JP6511973B2 - 電子機器 - Google Patents
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Description
これまで、電子機器の筐体表面が高温になることを避ける手法としては、例えば、発熱する電子部品(発熱部品)と筐体との間の空間を広くする、金属製の放熱板を使用して発生した熱を拡散させるなどの手法が提案されている。
また、特許文献1に記載された発明は、発熱部品に新鮮な(低温の)空気流を供給することを目的とする発明であり、プリント配線板の裏面と筐体の底面との間では、主に一部にしか空気が流れないため、筐体の表面温度を下げる性能は充分とはいえなかった。
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態の電子機器は、吸気口及び排気口が設けられ、高さ寸法が最小である箱状の筐体と、前記筐体内に収容された発熱部品を搭載した基板と、前記筐体内に収容された冷却ファンと、を備えた電子機器であって、前記基板は、前記筐体の底板と平行な向きで前記筐体内に収容されており、前記吸気口は、前記筐体の側壁における前記基板よりも低い位置に設けられており、前記筐体の内部空間がほぼ全体に渡って、前記基板により、前記底板側の第1空間と前記底板と反対側の第2空間とに区画されており、前記吸気口から吸気された空気が、前記第1空間の前記吸気口側の端部から他方の端部まで流通してから前記第2空間に流入するように、前記排気口の位置が設定されている。
この場合、前記吸気口を介して前記筐体内に取り込まれた空気が、前記吸気口が設けられた前記側壁の内面と前記基板の端部との隙間を介して、前記第1空間を通過することなく、前記第2空間に流れこむことを確実に抑止することができる。そのため、本実施形態では、前記底板の温度が高温になることを確実に回避することができる。
この場合、前記吸気口を介して前記筐体内に取り込まれた空気が、前記第1空間を流れる途中で、空気の流通方向に対して交差する方向に向かって前記第2空間へ横漏れすることを抑制することができる。そのため、本実施形態では、前記底板の温度が高温になることを確実に回避することができる。
この場合、前記発熱部品をより確実に冷却しつつ、前記筐体の薄型化に寄与することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。
ここでは、本発明の実施形態の一例であるセットトップボックスを例に本発明の実施形態の詳細を説明する。
セットトップボックスは、テレビに接続されて、ブロードバンドIP(internet protocol)ネットワークを通じて配信される映画コンテンツ等をテレビ画面で視聴可能にしたりするための端末機器である。
図2は、図1の分解斜視図であり、図3は、図1に示したセットトップボックスの蓋部を除いた平面図である。図4は、図1のA−A線断面図であり、図5は、図1のB−B線断面図である。
筐体2は、樹脂製であり、上方が開口した高さ寸法が最小である箱状の収納部21と収納部21の上方開口を閉鎖する平板状の蓋部22とが一体化してなる。
筐体2には、収納部21の底板23と側壁24aとのコーナー部分に、底板23の一辺に沿って並んだ複数の細孔からなり、筐体2内に外部から空気を取り込むための吸気口25が設けられている。また、筐体2には、収納部21の側壁24aと隣接する側壁24bの上辺の中央部に、筐体2内を循環した空気を外部に排出するための排気口26が設けられている。
回路基板3は、ガイド部材27a、27bに支持され、収納部21の底板から離間した状態で、底板23とほぼ平行になるように横向きに収納されている。
また、回路基板3の短手方向の長さ(収納部21の側壁24bから側壁24dに向かう方向の長さ)は、ガイド部材27a、27b同士の間隔よりも長く、側壁24bと側壁24dとの距離よりも少し短くなっている。
セットトップボックス1では、回路基板3の面積を、筐体2の内部空間を回路基板3と同一水平面で切断した際の切断面の面積の70〜95%程度としている。
このとき、下側空間Lは、その高さ(底板23と回路基板3との距離)が上側空間Uの高さ(蓋部22と回路基板3との距離)に比べて低く(短く)なっており、セットトップボックス1では、回路基板3が蓋部22側よりも底板23側に近づくように収納されている。
そのため、本実施形態のセットトップボックス1では、薄型化を図りつつ、底板の外面の温度が高温になることを回避するため、下側空間Lの高さを、通常、1〜8mm程度とすることが好ましく、3〜5mm程度とすることがより好ましい。
封止部材28が設けられているため、セットトップボックス1では、外部から吸気口25を介して筐体2内に取り込まれた空気は、側壁24aの内面と回路基板3の端部との隙間を通って上側空間Uに流入することが抑制され、確実に下部空間U内を流れる。
シロッコファンは、軸方向が回路基板3とほぼ垂直をなす向きで、CPU31(シートシンク32)の真上(即ち、CPU31と重なり合う位置)に位置し、かつ、シロッコファンの吸気部分がヒートシンク32の上面に近接するように取り付けられている。このように冷却ファン4を取り付けることにより、CPU31を確実に冷却しつつ、筐体2の薄型化を達成している。
ガイドトンネル29は、冷却ファン4側の開口面積が小さく、排気口26側の開口面積が大きいテーバー形状を有している。
これに対してセットトップボックス1では、筐体2内に取り込まれた空気により、CPU31等の発熱部品が冷却され、筐体2の表面温度、特に底板23の外面温度が高くなることを回避することができる。これについてもう少し詳しく説明する。
筐体2の内部空間においてこのような空気の流れが生じると、空気の流れに沿ってCPU31(ヒートシンク32)の熱が外部に逃がされ、CPU31が冷却される。これとともに、下側空間L内を吸気口25側の端部から他方の端部まで空気が流れることにより、CPU31から筐体2の底板23に向かって拡散した熱も空気の流れに沿って底板23から逃がされることとなる。その結果、上述したように底板23の外面温度が高くなることを回避することができる。更には、底板23側を机等に載置する際の載置面とした場合には、机等に熱が伝わることを回避することができる。
これは、封止部材28を設けた場合には、吸気口25から導入された空気が下部空間Lを流れずに直接上部空間U内に流れ込むことがなく、ガイド部材27a、27bを設けた場合には、吸気口から導入された空気が下部空間Lを流れる途中で、回路基板3と側壁24bや側壁24dとの隙間を通って横漏れして上部空間Uに流れ込むことがないため、下部空間L内を流れる空気の流速を速めることができるからと考えられる。
図6は、セットトップボックスの載置状態の一例を示す斜視図である。
セットトップボックス1は、図6に示すように、専用スタンド41を使用して、底板23が鉛直方向を向くように縦置き状態で載置して使用することもできる。
第1実施形態においては、吸気口25から筐体2内に取り込まれた空気が、下部空間Lを流れずに直接上部空間Uに流れ込むことを抑制するために、封止部材28を備えているが、封止部材28を設けずに上記目的を達成することができるよう、回路基板3の側壁24a側の端部が、側壁24aに当接するように回路基板3が筐体2内に収容されていてもよい。
また、回路基板3は、その端部が側壁24bや側壁24dに当接するように筐体2内に収納されていてもよい。この場合も回路基板3の端部と側壁24bや側壁24dとの隙間を通って空気が下部空間Lから上部空間Uに流れ込むことを抑制することができる。
また、第1実施形態において、排気口は、吸気口が設けられた側壁24aに隣接した側壁24bに設けられているが、排気口の設けられる位置はここの限定されるわけではなく、他のいずれかの側壁または蓋部に設けられていてもよい。
このような高さ寸法の筐体は薄型であり、筐体の表面温度が高温になりやすいため、本発明の構成を備えることで筐体の表面温度(特に底板の表面温度)の上昇を回避するのに適している。
以下、参考として開示する発明(参考発明)について説明する。
この参考発明は、特許請求の範囲に記載した本発明と同様、電子機器の小型化及び薄型化を図りつつ、筐体の表面温度の上昇を抑制することができる電子機器を提供することを目的とする発明である。上記参考発明は、以下の通りである。
前記筐体内に収容された発熱部品を搭載した基板と、
前記筐体内に収容された冷却ファンと、を備えた電子機器であって、
前記筐体は、底板の内面に設けられた、前記基板を支持するための少なくとも2本のガイド部材を有し、
前記基板は、前記ガイド部材上に載置されることにより、前記筐体の底板と平行な向きで前記筐体内に収容されており、
前記吸気口は、前記筐体における前記基板よりも低い位置に設けられており、
前記吸気口から吸気された空気が、前記基板、前記底板及び前記ガイド部材で囲まれた空間内全体流通してから排気されるように、前記排気口の位置が設定されている電子機器。
図7は、参考発明の一実施形態に係るセットトップボックスの蓋部を除いた筐体(収納部)の平面図である。図8は、図7に示したセットトップボックスのC−C線断面図である。なお、図7では、蓋部に取り付けられた冷却ファンを想像線で記載している。
図7、8に示すように、セットトップボックス101は、筐体102と、筐体102内に収納された回路基板103と、冷却ファン104とを備える。筐体102は、収納部121と蓋部122とが一体化してなる。回路基板103は、収納部121内に収納されている。
回路基板103は、図7に示すように、平面視矩形状を有しており、その面積は、筐体102の収納部121の底板123の面積の20〜30%程度と小さくなっている。回路基板103の上面にはCPU131が実装され、更に、CPU131の上面にはヒートシンク132が取り付けられている。
従って、セットトップボックス101では、回路基板103の下側に、回路基板103と底板123とガイド部材127a〜127cとに囲まれた空間(以下、基板下側空間L)を有している。
また、底板123には、複数の細孔からなる吸気口125が設けられている。吸気口125は、底板123を貫通して基板下側空間Lと連通するように、ガイド部材127cに近接する位置に設けられている。
上記蓋部において冷却ファンや排気口の位置は特に限定されず、例えば、上記冷却ファンが上記基板(CPU)の真上の位置にあってもよい。
なお、参考発明では、本発明の実施形態で説明した事項を必要に応じて適用することが可能である。
2 筐体
3 回路基板
4 冷却ファン
21 収納部
22 蓋部
23 底板
24a〜24d 側壁
25 吸気口
26 排気口
27a、27b ガイド部材
28 封止部材
29 ガイドトンネル
31 CPU
32 ヒートシンク
41 専用スタンド
Claims (3)
- 吸気口及び排気口が設けられた箱状の筐体と、
前記筐体内に収容された発熱部品を搭載した基板と、
前記筐体内に収容された冷却ファンと、を備えた電子機器であって、
前記基板は、前記筐体の底板と平行な向きで前記筐体内に収容されており、
前記吸気口は、前記筐体の側壁における前記基板よりも低い位置に設けられており、
前記筐体の内部空間がほぼ全体に渡って、前記基板により、前記底板側の第1空間と前記底板と反対側の第2空間とに区画されており、
前記吸気口から吸気された空気が、前記第1空間の前記吸気口側の端部から他方の端部まで流通してから前記第2空間に流入するように、前記排気口の位置が設定されており、
前記筐体の蓋体は、前記冷却ファンと前記冷却ファンから前記排気口へ空気を誘導するガイドトンネルとを備えており、
前記冷却ファンの吸気部分が前記発熱部品の上側に取り付けられたヒートシンクの上面に近接している、電子機器。 - 前記冷却ファンが前記発熱部品の真上に位置している請求項1に記載の電子機器。
- 前記ヒートシンクは、上面が平坦面である請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
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