JP6513513B2 - 入力装置とその制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
例えば、前記検出面に近接する物体が指などの操作体である場合、前記検出面に近接している操作体の数が1のときには、前記近接度データの高速な変化が捕捉され易くなるため、1つの操作体により比較的高速な入力操作が行われても、当該入力操作に応じた正確な情報が入力され易くなる。他方、前記検出面に近接している操作体の数が複数のときには、前記近接度データのノイズによる急な変化が抑制され易くなるため、ノイズの大きい環境下であっても、複数の操作体の入力操作に応じた情報が正確に入力され易くなる。
例えば、前記検出面に近接する物体が指などの操作体である場合、物体数が1のときには、前記座標データの高速な変化が捕捉され易くなるため、1つの操作体により比較的高速な入力操作が行われても、当該入力操作に応じた正確な情報が入力され易くなる。他方、物体数が複数のときには、前記座標データのノイズによる急な変化が抑制され易くなるため、ノイズの大きい環境下であっても、複数の操作体の入力操作に応じた情報が正確に入力され易くなり、複数の操作体が精度良く識別される。
例えば、前記検出面に近接する物体が指などの操作体である場合、前記検出面に近接している操作体の数が1のときには、前記検出面に操作体が近接しているとの判定が相対的にされ易くなるため、比較的近接度が低い状態で入力操作が行われても、当該入力操作に応じた情報が感度良く入力される。他方、前記検出面に近接している操作体の数が複数のときには、前記検出面に操作体が近接しているとの判定が相対的にされ難くなるため、ノイズの大きい環境下であっても、操作体の近接の有無を誤って判定され難くなり、複数の操作体の入力操作に応じた情報が正確に入力され易くなる。
図1は、第1の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。
図1に示す入力装置は、センサ部10と、処理部20と、記憶部30と、インターフェース部40を有する。本実施形態に係る入力装置は、センサが設けられた検出面に指やペンなどの物体を近接させることによって、その近接状態に応じた情報を入力する装置である。なお、本明細書における「近接」とは、接触した状態で近くにあることと、接触しない状態で近くにあることを両方含む。
センサ部10は、検出面に分布する複数の検出位置において、指やペンなどの物体の近接度合いをそれぞれ検出し、その検出結果を検出データとして生成する。例えばセンサ部10は、物体の近接に応じて静電容量が変化する容量性センサ素子(キャパシタ)12がマトリクス状に形成されたセンサマトリクス11と、容量性センサ素子12の静電容量に応じた検出データを生成する検出データ生成部13と、容量性センサ素子12に駆動電圧を印加する駆動部14を有する。
処理部20は、入力装置の全体的な動作を制御する回路であり、例えば、後述する記憶部30に格納されるプログラムの命令コードに従って処理を行うコンピュータや、特定の機能を実現するロジック回路を含んで構成される。処理部20の処理は、その全てをコンピュータとプログラムにより実現してもよいし、その一部若しくは全部を専用のロジック回路で実現してもよい。
記憶部30は、処理部20において処理に使用される定数データや変数データを記憶する。処理部20がコンピュータを含む場合、記憶部30は、そのコンピュータにおいて実行されるプログラムを記憶してもよい。記憶部30は、例えば、DRAMやSRAMなどの揮発性メモリ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、ハードディスクなどを含んで構成される。
インターフェース部40は、入力装置と他の制御装置(入力装置を搭載する情報機器のコントロール用ICなど)との間でデータをやり取りするための回路である。処理部20は、記憶部30に記憶される情報(例えば物体数35や、各物体の座標データ32,近接度データ33,近接状態データ34など)をインターフェース部40から図示しない制御装置へ出力する。また、インターフェース部40は、処理部20のコンピュータにおいて実行されるプログラムを不図示のディスクドライブ装置(非一時的記録媒体に記録されたプログラムを読み取る装置)やサーバなどから取得して、記憶部30にロードしてもよい。
まず、ノイズ検出部25がノイズレベル36を求め、座標/近接度データ生成部23が座標データ32及び近接度データ33を求める。近接判定部24は、近接度データ33に基づいて各物体の近接状態を判定するとともに、検出面に近接している物体数35を求める。詳細は、図3のフローチャートを参照して説明する。
フィルタ処理部26は、各物体について得られた近接度データ33に対してフィルタ処理を行う。詳細は図4のフローチャートを参照して説明する。
近接判定部24は、各物体の検出面への近接状態を判定する。詳細は図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、センサ制御部21は、検出面の同一の検出位置において物体の検出度合いが複数回(例えば3回以上)連続して検出されるようにセンサ部10を制御する。ノイズ検出部25は、この複数回の検出により得られた複数の検出データをセンサ部10から取得する。
ノイズ検出部25は、ステップST105において取得した複数の検出データに基づいて、ノイズレベル36を算出する。例えば、ノイズ検出部25は、複数回の検出により得られた複数の検出データのうち、最大の値と最小の値を特定し、この最大値から最小値を差し引いた値をノイズレベル36として求める。
センサ制御部21は、検出面(センサマトリックス11)の全面における物体の近接度合いを検出するようにセンサ部10を制御する。2次元データ生成部22は、センサ部10の検出結果として生成された検出面の全面の検出データを取得する。
2次元データ生成部22は、センサ部10から取得した検出面の各検出位置の検出データと、予め設定された各検出位置のベース値との差分を算出する。例えば、2次元データ生成部22は、センサ部10から取得した検出面の各検出位置の検出データを、記憶部30の所定の記憶領域(現在値メモリ)に行列形式で一旦格納する。そして、2次元データ生成部22は、記憶部30の別の記憶領域(ベース値メモリ)に予め格納した行列形式のベース値と、現在値メモリに格納した行列形式の検出データとの差を演算し、それらの演算結果を2次元データ31として記憶部30に格納する。ベース値メモリには、検出面に物体が近接していない状態における検出データの基準となる値(ベース値)が記憶される。2次元データ31を構成する各データは、物体が検出面に近接していない状態からの各検出データの変化量に相当し、物体の非近接状態を基準とした各検出位置における物体の近接度合いを表す。
座標/近接度データ生成部23は、ステップST120において算出された2次元データ31に基づいて、検出面に近接した各物体の座標データ32及び近接度データ33を生成する。例えば、座標/近接度データ生成部23は、2次元データ31が示す検出面上での物体近接度の分布に基づいて、物体近接度が所定の基準より高い位置を物体近接位置の座標データ32として生成するとともに、その物体近接位置における物体近接度を近接度データ33として生成する。
近接判定部24は、ステップ125で取得された各物体の近接度データ33を第1近接しきい値THt1と比較する。
ST135:
近接判定部24は、第1近接しきい値THt1より近接度データ33が大きい物体の数を計数し、その計数結果を物体数35として取得する。
フィルタ処理部26は、ステップST135(図3)で取得された物体数35を参照し、物体数35が2つ以上であるかどうかを判定する。
ST215:
物体数35が2つ以上でない場合(「1」又は「0」の場合)、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWを「1」に設定する。
物体数35が2つ以上の場合、フィルタ処理部26は、ステップST105(図3)で取得されたノイズレベル36を参照し、ノイズレベル36が所定のノイズしきい値THnより大きいかどうかを判定する。
ST225:
ノイズレベル36がノイズしきい値THnより大きくないと判定した場合、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWを「4」に設定する。
ST230:
ノイズレベル36がノイズしきい値THnより大きいと判定した場合、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWを「8」に設定する。
以上、ステップST215、ST225、ST230において重み係数のパラメータWを設定した後、フィルタ処理部26は、各物体の近接度データ33のフィルタ処理を行うため、物体の識別コードiを初期値「0」に設定する。
フィルタ処理部26は、識別コードiで特定された物体の近接度データ33についてのフィルタ処理を行う。すなわち、フィルタ処理部26は、識別コードiが割り当てられた物体について前回のサイクルにおいて取得された平均化後の近接度データ33である「Zout_oldi」と、今回のサイクルにおいて取得された平均化前の近接度データ33である「Zini」と、上述のステップで設定された重み係数のパラメータWとに基づいて、式(1)により、今回のサイクルにおける平均化後の近接度データ33である「Zouti」を算出する。
フィルタ処理部26は、ステップST245においてフィルタ処理を実行すると、識別コードiの値を1ずつインクリメントする。
ST255:
フィルタ処理部26は、識別コードiの値が定数値M以下であるかどうかを判定する。定数値Mは、検出面に近接する物体の識別可能な最大数を示す。フィルタ処理部26は、識別コードiの値が定数値M以下の場合、ステップST245に戻り、識別コードiの値が定数値Mより大きくなった場合、ステップST200の一連の処理を終了する。
近接判定部24は、電源投入直後であるかどうかを判定する。
ST310:
電源投入直後の場合、近接判定部24は、各識別コードiで特定されたすべての物体について、近接状態データ34を「近接なし」に設定する。近接状態データ34は、検出面における物体の近接の有無を示すデータであり、例えば、「近接あり」と「近接なし」の状態を数値の「1」と「0」に割り当てた2値のデータである。
近接判定部24は、各物体の近接状態を判定するループ処理を行うため、物体の識別コードiを初期値「0」に設定する。
近接判定部24は、識別コードiで特定された物体の近接状態データ34が「近接あり」を示しているか否か判定する。
ステップST320において近接状態データ34が「近接なし」を示す場合、近接判定部24は、ステップST245(図4)で算出された平均化後の近接度データ「Zouti」を第2近接しきい値THt2と比較する。「Zouti」が第2近接しきい値THt2より大きい場合、近接判定部24はステップST330へ進み、そうでない場合はステップST345へ進む。
平均化後の近接度データ「Zouti」が第2近接しきい値THt2より大きい場合、近接判定部24は、識別コードiで特定された物体の近接状態データ34を「近接あり」に設定し、ステップST345へ進む。
他方、ステップST320において近接状態データ34が「近接あり」を示す場合、近接判定部24は、ステップST245(図4)で算出された平均化後の近接度データ「Zouti」を第1近接しきい値THt1と比較する。「Zouti」が第1近接しきい値THt1より小さい場合、近接判定部24はステップST340へ進み、そうでない場合はステップST345へ進む。
平均化後の近接度データ「Zouti」が第1近接しきい値THt1より小さい場合、近接判定部24は、識別コードiで特定された物体の近接状態データ34を「近接なし」に設定し、ステップST345へ進む。
以上の各ステップを通過した後、フィルタ処理部26は、識別コードiの値を1ずつインクリメントする。
ST350:
フィルタ処理部26は、識別コードiの値が定数値M以下であるかどうかを判定する。識別コードiの値がM以下の場合、フィルタ処理部26はステップST320に戻り、識別コードiの値がMより大きくなった場合は、ステップST300の一連の処理を終了する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態に係る入力装置では近接度データ33に対してフィルタ処理を行っているが、本実施形態に係る入力装置では座標データ32に対してフィルタ処理を行う。
図6に示す入力装置は、センサ部10と、処理部20と、記憶部30と、インターフェース部40を有する。図6に示す第2の実施形態に係る入力装置の基本的な構成は、図1に示した第1の実施形態に係る入力装置と同じであり、フィルタ処理部26のみ一部相違するので、以下では主として相違する構成について説明する。
まず、ノイズ検出部25がノイズレベル36を求め、座標/近接度データ生成部23が座標データ32及び近接度データ33を求める。近接判定部24は、近接度データ33に基づいて各物体の近接状態を判定するとともに、検出面に近接している物体数35を求める。この処理は、図3のフローチャートを参照して説明したステップST100と同一あるため、更なる説明は省略する。
近接判定部24は、各物体の検出面への近接状態を判定する。詳細は図8のフローチャートを参照して説明する。
フィルタ処理部26は、各物体について得られた座標データ32に対してフィルタ処理を行う。詳細は図9のフローチャートを参照して説明する。
ステップST420において近接状態データ34が「近接なし」を示す場合、近接判定部24は、ステップST100(図7)で取得された識別コードiの近接度データ33である「Zi」を第2近接しきい値THt2と比較する。「Zi」が第2近接しきい値THt2より大きい場合、近接判定部24はステップST430へ進み、そうでない場合はステップST445へ進む。
他方、ステップST420において近接状態データ34が「近接あり」を示す場合、ステップST100(図7)で取得された識別コードiの近接度データ33である「Zi」を第1近接しきい値THt1と比較する。「Zi」が第1近接しきい値THt1より小さい場合、近接判定部24はステップST440へ進み、そうでない場合はステップST445へ進む。
フィルタ処理部26は、ステップST100(図7)で取得されたノイズレベル36を参照し、ノイズレベル36が所定の第1ノイズしきい値THn1より大きいかどうかを判定する。
ST510:
ノイズレベル36が第1ノイズしきい値THn1より大きくない場合、フィルタ処理部26は、ステップST100(図7)で取得された物体数35を参照し、物体数35が2つ以上であるかどうかを判定する。
ST515:
物体数が2つ以上でない場合(「1」又は「0」の場合)、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWxyを「1」に設定する。
ST520:
一方、物体数が1つより大きい場合、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWxyを「2」に設定する。
ステップST505においてノイズレベル36が第1ノイズしきい値THn1より大きいと判定した場合、フィルタ処理部26は、ノイズレベル36が第2ノイズしきい値THn2より更に大きいかどうかを判定する。なお、第2ノイズしきい値THn2は第1ノイズしきい値THn1より大きい値を持つ。
ST530:
ノイズレベル36が第2ノイズしきい値THn2より大きくないと判定した場合、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWxyを「4」に設定する。
ST535:
他方、ノイズレベル36が第2ノイズしきい値THn2より大きいと判定した場合、フィルタ処理部26は、重み係数のパラメータWxyを「8」に設定する。
ST550:
フィルタ処理部26は、各物体の座標データ32のフィルタ処理を行うため、物体の識別コードiを初期値「0」に設定する。
フィルタ処理部26は、識別コードiで特定された物体について前回のサイクルにおいて取得された近接状態データ34と今回のサイクルにおいて取得された近接状態データ34とを参照し、近接状態が「近接なし」から「近接あり」へ変化したか否かを判定する。すなわち、前回サイクルの近接状態データ34が「近接なし」を示し、かつ、今回サイクルの近接状態が「近接あり」を示すかどうかを判定する。
ステップST555において近接状態が「近接なし」から「近接あり」へ変化した場合、対象としている物体は前回のサイクルにおいて検出面に近接しておらず、座標データ32が存在していない。そのため、前回のサイクルの座標データ32を用いたフィルタ処理が実行できない。従って、この場合、フィルタ処理部26は、ステップ100において取得された座標データ32(Xini,Yini)をフィルタ処理後の座標データ32(Xouti,Youti)としてそのまま取得する。
他方、ステップST555において近接状態が「近接なし」から「近接あり」へ変化したものでないと判定した場合、フィルタ処理部26は、識別コードiが割り当てられた物体について前回のサイクルにおいて取得された平均化後の座標データ32(「Xout_oldi」,「Yout_oldi」)と、今回のサイクルにおいて取得された平均化前の座標データ32(「Xini」,「Xini」)と、前のステップで設定された重み係数のパラメータWxyとに基づいて、式(2),(3)により、今回のサイクルにおける平均化後の座標データ32(「Xouti」,「Youti」)を算出する。
フィルタ処理部26は、今回のサイクルにおいて取得された近接状態データ34を記憶部30に格納する。この近接状態データ34は、次回のサイクルにおいてステップST555の判定処理に用いられる。
フィルタ処理部26は、ステップST555〜ST570における座標データ32のフィルタ処理を実行すると、識別コードiの値を1ずつインクリメントする。
ST580:
フィルタ処理部26は、識別コードiの値が定数値M以下であるかどうかを判定する。フィルタ処理部26は、識別コードiの値が定数値M以下の場合ステップST555に戻り、識別コードiの値が定数値Mより大きくなった場合ステップST500の一連の処理を終了する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1、第2の実施形態に係る入力装置では、近接状態の判定において固定のしきい値を用いているが、本実施形態に係る入力装置では、近接度データ33の比較対象となる第2近接しきい値THt2をノイズ検出結果に応じて調整する。
図11に示す入力装置は、センサ部10と、処理部20と、記憶部30と、インターフェース部40を有する。図11に示す第3の実施形態に係る入力装置の基本的な構成は、図1に示した第1の実施形態に係る入力装置、図6に示した第2の実施形態に係る入力装置と同じであり、処理部20の構成要素としてしきい値調整部27を有する点がこれらの実施形態と相違するので、以下の説明では主として相違する構成について説明する。
まず、ノイズ検出部25がノイズレベル36を求め、座標/近接度データ生成部23が座標データ32及び近接度データ33を求める。近接判定部24は、近接度データ33に基づいて各物体の近接状態を判定するとともに、検出面に近接している物体数35を求める。この処理は、図3のフローチャートを参照して説明したステップST100と同一であるため、更なる説明は省略する。
しきい値調整部27は、ステップST100において取得したノイズレベル35に応じて第2近接しきい値THt2を調整する。詳細は図13のフローチャートを参照して説明する。
しきい値が調整されると、近接判定部24は、各物体の近接面への近接状態を判定する。この処理は、図8のフローチャートを参照して説明したステップST400と同一であるため、更なる説明は省略する。
しきい値調整部27は、ステップST100(図12)で取得された物体数35を参照し、物体数35が2つ以上であるかどうかを判定する。
物体数35が2つ以上でない場合(「1」又は「0」の場合)、しきい値調整部27は、第2近接しきい値THt2を所定の初期値THiniに設定し、ステップST600の処理を終了する。
物体数35が2つ以上の場合、しきい値調整部27は、ノイズレベル35に応じた値を持つ調整しきい値THxを次の式により算出する。
しきい値調整部27は、ステップST620において算出した調整しきい値THxに比べて「THt2_old−ΔTH」が大きいか否かを判定する。「THt2_old」は、前回のサイクルにおいて決定された第2近接しきい値THt2を示す。また、「ΔTH」は定数値であり、1サイクルあたりにおける第2近接しきい値THt2の減少幅の最大値を定める。
調整しきい値THxが「THt2_old−ΔTH」より小さくない場合、すなわち、調整しきい値THxが前回サイクルの第2近接しきい値THt2に対して「ΔTH」の減少幅を超えるほど大幅に下落していない場合、しきい値調整部27は、調整しきい値THxを今回のサイクルにおける第2近接しきい値THt2として決定する。従って、大きなノイズレベル「VN」が検出され、これに応じて調整しきい値THxが「THt2_old−ΔTH」を超える大きな値となった場合、しきい値調整部27は、第2近接しきい値THt2をこの変化に追従させて直ちに大きな値に調整する。
他方、調整しきい値THxが「THt2_old−ΔTH」より小さい場合、すなわち、調整しきい値THxが前回サイクルの第2近接しきい値THt2に対して「ΔTH」の減少幅を超えて大幅に下落した場合、しきい値調整部27は、「THt2_old−ΔTH」を今回のサイクルにおける第2近接しきい値THt2として決定する。従って、ノイズレベル「VN」が急激に小さくなり、これに応じて調整しきい値THxが「THt2_old−ΔTH」より小さい値に急減した場合、しきい値調整部27は、第2近接しきい値THt2をこの変化に追従させず、前回サイクルの第2近接しきい値THt2に対して「ΔTH」だけ小さい値を今回サイクルの第2近接しきい値THt2とする。これにより、第2近接しきい値THt2の上昇については高速に行われるが、第2近接しきい値THt2の低下については低速に行われるため、ノイズの周波数成分の振動に応じて第2近接しきい値THt2が振動することによる近接状態の誤判定を防止できる。
また第3の実施形態では近接判定のしきい値をノイズレベル35に応じて調整しているが、本発明の他の実施形態では、このしきい値の調整と並行して、第1の実施形態に係る入力装置と同様な近接度データ33へのフィルタ処理や、第2の実施形態に係る入力装置と同様な座標データ32へのフィルタ処理を行ってもよい。
Claims (21)
- 検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置であって、
前記検出面の複数の位置における物体の近接度合いを検出するセンサ部と、
前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するセンサ制御部と、
前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成する座標/近接度データ生成部と、
前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の前記平均化後の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定する近接判定部と、
前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記近接度データを平均化する所定のフィルタの処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の近接度データとして取得するフィルタ処理部とを備え、
前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタの応答特性を変更する
ことを特徴とする入力装置。 - 前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体数が1より大きい場合における前記フィルタの時間的応答を、当該物体数が1以下の場合に比べて遅くする
ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。 - 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるノイズ検出部を備え、
前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。 - 前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルが増大すると前記フィルタの時間的応答を遅くする
ことを特徴とする請求項3に記載の入力装置。 - 前記フィルタ処理部は、前回のサイクルにおける前記平均化後の近接度データ、及び、今回のサイクルにおいて前記座標/近接度データ生成部が生成した近接度データにそれぞれ重み係数を乗じて足し合わせた値を、今回のサイクルにおける前記平均化後の近接度データとして取得する
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の入力装置。 - 検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置であって、
前記検出面の複数の位置における物体の近接度合いを検出するセンサ部と、
前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するセンサ制御部と、
前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成する座標/近接度データ生成部と、
前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の前記平均化後の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定する近接判定部と、
前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記座標データを平均化する所定のフィルタ処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の座標データとして取得するフィルタ処理部とを備え、
前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタ処理の応答特性を変更する
ことを特徴とする入力装置。 - 前記フィルタ処理部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体数が1より大きい場合における前記フィルタの時間的応答を、当該物体数が1以下の場合に比べて遅くする
ことを特徴とする請求項6に記載の入力装置。 - 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるノイズ検出部を備え、
前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の入力装置。 - 前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルが増大すると前記フィルタの時間的応答を遅くする
ことを特徴とする請求項8に記載の入力装置。 - 前記フィルタ処理部は、前回のサイクルにおける前記平均化後の座標データ、及び、今回のサイクルにおいて前記座標/近接度データ生成部が生成した座標データにそれぞれ重み係数を乗じて足し合わせた値を、今回のサイクルにおける前記平均化後の座標データとして取得する
ことを特徴とする請求項6乃至9の何れか一項に記載の入力装置。 - 検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置であって、
前記検出面の複数の位置における物体の近接度合いを検出するセンサ部と、
前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するセンサ制御部と、
前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成する座標/近接度データ生成部と、
前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定する近接判定部と、
前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記しきい値を調整するしきい値調整部と
を備えることを特徴とする入力装置。 - 前記しきい値調整部は、前記近接判定部において前記検出面に近接していると判定された物体数が1より大きい場合、当該物体数が1以下の場合に比べて、前記近接判定部において物体が前記検出面に近接しているとの判定がされ難くなるように前記しきい値を調整する
ことを特徴とする請求項11に記載の入力装置。 - 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるノイズ検出部を備え、
前記しきい値調整部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルに応じて前記しきい値を調整する
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の入力装置。 - 前記しきい値調整部は、前記ノイズ検出部において求められた前記ノイズレベルが増大するほど、前記近接判定部において物体が前記検出面に近接しているとの判定がされ難くなるように前記しきい値を調整する
ことを特徴とする請求項13に記載の入力装置。 - 検出面の複数の位置において物体の近接状態を検出するセンサ部を備え、前記検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置をコンピュータが制御する方法であって、
前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するステップと、
前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成するステップと、
前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の前記平均化後の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定するステップと、
前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記近接度データを平均化する所定のフィルタの処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の近接度データとして取得するステップとを有し、
前記フィルタの処理を行うステップでは、前記近接の有無を判定するステップにおいて前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタの応答特性を変更する
ことを特徴とする入力装置の制御方法。 - 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるステップを有し、
前記フィルタの処理を行うステップでは、前記ノイズレベルを求めるステップにおいて求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更する
ことを特徴とする請求項15に記載の入力装置の制御方法。 - 検出面の複数の位置において物体の近接状態を検出するセンサ部を備え、前記検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置をコンピュータが制御する方法であって、
前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するステップと、
前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成するステップと、
前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定するステップと、
前記検出動作の1サイクルごとに、前記検出動作の複数のサイクルに渡って生成される同一物体の一連の前記座標データを平均化する所定のフィルタ処理を行い、当該フィルタ処理の結果を平均化後の座標データとして取得するステップとを有し、
前記フィルタの処理を行うステップでは、前記近接の有無を判定するステップにおいて前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記フィルタ処理の応答特性を変更する
ことを特徴とする入力装置の制御方法。 - 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるステップを有し、
前記フィルタの処理を行うステップでは、前記ノイズレベルを求めるステップにおいて求められた前記ノイズレベルに応じて前記フィルタの応答特性を変更する
ことを特徴とする請求項17に記載の入力装置の制御方法。 - 検出面の複数の位置において物体の近接状態を検出するセンサ部を備え、前記検出面への物体の近接状態に応じた情報を入力する入力装置をコンピュータが制御する方法であって、
前記複数の位置における物体の近接度合いを1サイクルごとに検出する周期的な検出動作を行うように前記センサ部を制御するステップと、
前記検出動作の複数のサイクルに渡って前記検出面に近接した同一物体の位置の座標を示す座標データ、及び、当該座標における前記近接度合いを示す近接度データを、前記検出動作の1サイクルごとに前記センサ部の検出結果に基づいて生成するステップと、
前記検出動作の1サイクルごとに、各物体の近接度データとしきい値とを比較し、当該比較の結果に基づいて、前記検出面への近接の有無を物体ごとに判定するステップと、
前記近接の有無を判定するステップにおいて前記検出面に近接していると判定された物体の数に応じて前記しきい値を調整するステップと
を備えることを特徴とする入力装置の制御方法。 - 前記検出面の同一の位置において複数回連続して得られた物体の近接度合いの検出結果を前記センサ部から取得し、取得した前記複数の検出結果における最大値と最小値を特定し、前記最大値から前記最小値を差し引いた値をノイズレベルとして求めるステップを有し、
前記しきい値を調整するステップは、前記ノイズレベルを求めるステップにおいて求められた前記ノイズレベルに応じて前記しきい値を調整する
ことを特徴とする請求項19に記載の入力装置の制御方法。 - 請求項15乃至20の何れか一項に記載された入力装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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