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JP6570634B2 - 少なくとも2つのブリッジを有する磁気抵抗ホイートストンブリッジ及び角度センサ - Google Patents

少なくとも2つのブリッジを有する磁気抵抗ホイートストンブリッジ及び角度センサ Download PDF

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Description

本発明は、磁気抵抗ホイートストンブリッジ及び、請求項1による所定の角度によってオフセットされる、好ましくは二つ以上の、少なくとも一つのホイートストンブリッジを含む、磁場の角度配向を測定するための磁気抵抗角度センサに関する。
このため、ハーフブリッジとしても知られているホイートストンブリッジの二つの並列に接続されたブリッジブランチ(bridge branch)のそれぞれは、直列に接続された二つの磁気抵抗器配置R1及びR3またはR2及びR4を含む。二つのブリッジブランチの抵抗器配置R1、R4及びR2、R3は、それぞれに互いに対角線方向に対向して配置され、二つのブリッジブランチの抵抗器配置R1、R2またはR3、R4は、互いに対向して対になるように配置される。抵抗器配置のそれぞれは、磁場が最大可能感度で測定できる感度方向としても知られる感磁性優先方向(preferred direction)を含む。
本発明は、磁気角度センサを介して角度検出精度を向上させることができる。
磁気抵抗効果は、外部磁場の印加によって引き起こされる材料の電気抵抗での変化を表すすべての効果である。測定される磁場のベクトル方向に関して優先方向を有する磁気抵抗効果は、特に、異方性磁気抵抗効果(AMR効果)、巨大磁気抵抗効果(GMR効果)、CMR効果、およびTMR効果である。
従来技術において、磁気抵抗角度センサは、しばしばホイートストンブリッジとして構成され、同じの磁気抵抗材料が各ブリッジブランチで用いられ、これらのブリッジブランチは、それらの形状または磁気的配向のみが互いに異なる。したがって、この配置は、各ブリッジブランチにおける抵抗の温度依存変化は同じであるため、温度に関連する変化はセンサ信号に如何なる影響も与えないので、出力信号の温度非依存性が達成される。
明確な角度情報を得るために、一般的に、互いに対して異なる配向のこれらの磁気感度方向を有する二つのホイートストンブリッジを必要にする。例えば、回転角θで回転される検出磁場の場合、二つのブリッジは90°で回転され、ブリッジ出力において正弦関数と余弦関数が得られる。これらの二つの信号は、例えば、ARCTAN関数によって、明確な角度位置θを計算するように用いられる。二つのブリッジの異なる角度オフセットの場合、同様に、適切な三角関数を用いて、検出磁場の明確な角度配向が計算され得る。
AMR(異方性磁気抵抗効果)抵抗器は、AMRの場合、周期性は180°になるので、電流方向と磁化の方向との間の角度と相関する抵抗依存性を有する。
したがって、角度測定のためのAMRブリッジは、異なる方向の磁気抵抗ストリップを含む。AMRを用いて位相シフトされた信号を得るために、例えば互いに対して45°で回転される二つのブリッジが用いられる。
GMR及びTMR(巨大磁気抵抗効果およびトンネル磁気抵抗効果)抵抗器は、自由層の磁化の方向とピン層(pinned layer)の磁化の方向との間の角度に相関する抵抗依存性を有する。磁場方向依存性の周期性は、TMRおよび/またはGMR抵抗器の場合、360°になる。ピン層は、優先方向を定義する、ピン止め方向としての磁気前磁化を備える。自由層及びピン層が、非磁性層によって分離される磁気層であり、該非磁性層がTMRの場合、例えば、AlまたはMgOの薄い絶縁体であり、GMRの場合、例えば、CuまたはRuの導電層である。自由層は、それの磁化の方向が外部磁場に従うように構成されているが、ピン層は、外部磁場が印加されるとき、磁化の方向ができるだけ安定を保つように構成されている。
回転磁場の検出のための定義可能な優先方向を有するホイートストンブリッジにおけるAMR、TMRまたはGMRに基づく抵抗器は、全てのこれらのタイプの磁気抵抗器が、外部磁場の大きさの変化が抵抗の最大変化をもたらす、すなわち、最も高い磁気抵抗感度が優先する、磁気抵抗の優先方向を有するので、本発明の目的のために用いることができる。ホイートストンブリッジにおいて、この優先方向は、チップレベルでのセンサレイアウトの製造におけるプロセスエンジニアリングにおいて、または電気的および/または磁気的構成によって定義され得る。
図1は、対向する、すなわち反平行の、個別のブリッジブランチにおける優先方向を含む、GMRセンサまたはTMEセンサの一般的なホイートストンブリッジを示す。四つの磁気抵抗ブリッジ抵抗器は、同一の公称抵抗の大きさを有し、電源電位差Vbの間にある、直列接続されたブリッジ抵抗器配置R1およびR3ならびに、これに並列なブリッジ抵抗器配置R2およびR4を有する二つのブリッジブランチを形成する。原則として、ブリッジ抵抗器配置は個別のブリッジ抵抗器に対応する。しかし、ブリッジ抵抗器配置は、二つ以上の個別の直列または並列ブリッジ抵抗器も備えてもよい。出力電圧VoutはブリッジブランチR1/R3またはR2/R4の間の中央タップでタップされ得る。示された矢印は、例えば、GMR抵抗器またはTMR抵抗器のピン止め方向を示し、したがって、その磁気抵抗の優先方向を識別することができる。ブリッジ抵抗器配置のすべてのブリッジ抵抗器は、同じ磁気優先方向を有する。GMR抵抗器またはTMR抵抗器の場合、抵抗は、自由層とピン層とが同じ方向に磁化されるとき最小であり、反平行磁化の場合に最大値である。ブリッジブランチのブリッジ抵抗器配置は、反平行の優先方向を有し、二つのブリッジブランチの対角線方向に位置するブリッジ抵抗器配置は、同じ優先方向を有する、すなわち、R1およびR4は同じ優先方向を有し、R2およびR3はそこから180°でオフセットされる優先方向を有する。ブリッジ抵抗器配置R2、R3の優先方向に配向した外部磁場は、抵抗器R2およびR3における抵抗の最小化と、抵抗R1およびR4における抵抗の最大化をもたらすため、最大または最小の出力信号Voutをもたらす。
角度測定精度が高いほど、磁場角度の検出のために用いられるホイートストンブリッジの出力信号がより正弦波状となる、すなわち、ブリッジタップの測定電圧のより多くの変化は、検出される外部磁場の想定回転の場合、角度回転と同様に正弦波状に挙動する。ブリッジ抵抗器R1〜R4の同一の公称抵抗の大きさおよび挙動(behavior)が、測定ブリッジの抵抗挙動(resistance behaviour)に依存するスケーリング係数Aを有する出力電圧Vout=A・Vb・cos(θ)をもたらすことが好ましい。前記Voutの式におけるθは、磁気抵抗ブリッジ抵抗器R2、R3の優先方向または抵抗器R1、R4に対して180°のオフセットを有する優先方向(矢印で示す)に対する外部磁場の角度として向けられる。しかし、高調波(harmonic)が正弦波を歪ませるので、純粋な正弦関数または余弦関数は、実際にはほとんど見つけられず、したがって、純粋な正弦波が必要であるので、ARCTAN計算は誤る可能性がある。
測定電圧曲線の高調波は、例えば、回転磁場が均一ではないこと、誘導によること、用いられる抵抗材料の磁気異方性によること、センサおよび磁石の組み立ての間の許容値、若しくはポールシュー(pole shoes)または磁場導電素子の精度不良または不正確な配向によることなどの異なる効果によってもたらすことができる。
GMRセンサおよびTMRセンサの場合、高調波に対する重要な寄与は、実際にわずか数ナノメートルの厚さである基準層またはピン層の磁化の正確に安定しない位置によって形成される。実際に、前記層は、外部場で少し回転する傾向がある。回転角度が大きいほど、外部場が強くなる。これにより、出力信号における高調波が生じる。特に、ホイートストンブリッジの出力信号には、第2、第3、第4、および第5高調波が見つけられ、これが測定の精度不良をもたらす。
したがって、磁気抵抗器配置による角度測定の高調波を改善する必要がある。
米国特許第6633462B2号は、ブリッジ抵抗器配置が三つのサブ抵抗器によって形成され、最大抵抗の中央サブ抵抗は優先方向が測定される成分の方向にあり、より低い抵抗の二つのサブ抵抗は優先方向が、測定される成分の優先方向から5°〜85°の同一の正または負のそれぞれの角度によってずれる、高調波を抑制するための概念を示す。このように、如何なる材料異方性も減らすことができ、測定信号の正弦曲線が改善された。各ブリッジ抵抗器配置は、中央サブ抵抗の優先方向に対応する優先方向を有し、対角線方向に配置されたブリッジ抵抗器は、同じ優先方向を有する。
欧州特許第2455720A1号から知られている従来技術において、図2に示すように、ブリッジ抵抗器配置RXの二つのサブ抵抗器RX1およびRX2は、すなわち、ブリッジ抵抗器配置R1のR11及びR12は、直列に接続され、それらのピン止め方向、従って優先方向が角度αでオフセットされる。このように、180°/αの高調波がフィルタリングされる。例えば、第3高調波は、オフセット角α=60°でフィルタリングされ得る。したがって、複数のピン止め方向の連結、複数の高調波がフィルタリングされ得る。測定ブリッジの全体優先方向(overall preferred direction)は、それによって、図2のベクトル図に示すように、角度α/2に向かって変更される。図2のベクトル図に示すように、異なる磁場感度の優先方向を有する二つのサブ抵抗器RX1−RX2の直列回路の各場合で構成される、すべての測定ブリッジのブリッジ抵抗器配置R11−R12、R21−R22、R31−R32およびR41−R42のそれぞれにおいて、二つの抵抗器RX1−RX2の偏差角αの二等分線α/2の方向に対応するブリッジブランチの優先方向Rresが得られる。すべてのブリッジ抵抗器は、上部ハーフブリッジブランチまたは下部ハーフブリッジブランチにおける正または負の方向において同じ優先方向を有するので、すべてのブリッジの全体の感度方向は、方向Rresを指す。対角線のブリッジ抵抗器は、サブ抵抗器およびすべての抵抗器の優先方向の同じ配向を有する。
これらのサブ抵抗器の各々は、再び細分化され、ピン止め方向が角度βと異なる二つの素子にさらに分割されることが実行可能である。原理として、さらなる分割は、優先角度方向の周りに正および負の角度量で対称的に行われるため、後者はそれ以上変化しない。このように、180°/βの高調波もフィルタリングされる。分割を続けることができ、したがって、理論的に任意数の高調波をフィルタリングされ得、それぞれの場合における更なるサブ抵抗の数は2倍に増加し、従って、多数のサブ抵抗器及び正確な配向及び同一の抵抗値が必要とされる。
以上のように、高調波フィルタリングが各ブリッジブランチ内に施される。個別のブリッジブランチのそれぞれは同じ数の高調波をフィルタリングするので、これらの高調波のブリッジ電圧もフィルタリングされる。一つのブリッジにおける必要なピン止め方向の数は、各フィルタで2倍になる。したがって、フィルタなしでの元の構成においては、二つのピン止め方向を有する(図1を参照)。一つの高調波のためのフィルタの場合は、四つのピン止め方向を有する(図2を参照)。ブリッジブランチのそれぞれは、少なくとも四つのセンサ素子、すなわちサブ抵抗を必要とする。二つの高調波がフィルタリングされる場合、合計8つのピン止め方向が得られる。ブリッジブランチのそれぞれは、少なくとも8つのセンサ素子を含む。この場合、全部のブリッジは少なくとも16個のセンサ素子を必要とする。この点について、2つのブリッジからなるセンサは、少なくとも32個のセンサ素子を必要とする。
高精度磁気抵抗角センサのさらなる要件は、最適に評価され、所定領域における測定電流に影響を及ぼすことができるように、一方では測定ブリッジのすべての抵抗が所定値を採用すべきであるという事実に起因し、無磁場状態における各個別のブリッジ抵抗器配置の抵抗値と、これを構成するサブ抵抗器は、名目上同一の抵抗値を採用すべきであるという事実に起因する。製造に関し、これは、多くの場合、非常に困難を伴ってまたは不可能で達成され得るため、さらに、測定信号の所定の三角関数曲線および最適な評価を達成することができない。したがって、特に製造における公差に抵抗する(counter tolerances)ために、製造プロセスの間、またはその後、各抵抗器配置および測定ブリッジのすべての抵抗に影響を及ぼすことができることが好ましい。対角線のブリッジ抵抗器は、同一の構成であり、高調波を効果的に低減するために、複数の異なるピン止め方向が必要である。
従来技術の欠点は、磁気抵抗器配置による高調波のフィルタリングが、製造上の高い複雑さを伴って達成され得る。さらに、特にTMRまたはGMRに基づく抵抗器配置の抵抗挙動の均質性は、製造の間に抵抗値が広範囲に分散する可能性があるので、困難を伴って達成され得る。
本発明の目的は、製造労力および回路の複雑さを低減して、高調波フィルタリングおよび高精度角度分解能を達成する磁気抵抗角度センサのための抵抗器配置を提案することにある。
この目的は、独立請求項による角度センサによって達成される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の内容を構成する。
本発明は、供給電位Vbの間に並列に接続される二つのブリッジブランチを含み、二つの直列接続される抵抗器配置R1およびR3またはR2およびR4が、中間合成差動電圧(interposed resultant differential voltage)Voutを有しブリッジブランチのそれぞれに配置される磁気抵抗性ホイートストンブリッジを提案する。二つのブリッジブランチの抵抗器配置R1及びR4またはR2及びR3は、互いに対角線方向に対向して配置され、少なくとも二つの磁気抵抗器配置R1、R2、R3、R4は、磁気感度優先方向を有する。ブリッジブランチR1及びR4またはR2及びR3の対角線方向に対向する磁気抵抗器配置の優先方向は、0°または180°以外の角度で互いに異なる。
したがって、この発明は、高調波を低減し、最適な抵抗値を達成するための方法を記載する。従来技術に対して、高調波は個別の抵抗器配置に抑制されるのではなく、むしろ測定ブリッジにわたるすべてのブリッジ抵抗器配置の異なる磁気優先方向の機能的な相互作用によって抑制される。このように、信号が改善され、センサの分解能が改善され、より少ない数のサブ抵抗器が用いられ得る。角度センサの場合、角度精度はそれによって増加させることができる。磁気抵抗ブリッジの高調波のフィルタリングは、測定ブリッジの対角線方向の対向する抵抗器配置の優先方向Rres1およびRres2を指定することによって可能になり、全体感度方向Rresは、対角線の抵抗器配置R2及びR3またはR1及びR4の優先副方向Rres1およびRres2のベクトル加算から得られる。二つのブリッジブランチにおける各抵抗器配置の磁気抵抗サブ抵抗器の数および配向は、高調波フィルタリングによって決定され、全体優先方向は、それの合成である。ブリッジ抵抗器配置は、測定ブリッジのすべての優先配向に対応する優先方向を有さず、二つのハーフブリッジの抵抗器配置は、異なる個別の優先方向および優先方向を有する。
斜めに対向するブリッジ抵抗R1−R4およびR2−R3の優先方向の同一性を述べる従来技術に対して、一つのハーフブリッジのブリッジ抵抗器の優先方向は、それぞれの他のハーフブリッジのブリッジ抵抗器の優先方向の同じ向きの配向を決定しない。
1つの有利な更なる発展において、各ブリッジブランチの直列接続された抵抗器配置R1及びR3またはR2及びR4の磁気的な優先方向は、反平行に配向され得る。各ブリッジブランチの二つの直列に接続された抵抗器配置R1−R3、R2−R4の磁気的な優先方向は、反平行に配向され、すなわち180°で回転される。このように、最大センサ感度が達成され、各ブリッジブランチの抵抗器は、チップ基板上に互いに近接して配置され、反平行の優先方向が設けられ得る。
有利な更なる発展において、ブリッジブランチにおいて対になり互いに対向して位置する抵抗器配置R1及びR2またはR3及びR4の優先方向は反平行に配向され得る。二つのブリッジブランチに位置する抵抗器配置R1、R2およびR3、R4のそれぞれの隣接する対の優先方向は、反平行に配向され得る。この場合、それぞれに対角線方向に位置する抵抗器配置R1−R4およびR2−R3が、相互に角度付き優先方向も有するように、直列抵抗器配置R1−R3およびR2−R4の優先方向は、互いに対して角度が付けられる。
前記実施形態の1つに従って測定ブリッジが設計される場合、全体優先方向は、対角線の抵抗器配置のベクトル優先方向の重ね合わせによって決定され得る。各ブリッジブランチの1つの各抵抗器配置の優先方向は、各々の場合、例えば図1の測定ブリッジ100に定義されているような0°の主軸上にあり、それぞれの他の各ブリッジブランチの直列接続された抵抗器配置の優先方向が、好ましくは30°、36°、45°または60°の角度で角度が付けられる。60°の角度は、3次高調波をフィルタリングするのに働き、4次高調波をフィルタリングするのに45°の値が働き、5次高調波をフィルタリングするのに36°の値が働き、6次高調波をフィルタリングするのに30°の値が働く。このため、元の0°の主軸に対して角度が付けられた測定ブリッジの合成優先方向をもたらす。この主軸は、チップ基板上の抵抗器配置の主対称軸とみなすことができる。本発明により、感度方向はこの主軸とは異なる。製造上の理由のため、例えば、一つの基板エッジに平行またはチップ基板上の構造素子に沿う、通電されたコイルまたは導体によって設けられ得る補償磁場の磁場方向に沿うなどの、チップ基板上の幾何学的仕様に従って優先方向を調整することが好ましくあり得る。このような優先方向の調整のために、チップ基板上の測定ブリッジのすべての空間的配置を適宜選択することができる。しかし、所望の優先方向を達成するために、すべての抵抗器配置の優先方向は、チップ基板上の測定ブリッジの抵抗器配置の空間的位置に関係なく、同じ方向に回転させることができる。したがって、有利には、前記0°主軸に対して正および負の角度方向において、すべての抵抗器配置の優先方向の対称な角度を与えることが可能である。従来技術から知られている測定ブリッジの0°に対する全体優先方向である角度から出発して、対角線方向に対向するそれぞれの抵抗器配置R1及びR4またはR2およびR3の優先方向の二つの角度は、0°に対して約正の優先方向角でR2を回転させ、これに対応し、0°に対して、約負の優先方向角でR3を回転させ、また、180°に対して、約この負の優先方向角でR1を回転させ、180°に対して、約この正の優先方向角でR4を回転させることができる。あるいは、対角線方向に対向するそれぞれの抵抗器配置R1及びR4またはR2およびR3の優先方向の二つの角度は、0°主軸から約この正の優先方向角でR3を回転させ、0°に対して、約負の優先方向角でR2を回転させ、また、180°に対して、約この負の優先方向角でR1を回転させ、180°に対して、約この正の優先方向角でR4を回転させることができる。例えば、図3aに示すように、抵抗器配置R1の優先方向が−180°で配向され、R3の優先方向が0°方向で配向され、R2の優先方向がαになり、R4の優先方向が180°+αになる場合、α/2方向の軸に沿う全体優先方向Rresの角度をもたらす。R1の優先方向を180°−α/2の方向で回転させ、R2の優先方向をα/2の方向で回転させ、R3の優先方向を−α/2の方向で回転させ、R4の優先方向を180°+α/2で回転させる場合、0°の軸に再びに沿う全体優先方向の配向をもたらす。したがって、チップ基板上の抵抗器配置の空間的位置の場合、高調波フィルタリングおよび優先方向の自由に選択可能な方向調整を達成することができる。特に、α=60°が選択することができる。この場合、チップ基板上の抵抗器配置の空間的配置に関係なく、測定ブリッジの優先方向が設定することができ、したがって、この優先方向が対角線の抵抗器配置の鏡面対称(mirror−symmetrical)の優先方向分布の中心線に沿って生じる。
有利な更なる発展において、各抵抗器配置R1、R2、R3およびR4の抵抗挙動は、少なくとも無磁場状態における大きさが同一であってもよい。全体優先方向の正確な設定およびそれに応じて測定ブリッジの正確な較正が可能となるように、サブ抵抗器R1X、R2X、R3X、R4Xの抵抗値が等しくなり、ブリッジ抵抗の抵抗値が等しくなることが有利である。
1つの有利な更なる発展において、磁気抵抗器配置は、チップ構造上に配置されるAMR抵抗器配置、GMR抵抗器配置、TMR抵抗器配置であってもよい。このようなチップ基板を製造するための処理方法は、高精度で安価に達成することができ、そこからもたらす測定ブリッジ配置は、正確に定義可能な優先方向を有する。
対角線方向に対向する二つの抵抗器配置が磁気抵抗器を含み、他の二つの抵抗器配置がオーミック抵抗器を表すのに十分であり得る。有利な更なる発展において、各抵抗器配置R1、R2、R3、R4のそれぞれは、優先方向を有する磁気抵抗器を含んでもよく、ブリッジブランチR1及びR4またはR2及びR3の対角線の対向する抵抗器配置の優先方向は、互いに角度αで異なり、特に、TMR抵抗器またはGMR抵抗器の場合、α=60°で異なり、若しくはAMR抵抗器の場合、α=30°またはα=36°で異なる。したがって、測定ブリッジの最適化が達成され、全ての抵抗器配置は、同じ製造方法及び異なる優先方向を用いて製造することができる。
1つの有利な更なる発展において、各抵抗器配置R1、R2、R3、R4は、角度α2で、または他の角度で互いに対してオフセットされる優先方向を有する少なくとも二つの磁気抵抗器RX1、RX2を備えることができ、ブリッジブランチR1及びR4またはR2及びR3の対角線方向に対向する抵抗器配置の二つ以上の磁気抵抗器の合成優先方向は、角度α1で互いに異なり、好ましくはα1=60°およびα2=30°またはα2=36°である。このように、複数の高調波成分のフィルタリングは、測定ブリッジの抵抗器配置RXにおいて、フィルタリングされる高調波に応じて向けられ得、異なる優先方向を有する二つ以上のサブ抵抗器を設けることによって達成することができる。36°の値は、特に第5高調波のフィルタリングにおいて働く。
1つの有利な更なる発展において、抵抗器配置R1、R2、R3およびR4の大きさに関して同一の抵抗挙動をもたらすために、少なくとも抵抗器配置R1、R2、R3またはR4において、トリミング抵抗器RXTを直列接続することができ、これは選択されることが好ましい。このように、抵抗器の同一の公称値を達成することができ、したがって測定ブリッジの最初のトリミングおよび全体優先方向の定義された設定から達成することができる。各抵抗器配置の公称抵抗弁は同一であるように、トリミング抵抗器配置における「オン」というトリミング抵抗器は、一方で、各抵抗器配置の抵抗値のトリミングを可能にする。他方で、製造品質は各抵抗ブリッジ内だけでなく、一連の抵抗ブリッジにわたっても均質にすることができるように、測定ブリッジが内蔵されるチップ基板上に複数のウェハを量産する間に、トリミング抵抗を導入することにより、異なるウェハの測定ブリッジの抵抗挙動を適合させることができる。特に、TMR技術またはGMR技術の場合、トリミング抵抗器を用いて製造関連の差異を補正することができるように、微小な処理の変化の結果として抵抗値が分散され得る。
1つの有利な更なる発展において、トリミング抵抗器は、トリミング抵抗器の優先方向を有する磁気抵抗器であってもよい。特に、トリミング抵抗器は、TMR抵抗器であってもよい。TMRチップ基板を製造する場合、処理は抵抗挙動の広い散乱をもたらすことができ、トリミング抵抗器は抵抗の同一の公称挙動を達成することができ、したがって、測定ブリッジのトリミングを可能にする。
1つの有利な更なる発展において、トリミング抵抗器の優先方向は、抵抗器配置の1つの抵抗器の優先方向の方向に配向され得、ブリッジブランチにおける抵抗器配置の合成優先方向の方向に、またはホイートストンブリッジの全体優先方向の方向に配向され得る。1つのトリミング抵抗器RXTは、ブリッジ抵抗器配置RX毎に設けられ得、前記トリミング抵抗器RXTの優先方向は、ブリッジブランチのブリッジ抵抗器RXまたはハーフブリッジRresXの優先方向に位置し、又は、トリミング抵抗器RTは、優先方向が全体優先方向Rresに位置する。したがって、測定ブリッジのすべての抵抗を調整し、測定ブリッジ抵抗器、すなわち四つの抵抗器配置の製造関連の許容値を補償することができる。
1つの有利な更なる発展において、トリミング抵抗器は、上部電極と下部電極との間に少なくとも二つのトンネル抵抗器の連結を含むことができ、トリミング抵抗器は、上部電極または下部電極の電極途切れによって調整可能であってもよい。上部電極も抵抗値を変更するために互いに短絡され得る。それによって、抵抗値を適合させ、抵抗ブリッジ配置の優先方向を任意に適合させるために、トリミング抵抗器の直列接続または並列接続を形成することができる。このように、抵抗の非常に微細なトリミングを可能にするために、製造方法のいずれの場合にも使用される方法を用い、多数のトリミング抵抗器を設けることができる。
1つの有利な更なる発展において、トリミング抵抗器は、特に、複数のトンネル抵抗器の、複数のトリミングサブ抵抗器の直列および/または並列接続を含むことができ、各並列ブランチの並列ブランチの数および/または直列抵抗の数は調整可能であってもよい。トリミング抵抗器は、複数の同じ配向のサブ抵抗器の直列および/または並列接続として構成することができ、抵抗値を下げるために、これらは短絡であってもよく、並列ブランチに分離してもよい。したがって、測定ブリッジの精密なトリミングのため、非常に細微な調整が達成され得る。
1つの関連した態様において、第1および第2のセンサブリッジ、特に正弦ブリッジ及び余弦ブリッジによって磁場の角度配向を決定するために、所定の角度、特に90°でオフセットされた少なくとも2つの前記磁気抵抗ホイートストンブリッジを含む角度センサが提案される。3D磁場センサを製造するために、三つ以上の測定ブリッジが含まれてもよく、これらのブリッジは、特に、すべての三つの空間方向において互いに対して角度が付けられる。角度は、外部磁場の配向を決定するために、測定ブリッジの出力信号間の数学的関係を決定する。90°の角度の場合、2つの出力値Voutの単純なARCTAN関数を用いて測定角度を決定することができる。
角度センサの1つの有利な更なる発展において、第1のブリッジブランチR1−R3の抵抗器配置R1、R3のサブ抵抗器R1X及びR3Xは、チップ基板上に空間的に隣接して配置され得、第2のブリッジブランチR2−R4の抵抗器配置R2、R4のサブ抵抗器R2X及びR4Xは、チップ基板上に空間的に隣接して配置され得る。各センサブリッジの第1および第2ブリッジブランチR1−R3およびR2−R4は、チップ基板上で互いに対して対角線方向に配置され得る。したがって、2つのブリッジブランチの抵抗器グループは、互いに対して対角線方向に位置し、有利には、90°で回転される測定ブリッジのブリッジブランチに隣接する。したがって、正弦ブリッジと余弦ブリッジの抵抗器配置は、4象限のグリッドにおいて互いに対してコンパクトかつ斜めに配置することができる。これは、角度センサの省スペース、低オフセット設計をもたらす。測定ブリッジの抵抗器配置の空間的に近接することにより、製造関連散乱は相互に補償され、高いセンサ精度が達成され得る。
更なる利点は、本図面の説明から生じる。図面において本発明の実施形態を示す。図面、明細書、及び請求項は、複数の特徴を組み合わせて有している。
当業者は、これらの特徴を、目的に応じて個別に考慮し、意味のある更なる組み合わせに組み合わせもする。
図1は、従来技術の角度センサのホイートストンブリッジを示す。 図2は、従来技術の角度センサのホイートストンブリッジを示す。 図3は、本発明による角度センサのためのホイートストンブリッジの第1実施形態を示す。 図4は、本発明による角度センサのためのホイートストンブリッジの第2実施形態を示す。 図5は、様々な測定ブリッジ構成を用いる場合の角度センサのエラー図を示す。 図6aは、本発明による角度センサの実施形態のチップレイアウトを示す。 図6bは、本発明による角度センサの実施形態のチップレイアウトを示す。 図7は、本発明による角度センサに用いられるトリミング抵抗器の断面図である。 図8は、本発明による角度センサに用いられるトリミング抵抗器の平面図である 図9は、本発明による角度センサのためのホイートストンブリッジの第3及び4実施形態を示す。 図10aは、本発明による角度センサのためのホイートストンブリッジの第5実施形態を示す。 図10bは、本発明による角度センサのためのホイートストンブリッジの第6実施形態を示す。 図11は、本発明による角度センサのためのホイートストンブリッジの第7実施形態を示す。 図12aは、本発明による角度センサのためのホイートストンブリッジの第8実施形態を示す。 図12bは、本発明による角度センサのためのホイートストンブリッジの第8実施形態を示す。
図面において同じ要素は同じ符号で示されている。図面は単なる例を示し、限定的であると理解すべきではない。
本発明による概念は、図面を参照して以下に説明され、前記概念は同等で実際に優れたフィルタ特性を示しながら従来技術から知られている設計より少ないセンサ素子で管理する。重要な観点は、フィルタリングが個別のブリッジブランチまたは個別のブリッジ抵抗器配置に完全には設けられず、4つの抵抗器配置に分散されていることである。
以下では、磁気抵抗素子は、GMR抵抗器またはTMR抵抗器のように、ピン止め可能な抵抗であり、ピン止め方向に磁化優先方向を有すると考えられる。AMR抵抗器の種類において、ピン止め方向を有さない。ここでは、ピン止め方向に対応するアナログは、電流の流れる方向を予め定めるストリップの方向である。したがって、さらなる説明を必要に応じて適用することができる。AMRの場合、一般的に、角度の大きさの半分が仮定されるべきである。
図1及び図2は、先行技術から公知であり、背景技術で既に説明された磁気抵抗測定ブリッジ100、102を示す。対角線方向に配置されたブリッジ抵抗器は、矢印によって象徴される同一の磁化優先方向を有し、その方向において、外部磁場の変化で最も高い感度とより大きな抵抗変化とが達成される。ブリッジブランチのブリッジ抵抗器の優先方向は、それぞれ互いに対して180°回転される。したがって、高調波フィルタリングおよび(線形)角度検出の精度は、大きな製造の手間、多数の部品および大きなチップサイズのみで達成することができる。
図3及び図4のそれぞれは、本発明の角度センサで用いるための磁気抵抗ホイートストンブリッジの2つの例示的な実施形態を示す。図3(a)及び(b)は、各ブリッジ抵抗器配置において個別のブリッジ抵抗器を備える単純な抵抗ブリッジ10.1および10.2をそれぞれに示す。同じの出口端子接続部Voutに接続されるブリッジブランチまたはハーフブリッジの磁気抵抗器配置のそれぞれは、反平行ピン止め方向/優先方向を有する。図3(a)において、R1およびR3は、1つのブリッジブランチで端子接続部Voutに接続され、反平行ピン止め方向を有する。R2およびR4は同様に、1つのブリッジブランチで別の端子接続部Voutに接続され、同様に反平行ピン止め方向を有する。対角線のブリッジ抵抗器R1及びR4またはR3及びR2は、互いに対して角度αで回転される優先方向を有する。この配置は、ブリッジ信号のフィルタリングをもたらす。この場合、180°/αの高調波が抑制される。ブリッジブランチのそれぞれにおいて、それぞれの抵抗器配置は180°の角度オフセットを有し、各ブリッジブランチの互いに対向する抵抗器配置は180°-αの角度オフセットを有する。有利は明らかである。同様のフィルタ効果を達成するために、この高調波フィルタリングはセンサ素子の数の半分のみを必要とする。
図3(a)において、一方のハーフブリッジの直列接続された抵抗器配置R1およびR3と、対応する第2のハーフブリッジのR2およびR4のそれぞれは、反平行の優先方向を有する。抵抗器配置R1、R2、R3及びR4の優先方向のそれぞれは、互いに対して角度αで回転される。
一方、図3(b)は、一方のハーフブリッジの抵抗器配置R1およびR3と、対応する第2のハーフブリッジのR2およびR4との直列回路において、抵抗器配置の優先方向は、互いに対して角度αでそれぞれに回転される測定ブリッジ10.2を示す。互いに対になっている抵抗器配置R1及びR2、並びに、R3及びR4の優先方向は、それぞれに互いに対して反平行に配向される。回路に関し、図3(a)に示す測定ブリッジ10.1は、電源電圧の接点Vbと出力電圧の接点Voutを切り替えることによって、図3(b)に示す測定ブリッジ10.2に変換され得る。
図3(a)及び(b)は、ベクトルグラフによって、ブリッジ10.1または10.2の全体の優先方向または感度方向Rresがどのように決定され得るかを示す。対角線方向に対向する抵抗器配置であるR3とR2の優先方向のベクトルの重ね合わせは、感度軸に平行に、すなわち抵抗ブリッジの優先方向に向けられる合成ベクトルRresを生成する。抵抗ブリッジは、このブリッジに沿って最も高い感度を有し、高調波が抑制される。
ハーフブリッジR1、R3およびR2、R4の抵抗器配置のそれぞれは優先方向、すなわち感度軸を有し、ハーフブリッジの全体優先方向Rresは、従来技術のように、個別の抵抗器配置のそれぞれの優先方向に対応するのではなく、αで互いに異なる対角線の抵抗器配置の優先方向の配向の方向α/2に生じる。図3(a)に示すように、ハーフブリッジは相互接続される場合であるため、ハーフブリッジにおいて優先方向はそれぞれに同じに配向されるが反平行の優先方向を有し、ブリッジ全体の全体優先方向Rresは対角線方向に対向する抵抗器配置R3およびR2の優先方向のベクトル重畳によって達成される。同じフィルタリングは、図3(b)に示すように、反平行の優先方向を有する2つのブリッジブランチの対になり隣接して配置された抵抗器配置R1、R2またはR3、R4によって達成され、1つのブリッジブランチでの優先方向は角度αで異なる。したがって、これは、図3aおよび図3bの場合、対角線方向に対向する抵抗器配置R3およびR2の優先方向のベクトルの重ね合わせを介して、ブリッジ10.1および10.2の全体感度方向Rresをもたらす。従来技術と対照的に、高調波フィルタリングは、2つのハーフブリッジの抵抗器の相互作用を介して行われ、従来技術で知られているように、1つのブリッジ抵抗器内のみで行われない。
図3(a)及び(b)にける本発明による配置は、n−te高調波(n=180/α)をフィルタリングする。
図4(a)及び(b)は、更なる高調波がフィルタリングされ得る測定ブリッジ12.1又は12.2の例示的な実施形態をそれぞれに示す。これは、2つのサブ抵抗器R11、R12、...、R41、R42に細分された各抵抗器配置R1〜R4によって達成され、2つのサブ抵抗器RX1とRX2のピン止め方向は互いに角度α2にある。対角線の抵抗器配置の優先方向は互いに対して角度α1で回転される。この配置により、高調波180°/α1および高調波180°/α2がフィルタリングされる。図4(a)において、測定ブリッジ12.1で各ハーフブリッジR1−R3またはR2−R4の上部ブリッジ抵抗器および下部ブリッジ抵抗器のそれぞれの優先方向は、180°で反平行に配向され、対角線の抵抗器配置の優先方向は角度α1で回転される。図4(b)において、測定ブリッジ12.2で各ブリッジブランチの抵抗器配置の優先方向は互いに対してα1で回転され、2つのブリッジブランチの対になり互いに対向する抵抗器配置は、反平行に配向される。図4(b)の測定ブリッジ12.2の回路構成は、図4(a)の測定ブリッジ11.1からVbとVoutを切り替えることによって得られる。この配置の有利は再びに明らかである。2つの高調波は、先行技術から既に知られている図2の設計によって提供されるようにフィルタリングされ得るが、これに対し、16つのセンサ素子の代わりに8つのセンサ要素のみが必要とされ、従来技術におけるすべての優先方向及びフィルタ作用が各ブリッジ抵抗器内に存在しなければならない。この配置は、小型化および簡素化することができるため、コストを低減することができる。抵抗器配置のそれぞれは、可能性がある優先方向のうちのいくつかのみを含む。
図4(a)及び(b)のベクトル図は、ブリッジ12.1または12.2の全体の感度軸(全体優先方向)Rresがどのようにしてそれぞれに得られるかのグラフィカル表現である。各ハーフブリッジの2つのブリッジ抵抗器は同じ構造であり、大きさに関して同じ挙動を示すが、それぞれの場合において、優先方向の角度が180°で回転し、2つのハーフブリッジが異なる優先方向を有するので、全体優先方向Rresは、2つのハーフブリッジの優先方向Rres1およびRres2を全てのブリッジのための2つのハーフブリッジの相互作用として重ね合わせることによって得られる。
合成優先方向角α1/2+α2/2は、個別の磁気抵抗器の優先方向の付加ベクトル図に示すように、ベクトル代数によって非常に簡単に得られ、以下の式によって数学的に表現され得る。
図5は、高調波の影響を受けた励起信号を仮定し、異なる磁束密度のための2つの測定ブリッジからなるTMR角度センサのシミュレートされる角度誤差を示す。θ-errは、角度誤差であり、すなわち、実際の角度θから角度センサによって決定された誤差偏差である。この場合、正弦及び余弦の位相が正確に90°であり、2つのブリッジの振幅が正確に同一であり、2つのブリッジ信号のオフセットがゼロにおいて同一であると仮定することにより、角度誤差θ-errが計算された。α=0°の場合、図1による従来技術で用いられる測定ブリッジの誤差が示されている。α=60°は図3の測定ブリッジ配置に対応し、α1=60°、α2=30°は図4の測定ブリッジ配置に対応する。合成誤差は、測定セットアップにおける高調波および基準層の磁化方向の移動によって引き起こされる。本発明によるフィルタ概念が極めて良好に機能することは明らかである。
図6a及び図6bは、角度センサ30.1または30.2のチップレイアウトをそれぞれに示し、該度センサ30.1または30.2のチップレイアウトのそれぞれは同一構成であるが、図3(a)、(b)及び図4(a)、(b)に関して既に説明されたように、供給タップVbと測定タップVoutを切り替えることによって互いに変換することができる。角度センサ30.1、30.2は、互いに対して90°で回転した2つの抵抗ブリッジ40、42からなり、これらは、図4a、図4bに示すように、測定ブリッジ12.1、12.2に従うように構成されている。角度はα1=60°とα2=β=30°で選択される。2つのホイートストンブリッジ40、42は、磁場の正弦成分及び余弦成分を決定するために働き、チップ基板32上に配置される。この場合、各抵抗ブリッジ40、42のブリッジブランチR1、R3 40−1およびR2、R4 40.2およびR1、R3 42−1およびR2、R4 42−2のそれぞれの反平行抵抗器配置は、互いに空間的に隣接して配置され、各ブリッジ40、42の2つのブランチは、基板32上のチップレイアウトの中心点に対して対角線方向に配置される。これにより、2つのブリッジ40、42のブリッジブランチは、チップ基板32上に互いに空間的に隣接して配置される。チップ基板32の左側には、正弦ブリッジ40のパッド接続34と、電圧供給のための2つのパッドUBSINおよびGNDSINと、差動ブリッジタップSIN+およびSIN−のための2つのパッドとが設けられる。同様に、チップ基板32の右側には、電圧供給のための2つのパッドUBCOSおよびGNDCOSと、パッドCOS+およびCOS−のための余弦ブリッジ42のセンタータップとが設けられる。したがって、Vb1 SIN及びVb2 SINは、供給電圧接続Vbを表し、Vout1 SIN及びVout2 SINは、出力端末の2つの接点Voutを表し、余弦ブリッジ42に関しても同様に適用される。TMR素子は、角度センサチップ30の中央に配置される。上部ブリッジ抵抗器40-1または下部ブリッジ抵抗器40-2のTMR素子のそれぞれは、破線の矩形にグループ化され、正弦ブリッジ40に属し、点線の長方形における下部ブリッジ抵抗器42−1と上部ブリッジ抵抗器42−2とは、余弦ブリッジ42に属する。素子はこのように四角形で組み立てられる。正弦ブリッジ40については、左上に表される2D座標系に関して既存のピン止め角度がそれぞれの四角形で示され、関連する抵抗器は図4のブリッジ12によって接続される。図6bの角度センサ30.2は、角度センサ30.1のVb及びVoutの接続を切り替えることによって達成され得、個別の測定ブリッジのその回路構成は、図4(a)に対する図4(b)の描写に応じて変化する。
角度センサで用いるための磁気抵抗ブリッジ構成の例示的な実施形態の本質的な点は、同一の2つのブリッジ抵抗器であるが、2つのブリッジ抵抗器の反平行の優先方向が1つの半ブリッジ内にあり、2つのハーフブリッジは異なり配向された基準方向を有し、これらが測定ブリッジの全体優先方向を共にもたらす。このようにして、ブリッジ抵抗器の数を減らすことにより高調波を効果的に抑制することができ、高調波のすべての優先方向をすべての抵抗器配置またはすべてのハーフブリッジにモデル化する必要はないため、事実上、完全な正弦/余弦形状の出力電圧曲線を達成することができる。
上記の提案は、直列に接続される複数のサブ抵抗器で構成されている各ブリッジ抵抗器の抵抗値が、理想的には同じ大きさであることに基づく。製造に関しては、ブリッジ抵抗器の抵抗値が分散するので、これは困難に伴って達成され得る。同様に、製造に関しては、最初に、例えば、全ての抵抗器に対して同じ抵抗(例えば、ウェハの抵抗)において、変化が生じ、これが、評価エレクトロニクス(evaluation electronics)への統合に対して不利である、測定ブリッジのすべての抵抗の変更を引き起こす。したがって、トリミング抵抗器を介して、測定ブリッジ内の同一の抵抗器配置と、複数のウェハにわたる同一の測定ブリッジ挙動の両方を達成することが可能である。
したがって、効果的な高調波フィルタリングと高精度の角度分解能は、図4(a)、(b)及び図6a、図6bに描画される例示的な実施形態によって、達成され得る。しかし、前提条件は、優先方向における特定の磁化に関する抵抗値の大きさに関して、同一の挙動である。この方法のみで、ブリッジ回路を効率的な高調波フィルタリングのために用いることができる。異なるピン止め方向を有する配置に加えて、したがって、ウェハ上の同一ではない抵抗分布を最小限に抑えること、または抵抗を均一にして同一の公称値を達成すること、またはウェハ上の平均抵抗値をトリミングすることを可能にするトリミング抵抗器RT50の提供が有利で好ましい。トリミング抵抗器50は、すべての抵抗値および場合により優先方向を適合させるために、サブ抵抗器または抵抗器配置に直列または並列に接続され得る。
とりわけ、障壁の厚さのわずかな変化が障壁抵抗の大きな変化を示すので、TMRセンサの場合、チップ基板上に規則的に強い散乱抵抗分布が生じる。トリミング抵抗器50のみによって、まず、抵抗値(例えば、平均±20%)に関して厳密に特定され得、次に良好な角度精度を有するセンサを有利に構築することができる。
可能であれば、トリミング抵抗器50は、チップ上の実際の磁気抵抗素子と同じ特性を有するべきである。つまり、トリミング抵抗器50は、必要に応じて接続または抑制され得るAMR、GMRまたはTMR素子でもなければならない。
図7および図8では、トリミング抵抗器50を構成する1つの可能な方法を示す。図7において、10個の同一のトンネル抵抗器54が10個のトンネル素子の形態で存在する。この場合、電流は上部電極52を介して供給され、トンネル素子54を通って下部電極56に流れ、その後、第2トンネル素子54を通って再び上部電極52に戻る。下部電極56および上部電極52は、絶縁層によって分離される。
図7(a)は、上部電極52が4つのトンネル素子54を短絡させるので、4つの左トンネル素子54は全体の抵抗RTに寄与しない。これに関して、上部電極52は、一般的に、トンネル素子54の抵抗よりも100倍低い抵抗を有することに留意すべきである。
トンネル素子の平均抵抗値が、例えば、監視ツール(現在の電磁場分布測定の、CIPT(Current in Plane Tunneling method))を用い、やや低すぎることに留意すべきである場合、外部トンネル素子54は、これらの2つのトンネル素子54がアクティブになるように上部電極52を変更することによって接続することができる。また、トリミング抵抗器RTの抵抗が、例えば、監視CIPT方法によって、やや高すぎることに留意すべきである場合、さらなるトンネル素子54を短絡することができる。
上部電極52の異なる形状は、異なるフォトリソグラフィマスクによって得ることができる。上部電極層54の異なる形状をモデル化する、異なるマスクを選択することができる。どの抵抗値が現在のウェハ上に存在するかを識別する事前測定が有利である。この事前測定によれば、測定ブリッジ10、12、14、16、18または20が最終的に特定の抵抗値に達するように、適切な補償マスクを選択することが可能である。
トリミング抵抗器50のより正確な配置は、図8に明確に示されるように、トンネル抵抗器54の並列接続から得られる。それぞれの場合において、4つのトンネル抵抗器54の二列は、チップ基板上に設けられ、該トンネル抵抗器は、電極途切れ60または電極の短絡によって、非常に正確に調整可能なトリミング抵抗値Rに調整することができる。上から下向きに、以下のトリミング抵抗器50が得られる。
図8(a)は、それぞれの場合において、4つの直列接続されたトンネル抵抗器54の並列接続を示す。トリミング抵抗器の抵抗値RTは、RT=2rであり、rが、トンネル抵抗器54の抵抗値に対応する。
図8(b)は、下側ブランチが、電極途切れ60によって切断されるので、4つのトンネル抵抗器54の直列接続を示す。トリミング抵抗器の抵抗値は、RT=4rである。
図8(c)は、上部ブランチにおける2つのトンネル抵抗器54と下部ブランチにおける4つのトンネル抵抗器54とが直列に接続されるので、大きさRT=4/3rのトリミング抵抗器50を示す。
図8(d)は、大きさRT=rのトリミング抵抗器50を示す。それぞれの場合において、上下の並列ブランチで2つのトンネル抵抗器54が直列に接続される。
抵抗器は、高調波フィルタリングの目的のため、各ハーフブリッジまたは各ブリッジ抵抗において、対で用いられる場合、従来技術が提示するように、及び三角公式を規定するように、トリミング方法は、上部電極の変化も対で行わなければならないという大きな欠点を有する。2つの抵抗器R11とR12は同じように変更する必要があり、さもなければ、高調波フィルタリングは正確ではなくむしろ歪むように構成される。これは、少なくとも4つのトンネル素子54を追加または短絡しなければならないことを意味する。図4、6、9のように、ブリッジブランチが4つの異なるピン止め方向(R11、R12、R13、R14)を有する4つの異なる抵抗からなる場合、この目的のために、少なくとも8つのトンネル素子54を接続または短絡しなければならない。例えば、直列/ブリッジ象限において、16または32また64の素子54を有する場合、トリミング抵抗器50によって±50%、±25%または±12.5%の精度がそれぞれに達成される。これらの精度はすべて不十分である。より良いトリミング技術が必要である。
トリミング可能抵抗器と良好なフィルタリングの両方を可能にする技術は、ブリッジ抵抗器配置R1、R2、R3及びR4当たりの2つ(RX、RXT)、3つ(RX1、RX2、RXT)または5つ(RX1、RX2、RX3、RX4、RXT)またはより多くのサブ抵抗器を含む。
図3は、矢印によって示される優先方向を有する、個別の磁気抵抗(サブ)抵抗器R1、R2、R3、R4が各ブリッジ抵抗器配置に設けられる測定ブリッジ10を示す。各ブリッジブランチ点の直列接続された抵抗器配置の優先方向は、反平行方向であり、2つのハーフブリッジが、互いに対して角度付き優先方向を有する。
図9(a)及び(b)には、各ブリッジブランチにおいて、ブリッジ抵抗器配置RX毎にトリミング抵抗器RXTが付加的に設けられる(Xはブリッジ抵抗器配置1、2、3または4の位置を示す)、同様に、2つの代替のトリミングされた例示的な実施形態14および16が示され、該トリミング抵抗器は、ブランチ毎にまたは配置全体に対する優先方向を変更せず、ブリッジ抵抗器配置の個別の抵抗および、ハーフブリッジ並びにブリッジのすべての抵抗を調整することができる。
ブリッジ抵抗の優先方向はそれ自体が変更されないように、それぞれの関連するベクトル図に示されるような各トリミング抵抗器RXTは、図9(a)におけるブリッジ14に示されるように、基本ブリッジ抵抗器R1、R2、R3、R4の優先方向と同様に、同じ優先方向にピン止めされ得る。このため、ブリッジ抵抗器の他の優先方向と同じ方向に配向される、トリミング抵抗器RIT(0°)、R2T(α)、R3T(0°)及びR4T(180°-α)が設けられる。
あるいは、図9(b)におけるブリッジ16に示されるように、各トリミング抵抗器は、優先方向を180°で回転させることにより同じの配向されたトリミング抵抗器RT+(α/2)またはトリミング抵抗器RT−(180°−α/2)を用いることができるように、全体のブリッジの所定の優先方向の方向にも配向され得る。
製造に関し、及び簡略化された調整のために、トリミング抵抗器は、上部回路の変形が好ましい、すなわち、個別のブリッジ抵抗器の全体優先方向(以下のベクトル図の左側に示される)に対応する優先方向を有することが好ましい。
図4に示すように、複数の高調波がフィルタリングされる場合、図10a及びおよび図10bに示される回路変形の例示的な実施形態が得られる。
ここで、各ブリッジ抵抗器X=1、2、3、4の抵抗器RX1及びRX2は図4のように配置される。角度α2の結果として、180°/α2高調波がフィルタリングされる。これらの2つの抵抗器のそれぞれは、例えば、直列での8、16、32個のトンネル素子を含む。
図10aに示すブリッジ18の構成において、RX1とRX2との間に接続されたトリミング抵抗RXTは、RX1とRX2との間の二等分線に正確に配向される。これは、直列接続の後続の抵抗器が、先行の優先方向または後続の優先方向とあまり変わらない優先方向に変更が必要とするため、ピン止め調整を簡単にするので、製造に関して特に有利である。
あるいは、全てのトリミング抵抗RT+/−は、図10bによるブリッジ20の構成に示されるように、全体優先方向Rres(α1/2+α2/2)に配置され得、または、180°で回転され得る。図10a、図10bにおいて、例示的な実施形態のそれぞれの上部回路構成の対応するベクトル図は、優先方向Rresの構成を示す。
上記で既に述べられたように、抵抗許容値が大きいと、製造および理論の両方に関して個別の抵抗器を調整することはより簡単に可能になるので、各トリミング抵抗器RXTがブリッジ抵抗器RXの全体優先方向RresXにおける優先方向を有するブリッジ18のベクトル図は、図10(a)において、RX1及びRX2からなることが好ましい。両方のブリッジ抵抗器が反平行に配向され、優先方向感度を強化するので、優先方向RresXはすべてのハーフブリッジに適用される。各トリミング抵抗器RXTがブリッジ20全体優先方向における優先方向を有する図10bによる回路構成は、すべてのブリッジ抵抗器の大きさが変更されることが好ましく、または僅かな抵抗許容値のみが補償される。
トリミング抵抗器は、好ましくは、例えば4つのトンネル素子からなる。それぞれの上部電極マスクの結果として、わずか2つのトンネル素子の分解能でトリミングすることが可能である。これにより、高調波フィルタリングが損なわれることはなく、ブリッジ象限(ブリッジ抵抗器)ごとに直列に16個または32個または64個の素子がある場合、ブリッジ抵抗器配置の12.5%、6.25%または3.125%の精度のそれぞれで抵抗値を調整することが可能になる。4つのサブ抵抗器R11、R12、R14、R15が設けられ、角度α1および角度α2によって分割される場合にも、同じトリミング分解能が可能である。また、トリミング抵抗器R13は、α1とα2の二等分線に位置する。
図11(a)及び(b)は、ブリッジを測定する別の実施形態22.1および22.2をそれぞれに示す。測定ブリッジ22.1及び22.2において、抵抗器配置のすべての優先方向は、図3の測定ブリッジ10.1および10.2の抵抗器配置の角度に対して、角度α/2で回転される。さもなければ、測定ブリッジ22.1は測定ブリッジ10.1に対応し、測定ブリッジ22.2は測定ブリッジ10.2に対応する。したがって、測定ブリッジの全体優先方向Rresの角度の所望配向を達成するために、抵抗器配置の全体優先方向は同じ角度量で回転される。このように、優先方向は、チップ基板上の抵抗器配置の所定の空間的位置決めと独立して配向され得る。図11(a)において、図1による従来技術の測定ブリッジ100の優先方向の配向に対応する、0°の主軸を仮定し、測定ブリッジ22.1の抵抗器配置R1およびR3の優先方向は、0°または180°の軸に対して角度−α/2で角度をつけられる。さらに、対角線の抵抗器配置は、互いに対して角度αで回転されるように、対角線方向にそれぞれに対向する抵抗器配置R1およびR4またはR2およびR3のそれぞれの優先方向の2つの角度は、0°に対するR2の正の角度α/2、0°に対するR3の負の角度−α/2、180°に対するR1の負の角度−α/2及び180°に対するR4の正の角度α/2で0°主軸から異なる。これにより、高調波を抑制するさらなる可能性が生じる。好ましくは、α=60°が選択され得る。以下のベクトル図において、優先軸は既にチップレイアウトにおいてはっきり見えるように、測定ブリッジ22.1の全体優先方向Rresは、0°主軸の方向を指す。
図11(b)は、測定タップVoutと供給接点Vbを切り替えることによって測定ブリッジ22.1から生じる測定ブリッジ22.2を示す。この場合、対角線方向にそれぞれに対向する抵抗器配置R1およびR4またはR2およびR3の優先方向の2つの角度は、0°に対するR3の正の角度α/2、0°に対するR2の負の角度−α/2、180°に対するR1の負の角度−α/2及び180°に対するR4の正の角度α/2で0°軸、180°、0°から異なる。この場合にも、優先方向/感度方向の軸は、抵抗器配置の等しい抵抗の大きさのために0°主軸に配向される。
図12a及び図12bは、測定ブリッジ24.1及び24.2のそれぞれのさらなる例示的な実施形態を示す。各抵抗器配置は、3つのサブ抵抗器RX1、RX2、RX3を含み、中間のサブ抵抗器RX2は、好ましくは、トリミング抵抗器の形態をとってもよい。しかし、他の抵抗器もトリミング抵抗器であってもよい。したがって、各抵抗器配置R1、R2、R3およびR4は、3つの直列接続された抵抗器を含み、サブ抵抗器RX2、RX3の優先方向は角度α2及びα1でRX1の優先方向から異なる。対角線方向に対向する抵抗器配置のサブ抵抗器の優先方向は、角度偏差α2およびα1の符号が逆にされることで異なる。R2XとR1Xの角度α1、α2は正の方向で異なるが、R3XとR4Xの角度α1、α2は負の方向で異なる。
測定ブリッジ24.1の抵抗器配置R1、R2、R3およびR4の合成優先方向が考えられる場合、図11(b)の測定ブリッジ22.2に相当する優先方向構成を引き起こすが、一つの高調波の代わりに、二つの高調波がフィルタリングされ得る。対になって互いに対向する抵抗器配置は、反平行の優先方向を有するが、対角線方向に対向する抵抗器配置は、一定角度で互いに異なる優先方向を有する。α2=α1/2が選択される場合、測定ブリッジ24.1のα2は、測定ブリッジ22.2の角度α/2に対応する。好ましくは、α2=30°及びα1=60°が選択される。
図12bの実施形態24.2は、図12aの実施形態に対応し、中間サブ抵抗器RX2の抵抗値が2倍のサブ抵抗器RX1、RX3の抵抗値に選択されることを除く。RX2の優先方向がそれぞれの抵抗器配置RXの優先方向に位置する場合、すなわちα2=α1/2が適用される場合、RX2の抵抗値の増加は、抵抗器配置の優先方向の配向を安定化させる。以下のベクトル図において、サブ抵抗器R22、R32のベクトル長は、他のサブ抵抗器のベクトル長の2倍が明らかであり、そのため、ベクトル配向Rres及びすべての抵抗挙動を支配する。したがって、サブ抵抗器R22、R32における抵抗での変化は、如何なる方法で優先方向の配向を変更しないが、測定ブリッジの全体の抵抗挙動に影響する。
本発明において、より多くの高調波をフィルタリングされ得るように、抵抗器配置のそれぞれは、異なる優先方向を有する二つまたは三つ以上のサブ抵抗器を備えてもよい。有効な高調波フィルタリングは、すべての抵抗器配置の優先方向の互いに対する相互作用によって達成される。高調波は、60°(3次高調波数)、45°(4次高調波数)、36°(5次高調波数)、30°(6次高調波数)で、すなわち、180°/高調波数でサブ抵抗器の優先方向によって有効的にフィルタリングされ得る。
10 ホイートストンブリッジの第一実施形態
12 ホイートストンブリッジの第二実施形態
14 ホイートストンブリッジの第三実施形態
16 ホイートストンブリッジの第四実施形態
18 ホイートストンブリッジの第五実施形態
20 ホイートストンブリッジの第六実施形態
22 ホイートストンブリッジの第七実施形態
24 ホイートストンブリッジの第八実施形態
30 角度センサ
32 チップ基板
34 コンタクトパッド
36 導体トラック
38 磁気抵抗ブリッジ抵抗器
40 正弦ブリッジ
42 余弦ブリッジ
50 トリミング抵抗器
52 上部電極
54 トンネル抵抗器/トンネル素子
56 下部電極
58 絶縁層
60 電極途切れ
100 従来技術のホイートストンブリッジ
102 従来技術のホイートストンブリッジ

Claims (11)

  1. 磁場の角度配向を測定する磁気抵抗ホイートストンブリッジ(10、12、14、16、18、20、22、24)であって、
    供給電圧Vbの間に並列に接続された二つのブリッジブランチを含み、
    二つの直列に接続された抵抗器配置R1及びR3またはR2及びR4は、中間測定電位Voutを有し、ブリッジブランチのそれぞれに配置され、
    前記二つのブリッジブランチの前記抵抗器配置R1及びR4またはR2及びR3は、対角線方向に対向し、
    少なくとも二つの磁気抵抗器配置R1、R2、R3、R4は、磁気感度優先方向を有し、
    前記ブリッジブランチR1及びR4またはR2及びR3の対角線方向に対向する磁気抵抗器配置の前記優先方向は、0°または180°以外の角度で互いに異なり、
    ブリッジブランチのそれぞれの直列に接続された前記抵抗器配置R1及びR3またはR2及びR4の前記優先方向は、反平行に配向され、または、
    前記ブリッジブランチにおいて対になり互いに対向して位置する前記抵抗器配置R1及びR2またはR3及びR4の前記優先方向は、反平行に配向され、前記ブリッジブランチR1及びR4またはR2及びR3の対角線方向に対向する抵抗器配置の前記優先方向は、互いに30°、36°、45°または60°の角度で異なる、
    ことを特徴とするホイートストンブリッジ。
  2. 抵抗器配置R1、R2、R3、R4のそれぞれの抵抗挙動は、大きさに関して同一である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のホイートストンブリッジ。
  3. 前記抵抗器配置は、チップ基板上に配置されるAMR抵抗器配置、GMR抵抗器配置、またはTMR抵抗器配置である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のホイートストンブリッジ。
  4. 抵抗器配置R1、R2、R3、R4のそれぞれは、角度α2で、または他の角度で互いに対してオフセットされる優先方向を有する少なくとも二つの磁気抵抗器RX1、RX2を備え、前記ブリッジブランチR1及びR4またはR2及びR3の対角線方向に対向する抵抗器配置の合成優先方向は、角度α1で互いに異なり、α1=60°および
    α2=30°又はα2=36°である、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のホイートストンブリッジ。
  5. 前記抵抗器配置R1、R2、R3およびR4の大きさに関して同一の抵抗挙動をもたらすために、少なくとも抵抗器配置R1、R2、R3またはR4において、トリミング抵抗器RXT(50)が直列に接続され、これは選択される、
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のホイートストンブリッジ。
  6. 前記トリミング抵抗器RXT(50)は、トリミング抵抗器優先方向を有する磁気抵抗器である、
    ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のホイートストンブリッジ。
  7. 前記トリミング抵抗器優先方向は、前記抵抗器配置の1つの抵抗器の優先方向の方向に配向され得、前記抵抗器配置の合成優先方向の方向に、または前記ホイートストンブリッジ(10、12、14、16、18、20)の全体優先方向の方向に配向され得る、
    ことを特徴とする請求項に記載のホイートストンブリッジ。
  8. 前記トリミング抵抗器RXT(50)は、上部電極(52)と下部電極(56)との間に少なくとも二つのトンネル抵抗器(54)の連結を含むことができ、前記トリミング抵抗器RXT(50)は、前記上部電極(52)または前記下部電極(56)の電極途切れ(60)または電極の短絡によって調整可能である、
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のホイートストンブリッジ。
  9. 前記トリミング抵抗器RXT(50)は、数のトンネル抵抗器(52)の、複数のトリミングサブ抵抗器の直列および/または並列接続を含み、並列ブランチのそれぞれの並列ブランチ数および/または直列抵抗器数は調整可能である、
    ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のホイートストンブリッジ。
  10. 角度センサ(30)であって、
    第1センサブリッジおよび第2センサブリッジ(40、42)によって磁場の角度配向を決定するために、請求項1〜のいずれか1項により、所定の角度、90°でオフセットされた少なくとも2つの磁気抵抗ホイートストンブリッジ(10、12、14、16、18、20、22、24)を含む、ことを特徴とする角度センサ。
  11. 第1センサブリッジ(40)第1ブリッジブランチR1−R3(40−1)の抵抗器配置と第2センサブリッジ(42)の第1ブリッジブランチR1−R3(42−1)の抵抗器配置は、チップ基板(32)上に空間的に隣接して配置され、
    前記第1センサブリッジ(40)第2ブリッジブランチR2−R4(40−2)の抵抗器配置と前記第2センサブリッジ(42)の第2ブリッジブランチR2−R4(42−2)の抵抗器配置は、前記チップ基板(32)上に空間的に隣接して配置され、
    前記第1センサブリッジ(40)の前記第1ブリッジブランチR1−R3(40−1)および前記第2ブリッジブランチR2−R4(40−2)は、前記チップ基板(32)上で互いに対角線方向に配置され、
    前記第2センサブリッジ(42)の前記第1ブリッジブランチR1−R3(42−1)および第2のブリッジブランチR2−R4(42−2)は、前記チップ基板(32)上で互いに対角線方向に配置される、
    ことを特徴とする請求項10に記載の角度センサ。
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