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JP6585764B2 - 半導体光素子及び半導体光素子の製造方法 - Google Patents

半導体光素子及び半導体光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体レーザ素子等の半導体光素子、及び半導体光素子の製造方法に関するものである。
近年のインターネット人口の爆発的増大により、情報伝送の急速な高速化および大容量化が求められており、今後も光通信が重要な役割を果たすと考えられている。光通信に用いられる光源には、主として半導体レーザ素子が用いられている。伝送距離10km程度までの短距離用途向けには、半導体レーザを直接電気信号で駆動する直接変調方式が用いられている。本方式は、単純な構成でモジュールを実現できるため消費電力が少なく、部品点数も少なくできるため低コスト化が可能である。一方、伝送距離10kmを超えるような長距離の光通信向けには、半導体レーザを直接変調することのみでは対応できないため、光変調器を集積した電界吸収(EA:Electro-Absorption)型変調器集積型半導体レーザ素子が用いられている。
光通信の大容量化のためには、半導体レーザの通信速度を現在よりもさらに高速化する必要がある。半導体レーザの変調速度は素子の素子容量と素子抵抗の積(CR時定数)の制限を受けるため、更なる高速化に向けては、素子抵抗の低減、或いは素子容量の低減が必要となる。
半導体光素子の基本構造には、大きく分けて埋め込み(BH:Buried-Hetero)構造とリッジ導波路(RWG:Ridge Wave-Guide)構造の2種類がある。一般的に半導体光素子は、p型クラッド層とn型クラッド層との間に電子とホールの再結合により発光するMQW(Multiple-Quantum-Well:レーザ部多重量子井戸)層等の活性層が配置され、更に発振スペクトルの単一モード化のために、クラッド層内に回折格子層が形成されることにより構成されている。
素子抵抗の低減に向けては、電子に比べて移動度が低い正孔をキャリアとするp型クラッド層の抵抗を低減することが有効である。ここで、従来からp型クラッド層のドーパントとして用いられているのは亜鉛(Zn)である。Znは知られているように、非常に拡散しやすい性質を有する。素子抵抗低減のためにp−InPクラッド層のドーピング濃度を過剰に増大させると、隣接するMQW層へのZnの拡散量が著しく増え、それにより損失成分が増大して半導体レーザの特性が劣化してしまう。
また、特にBH型構造の素子では、MQW層の周囲の絶縁部分にもZnが過剰に拡散して絶縁性を低下させてしまうため、電流のリークパスができ、MQW層に注入されずに回り込んで流れる電流成分が増えてしまう。したがって、拡散を考慮するとZnドーピング濃度には限界があり、Znによる素子抵抗の低減にも限界があった。
非特許文献1には、Znに替わる新ドーパントとして、Mgが報告されている。AlGaInP材料のp型クラッド層にMgを用いる事で、Znよりも低拡散で、尚且つ高濃度にドーピング出来る事が示されている。
特許文献1には、AlGaInP系材料において、Mgをp型ドーパントとして用いる場合のドーピング遅れという問題に関し、MOVPE結晶成長において、p型不純物としてMgの有機金属化合物とAlの有機金属化合物との混合ガスを用いることについて開示している。
特開平06−013334号公報
IEEE ジャーナルオブカンタムエレクトロニクス 40巻、12号、1634頁、2004年
光通信用の半導体光素子においては1300〜1550nmの波長領域が用いられるのが一般的であり、この波長領域を用いるためには、上述の特許文献1及び非特許文献1において前提となるAlGaInP系の半導体ではなく、InとV族化合物からなる例えばInPの半導体が用いられる。この場合に、Znの代りにMgをドープした層を形成する場合に、特許文献1及び非特許文献1で提案されたAlを含む半導体膜を間に挟むと、Alを含む半導体膜の格子定数が減少し、InP半導体膜の格子定数との格子定数との差が大きくなり、格子不整合が生じやすくなる。特に光通信用の半導体素子においては回折格子が形成されることが多く、回折格子上に、融点が高く、凹凸を埋めるような原子のマイグレーションが少ないAlが添加された半導体膜を形成しようとした場合には、回折格子の凹凸により、格子不整合による転位や結晶欠陥が起こりやすくなる。更に、Alが添加されることにより、InPよりもバンドギャップが大きくなるため、MQW層へ流れる電流の障壁となり、抵抗の増大等を引き起こす恐れがある。
本発明は、上述の事情に鑑みてされたものであり、素子抵抗がより低減された光通信用の半導体光素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決する為に我々が鋭意検討したところ、Mgドーピング層の形成に先立って、Alを含む層を挿入することで、その後で成長するMgドーピング層のドーピング遅れを抑制できる事が判った。Mgドーピング層の形成時には、Alの有機金属は同時に供給しないので、特許文献1に開示されている「Mgの有機金属化合物とAlの有機金属化合物が混合ガスとなる事でMgの有機金属化合物の性質が変化し、途中の配管や反応管に付着する率が低減する」ものとは異なるメカニズムである。事前にAlを含む層を形成する事で、ドーピング遅れが抑制できるメカニズムは完全には解明されていないが、Alの有機金属を供給する工程で、ドーピング遅れの原因となるMgの有機金属化合物を途中の配管や反応管に付着しやすくさせる要因(不純物等)が低減されるものと考えられる。上記知見に基づき、以下を発明した。
本発明に係る半導体光素子は、電子とホールの再結合により発光する活性層と、前記発光した光の出力波長に応じてピッチが定められた回折格子と、前記回折格子上に形成され、少なくともAlを含み、In及びV族化合物からなる第1半導体層と、前記第1半導体層上に形成され、Mgを含むIn及びV族化合物からなる第2半導体層と、を備える半導体光素子である。
ここで、本発明に係る半導体光素子においては、前記第1半導体層の厚さを、0.3nm以上5nm以下とすることができる。また、前記第1半導体層のAlの濃度は、1×1016以上1×1020cm-3以下とすることができる。
本発明に係る半導体光素子は、電子とホールの再結合により発光する活性層と、1×1016以上1×1020cm-3以下のAlを含み、In及びV族化合物からなる第1半導体層と、前記第1半導体層上に形成され、Mgを含むIn及びV族化合物からなる第2半導体層と、を備える半導体光素子である。
また、本発明に係る半導体光素子において、前記発光した光の出力波長に応じてピッチが定められた回折格子を更に備えていてもよい。また、前記第1半導体層の厚さは、0.3nm以上5nm以下とすることができる。
本発明の半導体光素子の製造方法は、電子とホールの再結合により発光する活性層を成膜する活性層形成工程と、前記発光した光の出力波長に応じてピッチが定められた回折格子を形成する回折格子形成工程と、前記回折格子上に形成され、少なくともAlを含み、In及びV族化合物からなる第1半導体層を成膜する第1半導体層形成工程と、前記第1半導体層上に形成され、Mgを含むIn及びV族化合物からなる第2半導体層を成膜する第2半導体層形成工程と、を備える半導体光素子の製造方法である。
また、本発明の半導体光素子の製造方法において、前記第半導体層の厚さは、前記第1半導体層の厚さは、0.3nm以上5nm以下とすることができる。また、前記第1半導体層のAlの濃度は、1×1016以上1×1020cm-3以下とすることができる。
例えば回折格子層を有する下地基板の最表面に、非常に薄い膜厚で、ドーピングレベルのAl濃度であるAlInP層を形成し、引き続いてMgドーピングしたInP層を形成する。その結果、遅れなくMgをドーピングできる。また、導入したAl濃度が非常に低く、尚且つAlInP層が非常に薄いため、格子不整合やバンド構造にも影響しない。
Alを含む半導体層が形成される時には、本発明に従い同時にMgの有機金属を供給していないが、その後のMgドーピング層の結晶成長後に、ドーピングしたMgがAlを含む半導体層に拡散し、Mgが前記Alを含む半導体層に混入しているように見える場合がある。この場合も本発明に含まれ、その効果が得られることは言うまでもない。
さらに、前記第1半導体形成工程は、前記第2半導体層形成工程の一連の工程の一部であってよい。例えば、Mgを含むIn及びV族化合物からなる第2半導体層を成膜する際に、前記第2半導体層の成長温度に達する前に、結晶成長炉内にAlを含む有機金属を供給した場合であってもよい。この場合、第2半導体層が形成される前に、結晶成長炉内に残留したAl原子によりAlを含む層が形成され、所望のAl濃度及び膜厚となっていれば、本発明の効果が得られる。また前記Alを含む有機金属を供給する際に、同時にMgの有機金属を供給した場合でも、第2半導体層の成長温度に達していないために、MgはAlを含む層にはほとんど取りまれず、成長温度に達した後に、Mgを含む第2半導体層が形成されていく。ただし、上述のように、成長後にMgがAlを含む半導体層に拡散することはありえる。
本発明の半導体光素子及び半導体光素子の製造方法によれば、素子抵抗をより低減することができる。
本発明の実施例1に係る半導体光素子である端面発光型の半導体レーザ素子について概略的に示す図である。 図1の半導体レーザ素子の構造について説明するための一部断面斜視図である。 図2のAで示される部分を拡大した概略図である。 図2の半導体レーザ素子の製造工程を概略的に示す図である。 実施例2に係る半導体レーザ素子の構造について説明するための一部断面斜視図である。 図5のBで示される部分を拡大した概略図である。 図5の半導体レーザ素子の製造工程を概略的に示す図である。 実施例2に係る半導体レーザ素子の構造について説明するための一部断面斜視図である。 図5のBで示される部分を拡大した概略図である。 図5の半導体レーザ素子の製造工程を概略的に示す図である。
以下、本発明の実施例を図1〜10を用いて説明する。尚、以下の例では、InP基板上の半導体光素子のみについて記述するが、本発明は、同様の構造を有するその他のIII−V族化合物半導体素子にも適用可能である。
図1には、本発明の実施例1に係る半導体光素子である端面発光型の半導体レーザ素子200が概略的に示されている。この図に示されるように、半導体レーザ素子200は、略直方体形状の対向する面に設けられた2つの電極に電位差を生じさせることにより、発振領域201からレーザ光202が出力される。
図2は、図1の半導体レーザ素子200の構造について説明するための一部断面斜視図である。ここで示される半導体レーザ素子200は、DFB(Distributed Feedback:分布帰還型)半導体レーザ素子である。図3には、図2のAで示される部分を拡大した図が概略的に示されており、図4には、この半導体レーザ素子200の製造工程が概略的に示されている。
以下、半導体レーザ素子200の製造工程を構成と共に説明する。まず、バッファ層形成工程S101において、n−InP基板302上に、n−InPバッファ層303を形成する。次に、活性層形成工程S102において、InGaAsPから成り、電子とホールの再結合により発光する活性層であるMQW層306を形成し、引き続き、回折格子形成工程S103において、出力される光の波長に応じてピッチが定められた回折格子309が形成される。通常は、保護のために上部にp−InPキャップ層が形成される。回折格子形成工程S103の後、第1半導体層形成工程S104において、Alを含み、In及びV族化合物からなる第1半導体層である厚さ1nmのアンドープAlInP層311を形成するが、0.3nm以上5nm以下で適宜定めることができる。これは原子層レベルの膜厚であり、伝導するキャリアにとってほとんど障壁とならない薄い膜厚に設定した。このような構造にすることによりドーピング遅れを抑制できると共に、挿入したAlを含む層が、次に形成するMgドーピング層以降の結晶構造に何ら影響を与えないため、ほぼ元々の設計通りの素子構造を形成することが可能となる。また、このときのAl濃度は1×1017cm-3とするが、1×1016以上1×1020cm-3以下の範囲で適宜定めることができる。ここで下限濃度は現状の原子濃度検出分析(例えば2次イオン質量分析法)の測定限界近くまでは効果が得られたことから決定された。また、上限濃度は凹凸を有する下地基板の格子不整合転位発生の臨界値から定まった。
引き続き、MgをドーピングしたIn及びV族化合物からなる第2半導体層である上部p−InPクラッド層307により、回折格子309を埋め込む(第2半導体層形成工程S105)、連続的にp+−InGaAsコンタクト層308を形成する(コンタクト層形成工程S106)。この際、AlInP層311の挿入により、上部p−InPクラッド層307にドーピング遅れは見られなかった。引き続き、メサ構造形成工程S107において、このような多層構造にメサストライプマスクを形成し、エッチングによりメサ構造以外の部分を除去したのち、適切な前処理を行い、RuドーピングInP層304にて埋め込み成長を行う。その際、CH3Clを同時に添加した。その後は、電極形成工程S108において、通常の素子作製方法を用いてパッシベーション膜310形成、上部電極305、下部電極301形成等を施し、半導体レーザ素子200として完成した。
ここで、第1半導体層形成工程S104及び第2半導体層形成工程S105、およびRuドーピングInP層304の形成工程(S107)では、有機金属気相成長(MOVPE:Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いた。キャリアガスとしては水素を用いた。III族元素の原料は、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルガリウム(TEG)、トリメチルインジウム(TMI)を用いた。V族元素の原料には、アルシン(AsH3)とフォスフィン(PH3)を用いた。また、n型ドーパントとしてはジシラン(Si2H6)を、p型ドーパントとしてはシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を用いた。添加するハロゲン原子含有ガスとしては、塩化メチル(CH3Cl)を、Ruの有機金属原料としては、ビスエチルシクロペンタジエニルルテニウムを用いた。尚、結晶成長法は、MOVPEのみに限定されるものではなく、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、化学ビーム成長(CBE:Chemical Beam Epitaxy)法、有機金属分子線エピタキシー(MOMBE:Metal-organic Molecular Beam Epitaxy)法などの手法においても、本発明の効果を得ることは可能である。
このようにして作製した半導体レーザ素子200のしきい値電流は85℃において15mAであり、20mWを超える高い光出力特性を示した。また、素子抵抗が低く、変調特性も良好であった。さらに長時間動作でも素子特性は劣化せず高い素子信頼性を示した。また、半導体レーザ素子200の作製歩留まりも高かった。
図5は、実施例2に係る半導体レーザ素子400の構造について説明するための、図2と同様の一部断面斜視図である。ここで示される半導体レーザ素子400は、変調器集積型半導体光素子であり、半導体レーザ素子400内には、変調器部、導波路部、レーザ部のそれぞれが形成されている。図6には、図5のBで示される部分を拡大した図が概略的に示されており、図7には、この半導体レーザ素子400の製造工程が概略的に示されている。成長方法としては、実施例1と同様にMOVPE法を用いた。III族元素の原料は、実施例1と同様である。添加するハロゲン原子含有ガスとしては、塩化水素(HCl)を用いた。
以下、半導体レーザ素子400の製造工程を構成と共に説明する。まず、バッファ層形成工程S201において、n−InP基板402上に、n−InPバッファ層403を形成する。次に、活性層・導波路層形成工程S202において、InGaAlAs系からなる変調器部MQW層404を成長する。通常は、保護のために上部にp−InPキャップ層を形成しておくことが殆どである。次にウエハの所望の場所にマスクパターンを形成し、これをエッチングマスクとして、p−InPキャップ層と変調器部MQW層404を除去する。次に、活性層回折格子形成工程S203において、ウエハを成長炉内に導入し、InGaAlAs系からなるレーザ部MQW層406と回折格子407、及びp−InPキャップ層をバットジョイント(BJ:Butt-Joint)再成長する。次に、先のマスクを除去した後、変調器部MQW層404とレーザ部MQW層406の所望の場所に再度BJマスクを形成し、エッチングによりMQWとp−InPキャップ層を除去する。さらに、InGaAsPからなる導波路層405、及びp−InPキャップ層をBJ再成長する。ここでは、変調器部、レーザ部の2箇所同時にBJ接続した。ウエハを成長炉から取り出した後マスクを除去し、レーザ部MQW層406上に回折格子407を形成する。
その後、Mgをドーピングした第2半導体層であるp−InPクラッド層410を成長させるが、この工程は以下の手順で行った。まずウエハを炉体内に導入し、Mgをドーピングした第2半導体層であるp−InPクラッド層410が成長できる温度になるまでウエハ温度を上昇させていく。この温度上昇中に、炉体内にAlおよびMgの有機金属を供給した(第1半導体形成工程S204)。その結果。第1半導体層である厚さ0.5nmのアンドープAlInP層415が形成された。この時に炉体内にはMgの有機金属が供給されているが、ウエハ温度が低いためにAlInP層には取り込まれず、アンドープのAlInP層415となる。このときのAl濃度は1×1019cm-3としたが、1×1016以上1×1020cm-3以下の範囲で適宜定めることができる。そして、ウエハ温度が第2半導体層であるp−InPクラッド層410が成長できる温度になる前、もしくは温度になった時にAlの有機金属の供給を停止し、ウエハ全面にMgをドーピングした第2半導体層であるp−InPクラッド層410を成長させる(第2半導体形成工程S205)。引き続き、コンタクト層形成工程S206において、p+−InGaAsコンタクト層を成長させ、結晶成長工程を終了する。
AlInP層415の挿入により、p−InPクラッド層410にドーピング遅れは見られなかった。引き続き、メサ構造形成工程S207において、このような多層構造にメサストライプマスクを形成し、エッチングによりメサ構造以外の部分を除去した後、適切な前処理を行い、RuドーピングInP層408にて埋めこみ成長を行う。その際、HClガスを同時に添加した。尚、出射光の反射による戻り光を防ぐため、変調器部側の光の出射端は、RuドーピングInP層408により埋め込まれており、所謂窓構造となっている。その後は、電極形成工程S208において、導波路部上部のp+−InGaAsコンタクト層を除去し、変調器部のp+−InGaAsコンタクト層412とレーザ部のp−InGaAsコンタクト層411を素子分離した後、通常の素子作製方法を用いてパッシベーション膜413形成、変調器部の上部電極414、レーザ部の上部電極409、及び下部電極401形成等を施し、半導体レーザ素子400として完成した。
このようにして作製した半導体レーザ素子400のしきい値電流は85℃で15mA、−5℃から85℃の範囲で冷却器無しで10GHzの良好な変調特性を示し、また、長時間動作でも素子特性は劣化せず高い素子信頼性を示した。また、半導体レーザ素子400の作製歩留まりも高かった。尚、レーザや変調器のMQWとして、InGaAlAs系材料のみでなく、InGaAsP系の材料や、それにSbやNを添加した材料を用いることもできる。
図8は、実施例3に係る半導体レーザ素子500の構造について説明するための、図2と同様の一部断面斜視図である。ここで示される半導体レーザ素子500は、裏面出射型半導体光素子であり、素子構造は、プレーナBH構造と呼ばれるものである。図9には、図8のCで示される部分を拡大した図が概略的に示されており、図9には、この半導体レーザ素子500の製造工程が概略的に示されている。成長方法としては、ここでもMOVPE法を用いたが、それに限定されるものでは無く、同一の効果が得られれば他の手法でも良い。用いた原料は、実施例1〜2と同様である。
以下、半導体レーザ素子500の製造工程を構成と共に説明する。まず、実施例1と同様に、バッファ層形成工程S301、活性層形成工程S302及び回折格子形成工程S303において、n−InP基板502上に、n−InPバッファ層503、InGaAlAs系からなるレーザ部MQW層510、及び回折格子511を形成する。このとき、表面保護の為、p−InPキャップ層を形成しておく場合が殆どである。通常のプロセスにて回折格子511を形成した後、第1半導体層形成工程S304において、Alの有機金属を供給し、厚さ0.3nmのノンドープAlInP層514を形成した。このときのAl濃度は1×1018cm-3としたが、1×1016以上1×1020cm-3以下の範囲で適宜定めることができる。引き続き、第2半導体層形成工程S305において、Mgドーピングした第2半導体層である薄い第一のp−InPクラッド層509、及びInGaAsPキャップ層で埋め込む。
メサ構造形成工程S306において、このような多層構造にメサストライプマスクを形成し、エッチングによりメサ構造以外の部分を除去した後、適切な前処理を行い、本発明の手法によるRuドーピングInP層504にて埋めこみ成長を行った。その際、CH3Clを同時に添加した。次に、マスクを除去したのち、適切な前処理を行いInGaAsPキャップ層を除去した後、2回目の第1半導体層形成工程S307において、Alの有機金属を供給し、第1半導体層である厚さ5nmのノンドープAlInP層508を形成した。このときのAl濃度は1×1018cm-3とした。引き続き、2回目の第2半導体層形成工程S308において、Mgドーピングした第2半導体層である第二のp−InPクラッド層505、p−InGaAsPコンタクト層506を連続的に形成した。その際、Ru埋めこみ成長にて形成された結晶面による凹凸を平坦化するような条件にて再成長を行った。その後、反射鏡・電極形成工程S309において、表面に135度の角度を有する反射鏡512、裏面に出射光を収束させるための裏面レンズ513を形成し、上部電極507、下部電極501を形成して半導体レーザ素子500として完成した。
このようにして作製した半導体レーザ素子500は、素子抵抗が2オームと低く、85℃においても、10mAの低しきい値電流で発振した。また、冷却器無しで10GHzの良好な変調特性を示し、また、長時間動作でも素子特性は劣化せず高い素子信頼性を示した。また、半導体レーザ素子500の作製歩留まりも高かった。
200 半導体レーザ素子、201 発振領域、202 レーザ光、301 下部電極、302 n−InP基板、303 n−InPバッファ層、304 RuドーピングInP層、305 上部電極、306 MQW層、307 上部p−InPクラッド層、308 p+−InGaAsコンタクト層、309 回折格子、310 パッシベーション膜、311 アンドープAlInP層、400 半導体レーザ素子、401 下部電極、402 n−InP基板、403 n−InPバッファ層、404 変調器部MQW層、405 導波路層、406 レーザ部MQW層、407 回折格子、408 RuドーピングInP層、409 レーザ部の上部電極、410 p−InPクラッド層、411 レーザ部のp+−InGaAsコンタクト層、412 変調器部のp+−InGaAsコンタクト層、413 パッシベーション膜、414 変調器部の上部電極、415 アンドープAlInP層、500 半導体レーザ素子、501 下部電極、502 n−InP基板、503 n−InPバッファ層、504 RuドーピングInP層、505 第二のp−InPクラッド層、506 p+−InGaAsコンタクト層、507 上部電極、508 アンドープAlInP層、509 第一のp−InPクラッド層、510 MQW層、511 回折格子、512 135度反射鏡、513 裏面レンズ、514 アンドープAlInP層。

Claims (4)

  1. 電子とホールの再結合により発光する活性層と、
    前記発光した光の出力波長に応じてピッチが定められた回折格子と、
    前記回折格子に接し前記回折格子上に形成され、少なくともAlを含み、In及びV族化合物からなる第1半導体層と、
    前記第1半導体層上に形成され、Mgを含むIn及びV族化合物からなる第2半導体層と、を備え、
    前記第1半導体層の厚さは、0.3nm以上5nm以下であり、
    前記第1半導体層のAlの濃度は、1×10 16 以上1×10 20 cm −3 以下である、
    ことを特徴とする半導体光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体光素子において、
    前記第1半導体層はAlInP層であり、前記第2半導体層はInP層である、ことを特徴とする半導体光素子。
  3. 電子とホールの再結合により発光する活性層を成膜する活性層形成工程と、 前記発光した光の出力波長に応じてピッチが定められた回折格子を形成する回折格子形成工程と、
    前記回折格子に接し前記回折格子上に形成され、少なくともAlを含み、In及びV族化合物からなる第1半導体層を成膜する第1半導体層形成工程と、
    前記第1半導体層上に形成され、Mgを含むIn及びV族化合物からなる第2半導体層を成膜する第2半導体層形成工程と、を備え、
    前記第1半導体層の厚さは、0.3nm以上5nm以下であり、
    前記第1半導体層のAlの濃度は、1×10 16 以上1×10 20 cm −3 以下である、
    ことを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  4. 請求項に記載の半導体光素子の製造方法において、
    前記第1半導体層はAlInP層であり、前記第2半導体層はInP層である、ことを特徴とする半導体光素子の製造方法。
JP2018076605A 2018-04-12 2018-04-12 半導体光素子及び半導体光素子の製造方法 Active JP6585764B2 (ja)

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