JP6595813B2 - ポリオルガノシルセスキオキサン - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、高い表面硬度を有し、且つ屈曲性に優れ、ロールトゥロール方式により効率よく製造することができるハードコートフィルム、及びその製造方法を提供することにある。
下記式(I)
[RaSiO3/2] (I)
[式(I)中、Raは、エポキシ基を含有する基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は水素原子を示す]
で表される構成単位と、下記式(II)
[RaSiO2/2(ORb)] (II)
[式(II)中、Raは前記に同じ。Rbは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す]
で表される構成単位の割合がシロキサン構成単位の全量の50〜100モル%であり、
前記式(I)で表される構成単位と、式(II)で表される構成単位のモル比(前者/後者)が5以上であり、
ポリオルガノシルセスキオキサンに含まれるRaの全量における2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基と3−グリシジルオキシプロピル基の合計含有量が50モル%以上であり、且つ2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基と3−グリシジルオキシプロピル基のモル比(前者/後者)が99/1〜10/90であるポリオルガノシルセスキオキサンを提供する。
また、本発明のハードコートフィルムにおけるハードコート層は、前記ポリオルガノシルセスキオキサンを含む硬化性組成物によって形成されるため、高い表面硬度と共に屈曲性を有する。そのため、ロールトゥロール方式での製造や加工が可能である。また、本発明のハードコートフィルムのハードコート層は屈曲性を有するため、打ち抜き加工等に付してもクラックが入りにくい。このため、本発明のハードコートフィルムは、品質面とコスト面の両方において優れる。
本発明のポリオルガノシルセスキオキサンは、シロキサン構成単位からなるポリオルガノシルセスキオキサンであって、
下記式(I)
[RaSiO3/2] (I)
[式(I)中、Raは、エポキシ基を含有する基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、又は水素原子を示す]
で表される構成単位と、下記式(II)
[RaSiO2/2(ORb)] (II)
[式(II)中、Raは前記に同じ。Rbは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す]
で表される構成単位の割合(前記式(I)で表される構成単位の割合と式(II)で表される構成単位の割合の合計)がシロキサン構成単位の全量の50〜100モル%であり、
前記式(I)で表される構成単位と、式(II)で表される構成単位のモル比(前者/後者)が5以上であり、
ポリオルガノシルセスキオキサンに含まれるRa(本発明においては「側鎖」と称する場合がある)全量における2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基と3−グリシジルオキシプロピル基の合計含有量が50モル%以上(好ましくは60〜100モル%、特に好ましくは70〜100モル%、最も好ましくは80〜100モル%)であり、且つ2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基と3−グリシジルオキシプロピル基のモル比(前者/後者)が99/1〜10/90(好ましくは97/3〜15/85、さらに好ましくは95/5〜20/80、特に好ましくは90/10〜25/75、最も好ましくは85/15〜35/65)であることを特徴とする。
測定装置:商品名「JNM−ECA500NMR」(日本電子(株)製)
溶媒:重クロロホルム
積算回数:1800回
測定温度:25℃
測定装置:商品名「FT−720」((株)堀場製作所製)
測定方法:透過法
分解能:4cm-1
測定波数域:400〜4000cm-1
積算回数:16回
RaSi(X1)3 (a)
で表される加水分解性シラン化合物を加水分解及び縮合させる方法により製造できる。
本発明の硬化性組成物は、重合性化合物として上記ポリオルガノシルセスキオキサンを少なくとも含有する。上記ポリオルガノシルセスキオキサンは1種を単独で含有していてもよく、2種以上を組み合わせて含有していてもよい。
エポキシ化合物としては、脂環式エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、及び脂肪族エポキシ化合物が含まれる。
前記脂環式エポキシ化合物としては、分子内に1個以上の脂環と1個以上のエポキシ基とを有する公知乃至慣用の化合物が挙げられ、特に限定されないが、例えば、以下の化合物等が挙げられる。
(1)分子内に脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(本明細書においては、「脂環エポキシ基」と称する場合がある。脂環エポキシ基には、例えば、シクロヘキセンオキシド基等が含まれる)を有する化合物
(2)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物
(3)分子内に脂環及びグリシジルエーテル基を有する化合物(グリシジルエーテル型エポキシ化合物)
上記芳香族エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノール類[例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール等]と、エピハロヒドリンとの縮合反応により得られるエピビスタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;これらのエピビスタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を上記ビスフェノール類とさらに付加反応させることにより得られる高分子量エピビスタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノール類[例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等]とアルデヒド[例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等]とを縮合反応させて得られる多価アルコール類を、さらにエピハロヒドリンと縮合反応させることにより得られるノボラック・アルキルタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フルオレン環の9位に2つのフェノール骨格が結合し、且つこれらフェノール骨格のヒドロキシ基から水素原子を除いた酸素原子に、それぞれ、直接又はアルキレンオキシ基を介してグリシジル基が結合しているエポキシ化合物等が挙げられる。
上記脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、q価の環状構造を有しないアルコール(qは自然数である)のグリシジルエーテル;一価又は多価カルボン酸[例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸等]のグリシジルエステル;エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化大豆油、エポキシ化ひまし油等の二重結合を有する油脂のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン等のポリオレフィン(ポリアルカジエンを含む)のエポキシ化物等が挙げられる。尚、上記q価の環状構造を有しないアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等の一価のアルコール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の二価のアルコール;グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等の三価以上の多価アルコール等が挙げられる。また、q価のアルコールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等であってもよい。
上記オキセタン化合物としては、分子内に1以上のオキセタン環を有する公知乃至慣用の化合物が挙げられ、特に限定されないが、例えば、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(クロロメチル)オキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ビス{[1−エチル(3−オキセタニル)]メチル}エーテル、4,4'−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビシクロヘキシル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]シクロヘキサン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル)}オキセタン、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン等が挙げられる。
上記ビニルエーテル化合物としては、分子内に1以上のビニルエーテル基を有する公知乃至慣用の化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(エチレングリコールモノビニルエーテル)、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−メチル−2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,8−オクタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、p−キシレングリコールモノビニルエーテル、p−キシレングリコールジビニルエーテル、m−キシレングリコールモノビニルエーテル、m−キシレングリコールジビニルエーテル、o−キシレングリコールモノビニルエーテル、o−キシレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエチレングリコールモノビニルエーテル、ペンタエチレングリコールジビニルエーテル、オリゴエチレングリコールモノビニルエーテル、オリゴエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノビニルエーテル、テトラプロピレングリコールジビニルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノビニルエーテル、ペンタプロピレングリコールジビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールモノビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、イソソルバイドジビニルエーテル、オキサノルボルネンジビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル、ヒドロキシオキサノルボルナンメタノールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、含有する重合性化合物(本発明のポリオルガノシルセスキオキサンを少なくとも含む)の重合反応を進行させることにより硬化させることができ、硬化物を形成することができる。硬化の方法は、周知の方法より適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、活性エネルギー線の照射、及び/又は、加熱する方法が挙げられる。上記活性エネルギー線としては、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等のいずれを使用することもできる。中でも、取り扱い性に優れる点で、紫外線が好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、基材と、該基材の少なくとも一方の表面に形成されたハードコート層とを有するフィルムであって、上記ハードコート層が、本発明の硬化性組成物(ハードコート層形成用硬化性組成物)により形成されたハードコート層(本発明の硬化性組成物の硬化物層)であることを特徴としている。
尚、生成物の分子量は、下記条件下でのGPC分析により求めた
Alliance HPLCシステム 2695(Waters製)
Refractive Index Detector 2414(Waters製)
カラム:Tskgel GMHHR−M×2(東ソー(株)製)
ガードカラム:Tskgel guard column HHRL(東ソー(株)製)
カラムオーブン:COLUMN HEATER U−620(Sugai製)
溶媒:THF
測定条件:40℃
生成物におけるT2体とT3体の割合[T3体/T2体]の測定は、JEOL ECA500(500MHz)による29Si−NMRスペクトル測定により行った。
温度計、攪拌装置、還流冷却器、及び窒素導入管を取り付けた1000mLのフラスコ(反応容器)に、窒素気流下で2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(以後、「EMS」と称する場合がある)200.0ミリモル(49.28g)、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(以後、「GOPTS」と称する場合がある)50.0ミリモル(11.82g)、及びアセトン244.4gを仕込み、50℃に昇温した。このようにして得られた混合物に、5%炭酸カリウム水溶液6.91g(炭酸カリウムとして2.5ミリモル)を5分で滴下した後、水2500.0ミリモル(45.00g)を20分かけて滴下した。尚、滴下の間、著しい温度上昇は起こらなかった。その後、50℃のまま、重縮合反応を窒素気流下で5時間行った。
その後、反応溶液を冷却すると同時に、メチルイソブチルケトン(以後、「MIBK」と称する場合がある)122.19gと5%食塩水89.34gとを投入した。この溶液を1Lの分液ロートに移し、再度、MIBK122.19gを投入水洗を行った。分液後、水層を抜き取り、下層液が中性になるまで水洗を行い、上層液を分取した後、1mmHg、50℃の条件で上層液から溶媒を留去し、MIBKを25.84重量%含有する無色透明で液状の生成物(s−1:ポリオルガノシルセスキオキサン、ポリオルガノシルセスキオキサンを構成するシロキサン構成単位全量におけるT単位の割合:99モル%以上、側鎖全量における2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基(=(a-1)基)と3−グリシジルオキシプロピル基(=(a-2)基)の合計含有量:99モル%以上、(a-1)基:(a-2)基(モル比)=80:20)を59.98g得た。上記生成物を分析したところ、数平均分子量は1725であり、分子量分散度は1.42であった。また、29Si−NMR測定を行った結果、−55〜−60ppm付近にT2体由来のピーク、−65〜−70ppm付近にT3体由来のピークがそれぞれ確認された(図1)。積分値から算出されるT2体とT3体の割合[T3体/T2体]は10.1であった。
原料(EMS、GOPTS)の使用量、アセトンの使用量、5%炭酸カリウム水溶液の使用量、水の使用量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオルガノシルセスキオキサン(s−2)、(s−3)を製造した。
温度計、攪拌装置、還流冷却器、及び窒素導入管を取り付けた1000mLのフラスコ(反応容器)に、窒素気流下でEMS277.2ミリモル(68.30g)、フェニルトリメトキシシラン(以後、「PMS」と称する場合がある)3.0ミリモル(0.56g)、及びアセトン275.4gを仕込み、50℃に昇温した。このようにして得られた混合物に、5%炭酸カリウム水溶液7.74g(炭酸カリウムとして2.8ミリモル)を5分で滴下した後、水2800.0ミリモル(50.40g)を20分かけて滴下した。尚、滴下の間、著しい温度上昇は起こらなかった。その後、50℃のまま、重縮合反応を窒素気流下で5時間行った。
その後、反応溶液を冷却すると同時に、MIBK137.70gと5%食塩水100.60gとを投入した。この溶液を1Lの分液ロートに移し、再度、MIBK137.70gを投入水洗を行った。分液後、水層を抜き取り、下層液が中性になるまで水洗を行い、上層液を分取した後、1mmHg、50℃の条件で上層液から溶媒を留去し、MIBKを34.04重量%含有する無色透明で液状の生成物(s−4:ポリオルガノシルセスキオキサン、ポリオルガノシルセスキオキサンを構成するシロキサン構成単位全量におけるT単位の割合:99モル%以上、側鎖全量における(a-1)基と(a-2)基の合計含有量:99モル%、(a-1)基:(a-2)基(モル比)=100:0)を75.18g得た。上記生成物を分析したところ、数平均分子量は1884であり、分子量分散度は1.52であった。また、29Si−NMR測定を行った結果、−55〜−60ppm付近にT2体由来のピーク、−65〜−70ppm付近にT3体由来のピークがそれぞれ確認された(図3)。積分値から算出されるT2体とT3体の割合[T3体/T2体]は10.6であった。
6mLの茶褐色サンプル瓶に、実施例1で得られた(s−1)1g[MIBK25.84重量%含有物として1g]、商品名「WPI−124」(ビス[4−アルキルC10-13フェニル]ヨードニウム テトラキスペンタフルオロフェニルボレートの50%溶液、和光純薬工業(株)製)14.8mg[50%溶液として14.8mg]、商品名「BYK−307」(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ビックケミー(株)製、レベリング剤)1.5mg、及びMIBK0.24gを入れて、バイブレーターで攪拌混合し、ハードコート液を得た。
得られたハードコート液を、PETフィルム(商品名「TA017」、東洋紡(株)製)上に、硬化後のハードコート層の厚さが30μmとなるようにワイヤーバーを使用して流延塗布した後、120℃のオーブン内で10分間放置(プレベイク)し、次いで紫外線を照射した[照射量:430mJ/cm2、照射強度:160W/cm2]。最後に80℃で2時間熱処理(エージング)することによって、上記ハードコート液の塗工膜を硬化させて、ハードコート層を有するハードコートフィルムを作製した。
ハードコート液(硬化性組成物)の組成及びハードコート層の厚みを表2に示す通りに変更した以外は実施例4と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。尚、表2に記載の硬化性組成物の原料の配合量の単位は、重量部である。
(1)表面硬度(鉛筆硬度)
上記で得たハードコートフィルムにおけるハードコート層表面の鉛筆硬度を、JIS K5600−5−4に準じて評価した。
(2)屈曲性;巻きつけ試験による
上記で得たハードコートフィルムを直径40、32、26、22、18mmのステンレス製棒に巻きつけ、クラック発生の有無を確認した(JIS K−5600−5−1準拠)。表2には、クラックが発生したステンレス製棒のうち最も太いステンレス製棒の直径を記載した。尚、直径がより小さい方が屈曲性に優れている。
Claims (11)
- シロキサン構成単位からなるポリオルガノシルセスキオキサンであって、
下記式(I)
[RaSiO3/2] (I)
[式(I)中、Raは、エポキシ基を含有する基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルキル基、又は水素原子を示す]
で表される構成単位と、下記式(II)
[RaSiO2/2(ORb)] (II)
[式(II)中、Raは前記に同じ。Rbは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す]
で表される構成単位の割合がシロキサン構成単位の全量の50〜100モル%であり、
前記式(I)で表される構成単位と、式(II)で表される構成単位のモル比(前者/後者)が5〜18であり、
ポリオルガノシルセスキオキサンに含まれるRaの全量における2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基と3−グリシジルオキシプロピル基の合計含有量が80モル%以上であり、且つ2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基と3−グリシジルオキシプロピル基のモル比(前者/後者)が97/3〜25/75であるポリオルガノシルセスキオキサン。 - 数平均分子量が1000〜3000、分子量分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.0〜3.0である請求項1に記載のポリオルガノシルセスキオキサン。
- 請求項1又は2に記載のポリオルガノシルセスキオキサンを含有する硬化性組成物。
- さらに、硬化触媒を含む請求項3に記載の硬化性組成物。
- 前記硬化触媒が光カチオン重合開始剤である請求項4に記載の硬化性組成物。
- 前記硬化触媒が熱カチオン重合開始剤である請求項4に記載の硬化性組成物。
- ハードコート層形成用硬化性組成物である請求項3〜6の何れか1項に記載の硬化性組成物。
- 基材と、該基材の少なくとも一方の表面に形成されたハードコート層とを有するハードコートフィルムであって、前記ハードコート層が、請求項7に記載の硬化性組成物の硬化物層であることを特徴とするハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層の厚さが1〜200μmである請求項8に記載のハードコートフィルム。
- さらに、前記ハードコート層表面に表面保護フィルムを有する請求項8又は9に記載のハードコートフィルム。
- ロール状に巻いた基材を繰り出す工程Aと、繰り出した基材の少なくとも一方の表面に請求項7に記載の硬化性組成物を塗布し、次いで、該硬化性組成物を硬化させることによりハードコート層を形成する工程Bと、その後、得られたハードコートフィルムを再びロール状に巻き取る工程Cとを含み、工程A〜Cを連続的に実施することを特徴とするハードコートフィルムの製造方法。
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