以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
≪参考例≫
まず、本実施形態に係る空気調和機300(後述する図1等参照)について説明する前に、参考例に係る空気調和機300Cについて図8から図11を用いて説明する。
図8は、参考例に係る空気調和機300Cの構成模式図である。
図8に示すように、参考例に係る空気調和機300Cは、室外機100Cと、室内機200と、を備えており、室外機100Cと室内機200とは液配管30およびガス配管40で接続されている。なお、室内機200は空気調和する室内(空調空間内)に配置され、室外機100Cは室外に配置される。
室外機100Cは、圧縮機10と、四方弁11と、室外熱交換器12Cと、室外膨張弁13と、レシーバ14と、液阻止弁15と、ガス阻止弁16と、アキュムレータ17と、室外ファン50と、を備えている。室内機200は、室内膨張弁21と、室内熱交換器22と、室内ファン60と、を備えている。
四方弁11は、4つのポート11a〜11dを有しており、ポート11aは圧縮機10の吐出側と接続され、ポート11bは室外熱交換器12C(後述するガスヘッダ111)と接続され、ポート11cはガス阻止弁16およびガス配管40を介して室内機200の室内熱交換器22(後述するガスヘッダ211)と接続され、ポート11dはアキュムレータ17を介して圧縮機10の吸込側と接続されている。また、四方弁11は、4つのポート11a〜11dの連通を切り替えることができるようになっている。具体的には、空気調和機300Cの冷房運転時には、図8に示すように、ポート11aとポート11bとを連通させるとともに、ポート11cとポート11dとを連通させるようになっている。また、図示は省略するが、空気調和機300Cの暖房運転時には、ポート11aとポート11cとを連通させるとともに、ポート11bとポート11dとを連通させるようになっている。
室外熱交換器12Cは、熱交換器部110Cと、熱交換器部110Cの下側に設けられたサブクーラ130と、を有している。
熱交換器部110Cは、冷房運転時には凝縮器として用いられ、暖房運転時には蒸発器として用いられるものであり、冷媒の流れ方向に対して、一方側(冷房運転時の上流側、暖房運転時の下流側)は、ガスヘッダ111と接続され、他方側(冷房運転時の下流側、暖房運転時の上流側)は、液側分配管112、デストリビュータ113を介して、室外膨張弁13と接続されている。
サブクーラ130は、室外熱交換器12Cの下部に形成されており、冷媒の流れ方向に対して、一方側(冷房運転時の上流側、暖房運転時の下流側)は、室外膨張弁13と接続され、他方側(冷房運転時の下流側、暖房運転時の上流側)は、レシーバ14、液阻止弁15、液配管30、室内膨張弁21を介して、室内機200の室内熱交換器22(後述するデストリビュータ213)と接続されている。
室内熱交換器22は、熱交換器部210を有している。熱交換器部210は、冷房運転時には蒸発器として用いられ、暖房運転時には凝縮器として用いられるものであり、冷媒の流れ方向に対して、一方側(冷房運転時の上流側、暖房運転時の下流側)は、液側分配管212を介してデストリビュータ213と接続され、他方側(冷房運転時の下流側、暖房運転時の上流側)は、ガスヘッダ211と接続されている。
次に、参考例に係る空気調和機300Cの冷房運転時における動作について説明する。なお、冷房運転時には、ポート11aとポート11bとが連通するとともに、ポート11cとポート11dとが連通するように四方弁11が切り替えられている。
圧縮機10から吐出した高温のガス冷媒は、四方弁11(ポート11a,11b)を経由して、ガスヘッダ111から室外熱交換器12Cの熱交換器部110Cに送られる。熱交換器部110Cへ流入した高温のガス冷媒は、室外ファン50によって送られた室外空気と熱交換し、凝縮して液冷媒になる。その後、液冷媒は、液側分配管112、デストリビュータ113、室外膨張弁13を通過後、サブクーラ130、レシーバ14、液阻止弁15、液配管30を介して室内機200へ送られる。室内機200へ送られた液冷媒は、室内膨張弁21で減圧されて、デストリビュータ213、液側分配管212を通過して、室内熱交換器22の熱交換器部210に送られる。熱交換器部210へ流入した液冷媒は、室内ファン60によって送られた室内空気と熱交換し、蒸発してガス冷媒になる。この際、熱交換器部210で熱交換することにより冷却された室内空気は、室内ファン60によって室内機200から室内に吹き出され、室内の冷房が行われる。その後、ガス冷媒は、ガスヘッダ211、ガス配管40を介して室外機100Cへ送られる。室外機100Cに送られたガス冷媒は、ガス阻止弁16、四方弁11(ポート11c,11d)を経由して、アキュムレータ17を通過し、再び圧縮機10へ流入し圧縮される。
次に、参考例に係る空気調和機300Cの暖房運転時における動作について説明する。なお、暖房運転時には、ポート11aとポート11cとが連通するとともに、ポート11bとポート11dとが連通するように四方弁11が切り替えられている。
圧縮機10から吐出した高温のガス冷媒は、四方弁11(ポート11a,11d)を経由して、ガス阻止弁16、ガス配管40を介して室内機200へ送られる。室内機200へ送られた高温のガス冷媒は、ガスヘッダ211から室内熱交換器22の熱交換器部210に送られる。熱交換器部210へ流入した高温のガス冷媒は、室内ファン60によって送られた室内空気と熱交換し、凝縮して液冷媒になる。この際、熱交換器部210で熱交換することにより加熱された室内空気は、室内ファン60によって室内機200から室内に吹き出され、室内の暖房が行われる。その後、液冷媒は、液側分配管212、デストリビュータ213、室内膨張弁21を通過後、液配管30を介して室外機100Cへ送られる。室外機100Cへ送られた液冷媒は、液阻止弁15、レシーバ14、サブクーラ130を経由して、室外膨張弁13で減圧されて、デストリビュータ113、液側分配管112を通過して、室外熱交換器12Cの熱交換器部110Cに送られる。熱交換器部110Cへ流入した液冷媒は、室外ファン50によって送られた室外空気と熱交換し、蒸発してガス冷媒になる。その後、ガス冷媒は、ガスヘッダ111、四方弁11(ポート11b,11d)を経由して、アキュムレータ17を通過し、再び圧縮機10へ流入し圧縮される。
ここで、冷凍サイクル内に封入され、冷房運転時および暖房運転時に熱エネルギを運搬する作用をなす冷媒には、一例として、R410A、R32、R32とR1234yfとを含む混合冷媒、R32とR1234ze(E)とを含む混合冷媒等が用いられている。なお、以下の説明においては、冷媒としてR32を使用した場合を例に説明するが、他の冷媒を用いた場合についても、以下に説明する圧力損失、熱伝達率、および比エンタルピ差等の冷媒物性によりもたらされる作用・効果は同様に得られるため、他の冷媒を使用した場合の詳細な説明は割愛する。
次に、参考例に係る空気調和機300Cの冷房運転時における運転状態をについて説明する。図11(a)は、参考例に係る空気調和機300Cの冷房運転時における運転状態をモリエル線図上に示したものである。
図11(a)は、縦軸を圧力P、横軸を比エンタルピhとするモリエル線図(P−h線図)であり、符号SLで示す曲線は飽和線であり、点Aから点Fは冷媒の状態変化を示す。具体的には、A点からB点は圧縮機10での圧縮動作を示し、B点からC点は凝縮器として作用する室外熱交換器12Cの熱交換器部110Cでの凝縮動作を示し、C点からD点は室外膨張弁13での通過時圧力損失を示し、D点からE点はサブクーラ130での放熱動作を示し、E点からF点は室内膨張弁21での減圧動作を示し、F点からA点は蒸発器として作用する室内熱交換器22の熱交換器部210での蒸発動作を示しており、一連の冷凍サイクルを構成している。また、Δhcompは圧縮機10での圧縮動力で生じる比エンタルピ差を示し、Δhcは凝縮器での凝縮動作で生じる比エンタルピ差を示し、Δhscはサブクーラ130での放熱動作で生じる比エンタルピ差を示し、Δheは蒸発器での蒸発動作で生じる比エンタルピ差を示す。
ここで、冷房能力Qe[kW]は、蒸発器での比エンタルピ差Δhe[kJ/kg]、冷媒循環量Gr[kg/s]を用いて、式(1)で示すことができる。また、冷房運転時の成績係数COPe[−]は、蒸発器での比エンタルピ差Δhe[kJ/kg]、圧縮機10での圧縮動力で生じる比エンタルピ差Δhcomp[kJ/kg]を用いて、式(2)で示すことができる。
Qe=Δhe・Gr ・・・ (1)
COPe=Δhe/Δhcomp ・・・ (2)
次に、参考例に係る空気調和機300Cの暖房運転時における運転状態をについて説明する。図11(b)は、参考例に係る空気調和機300Cの暖房運転時における運転状態をモリエル線図上に示したものである。
前述のように、暖房運転時においては、冷房運転時の冷凍サイクル状態と比較して、室外熱交換器12Cの熱交換器部110Cと室内熱交換器22の熱交換器部210とが凝縮器と蒸発器とで入れ替わって動作を行うが、それ以外の動作はほぼ同様である。
即ち、A点からB点は圧縮機10での圧縮動作を示し、B点からC点は凝縮器として作用する室内熱交換器22の熱交換器部210での凝縮動作を示し、C点からD点は室内膨張弁21での通過時圧力損失を示し、D点からE点はサブクーラ130での放熱動作を示し、E点からF点は室外膨張弁13での減圧動作を示し、F点からA点は蒸発器として作用する室外熱交換器12の熱交換器部110Cでの蒸発動作を示しており、一連の冷凍サイクルを構成している。
なお、暖房能力Qc[kW]は式(3)で示すことができ、暖房運転時の成績係数COPc[−]は式(4)で示すことができる。
Qc=Δhc・Gr ・・・ (3)
COPc=Δhc/Δhcomp
=1+COPe−Δhsc/Δhcomp ・・・ (4)
なお、暖房運転時において、サブクーラ130での冷媒の温度が外気温より高い場合、外気に対して放熱ロスが大きくなる。このため、暖房運転時の成績係数COPcを高く保つためには、サブクーラ130での放熱量をできるだけ小さくする(即ち、Δhscを小さくする)必要がある。一方、サブクーラ130は、図8に示すように、室外熱交換器12Cの熱交換器部110Cの下部に設置されており、暖房運転時におけるドレンパンの凍結防止や、霜の堆積防止の効果がある。
また、図11(a)および図11(b)を対比して示すように、室外熱交換器12Cの熱交換器部110Cは、蒸発器として使用するとき(図11(b)のF−A間)よりも、凝縮器として使用するとき(図11(a)のB−C間)の方が、冷媒圧力が高く、冷媒流速が低いため、相対的に圧力損失が小さくなるとともに、表面熱伝達率が小さくなる。このため、冷房運転と暖房運転とを切り替えて使用する空気調和機300Cにおいては、熱交換器部110Cの一流路あたりの冷媒循環量を、冷房と暖房の双方でバランスがよい流量になるように、熱交換器部110Cの流路分岐数が設定される。
<室外熱交換器12C>
前述のように、熱交換器の高効率化を図るためには、熱交換器の途中で冷媒流路の合流や分岐を行う手法が取られる。参考例に係る空気調和機300Cの室外熱交換器12Cの構成について、図9および図10を用いて更に説明する。図9(a)は、参考例に係る空気調和機300Cの室外機100Cにおける室外熱交換器12Cの配置を示す斜視図であり、図9(b)は、A−A断面図である。
図9(a)に示すように、室外機100Cの内部は、仕切り板150で仕切られており、一方の部屋(図9(a)において右側)には室外熱交換器12C、室外ファン50、室外ファンモータ51(図9(b)に参照)が配置され、他方の部屋(図9(a)において左側)には圧縮機10、アキュムレータ17等が配置される。
室外熱交換器12Cは、ドレンパン151の上に載置され、筐体の2辺に沿う形でL字型に曲げられて設置されている。また、図9(b)に示すように、室外空気の流れを矢印Afで示す。室外ファン50により室外機100Cの内部に吸い込まれた室外空気Afは、室外熱交換器12Cを通過し、通気口52から室外機100Cの外部に排出されるようになっている。
図10は、参考例に係る空気調和機300Cの室外熱交換器12Cにおける冷媒流路の配置図である。なお、図10は、室外熱交換器12Cの一端側S1(図9(a)参照)を見た図である。
室外熱交換器12Cは、フィン1と、ターン部2Uを有して水平方向に往復する伝熱管2と、Uベンド3と、冷媒流路の合流部である三又ベント4と、を備えて構成されている。また、図10においては、室外熱交換器12Cが室外空気Afの流れ方向に対して、伝熱管2を2列(第1列目F1、第2列目F2)配列して構成する場合を示す。また、伝熱管2は、第1列目F1と第2列目F2とで千鳥配置されている。また、図10に示すように、右側から左側に流れる室外空気Afの流れに対して、室外熱交換器12Cの熱交換器部110Cを凝縮器として使用する(即ち、空気調和機300Cの冷房運転時)際には、冷媒の流れは左側(ガスヘッダ111の側)から右側(デストリビュータ113の側)に流れるようになっており、疑似的に対向流となるように構成されている。
室外熱交換器12Cの熱交換器部110Cを凝縮器として使用する(即ち、空気調和機300Cの冷房運転時)際には、第2列目F2のガス側流入口G1,G2から流入したガス冷媒は、L字型に曲げられた室外熱交換器12Cの一端部S1(図9(a)参照)と他端部S2(図9(a)参照)とを水平方向に往復しながら伝熱管2内を流通する。
この際、一端部S1(図9(a)参照)では、伝熱管2の端部と、同じ列(第2列目F2)の隣接する伝熱管2の端部と、をU字型に曲げられたUベンド3をロウ付けにより接続することにより、冷媒流路が構成されている。また、他端部S2(図9(a)参照)では、伝熱管2をヘアピン形状に曲げた構造のターン部2U(図10において破線で示す)を有することにより、ロウ付け部を有さずに、冷媒流路が構成されている。
このようにして、ガス側流入口G1,G2から流入したガス冷媒は、伝熱管2内を水平方向に往復しながら、互いに垂直方向に近づく方向(ガス側流入口G1からの冷媒は下方向、ガス側流入口G2からの冷媒は上方向)に流れ、上下に隣り合う位置まで至ったところで、三又ベンド4にて合流し、室外空気Afの上流側に位置する第1列目F1の伝熱管2に流入する。なお、三又ベンド4は、第2列目F2の2つの伝熱管2の端部と、第1列目F1の1つの伝熱管2の端部と、をロウ付けにより接続し、冷媒流路の合流部が構成される。
三又ベンド4から第1列目F1の伝熱管2に流入した冷媒は、伝熱管2内を水平方向に往復しながら、上方向に流れ、液側流出口L1にて液側分配管112へと流出する。なお、以下の説明において、2つのガス側流入口(G1,G2)から流入し、三又ベンド4にて合流して、1つの液側流出口(L1)から流出するまでの冷媒流路を1つの「パス」と称するものとする。そして、液側分配管112へと流出した液冷媒は、デストリビュータ113にて他のパスからの液冷媒と合流し、室外膨張弁13、サブクーラ130へと至って、レシーバ14へと流通する。
ここで、図10に示すように、ガス側流入口G3,G4から液側出口L2に至る冷媒流路は、ガス側流入口G1,G2から液側出口L1に至る冷媒流路と比較して、液側の第1列目F1で冷媒流路が長くなっている。また、ガス側流入口G5,G6から液側出口L3に至る冷媒流路は、ガス側流入口G1,G2から液側出口L1に至る冷媒流路と比較して、ガス側の第2列目F2で冷媒流路が短くなっている。
このように、参考例に係る空気調和機300Cの室外熱交換器12C(熱交換器部110C)においては、対向流配置と、途中合流と、を両立させる場合、各パスにおける冷媒流路の長さを均等にすることが困難であるという課題があった。このため、冷房運転と暖房運転の双方において最適な冷媒分配を設定することができなくなり、一方の運転(例えば、暖房運転)の出口比エンタルピを合わせるように液側分配管112の流路抵抗を設定した場合には、他方の運転(例えば、冷房運転)の比エンタルピ(冷媒の温度または乾き度)に各パスにおける冷媒流路ごとの差異を生じてしまい、結果として室外熱交換器12C(熱交換器部110C)の効率が低下する。
また、前述のように、暖房運転時の成績係数COPcを高く保つため、サブクーラ130での放熱量をできるだけ小さくすることが望ましい。このため、サブクーラ130を室外空気Afの流れ方向に対して上流側となる第1列目F1に配置して、サブクーラ130の配置された位置と対応する下流側の第2列目F2には、液側出口L7を配置して、液側出口L7からガス側流入口G13,G14へと流れるパスによりサブクーラ130で放熱された熱エネルギを効率的に回収するようになっている。
しかしながら、図10に示す参考例に係る空気調和機300Cの室外熱交換器12C(熱交換器部110C)においては、暖房運転時において、最下部のパス(ガス側流入口G13,G14から液側出口L7へと流れるパス)が対向流的な配置となっておらず、冷房性能の向上に課題があった。
≪第1実施形態≫
次に、第1実施形態に係る空気調和機300について図1から図4を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る空気調和機300の構成模式図である。図2(a)は、第1実施形態に係る空気調和機300の室外機100における室外熱交換器12の配置を示す斜視図であり、図2(b)は、A−A線断面図である。
第1実施形態に係る空気調和機300(図1および図2参照)は、参考例に係る空気調和機300C(図8および図9参照)と比較して、室外機100の構成が異なっている。具体的には、参考例の室外機100Cは、熱交換器部110Cと、サブクーラ130と、を有する室外熱交換器12Cを備えるのに対し、第1実施形態の室外機100は、熱交換器部110と、サブクーラ120と、サブクーラ130と、を有する室外熱交換器12を備える点で異なっている。その他の構成は同様であり、重複する説明は省略する。
室外熱交換器12は、熱交換器部110と、熱交換器部110の下側に設けられたサブクーラ120と、サブクーラ120の下側に設けられたサブクーラ130と、を有している。
熱交換器部110は、冷房運転時には凝縮器として用いられ、暖房運転時には蒸発器として用いられるものであり、冷媒の流れ方向に対して、一方側(冷房運転時の上流側、暖房運転時の下流側)は、ガスヘッダ111と接続され、他方側(冷房運転時の下流側、暖房運転時の上流側)は、液側分配管112を介してデストリビュータ113と接続されている。
サブクーラ120は、室外熱交換器12の下部でサブクーラ130よりも上側に形成されており、冷媒の流れ方向に対して、一方側(冷房運転時の上流側、暖房運転時の下流側)は、デストリビュータ113と接続され、他方側(冷房運転時の下流側、暖房運転時の上流側)は、室外膨張弁13と接続されている。
サブクーラ130は、室外熱交換器12の下部でサブクーラ120よりも下側に形成されており、冷媒の流れ方向に対して、一方側(冷房運転時の上流側、暖房運転時の下流側)は、室外膨張弁13と接続され、他方側(冷房運転時の下流側、暖房運転時の上流側)は、レシーバ14、液阻止弁15、液配管30、室内膨張弁21を介して、室内機200の室内熱交換器22(後述するデストリビュータ213)と接続されている。
このような構成のため、空気調和機300の冷房運転時には、ガスヘッダ111から熱交換器部110へ流入した高温のガス冷媒は、室外ファン50によって送られた室外空気と熱交換し、凝縮して液冷媒になる。その後、液冷媒は、液側分配管112、デストリビュータ113、サブクーラ120、室外膨張弁13を通過後、サブクーラ130、レシーバ14、液阻止弁15、液配管30を介して室内機200へ送られる。
また、空気調和機300の暖房運転時には、室内機200から液配管30を介して室外機100へ送られた液冷媒は、液阻止弁15、レシーバ14、サブクーラ130を経由して、室外膨張弁13で減圧されて、サブクーラ120、デストリビュータ113、液側分配管112を通過して、室外熱交換器12Cの熱交換器部110に送られる。熱交換器部110へ流入した液冷媒は、室外ファン50によって送られた室外空気と熱交換し、蒸発してガス冷媒になり、ガスヘッダ111へ送られる。
<室外熱交換器12>
第1実施形態に係る空気調和機300の室外熱交換器12の構成について、図3を用いて更に説明する。図3は、第1実施形態に係る空気調和機300の室外熱交換器12における冷媒流路の配置図である。なお、図3は、室外熱交換器12の一端側S1(図2(a)参照)を見た図である。
室外熱交換器12は、フィン1と、ターン部2Uを有して水平方向に往復する伝熱管2と、Uベンド3と、冷媒流路の合流部である三又ベント4と、繋ぎパイプ5と、を備えて構成されている。なお、室外熱交換器12は、参考例の室外熱交換器12C(図10参照)と同様に、伝熱管2を2列(第1列目F1、第2列目F2)配列して構成され、伝熱管2が第1列目F1と第2列目F2とで千鳥配置され、室外熱交換器12の熱交換器部110を凝縮器として使用する(即ち、空気調和機300の冷房運転時)際には、冷媒の流れと室外空気Afの流れが疑似的に対向流となるように構成されている。
室外熱交換器12(熱交換器部110)の1番目のパス(ガス側流入口G1,G2から液側出口L1へと流れるパス)の冷媒の流れについて説明する。ガス側流入口G1,G2から流入したガス冷媒は、伝熱管2内を水平方向に往復しながら、互いに垂直方向に近づく方向(ガス側流入口G1からの冷媒は下方向、ガス側流入口G2からの冷媒は上方向)に流れ、上下に隣り合う位置まで至ったところで、三又ベンド4にて合流し、室外空気Afの上流側に位置する第1列目F1の伝熱管2に流入する。
三又ベンド4から第1列目F1の伝熱管2に流入した冷媒は、伝熱管2内を水平方向に往復しながら、上方向に流れ、ガス側流入口G1と同一段(なお、第1列目F1と第2列目F2とは伝熱管2が千鳥配置されているため、ガス側流入口G1よりも半ピッチ下がった位置)で繋ぎパイプ5により、三又ベンド4と接続する第1列目F1の伝熱管2よりもひとつ下の伝熱管2に流入する。なお、繋ぎパイプ5は、ガス側流入口G1と同一段となる第1列目F1の伝熱管2の端部と、三又ベンド4と接続する第1列目F1の伝熱管2よりもひとつ下の伝熱管2の端部と、をロウ付けにより接続し、冷媒流路が構成される。
繋ぎパイプ5から伝熱管2に流入した冷媒は、伝熱管2内を水平方向に往復しながら、下方向に流れ、ガス側流入口G2と同一段(なお、第1列目F1と第2列目F2とは伝熱管2が千鳥配置されているため、ガス側流入口G2よりも半ピッチ下がった位置)で液側流出口L1にて液側分配管112へと流出する。
即ち、ガス側流入口G1から三又ベント4までの伝熱管2の水平方向の往復回数と、ガス側流入口G2から三又ベント4までの伝熱管2の水平方向の往復回数と、三又ベント4から繋ぎパイプ5までの伝熱管2の水平方向の往復回数と、繋ぎパイプ5から液側流出口L1までの伝熱管2の水平方向の往復回数と、が等しくなっている。
その後、液側分配管112へと流出した液冷媒は、デストリビュータ113にて他のパスからの液冷媒と合流し、サブクーラ120、室外膨張弁13、サブクーラ130へと至って、レシーバ14へと流通する。
そして、室外熱交換器12の2番目のパス(ガス側流入口G3,G4から液側出口L2へと流れるパス)は、1番目のパス(ガス側流入口G1,G2から液側出口L1へと流れるパス)と同様の冷媒流路となっている。以下のパスについても同様であり、室外熱交換器12(熱交換器部110)は、1番目のパスと同様の冷媒流路を複数(図3の例では7つ)備えている。
このような構成とすることにより、第1実施形態に係る空気調和機300の室外熱交換器12(熱交換器部110)は、対向流配置と、途中合流と、を両立させ、各パスにおける冷媒流路の長さを均等にすることができる。これにより、冷房運転と暖房運転の双方において好適な冷媒分配となるように液側分配管112の流路抵抗を設定することができる。
つまり、暖房運転において、出口比エンタルピを合わせるように液側分配管112の流路抵抗を設定する際、各パスの冷媒流路が同様であるため、各パスにおける液側分配管112の流路抵抗に差異を付ける必要がなくなる。このため、冷房運転において、液側分配管112の流路抵抗の差異に起因する各パスにおける冷媒流路の比エンタルピ(冷媒の温度または乾き度)の差異が生じることを防止して、熱交換効率が低下することを防止する。これにより、冷房運転と暖房運転の双方において、空気調和機300の性能を向上させることができる。
また、暖房運転時のパスの冷媒流路の分岐部として、三又ベンド4を用いている。室外熱交換器12の熱交換器部110を蒸発器として用いる暖房運転時には、液側出口L2から流入した液冷媒が室外熱交換器12の第1列目F1で室外空気と熱交換され、気液混合冷媒となる。三又ベンド4の三又部分では、第1列目F1の伝熱管2の端部と接続される側からみて、2つの第2列目F2の伝熱管2の端部と接続される側への分岐部の冷媒流路形状が、対称な形状(左右均等形状)となっている(図示せず)。これにより、冷媒が三又ベンド4の三又部分と衝突して分岐することにより、ガス側流入口G1へ流れる冷媒と、ガス側流入口G2へ流れる冷媒との、液冷媒とガス冷媒との割合が均等になり、蒸発器出口部分での乾き度あるいは比エンタルピを略均等にすることができる。これにより、暖房運転時の熱交換性能が高くなり、高効率な空気調和機300を実現できる。
また、例えば、特許文献1の熱交換器では、熱交換器の中間よりやや下側から上段まで繋ぐ配管と、その配管の先で分岐する三又部と、を有する三又配管を、伝熱管に接続するように構成されている(特許文献1の図1参照)。この様な構成のため、まず、三又部と配管とを溶融温度が高めのロウ材にて接続して三又配管を作成し、その後、伝熱管と三又配管とを溶融温度が低めのロウ材にて接続する必要がある。このため、工数増加や、三又部と配管とのロウ付け部の再溶融によるガス漏れ不良の発生など、製品信頼性の低下が生じやすい。これに対し、第1実施形態の室外熱交換器12では、Uベンド3、三又ベンド4、繋ぎパイプ5を伝熱管2にロウ付けすることにより、室外熱交換器12を製造することができ、熱交換性能を向上させるとともに、製造工数の削減、信頼性の向上を図ることができる。
また、図1および図3に示すように、第1実施形態に係る空気調和機300の室外熱交換器12は、サブクーラ120を備えており、冷媒の流れ方向に対して、デストリビュータ113と室外膨張弁13との間に、サブクーラ120が配置されている。別の表現を用いれば、サブクーラ120とサブクーラ130との間に、室外膨張弁13が配置されている。
このような構成により、空気調和機300の冷房運転時において、熱交換器部110の各パスからの液冷媒がデストリビュータ113にて合流して、サブクーラ120に流入するようになっている。これより、冷媒の流速が増加し、冷媒側熱伝達率が向上することにより、室外熱交換器12の熱交換性能が向上し、空気調和機300の性能が向上する。
また、空気調和機300の暖房運転時において、室外膨張弁13で減圧され冷媒温度が低下した液冷媒が、サブクーラ120に流入するようになっている。これにより、サブクーラ120における放熱量を低減して、暖房運転時の成績係数COPcを向上させることができる。なお、サブクーラ120に流入する冷媒温度を暖房運転時の室外空気Afの外気温度より低くすることにより、好適にサブクーラ120における放熱量を低減することができる。
また、図3に示すように、サブクーラ120およびサブクーラ130は、室外熱交換器12の第1列目F1に設けられ、最下段にサブクーラ130が設けられ、その上にサブクーラ120が設けられている。
ここで、室外熱交換器12(熱交換器部110)の8番目のパス(ガス側流入口G15,G16から液側出口L8へと流れるパス)は、ガス側流入口G15,G16から三又ベント4で合流するまでの第2列目F2の第1熱交換領域と、第1熱交換領域と同じ段(但し、千鳥配置のため半ピッチずれる)で、途中に繋ぎパイプ5が接続される第1列目F1の第2熱交換領域と、サブクーラ120,130と同じ段(但し、千鳥配置のため半ピッチずれる)で第2列目F2の第3熱交換領域と、で構成されている。
このような構成により、空気調和機300の冷房運転時において、第1熱交換領域と第2熱交換領域とは、冷媒の流れと室外空気Afの流れが疑似的に対向流となるようになっている。そして、第3熱交換領域は第2列目F2にあるものの、同じ段の第1列目F1には、サブクーラ120,130が設けられており、サブクーラ120,130には熱交換器部110で熱交換された後の液冷媒が流入するので、第3熱交換領域でも冷媒の流れと室外空気Afの流れが疑似的に対向流となるようになっている。また、室外空気Afの流れ方向に対して、8番目のパスの液側出口L8をサブクーラ130の下流側に設けることにより、空気調和機300の暖房運転時において、サブクーラ130で放熱された熱エネルギを8番目のパスの第3熱交換領域で効率的に回収するようになっている。これにより、冷房運転と暖房運転の双方において、空気調和機300の性能を向上させることができる。
また、室外熱交換器12の第1列目F1は、垂直方向にみて、熱交換器部110、サブクーラ120、サブクーラ130の順に並ぶようになっている。このような配置とすることにより、暖房運転時において、蒸発器として作用する熱交換器部110と、ドレンパンの凍結防止等を目的として高温となるサブクーラ130との間に、その中間温度で動作するサブクーラ120を配置することができるので、フィン1を通じた熱伝導ロスを低減することができる。同様に、冷房運転時において、凝縮器として作用する熱交換器部110と、熱交換器部110で熱交換され室外膨張弁13で減圧された液冷媒が流入して低温となるサブクーラ130との間に、その中間温度で動作するサブクーラ120を配置することができるので、フィン1を通じた熱伝導ロスを低減することができる。
<液側分配管>
次に、熱交換器部110の各パスの液側出口(L1,L2,…)と、デストリビュータ113と、を接続する液側分配管112の流路抵抗(圧力損失)について説明する。
液側分配管112の流路抵抗(圧力損失)は、各パスの分配管ごとに互いに±20%以内に収まるように設定されることが望ましい。
ここで、液側分配管112の流路抵抗ΔPLp[Pa]は、液側分配管112の管摩擦係数λ[−]、液側分配管112の長さL[m]、液側分配管112の内径d[m]、冷媒密度ρ[kg/m3]、冷媒流速u[m/s]を用いて、式(5)で表すことができる。また、管摩擦係数λ[−]は、レイノルズ数Re[−]を用いて、式(6)で表すことができる。また、レイノルズ数Re[−]は、冷媒流速u[m/s]、液側分配管112の内径d[m]、動粘性係数ν[Pa・s]を用いて、式(7)で表すことができる。
ΔPLp=λ・(L/d)・ρu2/2 ・・・(5)
λ =0.3164・Re-0.25 ・・・(6)
Re =ud/ν ・・・(7)
つまり、式(5)から求められた液側分配管112の流路抵抗ΔPLpが、各パスの分配管ごとに互いに±20%以内に収まるように設定されることが望ましい。そして、式(5)を液側分配管112の長さL[m]、液側分配管112の内径d[m]について整理することにより、以下の式(8)に示す圧力損失係数ΔPcが各パスの分配管ごとに互いに±20%以内に収まるように設定されることが望ましい。
ΔPc =L/d5.25 ・・・(8)
図2(b)に示すように、室外熱交換器12に対して水平方向に送風する室外機100では、上下に略一様な風速分布が得られる。また、図3に示すように、室外熱交換器12の熱交換器部110は、1番目のパスと同様の冷媒流路を複数備えている。このような構成により、液側分配管112の流路抵抗を大きく調整しなくても(換言すれば、±20%以内の調整で)、冷媒分配を一様にすることができる。さらに、液側分配管112の流路抵抗の差を小さくする(±20%以内に収める)ことにより、冷房運転と暖房運転の双方において、冷媒分配に差が生じにくくすることができる。
加えて、液側分配管112の流路抵抗(圧力損失)は、熱交換器高さ寸法H[m]により生じる液ヘッド差の50%以上に設定されることが望ましい。即ち、冷房中間能力(定格能力に対して50%程度と能力)運転時の分配管抵抗をΔPLprcとすると、式(9)を満たすことが望ましい。なお、ρは冷媒密度[kg/m3]、gは重力加速度[kg/s2]である。
ΔPLprc≧0.5ρgH ・・・(9)
これにより、冷房運転時の定格能力に対して50%程度と能力が小さく、凝縮器の冷媒圧力損失が小さくなる運転時においても、液ヘッド差による冷媒分配の悪化を防止することができ、冷房中間能力運転時のCOPを向上することができる。
さらに、式(9)を満たすことは、熱交換器高さ寸法H[m]が0.5m以上である場合、冷房中間能力運転時の効率向上効果が大きいため、より効果的である。その理由は、熱交換器高さ寸法H[m]が0.5m以上の場合、冷媒側に生じるヘッド差が大きく、分配悪化による性能低下が生じやすくなるが、式(9)を満たすことにより、好適に冷媒分配の悪化を防止することができ、冷房中間能力運転時のCOPを向上することができる。
図4は、第1実施形態に係る空気調和機300の構成において、液側分配管112の流路抵抗による性能影響を示す説明図である。図4に示すグラフの横軸は、液側分配管112の流路抵抗を示し、縦軸は、冷房中間能力運転時のCOP、暖房定格運転時のCOP、APF(Annual Performance Factor;期間エネルギ効率)を示している。液側分配管112の流路抵抗による冷房中間能力運転時のCOPの変化を実線で示し、液側分配管112の流路抵抗による暖房定格運転時のCOPの変化を破線で示し、液側分配管112の流路抵抗によるAPFの変化を点線で示す。また、図4には、式(9)を満たす領域を図示している。
図4に示すように、第1実施形態に係る空気調和機300の構成において、液側分配管112の流路抵抗が増加するほど、冷房中間能力運転時のCOPは向上するが、暖房定格運転時のCOPが低下する傾向がある。これは、液側分配管112の流路抵抗の増加にしたがって、暖房運転時におけるサブクーラ120の温度が上昇し、サブクーラ120からの放熱量が増加するため、COPが低下する。
そこで、暖房定格運転時のCOPの低下をできる限り抑えつつ、APFを高くすることができるように、暖房定格運転時の分配管抵抗ΔPLpdtを式(10)となるように設定することが望ましい。ここで、ΔTsatは、分配管抵抗による飽和温度差[K]である。
ΔTsat(ΔPLpdt)≦5 ・・・(10)
これにより、暖房定格運転時におけるサブクーラ120の温度を、外気温度よりも高くならないようにすることができ、放熱ロスを抑えて、COPを向上させることができる。
また、第1実施形態に係る空気調和機300の冷凍サイクルに用いられる冷媒としては、R32、R410A、R290、R1234yf、R1234ze(E)、R134a、R125A、R143a、R1123、R290、R600a、R600、R744を単独または複数混合した冷媒を使用することができる。
特に、冷媒としてR32(R32単独またはR32を70重量%以上含む混合冷媒)やR744を使用する冷凍サイクルにおいて、第1実施形態に係る空気調和機300の構成を好適に用いることができる。R32(R32を70重量%以上含む混合冷媒)やR744を使用した場合、他の冷媒を使用する場合に比較して、熱交換器の圧力損失が小さくなる傾向があり、冷媒の液ヘッド差による分配悪化が生じやすい。このため、第1実施形態に係る空気調和機300の構成を用いることにより、冷媒分配悪化を低減し、空気調和機300の性能を向上させることができる。
なお、図3において、室外熱交換器12(熱交換器部110)の1番目のパス(ガス側流入口G1,G2から液側出口L1へと流れるパス)は、三又ベンド4にて合流した後、第1列目F1で水平方向に往復しながら上方向に流れ、繋ぎパイプ5を経由して、三又ベンド4と接続する第1列目F1の伝熱管2よりもひとつ下の伝熱管2から水平方向に往復しながら下方向に流れるものとして説明したが、冷媒流路の構成はこれに限定されるものではない。
例えば、図5(a)のように、三又ベンド4にて合流した後、第1列目F1で水平方向に往復しながら下方向に流れ、繋ぎパイプ5Aを経由して、三又ベンド4と接続する第1列目F1の伝熱管2よりもひとつ上の伝熱管2から水平方向に往復しながら上方向に流れる構成であってもよい。
また、図5(b)のように、三又ベンド4にて合流した後、第1列目F1で水平方向に往復しながら上方向に流れ、繋ぎパイプ5Bを経由して、ガス側流入口G2と同一段(但し、千鳥配置のため半ピッチずれる)の第1列目F1の伝熱管2から水平方向に往復しながら上方向に流れる構成であってもよい。また、図示は省略するが、三又ベンド4にて合流した後、第1列目F1で水平方向に往復しながら下方向に流れ、繋ぎパイプ5を経由して、ガス側流入口G1と同一段(但し、千鳥配置のため半ピッチずれる)の第1列目F1の伝熱管2から水平方向に往復しながら下方向に流れる構成であってもよい。
なお、図5(b)のような構成の場合、三又ベンド4と接続する第1列目F1の伝熱管2と、液側流出口L1と、が近接する。このため、図3や図5(a)のように、三又ベンド4と接続する第1列目F1の伝熱管2と、液側流出口L1と、が離れた構成とすることが、フィン1を通じた熱伝導ロスを低減する点からより望ましい。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る空気調和機300について、図6を用いて説明する。図6は、第2実施形態に係る空気調和機300の室外熱交換器12Aにおける冷媒流路の配置図である。なお、図6は、室外熱交換器12Aの一端側S1(図2(a)参照)を見た図である。
第2実施形態に係る空気調和機300は、第1実施形態に係る空気調和機300と比較して、室外熱交換器12Aの構成が異なっている。具体的には、室外熱交換器12Aは、伝熱管2を3列(第1列目F1、第2列目F2、第3列目F3)配列して構成されている点で異なっている。その他の構成は同様であり、重複する説明は省略する。
図6に示すように、ガス側流入口G1,G2から流入したガス冷媒は、第3列目F3の伝熱管2内を水平方向に往復しながら、互いに垂直方向に離れる方向(ガス側流入口G1からの冷媒は上方向、ガス側流入口G2からの冷媒は下方向)に流れ、所定の位置まで離れた後、第3列目F3の伝熱管2の端部から第2列目F2の伝熱管2の端部へと接続されたUベントを介して、第2列目F2の伝熱管2に流入する。以降、第2列目F2および第1列目F1における冷媒の流れは、第1実施形態と同様である(図3参照)。換言すれば、第2実施形態の室外熱交換器12Aは、2列の室外熱交換器12(図3参照)に対してガス側の冷媒流路を延長した構成となっている。
これにより、室外熱交換器12Aが3列の構成の場合においても、2列の場合(図3参照)と同様に空気調和機300の高効率化を一層進めることができる。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態に係る空気調和機300について、図7を用いて説明する。図7は、第3実施形態に係る空気調和機300の室外熱交換器12Bにおける冷媒流路の配置図である。なお、図7は、室外熱交換器12Bの一端側S1(図2(a)参照)を見た図である。
第3実施形態に係る空気調和機300は、第2実施形態に係る空気調和機300と同様に、室外熱交換器12Bが伝熱管2を3列(第1列目F1、第2列目F2、第3列目F3)配列して構成されている。一方、第2実施形態の室外熱交換器12Aは第2列目F2と第1列目F1との間に三又ベント4を配置したのに対し、第3実施形態の室外熱交換器12Bは第3列目F3と第2列目F2との間に三又ベント4を配置した点で異なっている。その他の構成は同様であり、重複する説明は省略する。
図7に示すように、第3実施形態の室外熱交換器12Bにおける第3列目F3および第2列目2における冷媒の流れは、第1実施形態の室外熱交換器12における第2列目F2および第1列目F1における冷媒の流れと同様である。ガス側流入口G2と同じ段で第2列目F2の伝熱管2の端部からガス側流入口G2と同じ段で第1列目F1の伝熱管2の端部へと接続されたUベントを介して、第1列目F1の伝熱管2に流入する。そして、Uベントから第1列目F1の伝熱管2に流入した冷媒は、第1列目F1の伝熱管2内を水平方向に往復しながら、上方向に流れ、ガス側流入口G1と同一段で液側流出口L1にて液側分配管112へと流出する。換言すれば、第3実施形態の室外熱交換器12Bは、2列の室外熱交換器12(図3参照)に対して液側の冷媒流路を延長した構成となっている。
これにより、室外熱交換器12Bが3列の構成の場合においても、2列の場合(図3参照)と同様に空気調和機300の高効率化を一層進めることができる。加えて、三又ベント4で合流した後の冷媒流路(液側の冷媒流路)の流路長が長くなっており、相対的に伝熱管2内の冷媒流速の高い領域が増加する。
なお、空気調和機300の定格能力や、伝熱管総長、伝熱管断面積、冷媒種類に応じて、最適な冷媒流速となるように、パス数とともに三又ベンド4の位置を第2実施形態のように第2列目F2と第1列目F1との間に配置する(図6参照)か、第3実施形態のように第3列目F3と第2列目F2との間に配置する(図7参照)か、のどちらかを選択することが望ましい。これにより、熱交換器性能をより向上させることができる。
また、現在主流となっている冷媒R410Aに比べて、R32やR744などを冷媒として使用した場合には冷媒流路における圧力損失が相対的に小さくなるため、第3実施形態(図7参照)のように液側の合流後の流路長を長めに選択することにより、室外熱交換器12Bおよびこれを備えた空気調和機300の性能を最大限に引き出すことが可能となる。
≪変形例≫
なお、本実施形態(第1〜3実施形態)に係る空気調和機300は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
以上の説明において、空気調和機300を例に説明したが、これに限られるものではなく、冷凍サイクルを備える冷凍サイクル装置に広く適用することができる。物品を冷蔵または加熱が可能な冷蔵加熱ショーケース、飲料缶を冷蔵または加熱する自動販売機、液体を加熱し貯留するヒートポンプ式給湯機等に冷凍サイクルを備える冷凍サイクル装置に広く適用することができる。
また、室外熱交換器12(12A,12B)は、室外空気の流れ方向に対して、2列または3列備えるものとして説明したが、これに限られるものではなく、4列以上あってもよい。
また、室内熱交換器22についても、室外熱交換器12(12A,12B)と同様に、冷媒流路のパスP(図3参照)の構成を複数備えるようにしてもよい。また、室外熱交換器12の液側分配管112の構成を室内熱交換器22の液側分配管212に適用してもよい。