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JP6584125B2 - 撮像装置 - Google Patents

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JP6584125B2 JP2015094341A JP2015094341A JP6584125B2 JP 6584125 B2 JP6584125 B2 JP 6584125B2 JP 2015094341 A JP2015094341 A JP 2015094341A JP 2015094341 A JP2015094341 A JP 2015094341A JP 6584125 B2 JP6584125 B2 JP 6584125B2
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Description

本発明は、光干渉断層像を撮像する撮像装置に関する。
光干渉断層撮像法(Optical Coherence Tomography、以下OCTという)を用いる撮像装置(以下、OCT装置という)が開発されている(特許文献1)。OCT装置は、物体へ光を照射し、照射光の波長を変化させ、参照光と物体の異なる深さから戻ってくる反射光とを干渉させている。そして、干渉光の強度の時間波形(以下、干渉スペクトルと略す)に含まれる周波数成分を分析することによって物体の断層像を得ることができる。OCT装置は、例えば眼底検査に用いられる。
眼疾患は、完治困難な疾患が多いため、眼底の病変部を早期に発見し、病変部が眼底の広範囲にまで進行することを遅らせる治療を早期に開始することが重要である。特に、病変部が黄斑にまで進行すると、視覚に甚大な影響を与えるため、病変部が黄斑から十分離れた位置にあっても、その病変部を発見したいという要求がある。この要求に答えるため、眼底検査に用いられるOCT装置の広画角化が期待されている。
特許文献1では、眼底の断層像の観察領域を広範囲とするために複数の断層像をつなぎ合わせて広範囲の断層像を構成することが開示されている。また、特許文献1には、波長掃引光源を用いたOCT装置(Swept Source OCT装置、以下SS−OCT装置という)について開示されている。また、特許文献1には、その波長掃引光源としては、ファイバーリング共振器、及び波長選択フィルタが例示されている。
特開2012−115578号公報
しかし、特許文献1の方法では、取得した複数の断層像を連続的につなぎ合わせるための画像処理に時間や手間がかかる。そのため、1回の撮像で広範囲にわたる断層情報を取得することが好ましい。この場合、眼球は略球体であるため、眼底の中央部と周辺部では、照射光の光路長が大きく異なってしまう。このため、従来のOCT装置の構成のままでは、眼底の広範囲で1回の走査を行った際に、眼底の所望の深さ範囲の断層像を網羅的に取得することが難しかった。
ここで、SS−OCT装置において、波長掃引光源から射出された光のうち一部の光が通る光路が第一光路と第一光路に対して光路長差を有する第二光路とに分岐された干渉計として構成され、A/D変換器がアナログ信号をサンプリングするクロックを生成するクロック発生部を用いることが知られている。
上述した課題に対して、本発明の目的の一つは、眼底の広範囲で1回の走査を行った際に、眼底の所望の深さ範囲の断層像を網羅的に取得するための好適なクロック発生部の構成を提供することである。
本発明に係る撮像範囲の一つは、
射出する光の波長を掃引する光源部から射出された光を眼底に照射する照射光と参照光とに分岐し、前記照射光が照射された前記眼底からの反射光と前記参照光とを干渉する干渉部と、
前記干渉部により干渉して得た第一の干渉光を検出する検出部と、
前記検出部が前記第一の干渉光を検出して得たアナログ信号をデジタル信号に変換する変換部と、
前記光源部からの射出された光のうち一部の光が通る光路が第一光路と前記第一光路に対して光路長差を有する第二光路とに分岐された干渉計として構成され、前記変換部が前記アナログ信号をサンプリングするクロックを生成するクロック発生部と、
前記生成されたクロックにより前記変換部が前記アナログ信号を変換して得た前記デジタル信号に基づいて、前記眼底の断層像を取得する断層像取得部と、を有する撮像装置であって、
前記クロック発生部は、前記第一光路の光と前記第二光路の光とを干渉して得た第二の干渉光のアナログ信号の強度の差が前記第二の干渉光のアナログ信号を前記変換部に入力可能な範囲内となるように前記第二の干渉光のアナログ信号の強度を補正する補正部を含むように構成され
前記補正部は、
前記第二の干渉光のアナログ信号の強度と閾値とを比較する比較部と、
前記第二の干渉光のアナログ信号の強度が前記閾値よりも大きい場合には前記第二の干渉光のアナログ信号の強度を減衰させ、前記第二の干渉光のアナログ信号の強度が前記閾値よりも小さい場合には前記第二の干渉光のアナログ信号の強度を増幅させる利得制御部と、
前記比較部による比較結果を前記利得制御部にフィードバックを行うタイミングを遅らせる遅延部と、
を含むように構成されている。
本発明によれば、眼底の広範囲で1回の走査を行った際に、眼底の所望の深さ範囲の断層像を網羅的に取得するための好適なクロック発生部の構成を提供することができる。
本発明に係るOCT装置の一例を示す模式図 本発明に係るOCT装置の走査部が行う照射光の走査方法の一例を示す模式図 眼球の模式図 広画角化の課題を説明するための図 波長可変光源の光周波数変化とkクロックを説明するための図 kクロック発生部の模式図 サンプリング定理を説明するための図 ダブルパス干渉計によるKクロック発生部の模式図 自動利得制御の模式図 過剰利得抑制機構を設けた自動利得制御の模式図
本実施形態に係る撮像装置は、SS−OCT装置であって、干渉部(例えば、後述するOCT干渉部20)により干渉して得た第一の干渉光を検出する検出部(例えば、受光素子)を有する。また、本実施形態に係る撮像装置は、検出部が第一の干渉光を検出して得たアナログ信号をデジタル信号に変換する変換部(例えば、後述するA/D変換器32)を有する。また、本実施形態に係る撮像装置は、光源部からの射出された光のうち一部の光が通る光路が第一光路と第一光路に対して光路長差を有する第二光路とに分岐された干渉計として構成され、変換部がアナログ信号をサンプリングするクロックを生成するクロック発生部を有する。ここで、本実施形態に係る光源部は、射出する光の波長を掃引するSS−OCT用の光源であり、波長掃引光源等とも呼ばれる。また、本実施形態に係るクロック発生部は、例えば、後述するkクロック発生部80である。また、本実施形態に係る撮像装置は、生成されたクロックにより変換部がアナログ信号を変換して得たデジタル信号に基づいて、眼底の断層像を取得する断層像取得部を有する。
また、本実施形態に係るクロック発生部は、第一光路の光と第二光路の光とを干渉して得た第二の干渉光のアナログ信号の強度の差が第二の干渉光のアナログ信号を変換部に入力可能な範囲内となるように第二の干渉光のアナログ信号の強度を補正する補正部を含むように構成されている。なお、補正部は、例えば、後述する補正回路84である。これにより、光源部から射出される波長毎におけるアナログ信号の強度の差がA/D変換器における入力可能な範囲よりも大きくなったとしても、この範囲内となるようにアナログ信号の強度を補正することができる。これにより、眼底の広範囲で1回の走査を行った際に、眼底の所望の深さ範囲の断層像を網羅的に取得することができる。
ここで、クロック発生部の干渉計の光路長差が従来よりも大きい(後述するように例えば空気中で22mm以上である)場合、第二の干渉光のうち深い位置に対応する波長の光の強度が大幅に減衰する。これは、クロック発生部の干渉計において、光源部のコヒーレンス長よりも干渉距離が非常に大きくなるため、ロールオフにより減衰の影響が大きくなるためである。このため、クロック発生部の干渉計の光路長差が従来よりも大きい場合、第二の干渉光の強度の差が大きくなるため、このような場合において本実施形態に係るクロック発生部を用いることが望ましい。
また、本実施形態に係る光源部である波長掃引光源は、各波長の光が時間に伴い線形に変化しながら射出するように構成されることが理想的である。しかしながら、波長掃引光源は、実際には、正確に線形に変化せず、非線形に変化してしまうのが、一般的で、モードホップ(あるタイミングで波長が非連続に変化する現象)等も生じてしまう。すなわち、波長掃引光源は、設定通りに正確に波長掃引することが難しい。そこで、変換部がアナログ信号からデジタル信号に変換するタイミングを調整するために、上述したクロック発生部を用いる。このとき、クロック発生部は、変換部がアナログ信号を略等波数の間隔でサンプリングするようにクロックを生成することが好ましい。これにより、補間等を行わなくても、簡易に波数空間から実空間に変換することができる。ただし、本発明はこれに限定されず、略等波数の間隔でサンプリングしなくても良く、この場合には補間等を行うことで、波数空間から実空間に変換することができる。
また、本実施形態において、光源部10は光の波長を変化させる光源であれば特に限定されない。OCT装置を用いて物体の情報を得るためには、この光源部から出る光の波長を連続的に変化させる必要がある。本実施形態における光源部20として例えば、回折格子やプリズム等を用いた外部共振器型の波長掃引光源、共振器長可変のファブリペローチューナブルフィルタを用いる各種外部共振器型光源をもちいることができる。あるいは、サンプルドグレーティングを用いて波長を変化させるSSG−DBRや、MEMS機構を用いた波長可変のVCSEL(MEMS−VCSEL)などを用いることもできる。また、ファイバレーザーを用いることもできる。ファイバレーザーとしては、分散チューニング方式でもよく、フーリエドメインモードロック方式であってもよい。 なお、回折格子やプリズム等を用いた外部共振器型の波長掃引光源としては、共振器に回折格子を設けて光を分光させ、ポリゴンミラーや、回転する円盤上にストライプ状の反射ミラーを設けたものを用いて出射させる光の波長を連続的に変える波長掃引光源などが挙げられる。また、VCSELは、一般的に、下部反射鏡と、活性層と、上部反射鏡と、をこの順に有し、活性層と上部反射鏡との間に空隙部を備え、上部反射鏡と下部反射鏡との少なくともいずれか一方の光軸方向の位置を変化させることで、出射する光の波長を変化させる面発光レーザとして構成される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。例えば、本実施形態に係るOCT装置は、マッハツエンダー干渉計で構成されているが、本発明はこれに限らず、マイケルソン干渉計で構成されても良い。また、本実施形態に係るOCT装置は、参照光路長を変更するように構成されているが、本発明はこれに限らず、参照光と測定光との光路長差を変更するように構成されれば良い。例えば、参照光路長を固定して、測定光路長を変更するように構成しても良い。
ここで、本実施形態において、光源部10は光の波長を変化させる光源であれば特に限定されない。OCT装置を用いて物体の情報を得るためには、この光源部から出る光の波長を連続的に変化させる必要がある。本実施形態における光源部20として例えば、回折格子やプリズム等を用いた外部共振器型の波長掃引光源、共振器長可変のファブリペローチューナブルフィルタを用いる各種外部共振器型光源をもちいることができる。あるいは、サンプルドグレーティングを用いて波長を変化させるSSG−DBRや、MEMS機構を用いた波長可変のVCSEL(MEMS−VCSEL)などを用いることもできる。また、ファイバレーザーを用いることもできる。ファイバレーザーとしては、分散チューニング方式でもよく、フーリエドメインモードロック方式であってもよい。 なお、回折格子やプリズム等を用いた外部共振器型の波長掃引光源としては、共振器に回折格子を設けて光を分光させ、ポリゴンミラーや、回転する円盤上にストライプ状の反射ミラーを設けたものを用いて出射させる波長を連続的に変え波長掃引光源などが挙げられる。また、VCSELは、一般的に、下部反射鏡と、活性層と、上部反射鏡と、をこの順に有し、活性層と上部反射鏡との間に空隙部を備え、上部反射鏡と下部反射鏡との少なくともいずれか一方の光軸方向の位置を変化させることで、出射する光の波長を変化させる面発光レーザとして構成される。
(SS−OCT装置の構成)
図1は、本発明の実施形態における光干渉断層撮像法を用いた撮像装置(OCT装置)の構成例を示す図である。OCT装置は、射出される光周波数が掃引される光源部10と、干渉光を生成するOCT干渉部20と、干渉光を検出する検出部30と、干渉光に基づいて、被検体100の眼底の情報を取得する情報取得部40と、を有している。なお、情報取得部40は、眼底の断層像を取得(生成)する断層像取得部(画像生成部)としても機能する。さらに、OCT装置は、測定アーム50と参照アーム60を有している。
OCT干渉部20は、カプラ21、22を有している。まず、カプラ21は、光源部10から射出された光を眼底へ照射する照射光と参照光とに分岐する。照射光は、測定アーム50を経由して被検体100に照射される。より具体的には、測定アーム50に入射した照射光は、偏光コントローラ51で偏光状態を整えられた後、コリメータ52から空間光として射出される。その後、照射光は、X軸スキャナー53、Y軸スキャナー54、フォーカスレンズ55を介して被検体100の眼底に照射される。なお、X軸スキャナー53、Y軸スキャナー54は眼底を照射光で走査する機能を有する走査部である。走査部によって、照射光の眼底への照射位置が変えられる。そして、眼底からの後方散乱光(反射光)は、再びフォーカスレンズ55、Y軸スキャナー54、X軸スキャナー53、コリメータ52、偏光コントローラ51を経由して測定アーム50から射出される。そして、カプラ21を経由してカプラ22に入射する。
一方、参照光は参照アーム60を経由し、カプラ22に入射する。より具体的には、参照アーム60に入射した参照光は、偏光コントローラ61で偏光状態を整えられた後、コリメータ62から空間光として射出される。その後、参照光は分散補償ガラス63、光路長調整光学系64、分散調整プリズムペア65を通り、コリメータレンズ66を介して光ファイバーに入射され、参照アーム60から射出されてカプラ22に入射する。
カプラ22で測定アーム50を経由した被検体100の反射光と参照アーム60を通った光とが干渉する。そして、その干渉光を検出部30で検出する。検出部30は、差動検出器31とA/D変換器32を有している。まず、検出部30では、カプラ22で干渉光を発生させた後すぐに分波された干渉光を差動検出器31で検出する。そして、差動検出器31で電気信号に変換されたOCT干渉信号をA/D変換器32でデジタル信号に変換している。そして、デジタル信号が情報取得部40に送られ、デジタル信号に対してフーリエ変換などの周波数分析が行われることで、眼底の情報が得られる。得られた眼底の情報は表示部70によって断層像として表示される。
ここで、本実施形態に係る撮像装置は、取得された断層像を解析することにより複数の層をセグメンテーションする解析部を更に有することが好ましく、例えば、情報取得部40を解析部として機能させても良い。このとき、解析部の解析結果に基づいて、複数の層のいずれかの層に沿った平面画像を生成する画像生成部を更に有することが好ましく、例えば、情報取得部40を画像生成部として機能させても良い。そして、平面画像に含まれる眼底の黄斑及び視神経乳頭と断層像に含まれる眼底の黄斑及び視神経乳頭との位置関係が対応付いた状態で、平面画像と断層像とを表示部70に表示させる表示制御部を更に有することが好ましく、例えば、情報取得部40を表示制御部として機能させても良い。これにより、複数の層のいずれかの層に沿った平面画像を広画角の範囲で観察することができるため、診断効率や診断精度を向上することができる。また、眼底の黄斑及び視神経乳頭の断層像を用いて、眼底の黄斑及び視神経乳頭を含む眼底の湾曲情報を演算する演算部を更に有することも好ましく、例えば、情報取得部40を演算部として機能させても良い。これにより、広画角の範囲における眼底の湾曲を定量的に評価できるため、診断効率や診断精度を向上することができる。なお、眼底の黄斑及び視神経乳頭を含む断層像を取得する際には、照射光が1回の走査で黄斑及び視神経乳頭に照射されるように走査部を制御しても良い。また、眼底の3次元断層像を取得した後に、3次元断層像から黄斑及び視神経乳頭を含む断層像を再構成しても良い。
図1のOCT装置では、干渉光のサンプリングタイミングは、光源部10の外に設けられるkクロック発生部80が発信するkクロック信号に基づいて等光周波数(等波数)間隔に行われる。また、光源部10から射出された光の一部をkクロック発生部80に分岐するために、カプラ90が設けられている。なお、kクロック発生部80、カプラ90は光源部10に組み込まれていてもよい。
以上は、被検体100のある1点における断層に関する情報の取得のプロセスであり、このように被検体100の奥行き方向の断層に関する情報を取得することをA−scanと呼ぶ。また、A−scanと直交する方向で被検体の断層に関する情報、すなわち2次元画像を取得するための走査方向をB−scan、更にA−scan、及びB−scanのいずれの走査方向とも直交する方向に走査することをC−scanと呼ぶ。これは、3次元断層像を取得する際に眼底面内に2次元ラスター走査する場合、高速な走査方向がB−scan、B−scanをその直交方向に並べて走査する低速な走査方向をC−scanと呼ぶ。A−scan及びB−scanを行うことで2次元の断層像が得られ、A−scan、B−scan及びC−scanを行うことで、3次元の断層像を得ることができる。B−scan、C−scanは、上述したX軸スキャナー53、Y軸スキャナー54により行われる。
なお、X軸スキャナー53、Y軸スキャナー54は、それぞれ回転軸が互いに直交するよう配置された偏向ミラーで構成されている。X軸スキャナー53は、X軸方向の走査を行い、Y軸スキャナー54は、Y軸方向の走査を行う。X軸方向、Y軸方向の各方向は、眼球の眼軸方向に対して垂直な方向で、互いに垂直な方向である。また、B−scan、C−scanのようなライン走査方向と、X軸方向またはY軸方向とは、一致していなくてもよい。このため、B−scan、C−scanのライン走査方向は、撮像したい2次元の断層像あるいは3次元の断層像に応じて、適宜決めることができる。
また、X軸スキャナー53とY軸スキャナー54をともに駆動させ、偏向ミラーの角度を変えることでさまざまな走査が可能である。例えば、図2(a)、(b)のようなラスター走査でもよいし、図2(c)のように、眼球の一点(例えば黄斑)を複数回通過する方法でもよい。また、図2(d)に示すように眼球の一点(例えば黄斑)を中心としてらせん状に走査を行ってもよい。
(走査する角度)
ところで、眼底検査においては、黄斑と視神経乳頭を同一の走査で撮像したいという要望がある。これを実現するために求められるOCT装置の照射光で走査する範囲(走査角度)について図3を用いて説明する。図3は、眼球を球体として仮定したときの模式図である。眼球の瞳孔中心の反対側には黄斑がある。また、黄斑から少し離れた位置に視神経乳頭がある。この黄斑と視神経乳頭は、眼底において特に重要な部位である。
標準的な成人の眼底では、黄斑と視神経乳頭を包含する距離Dは約5.75mmである。照射光は、眼球の瞳孔中心を中心に旋回され、眼底を走査する。黄斑を中心として、視神経乳頭を包含する範囲を同じ走査で撮像する場合、個人差も勘案すると、黄斑と視神経乳頭を結ぶ最短の曲線の長さ(撮像範囲)Lが14mm程度必要である。ここで、この撮像範囲に対応する瞳孔中心を中心に旋回される測定光の振れ角をαとする。成人の眼球の直径の平均は24mm程度なので、撮像範囲Lを14mm以上にするためには、振れ角αは33.4度以上必要になる。この角度は、眼球内の平均屈折率が1.38であることを利用して、空気中の、瞳孔中心に入射する照射光の振れ角βで表すと、arcsin(1.38×sin(33.4度/2))×2≒47度となる。つまり、黄斑を中心に、黄斑と視神経乳頭を同時に撮像するためには、眼底を照射光で線状に走査する場合において、眼底を走査する角度範囲が空気中で換算して47度以上であればよい。なお、以下では、眼底を照射光で線状に走査する場合における眼底を走査する角度範囲を空気中で換算した範囲を画角とする。つまり、振れ角βを画角とする。
次に、上記の振れ角βで走査する場合に生じる課題について、図4を用いて説明する。図4は、図3と同様に眼球を球体として仮定したときの模式図である。図4の破線は、走査軌跡を表している。図4で示すように、瞳孔中心から眼球の外壁つまり眼底までの物理的な距離は、黄斑ではa+bであり、黄斑から離れた位置にある部分(角度θ/2の部分)ではaである。a、bは眼軸長の長さTと眼球内の振れ角θを用いると、以下の式で表される。
a=T×cos(θ/2) ・・・式1
a+b=T ・・・式2
このように、瞳孔中心から黄斑までの距離と瞳孔中心から黄斑から離れた位置までの距離とは、bだけ異なる。このbは角度θが大きくなればなるほど、大きくなるため、広画角の眼底検査用のOCT装置では、瞳孔中心から黄斑までの光路長と瞳孔中心から黄斑から離れた周辺の位置までの距離とが大きく異なってしまう。成人の眼軸長Tは個人差が大きく、95%の人が含まれる眼軸長Tの範囲は21mm以上28mm以下である。ここでは、眼軸長Tの値として、その範囲の最大値である28mmを用い、眼球内の振れ角θが33.4度の場合、式1、2からbは約1.2mmとなる。
また、眼底検査用のOCT装置で観察する眼底組織は、眼底の表面近傍の網膜とその奥にある脈絡膜である。網膜は最厚部分で0.50mm、脈絡膜は0.30mm程度であるので、眼底検査用のOCT装置は少なくとも0.80mmの深さまで撮像する必要がある。つまり、眼底の表面と脈絡膜との間では、0.8mmの距離の差が生じる。
よって、黄斑と視神経乳頭とを同一の走査で撮像し、かつ視神経乳頭の表面近傍と黄斑の奥にある脈絡膜との情報を得るためには、2×(b+0.80)≒4.0mmの距離差が求められる。この距離差は、空気中の光路差で考えると、4.0mm×1.38≒5.5mmに対応する。つまり、画角47度以上としても、断層情報を得ることができるOCT装置を実現するためには、空気中で5.5mmの光路長差が必要である。
SS−OCTを含むフーリエドメイン方式のOCTでは、取得した干渉信号データを波数空間でフーリエ変換処理を行い、距離情報を出力する。SS−OCTの場合、A/D変換器を用いて時間領域でデータ取得を行う。ここで、波長可変光源から射出される光周波数が時間に対して正確に線形に変化すれば、等時間間隔のサンプリングで等周波数間隔、つまり等波数間隔のデータが得られる。しかし、図5(a)に模式的に示すように、波長可変光源の光周波数は、一般に駆動機構部により共振器長を変化させて波長掃引を行っているため、時間に対して非線形となる。そのため、等時間間隔のサンプリングでフーリエ変換処理を行っても、等波数間隔のデータではないため、距離情報は取得できない。したがってSS−OCTでは、等波数間隔のサンプリングクロックであるkクロックを用いてデータ取得を行うのが一般的である。
(クロック発生部)
次に、kクロック発生部について、図6を用いて説明する。図6中の符号は、図1と対応している。kクロック発生部には、例えば、分岐比95:5などのカプラ90により光源から射出される光の一部を分岐し、分岐された光が入射される。その分岐光は、カプラ81によりさらに2つの光路に分岐させ、分岐された光路は第一光路と第二光路として構成される。第一光路と第二光路とは、光路長差82を設けて再びカプラ83で干渉させる。これにより、kクロック干渉計を構成することができる。さらに、kクロック干渉計からの干渉信号を受光して電気信号へ変換し、振幅補正を行う補正回路84から構成される。ここで、kクロックの光路長差82が、後述するkクロックの周波数に対応する。
なお、第一光路に対して光路長差を有する第二光路において、例えば、屈折率を変更可能な物質(ガス等)を設けても良い。また、ファイバーから一度空気中に光を射出してファイバーに戻すような構成で、ファイバー端同士の光学的な距離を変更することで実現することもできる。また、一度ファイバーの外に光を射出する上記構成において、折り返しミラーを複数個用いて、可動ステージに設けた折り返しミラーを光軸方向に移動させることで光路長差を変更する手法でも良い。ここで、これらの手法を実現する機構を変更部と呼ぶ。このとき、走査する角度に応じて光路長差を変更する変更部を制御する制御部を更に有することが好ましい。例えば、走査する角度が大きくしたときには、光路長差を長くすることにより、深さ範囲における不要な撮像を低減できる。このため、撮像時間を短縮することができる。また、このとき、走査部は、走査する角度が47度以上である第1の角度から47度未満である第2の角度まで変更可能に構成されていることが好ましい。また、クロック発生部は、光路長差が22mm以上である第1の光路長差から22mm未満である第2の光路長差まで変更可能に構成されていることが好ましい。
また、本実施形態に係る撮像装置は、走査する角度の異なる複数の撮影モードを選択する選択部を更に有することが好ましい。このとき、制御部は、選択された撮影モードによって、走査する角度と光路長差とを変更するように、走査部と変更部とを制御しても良い。例えば、黄斑と視神経乳頭とを両方含む断層像として撮影する撮影モードの方が、黄斑と視神経乳頭とのいずれかを断層像として撮影する撮影モードよりも、走査する角度が大きいため、光路長差を長くすることが好ましい。また、選択部は、深さ範囲における断層像の距離を選択可能に構成されても良い。また、このとき、選択部は、この距離が眼球内で4.0mm以上である第1の距離から眼球内で4.0mm未満である第2の距離まで選択可能に構成されることが好ましい。このとき、この距離が短くなれば、光路長差も短くするように変更されることが好ましい。ここで、選択部は、眼の硝子体と網膜と脈絡膜とを含むように撮影する撮影モードを含む複数の撮影モードのうちいずれかの撮影モードを選択可能に構成されても良い。このとき、眼の硝子体と網膜と脈絡膜とを含むように撮影する撮影モードが選択されると、例えば、深さ範囲において眼球内で4.0mm以上の距離の眼底の断層像が取得されることが好ましい。これは、眼の硝子体と網膜と脈絡膜とが十分に含まれるように断層撮像するには、深さ範囲において眼球内で4.0mm以上の距離は必要となるためである。なお、クロック発生部は、光路長差を変更する代わりに、後述するサンプリングの数やクロックの周波数を疑似的に変更するように構成されても同等の効果を得ることができる。例えば、深さ範囲における断層像の距離が短くなれば、クロック発生部はサンプリングの数やクロックの周波数を少なくするように構成されることが好ましい。
(クロック発生部の干渉計の光路長差)
kクロック干渉信号は、光周波数の時間変化に伴って正弦波となる。光周波数は非線形に時間変化するため、この正弦波の周期も時間変化する。しかし、周波数領域でみれば等間隔である。つまり、kクロック干渉信号のゼロクロス点またはピーク点が等波数間隔になるため、図5(b)のようにゼロクロス点またはピーク点をクロック位置としてサンプリングを行えば、波数空間のOCT干渉信号が取得できる。取得したkクロック干渉信号は、A/D変換器に適応可能な振幅、電圧へ増幅器等を用いて振幅の補正を行い、kクロックを生成する。なお、kクロックは、サンプリングクロックであるため、サンプリング定理に基づかなければならない。例えば、図7(a)のようにOCT干渉信号の周波数が、kクロックの周波数の1/2以下であった場合、元の信号を再生できるが、(b)のように1/2以上となった場合、偽の信号を取得することになる。このため、kクロックの周波数は、OCT干渉信号の周波数の2倍以上としなければならない、というのがサンプリング定理である。
ところで、干渉現象は、2つの光路長差が波長λの整数n倍、nλのときに発生する。したがって、光路長差に比例して干渉縞の間隔が狭くなっていくので信号としての周波数は高くなることになる。つまり、kクロックの周波数をOCT干渉信号の周波数の2倍以上とするためには、光路長差82を深さ方向の限界となる距離の2倍以上とすれば良い。すなわち、サンプリング定理を考慮すると、kクロックの光路長差82は、必要とする断層像の深さ範囲の2倍以上にする必要がある。上述したように、断層像の深さ範囲を空気中で5.5mm以上(眼球内で4.0mm以上)としたい場合には、kクロックの光路長差82は空気中で11mm以上とする必要がある。
また、OCT干渉計のサンプル光路は、通常、照射光が眼底に照射する光路と反射光が眼底から戻る光路とから成るダブルパスで構成される。これに対して、kクロック干渉計の光路は、図6に示すように、光を分岐させた後、反射させることなく光路長差を設けて再び合波させるというシングルパスで構成されるものが一般的である。したがって、kクロック干渉計がシングルパスで構成される場合、kクロックの光路長差82は上述した11mm以上を更に2倍し、空気中で22mm以上とする必要がある。すなわち、kクロック干渉計がシングルパスで構成される場合、kクロックの光路長差82は、必要とする断層像の深さ範囲の4倍以上とする必要がある。これにより、眼球内で断層像の深さ範囲を4.0mm以上とすることができる。なお、kクロック干渉計は、図8のように、ダブルパス干渉計で構成することもできる。図8中の符号は、図1および図6と対応している。このように、kクロック干渉計がダブルパスで構成される場合には、kクロックの光路長差82は、サンプリング定理を考慮して、必要とする断層像の深さ範囲の2倍以上とすれば良い。
一般に、kクロック干渉計の光路長差は、眼底を走査する角度が空気中で換算して40度程度で脈絡膜―強膜境界まで測定するため、眼球内で2.6mm程度の深さ範囲(断層像の深さ方向の距離)が求められる。したがって、空気中で換算して3.7mm程度の深さ範囲となる。このため、シングルパスのkクロック干渉計の光路長差は、空気中で換算して3.7mm×4=14.8mmとなることから、15mm程度に設計されている。しかし、kクロック干渉計の光路長差が、空気中で換算して15mm程度の場合、広画角化すると眼底周辺部では画像の折り返しが発生するという問題が生じる。つまり、画角47度以上で断層情報を得ることができる、空気中で5.5mm以上の深さ範囲とするためには、kクロック干渉計の光路長差は22mm以上が必要である。
なお、図6の例では、kクロック発生部は、光源の外部にあるが、光源の内部にあってもよい。kクロック発生部を光源の内部とすることで、撮像装置の構成を簡素にすることができる。また、kクロックの光路長差22mmを実現するには、コヒーレント長14mm以上が好ましい。以上説明したように、クロック発生部の干渉計の光路長差を22mm以上とすることにより、眼底の広範囲で1回の走査を行った際に、眼底の所望の深さ範囲の断層像を網羅的に取得することができる。
ここで、断層像の深さ範囲(計測距離)Δz、中心波長λc、掃引波長幅Δλとすると、断層像の深さ範囲全体を1度にサンプリングする数であるサンプル数Nは、(4×Δz×Δλ)/λcから導出される。一方、波長掃引の周波数fAとduty比(1掃引中のOCTとして有効な発光している期間)dとすると、kクロックの周波数fsは、(N×fA)/dから導出される。また、本実施形態に係る光源において、例えば、λc=1040nm、Δλ=110nm、fA=100kHz、d=0.446とする。このとき、本実施形態に係る断層像の深さ範囲が空気中で5.5mm、すなわち眼球内で4.0mmである場合を考えると、サンプル数Nは、(4×5.5×10×110)/1040=2237と導出される。また、この場合、kクロックの周波数fsは、(2237×100×10)/0.446=501.57MHzと導出される。なお、従来の深さ範囲が空気中で2.8mm、すなわち眼球内で2.0mmである場合を考えると、サンプル数は、(4×2.8×10×110)/1040=1139と導出される。また、この場合、kクロックの周波数fsは、(1139×100×10)/0.446=255.38MHzと導出される。以上より、眼底の広範囲で1回の走査を行った際に、眼底の所望の深さ範囲の断層像を網羅的に取得するためには、クロック発生部は、断層像の深さ範囲全体を1度にサンプリングする数が約2200回以上となるように構成されることが好ましい。また、眼底の広範囲で1回の走査を行った際に、眼底の所望の深さ範囲の断層像を網羅的に取得するためには、クロック発生部は、クロックの周波数が約500MHz以上となるように構成されることが好ましい。
なお、本発明は、眼底の広範囲で1回の走査を行った際に限定されない。すなわち、走査部が、眼底において照射光を走査する角度が空気中で換算して47度以上となるように構成されている場合に限定されない。走査する角度に関係なく、深さ範囲において眼球内で4.0mm以上となる距離の眼底の断層像を取得したい場合に、クロック発生部は、眼球内で4.0mm以上となる距離に対応する光路長差となるように構成されていれば良い。このとき、上述したように、クロック発生部は、第二光路がシングルパスで構成されていれば、光路長差が空気中で22mm以上となるように構成されることが好ましい。また、クロック発生部は、第二光路がダブルパスで構成されていれば、光路長差が空気中で11mm以上となるように構成されることが好ましい。また、クロック発生部は、光路長差をこれらの長さにする代わりに、サンプリングの数やクロックの周波数を疑似的に変更するように構成されても同等の効果を得ることができる。
(補正部)
ここで、波長可変光源は、一般にガウス型スペクトル形状となるため、波長掃引の開始付近と終了付近で強度が弱く、中央付近で最大強度となる。したがって、kクロック干渉信号も紡錘形の波形となる。また、kクロックの光路長差を大きくした場合、干渉強度も大幅に減衰するため、kクロック干渉信号における干渉強度の差が大きくなる。一方、A/D変換器の外部クロック入力部は、入力可能な最低電圧と最高電圧とが規定されている。このとき、kクロック干渉信号における干渉強度の差がA/D変換器における入力可能な電圧の範囲よりも大きくなってしまうことがあった。そこで、kクロック干渉信号を、増幅器等を用いて、A/D変換器に適応可能な振幅、電圧へ補正する必要がある。
(比較部と利得制御部)
補正方法としては、補正部が比較部による比較結果を利得制御部にフィードバックを行うように構成されることにより、自動利得制御(Automatic Gain Control、以下AGCという)を行う。図9(a)には、補正部の一例である補正回路84におけるAGCの模式図を示す。ここで、AGCとは、利得制御部の一例である可変利得増幅器(Variable Gain Amplifier、以下VGAという)、比較部の一例である電圧検出器を備え、振幅変動する入力信号から一定電圧レベルの振幅の信号に自動的に調整することをいう。このとき、比較部は、第二の干渉光(クロック発生部の干渉計により干渉して得た干渉光)のアナログ信号の強度と閾値とを比較する。また、利得制御部は、第二の干渉光のアナログ信号の強度が閾値よりも大きい場合には第二の干渉光のアナログ信号の強度を減衰させる。また、利得制御部は、第二の干渉光のアナログ信号の強度が閾値よりも小さい場合には第二の干渉光のアナログ信号の強度を増幅させる。すなわち、振幅変動信号が入力されると、電圧検出器が基準電圧をもとに利得制御信号を出力し、VGAの利得を変更する負帰還制御が行われる。
SS−OCTにおいて、波長が掃引している時間帯ではkクロック干渉信号も出力されるが、掃引がない時間帯では信号は出力されない。したがって、信号のない時間帯が発生することになる。kクロック干渉信号でAGCを行ったときの、補正回路84における一般的な回路例を図9(b)に、そのときの信号を図9(c)に模式的に示す。電圧検出器は、振幅変動信号の電圧レベルを基準電圧と比較することで利得制御信号を規定している。
(遅延部と抑制部)
また、AGCループ内においてはVGA利得のスイッチングによって生じてしまう発振を防止するために、遅延部の一例である位相補償コンデンサを接続し、応答速度を遅くする方法が取られている。すなわち、遅延部は、フィードバックを行う速度を遅らせる。ここで、信号のない時間帯の場合、振幅変動信号は基準電圧を下回っているため、利得制御信号は、利得を最大に出力するように動作し続け、位相補償コンデンサに電荷が蓄積されていくことになる。したがって、信号のある時間帯に入ると、蓄積されていた電荷が利得制御信号として出力されることになるため、本来あるべき利得の増加が行われず、過大な振幅の信号が出力されることがある。そこで、本実施形態では、図10(a)に示すように、補正回路84において利得制御信号の出力部において、抑制部の一例である過剰利得抑制機構を設けることが好ましい。すなわち、抑制部は、遅延部によりフィードバックを行う速度が遅らされた場合にアナログ信号の強度が所定値よりも増幅することを抑制する。
このとき、本実施形態では、補正回路84において利得制御信号を調整する機構として、過剰利得抑制機構の一例である電圧制限器を設置することもできる。この回路例と信号の模式的な様子を図10(b)に示す。電圧制限器は任意波形のうち、ある一定の電圧レベル以上または以下を出力させるために使用されるものである。これにより、位相補償コンデンサに蓄積された電荷に起因する利得制御信号の過剰な電圧を制限し、振幅が一定レベルのkクロックを生成できる。電圧制限器は、応答速度の影響を最小限に抑えるため、位相補償コンデンサ部に設けることが好ましい。すなわち、抑制部は、遅延部におけるコンデンサに蓄積された電荷を放出するように構成されていることが好ましい。
また、本実施形態では、補正回路84において基準電圧制御回路を設置しても良い。この回路例と信号の模式的な様子を図10(c)に示す。基準電圧は、AGCにおいて振幅電圧レベルを規定する電圧のことである。基準電圧と振幅変動信号の電圧レベルを比較することにより、利得制御信号が出力されるため、基準電圧を制御すれば利得制御信号の出力も制御できることになる。SS−OCTにおいては波長掃引の周期が一定であるため、信号発生点のタイミングを把握することができる。つまり、信号が発生する直前に基準電圧を制御する制御電圧信号を入力して任意の期間、基準電圧を高くすることで、その時間帯の利得制御信号を強制的に下げる効果がある。さらに、制御信号の時間を変えることでも任意の利得制御信号に調整できる。これにより、振幅が一定レベルのkクロックを生成できる。すなわち、抑制部は、所定のタイミングで比較部においてアナログ信号の強度と比較される閾値を変更するように構成されていることが好ましい。
以上説明したように、例えば、クロック発生部の干渉計の光路長差が従来よりも大きい(例えば空気中で22mm以上である)場合であっても、眼底の所望の深さ範囲の断層像を網羅的に取得するための好適なクロック発生部の構成を提供することができる。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
10 光源部
20 OCT干渉部
30 検出部
40 情報取得部
53 X軸スキャナー
54 Y軸スキャナー
80 kクロック発生部
82 kクロック光路長差

Claims (15)

  1. 射出する光の波長を掃引する光源部から射出された光を眼底に照射する照射光と参照光とに分岐し、前記照射光が照射された前記眼底からの反射光と前記参照光とを干渉する干渉部と、
    前記干渉部により干渉して得た第一の干渉光を検出する検出部と、
    前記検出部が前記第一の干渉光を検出して得たアナログ信号をデジタル信号に変換する変換部と、
    前記光源部からの射出された光のうち一部の光が通る光路が第一光路と前記第一光路に対して光路長差を有する第二光路とに分岐された干渉計として構成され、前記変換部が前記アナログ信号をサンプリングするクロックを生成するクロック発生部と、
    前記生成されたクロックにより前記変換部が前記アナログ信号を変換して得た前記デジタル信号に基づいて、前記眼底の断層像を取得する断層像取得部と、を有する撮像装置であって、
    前記クロック発生部は、前記第一光路の光と前記第二光路の光とを干渉して得た第二の干渉光のアナログ信号の強度の差が前記第二の干渉光のアナログ信号を前記変換部に入力可能な範囲内となるように前記第二の干渉光のアナログ信号の強度を補正する補正部を含むように構成され
    前記補正部は、
    前記第二の干渉光のアナログ信号の強度と閾値とを比較する比較部と、
    前記第二の干渉光のアナログ信号の強度が前記閾値よりも大きい場合には前記第二の干渉光のアナログ信号の強度を減衰させ、前記第二の干渉光のアナログ信号の強度が前記閾値よりも小さい場合には前記第二の干渉光のアナログ信号の強度を増幅させる利得制御部と、
    前記比較部による比較結果を前記利得制御部にフィードバックを行うタイミングを遅らせる遅延部と、
    を含むように構成されていることを特徴とする撮像装置。
  2. 射出する光の波長を掃引する光源部から射出された光を眼底に照射する照射光と参照光とに分岐し、前記照射光が照射された前記眼底からの反射光と前記参照光とを干渉する干渉部と、
    前記干渉部により干渉して得た第一の干渉光を検出する検出部と、
    前記検出部が前記第一の干渉光を検出して得たアナログ信号をデジタル信号に変換する変換部と、
    前記光源部からの射出された光のうち一部の光が通る光路が第一光路と前記第一光路に対して光路長差を有する第二光路とに分岐された干渉計として構成され、前記変換部が前記アナログ信号をサンプリングするクロックを生成するクロック発生部と、
    前記生成されたクロックにより前記変換部が前記アナログ信号を変換して得た前記デジタル信号に基づいて、前記眼底の断層像を取得する断層像取得部と、を有する撮像装置であって、
    前記クロック発生部は、
    前記第一光路の光と前記第二光路の光とを干渉して得た第二の干渉光のアナログ信号の強度と閾値とを比較する比較部と、
    前記第二の干渉光のアナログ信号の強度が前記閾値よりも大きい場合には前記第二の干渉光のアナログ信号の強度を減衰させ、前記第二の干渉光のアナログ信号の強度が前記閾値よりも小さい場合には前記第二の干渉光のアナログ信号の強度を増幅させる利得制御部と
    記比較部による比較結果を前記利得制御部にフィードバックを行うタイミングを遅らせる遅延部と、
    を含むように構成されていることを特徴とする撮像装置。
  3. 前記比較部は、電圧検出器を含むように構成されており、
    前記遅延部は、前記電圧検出器と接続されたコンデンサを含むように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記遅延部により前記フィードバックを行う速度が遅らされた場合に前記アナログ信号の強度が所定値よりも増幅することを抑制する抑制部を更に有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記遅延部はコンデンサを含むように構成されており、
    前記抑制部は、前記コンデンサに蓄積された電荷を放出するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記抑制部は、所定のタイミングで前記閾値を変更するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  7. 前記クロック発生部は、眼球内で4.0mm以上となる距離に対応する前記光路長差となるように構成されており、
    前記断層像取得部は、深さ範囲において眼球内で4.0mm以上となる距離の前記眼底の断層像を取得するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 前記クロック発生部は、前記第二光路がシングルパスで構成されており、前記光路長差が空気中で22mm以上となるように構成されていることを特徴する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記クロック発生部は、前記第二光路がダブルパスで構成されており、前記光路長差が空気中で11mm以上となるように構成されていることを特徴する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. 前記クロック発生部は、前記断層像の深さ範囲全体を1度にサンプリングする数が2200回以上となるように構成されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  11. 前記クロック発生部は、前記クロックの周波数が500MHz以上となるように構成されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  12. 前記クロック発生部は、前記変換部が前記アナログ信号を略等波数の間隔でサンプリングするように前記クロックを生成することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
  13. 前記光源部は、下部反射鏡と、活性層と、上部反射鏡と、をこの順に有し、前記活性層と前記上部反射鏡との間に空隙部を備え、前記上部反射鏡、前記下部反射鏡の少なくともいずれか一方の光軸方向の位置を変化させることで、出射する光の波長を変化させる面発光レーザであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の撮像装置。
  14. 前記眼底において前記照射光を走査する走査部を更に有し、
    前記走査部は、前記眼底において前記照射光を走査する角度が空気中で換算して47度以上となるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の撮像装置。
  15. 前記走査部は、前記眼底の14mm以上の範囲において前記照射光を走査するように構成されていることを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
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