JP6502087B2 - 洗濯機の設計方法 - Google Patents

Description

本発明は、振動や騒音を抑制することのできる洗濯機の設計方法に関するものである。

従来、箱形の筐体の内部において有底略円筒状の外槽を支持し、その外槽の内側で内槽である洗濯脱水槽を回転可能に支持させた洗濯機が一般的に知られている（例えば、特許文献１を参照）。

図４は、こうした一般的な洗濯機１０１の一例を模式的に示す縦断面図である。

筐体２の内部空間Ｓｐには外槽１０５と内槽１０６とが同軸状に配され、内槽１０６の底板１６１には撹拌翼６３が設けられる。さらに、外槽１０５の底板１５１の下側には、内槽１０６及び撹拌翼６３を選択的に回転させることのできる駆動機構１０７が設けられる。

これら外槽１０５、内槽１０６及び駆動機構１０７によって１つの洗濯槽ユニット１０４が構成され、この洗濯槽ユニット１０４は吊棒１０３を介して筐体２の内部で吊支される。吊棒１０３は、所定の角度θ傾けて配されるとともに、基端１０３Ａ側を筐体２の上端２４近傍に設けられた掛止部２５に取り付けられ、先端１０３Ｂ側を外槽１０５の周壁１５２の下部に設けられた被吊支部５３にダンパ機構３１を介して取り付けられることで、洗濯槽ユニット１０４は弾性支持される。こうすることで、洗濯又は脱水時における内槽１０６や撹拌翼６３の回転による振動が過大にならないように抑制することができる。

ここで、上述したような洗濯機１０１を設置する設置場所の幅や奥行き寸法は、防水板や家の間取りによって制約される。すなわち、洗濯機１０１の設置面積は、一定以上に大きくすることはできない。さらに、洗濯機１０１は一度に多くの洗濯物を洗濯可能とするために、できる限り洗濯容量が大きくなるような設計がなされていることから、全体として縦長となる。

そして、筐体２の内部空間Ｓｐのほとんどを占めるように、上端２４近くより底面２１近くにまで、筐体２と同様に縦長とされた洗濯槽ユニット１０４が存在する。洗濯槽ユニット１０４は、これを構成する外槽１０５の底板１５１に重量のある駆動機構１０７が配されることから、中心よりも下に重心位置Ｐｃが存在する。そのため、洗濯槽ユニット１０４の重心位置Ｐｃ０の高さＨｃ０は、設置面Ｆより筐体２の上端２４までの高さＨｕの約３０％になる。

さらに、洗濯槽ユニット１０４の振れ回りを効果的に抑制するためには、吊棒１０３を洗濯槽ユニット１０４の重心Ｐｃ０とほぼ同じ高さ位置に取り付けることが好適であるため、上記の被吊支部５３は外槽１０５の周壁１５２の下部に設けられる。そのため、吊棒１０３を取り付ける支点となる掛止部２５より、被吊支部５３までの支点間距離Ｌｓ０は長くなる。

特開２０１１−２４００４１号公報

上記のように、従来の洗濯機では、洗濯槽ユニットの重心は低い位置にあるが、これを吊支する支点間距離が長いために、内槽や撹拌翼の回転に伴う洗濯槽ユニットの振れが大きくなり、振動や騒音が大きくなる傾向にある。さらには、洗濯槽ユニットが振れ回った場合でも筐体との接触が生じないように外槽の周壁と筐体との間に隙間を設定することが必要となり、この隙間がデッドスペースとなって洗濯容量が制限される。

本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としており、具体的には、洗濯
槽ユニットの振動や騒音を好適に抑制するとともに、外槽の周壁と筐体との隙間を小さく
してデッドスペースを減らすことのできる洗濯機の設計方法を提供することを目的とする。

本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。

すなわち、本発明に係る洗濯機の設計方法は、上方を開口された内部空間を備える箱形の筐体と、前記内部空間において吊棒により吊支される洗濯槽ユニットとを具備し、前記洗濯槽ユニットは、有底略円筒状の外槽と、当該外槽の内部において同軸に配されるとともに、当該外槽によって回転可能に支持される有底略円筒状の内槽と、前記外槽の下端に設けられ、前記内槽を回転駆動させるための駆動機構とを備え、前記吊棒は、基端側を前記筐体の上端近傍に設けた支点となる掛止部に取り付けられ、先端側を前記外槽の周壁の下部に設けた支点となる被吊支部に、先端が互いに近接するように傾斜させて取り付けられる洗濯機において、前記洗濯槽ユニットの重心を前記被吊支部とともに、前記筺体の上下方向の高さ中心よりも高い位置に設定するにあたり、前記吊棒の角度を変えずに、前記吊棒の支点間の距離を短くするとともに、前記外槽の直径を大きくし、前記筐体の壁面と前記外槽の周壁との隙間を小さくすることを特徴とする。

また本発明は、前記洗濯槽ユニットの重心を前記被吊支部とともに、前記筺体の上下方向の高さ中心よりも高い位置に設定するにあたり、筐体の形状を変更しないことが好適である。

さらに本発明は、前記駆動機構が、モータの回転力を伝達することで、前記内槽と当該内槽の底部に設けられた撹拌翼とを選択的に駆動させるものであり、前記内槽の深さは、当該内槽の直径の５０％以上７０％以下の範囲内に設定されることが好適である。

そして本発明は、前記洗濯槽ユニットの下方に収納部が設けられることが好適である。

さらに本発明は、前記収納部が引き出しであることが好適である。

以上説明した本発明によれば、洗濯槽ユニットは、吊棒により筐体の上端を支点として吊支されるとともに、重心を筐体の上下方向の高さ中心よりも高い位置に設定されることで、駆動機構により内槽を回転させる際に生ずる振れが小さくなることから、振動や騒音を低減することができる。さらに、振れ回りが小さくなる分、外槽の周壁と筐体との隙間を小さくし、デッドスペースを減少することができるため、その分洗濯槽ユニットを構成する外槽と内槽の直径を大きくすることで、洗濯容量を増大させることもできる。

また、吊棒の先端側を取り付ける被吊支部を筺体の上下方向の高さ中心よりも高い位置に設定する本発明によれば、筐体の寸法や吊棒の筐体への取り付け位置を従来と同様に設定した場合、吊棒により洗濯槽ユニットを支持する支点間距離が短くなる。そのため、洗濯槽ユニットの振れをより小さくすることができ、振動や騒音を一層低減することができる。また、吊棒を所定角度としながら支点間距離を短くすることで、外槽の周壁を従来よりも外径方向に位置させてデッドスペースを減少させることができる。さらに、上記振動の低減によって外槽と筐体との隙間及び外槽と内槽との隙間を小さくすることも許容されるため、外槽及び内槽の直径を大きくして、洗濯容量を増大させることもできる。

また、内槽の深さを、直径の５０％以上７０％以下の範囲内に設定する本発明によれば、洗濯機としての洗濯性能を損なうことなく、外槽に対する内槽の倒れを軽減させることができるため、外槽と内槽との隙間を小さくして、洗濯容量を更に増大させるとともに、洗濯時に外槽と内槽の間に注水される無駄な水（いわゆる死に水）の量を減らすことが可能となる。加えて、従来と同程度の直径とした場合、内槽が浅くなることから、洗濯物を取り出しやすくなる。また、内槽の上部の洗濯物や水と撹拌翼との距離が相対的に近くなることで、撹拌翼による撹拌力が伝わりやすくなることから、モータの容量を小さくして、製造コスト及び消費エネルギを削減することもできる。

さらに、洗濯槽ユニットの下方に収納部が設けられる本発明によれば、洗濯槽ユニットの下方にできる空間を効果的に利用して、より使い勝手を向上させることができる。

とりわけ、上記収納部が引き出しである本発明によれば、洗濯に関連する洗剤や柔軟剤、あるいは器具などの収納スペースとして利用することができ、より使い勝手を高めることができる。

本発明の一実施形態に係る洗濯機を示す縦断面図。 同洗濯機を模式的に示す縦断面図。 同洗濯機を示す斜視図。 従来の洗濯機の一例を模式的に示す縦断面図。

以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。

図１は本発明の実施形態に係る洗濯機１を示す縦断面図である。この洗濯機１は平面視した際に略四角形をなしており、図１はこの洗濯機１を対角線の位置で切断した状態を示している。また、この図は洗濯機１の概略構成を示したものであり、本発明とは無関係な部分を一部省略している。なお、この図では、図４に示した従来の洗濯機１０１と同じ部分には同じ符号を付している。

図１に示す本実施形態の洗濯機１は、いわゆる縦型洗濯機として構成され、筐体２とその内部で吊棒３により吊支される洗濯槽ユニット４とを備える。さらにこの洗濯槽ユニット４は、有底略円筒状の外槽５と、その内部で同軸に配される有底略円筒状の内槽６と、外槽５の底部に設けられた駆動機構７とを備える。

筐体２は、略矩形状の底面２１とこの底面２１より立ち上がる４つの壁面２２とにより構成され、上方を開口された内部空間Ｓｐを備える箱形をなす。そして、底面２１の四隅には脚２３を備える。本実施形態における筐体２の上下方向の高さとはこのような脚２３を含むものであり、設置面Ｆより筐体２の上端２４までの高さとして定義される。筐体２の上端２４近傍の四隅にはフック状の掛止部２５が設けられ、この掛止部２５は、吊棒３の基端３Ａ側を掛止させることで吊棒３を吊り下げるための支点として機能する。

筐体２の上部には、操作パネルと一体化されたカバー２６が設けられるとともに、このカバー２６の一部は開閉蓋２６ａとされ、図２に示すように開放状態ＰＯと閉止状態ＰＣとに変更されることで、内部空間Ｓｐを開閉することができる。

図１に戻って、洗濯槽ユニット４を構成する外槽５は、底部をなす平面視略円形の底板５１と、底板５１の縁部より立ち上がる周壁５２とを有する有底略円筒状の部材である。周壁５２の下部には、平面視４箇所にほぼ等配してフック状の被吊支部５３が一体的に設けられている。被吊支部５３は、吊棒３の先端３Ｂ側を取り付けることができる。

内槽６は、いわゆる洗濯脱水槽として構成され、底部をなす平面視略円形の底板６１と、底板６１の縁部より立ち上がる周壁６２とを有する有底略円筒状をなす。内槽６は、外槽５の内部でこの外槽５と同軸に配されるとともに、駆動機構７を介して外槽５により回転可能に支持される。底板６１及び周壁６２には図示しない多数の通水孔が設けられ、この通水孔を通じて内槽６内の水を排出することができる。また、内槽６の底板６１の直ぐ上には、一般にパルセータと称する撹拌翼６３が同軸状に設けられる。

駆動機構７は、外槽５の底板５１の下面に取り付けられたベース部材７１と、このベース部材７１に取り付けたモータ７２と、クラッチを含む動力分配手段７３とを含む。モータ７２と動力分配手段７３とは、プーリ７２ａ、プーリ７３ａをそれぞれ備えており、これらのプーリ７２ａ，７３ａの周囲には無端ベルト７４が巻回されることで、相互に動力の伝達を行うことができる。

動力分配手段７３は、同軸に配された２つの出力軸７５，７６を備えており、内側の第１出力軸７５を上記撹拌翼６３の中心に接続され、外側の第２出力軸７６を内槽６の底板６１に接続される。動力分配手段７３は、外部からの指令に基づき、プーリ７３ａを通じてモータ７２より入力される駆動力の出力先を、第１出力軸７５のみ、あるいは第１出力軸７５と第２出力軸７６の双方に選択的に切り換えることができる。そのため、洗濯機１は、洗濯時には主として撹拌翼６３のみを回転させ、脱水時には内槽６と撹拌翼６３とを一体的に回転させることができる。

吊棒３は、筐体２の四隅に対応して４つ配される。各吊棒３は、先端３Ｂが互いに近接するようにやや傾斜して配され、基端３Ａを上述した筐体２の掛止部２５に掛止される。そして、先端３Ｂには、弾性部材であるコイルばね３１Ａを含むダンパ機構３１が取り付けられ、このダンパ機構３１の上端３１Ａは、外槽５に設けた被吊支部５３に掛止される。こうすることで、外槽５を含む洗濯槽ユニット４は４つの吊棒３によって吊支される。

図２は、この洗濯機１を模式的に示す縦断面図である。この図では、図１と同じ部分について同じ符号を付している。以下、図４を参照しつつ図２を用いて各部の寸法関係について詳細に説明を行う。

まず、この筐体２の高さＨｕを、設置面Ｆより筐体２の上端２４までの上下方向の寸法として定義する。本実施形態では、筐体２の全体の寸法を従来の一般的な洗濯機（図４参照）とほぼ同一に設定し、筐体２の高さＨｕを従来と同じ約７７０ｍｍとする。

そして、内槽６の底板６１は従来よりも高い位置に設定され、筐体２の上端２４より底板６１までが浅く構成される。

ここで、内槽６の深さＤｐ１を、筐体２の上端２４より内槽６の底板６１上面の最下部までの上下方向の寸法として定義し、内槽６の直径Ｄｉ１を、内槽６の周壁６２の内面における最大直径として定義する。従来の一般的な洗濯機１０１（図４参照）において、上記と同様に内槽１０６の深さＤｐ０と直径Ｄｉ０とを定義した場合、一般には内槽１０６の深さＤｐ０は直径Ｄｉ０の約１１０％と、若干の縦長になる。

これに対して、本実施形態の洗濯機１では、内槽６の深さＤｐ１は直径Ｄｉ１の約６０％に設定され、従来の約半分の深さとなる。そのため、内槽６の内部への洗濯物の出し入れを容易に行うことができる。さらには、筐体２の高さＨｕが従来と同じであることから、上端２４が低くなりすぎることもなく洗濯物の出し入れに際して腰を屈めることも必要ない。

さらに、内槽６は第２出力軸７６と接続されることで支持される底板６１より上端６４までの高さも低くなることから、洗濯物を上端６４のぎりぎりにまで入れた場合であっても、この洗濯物が回転時のアンバランスとなって内槽６を倒れさせる方向に作用するモーメントも小さくなる。そのため、外槽５と内槽６との相対変位を小さくすることができることから、外槽５と内槽６の周壁５２，６２同士の隙間Ｃｉ１を、従来の外槽１０５と内槽１０６の周壁１５２，１６２同士の隙間Ｃｉ０よりも小さくすることができる。具体的には、隙間Ｃｉ１を従来の隙間Ｃｉ０の約８０％に設定する。こうすることで、デッドスペースをより小さくするとともに、洗濯時において外槽５と内槽６との間に入る無駄な水、いわゆる死に水を少なくすることもできる。

また、洗濯時における攪拌翼６３による攪拌力は内槽６の上端６４にまで伝達されることが必要であるところ、上端６４までの高さが小さくなることから攪拌力を小さく設定しても差し支えない。そのため、モータ７２の容量を従来のモータ１７２よりも小さくするとともに、動力分配手段７３の耐荷重を従来の動力分配手段１７３よりも小さくして、駆動機構７の小型化及びコスト削減を行うこともできる。また、モータ７２による電力消費を減らして、ランニングコストの削減を図ることもできる。

さらに、上記のように内槽６の底板６１を高い位置に設定することに伴って、外槽５の底板５１及びその下面側に取り付けた駆動機構７も高い位置に設定される。そのため、洗濯槽ユニット４全体の重心位置Ｐｃも高い位置に設定される。

ここで、洗濯槽ユニット４の重心Ｐｃ１の高さＨｃ１を、設置面Ｆより重心Ｐｃまでの上下方向の寸法として定義する。従来の一般的な洗濯機１０１（図４参照）において、上記と同様に洗濯槽ユニット１０４の重心Ｐｃ０の高さＨｃ０を定義した場合、一般には重心Ｐｃ０の高さＨｃ０は、筐体２の高さＨｕの約４０％となる。

これに対して、本実施形態の洗濯機１では、洗濯槽ユニット４の重心Ｐｃ１の高さＨｃ１は、筐体２の高さＨｕの５０％よりも大きい。すなわち、筐体２の高さＨｕの１／２の位置を筐体２の上下方向の高さ中心Ｈｂとして定義した場合、この高さ中心Ｈｂよりも洗濯槽ユニット４の重心Ｐｃ１は高い位置にある。

そのため、駆動機構７によって撹拌翼６３や内槽６を回転させた場合、特に撹拌翼６３と内槽６とを一体的に高速回転させる脱水運転の場合において、洗濯槽ユニット４が振れ回ろうとした場合でも、吊棒３による吊支の支点のある筐体２の上端２４と重心位置Ｐｃ１とが近いために、振れが小さくなり、全体的な振動や騒音が小さくなる。

また、本実施形態における洗濯機１では、外槽５の底板５１及び洗濯槽ユニット４の重心位置Ｐｃ１を高く設定したことに伴い、吊棒３の先端３Ｂ側を取り付けるための被吊支部５３の位置も従来よりも高い位置とする。具体的には、吊棒３の基端３Ａを取り付けるため掛止部２５と、先端３Ｂ側を取り付けるための被吊支部５３までの支点間距離Ｌｓ１は、従来の支点間距離Ｌｓ０の約６０％に短くする。そのため、洗濯槽ユニット４の振れをより小さくして、振動や騒音を一層低減することができる。

また、支点間距離Ｌｓ１を短くすることによって、吊棒３の長さＬａ１をも短くすることができる。具体的には、従来と同様のダンパ機構３１を用いた場合、吊棒３の長さＬａ１は、従来の吊棒１０３の長さＬａ０の約７０％になる。そのため、部品の製造コストの削減や、筐体２内のデッドスペースの更なる減少といった効果を得ることもできる。

さらに、各吊棒３は、先端３Ｂ側が互いに近接するように所定の角度θだけ傾斜して取り付けられる。こうすることで、洗濯槽ユニット４には、各吊棒３を介して四隅に向けた引っ張り力が作用し、平面視における筐体２の中央の位置における安定性を高めることができる。具体的には、角度θは従来と同様に約９°に設定される。

吊棒３を所定の角度θだけ傾斜させる場合には、この吊棒３を取り付ける支点間距離Ｌｓ１に応じて、筐体２の壁面２２と外槽５の周壁５２との隙間Ｃｏ１を設定することが必要となる。本実施形態では、上述したように支点間距離Ｌｓ１を従来の支点間距離Ｌｓ０の約６０％に小さくすることから、その分外槽５の周壁５２を外径方向に位置させてデッドスペースを減少させ、隙間Ｃｏ１を従来の隙間Ｃｏ０よりも小さくすることができる。具体的には、隙間Ｃｏ１を従来の隙間Ｃｏ０の約８０％に設定し、その分外槽５の直径を大きくする。

そして、上述のように外槽５と内槽６との隙間Ｃｉ１を従来の隙間Ｃｉ０よりも小さく設定することに加えて、筐体２の壁面２２と外槽５の周壁５２との隙間Ｃｏ１を従来の隙間Ｃｏ０よりも小さく設定することで、その分、内槽５の直径Ｄｉ０を大きくする。具体的には、内槽５の直径Ｄｉ０は、従来の内槽１０５の直径Ｄｉ０の約１１５％に設定しており、半径方向へのスペースの増大によって洗濯容量を増加させることができる。そのため、深さＤｐ１を減少させた分に比例して洗濯容量が減るわけではなく、十分な洗濯容量を確保することができる。

さらに、本実施形態の洗濯機１は、上述したように洗濯槽ユニット４全体が上方に取り付けられることで、内部空間Ｓｐの下側が大きく開放される。そのため、この空間を利用して、収納部としての引き出し８が設けられている。

図３は、この洗濯機１の斜視図であり、上記引き出し８を前側に引き出したところを示すものである。洗濯機１の前側の壁面２２の下部には、横長に形成された矩形状の開口２２ａが設けられ、その内側に引き出し８が取り付けられている。このように、上記洗濯槽ユニット４（図２参照）の下方の空間を有効利用して、さらにデッドスペースを減らすことができる。また、この引き出し８を、洗濯に必要となる洗剤、漂白剤及び柔軟剤、並びに、洗濯ネット等の器具の収納スペースとして活用し、雑然としがちな洗濯機周りの整理整頓を容易にして、使い勝手をより向上させることが可能となる、

なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。

例えば、上述の実施形態では収納部８を引き出しとして構成していたが、これを開閉扉付きの収納棚として構成してもよい。

また、収納部８を設けることに代えて、付加機能を加えるための各種の装置を適宜組み込んで一体的に構成してもよい。

さらには、洗濯機１の各部の寸法は上述したものに限らず適宜変更することができる。

その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。

１，１０１…洗濯機
２…筐体
３，１０３…吊棒
３Ａ，１０３Ａ…（吊棒の）基端
３Ｂ，１０３Ｂ…（吊棒の）先端
４，１０４…洗濯槽ユニット
５，１０５…外槽
６，１０６…内槽
７…駆動機構
８…引き出し（収納部）
２４…（筐体の）上端
５１，１５１…底板
５２，１５２…周壁
５３…被吊支部
６１，１６１…底板
６２，１６２…周壁
６３…攪拌翼
７２，１７２…モータ
７３，１７３…動力分配手段
Ｄｐ０，Ｄｐ１…（内槽の）深さ
Ｈｂ…筐体の高さ中心
Ｈｃ０，Ｈｃ１…（洗濯槽ユニットの）重心の高さ
Ｈｕ…筐体の高さ
Ｐｃ０，Ｐｃ１…（洗濯槽ユニットの）重心
Ｓｐ…内部空間
θ…（吊棒の）角度

Claims (5)

1. 上方を開口された内部空間を備える箱形の筐体と、
   前記内部空間において吊棒により吊支される洗濯槽ユニットとを具備し、
   前記洗濯槽ユニットは、有底略円筒状の外槽と、当該外槽の内部において同軸に配されるとともに、当該外槽によって回転可能に支持される有底略円筒状の内槽と、前記外槽の下端に設けられ、前記内槽を回転駆動させるための駆動機構とを備え、
   前記吊棒は、基端側を前記筐体の上端近傍に設けた支点となる掛止部に取り付けられ、先端側を前記外槽の周壁の下部に設けた支点となる被吊支部に、先端が互いに近接するように傾斜させて取り付けられる洗濯機において、
   前記洗濯槽ユニットの重心を前記被吊支部とともに、前記筺体の上下方向の高さ中心よりも高い位置に設定するにあたり、前記吊棒の角度を変えずに、前記吊棒の支点間の距離を短くするとともに、前記外槽の直径を大きくし、前記筐体の壁面と前記外槽の周壁との隙間を小さくすることを特徴とする洗濯機の設計方法。
2. 前記洗濯槽ユニットの重心を前記被吊支部とともに、前記筺体の上下方向の高さ中心よりも高い位置に設定するにあたり、前記筐体の形状を変更しないことを特徴とする請求項１記載の洗濯機の設計方法。
3. 前記駆動機構が、モータの回転力を伝達することで、前記内槽と当該内槽の底部に設けられた撹拌翼とを選択的に駆動させるものであり、
   前記内槽の深さは、当該内槽の直径の５０％以上７０％以下の範囲内に設定されることを特徴とする請求項２記載の洗濯機の設計方法。
4. 前記洗濯槽ユニットの下方に収納部が設けられることを特徴とする請求項２又は３記載の洗濯機の設計方法。
5. 前記収納部が引き出しであることを特徴とする請求項４記載の洗濯機の設計方法。
   

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