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JP6582619B2 - ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の描画方法 - Google Patents

ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の描画方法 Download PDF

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JP6582619B2 JP2015130635A JP2015130635A JP6582619B2 JP 6582619 B2 JP6582619 B2 JP 6582619B2 JP 2015130635 A JP2015130635 A JP 2015130635A JP 2015130635 A JP2015130635 A JP 2015130635A JP 6582619 B2 JP6582619 B2 JP 6582619B2
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Description

本発明は、ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の描画方法に関するものである。
従来、人の指の爪に好みのネイルデザインを印刷するネイルプリント装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような装置を用いれば、ネイルサロン等を利用することなく、簡易にネイルプリントを楽しむことができる。
このようなネイルプリント装置として、描画対象物の表面に直接ペン先を当接させて描画を行う描画用具(ペン)を備えるプロッタ方式の描画装置を用いることも検討されている。
プロッタ方式の描画装置をネイルプリント装置として採用した場合には、粒径の大きな顔料(色材)やラメ等を含むインクや粘度の高いインク等、インクジェット方式の場合には用いることが難しかった各種のインクを用いることができる。このため、「ベースコート(白色下地)」や「受容層」、「トップコート」等についてもユーザによる手作業ではなく描画装置を用いて塗布することができ、ネイルサロン等で施されるネイルアートにより近い仕上がりのネイルプリントを実現することができる。
特表2003−534083号公報
しかしながら、プロッタをネイルプリント装置として用いる場合、繊細な絵柄を正確に描画するために、爪の上でのペンの位置を極力正確に制御する必要がある。
しかし、機械的手法でペンの位置を正確に合わせるためには、ペンの取付機構やペンの形状等に高い精度が要求され、装置やペンが高価になってしまうという問題がある。
その上、装置の移動機構の経年変化やペンの製造バラツキ等を完全になくすことはできない。このため、装置やペンに高い精度のものを用いたとしても、こうした各種の要因により爪の上で各ペンの位置に想定した位置からのずれが生じて、例えば絵柄の途中で色が変わる場合に当該箇所でのつながりが僅かにずれて、絵柄が歪んでしまう等の状態が発生し、高精細な仕上がりを実現することが難しい場合があった。
特に、例えばアンダーコート(下地)用に使用される白インクやトップコート用に使用される透明インク等は、例えばこれらのインクを用いて用紙に図形を描画した場合でも、用紙の色との差が殆どないため、これらのインクによる描画位置を正確に確認することが難しい。このため、位置ずれが生じていることに気づかないまま描画を行い、例えば爪以外の皮膚の部分にまではみ出して描画されてしまう等の状態が生じるおそれがある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、描画用具により描画を施すネイルプリント装置において、描画用具のインクが透明インクであっても、白色を含む種々の色の何れであっても、描画用具による描画位置を装置側で正確に確認することができて、以って描画を良好に行うことができるネイルプリント装置及びネイルプリント装置の描画方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明のネイルプリント装置は、
紙である描画対象物への検査用図形の描画並びに爪へのネイルデザインの描画を施す少なくとも1つの描画用具が装着される描画ヘッドと、
前記描画用具により前記描画が施された前記検査用図形を撮影して、前記検査用図形を含む検査対象画像を取得する撮影部と、
前記撮影部により取得された前記検査対象画像から、前記検査用図形の描画位置が、前記描画対象物において前記検査用図形が本来前記描画されるべき正規の描画位置からずれているか否かを判定する描画位置判定部と、
前記描画が施された前記検査用図形を含む領域に光を照射する少なくとも一つの光源を有する照明装置と、
を備え、
前記描画用具は、透明でなく白色以外の色材を有する第1種インクによって前記描画を施す第1種類の描画用具と、透明又は白色の第2種インクによって前記描画を施す第2種類の描画用具と、を含み、
前記撮影部は、
前記第2種類の描画用具により前記検査用図形の前記描画が施された場合に、前記光源から照射された光が前記描画対象物における前記検査用図形で正反射した正反射光により照らされた前記検査用図形を撮影することにより、前記検査対象画像を取得することを特徴としている。
本発明によれば、描画用具により描画を施す描画装置において、描画用具のインクが透明インクであっても、白色を含む種々の色の何れであっても、描画用具による描画位置を装置側で正確に確認することができる。
(a)は、本実施形態における描画装置の正面図であり、(b)は、(a)に示された描画装置の内部構成を示す側面図である。 図1におけるII-II断面図である。 (a)及び(b)は、試書部の描画媒体に慣らし書きと試し書きを行った場合の描画例を示す平面図であり、(c)は、検査用図形の本来の描画位置との位置ずれを説明する説明図である。 (a)は、本実施形態における描画ヘッドの上面図であり、(b)は、本実施形態における描画ヘッドの側面図である。 (a)から(c)は、撮像装置と照明装置との位置関係及び照明装置からの光とその反射光を示す説明図である。 本実施形態に係る描画装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 本実施形態における描画処理を示すフローチャートである。 ネイルプリント装置の一変形例の正面図である。
図1から図7を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置(描画装置)及びネイルプリント装置(描画装置)の描画方法の一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、ネイルプリント装置1は手の指の爪の表面を描画対象面として、これに描画するものとして説明するが、本発明の描画対象面は手の指の爪の表面に限るものではなく、例えば足の指の爪の表面を描画対象面としてもよい。
図1(a)は、ネイルプリント装置の内部構成を示すネイルプリント装置の正面図であり、図1(b)は、図1(a)に示されたネイルプリント装置の内部構成を示す側面図である。図2は、図1(a)におけるII-II線に沿う断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態におけるネイルプリント装置1は、描画ヘッド43が描画用具であるペン41とインクジェット描画部71とを備え、プロッタ方式とインクジェット方式とを併用して印刷指U1の爪Tに描画を施す描画装置である。
このネイルプリント装置1は、ケース本体2と、このケース本体2に収容される装置本体10とを備えている。
ケース本体2の側面上部一端には、後述する描画部40のペン41及びインクジェット描画部71を交換するために開閉可能に構成された蓋部23が設けられている。蓋部23は、例えばヒンジ等を介して、図1に示すように閉状態から開状態まで回動自在となっている。
ケース本体2の上面(天板)には操作部25(図6参照)が設置されている。
操作部25は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部25には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに描画するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、描画開始を指示する描画開始釦等、各種の入力を行うための図示しない操作釦が配置されている。
また、ケース本体2の上面(天板)のほぼ中央部には表示部26が設置されている。
表示部26は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において、この表示部26には、例えば、印刷指U1を撮影して得た爪画像(爪Tの画像を含む指画像)、この爪画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、爪Tに描画すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示部26の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。
装置本体10は、ほぼ箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置された下部機枠11と、この下部機枠11の上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている上部機枠12とを備えている。
まず、下部機枠11について説明する。
下部機枠11は、背面板111、底板112、左右一対の側板113a,113b、X方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115及び隔壁116を有する。
側板113a,113bの下端部は、底板112の左右両端部にそれぞれ連結され、側板113a,113bが底板112に対して立てられた状態に設けられている。
背面板111の下部は、前方(指挿入方向手前側)に向かって2段に窪むように形成されている。背面板111の下端部は底板112の前端部に連結されており、背面板111は、底板112と側板113a,113bによって囲われた領域を前後に区切っている。
この窪んだ背面板111の後ろ側に形成される空間がX方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115(図1(b)参照)となっている。X方向移動ステージ収容部114内には、描画部40が前方(指挿入方向手前側)に移動した際に描画部40のX方向移動ステージ45が収容される。また、Y方向移動ステージ収容部115内には、描画部40のY方向移動ステージ47が配置されている。
また、隔壁116は、下部機枠11の内部前方側の空間(背面板111、底板112及び側板113a,113bによって囲われた指挿入方向手前側の空間)を上下に区切るように下部機枠11の内側に設けられている。隔壁116はほぼ水平に設けられ、隔壁116の左右両端部が側板113a,113bにそれぞれ連結され、隔壁116の後端部が背面板111に連結されている。
この下部機枠11には、指固定部30(図1(b)参照)が一体的に設けられている。
指固定部30は、描画を施す爪Tに対応する指(以下、これを「印刷指U1」という。)を受け入れる指受入部31と、この印刷指U1以外の指(以下、これを「非印刷指U2」という。)を退避させる指退避部32と、から構成されている。
指受入部31は、隔壁116の上側であって下部機枠11の幅方向のほぼ中央部に配置されている。また、隔壁116によって下部機枠11の下側に区分けられた空間が指退避部32を構成している。
例えば、薬指の爪Tに描画を施す場合には、指受入部31に印刷指U1としての薬指を挿入し、非印刷指U2であるその他の4指(親指、人差し指、中指、小指)を指退避部32に挿入する。
図1(b)及び図2に示すように、指受入部31は、下部機枠11の前面側(印刷指挿入方向の手前側)に開口しており、下側が隔壁116の一部を構成する指載置部116a、両側が仕切り31a,31b、奥側が仕切り31cによって区画されている。指載置部116aは、描画を施す爪Tの指(印刷指U1)をXY平面上に載置するものである。
また、指受入部31の上側は天井部31dによって区画されている。天井部31dには、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tを露出させるための窓31eが形成されている。
また、隔壁116の上面であって下部機枠11の前面側の両側部には、下部機枠11の前面側を塞ぐ前壁31f(図1(a)参照)が立設されている。また、隔壁116の上面には、この前壁31fの中央部寄りの端部から前記指受入部31に向けて狭窄し、印刷指U1を指受入部31内に案内する一対のガイド壁31g(図1(a)参照)が立設されている。
ユーザは指受入部31に挿入した印刷指U1と指退避部32に挿入した非印刷指U2との間に隔壁116を挟むことができる。そのため、指受入部31内に挿入された印刷指U1が安定して固定される。
下部機枠11の上面であって、指受入部31の横(ケース本体2の媒体挿出口24に対応する位置であり、本実施形態では、図1(a)及び図2において左側)には、後述する描画ヘッド43による描画可能範囲内に、後述するペン41の試し書きを行うための試書部61が設けられている。本実施形態において、試書部61は、ペン先(先端部)413の書き出し時のかすれ等を無くすための慣らし書きを行う慣書部を兼ねている。
なお、試書部61は、下部機枠11の上面の一部が掘り下げられて形成されており、試書部61の高さが、印刷指U1が指受入部31に挿入された際の爪Tの高さとほぼ同じとなるように設けられていることが好ましい。
試書部61は、平板状の部分であり、前述のケース本体2の媒体挿出口24から挿入された描画媒体61aが載置されるようになっている。
試書部61に載置される描画媒体(描画対象物)61aは、ペン先(先端部)413を慣らして試し書きを行うことができるものであればよく、例えば紙片である。
なお、本実施形態では、後述するように透明や白色のインクによって描画された検査用図形taを、正反射光を利用して撮影する。このため、検査用図形taとのコントラストを高めるために、描画媒体61aは光がその表面で拡散反射する(すなわち、正反射しない)紙等(例えば光沢紙ではない普通紙)を適用することが好ましい。
本実施形態において、ペン41の試し書きは、ペンホルダ42に装着されている描画用具であるペン41の描画位置が本来あるべき位置からずれているか否かを判定するためのものである。
なお、本実施形態では、後述するように、ペンホルダ42に装着されるペン41として、透明インクや白インク(これらを以下「第2種インク」という。)を描画するペン(第2種類の描画用具)41と、透明インクでなく白色以外の各種の色材等を含むインク(これらを以下「第1種インク」という。)を描画するペン(第1種類の描画用具)41と、が用意されている。
ペン41が透明インクでなく白色以外の色材等を含む第1種インクである場合には、ペン41の試し書きを行うことによって、ペン41の描画位置が本来あるべき位置からずれているか否かを判定するとともに、ペンホルダ42に装着されている描画用具であるペン41の種類を特定し、当該ペン41が、描画対象物である爪Tの表面(描画対象面)に選択されたデザイン画像を描画するのに適した種類のペン41であるか否かを判定する。
ここで、ペン41の種類とは、ペン41に保持されているインクの種類であり、具体的には、インクの色やラメを含むか否かの等である。なお、試書部61に描画された検査用図形に基づいて判定されるペン41の種類はインクの種類に限定されない。例えば、ペン41のペン先413(図4(b)参照)の太さ等をも含んでいてもよい。
図3(a)及び図3(b)は、試書部61に載置される描画媒体61aに慣らし書きと試し書きを行った場合に、描画媒体61aに描画される検査用図形の一例を示したものであり、図3(c)は、検査用図形の本来の描画位置との位置ずれを説明する説明図である。
試し書きとして描画する検査用図形は、ペン41の描画位置を特定しやすいものであることが好ましく、例えば、図3(a)〜図3(c)に示すように「+」である。この場合、ペン41によってX方向(図1(a)におけるX方向、装置の幅方向)に沿う直線とY方向(図1(b)におけるY方向、装置の奥行方向)に沿う直線とが直交するように「+」を描画する。
なお、試し書きで描画する検査用図形は「+」に限定されず、例えば「○」や「・」等でもよい。ペン41により少なくとも一点が描画されれば描画位置及びペン41の種類を判定することが可能である。ただし、ペン41によっては書き出す際に多少かすれることもあり、一点描画したのみでは、当該点を描く際に僅かでもかすれると描画位置及びペン41の種類を判定することができなくなってしまう。このため、確実に描画位置及びペン41の種類を判定するためには、ある程度の長さの線とその交点とが描画される「+」等の図形を検査用図形として描画することが好ましい。
試し書きされた検査用図形は、検査用図形taとして撮影部50の撮像装置51で撮影され、描画位置等を検出するための検査対象画像Taが取得される。このため、撮像装置51によって1度に撮影することのできる範囲内に全ての試し書きの検査用図形(例えば「+」)が描画されることが好ましい。
なお、後述するように、第2種インクを描画するペン41で試し書きを行う場合には、インクが濡れている間(すなわち、インクの乾燥が終了する前)に、インクの境界面における鏡面反射を利用して、撮影を行う。この場合、インクが乾いた後は撮像装置51で撮影してもインクが塗布されている領域と塗布されていない領域との区別がつかなくなることから、過去に第2種インクを描画するペン41で描画された個所には繰り返し描画を行うことが可能である。
これに対して、第1種インクを描画するペン41で試し書きを行う場合には、インクが乾いた後も描画した部分にはインクの色が残る。このため、「+」等の試し書きは、試書部61の範囲内で、過去に描画されたものと重なり合わないように、試し書きを行う度に少しずつずらしながら書くようにすることが好ましい。
また、前述のように、本実施形態の試書部61は、ペン先(先端部)413の慣らし書きを行う慣書部を兼ねており、爪Tに画像データによる描画を開始する前に描画媒体61aの上にペン41を下ろして「○」や「∞」等の所定の図形を描画して慣らし書きを行い、ペン先413の状態を良好にする。これにより、ペン先413が乾いていたりインクの乗りが悪い等により書き始めがかすれたりするのを防止することができる。
慣らし書きを行う際に描画する所定の図形は特に限定されないが、ペン先の全周囲を使い、なおかつインクを無駄に使いすぎないよう、「○」や「∞」等の単純な図形であることが好ましい。「○」や「∞」等の慣らし書きは、試書部61の範囲内で、慣らし書きを行う度に少しずつずらしながら書くようにすることが好ましい。
本実施形態では、描画開始前に、図3(a)に示すように、描画媒体61aの一端側(例えば、描画媒体61aのX方向左側であってY方向手前側)の空白部分にまず慣らし書きとして「○」等の図形を描画し、ペン先413を慣らした後に、描画媒体61aの他端側(例えば、描画媒体61aのX方向左側であってY方向奥側)の空白部分に試し書きとして「+」等の検査用図形を描画する。
なお、図3(a)に破線で示すように、慣らし書きとしての「○」を、描画媒体61aの一端側から他端側に向かって少しずつ位置をずらしながら書いていき、試し書きとしての「+」を、描画媒体61aの他端側から一端側に向かって少しずつ位置をずらしながら書いていき、当該列に空白部分が無くなったときには、例えばX方向(例えば、図3(a)においてX方向右側)に位置をずらして、同様に慣らし書きとしての「○」と試し書きとしての「+」とを、描画媒体61aの一端側と他端側からそれぞれ位置をずらしながら書いていく。
なお、慣らし書きとして「○」等の図形と試し書きとして「+」等の検査用図形を描画する位置はこれに限定されない。例えば、図3(b)に示すように、慣らし書きとして「○」等の図形と試し書きとして「+」等の検査用図形とを特に領域を分けずに、空白部分が無くなるまで描画していってもよい。
描画媒体61aのほぼ全面に「○」や「+」を書いて空白部分が無くなってしまったときには、表示部26に「紙を交換して下さい」等の描画媒体61aの交換を促す表示画面を表示させる。この場合、ユーザが媒体挿出口24から描画媒体61aを取り出して新しいものと交換することにより新しい描画媒体61aに試し書きや慣らし書きができる状態となる。例えば、描画媒体61aがロール紙である場合は、描画スペースが無くなったときには、ロール紙から描画媒体61aを繰り出し、新しい描画面に試し書きや慣らし書きを行うことができるようにする。
なお、前述のように、第2種インクによって慣らし書きや試し書きを行う場合には、インクが乾燥した後であれば、過去に描画した個所にも繰り返し慣らし書きや試し書きを行うことができる。このため、第2種インクを描画するペン41しか使わないような場合には、同じ描画媒体61aを長く使うことができる。
また、下部機枠11の上面であって、指受入部31の横(本実施形態では、図1(a)及び図2において右側)には、後述する描画ヘッド43の移動可能範囲内に、非描画時に、描画ヘッド43が待機するホームエリア60が設けられている。
ホームエリア60には、後述するペンホルダ42に対応する数(本実施形態では1つ)だけペンキャップ62が設置されている。
また、ホームエリア60内であってペン先413がペンキャップ62に収容されたときにインクジェット描画部71が配置される位置に対応する位置には、インクジェット保守部63が設けられている。インクジェット保守部63は、例えば後述するインクジェット描画部71のインク吐出部(ノズル面)をクリーニングするためのクリーニング機構やインク吐出部(ノズル面)の保湿状態を保つためのキャップ機構等(いずれも図示せず)で構成されている。
なお、ホームエリア内のペンキャップ62、インクジェット保守部63等の配置はここで例示したものに限定されない。
描画部40は、描画ヘッド43、描画ヘッド43を支持するユニット支持部材44、描画ヘッド43をX方向(図1(a)及び図2におけるX方向、描画装置1の方向)に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46、描画ヘッド43をY方向(図1(b)及び図2におけるY方向、描画装置1の奥行方向)に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48等を備えて構成されている。
図4(a)は、本実施形態における描画ヘッドの上面図であり、図4(b)は、描画ヘッドの側面図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、本実施形態の描画ヘッド43には、ペン41を保持するペンホルダ42とインクジェット描画部71を保持するインクジェットホルダ72とが隣り合って配置されている。
インクジェット描画部71は、例えば、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクに対応する図示しないインクカートリッジと各インクカートリッジにおける描画対象(爪T)に対向する面(本実施形態では、図1(a)等における下面)に設けられた図示しないインク吐出部とが一体に形成されたインクカートリッジ一体型のヘッドである。インク吐出部は、それぞれの色のインクを噴射する複数のノズルからなるノズルアレイを備えており、インクジェット描画部71は、インクを微滴化し、インク吐出部から描画対象(爪T)の被描画面に対して直接にインクを吹き付けて描画を行う。なお、インクジェット描画部71は、上記3色のインクを吐出させるものに限定されない。その他のインクを貯留するインクカートリッジ及びインク吐出部を備えていてもよい。
本実施形態のペンホルダ42には、1本のペン41が装着可能となっている。
ペン41は、爪Tの表面を描画対象面とし、先端部が描画対象面である爪Tの表面に接触して描画を施す筆記具(描画用具)である。
図4(b)等に示すように、ペン41は、棒状のペン軸部411の先端側(図4(b)において下側)にペン先413が設けられたものである。
ペン軸部411の内部は、各種インクを収容するインク収容部となっている。
ペン軸部411の内部に収容されるインクとしては、各種のインクが適用可能である。インクの粘度や色材の粒径(粒子の大きさ)等は特に限定されず、例えば、金銀のラメ入りのインクや白色のインク、UV硬化型のインクやジェルネイル、アンダーコート用インク、トップコート用インクやマニキュア液等も用いることができる。
本実施形態では、前述のように、ペンホルダ42に装着可能なペン41として、第2種インクによって描画を行う第2種類の描画用具であるペン41と、透明でなく白色以外の各種の色材等を含む第1種インクによって描画を行う第1種類の描画用具であるペン41とが用意されている。
第2種インクを描画するペン41は、例えば、爪Tのアンダーコート等に用いられる白インクやトップコート等に用いられる透明インク等をペン軸部411内に収容している。
本実施形態において、ペン41は、例えばペン先413を爪Tの表面に押し当てることでペン軸部411内に収容されているインクが染み出して描画する、ペン先413がボールペンタイプとなったペンである。
なお、ペン41は、ボールペンタイプのものに限定されない。例えばフェルト状のペン先にインクを染み込ませて描画するサインペンタイプや、束ねた毛にインクを染み込ませて描画する筆ペンタイプのもの等であってもよい。
また、ペン先413の太さも各種のものを用意することができる。
ペンホルダ42に保持されるペン41は、全て同じタイプのペン先413を有するペンでもよいし、異なるタイプのペン先413を有するペンであってもよい。
ペン41はペンホルダ42に上方から挿通するだけで保持されている。このため、ケース本体2に設けられている蓋部23を開けて、例えば手やピンセットでペン軸部411の上端部を摘み上げ引き出す等により、容易に交換が可能である。
これにより、ユーザは、ペンホルダ42に装着するペン41を、描画したいネイルデザインに応じて色やペン先413の種類やインクの種類の異なるペン41に適宜入れ替えることで、幅広いネイルデザインを実現することができる。
ペンホルダ42は、上下に開口し内部にペン41が挿通される筒状部材421と、筒状部材421の下側(図4(b)における下側)の開口を塞ぐように配置されたペン係止部材422と、ペン41とともに上下動する補助軸部材423とを備えている。
ペン係止部材422には、ペン41のペン軸部411における先端側を係止する係止孔422aが形成されている。ペン41は、ペン軸部411の先端側がペン係止部材422の係止孔422aに嵌め込まれることによってペンホルダ42内に係止される。なお、ペン軸部411の先端側の外周面に図示しないねじ溝を形成し、係止孔422aの内周面に軸部のねじ溝と螺合可能な図示しないねじ溝を形成し、係止孔422a側のねじ溝にペン軸部411側のねじ溝を螺着させることでペン41を係止孔422aに係止させてもよい。
本実施形態において、補助軸部材423はペン41を挟むように2本配置されている。各補助軸部材423の下端部はペン係止部材422に嵌め込まれており、これにより、補助軸部材423はペン41のペン軸部411と平行するように固定されている。
補助軸部材423には、ペン41の軸中心から離れる方向に突出する係止突起424が設けられている。
また、補助軸部材423の軸周りには、コイルバネ425が巻回されている。コイルバネ425は、外力が加わらない状態において補助軸部材423を上方向に付勢するものであり、非描画状態においてペン41の位置を、ペン先413が爪Tに当接しない位置に保持する。
ペンホルダ42の近傍には、ステッピングモータからなるペン上下用モータ426と、ペン上下用モータ426の回転軸に取り付けられた歯車427に歯合するギア428と、このギア428の回転に追従して回動する板バネ429とが設けられている。本実施形態では、これらペン上下用モータ426、歯車427、ギア428、板バネ429等によりペン41の昇降機構が構成されている。
ここで、板バネ429は、補助軸部材423に設けられた係止突起424に係合して、この係止突起424を押し下げることにより、ペン41を下方へと押し下げることができるようになっている。
すなわち、ペン上下用モータ426の回転に伴って板バネ429が回動して、板バネ429が係止突起424に係合し、係止突起424を下方へと押し下げると、ペン41はコイルバネ425の付勢力に抗して下方へと押し下げられる。
このように本実施形態では、板バネ429で直接ペン41を押し下げるのではなく、係止突起424を押し下げる構成とし、板バネ429がペン41の上方を覆わないため、ペン41の交換を容易に行うことができとともに、ペン41の昇降機構の高さを比較的低く抑え、省スペース化を図ることができる。
ここで、ペン41の昇降機構の動作について具体的に説明する。
まず、非描画時においては、係止突起424に対して板バネ429が外力を加えない状態となっている。このように外力(板バネ429による押圧力)が加わっていない状態では、ペン41は、コイルバネ425の付勢力により、上方向(図1(a)及び図4(b)において上方向)の位置に押し上げられ、ペン41の先端部であるペン先413は描画対象面である爪Tの表面から離れ、当該表面に当接しない高さに保持されている。
これに対して、描画時には、ペン上下用モータ426を所定のステップ数で回転させ、板バネ429によって係止突起424を押し下げる。これにより、ペン41が押し下げられる。
ペン上下用モータ426を駆動させる際の所定のステップ数は、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの高さ等に応じて適宜設定される。
すなわち、本実施形態のネイルプリント装置1では、後述の爪情報を事前に取得しておく。そして、当該爪情報に基づいて、ペン41の先端部であるペン先413が爪Tに当接する当接位置の爪Tの高さを認識し、その高さに応じてペン上下用モータ426のステップ数を決定する。こうして決定したステップ数でペン上下用モータ426を駆動させ、板バネ429によってペン41を押し下げることにより、ペン41の先端部であるペン先413を爪Tの表面に近づけて接触させ、適正な筆圧を印加する。
なお、描画の際に、描画に伴って爪Tの高さが変化したときは、その都度ペン上下用モータ426のステップ数を増減してペン41の筆圧を調整し、筆圧が概ね一定になるように調整しながら描画を行う。ここで、ペン上下用モータ426のステップ数の増減による筆圧の調整は、爪Tの高さの変化が所定量(例えば、0.5mm)だけ変化する毎に行い、爪Tの高さの変化が所定量未満であるときには筆圧の調整を行わないが、このときには爪Tの形状に応じて板バネ429が撓み変形(弾性変形)することによって、ペン41が自動的に上下動するため、ペン41が爪Tに確実に当接すると同時に筆圧を適度な値に保つことができる。
なお、板バネ429のバネ定数はそれ程大きくなく、このバネ定数は、板バネ429による押圧力(外力)が爪Tにかかったときに爪Tに痛みなどを感じることがない程度の値に設定されている。また、描画を行う際には、板バネ429が適度に撓むことによりペン41の上下動による衝撃が吸収されるとともに、ペン先413に概ね一定の適度な筆圧がかかった状態を維持したままペン41が爪Tの高さに追従して上下動し、描画対象である爪Tの表面に所望のネイルデザインを綺麗に描画することができる。
また、ユニット支持部材44は、X方向移動ステージ45に取り付けられたX方向移動部451に固定されている。X方向移動部451は、X方向移動モータ46の駆動によりX方向移動ステージ45上を図示しないガイドに沿ってX方向に移動するようになっており、これにより、ユニット支持部材44に取り付けられている描画ヘッド43が、X方向(図1(a)におけるX方向、ネイルプリント装置1の方向)に移動するようになっている。
また、X方向移動ステージ45は、Y方向移動ステージ47のY方向移動部471に固定されている。Y方向移動部471は、Y方向移動モータ48の駆動によりY方向移動ステージ47上を図示しないガイドに沿ってY方向に移動するようになっており、これにより、ユニット支持部材44に取り付けられている描画ヘッド43が、Y方向(図1(b)におけるY方向、ネイルプリント装置1の奥行方向)に移動するようになっている。
なお、本実施形態において、X方向移動ステージ45及びY方向移動ステージ47は、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48と、図示しないボールネジ及びガイドとを組み合わせることで構成されている。
本実施形態では、X方向移動モータ46及びY方向移動モータ48等により、ペン41を備える描画ヘッド43をX方向及びY方向に駆動するXY駆動部としてのヘッド移動部49が構成されている。
描画部40におけるペン上下用モータ426、インクジェット描画部71、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48は、後述する制御装置80の描画制御部815(図6参照)に接続され、該描画制御部815によって制御されるようになっている。
また、撮影部50は、撮像装置51と、照明装置52とを備えている。
この撮影部50は、指受入部31内に挿入されて窓31eから見える印刷指U1の爪Tを照明装置52によって照明する。そして、撮像装置51によってその印刷指U1を撮影して、印刷指U1の爪Tの画像である爪画像(爪画像を含む指の画像)を得るものである。
本実施形態では、撮像装置51及び照明装置52は、描画部40の描画ヘッド43の側方(図1(a)において描画ヘッド43の左側)に固定配置されている。
すなわち、図4(a)に示すように、描画部40の描画ヘッド43は、上面の一端側(図4(a)において左側)に、側方に張り出す張出部401を有しており、この張出部401に基板53が取り付けられている。撮影部50を構成する撮像装置51及び照明装置52は、この基板53の下面に、隔壁116に対向するように設けられている。
なお、基板53の大きさや基板53に取り付けられている撮像装置51及び照明装置52の位置は特に限定されない。
撮像装置51は、例えば、200万画素程度以上の画素を有する固体撮像素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。
撮像装置51は、印刷指U1の爪Tの曲率等を検出するために、ヘッド移動部49による移動によって、少なくとも異なる2つの位置・角度から爪Tを撮影するように構成されている。これにより、少なくとも2枚の爪画像が取得され、これらの爪画像に基づいて、後述する爪情報検出部812が、爪Tの輪郭(爪Tの形状)や爪Tの湾曲形状(爪Tの曲率)、爪Tの垂直位置等の爪情報を検出する。
なお、本実施形態では、撮像装置51をヘッド移動部49によって指受入部31に挿入されている印刷指U1の爪Tの上方まで移動させて撮影することができるため、撮像装置51の撮影可能範囲は爪T1つ分の領域(例えば図5(a)における爪領域)をカバーすることができればよい。
照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。
照明装置52は、撮像装置51の手前側と奥側とに撮像装置51を挟むように2つ配置されている。照明装置52は、下方に向けて光を照射して、撮像装置51の下方の撮影範囲を照明する。
本実施形態では、照明装置52は、撮影対象(すなわち、爪Tや描画媒体61a)の表面で拡散反射を生じさせるための照明装置52aと、撮影対象(すなわち、描画媒体61a)の表面で正反射(鏡面反射)を生じさせるための照明装置52bとを含んでいる。
図5(a)から図5(c)は、撮像装置51と照明装置52a,52bとの位置関係と各照明装置52a,52bから照射された光及びその反射光を示す模式的な説明図である。なお、図5(a)から図5(c)において、実線は、照射装置52から照射された光及びその反射光を示し、一点鎖線は、照射装置52の光照射範囲を示し、破線は、撮像装置51の撮影可能範囲を示している。
照明装置52aは、爪Tを撮影する場合や、色描画用のペン41により第1種インクで描画された検査用図形taを撮影する場合に用いられる照明灯である。
図5(a)に示すように、照明装置52aは、撮像装置51からある程度の距離を離して配置されており、例えば爪Tのほぼ真上に撮像装置51を配置して爪Tを撮影する場合、照明装置52aは、撮像装置51の撮影可能範囲よりも広い範囲に光を照射可能となっている。照明装置52aから照射された光は、爪Tの端部を含んだ全面に入射して爪Tの表面等において拡散反射し、その反射光の一部(すなわち、拡散反射光のうち、撮像装置51の図示しないレンズの受光範囲に入る光)が撮像装置51(撮像装置51のレンズ)に入射する。
また、例えば検査用図形taのほぼ真上に撮像装置51を配置して描画媒体61aに描画された検査用図形taを撮影する場合、照明装置52aから照射された光は検査用図形taが描画された領域にも入射する。そして、検査用図形taの表面等で拡散反射し、この反射光の一部(すなわち、拡散反射光のうち、撮像装置51のレンズの受光範囲に入る光)は撮像装置51(撮像装置51の図示しないレンズ)に入射する。このため、撮影部50(撮像装置51)において、描画が行われた領域からの拡散反射光を捉えることにより、検査用図形taの画像(これを以下「検査対象画像Ta」という。)を取得することができる。
他方、照明装置52aは撮像装置51から離れた位置にあるため、図5(a)に示す配置では、図5(a)において太実線で示すように、検査用図形taに入射して正反射した反射光は、撮像装置51に入射しない。このため、照明装置52aから照射され検査用図形taに入射してその表面で正反射した正反射光を撮像装置51で捉えることはできない。
これに対して、照明装置52bは、第2種類の描画用具のペン41により透明インクや白インク等の第2種インクで描画された検査用図形taを撮影する場合に用いられる照明灯である。
図5(b)に示すように、照明装置52bは、撮像装置51の近傍に配置されている。本実施形態では、例えば検査用図形taを撮影する際に、描画ヘッド43を図5(b)における水平方向の矢印方向に移動させて、照明装置52bから検査用図形taに入射した光の入射角と検査用図形taの表面で反射する光の反射角とが反射面(ここでは検査用図形taが描画されている描画媒体61a)に対して同じ角度となる位置に撮像装置51と照明装置52bとが配置されるようにする。
なお、照明装置52bは撮像装置51の近傍位置にあるため、撮像装置51と照明装置52bとを上記位置に配置させるための移動距離は図5(b)に示すようにごく僅かで足りる。
このような位置に撮像装置51と照明装置52bとを配置することにより、照明装置52aから照射され検査用図形taに入射してその表面で正反射した正反射光が撮像装置51(撮像装置51のレンズ)に入射する。これにより、正反射光を撮像装置51で捉えることができる。
透明インクや白インク等の第2種インクによって白い紙等である描画媒体61aに描画が行われても、インクによって描画された部分と背景である描画媒体61aとの間にはほとんど色の差がない。このため、撮影部50において、描画が行われた領域からの拡散反射光を捉えることによっては検査用図形taの検査対象画像Taを取得することができない。
この点、ペン41による描画に用いられるインクは比較的乾きにくく、紙である描画媒体61aに描画された検査用図形taは、描画されてからしばらくの間(例えば20〜30秒程度の間)、その表面が濡れた状態となっている。
このため、インクが乾く前の検査用図形taの上方に、図5(b)に示すように正反射光を撮影可能な位置関係となるように撮像装置51及び照明装置42を配置して照明装置52bから検査用図形61aに向かって光を照射すると、検査用図形61aの表面に入射した光がその表面で正反射(鏡面反射)し、その正反射光が撮像装置51(撮像装置51のレンズ)に入射する。
ここで撮像装置51においてコントラストを見るためには光量の差が10倍程度あれば十分であるところ、正反射光は、拡散反射光と比較して100倍程度の光量の差がある。
このため、光が拡散反射する描画媒体61aの上に光が正反射する検査用図形ta(すなわち、インクが濡れている状態の検査用図形ta)が描画されている場合、検査用図形taが描画されている部分と描画されていない部分とでは十分なコントラストが得られる。そこで、撮影後に撮像装置51側で画像の明るさ等を中間程度に設定すれば、濡れたインクが塗布されていない描画媒体61a部分は黒くなり、インクの濡れている部分だけが白くなった画像を得ることができ、これを第2種インクで描画された検査用図形taを画像化した検査対象画像Taとすることができる。
なお、図5(c)に示すように、描画ヘッド43を図5(c)における水平方向の矢印方向に移動させて、照明装置52aから検査用図形taに入射した光の入射角と検査用図形taの表面で反射する光の反射角が反射面(ここでは検査用図形taが描画されている描画媒体61a)に対して同じ角度となる位置に撮像装置51と照明装置52aとが配置されるようにすれば、照明装置52aから照射され検査用図形taに入射してその表面で正反射した正反射光を撮像装置51で捉えることができる。このようにすれば別途正反射を生じさせるための照明装置52bを設ける必要がない。ただ、この場合、図5(b)に示す照明装置52bによって正反射を生じさせる場合と比較して検査用図形taを撮影する際の描画ヘッド43の移動量が大きくなるため、装置が大型化するおそれがある。このため、正反射を生じさせるための照明装置52bを、拡散反射を生じさせるための照明装置52aとは別に備えることが好ましい。
なお、照明装置52を設ける数や、その配置等は図示例に限定されない。
この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図6参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
撮影部50によって撮影された爪画像の画像データは、後述する記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。また、撮影部50によって撮影された検査対象画像Taの画像データは、後述する描画用具判定部813及び描画位置判定部814(図6参照)に送られる。
制御装置80は、例えば上部機枠12に配置された基板13等に設置されている。
図6は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、図6に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
記憶部82には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部82のROMには、指画像から爪Tの形状や爪Tの輪郭等の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、ペン41の種類を判定するための描画用具判定プログラム、描画位置を補正するための描画位置判定プログラム、描画データを生成するための描画データ生成プログラム、描画処理を行うための描画プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、撮影部50によって取得されたユーザの印刷指U1の爪Tの指画像を記憶する爪画像記憶領域821、爪情報検出部812によって検出された爪情報(爪Tの輪郭や爪Tの傾斜角度等)が記憶される爪情報記憶領域822、及び爪Tに描画されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域823が設けられている。
制御部81は、機能的に見た場合、撮影制御部811、爪情報検出部812、描画用具判定部813、描画位置判定部814、描画データ生成部815、表示制御部816、描画制御部817等を備えている。これら撮影制御部811、爪情報検出部812、描画用具判定部813、描画位置判定部814、描画データ生成部815、表示制御部816、描画制御部817等としての機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROMに記憶されたプログラムとの共働によって実現される。
撮影制御部811は、撮影部50の撮像装置51及び照明装置52を制御して撮像装置51により、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像を含む指画像を撮影させるものである。
本実施形態では、ヘッド移動部49を制御する描画制御部815によって撮像装置51を移動させ、撮影制御部811は、2つの異なる位置・角度(例えば、爪Tの真上と爪Tの斜め上方等)から少なくとも2枚の爪画像を取得させる。
撮影部50により取得された爪画像の画像データは、記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。
また、本実施形態では、試書部61に検査用図形taである「+」等の検査用図形が描画された場合に、撮影制御部811は、この検査用図形taを撮像装置51によって撮影させ、検査対象画像Taを取得させる。
前述のように、本実施形態では、第1種インクを描画するペン41と第2種インクを描画するペン41とで、検査用図形taの撮影に使用する照明装置52を切り替えるようになっている。
すなわち、第1種インクを描画するペン41がペンホルダ42に装着されたときは、撮影制御部811は、描画媒体61aにペン41によって第種インクで検査用図形taを描画したのち、撮像装置51から離れた位置に配置された照明装置52aを点灯させて、検査用図形taが描画された領域を含む描画媒体61aの表面を撮像装置51により撮影させる。照明装置52aから照射された光は、検査用図形ta及びこれを含む描画媒体61aの表面で拡散反射し、その拡散反射光が撮像装置51により捉えられる。これにより、第1種インクを描画するペン41により描画された検査用図形taの検査対象画像Taが取得される。
また、第2種インクを描画するペン41がペンホルダ42に装着されたときは、描画媒体61aにペン41によって第2種インクで検査用図形taを描画したのち、当該インクが乾く前に、撮影制御部811は、撮像装置51の近傍位置に配置された照明装置52bを点灯させて、検査用図形taが描画された領域を含む描画媒体61aの表面を撮像装置51により撮影させる。照明装置52bから照射された光は、描画媒体61aの表面で拡散反射するとともに、濡れたインクにより描画されている検査用図形taの表面で正反射(鏡面反射)する。描画媒体61aの表面からの拡散反射光及び検査用図形taの表面からの正反射光は撮像装置51により捉えられる。そして、拡散反射光の部分は黒く、正反射光の部分は白くなるように、撮像装置51側の明るさ設定等を調整することにより、第2種インクによる検査用図形taの描画部分のみが白く表現された検査用図形taの検査対象画像Taが取得される。
なお、前述のように、本実施形態では、描画ヘッド43に1つのペンホルダ42が設けられており、ペンホルダ42に装着するペン41を適宜入れ替えて各種のインクを用いたネイルデザインを爪Tの上に描画する。検査対象画像Taの取得は、各ペン41における爪Tへの描画の直前に行うことが好ましく、例えばペン41がペンホルダ42に装着されて、爪Tへの描画を開始する前に、試書部61において慣らし書き及び試書きを行い、描画媒体61aに描画された検査用図形taの撮影を行うようにする。
爪情報検出部812は、撮像装置51によって撮影された指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像に基づいて、印刷指U1の爪Tについての爪情報を検出するものである。
ここで、爪情報とは、例えば、爪Tの輪郭(爪形状、爪Tの水平位置のXY座標等)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)、爪Tの表面の、XY平面に対する傾斜角度(爪Tの傾斜角度、爪曲率)である。
爪情報検出部812は、異なる位置・角度(例えば、爪Tの真上と爪Tの斜め上方等)から撮影された複数の爪画像を用いて爪情報の検出を行うことにより、爪Tの曲率等についても正確に検出することができる。
描画用具判定部813は、撮影部50によって撮影された検査対象画像Taからペンホルダ42に装着されている描画用具であるペン41の種類を特定するとともに、当該ペン41の種類が、描画対象面である爪Tに描画するようにユーザにより選択されている特定の絵柄(ネイルデザイン)を描画するのに必要な種類を含んでいるか否かを判定する。
具体的には、描画用具判定部813は、検査対象画像Taの画像を分析し、検査対象画像Taのあるべき位置に何も描画されていない場合には、描画用具判定部813は、ペンホルダ42にペン41が装着されていないか又は装着されていてもインクが出ない状態であり描画に使用できないものと判定する。また、検査対象画像Taのあるべき位置に「+」等の図形(検査用図形ta)が描画されている場合には、描画用具判定部813は、当該「+」等の検査用図形からペン41の種類(例えば当該ペン41が第1種インクを描画するものであるか、第2種インクを描画するものであるか、第1種インクを描画するペンである場合には当該ペン41で描画できる色等)を判断する。なお、描画用具判定部813が判断するペン41の種類は色に限定されず、ペン41で描かれた線の太さ等もペン41の種類として判断してもよい。
例えば、爪Tに描画される特定の絵柄として選択されているネイルデザインが、赤色のインクとピンク色のインクとトップコート用の透明インクとを使って描かれるものである場合であり、まず赤色又はピンク色のインクを用いて描画を行い、最後に透明インクを塗布するデザインである場合、検査対象画像Taの画像の分析の結果、ペン41によって描画されたインクが水色のインクであると判断した場合には、描画用具判定部813は、ペン41の種類が適切でない(すなわち、当該特定の絵柄の描画に必要な種類ではない)と判定する。
また、描画用具判定部813は、ペンホルダ42に保持されているペン41が描画の手順に応じて適切であるか否かを判断するようになっており、例えば、上記のようにまず赤色又はピンク色のインクを用いて描画を行い、最後に透明インクを塗布する描画手順である場合に、赤色又はピンク色のインクを用いた描画を行う前にペンホルダ42に透明インクを描画するペン41が保持されている場合には、ペン41の種類が適切ではないと判定する。
なお、描画用具判定部813によってペンホルダ42に装着されているペン41が絵柄に対応していないと判断された場合には、表示部26にその旨等が表示されることが好ましい。
描画位置判定部814は、撮影部50によって撮影された検査対象画像Taに基づいて、描画用具であるペン41の描画位置が本来あるべき位置(正規の描画位置)からずれているか否かを判定する。そして、描画位置がずれていると判定した場合には、描画位置を正規の描画位置に補正するための補正値を算出する。算出された補正値は、描画データ生成部815に送られ、描画データ生成部815は当該補正値によって画像データの補正を行う。
図3(c)は、ペン41の位置ずれの例を示した説明図である。図3(c)において、太線は、試書部61に載置される描画媒体61aに実際にペン41で描画された検査用図形の画像(検査対象画像)の一例を示している。細線は当該ペン41で描画した場合に検査用図形が本来描画されるべき描画位置を示しており、描画媒体61aに実際に描画されているものではなく、描画位置判定部814によるデータ処理上で生成されている、仮想上のものである。
図3(c)に示す例では、左上の検査対象画像「+」は、本来あるべき正規の描画位置からX方向に−1ドット,Y方向に−1ドットずれており(X=−1,Y=−1)、この場合、描画位置処理部814は、描画の際に、この分だけ当該ペン41の描画位置をずらすように(すなわち、X方向に+1ドット,Y方向に+1ドット)、補正値を算出する。また、右上の検査対象画像「+」は、本来あるべき正規の描画位置からX方向に+1ドットずれており、Y方向にはずれていない(X=+1,Y2=0)。この場合、描画位置判定部814は、描画の際に、X方向のみ当該ペン41の描画位置をずらすように(すなわち、X方向に−1ドット,Y方向には補正量0)、補正値を算出する。また、左下の検査対象画像「+」は、本来あるべき正規の描画位置からX方向にはずれがなく、Y方向に−2ドットずれており(X=0,Y=−2)、この場合、描画位置判定部814は、描画の際に、この分だけ当該ペン41の描画位置をずらすように(すなわち、X方向には補正量0,Y方向に+2)、補正値を算出する。同様に、右下の検査対象画像「+」は、本来あるべき正規の描画位置からX方向に1ドット,Y方向に1ドットずれており(X=1,Y=1)、この場合、描画位置判定部814は、描画の際に、この分だけ当該ペン41の描画位置をずらすように(すなわち、X方向に−1ドット,Y方向に−1ドット)、補正値を算出する。
なお、ペン41がペン先713の太い種類であって、描画された検査用図形の線が太い場合には、線の中心を抽出する細線化処理を行い、この線の中心位置を基準としてずれ量を検出し、補正値の算出を行う。
描画データ生成部815は、爪情報検出部812により検出された爪情報に基づいて、描画ヘッド43により印刷指U1の爪Tに施される描画用のデータを生成する。
具体的には、描画データ生成部815は、爪情報検出部812により検出された爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等による合せ込み処理を行い、爪Tに描画を施すためのデータを生成する。
また、本実施形態では、描画データ生成部815は、爪情報検出部812により検出された爪情報に応じて、ネイルデザインの画像データを爪Tの形状に合わせ込み、適宜曲面補正等を行う。
さらに、描画位置判定部814によって、ペン41の描画位置について補正値が算出された場合には、当該補正値を画像データに反映させる。
これにより、ペン41やインクジェット描画部71によって描画されるネイルデザインの描画用のデータが生成される。
表示制御部816は、表示部26を制御して表示部26に各種の表示画面を表示させるものである。本実施形態では、表示制御部816は、例えばネイルデザインの選択画面やデザイン確認用のサムネイル画像、印刷指U1を撮影して取得した指画像、各種の指示画面等を表示部26に表示させるようになっている。
また本実施形態では、描画用具判定部813によって、ペンホルダ42に装着されているペン41が絵柄(ネイルデザイン)に対応していない、又は描画手順に照らして適切なものでないと判断された場合に、表示制御部816は、表示部26にその旨を表示させて、ユーザに報知させる。この場合、表示部26は、報知手段として機能する。
また、この場合に、表示制御部816は、現状のままのペン41で描画を行った場合の絵柄(ネイルデザイン)の仕上がりイメージを表示部26に表示させてもよい。この場合、表示部26はイメージ表示手段として機能する。
例えば、絵柄(ネイルデザイン)にピンク色のインクを塗るべき個所があるが、ピンク色のインクを描画するペン41がない場合、ピンク色のインクを塗るべき個所に現状ペンホルダ42に装着されているペン41により描画可能なインク(例えば水色のインク)を塗布した場合のイメージを表示部26に表示させる。
なお、このとき、このまま描画処理を開始するか否かをユーザに確認するメッセージ等をともに表示させてもよい。
さらに、描画用具判定部813によって、ペンホルダ42に装着されているペン41が絵柄に対応していないと判断された場合に、表示制御部816は、現在ペンホルダ42に装着されているペン41の種類に対応する絵柄の候補を表示部26に表示させてもよい。
描画制御部817は、描画データ生成部815によって生成された描画データに基づいて描画部40に制御信号を出力し、爪Tに対してこの描画データにしたがった描画を施すように描画部40のインクジェット描画部71、ペン上下用モータ426、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48を制御する制御部である。
また、本実施形態では、描画制御部817は、ペン41を取り換えた際や、しばらくの間使用していなかった装置を動作させる場合等に、試書部61において、ペン41の試し書きや慣らし書きを行う。試し書きや慣らし書きを行うタイミングは特に限定されないが、できるだけ描画動作を開始する直前に行うことが好ましい。
次に、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作及び使用方法について説明する。
なお、以下では、ペン41により描画を行う場合を中心に描画方法を説明する。
このネイルプリント装置1により描画を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置80を起動させる(ステップS1)。
表示制御部814は、表示部26にデザイン選択画面を表示させる(ステップS2)。ユーザは操作部25の操作釦等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望の絵柄(ネイルデザイン)を選択し、これにより、操作部25から選択指示信号が出力されて爪Tに描画すべき絵柄(ネイルデザイン)が選択される(ステップS3)。
ネイルデザインが選択されると、制御部81は、当該選択されたネイルデザインを描画するのに必要なペン41を描画ヘッド43のペンホルダ42にセットするよう促す指示画面を表示部26に表示させる(ステップS4)。
ユーザはペン41のセットが完了すると、操作部25の操作釦におけるセット完了釦を操作する。これにより、操作部25からセット完了信号が出力される。
制御部81は、セット完了信号が出力されたか否かを判断し(ステップS5)、信号が出力されていない場合(ステップS5;NO)にはこの判断を繰り返す。他方、セット完了信号が出力された場合(ステップS5;YES)には、描画制御部815は、爪Tへの描画開始前に、描画部40を試書部61に移動させて、ペン41を保持するペンホルダ42のペン上下用モータ426を駆動させ、ペン41を押し下げて描画可能状態とする。そして、描画媒体61aに「○」や「∞」等の所定の図形を描く慣らし書きを行う(ステップS6)。
次に、描画制御部815は、試書部61の描画媒体61a上であって、描画されていない箇所に「+」等の所定の検査用図形を描く試し書きを行う(ステップS7)。
また、制御部81は、ペンホルダ42にセットされているペン41が第1種インクを描画するペン41か否かを判断する(ステップS8)。具体的には、例えば、ステップS4においてペンホルダ42にセットするよう指示したペン41が第1種インクを描画するペン41であれば第1種インクを描画するペン41がセットされているものと判断する。
そして、第1種インクを描画するペン41がセットされていると判断する場合(ステップS8;YES)には、撮影制御部811は、撮影部50を動作させて拡散反射光を捉えることにより検査対象画像Taを取得させる(ステップS9)。すなわち、撮影部50の撮像装置51を、ペン41の試し書きを行った領域の上方に移動させ、拡散反射光を生じさせるための照明装置52aを点灯させて、試し書きされた検査用図形ta(すなわち、「+」等の図形)を照明し、撮影部50によって撮影して、検査対象画像Taを取得させる。他方、透明インク等の第2種インクを描画するペン41がセットされていると判断する場合(ステップS8;NO)には、撮影制御部811は、撮影部50を動作させて正反射光を捉えることにより検査対象画像Taを取得させる(ステップS10)。すなわち、撮影部50の撮像装置51を、試し書きを行った領域の上方であって試し書きされた検査用図形ta(すなわち、「+」等の図形)に照明装置52bからの光が照射された際に撮像装置51に正反射光が入射する位置に移動させる。そして、正反射光を生じさせるための照明装置52bを点灯させて、検査用図形ta(すなわち、「+」等の図形)を照明し、撮影部50によって撮影を行い、検査対象画像Taを取得させる。
撮影部50により撮影された検査対象画像Taは描画用具判定部813に送られ、描画用具判定部813は、検査対象画像Taから、ペンホルダ42に装着されたペン41によって描画されるはずの部分の画像を解析する(ステップS11)。当該部分に何も描画されていない場合には、描画用具判定部813は、ペンホルダ42にペン41が装着されていないか装着されていてもインクがない等により描画できない状態にあると判断する。なお、第1種インクを描画するペン41がセットされているはずである場合(ステップS8;YES)に、ユーザが第2種インクを描画するペン41をセットしている場合には、拡散反射光を用いた撮影によっては検査対象画像Taを得ることができない。この場合にも描画用具判定部813は、ペン41が装着されていないか描画できない状態にあると判断する。また、当該部分に「+」等の検査用図形が描画されている場合には、描画用具判定部813は、当該画像から「+」等の検査用図形の色等、ペン41の種類を判定する(ステップS12)。
そして、描画用具判定部813は、ペンホルダ42に装着されているペン41が、爪Tに描画するものとして適切なものであるか否か、すなわち、選択された特定の絵柄(ネイルデザイン)の描画に必要なペン41であるか否かや、描画の手順に照らして適切なペン41であるか否かを判定し(ステップS13)、適切なペン41ではないと描画用具判定部813が判断した場合(ステップS13;NO)には、表示制御部816が表示部26を制御して、その旨を報知する報知画面を表示させたり、現状のままのペン41で描画を行った場合のイメージを表示させたり、現状においてペンホルダ42に装着されているペン41で描画することのできるネイルデザインの候補を表示させ(ステップS14)、ユーザに描画処理を続行するか否かの確認を促す。ユーザは、現状のままのペン41で描画を行う場合には、操作部25等から描画処理を続行する指示を入力する。制御部81は、描画処理を続行する指示が入力されたか否かを判断し(ステップS15)、指示が入力されない場合や描画処理を中止する指示が入力された場合(ステップS15;NO)には、当該描画処理を中止させる。この場合、ユーザはペンホルダ42に装着されているペン41を選択した絵柄や描画手順に適合したペン41に交換する等した上で再度描画開始スイッチを操作する。これにより、ステップS1から再度描画処理が開始される。
他方、ペンホルダ42に装着されているペン41が、選択された特定の絵柄(ネイルデザイン)を爪Tに描画するものとして適切なものであると判定された場合(ステップS13;YES)、及び現状のままのペン41で描画処理を続行する指示が入力された場合(ステップS15;YES)には、描画位置判定部814が、検査対象画像Taから、「+」等の検査用図形の描画された位置と、当該「+」が本来描画されるべき位置とにずれがあるか否かを判定し(ステップS16)、位置ずれがある場合(ステップS16;YES)には、これを補正する補正値を算出する(ステップS17)。
次に、ユーザは、印刷指U1を指受入部31に挿入し、非印刷指U2を指退避部32に挿入して、印刷指U1を固定した上で、指固定完了スイッチを操作する。
例えば、左手の薬指を印刷指U1として指受入部31に挿入した場合には、その他の指を非印刷指U2として指退避部32に挿入する。
指固定完了スイッチが操作され、印刷指U1のセットが完了した旨の信号が入力されると(ステップS18)、描画動作を開始する前に、まず撮影制御部811が撮影部50を制御して、照明装置52により印刷指U1を照明しながら撮像装置51により印刷指U1を撮影させる。これにより、撮影制御部811は、指受入部31に挿入された印刷指U1の指画像を少なくとも2つ取得する(ステップS19)。
次に、爪情報検出部812は、指画像に基づいて爪Tの輪郭(爪形状)や爪Tの高さ、傾斜角度(爪曲率)等の爪情報を検出する(ステップS20)。
爪情報検出部812により爪Tの輪郭(爪形状)や爪Tの傾斜角度(爪曲率)が検出されると、これらの爪情報に基づいて、描画データ生成部813が、ネイルデザインの画像データの爪Tへの合せ込み処理を行う(ステップS21)。
また、描画データ生成部813は、画像データの補正を行う(ステップS22)。具体的には、描画データ生成部813は、爪情報に基づいて、ネイルデザインの画像データにつき曲面補正を行う。さらに、描画位置判定部814によって補正値が算出されている場合には、この補正値を画像データに反映させる。これにより描画データ(描画用の画像データ)が生成される。
描画データが生成されると、描画制御部815は、描画データに基づいて描画部40に制御信号を出力し、この描画データに基づいて描画ヘッド43による描画を行わせる(ステップS23)。
具体的には、まず、描画制御部815は、ヘッド移動部49を動作させて描画ヘッド43をXY方向に適宜移動させて、描画位置(爪Tの上方)まで移動させる。そして、描画制御部815は、爪情報における爪Tの高さの、爪Tの輪郭内の分布に基づいて、ペン先713が爪Tに当接する当接位置の高さを認識し、その高さに応じたステップ数でペン上下用モータ426を駆動させる。これにより、ペン41が下方に押し下げられ、ペン41のペン先713が爪Tの表面に押し当てられる。このとき、ペン先713は、板バネ429により適度な押圧力で下方向に付勢され、爪Tの表面形状に追従して上下動しながら爪Tの表面に描画を行う。
なお、複数の指の爪Tに描画を施す場合には、1つの指の爪Tについて描画処理が終了した後、当該描画済みの爪Tの指を指受入部31から抜いて次に描画すべき爪Tの指を印刷指U1として指受入部31に挿入し、当該爪Tの指画像を取得して、上記の処理を繰り返す。
なお、ペン41やインクジェット描画部71を交換する場合には、描画制御部815は、描画ヘッド43をペン交換用蓋部23に対応する位置まで移動させる。この状態でユーザがペン交換用蓋部23を開けることにより、ペン41やインクジェット描画部71の取り出し、交換が可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、試書部61に描画された検査用図形taを撮影した検査対象画像Taに基づいて、ペン41による描画位置にずれがないかを判定する。そして、位置ずれがあると判断される場合には、これを補正する補正値が算出される。このため、位置ずれの判定に新たな部材や機構を搭載する必要がない。そして、位置ずれがある場合には算出された補正値に基づく補正を行い、適切な位置に描画することができる。このため、位置ずれを防止するための機械的な機構を装置側に備えることなく、簡易かつ安価な手法により、位置ずれのない高精度の描画を実現することができる。
そして、第1種インクを描画するペン41については撮像装置51にて拡散反射光を捉えることにより検査対象画像Taを取得し、第2種インクを描画するペン41については撮像装置51にて正反射光を捉えることにより検査対象画像Taを取得する。このように、ペン41により描画されるインクによって拡散反射光による撮影と正反射光による撮影とを使い分けることにより、第1種インクにより描画された検査用図形taのみならず、紙等(描画媒体61a)の上に透明インクや白インク等の第2種インクで描画された検査用図形taのように、拡散反射光では画像として捉えることが難しいものについても検査対象画像Taを得ることができる。このため、第2種インクを描画するペン41についても描画位置にずれがないかを正確に判断することができる。これにより、第2種インクで描画されるアンダーコートやトップコート等についても塗り残しやはみ出し等のない高精細な描画を行うことができる。
また、本実施形態では、試書部61に描画された検査用図形を撮像装置51で撮影した検査対象画像Taを解析することによって、ペンホルダ42に装着されているペン41の種類を判定する。このため、ペン41の種類をユーザが管理しなくても装置側で自動的に判定することができる。
また、ペン41の種類の判定は、試し書きされた「+」等の図形(検査用図形ta)を撮影して画像解析することにより行われるため、ペン41の種類を判定するために別途センサ等を設ける必要がなく、装置構成が簡易になるとともに、装置コストを低く抑えることが可能である。
また、ペン41の側にも識別用のバーコード等を貼付する必要等がなく、ペン41の製造コストを低く抑えることもできる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、1本のペン41を保持するペンホルダ42を1つ設けるとともに、必要に応じて適宜ユーザが手動でペン41を交換する場合を例示したが、ペン41を交換する手法はこれに限定されない。
例えば、描画ヘッド43に装着されるペン41を自動で交換する機構を実装してもよい。この場合には、例えば複数のペン41をホームポジションの近傍等に設けた待機スペースに保持しておき、ここから自動でペン41を選択して描画ヘッド43に装着する。このような構成とすれば、ユーザの手を煩わせずにペン41の交換を行うことができ、複数種類のペン41を用いた描画を簡易に行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、描画ヘッド43が、1本のペン41を保持するペンホルダ42を1つ備えている例を示したが、描画ヘッド43に設けられるペンホルダ42は1つに限定されず、2つ以上設けられていてもよい。
また、例えば、図8に示すように、描画ヘッドは、それぞれ1本のペン90を収容するペンホルダ91を複数備える回転式の描画ヘッド92でもよい。
この場合には、描画ヘッド92の上にペン90を押し下げることが可能なソレノイド93を設け、ソレノイド93によってペン90を押し下げるとともに、ペン90の内部等に設けた図示しないバネの反発力によりペン90が上下動する構成としてもよい。
なお、例えば図8に示すように描画ヘッド92が複数のペンホルダ91を備え、複数のペン90を保持可能となっている場合には、複数のペンホルダ91に装着されている複数のペン90によって、順次試書きを行い、描画媒体61aに複数の検査用図形ta(すなわち、「+」等の図形)を描画するが、撮影制御部811は、これらの検査用図形taを撮像装置51によって1度の撮影で撮影させ、1つの検査対象画像Taを取得するようにすると効率が良く好ましい。
なお、複数のペンホルダ91に、第1種インクを描画するペン41と第2種インクを描画するペン41とが混在している場合には、第1種インクで描画された検査用図形taの検査対象画像Taを得るための拡散反射光による撮影と、第2種インクで描画された検査用図形taの検査対象画像Taを得るための正反射光による撮影とを1回ずつ行うようにする。
なお、全ての検査用図形taを1枚の画像に収めることは必須ではなく、例えば順次各ペンホルダ91に装着されている複数のペン90によって検査用図形taの描画を行い、当該描画毎に1回撮影して複数の検査対象画像Taを取得してもよい。
また、描画ヘッドが複数のペンホルダを備えている場合には、描画用具判定部813は、検査対象画像Taからペンの種類を特定すると、当該ペンの種類をペンホルダ(ペンホルダの位置等)と対応付けて記憶部82等に記憶させておく。
また、描画用具判定部813は、ペン41が絵柄を描画するのに適しているか否かを判断する際、描画ヘッドに設けられている全てのペンホルダに保持されているペンについて判定を行う。そして、絵柄を描画するのに必要な全てのペンがいずれかのペンホルダに装着されていれば、それ以外のペンが混ざっていても、描画用具判定部813は、ペンが絵柄を描画するのに対応していると判断する。
また、本実施形態では、描画の手順に照らして不適切なペンが装着されている場合にもペンが描画を行うのに適切なものでないと判断するものとしたが、描画ヘッドが複数のペンホルダを備え、いずれかのペンホルダに絵柄を描画するのに必要な全てのペンが装着されていれば、描画の手順は描画制御部817により制御可能である。このため、このような場合、描画用具判定部813はペンが絵柄を描画するのに対応していると判断する。
また、本実施形態では、描画ヘッド43がペン41として第1種インクによって描画を行うペン41と透明又は白色の第2種インクによって描画を行うペン41とを備える場合を例示したが、この両方を備えることは必須ではなく、例えば、第2種インクによって描画を行うペン41のみを備え、アンダーコートやトップコートを行う専用の装置に本発明を適用してもよい。
この場合には、検査用図形taを撮影する際には常に正反射光を生じさせるための照射装置52を用いて検査用図形taを照明し、濡れた第2種インクで描画されている検査用図形taによって正反射した正反射光を撮像装置51で捉えることにより検査対象画像Taを取得する。
この場合にも、拡散反射光では捉えることのできない描画媒体61a上に描画された検査用図形taの検査対象画像Taを取得することができ、透明又は白色の第2種インクを描画するペン41の描画位置ずれを正確に検出することが可能となる。
また、本実施形態では、ペン上下用モータ426を用いて板バネ429を動作させることによりペン41を押し下げる構成としたが、ペン41を上下動させる構成はこれに限定されない。
さらに、上記実施形態では、撮像装置51及び照明装置52を備える撮影部50が描画ヘッド43の側方に固定配置され、描画ヘッド43とともに移動する場合を例示したが、撮影部は描画ヘッド43に固定されているものに限定されない。
例えば、描画ヘッド43を移動させる機構とは別に撮影部を移動させる移動機構を別途設けてもよい。
また、上記実施形態では、ペン41とインクジェット描画部71との両方を備えるインクジェット方式とプロッタ方式とのハイブリットタイプのネイルプリント装置1に対して本発明の構成を適用した場合を例示して説明したが、本発明の構成を適用可能なネイルプリント装置はこれに限定されない。
例えば、ペン41のみを有するプロッタ方式の描画ヘッド43を備えるネイルプリント装置に対しても本発明の構成を適用可能である。
また、本実施形態では、慣らし書きと試し書きを分けてそれぞれ別個に描画する場合を例示したが、慣らし書きとして描画した図形を撮影して描画用具の種類の判定や描画位置の判定、補正値の算出に用いてもよい。
この場合、慣らし書きとして「+」等の図形を描画する。各線をある程度長く引くことにより、書き始めが多少かすれたとしても、図形の描画が可能となる。この場合には、慣らし書きと試し書きを1回の描画で行うことができ、時間の短縮ができるとともに、インクの消費量を最小限度に抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、試し書きで描画した検査用図形を撮影した検査対象画像に基づいて描画用具であるペン41の種類の判定や描画位置の判定、補正値の算出を行うものとしたが、描画用具であるペン41の種類の判定と描画位置の判定、補正値の算出とはそれぞれ別の画像に基づいて行うとしてもよい。この場合には、それぞれの判定により適した画像を描画させることで、より正確な判定が可能になる。
また、本実施形態では描画用具であるペン41の種類の判定と描画位置の判定、補正値の算出の両方を行うものとしたが、両方を行うことは必須ではなく、いずれか一方のみを行うものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、描画用具であるペン41の慣らし書き及び試し書き用に紙片である描画媒体を用いる場合を例示したが、描画媒体は紙に限定されない。ペン41による描画が可能なものであればよい。また、描画媒体はロール状のものを用いてもよい。この場合には、自動又は手動により描画媒体を送り出すとともに巻き取る媒体送り機構を設ける。また、描画媒体はロール状のものである場合には、媒体挿出口24に代えてロール状の描画媒体を着脱するための媒体着脱口を設ける。
なお、この場合にも、描画媒体としては光を拡散反射させるものを適用し、正反射光によって捉えることのできる濡れた状態の第2種インクで描画された検査用図形taとの関係で十分なコントラストを得られるようにする。
また、上記各実施形態では、描画データ生成部815が、ネイルデザインの画像データについて曲面補正を行い、描画データを生成する場合を例としたが、描画データ生成部815が描画データを生成することは本発明の必須の構成要素ではない。例えば、描画データを別途生成せずに、描画制御部817おいて、ネイルデザインの画像データをLUT(Lookup Table)等により適宜変換しつつ描画ヘッドに出力して爪形状に合った描画を行うように描画制御を行ってもよい。
また、上記各実施形態では、爪情報として爪Tの形状を検出し、これに基づいて描画データを生成する場合を例としたが、爪形状を検出することは本発明の必須の構成要素ではない。例えば、爪Tの中程にワンポイント柄を描画する場合のように、描画を行う上で爪Tの輪郭を抽出することが必須でない場合であれば、正確に爪Tの形状を認識する必要はなく、爪形状の検出を行うことなく描画を行うことができる。
また、撮影部の撮像装置51は、静止画を撮影する撮像装置51に限定されず、動画を撮影可能なものであってもよい。この場合、撮像装置によって動画を撮影し、撮影された動画から、爪Tの上面の画像を適宜切り出して、爪情報の検出に用いる。
また、上記各実施形態では、指を1本ずつ装置に挿入して、挿入された1本の指の爪に描画を行うネイルプリント装置1を例としたが、例えば、複数本の指を装置に同時に挿入して、挿入された複数本の指の爪に対して連続的に印刷を行うことのできる装置に本発明を適用することも可能である。
例えば、ペン41の稼動範囲を広げて描画可能範囲を大きくすることにより、複数の印刷指U1に連続的に描画を施すことも可能となる。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
少なくとも1つの描画用具が装着される描画ヘッドと、
前記描画用具により描画対象物に描画された検査用図形を撮影して、検査対象画像を取得する撮影部と、
を備え、
前記描画用具は、透明でなく白色以外の色材を含む第1種インクによって描画を行う第1描画用具、及び、透明又は白色の第2種インクによって描画を行う第2描画用具であり、
前記撮影部は、
前記第1種インクにより描画された前記検査用図形については、前記描画が行われた領域からの拡散反射光により前記検査対象画像を取得し、
前記第2種インクにより描画された前記検査用図形については、前記描画が行われた領域からの正反射光により前記検査対象画像を取得することを特徴とする描画装置。
<請求項2>
前記撮影部の位置を移動させる移動部を有し、
前記移動部は、
前記第1種インクにより描画された前記検査用図形の前記検査対象画像を取得するときには、前記撮影部を、前記拡散反射光を捉える第1位置に移動させ、
前記第2種インクにより描画された前記検査用図形の前記検査対象画像を取得するときには、前記撮影部を、前記正反射光を捉える、前記第1位置と異なる第2位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
<請求項3>
前記撮影部により取得された前記検査対象画像から、前記描画用具による描画位置が本来あるべき正規の描画位置からずれているか否かを判定する描画位置判定部を備え、
前記描画位置判定部は、前記描画位置がずれていると判定したときに、前記描画位置を前記正規の描画位置に補正するための補正値を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の描画装置。
<請求項4>
前記検査対象画像から、使用者により選択された特定のデザイン画像を前記描画対象面に描画するのに必要な特定の描画用具が前記描画ヘッドに装着されているか否かを判定する描画用具判定部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項5>
少なくとも1つの描画用具が装着される描画ヘッドと、
前記描画用具により描画対象物に描画された検査用図形を撮影して、検査対象画像を取得する撮影部と、
を備え、
前記描画用具は、透明又は白色の特定のインクによって描画を行う描画用具を含んでおり、
前記撮影部は、前記特定のインクにより描画された前記検査用図形については、前記描画が行われた領域からの正反射光により前記検査対象画像を取得することを特徴とする描画装置。
<請求項6>
描画装置の描画制御方法であって、
前記描画装置は、少なくとも1つの描画用具が装着され、前記描画用具は、透明でなく白色以外の色材を含む第1種インクによって描画を行う第1描画用具、及び、透明又は白色の第2種インクによって描画を行う第2描画用具である、描画ヘッドを備え、
前記描画用具により描画対象物に検査用図形の描画を行う工程と、
前記描画対象物に描画された前記検査用図形を撮影部により撮影して、検査対象画像を取得する工程と、
を含み、
前記検査対象画像を取得する工程において、
前記第1種インクにより描画された前記検査用図形については、前記描画が行われた領域からの拡散反射光により前記検査対象画像を取得し、
前記第2種インクにより描画された前記検査用図形については、前記描画が行われた領域からの正反射光により前記検査対象画像を取得することを特徴とする描画装置の描画方法。
<請求項7>
前記第1種インクにより描画された前記検査用図形の前記検査対象画像を取得するときには、前記撮影部を、前記描画が行われた領域からの拡散反射光を捉える第1位置に移動させ、前記第2種インクにより描画された前記検査用図形の前記検査対象画像を取得するときには、前記撮影部を、前記描画が行われた領域からの正反射光を捉える、前記第1位置と異なる第2位置に移動させる工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の描画装置の描画方法。
<請求項8>
前記検査対象画像から、前記描画用具による描画位置が本来あるべき正規の描画位置からずれているか否かを判定する工程を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の描画装置の描画方法。
<請求項9>
前記検査対象画像から、使用者により選択された特定のデザイン画像を前記描画対象面に描画するのに必要な特定の描画用具が前記描画ヘッドに装着されているか否かをさらに判定する工程を含むことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の描画装置の描画方法。
<請求項10>
描画装置の描画制御方法であって、
前記描画装置は、少なくとも1つの描画用具が装着され、前記描画用具は、透明又は白色の特定のインクによって描画を行う描画用具を含んでいる、描画ヘッドを備え、
前記描画用具により描画対象物に検査用図形の描画を行う工程と、
前記描画対象物に描画された前記検査用図形を撮影部により撮影して、検査対象画像を取得する工程と、
を含み、
前記検査対象画像を取得する工程において、前記特定のインクにより描画された前記検査用図形については、前記描画が行われた領域からの正反射光により前記検査対象画像を取得することを特徴とする描画装置の描画方法。
1 ネイルプリント装置
31 指受入部
40 描画部
41 ペン
42 ペンホルダ
43 描画ヘッド
49 ヘッド移動部
50 撮影部
51 撮像装置
52 照明装置
61 試書部
71 インクジェット描画部
81 制御部
82 記憶部
426 ペン上下用モータ
T 爪
U1 印刷指

Claims (17)

  1. 紙である描画対象物への検査用図形の描画並びに爪へのネイルデザインの描画を施す少なくとも1つの描画用具が装着される描画ヘッドと、
    前記描画用具により前記描画が施された前記検査用図形を撮影して、前記検査用図形を含む検査対象画像を取得する撮影部と、
    前記撮影部により取得された前記検査対象画像から、前記検査用図形の描画位置が、前記描画対象物において前記検査用図形が本来前記描画されるべき正規の描画位置からずれているか否かを判定する描画位置判定部と、
    前記描画が施された前記検査用図形を含む領域に光を照射する少なくとも一つの光源を有する照明装置と、
    を備え、
    前記描画用具は、透明でなく白色以外の色材を有する第1種インクによって前記描画を施す第1種類の描画用具と、透明又は白色の第2種インクによって前記描画を施す第2種類の描画用具と、を含み、
    前記撮影部は、
    前記第2種類の描画用具により前記検査用図形の前記描画が施された場合に、前記光源から照射された光が前記描画対象物における前記検査用図形で正反射した正反射光により照らされた前記検査用図形を撮影することにより、前記検査対象画像を取得することを特徴とするネイルプリント装置。
  2. 前記撮影部は、前記第2種類の描画用具により前記検査用図形の前記描画が施された場合に、前記描画が施された直後から前記描画に使用された前記第2種インクの乾燥が終了するまでの間に、前記検査対象画像を取得することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
  3. 前記第1種類の描画用具により前記検査用図形の前記描画が施された場合に、前記撮影部は、前記光源から照射された光が前記描画対象物における前記検査用図形を含む領域で拡散反射した拡散反射光により照らされた前記検査用図形を撮影することにより、前記検査対象画像を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置。
  4. 前記撮影部の位置を移動させる移動部を有し、
    前記移動部は、
    前記第1種類の描画用具により前記描画が施された前記検査用図形を含む前記検査対象画像を取得するときには、前記拡散反射光が前記撮影部に入射し、前記正反射光が前記撮影部に入射しない位置に前記撮影部を移動させ、
    前記第2種類の描画用具により前記描画が施された前記検査用図形を含む前記検査対象画像を取得するときには、前記正反射光が前記撮影部に入射する位置に前記撮影部を移動させることを特徴とする請求項3に記載のネイルプリント装置。
  5. 前記照明装置における前記光源は、前記撮影部に対して一定の距離だけ離れた位置に設けられて、前記移動部により前記撮影部と一体に移動することを特徴とする請求項4に記載のネイルプリント装置。
  6. 前記照明装置は、前記光源として、第1の光源と第2の光源と、を有し、
    前記第1の光源は、前記第1の光源から照射されて、前記拡散反射光が前記撮影部に入射する位置に配置され、
    前記第2の光源は、前記第2の光源から照射されて、前記正反射光が前記撮影部に入射する位置に配置されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のネイルプリント装置。
  7. 前記描画位置判定部は、前記描画用具により前記描画が施された前記検査用図形の前記描画位置がずれていると判定したときに、前記描画位置を前記正規の描画位置に補正するための補正値を算出することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
  8. 前記描画ヘッドに装着されている前記描画用具を判定する描画用具判定部を備え、
    前記描画用具判定部は、使用者により選択された特定のデザイン画像を描画対象面に描画するのに必要な特定の描画用具が前記描画ヘッドに装着されているか否かを前記検査対象画像から判定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
  9. 紙である描画対象物への検査用図形の描画並びに爪へのネイルデザインの描画を施す少なくとも1つの描画用具が装着される描画ヘッドと、
    前記描画用具により前記描画が施された前記検査用図形を撮影して、前記検査用図形を含む検査対象画像を取得する撮影部と、
    前記撮影部により取得された前記検査対象画像から、前記検査用図形の描画位置が、前記描画対象物において前記検査用図形が本来前記描画されるべき正規の描画位置からずれているか否かを判定する描画位置判定部と、
    前記描画が施された前記検査用図形を含む領域に光を照射する少なくとも一つの光源を有する照明装置と、
    を備え、
    前記描画用具は、少なくとも、透明又は白色の特定のインクによって前記描画を施す特定の描画用具を含んでおり、
    前記特定の描画用具により前記検査用図形の前記描画が施された場合に、前記撮影部は、前記光源から照射された光が前記描画対象物における前記検査用図形で正反射した正反射光により照らされた前記検査用図形を撮影することにより、前記検査対象画像を取得することを特徴とするネイルプリント装置。
  10. 前記撮影部は、前記特定の描画用具で前記検査用図形の前記描画が施された直後から前記描画に使用された前記特定のインクの乾燥が終了するまでの間に、前記検査対象画像を取得することを特徴とする請求項9に記載のネイルプリント装置。
  11. ネイルプリント装置の描画制御方法であって、
    前記ネイルプリント装置は、紙である描画対象物への検査用図形の描画並びに爪へのネイルデザインの描画を施す少なくとも1つの描画用具が装着される描画ヘッドと、前記描画用具により前記描画が施された前記検査用図形を撮影して前記検査用図形を含む検査対象画像を取得する撮影部と、前記撮影部により取得された前記検査対象画像から前記検査用図形の描画位置が、前記描画対象物において前記検査用図形が本来前記描画されるべき正規の描画位置からずれているか否かを判定する描画位置判定部と、前記描画が施された前記検査用図形を含む領域に光を照射する少なくとも一つの光源を有する照明装置と、
    を備え、
    前記描画用具は、透明でなく白色以外の色材を有する第1種インクによって前記描画を施す第1種類の描画用具と、透明又は白色の第2種インクによって前記描画を施す第2種類の描画用具と、を含み、
    前記描画制御方法は、
    前記描画用具により前記描画対象物に前記検査用図形の前記描画を施す工程と、
    前記描画が施された前記検査用図形を含む領域を前記撮影部により撮影して、前記検査対象画像を取得する工程と、
    前記検査対象画像から前記検査用図形の前記描画位置が、前記描画対象物において前記検査用図形が本来前記描画されるべき前記正規の描画位置からずれているか否かを判定する工程と、
    を含み、
    前記検査対象画像を取得する工程は、
    前記第2種類の描画用具により前記検査用図形の前記描画が施された場合に、前記光源から照射された光が前記描画対象物における前記検査用図形で正反射した正反射光により照らされた前記検査用画像を撮影することにより、前記撮影部が前記検査対象画像を取得する工程を含むことを特徴とするネイルプリント装置の描画方法。
  12. 前記検査対象画像を取得する工程は、前記第2種類の描画用具により前記検査用図形の前記描画が施された場合に、前記描画が施された直後から前記描画に使用された前記第2種インクの乾燥が終了するまでの間に実行されることを特徴とする請求項11に記載のネイルプリント装置の描画方法。
  13. 前記検査対象画像を取得する工程は、前記第1種類の描画用具により前記検査用図形の前記描画が施された場合に、前記光源から照射された光が前記描画対象物における前記検査用図形を含む領域で拡散反射した拡散反射光により照らされた前記検査用図形を撮影することにより、前記撮影部が前記検査対象画像を取得する工程を含むことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のネイルプリント装置の描画方法。
  14. 前記第1種類の描画用具により前記描画が施された前記検査用図形を含む前記検査対象画像を取得するときには、前記拡散反射光が前記撮影部に入射し、前記正反射光が前記撮影部に入射しない位置に前記撮影部を移動させ、前記第2種類の描画用具により前記描画が施された前記検査用図形を含む前記検査対象画像を取得するときには、前記正反射光が前記撮影部に入射する位置に前記撮影部を移動させる工程を含むことを特徴とする請求項13に記載のネイルプリント装置の描画方法。
  15. 前記描画用具により前記描画が施された前記検査用図形の前記描画位置が前記正規の描画位置からずれているか否かを判定する工程は、前記描画位置が前記正規の描画位置からずれていると判定したときに、前記描画位置を前記正規の描画位置に補正するための補正値を算出する工程を含むことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか一項に記載のネイルプリント装置の描画方法。
  16. 前記検査対象画像から、使用者により選択された特定のデザイン画像を描画対象面に描画するのに必要な特定の描画用具が前記描画ヘッドに装着されているか否かを判定する工程を含むことを特徴とする請求項11から請求項15のいずれか一項に記載のネイルプリント装置の描画方法。
  17. ネイルプリント装置の描画制御方法であって、
    前記ネイルプリント装置は、紙である描画対象物への検査用図形の描画並びに爪へのネイルデザインの描画を施す少なくとも1つの描画用具が装着される描画ヘッドと、前記描画用具により前記描画が施された前記検査用図形を撮影して前記検査用図形を含む検査対象画像を取得する撮影部と、前記撮影部により取得された前記検査対象画像から、前記検査用図形の描画位置が、前記描画対象物において前記検査用図形が本来前記描画されるべき正規の描画位置からずれているか否かを判定する描画位置判定部と、前記描画が施された前記検査用図形を含む領域に光を照射する少なくとも一つの光源を有する照明装置と、を備え、
    前記描画用具は、少なくとも、透明又は白色の特定のインクによって描画を施す特定の描画用具を含んでおり、
    前記描画制御方法は、
    前記描画用具により前記描画対象物に前記検査用図形の前記描画を施す工程と、
    前記描画が施された前記検査用図形を含む領域を前記撮影部により撮影して、前記検査用画像を含む前記検査対象画像を取得する工程と、
    を含み、
    前記検査対象画像を取得する工程は、前記特定の描画用具により前記検査用図形の前記描画が施された場合に、前記光源から照射された光が前記描画対象物における前記検査用図形で正反射した正反射光により照らされた前記検査用図形を撮影することにより、前記撮影部が前記検査対象画像を取得する工程を含むことを特徴とするネイルプリント装置の描画方法。
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