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JP6500203B2 - 薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法 Download PDF

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JP6500203B2 JP2014248425A JP2014248425A JP6500203B2 JP 6500203 B2 JP6500203 B2 JP 6500203B2 JP 2014248425 A JP2014248425 A JP 2014248425A JP 2014248425 A JP2014248425 A JP 2014248425A JP 6500203 B2 JP6500203 B2 JP 6500203B2
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Description

本発明は、薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法に関し、より詳しくは、酸化物半導体を利用した薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
一般に、液晶表示装置又は有機EL(Electro Luminescense)表示装置等のアクティブマトリクス方式のディスプレイは、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を複数備える。
近年、薄膜トランジスタの半導体層(チャネル層)の材料として酸化物半導体を用いることが提案されている。酸化物半導体は、移動度が高く、低温で大面積基板への成膜が可能であるなど、優れた特性を有することが知られている。このため、酸化物半導体をチャネル層に用いた酸化物半導体TFTの開発が盛んに行われている。酸化物半導体の一例として、InGaZnO(非特許文献1)、又は、InSiO(非特許文献2)などがある。
H.Omura,H.Kumomi,K.Nomura,T.Kamiya,M.Hirano and H.Hosono, J.Appl.Phys., 105, 93712(2009) N.Mitoma,S.Aikawa,X.Gao,T.Kizu,M.Shimizu,M.-F.Lin,T.Nabatame and K.Tsukagozhi, Appl.Phys.Lett., 104,102103(2014)
酸化物半導体としてInSiOを用いたTFTは、酸素との結合エネルギーが大きい珪素(Si)を酸化インジウム(InO)中に添加させて特性の安定化を図ったものであるが、発明者らによる追実験により、InSiOを用いたTFTであっても、水素に対する耐性(水素耐性)はIGZOを用いたTFTと同程度であることが明らかとなった。したがって、InSiOを用いたTFTであっても、水素の影響を抑制するような対策を講じることが必要となる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、特性が安定した高い信頼性を有する薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタは、ゲート電極と、前記ゲート電極と対向する酸化物半導体層と、前記ゲート電極と前記酸化物半導体層との間に配されたゲート絶縁層と、前記酸化物半導体層に電気的に接続されたソース電極及びドレイン電極と、を備え、前記酸化物半導体層は、少なくともインジウムと珪素を含む酸化物で構成され、第1領域と当該第1領域よりも前記ゲート絶縁層に近い領域である第2領域とを有し、前記第1領域は、前記第2領域よりも珪素濃度が高いことを特徴とする。
本発明によれば、優れたTFT特性を維持しつつ優れた水素耐性を有するので、特性が安定した高い信頼性を有する薄膜トランジスタを実現することができる。
実施の形態に係る薄膜トランジスタの構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法における基板準備工程の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法におけるアンダーコート層形成工程の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法におけるゲート電極形成工程の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法におけるゲート絶縁層形成工程の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法における酸化物半導体層形成工程の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法における保護層形成工程の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法におけるコンタクトホール形成工程の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法におけるソース・ドレイン電極形成工程の構成を模式的に示す断面図である。 珪素濃度が3.3at%のInSiO膜をチャネル層に用いたTFTの電流−電圧特性を示す図である。 珪素濃度が5.5at%のInSiO膜をチャネル層に用いたTFTの電流−電圧特性を示す図である。 珪素濃度が6.8at%のInSiO膜をチャネル層に用いたTFTの電流−電圧特性を示す図である。 珪素濃度が8.6at%のInSiO膜をチャネル層に用いたTFTの電流−電圧特性を示す図である。 珪素濃度が9.6at%のInSiO膜をチャネル層に用いたTFTの電流−電圧特性を示す図である。 InSiO膜の珪素濃度とキャリア移動度と関係(珪素濃度依存)を示す図である。 InSiO膜の珪素濃度とInSiO膜のシート抵抗との関係を示す図である。 水素によって酸化物半導体膜にキャリアが発生するメカニズムを説明するための図である。 酸化物半導体膜に水素が侵入しても酸化物半導体膜に含有する珪素によってキャリアが発生しないメカニズムを説明するための図である。 実施の形態に係る有機EL表示装置の一部切り欠き斜視図である。 図7に示す有機EL表示装置における画素回路の電気回路図である。 変形例1に係る薄膜トランジスタの構成を模式的に示す断面図である。 変形例2に係る薄膜トランジスタの構成を模式的に示す断面図である。 変形例3に係る薄膜トランジスタの構成を模式的に示す断面図である。 変形例4に係る薄膜トランジスタの構成を模式的に示す断面図である。
<本発明の一態様の概要>
詳細は後述するが、発明者らの追実験により、InSiO膜の珪素濃度とTFT特性又は水素耐性との関係を調査した結果、InSiOを用いたTFTには、InSiOにおける珪素濃度を高くすると、ON電流の低下がみられるものの、水素に対する耐性が向上するという特徴があることを突き止めた。
本発明の一態様に係る薄膜トランジスタは、このような特徴を利用したものであり、ゲート電極と、前記ゲート電極と対向する酸化物半導体層と、前記ゲート電極と前記酸化物半導体層との間に配されたゲート絶縁層と、前記酸化物半導体層に電気的に接続されたソース電極及びドレイン電極と、を備え、前記酸化物半導体層は、少なくともインジウムと珪素を含む酸化物で構成され、第1領域と当該第1領域よりも前記ゲート絶縁層に近い領域である第2領域とを有し、前記第1領域は、前記第2領域よりも珪素濃度が高い。
上記構成によれば、InSiOからなる酸化物半導体層におけるバックチャネル側の領域(ゲート絶縁層から離間した第1領域)の方が酸化物半導体層におけるフロントチャネル側の領域(ゲート絶縁層に近い第2領域)よりも珪素濃度が高い。
これにより、酸化物半導体層のバックチャネル側の領域での水素耐性が向上するので、バックチャネル側からの水素の影響を抑制することができる。
さらに、珪素濃度の高いInSiO膜は高いシート抵抗を有する。したがって、酸化物半導体層のバックチャネル側の領域の珪素濃度を高くすることで抵抗値を大きくすることができる。これにより、バックチャネルにおけるOFFリーク電流を低減することができ、優れたオフ特性を得ることができる。
一方、酸化物半導体層のフロントチャネル側の領域ではバックチャネル側の領域と比べて珪素濃度が低く保たれているため、ON電流が低下せずに優れたオン特性を維持することができる。
このように、InSiOからなる酸化物半導体層において、バックチャネル側の領域をフロントチャネル側の領域よりも珪素濃度を高くすることで、優れたTFT特性を維持させつつ優れた水素耐性を確保することができるので、特定が安定した高い信頼性を有するTFTを実現することができる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記酸化物半導体層は、前記第1領域として形成された第1半導体層と、前記第2領域として形成された第2半導体層とを有する積層構造であるとよい。
この構成により、珪素濃度が相対的に高い第1半導体層によって水素耐性を確保することができる。また、酸化物半導体層を積層構造とすることによって、スパッタなどによる連続成膜によって第2半導体層と第1半導体層とを形成することができる。これにより、液晶ディスプレイ用途等のシリコンTFTの製造ライン設備(既存設備)を利用することができ、製造コスト及び製造タクトを抑えることができる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記第1半導体層の珪素濃度は、6.5at%以上であるとよい。
これにより、第1半導体層において、実効的な水素耐性を確保することができる。したがって、バックチャネル側からの水素の進入を効果的に抑制できる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記第1半導体層の珪素濃度は、11.7at%以上であるとよい。
これにより、第1半導体層における水素耐性が劇的に向上する。したがって、バックチャネル側からの水素の進入を一層抑制できる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記第2半導体層の珪素濃度は、6.5at%未満であるとよい。
これにより、フロントチャネル側に位置する第2半導体層の抵抗値を小さくできるので、ON電流を容易に維持することができる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記酸化物半導体層の珪素濃度は、前記酸化物半導体層に含有される水素濃度よりも高いとよい。
これにより、さらに水素の影響を抑制することができるので、安定した特性を有するTFTが得られる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記1半導体層の膜厚は、5nm以上であるとよい。
これにより、水素の進入を抑制できる効果を十分に発揮させることができる。したがって、安定した特性を有するTFTを得ることができる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記第2半導体層の膜厚は、15nm以上であるとよい。
これにより、フロントチャネル側に位置する抵抗値の小さい第2半導体層を十分確保できるので、ON電流を一層容易に維持することができる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記酸化物半導体層の膜厚は、20nm以上であるとよい。
これにより、十分なチャネル領域を確保できるので、優れた特性を有するTFTを実現できる。また、酸化物半導体層の加工プロセス(パターニング)が十分可能になる。さらに、酸化物半導体層の膜厚を20nm以上にすることで、第1半導体層の膜厚を20nm以上にすることが可能となるので、アニール処理等によって水素が拡散する場合であっても、珪素濃度が高い第1半導体層によって、酸化物半導体層に水素が混入することを効果的にブロックできる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記酸化物半導体層における珪素濃度は、前記ゲート絶縁層側とは反対側の界面に近づくにつれて連続的に増加しているとよい。
これにより、酸化物半導体層の組成が連続的に変化するので、酸化物半導体層のバルク中の欠陥を抑制することができる。また、酸化物半導体層におけるゲート絶縁層側とは反対側の界面における欠陥(界面準位)を低減することができる。したがって、さらに優れた特性を有するTFTが得られる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記ゲート電極、前記ゲート絶縁層及び前記酸化物半導体層が、この順番で基板上に積層されており、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記酸化物半導体層の上方に形成されるとよい。
この構成により、シリコンTFTの製造ライン設備(既存設備)との整合性が高くなるので、製造コストを抑えることができる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、さらに、前記酸化物半導体層上に保護層を備えるとよい。
これにより、酸化物半導体層のバックチャネル側の領域におけるプロセスダメージを低減することができる。例えば、酸化物半導体層のバックチャネル側の表面がエッチング工程で曝されなくなる。このため、面内で均一な特性を有するTFTを得ることができる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタにおいて、前記酸化物半導体層、前記ゲート絶縁層及び前記ゲート電極が、この順番で基板上に積層されており、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記酸化物半導体層に接続されているとよい。
この構成により、TFTサイズを小さくすることができるので高精細化が可能となる。
また、本発明の一態様に係る薄膜トランジスタの製造方法は、ゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極と対向する酸化物半導体層を形成する工程と、前記ゲート電極と前記酸化物半導体層との間にゲート絶縁層を形成する工程と、前記酸化物半導体層に電気的に接続されたソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを含み、前記酸化物半導体層は、少なくともインジウムと珪素を含む酸化物で構成され、第1領域と当該第1領域よりも前記ゲート絶縁層に近い領域である第2領域とを有し、前記第1領域は、前記第2領域よりも珪素濃度が高い。
これにより、バックチャネル側からの水素の影響を抑制でき、かつ、ON電流の低下を抑制して優れたTFT特性を維持することができる。したがって、安定した特性を有するTFTを歩留まりよく製造することができる。
<実施の形態>
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程(ステップ)、工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成部材については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(薄膜トランジスタの構造)
まず、実施の形態に係る薄膜トランジスタ1について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る薄膜トランジスタの構成を模式的に示す断面図である。なお、図1は、TFTアレイ基板を示しており、図1には2つの薄膜トランジスタ1が図示されている。
図1に示すように、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層をチャネル層とするボトムゲート型の酸化物半導体TFTである。また、本実施の形態における薄膜トランジスタ1は、チャネル保護型であって、トップコンタクト構造が採用されている。
薄膜トランジスタ1は、基板10と、アンダーコート層20と、ゲート電極30と、ゲート絶縁層40と、酸化物半導体層50と、保護層60と、ソース電極70S及びドレイン電極70Dとを備える。
以下、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の各構成部材について詳述する。
基板10は、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス及び高耐熱性ガラス等のガラス材料からなるガラス基板である。基板10は、ガラス基板に限るものではなく、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレア、ポリアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート等のプラスチック材料からなるプラスチック基板(樹脂基板)等であってもよい。
なお、基板10は、リジッド基板ではなく、可撓性を有するフレキシブル基板(フィルム基板)であってもよい。また、ガラス基板を支持基板として、その上にポリイミドなどのプラスチック材料を形成した形態であってもよい。
アンダーコート層20は、基板10上に形成されている。アンダーコート層20を形成することによって、基板10(ガラス基板)の中に含まれるナトリウム及びリン等の不純物又は大気中から透過される水分等が、酸化物半導体層50に進入することを抑制することができる。また、アンダーコート層20は、レーザアニール等の高温熱処理プロセスにおいて、基板10への熱の影響を緩和させる役割も担う。
アンダーコート層20は、酸化物絶縁層又は窒化物絶縁層を用いた単層絶縁層又は積層絶縁層である。一例として、アンダーコート層20としては、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)、酸窒化シリコン(SiO)又は酸化アルミニウム(AlO)等の単層膜、あるいは、これらの積層膜を用いることができる。アンダーコート層20の膜厚は、例えば、100nm〜2000nm程度である。なお、アンダーコート層20は、必ずしも形成する必要はない。
ゲート電極30は、基板10の上方に位置し、例えば、基板10の上方に形成される。本実施の形態において、ゲート電極30は、アンダーコート層20上に所定形状でパターン形成される。ゲート電極30は、導電性材料によって構成され、単層構造又は多層構造からなる。導電性材料としては、例えば、金属又は合金を用いることができる。金属又は合金としては、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、又はモリブデンタングステン(MoW)等を用いることができる。ゲート電極2の膜厚は、例えば、20nm〜500nm程度である。
ゲート絶縁層40は、ゲート電極30と酸化物半導体層50との間に配される。本実施の形態において、ゲート絶縁層40は、少なくともゲート電極30の上方に形成される。具体的には、ゲート絶縁層40は、ゲート電極30を覆うようにアンダーコート層20上の全面に形成されている。
ゲート絶縁層40は、電気絶縁性材料によって構成され、単層構造又は多層構造からなる。電気絶縁性材料としては、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiO)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化タンタル(TaO)を用いることができる。本実施の形態において、ゲート絶縁層40は、例えば、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜である。ゲート絶縁層40の膜厚は、TFTの耐圧等を考慮して設計することができ、例えば、50nm〜500nm程度である。
酸化物半導体層50は、ゲート絶縁層40上に所定形状で形成される。酸化物半導体層50は、チャネル層として用いられ、ゲート電極と対向している。つまり、酸化物半導体層50は、ゲート絶縁層40を挟んでゲート電極30と対向する領域(チャネル領域)を含む半導体層である。
酸化物半導体層50の材料には、例えば、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductors)が用いられる。具体的には、少なくともインジウム(In)と珪素(Si)を含む酸化物で構成される。本実施の形態において、酸化物半導体層50は、インジウム(In)、珪素(Si)及び酸素(O)を含有し、InSiO(ISO)によって構成されている。透明アモルファス酸化物半導体は、移動度が大きいという特質を有するだけではなく、低温成膜が可能であるため、基板10の材料としてプラスチック材料を利用する場合に有用である。
酸化物半導体層50は、第1領域と当該第1領域よりもゲート絶縁層40に近い領域である第2領域とを有し、第1領域は、第2領域よりも珪素濃度が高くなっている。つまり、酸化物半導体層50は、ゲート絶縁層40側の領域よりも、ゲート絶縁層40側とは反対側(保護層60側)の領域の方が、珪素濃度が高くなっている。具体的には、酸化物半導体層50におけるゲート絶縁層40から離間した領域(第1領域)が、酸化物半導体層50におけるゲート絶縁層40に近い領域(第2領域)よりも珪素濃度が高くなっている。
本実施の形態において、酸化物半導体層50は、積層構造であり、例えば、酸化物半導体層50におけるゲート絶縁層40から遠い方の第1領域として形成された第1半導体層51と、酸化物半導体層50におけるゲート絶縁層40に近い方の第2領域として形成された第2半導体層52との2積層構造である。具体的には、酸化物半導体層50は、第2半導体層52と、第2半導体層52の上に形成された第1半導体層51とからなる。
第1半導体層51は、第2半導体層52よりも珪素濃度(Si濃度)が高い高珪素濃度層である。第1半導体層51は、酸化物半導体層50における保護層60側(相対的にゲート絶縁層40から遠い方)の層であって、本実施の形態では、酸化物半導体層50の上層(上部領域)である。
一方、第2半導体層52は、第1半導体層51よりも珪素濃度(Si濃度)が低い低珪素濃度層である。第2半導体層52は、酸化物半導体層50におけるゲート絶縁層40側(相対的にゲート絶縁層40に近い方)の層であって、本実施の形態では、酸化物半導体層50の下層(下部領域)である。
このように、酸化物半導体層50では、第1半導体層51の珪素濃度が第2半導体層52の珪素濃度よりも高くなっている。詳細は後述するが、珪素濃度の高い第1半導体層51を用いることで、上層の第1半導体層51において優れた水素耐性を実現することができる。これにより、バックチャネル側(保護層60側)からの水素の影響を抑制することができる。さらに、珪素濃度の高いInSiO膜は高いシート抵抗を有するので、バックチャネルにおけるOFFリーク電流を低減することもできる。
第1半導体層51の珪素濃度は、6.5at%以上であるとよく、好ましくは、11.7at%以上である。これにより、第1半導体層51における水素耐性が劇的に向上するので、バックチャネル側からの水素の影響を一層抑制できる。
また、第2半導体層52の珪素濃度は、6.5at%未満であるとよい。これにより、フロントチャネル側に位置する第2半導体層52の抵抗値を小さくできるので、ON電流を容易に維持することができる。
一例として、第1半導体層51の珪素濃度は、11.7at%であり、第2半導体層52の珪素濃度は、6.5at%であるが、これに限るものではない。
第1半導体層51と第2半導体層52とは同一元素で構成されており、いずれもInSiO(InSiO膜)からなる。なお、第1半導体層51及び第2半導体層52において、珪素は化学的に結合した状態で混入されている。
第1半導体層51の膜厚は5nm以上であるとよい。これにより、第1半導体層51によって酸化物半導体層50における水素耐性を十分に発揮させることができる。したがって、水素の進入を効果的に抑制することができる。
第2半導体層52の膜厚は、15nm以上であるとよい。これにより、フロントチャネル側に位置する抵抗値の小さい第2半導体層52を十分確保できるので、ON電流を一層容易に維持することができる。
また、酸化物半導体層50のトータル膜厚は20nm以上であるとよい。これにより、十分なチャネル領域を確保できるので、優れた特性を有するTFTを実現できる。また、酸化物半導体層50の膜厚を20nm以上にすることで、酸化物半導体層50の加工プロセスが十分可能になる。つまり、酸化物半導体層50のスパッタ等による成膜とフォトリソグラフィ法及びエッチング法等によるパターニングとを容易に行うことができる。
さらに、第1半導体層51の膜厚を20nm以上にすることによって、アニール処理等によって水素が拡散する場合であっても、珪素濃度が高い第1半導体層51によって、酸化物半導体層50に水素が混入することを効果的にブロックできる。例えば、保護層60側から拡散してくる水素によるダメージを抑制することができる。
また、酸化物半導体層50全体の珪素濃度は、少なくとも酸化物半導体層50全体に含有される水素濃度よりも高くなっているとよい。これにより、水素の影響を一層抑制することができる。
保護層60は、酸化物半導体層50の上に形成される。保護層60は、ソース電極70S及びドレイン電極70Dを形成するときのエッチング処理において、酸化物半導体層50のチャネル領域がエッチングされてしまうことを防止するためにチャネル領域を保護するチャネルエッチングストッパ(CES)層として機能する。これにより、ボトムゲート型TFTにおいて、酸化物半導体層50のバックチャネル側のプロセスダメージを低減することができる。また、本実施の形態において、保護層60は、基板10上の全面に形成された層間絶縁層である。
保護層60は、絶縁性を有する絶縁材料によって構成される。保護層60の材料としては、例えば、酸化物又は酸窒化物を主成分とする材料を用いることができる。酸化物又は酸窒化物を主成分とする材料としては、例えば、酸化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、又は、酸化イットリウムなどの無機物を用いることができる。なお、酸化シリコンは窒化シリコンと比べて水素含有量が少ない。したがって、保護層60として酸化シリコンを用いることによって、水素による酸化物半導体層50の特性低下を抑制できる。また、保護層60は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。積層構造とする場合、酸化アルミニウムは水素や酸素をブロックする作用を有するため、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化シリコンの3層積層構造とするのがよい。
なお、保護層60の材料は、無機物に限るものではなく、有機物を主成分とする材料であってもよい。
また、保護層60には、当該保護層60の一部を貫通するように開口部(コンタクトホール)が形成されている。この保護層60の開口部を介して、酸化物半導体層50とソース電極70S及びドレイン電極70Dとが接続されている。
ソース電極70S及びドレイン電極70Dは、保護層60上に所定形状で形成されている。ソース電極70S及びドレイン電極70Dは、間隔をあけて基板水平方向に対向するように配置され、それぞれ保護層60に形成された開口部を介して酸化物半導体層50に電気的に接続されている。
ソース電極70S及びドレイン電極70Dは、それぞれ導電性材料によって構成されており、単層構造又は多層構造からなる。導電性材料としては、例えば、金属又は合金を用いることができる。金属又は合金としては、例えば、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、又はモリブデンタングステン(MoW)等を用いることができる。本実施の形態では、ソース電極70S及びドレイン電極70Dは、MoW/Al/MoWの三層構造によって形成されている。ソース電極70S及びドレイン電極70Dの膜厚は、例えば、100nm〜500nm程度とすることができる。
また、ソース電極70S及びドレイン電極70Dの配置位置は、図1に示す位置に限るものではなく、ソース電極70S及びドレイン電極70Dと酸化物半導体層50とが電気的に接続される位置であればよい。
なお、図示しないが、ソース電極70S及びドレイン電極70Dを覆うように保護層60状にパッシベーション層が形成されていてもよい。パッシベーション層9の膜厚は、例えば、20nm以上1000nm以下とすることができる。パッシベーション層9は、例えば、酸化シリコン又は窒化シリコン等の無機材料からなる絶縁膜であり、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)等によって成膜することができる。
(薄膜トランジスタの製造方法)
次に、実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の製造方法について、図2A〜図2Hを用いて説明する。図2A〜図2Hは、実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法における各工程の構成を模式的に示す断面図である。
本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の製造方法は、基板10を準備する基板準備工程と、アンダーコート層20を形成するアンダーコート層形成工程と、ゲート電極30を形成するゲート電極形成工程と、ゲート絶縁層40を形成するゲート絶縁層形成工程と、第1半導体層51と第2半導体層52とを含む酸化物半導体層50を形成する酸化物半導体層形成工程と、保護層60を形成する保護層形成工程と、保護層60にコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、ソース電極70S及びドレイン電極70Dを形成するソース・ドレイン電極形成工程とを含む。なお、その後、必要に応じて、パッシベーション層を形成するパッシベーション層形成工程を含んでいてもよい。
以下、本実施の形態における薄膜トランジスタ1の製造方法の各工程について詳細に説明する。
まず、図2Aに示すように、基板10を準備する。例えば、基板10としてガラス基板を準備する。
次に、図2Bに示すように、基板10上にアンダーコート層20を形成する。プラズマCVD等によって、基板10上に、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜又は酸化アルミニウム膜等で構成されるアンダーコート層20を形成する。
次に、図2Cに示すように、基板10の上方に所定形状のゲート電極30を形成する。本実施の形態では、アンダーコート層20上に金属膜(ゲート金属膜)をスパッタによって成膜した後、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法を用いて金属膜を加工することにより、所定形状にパターニングされたゲート電極30を形成した。
次に、図2Dに示すように、ゲート電極30を覆うようにゲート絶縁層40を形成する。ゲート絶縁層40の形成方法としては、例えば、プラズマCVD法などを用いることができる。一例として、ゲート絶縁層40としてシリコン窒化膜をプラズマCVD法によって成膜する場合、シランガス(SiH)、アンモニアガス(NH)及び窒素ガス(N)を導入ガスに用いることでシリコン窒化膜を成膜することができる。
次に、図2Eに示すように、少なくともゲート電極30と対向するように、ゲート絶縁層40の上方に所定形状の酸化物半導体層50を形成する。本実施の形態では、ゲート絶縁層40上に、第1半導体層51と第2半導体層52とを含む酸化物半導体層50を島状に形成する。
具体的には、ゲート絶縁層40上に、珪素濃度の低いInSiO膜を成膜し、続いて珪素濃度の高いInSiO膜を成膜し、その後、所定形状の酸化物半導体層50となるように、珪素濃度の低いInSiO膜と珪素濃度の高いInSiO膜との積層膜を加工する。
InSiO膜の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法を用いることができる。例えば、インジウム、珪素及び酸素を含むターゲット材を用いて、真空チャンバー内に不活性ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを流入するとともに反応性ガスとして酸素(O)を含むガスを流入し、所定のパワー密度の電圧をターゲット材に印加することによって、InSiO膜を成膜することができる。この場合、組成の異なるInSiO膜(Si濃度の異なるInSiO膜)を成膜する方法としては、例えば、組成の異なるInSiO(Si濃度の異なるInSiO)からなるターゲットを用いて同一チャンバー内で順次成膜する方法、又は、InとSiOのターゲットを用いて、それぞれのターゲットに印加する電力比率を変化させて同時にスパッタ成膜することで組成を制御する方法等が考えられる。
また、積層膜の加工方法としては、例えば、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いることができる。具体的には、まず、組成の異なるInSiO膜の積層膜上に所定形状のレジストを形成し、レジストが形成されていない領域の積層膜をウェットエッチングによって除去することで、第2半導体層52と第1半導体層51とからなる島状の酸化物半導体層50を形成することができる。
次に、図2Fに示すように、酸化物半導体層50を覆うように保護層60を形成する。保護層60は、例えば、酸化物又は酸窒化物を主成分とする材料からなり、プラズマCVD法を用いて形成することができる。なお、保護層60として、酸化アルミニウム又は酸化イットリウムを形成する場合、スパッタリング法を用いて形成してもよい。
その後、必要に応じて熱処理(アニール処理)を施すことによって、酸化物半導体層50内に存在する酸素欠陥を補完することができ、TFT特性を安定化させることができる。例えば、大気中(酸素雰囲気中)で、300℃〜350℃の温度で1時間の熱処理を行えばよい。
熱処理の方法としては、例えば、ホットプレート、炉、レーザー照射又は赤外線照射を用いることができる。また、上記の熱処理は、エネルギーを付与することによる酸化物半導体層の安定化処理を兼ねている。安定化処理の方法としては、熱処理に限らず、例えば、紫外線照射又はX線照射でも同様の効果を得ることができる。なお、酸化物半導体層50の酸素欠陥を補完するための熱処理(酸化物半導体層50を安定化させるための工程)は、ソース電極70S及びドレイン電極70Dを形成した後、又は、その後のパッシベーション層を形成した後に行ってもよい。
次に、図2Gに示すように、酸化物半導体層50の一部を露出させるように、保護層60にコンタクトホールCH(開口部)を形成する。具体的には、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によって保護層60の一部をエッチング除去することによって、酸化物半導体層50におけるソース電極70S及びドレイン電極70Dとの接続部分上に開口部を形成する。例えば、保護層60がシリコン酸化膜である場合、反応性イオンエッチング(RIE)法によるドライエッチング法によってシリコン酸化膜にコンタクトホールCHを形成することができる。この場合、エッチングガスとしては、例えば、四フッ化炭素(CF)及び酸素ガス(O)を用いることができる。
次に、図2Hに示すように、保護層60に形成したコンタクトホールCHを介して酸化物半導体層50に接続するソース電極70S及びドレイン電極70Dを形成する。本実施の形態では、例えば、保護層60に形成したコンタクトホールCHを埋めるようにして保護層60上に金属膜(ソースドレイン金属膜)を成膜した後に、フォトリソグラフィ法及びウェットエッチング法により金属膜を加工することにより、所定形状にパターニングされたソース電極70S及びドレイン電極70Dを形成した。このウェットエッチングの際に、保護層60がエッチング保護層として機能する。
なお、図示しないが、全体を覆うようにパッシベーション層を形成してもよい。例えば、保護層60、ソース電極70S及びドレイン電極70Dの上に、プラズマCVD等によって窒化シリコン又は酸化シリコン等からなるパッシベーション層を形成してもよい。
(作用効果)
次に、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1の作用効果について、本発明の一態様に至った経緯も含めて説明する。
代表的な酸化物半導体であるInGaZnO(IGZO)を用いたTFTでは、水素の影響を受けやすく、TFT作製時のプロセス中又はTFT作製後の駆動中において、TFT特性が変動してしまうという課題がある。
一方、酸化物半導体としてInSiOを用いたTFTは、酸素との結合エネルギーが大きい珪素(Si)を酸化インジウム中に添加させて特性の安定化を図ったものである。
発明者らは、InSiOを用いたTFTを実現するにあたり、InSiO膜の珪素濃度とTFT特性との関係、及び、InSiO膜の珪素濃度と水素耐性との関係についての追実験を行った。
具体的には、発明者らは、まず、珪素濃度が3.3at%、5.5at%、6.8at%、8.6at%、9.6at%の組成の異なる5種類のInSiO膜(単層膜)をチャネル層とするTFTを作製し、TFT特性を評価した。その結果を図3A〜図3E及び図4に示す。図3A〜図3Eは、InSiO膜の珪素濃度とTFTの電流−電圧特性との関係(珪素濃度依存)を示す図である。また、図4は、InSiO膜の珪素濃度とキャリア移動度と関係(珪素濃度依存)を示す図である。
図3A〜図3Eに示すように、InSiO膜中の珪素濃度が増加するにしたがって、ON電流が低下することが分かった。また、図3A〜図3Eに示すように、InSiO膜中の珪素濃度が低い場合はオンオフ比が高くなっているが、InSiO膜中の珪素濃度が増加するにつれてオンオフ比が低下することも分かる。
また、図4に示すように、InSiO膜中の珪素濃度が増加するにしたがって、キャリア移動度も低下するという傾向がみられた。特に、珪素濃度が5.5at%以下のTFTにおいては、キャリア移動度が17cm/Vs以上という優れた性能を示すことが分かり、非特許文献2で示されているTFT特性とほぼ同等の性能を再現することができた。
さらに、本発明者らは、酸化物半導体膜として珪素濃度が0.1at%、3.3at%、6.5at%、11.7%の組成の異なる4種類のInSiO膜(30nm)をガラス基板(6インチウェハ)に成膜し、これらのInSiO膜に対して、酸化シリコン膜(SiO膜)を介して水素を含有する窒化シリコン膜(SiN:H)を成膜し、水素に対する耐性を評価した。その結果を図5に示す。
図5は、InSiO膜の珪素濃度とInSiO膜のシート抵抗との関係(珪素濃度依存)を示す図であり、InSiO膜の珪素濃度と水素耐性との関係を示している。つまり、図5では、窒化シリコン膜の水素の影響を受けて低抵抗化した後のInSiO膜のシート抵抗を示している。なお、図5では、比較のために、酸化物半導体層としてIGZO膜を用いた場合についても図示している。また、図5における各InSiO膜のシート抵抗は、いずれもウェハ上の9点のシート抵抗の平均値である。
図5に示すように、珪素濃度が0.1at%、3.3at%のInSiO膜については、いずれも、窒化シリコン成膜後に、シート抵抗が1kΩ前後まで下がることが分かった。また、珪素濃度が3.3at%のInSiO膜は、IGZO膜と同程度の水素ダメージを受けることが分かった。
これに対して、InSiO膜における珪素濃度が6.5at%以上になると、窒化シリコン成膜後にシート抵抗が2kΩ前後までしか下がらず、シート抵抗の低下が抑制されて水素耐性が向上することが分かった。
さらに、珪素濃度が11.7at%以上になると、窒化シリコン成膜後でもシート抵抗が26kΩ前後までしか下がらず、シート抵抗の低下が著しく抑制されて水素耐性が劇的に向上することが分かった。
ここで、酸化物半導体膜における水素の影響と珪素による水素耐性向上作用とについて、図6A及び図6Bを用いて説明する。図6Aは、水素によって酸化物半導体膜にキャリアが発生するメカニズムを説明するための図であり、図6Bは、酸化物半導体膜に水素が侵入しても酸化物半導体膜に含有する珪素によってキャリアが発生しないメカニズムを説明するための図である。
図6Aに示すように、水素が拡散して酸化物半導体膜中に水素が侵入すると、水素は酸化物半導体膜においてドナーとして作用する。つまり、酸化物半導体膜を構成する金属と酸素とが結合している状態のものに、侵入した水素が結合(Metal−O−H(i))し、水素から電子が放出する。その結果、酸化物半導体膜のシート抵抗が低下すると考えられる。
一方、珪素濃度が高いInSiO膜で水素耐性が向上したのは、図6Bに示すように、酸化物半導体膜中に珪素を含有させることで、水素の終端サイトが酸素から珪素へと変化(Metal−O−Si−H)したからであると推察される。ここで、一般的に、Si−H結合は、電気的に不活性であることが知られている。このため、珪素を含むInSiO膜では珪素が水素を補足することになるので水素からキャリアが放出されない。その結果、酸化物半導体膜のシート抵抗が低下しなくなると推察される。
このようなメカニズムから、図5において、InSiO膜における珪素濃度が0.1at%、3.3at%の場合にシート抵抗が大きく低下するのは、窒化シリコンから拡散する水素の量よりもInSiO膜中に存在する珪素の量が少なかったからであると考えられる。
一方、InSiO膜における珪素濃度が6.5at%になるとシート抵抗の低下が抑制されるのは、InSiO膜中に存在する珪素が多く存在するからであると考えられる。特に、11.7at%になると、シート抵抗の低下が劇的に抑制されるのは、窒化シリコンから拡散する水素の量に対してInSiO膜中に存在する珪素の量が十分足りているからであると考えられる。
以上の追実験により、本発明者らは、InSiOを用いたTFTには、InSiO膜の珪素濃度が高くなるにつれてON電流が低下する一方で水素耐性が向上することを突き止めた。特に、InSiO膜における珪素濃度が11.7at%以上になると、水素耐性が劇的に向上することを見出した。
そこで、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1では、酸化物半導体層50をInSiOによって構成し、酸化物半導体層50の珪素濃度を、ゲート絶縁層40から離間した領域(第1領域)の方がゲート絶縁層40に近い領域(第2領域)よりも高くなるようにしている。
これにより、酸化物半導体層50のバックチャネル側の領域(第1半導体層51)における水素耐性が向上するので、バックチャネル側(保護層60側)から酸化物半導体層50に進入してくる水素の影響を抑制することができる。例えば、保護層60側から拡散してくる水素によるダメージを抑制することができる。
さらに、酸化物半導体層50のバックチャネル側の領域(第1半導体層51)の珪素濃度を高くすることで、酸化物半導体層50のバックチャネル側の領域における抵抗率を大きくすることができる。これにより、バックチャネルにおけるOFFリーク電流を低減することができ、優れたオフ特性を得ることができる。
一方、酸化物半導体層50のフロントチャネル側の領域(第2半導体層52)ではバックチャネル側の領域と比べて珪素濃度が低く保たれている。このため、ON電流は低下しないので、優れたオン特性を維持することができる。
このように、InSiOからなる酸化物半導体層50において、バックチャネル側の領域をフロントチャネル側の領域よりも珪素濃度を高くすることで、優れたTFT特性を維持させしつつ、優れた水素耐性を確保することができるので、特性が安定した高い信頼性を有するTFTを実現することが可能となり、高い歩留まりでTFTを得ることができる。
また、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ1において、酸化物半導体層50(第1半導体層51)に接する絶縁層は、酸化珪素膜(SiO)等の珪素化合物であるとよい。
これにより、酸化物半導体層50と絶縁層との格子整合が高くなるので、酸化物半導体層50と絶縁層との界面準位を良化することができる。したがって、高ロバスト性を有し、さらに信頼性の高い薄膜トランジスタを実現することができる。
<表示装置>
次に、上記の実施の形態に係る薄膜トランジスタ1を表示装置に適用した例について、図7及び図8を用いて説明する。なお、本実施の形態では、有機EL表示装置への適用例について説明する。
図7は、実施の形態に係る有機EL表示装置の一部切り欠き斜視図である。また、図8は、図7に示す有機EL表示装置における画素回路の電気回路図である。なお、画素回路は、図8に示す構成に限定されるものではない。
上述の薄膜トランジスタ1は、有機EL表示装置におけるアクティブマトリクス基板のスイッチングトランジスタSwTr及び駆動トランジスタDrTrとして用いることができる。
図7に示すように、有機EL表示装置100は、複数個の薄膜トランジスタが配置されたTFT基板(TFTアレイ基板)110と、下部電極(反射電極)である陽極131、EL層(発光層)132及び上部電極(透明電極)である陰極133からなる有機EL素子(発光部)130との積層構造により構成される。
本実施の形態におけるTFT基板110には、上記の薄膜トランジスタ1が用いられている。TFT基板110には複数の画素120がマトリクス状に配置されており、各画素120には画素回路が設けられている。
有機EL素子130は、複数の画素120の各々に対応して形成されており、各画素120に設けられた画素回路によって各有機EL素子130の発光の制御が行われる。有機EL素子130は、複数の薄膜トランジスタを覆うように形成された層間絶縁層(平坦化膜)の上に形成される。
また、有機EL素子130は、陽極131と陰極133との間にEL層132が配置された構成となっている。陽極131とEL層132との間にはさらに正孔輸送層が積層形成され、EL層132と陰極133との間にはさらに電子輸送層が積層形成されている。なお、陽極131と陰極133との間には、その他の機能層が設けられていてもよい。EL層132をはじめ陽極131と陰極133との間に形成される機能層は、有機材料によって構成された有機層である。
各画素120は、それぞれの画素回路によって駆動制御される。また、TFT基板110には、画素120の行方向に沿って配置される複数のゲート配線(走査線)140と、ゲート配線140と交差するように画素120の列方向に沿って配置される複数のソース配線(信号配線)150と、ソース配線150と平行に配置される複数の電源配線(図7では省略)とが形成されている。各画素120は、例えば直交するゲート配線140とソース配線150とによって区画されている。
ゲート配線140は、各画素回路に含まれるスイッチングトランジスタのゲート電極と行毎に接続されている。ソース配線150は、スイッチングトランジスタのソース電極と列毎に接続されている。電源配線は、各画素回路に含まれる駆動トランジスタのドレイン電極と列毎に接続されている。
図8に示すように、画素回路は、スイッチングトランジスタSwTrと、駆動トランジスタDrTrと、対応する画素120に表示するためのデータを記憶するキャパシタCとで構成される。本実施の形態において、スイッチングトランジスタSwTrは、画素120を選択するためのTFTであり、駆動トランジスタDrTrは、有機EL素子130を駆動するためのTFTである。
スイッチングトランジスタSwTrは、ゲート配線140に接続されるゲート電極G1と、ソース配線150に接続されるソース電極S1と、キャパシタC及び第2薄膜トランジスタDrTrのゲート電極G2に接続されるドレイン電極D1と、酸化物半導体層(図示せず)とを備える。スイッチングトランジスタSwTrは、接続されたゲート配線140及びソース配線150に所定の電圧が印加されると、当該ソース配線150に印加された電圧がデータ電圧としてキャパシタCに保存される。
駆動トランジスタDrTrは、スイッチングトランジスタSwTrのドレイン電極D1及びキャパシタCに接続されるゲート電極G2と、電源配線160及びキャパシタCに接続されるドレイン電極D2と、有機EL素子130の陽極131に接続されるソース電極S2と、酸化物半導体層(図示せず)とを備える。駆動トランジスタDrTrは、キャパシタCが保持しているデータ電圧に対応する電流を電源配線160からソース電極S2を通じて有機EL素子130の陽極131に供給する。これにより、有機EL素子130では、陽極131から陰極133へと駆動電流が流れてEL層132が発光する。
なお、上記構成の有機EL表示装置100では、ゲート配線140とソース配線150との交差点に位置する画素120毎に表示制御を行うアクティブマトリクス方式が採用されている。これにより、各画素120におけるスイッチングトランジスタSwTr及び駆動トランジスタDrTrによって、対応する有機EL素子130が選択的に発光し、所望の画像が表示される。
以上、本実施の形態における有機EL表示装置100では、スイッチングトランジスタSwTr及び駆動トランジスタDrTrとして特性が安定した高い信頼性を有する薄膜トランジスタ1を用いているので、信頼性に優れた有機EL表示装置を実現できる。
<変形例>
以上、本発明に係る薄膜トランジスタについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、酸化物半導体層50は、第2半導体層52と第1半導体層51との2層構造としたが、これに限るものではなく、図9に示すように、例えば、3層構造にしてもよい。この場合、珪素濃度が低い第2半導体層52の下に、第2半導体層52よりも珪素濃度が高い第3半導体層53を形成することができる。これにより、珪素濃度が高い第3半導体層53によって、ゲート絶縁層40側からの水素の影響も抑制することができる。
また、酸化物半導体層50は、明確に複数層に分かれた積層構造でなくてもよく、厚み方向に珪素の濃度勾配を有するものであってもよい。この場合、例えば、酸化物半導体層50における珪素濃度は、ゲート絶縁層40側とは反対側の界面(酸化物半導体層50と保護層60との界面)に近づくにつれて連続的に増加するように構成することができる。これにより、酸化物半導体層50と保護層60との界面における欠陥を低減することができるので、さらに優れた特性を有するTFTを実現することができる。
また、上記実施の形態では、ゲート電極30、ゲート絶縁層40及び酸化物半導体層50が下から上にこの順で基板10上に積層されたボトムゲート型の薄膜トランジスタについて説明したが、これに限らない。例えば、図10に示すように、酸化物半導体層50、ゲート絶縁層40及びゲート電極30が下から上にこの順で基板10上に積層されたトップゲート型の薄膜トランジスタであってもよい。この場合、ソース電極70Sは、ゲート絶縁層40に形成されたコンタクトホールを介して酸化物半導体層50のソース領域(低抵抗化領域)に接続される。また、ドレイン電極70Dは、ゲート絶縁層40に形成されたコンタクトホールを介して酸化物半導体層50のドレイン領域(低抵抗化領域)に接続される。このように、トップゲート型の薄膜トランジスタにすることによって、TFTサイズを小さくすることができるので高精細化が可能となる。
また、上記の実施の形態では、チャネル保護型の薄膜トランジスタとしたが、図11に示すように、本発明は、チャネルエッチ型の薄膜トランジスタに適用してもよい。あるいは、図12に示すように、本発明は、寄生容量を低減した低容量型ボトムゲート構造の薄膜トランジスタに適用してもよい。図12における薄膜トランジスタでは、保護層60及び酸化物半導体層50を覆うように絶縁層80が形成されており、ソース電極70S及びドレイン電極70Dは、絶縁層80に形成されたコンタクトホールを介して酸化物半導体層50に接続されている。
なお、図9、図10、図11及び図12において、基板10上にアンダーコート層20を形成してもよいし、全体を覆うようにパッシベーション層を形成してもよい。
また、上記の実施の形態では、n型チャネルの薄膜トランジスタとしたが、p型チャネルの薄膜トランジスタであってもよい。
また、上記実施の形態では、薄膜トランジスタを用いた表示装置として有機EL表示装置について説明したが、これに限らない。例えば、上記実施の形態における薄膜トランジスタは、液晶表示装置等の他の表示装置にも適用することもできる。
その他、各実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明に係る薄膜トランジスタは、有機EL表示装置等のディスプレイ等、また、ディスプレイを用いた、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話及びスマートフォン等、薄膜トランジスタを有する様々な電気機器に広く利用することができる。なお、ディスプレイは、複数のピクセルを含み、各ピクセルは複数のサブピクセルを含む。サブピクセルは、表示素子(有機ELディスプレイの場合は、有機EL素子)と、表示素子を駆動する駆動回路とを含む。一般に、各駆動回路は、少なくとも、選択トランジスタと駆動トランジスタを含む。この選択トランジスタ及び駆動トランジスタとして、上記の薄膜トランジスタを利用することができる。
1 薄膜トランジスタ
10 基板
20 アンダーコート層
30、G1、G2 ゲート電極
40 ゲート絶縁層
50 酸化物半導体層
51 第1半導体層
52 第2半導体層
60 保護層
70S、S1、S2 ソース電極
70D、D1、D2 ドレイン電極
80 絶縁層
100 有機EL表示装置
110 TFT基板
120 画素
130 有機EL素子
131 陽極
132 EL層
133 陰極
140 ゲート配線
150 ソース配線
160 電源配線
SwTr スイッチングトランジスタ
DrTr 駆動トランジスタ
C キャパシタ

Claims (11)

  1. ゲート電極と、
    前記ゲート電極と対向する酸化物半導体層と、
    前記ゲート電極と前記酸化物半導体層との間に配されたゲート絶縁層と、
    前記酸化物半導体層に電気的に接続されたソース電極及びドレイン電極と、を備え、
    前記酸化物半導体層は、少なくともインジウムと珪素を含む酸化物で構成され、第1領域と当該第1領域よりも前記ゲート絶縁層に近い領域である第2領域とを有し、
    前記第1領域と前記第2領域とは、同じ組成であり、
    前記第1領域は、前記第2領域よりも珪素濃度が高
    前記酸化物半導体層は、前記第1領域として形成された第1半導体層と、前記第2領域として形成された第2半導体層とを有する積層構造であり、
    前記第1半導体層の珪素濃度は、6.5at%以上であり、
    前記第2半導体層の珪素濃度は、6.5at%未満であり、
    前記1半導体層の膜厚は、5nm以上である、
    薄膜トランジスタ。
  2. 前記第1領域と前記第2領域とは、InSiOによって構成されている、
    請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記第1半導体層の珪素濃度は、11.7at%以上である、
    請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記酸化物半導体層の珪素濃度は、前記酸化物半導体層に含有される水素濃度よりも高い、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記第2半導体層の膜厚は、15nm以上である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記酸化物半導体層の膜厚は、20nm以上である、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  7. 前記ゲート電極、前記ゲート絶縁層及び前記酸化物半導体層が、この順番で基板上に積層されており、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記酸化物半導体層の上方に形成される、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  8. さらに、前記酸化物半導体層上に保護層を備える、
    請求項に記載の薄膜トランジスタ。
  9. 前記酸化物半導体層、前記ゲート絶縁層及び前記ゲート電極が、この順番で基板上に積
    層されており、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記酸化物半導体層に接続されている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  10. ゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極と対向する酸化物半導体層を形成する工程と、
    前記ゲート電極と前記酸化物半導体層との間にゲート絶縁層を形成する工程と、
    前記酸化物半導体層に電気的に接続されたソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを含み、
    前記酸化物半導体層は、少なくともインジウムと珪素を含む酸化物で構成され、第1領域と当該第1領域よりも前記ゲート絶縁層に近い領域である第2領域とを有し、
    前記第1領域と前記第2領域とは、同じ組成であり、
    前記第1領域は、前記第2領域よりも珪素濃度が高
    前記酸化物半導体層は、前記第1領域として形成された第1半導体層と、前記第2領域として形成された第2半導体層とを有する積層構造であり、
    前記第1半導体層の珪素濃度は、6.5at%以上であり、
    前記第2半導体層の珪素濃度は、6.5at%未満であり、
    前記1半導体層の膜厚は、5nm以上である、
    薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 前記第1領域と前記第2領域とは、InSiOによって構成されている、
    請求項10に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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