷媒は室内熱交換器14、膨張弁17および室外熱交換器16を順番に流通する。室内熱交換器14では冷媒から周囲の空気に放熱する。暖気が生成される。暖気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室外熱交換器16で周囲の空気から吸熱する。その後、冷媒は圧縮機15に戻る。
(2)室内機の構成
図2は一実施形態に係る室内機12の外観を概略的に示す。室内機12は本体25を備える。本体25に室内熱交換器14が支持される。本体25の正面(前面)にはアウターパネル26が覆い被さる。
本体25の底板27には吹出口28が形成される。吹出口28は室内に向けて開口される。本体25は背面で例えば室内の壁面に固定されることができる。吹出口28は、室内熱交換器14で生成される冷気または暖気の気流を吹き出す。
吹出口28には前後1対の上下風向板29a、29bが配置される。上下風向板29a、29bはそれぞれ水平軸線31a、31b回りに回転することができる。回転に応じて上下風向板29a、29bは吹出口28を開閉することができる。上下風向板29a、29bの角度に応じて、吹き出される気流の方向は変えられる。
図3に示されるように、本体25の天板32には吸込口33が形成される。室内熱交換器14に流入する空気は吸込口33から取り込まれる。本体25には天板32の下方で室内熱交換器14の前方に複数のエアフィルタアセンブリ34が着脱自在に装着される。エアフィルタアセンブリ34は水平軸線31a、31bの軸方向に横並びに並べられる。個々のエアフィルタアセンブリ34はエアフィルタ35およびフィルタ清掃ユニット36を備える。エアフィルタ35はフィルタ清掃ユニット36上に支持され保持される。フィルタ清掃ユニット36は支持枠37で本体25に固定される。支持枠37が本体25の定位置に装着されると、エアフィルタ35は室内熱交換器14の収容空間と吸込口33に接する空間とに本体25内の空間を分割する。吸込口33側の空間の空気はエアフィルタ35を通過して室内熱交換器14の収容空間に進入する。
支持枠37には前側フィルタレール38が形成される。前側フィルタレール38はエアフィルタ35の左右両側に相互に平行に延びる。前側フィルタレール38の延長線上で本体25には左右の後側フィルタレール39が形成される。後側フィルタレール39はエアフィルタ35の左右両側に相互に平行に延びる。エアフィルタ35は左右両側でスライド自在にフィルタレール38、39に保持される。フィルタレール38、39は水平軸線31a、31bに直交する垂直面に沿って形成される。フィルタレール38、39はエアフィルタ35の前後移動を案内する。こうしてエアフィルタ35の移動経路は規定される。
本体25の底板27上で最も前方(設置時に壁面から最も遠い位置)には電装品箱41が配置される。電装品箱41の後方で底板27上に室内熱交換器14は支持される。電装品箱41の筐体は例えば水平軸線31a、31bの軸方向に2つのエアフィルタアセンブリ34にまたがって配置される。電装品箱41には電装品が収容される。電装品は室内機12の動作を制御する。
図4に示されるように、個々のフィルタ清掃ユニット36は上ダストボックス42および下ダストボックス43を備える。上ダストボックス42および下ダストボックス43は支持枠37を形成する。上ダストボックス42および下ダストボックス43は前後に配置されて相互に重ねられる。上ダストボックス42および下ダストボックス43の間にエアフィルタ35が配置される。エアフィルタ35の清掃時、概ねエアフィルタ35の前面の塵埃は上ダストボックス42のボックス本体45に回収され、エアフィルタ35の後面の塵埃は下ダストボックス43に回収される。
フィルタ清掃ユニット36は第1従動ギア46および第2従動ギア47を備える。第1従動ギア46は上ダストボックス42に取り付けられる。第1従動ギア46は水平軸48回りで回転する。第1従動ギア46は、上ダストボックス42内の後述する清掃ブラシを回転駆動する。第1従動ギア46の歯は上ダストボックス42の外面から部分的に露出する。同様に、第2従動ギア47は下ダストボックス43に取り付けられる。第2従動ギア47は水平軸49回りで回転する。第2従動ギア47は、下ダストボックス43の両端に配置されエアフィルタ35を駆動する。第2従動ギア47の歯は下ダストボックス43の外面から部分的に露出する。エアフィルタアセンブリ34が本体25にセットされると、第1従動ギア46は本体25に搭載の第1駆動ギア(図示されず)に噛み合い、同様に第2従動ギア47は本体25に搭載の第2駆動ギア(図示されず)に噛み合う。個々の駆動ギアには個別に電動モータといった駆動源(図示されず)が連結される。個々の駆動源から供給される駆動力に応じて第1従動ギア46および第2従動ギア47は個別に回転する。
本体25にはエアフィルタアセンブリ34の定位置を規定する構造が形成される。こうした構造は、エアフィルタアセンブリ34の左右両側で物理的な垂直面53を規定する壁や、当該垂直面53から突き出て前後方向にエアフィルタアセンブリ34の位置決めを担う突き当て面54を規定する突片で構成されればよい。壁の垂直面53は例えば水平軸線31a、31bに直交すればよく、突き当て面54は水平軸線31a、31bに平行な垂直面で構成されればよい。本体25およびエアフィルタアセンブリ34の間には、エアフィルタアセンブリ34が定位置に装着された際に弾性力でエアフィルタアセンブリ34に係り合って定位置にエアフィルタアセンブリ34を保持する機構が構成されてもよい。こうした機構は定位置でエアフィルタアセンブリ34のがたつきを防止することができる。
図5に示されるように、本体25には送風ファン24が回転自在に支持される。送風ファン24には例えばクロスフローファンが用いられる。送風ファン24は水平軸線31a、31bに平行な回転軸58回りで回転する。送風ファン24の回転軸58は本体25の設置時に水平方向に延びる。送風ファン24は吹出口28に平行に配置される。送風ファン24には駆動源(図示せず)から回転軸58回りの駆動力が伝達される。駆動源は本体25に支持される。送風ファン24の回転に応じて気流は室内熱交換器14を通過する。その結果、冷気または暖気の気流が生成される。冷気または暖気の気流は吹出口28から吹き出される。
室内熱交換器14は前側体14aおよび後側体14bを備える。前側体14aは送風ファン24の前側から送風ファン24に向き合わせられる。後側体14bは送風ファン24の後側から送風ファン24に向き合わせられる。前側体14aおよび後側体14bは上端で相互に連結される。前側体14aおよび後側体14bは冷媒管59aを有する。冷媒管59aは水平方向に往復する。すなわち、冷媒管59aは、水平軸線31a、31bに平行に延び、本体25の正面視左右端で折り返され、再び水平軸線31a、31bに平行に延び、再び本体25の正面視左右端で折り返され、これらが繰り返される。冷媒管59aは第2循環経路22の一部を構成する。冷媒管59aには複数の放熱フィン92bが結合される。放熱フィン92bは水平軸線31a、31bに直交しつつ相互に平行に広がる。冷媒管59aおよび放熱フィン92bは例えば銅やアルミといった金属材料から形成されることができる。冷媒管59aおよび放熱フィン92bを通じて冷媒と空気との間で熱交換が実現される。
図6に示されるように、エアフィルタ35はフレーム61を備える。フレーム61にはx座標軸およびy座標軸の二次元面内で第1区画62aおよび第2区画62bが規定される。x座標軸は水平軸線32a、32bに平行に水平面内で規定される方向に相当する。y座標軸は水平軸線32a、32bに直交する垂直面内で規定される方向に相当する。第1区画62aおよび第2区画62bはy座標軸の方向に並べられx座標軸の方向にフレーム61の全長にわたって広がる。第1区画62aおよび第2区画62bはそれぞれフレーム61で仕切られればよい。フレーム61は樹脂材料(例えばポリプロピレン)から形成される。
フレーム61の第1区画62aには粗塵用フィルタ63が配置される。粗塵用フィルタ63はメッシュシートで形成される。メッシュシートは例えばポリエチレンテレフタラートの繊維(樹脂繊維)を格子状に組み合わせて構成される。メッシュシートはフレーム61に支持される。フレーム61はメッシュシートの形状を保持する機能を有する。
フレーム61の第2区画62bには空気清浄フィルタ65が配置される。空気清浄フィルタ65は例えば不織布から形成される。空気清浄フィルタ65は例えばHEPAフィルタまたはMEPAフィルタを構成すればよい。空気清浄フィルタ65は粗塵用フィルタ63を通過する微粒子を捕獲することができる。ただし、空気清浄フィルタ65の通風抵抗は粗塵用フィルタ63のそれよりも大きい。
エアフィルタ35のフレーム61にはラック66が形成される。ラック66はx座標軸の両側でy座標軸方向に延びるフレーム61に形成される。ラック66は、下ダストボックス43に収納されるピニオン(図示されず)に噛み合う。ピニオンは第2従動ギア47に連結される。第2従動ギア47の回転はピニオンに伝達される。こうして第2従動ギア47の回転に応じて、エアフィルタ35はフィルタレール38、39に沿って前後に移動する。上ダストボックス42および下ダストボックス43に対してエアフィルタ35は相対的に移動する。
図7に示されるように、フィルタ清掃ユニット36はピニオン(駆動部材)67を備える。ピニオン67は例えば下ダストボックス43に回転自在に支持される。ピニオン67の外周は、例えば支持枠37に形成される押さえ板(案内部材)68の湾曲面に所定の間隔で向き合わせられる。湾曲面はピニオン67の回転軸に平行な母線で形成される。エアフィルタ35がフィルタ清掃ユニット36に装着されると、フレーム61およびラック66はピニオン67の外周と押さえ板68の湾曲面とに挟まれる。こうしてラック66はピニオン67に噛み合う。押さえ板68はピニオン67からラック66の離脱を防止する。ピニオン67および押さえ板68でエアフィルタ35の移動は案内される。
ピニオン67は第2従動ギア47に連結される。第2従動ギア47の回転はピニオン67に伝達される。ピニオン67の回転はピニオン67の接線方向にラック66の移動を引き起こす。こうして第2従動ギア47の回転に応じて水平軸線31a、31bに直交する垂直面に沿った方向に上ダストボックス42および下ダストボックス43に対してエアフィルタ35の相対移動は実現される。
フィルタ清掃ユニット36は清掃ブラシ69を備える。清掃ブラシ69はブラシ台座71およびブラシ毛72を備える。ブラシ台座71は第1従動ギア46からの駆動力により水平軸73回りに回転することができる。ブラシ毛72はブラシ台座71の円筒面上に所定の中心角範囲にわたって配置される。ブラシ毛72の植毛範囲はブラシ台座71の軸方向にエアフィルタ35を横切る広がりを有する。清掃ブラシ69は所定の回転位置でブラシ毛72をエアフィルタ35に接触させ当該回転位置以外ではブラシ毛72をエアフィルタ35から離脱させる。ブラシ毛72がエアフィルタ35に接触した状態でフィルタレール38、39に沿ってエアフィルタ35が移動すると、エアフィルタ35の前面に付着した塵埃はブラシ毛72に絡め捕られることができる。
フィルタ清掃ユニット36はブラシ受け74を備える。ブラシ受け74は下ダストボックス43内に収納される。ブラシ受け74は支え面75を有する。支え面75は清掃ブラシ69に向き合わせられる。ブラシ毛72がエアフィルタ35に接触する際に支え面75はブラシ毛72との間にエアフィルタ35を挟み込む。その他、支え面75にはブラシ毛が植毛されてもよい。
本体25にはさらなるフィルタレール77が区画される。フィルタレール77は前側フィルタレール38の下端に連続し下方に延びる。フィルタレール77は例えば直線的な案内路78を規定する。エアフィルタアセンブリ34が本体25に装着されると、支持枠37の前側フィルタレール38はフィルタレール77の案内路78に連続してエアフィルタ35の移動経路を区画する。こうしてフィルタレール77は移動経路の下限位置79までエアフィルタ35の下端の変位を案内する。ピニオン67は下限位置79に向かってエアフィルタ35の移動を引き起こす駆動力をエアフィルタ35に伝達する。
前側フィルタレール38にはフィルタレール77とピニオン67との間で屈曲域38aが形成される。屈曲域38aは前下がりのフィルタレール38と垂直方向のフィルタレール38とを相互に接続する。屈曲域38aの下方ではフィルタレール77に切れ目81が形成される。切れ目81の下方でエアフィルタ35が拘束され、ピニオン67が下方に向かってエアフィルタ35を駆動し続けると、切れ目81からエアフィルタ35は前方に張り出す。
本体25内では吸込口33から吹出口28に向かって気流の通路82が形成される。通路82内に室内熱交換器14は配置される。室内熱交換器14の上流には通路82を横切る横断面83(吸込口33の上面後端側から前面下側)に沿ってエアフィルタ35が配置される。横断面83に開口面84は区画される。フィルタ清掃ユニット36のボックス本体45は横断面83で部分的に通路82を塞ぐ。ボックス本体45から吸込口33の全面下側および上面後端側に開口面84は広がる。ボックス本体45は横断面83に沿ってエアフィルタ35に重なる。ボックス本体45の陰でエアフィルタ35の通気は妨げられる。
エアフィルタ35は第1位置および第2位置の間で移動する。図8に示されるように、第1位置ではエアフィルタ35の下端は下限位置79に至る。エアフィルタ35の空気清浄フィルタ65はピニオン67および押さえ板68の下方で開口面84に配置される。エアフィルタ35の下側(前側)の第1区画62aは開口面84から下方にずれる。こうして粗塵用フィルタ63は部分的に電装品箱41の背後に隠れる。粗塵用フィルタ63は気流の通路82から外れる。図9に示されるように、第2位置ではエアフィルタ35の下端は開口面84の下縁に位置決められる。エアフィルタ35の下端は案内路78に案内されて上方に移動する。空気清浄フィルタ65はボックス本体45の陰に隠れる。横断面83に沿って空気清浄フィルタ65は開口面84から外れる。開口面84には全域で粗塵用フィルタ63が配置される。
図7に示すように、本体25には制御回路86が組み込まれる。制御回路86は電装品の1つとして例えば電装品箱41に収容されればよい。制御回路86は第1駆動ギアや第2駆動ギアに連結される駆動源の動作を制御する。制御回路86の働きで第2駆動ギアおよび第2従動ギア47は回転する。第2従動ギア47の回転はピニオン67を駆動する。こうしてピニオン67の回転に応じてエアフィルタ35は第1位置と第2位置との間で移動する。ここでは、制御回路86は空気清浄モードと空調優先モードとを確立することができる。制御回路86が空気清浄モードを確立すると、エアフィルタ35は第1位置に位置する。制御回路86が空調優先モードを確立すると、エアフィルタ35は第2位置に位置する。
(3)室内機の動作
通常の冷房運転時や暖房運転時に送風ファン24が動作すると、本体25内では吸込口33から吹出口28に向かって通路82に沿って気流が生成される。吸込口33から吸引された空気はエアフィルタ35を通過して室内熱交換器14を通過する。室内熱交換器14は気流と冷媒との間で熱交換を実施する。冷房運転時には空気は室内熱交換器14で冷却されて吹出口28から吹き出される。暖房運転時には空気は室内熱交換器14で暖められて吹出口28から吹き出される。こうして冷気や暖気は生成される。
冷房運転時や暖房運転時、あるいはそれら以外の運転時であっても、制御回路86が空気清浄モードを確立すると、エアフィルタ35は第1位置に位置する。図8に示されるように、エアフィルタ35の下端は下限位置79に至る。空気清浄フィルタ65は開口面84に配置される。気流の一部は空気清浄フィルタ65を通過する。空気清浄フィルタ65は例えばPM2.5や花粉やダニの死骸といった微粒子を捕獲する。こうして室内の空気は浄化される。空気調和機11では空気清浄機能は実現される。
制御回路86が空調優先モードを確立すると、エアフィルタ35は第2位置に位置する。図9に示されるように、エアフィルタ35の下端は開口面84の縁まで上昇する。エアフィルタ35の上端は室内熱交換器14の背後に回り込む。空気清浄フィルタ65は開口面84から外れる。代わって開口面84には粗塵用フィルタ63が配置される。気流は粗塵用フィルタ63を通過する。粗塵用フィルタ63はメッシュシートのメッシュよりも大きい塵埃を捕獲する。こうして室内熱交換器14に対して塵埃の付着は防止されることができる。粗塵用フィルタ63は一般の空気調和機向けエアフィルタとして機能することから、通風抵抗の増大は回避される。制御回路86は室内の空気の清浄度に応じて空気清浄モードと空調優先モードとを切り替えればよい。こうして必要なときにだけ空気清浄機能が実現されることで、空気調和機11は通風抵抗の増加を抑制しつつ気流の清浄度を高めることができる。
エアフィルタ35の清掃が行われる際にはフィルタ清掃ユニット36が動作する。ブラシ台座71の回転動作に応じて清掃ブラシ69のブラシ毛72はエアフィルタ35の前面に接触する。このとき、メッシュシートはブラシ受け74の支え面75に受け止められる。メッシュシートはブラシ毛72とブラシ受け74との間に挟まれる。第1従動ギア46が駆動されると、軌道上でメッシュシートの移動は引き起こされる。水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿った方向にブラシ毛72およびブラシ受け74に対してメッシュシートの相対移動は実現される。相対移動に応じてブラシ毛72はメッシュシートの前面をなぞる。こうしてブラシ毛72はメッシュシートの前面から大きな塵埃を絡め取る。絡め捕られた塵埃は上ダストボックス42に回収される。
(4)他の実施形態に係る室内機
図10は第2実施形態に係る室内機の構成を概略的に示す。この室内機ではエアフィルタ35aは帯体87を備える。帯体87は環状に形成される。図10には正面から見てエアフィルタ35aの右端のみが描かれる。エアフィルタ35aは左端にも右端同様に帯体87を備える。帯体87がx座標軸およびy座標軸の二次元面内に展開されると、左右1対の帯体87の間に第1区画89aおよび第2区画89bは規定される。x座標軸は水平軸線32a、32bに平行に規定される方向に相当する。y座標軸は水平軸線32a、32bに直交する垂直面内に規定される方向に相当する。第1区画89aおよび第2区画89bはy座標軸の方向に並べられx座標軸の方向に帯体87の間で全域にわたって広がる。第1区画89aおよび第2区画89bはそれぞれフレーム91で仕切られればよい。帯体87およびフレーム91は樹脂材料(例えばポリプロピレン)から形成される。
エアフィルタ35aの第1区画89aには粗塵用フィルタ92が配置される。粗塵用フィルタ92はメッシュシートで形成される。メッシュシートは例えばポリエチレンテレフタラートの繊維(樹脂繊維)を格子状に組み合わせて構成される。メッシュシートはフレーム91に支持される。フレーム91はメッシュシートの形状を保持する機能を有する。
エアフィルタ35aの第2区画89bには空気清浄フィルタ93が配置される。空気清浄フィルタ93は例えば不織布から形成される。空気清浄フィルタ93は例えばHEPAフィルタまたはMEPAフィルタを構成すればよい。空気清浄フィルタ93は粗塵用フィルタ92を通過する微粒子を捕獲することができる。ただし、空気清浄フィルタ93の通風抵抗は粗塵用フィルタ92のそれよりも大きい。
帯体87はローラー軸94および複数の支軸95a、95bに巻きかけられる。ローラー軸94および支軸95a、95bはフィルタ清掃ユニット36の支持枠37に支持される。ローラー軸94および支軸95a、95bの働きで粗塵用フィルタ92および空気清浄フィルタ93の形状が保持される。ローラー軸94と最上端の支軸95aとの間でエアフィルタ35aは二重に重ねられる。帯体87は例えば大きい摩擦力でローラー軸94の円筒面に接触する。その結果、ローラー軸94が回転すると、エアフィルタ35aはぐるぐると1つの軌道を移動することができる。エアフィルタ35aの軌道はローラー軸94および支軸95a、95bで規定される。ローラー軸94には前述の第1従動ギア46が固定される。
前述と同様に、制御回路86が空気清浄モードを確立すると、エアフィルタ35aは第1位置に位置する。空気清浄フィルタ93は開口面84に配置される。気流の一部は空気清浄フィルタ93を通過する。空気清浄フィルタ93は例えばPM2.5や花粉やダニの死骸といった微粒子を捕獲する。こうして室内の空気は浄化される。空気調和機11では空気清浄機能は実現される。
制御回路86が空調優先モードを確立すると、エアフィルタ35aは第2位置に位置する。空気清浄フィルタ93は開口面84から外れる。ここでは、空気清浄フィルタ93は電装品箱41の陰に隠れる。代わって開口面84には粗塵用フィルタ92が配置される。気流は粗塵用フィルタ92を通過する。粗塵用フィルタ92はメッシュシートのメッシュよりも大きい塵埃を捕獲する。こうして室内熱交換器14に対して塵埃の付着は防止されることができる。粗塵用フィルタ92は一般の空気調和機向けエアフィルタとして機能することから、通風抵抗の増大は回避される。その他、空気清浄フィルタ93は例えば開口面84内であっても気流の流量の少ない領域に配置されればよい。
その他、エアフィルタ35、35aは再熱除湿にあたって吹き出し気流の温度調整に用いられることができる。再熱除湿では室内熱交換器14の前側体14aで空気が冷やされ除湿され、後側体14bで空気が暖められる。空気清浄フィルタ65、93の配置に応じて後側体14bに導入される気流の流量が調整されると、除湿された冷気に混ぜられる暖気の流量は調整されることができる。こうして再熱除湿にあたって吹き出し気流の温度は調整される。
11 空気調和機、25 筐体(本体)、35 エアフィルタ、36 フィルタ清掃ユニット、61 フレーム、62a 第1区画、62b 第2区画、63 粗塵用フィルタ、65 空気清浄フィルタ、67 駆動部材(ピニオン)、82 通路、83 横断面、84 開口面、89a 第1区画、89b 第2区画、91 フレーム、92 粗塵用フィルタ、93 空気清浄フィルタ。

Claims (3)

  1. 気流の通路を形成し、前記通路の横断面に開口面を区画する筐体と、
    前記筐体に支持されて、二次元面内で第1区画に粗塵用フィルタを有し、前記二次元面内で第1区画に相違する第2区画に空気清浄フィルタを有するエアフィルタと、
    前記開口面に空気清浄フィルタを配置する第1位置、および、前記開口面から少なくとも部分的に空気清浄フィルタをずらして前記空気清浄フィルタに代えて前記粗塵用フィルタを配置第2位置との間でエアフィルタを駆動する駆動部材と
    を備えることを特徴とする空気調和機。
  2. 請求項1に記載の空気調和機において、前記第2位置の前記空気清浄フィルタを塞ぐフィルタ清掃ユニットをさらに備えることを特徴とする空気調和機。
  3. 請求項1または2に記載の空気調和機において、
    二次元面内に第1区画および第2区画を規定するフレームと、
    前記フレームの前記第1区画に配置されて前記フレームに支持される粗塵用フィルタと、
    前記フレームの前記第2区画に配置されて前記フレームに支持される空気清浄フィルタと
    を備えることを特徴とする空気調和機用エアフィルタ。

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