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JP6540845B1 - 車両の車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体全体でサスペンションの支持剛性を向上させることができる車両の車体構造の提供を目的とする。【解決手段】車両のサイドドア開口Esよりも車両後方に配設されたリヤホイールハウス52に設けられるとともに、サスダンパ55を支持する左右一対のダンパ支持部54の近傍から、車体後部1Rで車幅方向に延びるリヤエンド7に亘って第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1が構成された後部車両の車体構造であって、車両前後方向の略環状の前後方向環状車体骨格SLCと第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1とを連結する連結部材33を備えた。【選択図】図1

Description

この発明は、リヤサスペンションのダンパ支持部近傍に車幅方向において略環状となる車体骨格を形成する車両の車体構造に関する。
例えば、特許文献1に記載するように、フロアクロスメンバ、ホイールハウスレインフォースメント、及びリヤエンドクロスで左右のリヤサスペンションのダンパ支持部近傍からリヤエンドに亘って車幅方向において略環状となる車体骨格を形成することでリヤサスペンションにおけるダンパ支持部の支持剛性を向上することできる。
また、サイドドア開口の周縁にも略環状の車体骨格を形成し、上述の車幅方向において略環状となる車体骨格と連結することによって、車体全体でサスペンションの支持剛性を向上することができるものの、リヤサスペンションにおけるダンパ支持部と、サイドドア開口の周縁に形成された略環状の車体骨格とは離間しているため、車体全体でサスペンションの支持剛性を向上させることは困難であった。
特開2006−193047号公報
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、車体全体でサスペンションの支持剛性を向上させることができる車両の車体構造の提供を目的とする。
この発明は、車両のサイドドア開口よりも車両後方に配設されたリヤホイールハウスに設けられるとともに、サスダンパを支持する左右一対のダンパ支持部の近傍から、車両後部で車幅方向に延びるリヤエンドに亘って車幅方向において略環状となる車体骨格が構成された車両の車体構造であって、車両前部に配設された左右一対のヒンジピラーと、該ヒンジピラーの上端から車両後方に延設された左右一対のフロントピラー、及び左右一対のルーフサイドレールと、前記サイドドア開口の後端に沿って配設された左右一対のサイドピラーと、該サイドピラーの下端、及び前記ヒンジピラーの下端を車両前後方向に連結する左右一対のサイドシルとで構成された車両前後方向において略環状となる車体骨格を備え、前記車幅方向において略環状となる車体骨格が、左右一対の前記ルーフサイドレールの後端から車両後方かつ下方に延びる左右一対のリヤピラーの下端同士を車幅方向に連結するリヤエンドクロスと、該リヤエンドクロスと前記リヤホイールハウスの上部とを車両前後方向に連結する左右一対の連結ガセットと、前記ダンパ支持部が上部に設けられた左右一対の前記リヤホイールハウスと、前記リヤホイールハウスに沿って配設されるとともに、前記ダンパ支持部よりも車両前方に位置で、上端前部が前記サイドピラーの後端に接合された左右一対のホイールハウスレインフォースメントと、該ホイールハウスレインフォースメントの下端を車幅方向に連結するフロアクロスメンバとで構成され、車両部品が取付けられるとともに、前記サイドピラーの前端と前記ホイールハウスレインフォースメントとを連結する連結部材が備えられたことを特徴とする。
この発明により、車体全体でサスペンションの支持剛性を向上することができる。
詳述すると、車両前部に配設された左右一対のヒンジピラーと、該ヒンジピラーの上端から車両後方に延設された左右一対のフロントピラー、及び左右一対のルーフサイドレールと、前記サイドドア開口の後端に沿って配設された左右一対のサイドピラーと、該サイドピラーの下端、及び前記ヒンジピラーの下端を車両前後方向に連結する左右一対のサイドシルとで車両前後方向において略環状となる車体骨格を構成するとともに、左右一対の前記ルーフサイドレールの後端から車両後方かつ下方に延びる左右一対のリヤピラーの下端同士を車幅方向に連結するリヤエンドクロスと、該リヤエンドクロスと前記リヤホイールハウスの上部とを車両前後方向に連結する左右一対の連結ガセットと、前記ダンパ支持部が上部に設けられた左右一対の前記リヤホイールハウスと、前記リヤホイールハウスに沿って配設されるとともに、前記ダンパ支持部よりも車両前方に位置で、上端前部が前記サイドピラーの後端に接合された左右一対のホイールハウスレインフォースメントと、該ホイールハウスレインフォースメントの下端を車幅方向に連結するフロアクロスメンバとで前記車幅方向において略環状となる車体骨格を構成している。
そのうえで、車両前後方向において略環状となる車体骨格を構成する前記サイドピラーの前端と、前記車幅方向において略環状となる車体骨格を構成する前記ホイールハウスレインフォースメントとを、車両部品が取付けられる連結部材で連結するため、つまり車両に対して多方向において略環状となる車体骨格が形成され、車体全体でサスペンションの支持剛性を向上することができる。したがって、フロントサスペンションとリヤサスペンションとで入力された力を遅れなく伝達することができ、乗員の乗り心地性を向上することができる。
加えて、車両部品を取付けるための部材を略環状の車体骨格同士を連結する前記連結部材として用いることで、部品点数の増加を抑え、重量増加を防止することができる。
また、前記連結部材によって、前記サイドピラーと前記ホイールハウスレインとの接合箇所を補強することができるため、前記サイドピラーと前記ホイールハウスレインとをより高剛性で連結することができる。
さらに、前記サイドピラー下端と前記ダンパ支持部とが離間した場合であっても、前記サイドドア開口の後端縁の剛性と、前記ダンパ支持部の支持剛性とを両立して確保しつつ、前記サイドピラーと前記ホイールハウスレインとを連結することができる。
なお、上記略環状の車体骨格は、力学的に作用する負荷を伝達可能に構成された略環状であれば、その形状はいずれの形状であってもよく、また、複数の部材で構成された略環状であってもよい。さらに、略環状の車体骨格を構成する部材は、閉断面で構成された部材であってもよいし、力学的に構造部材として評価できる部材であれば開断面で構成された部材であってもよい。なお、開部材である場合、他部材と組み合わさって閉断面を構成するとさらによい。
この発明の態様として、前記連結部材における前記ホイールハウスレインフォースメント側部位を、前記ダンパ支持部の前方部位に連結してもよい。
この発明により、前記車幅方向において略環状となる車体骨格を構成する、前記ダンパ支持部が上部に設けられた左右一対の前記リヤホイールハウスと、連結部材とを直接連結するため、車両前後方向において略環状となる車体骨格と前記車幅方向において略環状となる車体骨格との連結剛性を向上することができる。
また、ダンパ支持部とサイドピラーレインフォースメントの距離が離れている場合でもあっても、前記ホイールハウスレインフォースメントと前記サイドピラーレインフォースメントの前端とを連結する連結部材によって、ダンパ支持部の剛性を確保しながら、ホイールハウスレインフォースメントの一部と車両部品を取り付けるための連結部材を利用して、前記車体前後方向において略環状となる車体骨格と前記車幅方向において略環状となる車体骨格とを連結することができる。
またこの発明の態様として、前記連結部材を、シートバックのラッチが嵌合するストライカを取り付けるストライカ取付ブラケットで構成してもよい。
この発明により、シートバックのラッチが嵌合するストライカ取付ブラケットを前記連結部材として機能させ、ストライカ取付ブラケットを利用して、前記車体前後方向において略環状となる車体骨格と前記車幅方向において略環状となる車体骨格との連結剛性を向上することができる。
またこの発明の態様として、サイドピラーレインフォースメントとで前記サイドピラーを構成するサイドパネルインナにおける前記ダンパ支持部の側方に、車両部品が取付けられる補強プレートを設け、前記補強プレートが、前記ルーフサイドレールの後端から後方に延びるリヤピラーと、前記ホイールハウスレインフォースメントの上端部後端を連結してもよい。
この発明により、前記ダンパ支持部の側方の前記サイドパネルインナに設けられた補強プレートと前記ホイールハウスレインフォースメントの上端部後端とを連結するとともに、前記補強プレートの上端を前記リヤピラーに連結するため、第2の車両部品が取付けられる補強プレートを利用して前記車体前後方向において略環状となる車体骨格と前記車幅方向において略環状となる車体骨格との連結剛性を向上することができる。
またこの発明の態様として、前記補強プレートを、シートベルトリトラクタを取り付ける取付プレートで構成してもよい。
この発明により、シートベルトリトラクタの取付プレートを前記補強プレートとして機能させ、取付プレートを利用して、前記車体前後方向において略環状となる車体骨格と前記車幅方向において略環状となる車体骨格との連結剛性を向上することができる。
またこの発明の態様として、前記取付プレートと前記サイドピラーレインフォースメントとを跨いで取り付ける取付ブラケットを設けてもよい。
この発明により、シートベルトリトラクタを取り付ける取付ブラケットを利用して、前記車体前後方向において略環状となる車体骨格と前記車幅方向において略環状となる車体骨格との連結剛性を向上することができる。
またこの発明の態様として、前記ダンパ支持部を、前記ホイールハウスレインフォースメントまで延びるとともに、他より厚肉である厚肉部で構成してもよい。
この発明により、前記車幅方向において略環状となる車体骨格を構成する前記連結ガセットが前記リヤエンドクロスと前記リヤホイールハウスにおける前記厚肉部とを車両前後方向に連結するため、より剛性の高い車体骨格を構成することができる。
また、前記リヤホイールハウスに設けられた前記ダンパ支持部が前記ホイールハウスレインフォースメントに対して離れている場合であっても、他より厚肉であり、前記ホイールハウスレインフォースメントまで延び厚肉部によって、支持剛性の低下を抑制することができる。
またこの発明の態様として、リヤヘッダ、サイドドア開口の後端部に配置されたサイドピラーレインフォースメント、前記ホイールハウスレインフォースメント、及びフロアクロスメンバで左右のリヤサスペンションの前記ダンパ支持部の近傍に前記車幅方向において略環状となる車体骨格を構成してもよい。
この発明により、左右のリヤサスペンションのダンパ支持部の近傍からリヤエンドに亘って形成された車幅方向において略環状となる車体骨格と、左右のリヤサスペンションの前記ダンパ支持部の近傍の周囲に前記車幅方向において略環状となる車体骨格とを、前記サイドピラーレインフォースメントを利用して連結することができる。したがって、車体後部におけるリヤサスペンションの前記ダンパ支持部の支持剛性をさらに向上させ、車体全体でサスペンションの支持剛性を向上することができる。
この発明によれば、車体全体でサスペンションの支持剛性を向上させることができる。
本実施形態の車両の車体構造の前方から視た斜視図。 本実施形態の後部車両の車体構造の要部を示す斜視断面図。 本実施形態の後部車両の車体構造の要部を示す内側からの側面図。 本実施形態の後部車両の車体構造の要部を示す内側からの拡大側面図。 図3中のA−A線切断面に沿って切断した正面図。 本実施形態の後部車両の車体構造の要部を示す内側からの拡大斜視図。 本実施形態の後部車両の車体構造の要部を示す内側からの拡大側面図。 本実施形態の前部車両の車体構造の前方から視た斜視図。 図3中のA−A線切断面に沿って切断した車幅方向片側の端面図。 図5中のB−B線切断面に沿って切断した正面図。 図4中のC−C線切断面に沿って切断した端面図。 図4中のD−D線切断面に沿って切断した端面図。 図4中のE−E線切断面に沿って切断した端面図。 図4中のF−F線切断面に沿って切断した端面図。 図4中のG−G線切断面に沿って切断した端面図。 図4中のH−H線切断面に沿って切断した端面図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
なお、本実施形態の後部車両の車体構造は、左右対称であるため、図3〜図7、図9、図11〜図16では車体左側のみを図示している。また、図3において取付ブラケット35の図示を省略している。
また、図中において、矢印Fr及びRrは前後方向を示しており、矢印Frは前方を示し、矢印Rrは後方を示している。
さらに、矢印Rh及びLhは幅方向を示しており、矢印Rhは右方向を示し、矢印Lhは左方向を示している。
加えて、矢印INは車幅方向内側を示し、矢印OUTは車幅方向外側を示している。
本実施形態の後部車両の車体構造は、車室2の後方に荷室3が設けられた車体1の車体後部1Rに、リフトゲート(図示省略)により開閉可能に覆われるリヤ開口Erを有する所謂ハッチバック型の車両である。なお、車体1において後述するセンタピラー43より後方を車体後部1Rとし、センタピラー43より前方を車体前部1Fとしている。
より詳しくは、本実施形態の車体後部1Rは、図1〜図3に示すように、車室2の床面にフロアパネル21を設け、このフロアパネル21の車幅方向中央部に車室2の内方へ突出して車両の前後方向に延びるトンネル部22(フロアトンネル)を一体又は一体的に形成している。
図3、図10に示すように、フロアパネル21の後端部は、縦壁状に立ち上がるフロア後側クロスメンバ23(図2参照)を介して略水平に車両後方かつ車幅方向に延びる荷室フロア部31と連設している。
これにより車室2は、図2、図3に示すように、フロアパネル21に不図示のシート(シートクッション、シートバック)が配設された乗員空間と、乗員空間の後方に位置し、フロアパネル21よりも一段高く形成された荷室フロア部31を底部に有する荷室3内の空間とが車両前後方向に互いに連通して設けられている。
図2、図3,図5に示すように、このフロア後側クロスメンバ23は、トンネル部22の上面の高さよりも高い位置まで立ち上がり、その車幅方向中間位置においてトンネル部22と接合されている。なお、フロア後側クロスメンバ23は、後述する左右のサイドシル46の後端部を橋渡ししている。
図2、図5に示すように、フロアパネル21の車幅方向両外端にはサイドシル46を接合固定している。このサイドシル46は、図5に示すように、断面ハット状のインナパネル46a及びアウタパネル46bを接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面空間46sを備えた車体剛性部材である。
図1、図2、図5に示すように、車両のルーフ部9は、車体両サイド部にて車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレール91と、ルーフサイドレール91の後側部にて車幅方向に延びるリヤヘッダ92と、ルーフ部9の前後方向の中間部にて車幅方向に延びるルーフクロスメンバ93と、ルーフサイドレール91の前側部にて車幅方向に延びるフロントヘッダ94と、車室2の天井部を覆うルーフパネル95とで構成している。
なお、ルーフサイドレール91は、図9に示すように、ルーフサイドレールアウタパネル91aと、ルーフレインフォースメント91bと、ルーフサイドレールインナパネル91cとを溶接固定して、車両の前後方向に延びる閉断面空間91sを形成した車体剛性部材である。
ルーフパネル95は、上述したように、左右一対のルーフサイドレール91、フロントヘッダ94、及びリヤヘッダ92に囲まれた領域を、車両上部において車両前後方向及び車幅方向に広がるように配設されており、鋼板製のパネル部材であり、フロントヘッダ94とリヤヘッダ92とは、いずれも上方に配置したルーフパネル95とで略閉断面空間構造を構成し、それぞれルーフパネル95の前部、後部において車幅方向に延びる車体剛性部材を構成している。
また、ルーフパネル95の後部に配置されたリヤヘッダ92は、図4に示すように、雨樋部96と一体形成され、車幅方向に延びる閉断面空間92sを形成している。
図1〜図5に示すように、リヤヘッダ92の後方にはリヤ開口Erが開口形成されており、リヤ開口Erの左右両サイドの開口縁部には、ルーフサイドレール91の後端(リヤヘッダ92の車幅方向の両端部との結合部に対応する部位)から後方かつ下方へ延びる左右一対のリヤピラー41が設けられている。
リヤピラー41は、図11に示すように、リヤピラーアウタ41aとリヤピラーインナ41bとを接合固定して、リヤピラー閉断面空間41sを構成した車体剛性部材である。
リヤヘッダ92の後方に形成されたリヤ開口Erの後方の開口縁部には、図3、図10に示すように、ルーフサイドレール91の後端から後方かつ下方へ延びる左右一対のリヤピラー41の下端同士を連結する、車幅方向に延びるリヤエンドクロス71が設けられている。
詳述すると、リヤエンドクロス71は、荷室3の後方において、荷室フロア部31の後端より上方に延びるリヤエンド7をリヤエンドパネル72とともに構成している。リヤエンドパネル72は、荷室フロア部31の後端から上方に延びるパネル部材であり、リヤエンドパネル72の上端における荷室3側の内面に対して断面ハット状のリヤエンドクロス71を接合して、車幅方向に延びる閉断面空間71sを有する車体剛性部材を構成している。
図1〜図7に示すように、車体後部1Rの両サイド部における、上述のサイドシル46の後端部と、上述のルーフサイドレール91の後端(リヤヘッダ92の車幅方向の両端部との結合部に対応する部位)との間には、ルーフサイドレール91の後端から下方かつ前方に延びるサイドピラー42が設けられており、このサイドピラー42でサイドシル46の後端とルーフサイドレール91の後端とを連結している。このように構成されたサイドピラー42は、下方に行けば行くほど、ダンパ支持部54から離れる態様となる。
また、図1〜図3に示すように、車体後部1Rの両サイド部における、上述のサイドシル46の前後方向中間部(サイドシル46において、前側クロスメンバ24より前方位置)と、上述のルーフサイドレール91の前後方向中間部(ルーフサイドレール91の前後方向のルーフクロスメンバ93に対応する部位)との間には、車両上下方向に延びるセンタピラー43を設けており、このセンタピラー43でサイドシル46の中間部位とルーフサイドレール91の中間部位とを連結している。
なお、センタピラー43は、図示省略するが、車両上下方向の略全体をセンタピラーインナとセンタピラーアウタとを接合固定して、閉断面空間を構成した車体剛性部材である。また、車体両サイド部のセンタピラー43,43は、後述する前側クロスメンバ24の車幅方向の左右それぞれに対応する外端に結合されている。
さらに、図1に示すように、車体前部1Fの両サイド部における、上述のサイドシル46の前端部と、上述のルーフサイドレール91の前端部(フロントヘッダ94の車幅方向の両端部との結合部に対応する部位)との間には、車両上下方向に延びるフロントピラー44及びヒンジピラー45を設けており、これらのフロントピラー44及びヒンジピラー45でサイドシル46の前端とルーフサイドレール91の前端とを連結している。
詳述すると、本実施形態の車体前部1Fは、図1、及び図8に示すように、車幅方向の両側において前側下部から後側上部に向けて延びるフロントピラー44が設けられ、これらフロントピラー44の下部は上下方向に延びるヒンジピラー45に連結されている。
フロントピラー44はフロントピラーインナとフロントピラーアウタとを接合して、ヒンジピラー45はヒンジピラーインナとヒンジピラーアウタとを接合して、いずれも閉断面空間を備えた車体剛性部材である。
上述の左右のフロントピラー44の後端には、上述したように、車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレール91が連続して形成され、上述したように、左右のフロントピラー44の上端部相互間には、車幅方向に延びるフロントヘッダ94(図1参照)が架設されるとともに、左右のルーフサイドレール91の後端部相互間には、車幅方向に延びるリヤヘッダ92が架設されている。
上述のように側部を構成した車体1の車体前部1Fにおいて、センタピラー43、サイドシル46の前半部、ヒンジピラー45、フロントピラー44及びルーフサイドレール91の前半部とで、図示省略するフロントサイドドアが装着されるフロントサイドドア開口Esfを構成し、車体後部1Rにおいては、センタピラー43、サイドシル46の後半部、サイドピラー42及びルーフサイドレール91の後半部とで、図示省略するリヤサイドドアが装着されるリヤサイドドア開口Esrを構成している。
つまり、センタピラー43より前方にフロントサイドドア開口Esfを構成し、センタピラー43より後方にリヤサイドドア開口Esrを構成しており、サイドピラー42は、リヤサイドドア開口Esrの後端に沿って配設されている。
また、上述したように、センタピラー43より車両前方のフロントサイドドア開口Esfと、センタピラー43より車両後方のリヤサイドドア開口Esrとが構成されているものの、車体両サイド部において、サイドシル46、ヒンジピラー45、フロントピラー44、ルーフサイドレール91及びサイドピラー42によって、サイドドア開口Esを構成しており、サイドドア開口Esの後端に沿ってサイドピラー42が配設されている。このように、車体両サイド部において、サイドドア開口Esを形成するサイドシル46、ヒンジピラー45、フロントピラー44、ルーフサイドレール91及びサイドピラー42によって、図1に示すように、車両の車体構造としての車体前後方向の略環状車体骨格(以下において前後方向環状車体骨格SLCという)を車体側部の左右それぞれに構成している。
また、車体後部1Rにおいて、サイドピラー42とリヤピラー41との間は、つまり、荷室3の車幅方向外側は、図3〜図7、図12、図13に示すように、サイドパネル51が配置され、その下方において、荷室フロア部31の車幅方向両側にリヤホイールハウス52が設けられ、リヤホイールハウス52の前方側に上下方向に延びるホイールハウスレインフォースメント53が備えられている。また、リヤホイールハウス52の上部には、サスダンパ55の上部を支持するダンパ支持部54を設けている。
サイドパネル51は、図12、図14に示すように、車両外側のサイドパネルアウタ51aと、荷室3側のサイドパネルインナ51bとで構成されている。そして、サイドピラー42は、サイドパネルアウタ51aとサイドパネルインナ51bとの間に形成された閉断面空間51sにおいて、サイドパネルインナ51bに取り付けられたサイドピラーレインフォースメント42aによって構成されている。
詳述すると、図11、図12に示すように、平面視略ハット型断面のサイドピラーレインフォースメント42aを、サイドパネルインナ51bの閉断面空間51s側の内面に取り付けて、サイドパネルインナ51b及びサイドピラーレインフォースメント42aで、車両上下方向に延びる閉断面空間42sを備えた車体剛性部材としてのサイドピラー42を構成している。
リヤホイールハウス52は、図13に示すように、車両正面視における断面において、サイドパネル51を構成するサイドパネルインナ51bの下端から車幅方向に二股上に分かれるリヤホイールハウスアウタパネル52aとリヤホイールハウスインナパネル52bとで構成され、車両外側に図示省略するタイヤを配置する空間(以下においてリヤホイールハウス空間Hという)を形成している。
リヤホイールハウスアウタパネル52aは、サイドパネルインナ51bの下端から下方かつ車幅方向外側に向かって拡がるように形成され、最外側下端位置でサイドパネルアウタ51aの下端と連結されている。そのため、リヤホイールハウスアウタパネル52aが、サイドパネルアウタ51aとサイドパネルインナ51bとの間に構成される閉断面空間51sの底面部を構成している。また、リヤホイールハウスアウタパネル52aの途中位置に、サイドピラー42を構成するサイドピラーレインフォースメント42aの下端が連結されている。
リヤホイールハウスインナパネル52bは、サイドパネルインナ51bの下端から下方かつ車幅内側方向に向かって、つまり荷室3側に拡がるように形成され、最内側下端位置で荷室フロア部31の車幅方向外側と連結されている。そのため、リヤホイールハウスインナパネル52bは、サイドパネルインナ51bより荷室3側に突出する略半円状のドーム状となる。
このように構成されたリヤホイールハウスインナパネル52bの上部、すなわちサスダンパ55を支持する部位は、図3に示すように、他の部分に比べて厚肉(以下において上部厚肉構成部56という)であり、力学的な構造部材を構成している。
このように、他の部分に比べて厚肉に構成した上部厚肉構成部56は、車両外側のリヤホイールハウス空間Hに配置したサスダンパ55(図2)の上端を固定し、支持するダンパ支持部54を構成している。
ホイールハウスレインフォースメント53は、図7に示すように、リヤホイールハウスインナパネル52bの車両前後方向中央より前方において、リヤホイールハウスインナパネル52bの上部から下部に向かって前方に傾斜する向きで、リヤホイールハウスインナパネル52bの荷室3側の面に沿って配置されている。
また、ホイールハウスレインフォースメント53は、図12に示すように、平面視略ハット型断面で構成され、リヤホイールハウスインナパネル52bの荷室3側の内面に取り付けて、リヤホイールハウスインナパネル52b及びホイールハウスレインフォースメント53で、車両上下方向に延びる閉断面空間53sを備えた車体剛性部材を構成している。
このように構成されたホイールハウスレインフォースメント53の上部は、リヤホイールハウスインナパネル52bにおける上部厚肉構成部56に固定されるとともに、その上端の前部は、図4におけるD−D線端面図である図12に示すようにサイドピラー42の上部後端と連結されている。また、ホイールハウスレインフォースメント53の下端は、図3に示すように、フロア後側クロスメンバ23の車幅方向外側と連結されている。
また、サイドピラー42の上部の前端とホイールハウスレインフォースメント53の上端付近であるダンパ支持部54の前方部位とを連結する連結部材33を車体前方かつ上方に向かって略斜め方向に設けている。
連結部材33は、車室2の乗員空間におけるフロアパネル21に配設される不図示のリヤシートを構成するシートバックのラッチが嵌合するストライカ33aを取り付けるストライカ取付ブラケットである。なお、連結部材33は、図4中のG−G線端面図である図15に図示するように、幅方向の外側が車室2側に膨らむ凸状部を有し、断面剛性の高い鋼製の構造部材である。
なお、連結部材33の後端は、図7に示すように、断面ハット状のホイールハウスレインフォースメント53の凸部に連結されるように幅広で形成され、サイドピラー42の上部の前端に連結される連結部材33の前端に向かって徐々に幅狭となるように形成している。なお、連結部材33の前端とサイドピラー42の上部の前端との連結、及び連結部材33の後端とホイールハウスレインフォースメント53の上端付近であるダンパ支持部54の前方部位となる上部厚肉構成部56との連結は、図示省略する締結ボルトによって連結している。
また、連結部材33の前端とサイドピラー42の上部の前端との連結は、図13に示すように、サイドパネルアウタ51aとサイドパネルインナ51bとの間に形成された閉断面空間51sに配置されたサイドピラーレインフォースメント42aの上部の前端と、連結部材33の前端とを、サイドパネルインナ51bを介して連結することで構成している。また、連結部材33における前記ホイールハウスレインフォースメント側部位を、前記ダンパ支持部の前方部位に連結している。
さらに、サイドパネル51におけるダンパ支持部54の側方には、図4に示すように、リヤピラー41とホイールハウスレインフォースメント53の上端部後端とを連結する補強プレート34と、補強プレート34とサイドピラー42とを跨いで取り付ける取付ブラケット35を設けている。
補強プレート34は、リヤシート用のシートベルトリトラクタを、取付ブラケット35を介して取り付ける取付プレートであり、所定幅及び所定の厚みを有する帯状のプレート部材であり、車両上方かつ後方に向かうように配置されている。
なお、補強プレート34は、図12に示すように、サイドパネルアウタ51aとサイドパネルインナ51bとで構成する閉断面空間51sにおいて、サイドパネルインナ51bに沿って設けられている。
補強プレート34とサイドピラー42とを跨いで取り付ける取付ブラケット35は、図4に示すように、前端側をサイドピラー42に取り付ける前端取付部35a、後端側をサイドパネルインナ51bを介して補強プレート34に取り付ける後端取付部35bとし、前端取付部35a及び後端取付部35bの間を、前端取付部35a及び後端取付部35bに対して折り曲げ、所定の向きでリヤシート用のシートベルトリトラクタを取り付ける取付部本体35cとしている。
また、サイドピラー42の上部後端と前端取付部35aとは、サイドパネルアウタ51aとサイドパネルインナ51bとの間に形成された閉断面空間51sに配置されたサイドピラーレインフォースメント42aの上部後端と、前端取付部35aとを、サイドパネルインナ51bを介して、図示省略する締結ボルトによって連結している。
また、サイドピラー42の上部後端と後端取付部35bとは、サイドパネルアウタ51aとサイドパネルインナ51bとの間に形成された閉断面空間51sに配置されたサイドピラーレインフォースメント42aの上部後端と、後端取付部35bとを、サイドパネルインナ51bを介して、図示省略する締結ボルトによって連結している。
図4、図16に示すように、リヤホイールハウス52の上部においてダンパ支持部54を構成する上部厚肉構成部56と、リヤエンド7を構成するリヤエンドクロス71の車幅方向両端(リヤピラー41とリヤエンドクロス71との連結部)とを、車両前後方向に連結する連結ガセット36を設けている。
連結ガセット36の前端部は、図4に示すように、荷室3側に膨出するリヤホイールハウスインナパネル52bの上部における上部厚肉構成部56に対して車両後方かつ車幅方向内側から被さるように固定されるとともに、後端部がリヤピラー41とリヤエンドクロス71との連結部に対して車両前方かつ車幅方向内側からから被さるように固定可能に車両正面視略逆L字状の断面で構成された構造部材である。
なお、上述したように、リヤエンドクロス71は、リヤピラー41の後方下端と連結されており、車幅方向に延びるリヤエンドクロス71、左右一対の連結ガセット36、左右一対のダンパ支持部54を有するリヤホイールハウス52の上部厚肉構成部56、左右一対のホイールハウスレインフォースメント53及び車幅方向に延びるフロア後側クロスメンバ23とで、車両の車体構造として、車体正面視及び車体平面視において略環状となる車幅方向の略環状車体骨格(以下において第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1という)を構成している(図1参照)。
また、上述のように構成された連結部材33、補強プレート34、並びに取付ブラケット35を用いることによって、車幅方向の略環状車体骨格(以下において第2リヤ車幅方向環状車体骨格RWC2という)を構成している(図1参照)。
詳述すると、車幅方向のリヤヘッダ92と、左右一対のサイドピラー42とで車体正面視下向きに開放するコ字状の車体骨格を構成している。また、車幅方向のフロア後側クロスメンバ23と車体左右のホイールハウスレインフォースメント53とで車体正面視上向きに開放するコ字状の車体骨格を構成している。
なお、リヤホイールハウス52の前方に配設されたホイールハウスレインフォースメント53で構成された車体正面視上向きに開放するコ字状は、サイドドア開口Esの後端に沿って配設されたサイドピラー42で構成された車体正面視下向きに開放するコ字状の車体骨格に対して、車体後方に配置されている。
これに対し、車体正面視下向きに開放するコ字状の車体骨格を構成するサイドピラー42の上部の前端と、車体正面視上向きに開放するコ字状の車体骨格を構成するホイールハウスレインフォースメント53の上端付近であるダンパ支持部54の前方部位となる上部厚肉構成部56とを連結部材33で連結している。
また、車体正面視下向きに開放するコ字状の車体骨格を構成するリヤヘッダ92に連結されたリヤピラー41と、車体正面視上向きに開放するコ字状の車体骨格を構成するホイールハウスレインフォースメント53の上端部後端とを補強プレート34で連結するとともに、車体正面視下向きに開放するコ字状の車体骨格を構成するサイドピラー42と補強プレート34とに対して取付ブラケット35を跨いで取り付けている。
そのため、サイドドア開口Esの後端に沿って配設されたサイドピラー42で構成された車体正面視下向きに開放するコ字状の車体骨格と、当該車体骨格より車体後方に配設されたリヤホイールハウス52の前方に配設されたホイールハウスレインフォースメント53で構成された車体正面視上向きに開放するコ字状は、サイドピラー42の上部の前端とホイールハウスレインフォースメント53の上端付近であるダンパ支持部54の前方部位となる上部厚肉構成部56とを連結部材33、並びに、ホイールハウスレインフォースメント53の上端部後端に連結された補強プレート34と、車体正面視下向きに開放するコ字状の車体骨格を構成するサイドピラー42とを跨いで取り付けた取付ブラケット35を介して連結されている。
さらには、サイドドア開口Esの後端に沿って配設されたサイドピラー42で構成された車体正面視下向きに開放するコ字状の車体骨格と、当該車体骨格より車体後方に配設されたリヤホイールハウス52の前方に配設されたホイールハウスレインフォースメント53で構成された車体正面視上向きに開放するコ字状の車体骨格は、車体正面視下向きに開放するコ字状の車体骨格を構成するリヤヘッダ92に連結されたリヤピラー41と、車体正面視上向きに開放するコ字状の車体骨格を構成するホイールハウスレインフォースメント53の上端部後端とを連結する補強プレート34を介して連結されている。
このように、連結部材33及び取付ブラケット35、並びに、リヤピラー41及び補強プレート34を介して、サイドドア開口Esの後端に沿って配設されたサイドピラー42で構成された車体正面視下向きに開放するコ字状の車体骨格と、当該車体骨格より車体後方に配設されたリヤホイールハウス52の前方に配設されたホイールハウスレインフォースメント53で構成された車体正面視上向きに開放するコ字状の車体骨格とを連結したことによって、車幅方向のリヤヘッダ92と、車体左右のサイドピラー42と、連結部材33及び取付ブラケット35と、ホイールハウスレインフォースメント53と、車幅方向のフロア後側クロスメンバ23とで車幅方向の第2リヤ車幅方向環状車体骨格RWC2を構成している。
さらに、第2リヤ車幅方向環状車体骨格RWC2は、上述の略環状車体骨格に加え、ホイールハウスレインフォースメント53の上端に連結された補強プレート34、及びルーフサイドレール91の後端ら後方に延びるリヤピラー41を通る略環状車体骨格も備えている。
なお、このように構成した第2リヤ車幅方向環状車体骨格RWC2は、サイドドア開口Esに沿う前後方向環状車体骨格SLCを構成するサイドピラー42を利用しているため、第2リヤ車幅方向環状車体骨格RWC2と前後方向環状車体骨格SLCとは力学的に連結された状態、つまり前後方向環状車体骨格SLC及び第2リヤ車幅方向環状車体骨格RWC2の少なくともいずれか一方に作用した力を他方に伝達可能に構成されている。
さらにまた、車体前部1Fには、図8に示すように、フロアパネル21の前端から立ち上がるとともに車幅方向の略全幅に亘って延びて、エンジンルーム6と車室2とを仕切るダッシュパネル61を備え、ダッシュパネル61の上方には、車幅方向に延び、その略全幅に亘ってフロントウインドウの下端を支持するカウルパネル62aが配設されている。なお、カウルパネル62aは、車幅方向のカウルクロスメンバ62bとで閉断面のカウルクロス62を構成している。なお、カウルクロス62の車幅方向両側は、側部パネルを介してフロントピラー44とヒンジピラー45との連結部分に連結している。
ダッシュパネル61の前部におけるエンジンルーム6の側方にてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム63が設けられるとともに、フロントサイドフレーム63に対して車幅方向外方、且つ上方に離間した位置にヒンジピラー45の上端部から車両前方へ延びる左右一対のエプロンレインフォースメント64が設けられている。また、エンジンルーム6の車幅方向両側に、フロントダンパ支持部65aを有するサスペンションタワー65を配設している。
左右一対のフロントサイドフレーム63の下部には、ダッシュパネル61の前方で幅方向に延びるフロントサブフレーム66が設けられている。フロントサブフレーム66は、後端部分がフロントサイドフレーム63の後端下方で連結されるとともに、上述のクロス部分の前方において、上方かつ車幅方向外側に向かって傾斜するサスクロス支持部67を介して接続されている。
また、フロントサイドフレーム63とエプロンレインフォースメント64との間に形成されたサスペンションタワー65の車幅方向内側側面には、車体上下方向に延びる閉断面で構成されたサスタワー補強部材68を設けている。
このように構成した左右一対のフロントサブフレーム66、サスクロス支持部67、サスタワー補強部材68及び車幅方向のカウルクロス62によって、フロントダンパ支持部65aの近傍に、車幅方向の略環状車体骨格(以下においてフロント車幅方向環状車体骨格FWCという)を構成している(図1参照)。
フロント車幅方向環状車体骨格FWCを構成するカウルクロス62の車幅方向両側は、側部パネルを介して、サイドドア開口Esに沿う前後方向環状車体骨格SLCを構成するフロントピラー44及びヒンジピラー45の連結部に連結しているため、フロント車幅方向環状車体骨格FWCと前後方向環状車体骨格SLCとは力学的に連結された状態、つまり前後方向環状車体骨格SLC及びフロント車幅方向環状車体骨格FWCの少なくともいずれか一方に作用した力を他方に伝達可能に構成されている。
上述したように、車両のサイドドア開口Esよりも車両後方に配設されたリヤホイールハウス52に設けられるとともに、サスダンパ55を支持する左右一対のダンパ支持部54の近傍から、車体後部1Rで車幅方向に延びるリヤエンド7に亘って第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1が構成された後部車両の車体構造であって、車体前部1Fに配設された左右一対のヒンジピラー45と、ヒンジピラー45の上端から車両後方に延設された左右一対のフロントピラー44、及び左右一対のルーフサイドレール91と、サイドドア開口Esの後端に沿って配設された左右一対のサイドピラー42と、サイドピラー42の下端、及びヒンジピラー45の下端を車両前後方向に連結する左右一対のサイドシル46とで構成された車両前後方向の略環状の前後方向環状車体骨格SLCを備え、第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1が、左右一対のルーフサイドレール91の後端から車両後方かつ下方に延びる左右一対のリヤピラー41の下端同士を車幅方向に連結するリヤエンドクロス71と、リヤエンドクロス71とリヤホイールハウス52とを車両前後方向に連結する左右一対の連結ガセット36と、前記ダンパ支持部54が上部に設けられた左右一対のリヤホイールハウス52と、リヤホイールハウス52に沿って配設されるとともに、ダンパ支持部54よりも車両前方に位置で、上端前部がサイドピラー42の後端に接合された左右一対のホイールハウスレインフォースメント53と、ホイールハウスレインフォースメント53の下端を車幅方向に連結するフロア後側クロスメンバ23とで構成され、ストライカ33aが取付けられるとともに、サイドピラー42の前端とホイールハウスレインフォースメント53とを連結する連結部材33を備えているため、車体全体でサスペンションの支持剛性を向上することができる。
詳述すると、車体前部1Fに配設された左右一対のヒンジピラー45と、ヒンジピラー45の上端から車両後方に延設された左右一対のフロントピラー44、及び左右一対のルーフサイドレール91と、サイドドア開口Esの後端に沿って配設された左右一対のサイドピラー42と、サイドピラー42の下端、及びヒンジピラー45の下端を車両前後方向に連結する左右一対のサイドシル46とで車両前後方向の略環状の前後方向環状車体骨格SLCを構成するとともに、左右一対のルーフサイドレール91の後端から車両後方かつ下方に延びる左右一対のリヤピラー41の下端同士を車幅方向に連結するリヤエンドクロス71と、リヤエンドクロス71とリヤホイールハウス52とを車両前後方向に連結する左右一対の連結ガセット36と、前記ダンパ支持部54が上部に設けられた左右一対のリヤホイールハウス52と、リヤホイールハウス52に沿って配設されるとともに、ダンパ支持部54よりも車両前方に位置で、上端前部がサイドピラー42の後端に接合された左右一対のホイールハウスレインフォースメント53と、ホイールハウスレインフォースメント53の下端を車幅方向に連結するフロア後側クロスメンバ23とで第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1を構成している。
そのうえで、車両前後方向の略環状の前後方向環状車体骨格SLCを構成する前記サイドピラー42の前端と、前記車幅方向において略環状となる第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1を構成する前記ホイールハウスレインフォースメント53とを、ストライカ33aが取付けられる連結部材33で連結するため、つまり車両に対して多方向において略環状となる車体骨格が形成され、車体全体でサスペンションの支持剛性を向上することができる。したがって、フロントサスペンションとリヤサスペンションとで入力された力を遅れなく伝達することができ、乗員の乗り心地性を向上することができる。
加えて、ストライカ33aを取付けるための部材を略環状の車体骨格同士を連結する連結部材33として用いることで、部品点数の増加を抑え、重量増加を防止することができる。
また、連結部材33によって、サイドピラー42とホイールハウスレインフォースメント53との接合箇所を補強することができるため、サイドピラー42とホイールハウスレインフォースメント53とをより高剛性で連結することができる。
さらに、サイドピラー42の下端とダンパ支持部54とが離間した場合であっても、サイドドア開口Esの後端縁の剛性と、ダンパ支持部54の支持剛性とを両立して確保しつつ、サイドピラー42とホイールハウスレインフォースメント53とを連結することができる。
また、連結部材33におけるホイールハウスレインフォースメント53側部位を、ダンパ支持部54の前方部位に連結しているため前記車幅方向において略環状となる第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1を構成する、ダンパ支持部54が上部に設けられた左右一対のリヤホイールハウス52と連結部材33とを直接連結するため、車両前後方向の略環状の前後方向環状車体骨格SLCと前記車幅方向において略環状となる第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1との連結剛性を向上することができる。
また、ダンパ支持部54とサイドピラーレインフォースメント42aの距離が離れている場合でもあっても、ホイールハウスレインフォースメント53とサイドピラーレインフォースメント42aの前端とを連結する連結部材33によって、ダンパ支持部54の剛性を確保しながら、ホイールハウスレインフォースメント53の一部とストライカ33aを取り付けるための連結部材33を利用して、車体前後方向の略環状の前後方向環状車体骨格SLCと車幅方向において略環状となる第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1とを連結することができる。
また、連結部材33を、シートバックのラッチが嵌合するストライカ33aを取り付けるストライカ取付ブラケットで構成しているため、シートバックのラッチが嵌合するストライカ取付ブラケットを連結部材33として機能させ、ストライカ取付ブラケットを利用して、車体前後方向の略環状の前後方向環状車体骨格SLCと車幅方向において略環状となる第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1との連結剛性を向上することができる。
また、サイドピラーレインフォースメント42aとでサイドピラー42を構成するサイドパネルインナ51bにおけるダンパ支持部54の側方に、シートベルトリトラクタが取付けられる補強プレート34を設け、補強プレート34が、ルーフサイドレール91の後端から後方に延びるリヤピラー41と、ホイールハウスレインフォースメント53の上端部後端を連結しているため、ダンパ支持部54の側方のサイドパネルインナ51bに設けられた補強プレート34とホイールハウスレインフォースメント53の上端部後端とを連結するとともに、補強プレート34の上端をリヤピラー41に連結するため、シートベルトリトラクタが取付けられる補強プレート34を利用して車体前後方向の略環状の前後方向環状車体骨格SLCと車幅方向において略環状となる第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1との連結剛性を向上することができる。
また、補強プレート34を、シートベルトリトラクタを取り付ける取付プレートで構成しているため、シートベルトリトラクタの取付プレートを補強プレート34として機能させ、取付プレートを利用して、車体前後方向の略環状の前後方向環状車体骨格SLCと車幅方向において略環状となる第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1との連結剛性を向上することができる。
また、取付プレートとサイドピラーレインフォースメント42aとを跨いで取り付ける取付ブラケット35を設けているため、シートベルトリトラクタを取り付ける取付ブラケット35を利用して、車体前後方向の略環状の前後方向環状車体骨格SLCと車幅方向において略環状となる第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1との連結剛性を向上することができる。
また、ダンパ支持部54を、ホイールハウスレインフォースメント53まで延びるとともに、他より厚肉である上部厚肉構成部56で構成しているため車幅方向において略環状となる第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1を構成する前記連結ガセット36がリヤエンドクロス71とリヤホイールハウス52における上部厚肉構成部56とを車両前後方向に連結するため、より剛性の高い車体骨格を構成することができる。
また、リヤホイールハウス52に設けられたダンパ支持部54がホイールハウスレインフォースメント53に対して離れている場合であっても、他より厚肉であり、ホイールハウスレインフォースメント53まで延び上部厚肉構成部56によって、支持剛性の低下を抑制することができる。
また、ルーフサイドレール91、サイドドア開口Esの後端部に配置されたサイドピラーレインフォースメント42a、ホイールハウスレインフォースメント53、及びフロア後側クロスメンバ23で左右のリヤサスペンションのダンパ支持部54の近傍に車幅方向において略環状となる第2リヤ車幅方向環状車体骨格RWC2を構成しているため、左右のリヤサスペンションのダンパ支持部54の近傍からリヤエンド7に亘って形成された車幅方向において略環状となる第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1と、左右のリヤサスペンションのダンパ支持部54の近傍の周囲に車幅方向において略環状となる第2リヤ車幅方向環状車体骨格RWC2とを、サイドピラーレインフォースメント42aを利用して連結することができる。したがって、車体後部1Rにおけるリヤサスペンションのダンパ支持部54の支持剛性をさらに向上させ、車体全体でサスペンションの支持剛性を向上することができる。
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、車幅方向において略環状となる車体骨格は、第1リヤ車幅方向環状車体骨格RWC1に対応し、
以下同様に、
車両前後方向において略環状となる車体骨格は、前後方向環状車体骨格SLCに対応し、
フロアクロスメンバは、フロア後側クロスメンバ23に対応し、
車両部品はストライカ33aに対応し、
車両部品は、シートベルトリトラクタに対応し、
厚肉部は、上部厚肉構成部56に対応し、
ダンパ支持部の近傍に車幅方向において略環状となる車体骨格は、第2リヤ車幅方向環状車体骨格RWC2に対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の説明では、センタピラー43を備えた車体について説明したが、センタピラー43を備えてない、2ドアタイプの車体であってもよい。
1R…車体後部
1F…車体前部
7…リヤエンド
23…フロア後側クロスメンバ
33…連結部材
35…取付ブラケット
41…リヤピラー
42…サイドピラー
42a…サイドピラーレインフォースメント
44…フロントピラー
45…ヒンジピラー
46…サイドシル
51b…サイドパネルインナ
52…リヤホイールハウス
53…ホイールハウスレインフォースメント
54…ダンパ支持部
55…サスダンパ
56…上部厚肉構成部
71…リヤエンドクロス
91…ルーフサイドレール
92…リヤヘッダ
Es…サイドドア開口
RWC1…第1リヤ車幅方向環状車体骨格
RWC2…第2リヤ車幅方向環状車体骨格
SLC…前後方向環状車体骨格

Claims (8)

  1. 車両のサイドドア開口よりも車両後方に配設されたリヤホイールハウスに設けられるとともに、サスダンパを支持する左右一対のダンパ支持部の近傍から、車両後部で車幅方向に延びるリヤエンドに亘って車幅方向において略環状となる車体骨格が構成された車両の車体構造であって、
    車両前部に配設された左右一対のヒンジピラーと、該ヒンジピラーの上端から車両後方に延設された左右一対のフロントピラー、及び左右一対のルーフサイドレールと、前記サイドドア開口の後端に沿って配設された左右一対のサイドピラーと、該サイドピラーの下端、及び前記ヒンジピラーの下端を車両前後方向に連結する左右一対のサイドシルとで構成された車両前後方向において略環状となる車体骨格を備え、
    前記車幅方向において略環状となる車体骨格が、
    左右一対の前記ルーフサイドレールの後端から車両後方かつ下方に延びる左右一対のリヤピラーの下端同士を前記車幅方向に連結するリヤエンドクロスと、
    該リヤエンドクロスと前記リヤホイールハウスの上部とを車両前後方向に連結する左右一対の連結ガセットと、
    前記ダンパ支持部が上部に設けられた左右一対の前記リヤホイールハウスと、
    前記リヤホイールハウスに沿って配設されるとともに、前記ダンパ支持部よりも車両前方に位置で、上端前部が前記サイドピラーの後端に接合された左右一対のホイールハウスレインフォースメントと、
    該ホイールハウスレインフォースメントの下端を前記車幅方向に連結するフロアクロスメンバとで構成され、
    車両部品が取付けられるとともに、前記サイドピラーの前端と前記ホイールハウスレインフォースメントとを連結する連結部材が備えられた
    車両の車体構造。
  2. 前記連結部材における前記ホイールハウスレインフォースメント側部位を、前記ダンパ支持部の前方部位に連結する
    請求項1に記載の車両の車体構造。
  3. 前記連結部材を、
    シートバックのラッチが嵌合するストライカを取り付けるストライカ取付ブラケットで構成した
    請求項1または2に記載の車両の車体構造。
  4. サイドピラーレインフォースメントとで前記サイドピラーを構成するサイドパネルインナにおける前記ダンパ支持部の側方に、車両部品が取付けられる補強プレートを設け、
    前記補強プレートが、前記ルーフサイドレールの後端から後方に延びるリヤピラーと、前記ホイールハウスレインフォースメントの上端部後端を連結する
    請求項1乃至3のうちいずれかに記載の車両の車体構造。
  5. 前記補強プレートを、シートベルトリトラクタを取り付ける取付プレートで構成した
    請求項4に記載の車両の車体構造。
  6. 前記取付プレートと前記サイドピラーレインフォースメントとを跨いで取り付ける取付ブラケットを設けた
    請求項5に記載の車両の車体構造。
  7. 前記ダンパ支持部を、
    前記ホイールハウスレインフォースメントまで延びるとともに、他より厚肉である厚肉部で構成した
    請求項1乃至6のうちいずれかに記載の車両の車体構造。
  8. リヤヘッダ、サイドドア開口の後端部に配置されたサイドピラーレインフォースメント、前記ホイールハウスレインフォースメント、及びフロアクロスメンバで左右のリヤサスペンションの前記ダンパ支持部の近傍に前記車幅方向において略環状となる車体骨格を構成する
    請求項1乃至7のうちいずれかに記載の車両の車体構造。
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