次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例1に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持(支持)する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられると共に、遊技盤20の後側に、図柄を変動表示する演出を実行可能な演出実行手段としての図柄表示装置(選択演出実行手段)17が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明部材13bを窓口13aに備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例1では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
前記図柄表示装置17は、後述する始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機として演出用の図柄(飾図という場合もある)を表示部(画像表示面)17aに変動表示させる図柄変動を行うよう構成される。また図柄表示装置17では、図柄変動に関連して実行される各種の表示演出を表示部17aに表示し得るようになっている。以下の説明では、図柄表示装置17で実行される図柄(飾図)の図柄変動および図柄変動に関連して表示される表示演出を含めて図柄変動演出と指称する場合がある。実施例1では、前記図柄表示装置17として、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
図1に示す如く、前記前枠13には、窓口13aを囲繞するよう演出光を出力可能なランプ装置(発光手段,光出力手段,演出手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音等の演出音を出力可能なスピーカ(音出力手段,演出手段)19が配設されている。そして、ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の演出音を出力することで、前記図柄表示装置17で行われる各種の表示演出(図柄変動演出等)に合わせて光(演出光)による演出や音(演出音)による演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記ランプ装置18やスピーカ19は、図柄表示装置17と同様に演出実行手段(選択演出実行手段)としての機能を有している。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
前記前枠13には、図1に示す如く、下球受け皿15の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された後述する第1球流下経路をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された後述する第2球流下経路をパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るようになっている。
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、遊技者が操作可能な操作手段36,37が設けられている。実施例1では、操作手段36,37として、第1操作手段としての第1操作ボタン36と、第2操作手段としての第2操作ボタン37とを備えている。各操作ボタン36,37は、後述する演出制御基板65に接続されている。そして、各操作ボタン36,37を押下したときに操作信号が演出制御基板65の演出制御CPU65aに出力されて、該演出制御CPU65aは入力された操作信号に基づいて各種の演出を実行するように各種の演出実行手段を制御するよう構成される。なお、演出制御CPU65aによる各種の演出実行手段の制御構成については後述する。第1操作ボタン36および第2操作ボタン37の内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン36,37の操作時期等を知らせ得るよう構成されている。
前記パチンコ機10の後側には、図示しないが、球払出装置を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板は、前記パチンコ機10の後側に配設されるメイン制御基板(図4参照)60に配線接続されており、該メイン制御基板60のメイン制御CPU60aから出力された制御信号が払出制御基板に入力され、該制御信号に基づいて払出制御基板が球払出装置を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の後面側に、前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、特別入賞装置40、ゲート部材48、普通入賞装置45等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例1の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右側下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口(特別入賞手段)41を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技釘23や回転案内部材24との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材24は、回転中心から放射状に複数の接触片を有する所謂「風車」とも称される部材であって、該接触片に対するパチンコ球の接触に伴って回転案内部材24が回転することでパチンコ球を弾くように左右方向へ放出するようになっている。実施例1では、前記枠状装飾体25の左側方(すなわち第1球流下経路)に回転案内部材24を配設してある。
ここで、前記枠状装飾体25は、その全周に亘って前記遊技盤20の前面から前方へ突出するよう形成されて、前記遊技領域20aと表示窓口25aとを区画するよう構成されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が枠状装飾体25の表示窓口25a内側に進入しないようになっている。すなわち、実施例1の遊技領域20aは、前記枠状装飾体25の左側に画成される第1球流下経路と、当該枠状装飾体25の右側に画成される第2球流下経路とに区画されて、遊技盤20の遊技領域20aに打ち出されるパチンコ球の位置や発射強度に応じて、該第1球流下経路または第2球流下経路をパチンコ球が流下するようになっている。
前記遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な入賞口30,31,41,46が適宜の位置に設けられており、各入賞口30,31,41,46へのパチンコ球の入賞(具体的には、後述する各入賞検出センサ34,35,44,47a,47bの検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。実施例1のパチンコ機10では、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立すると共に図柄変動演出(後述する特図変動表示)の開始条件が成立する始動入賞口(始動入賞手段)30,31と、後述する特別遊技としての当り遊技(大当り遊技)の発生を契機としてパチンコ球の入賞が可能となると共にパチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する特別入賞口(特別入賞手段)41と、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する普通入賞口46とが設けられている。具体的に、前記始動入賞口30,31は、前記第1球流下経路および第2球流下経路の夫々に設けられ、前記特別入賞口41は、前記遊技領域20aの第2球流下経路に設けられると共に、前記普通入賞口46は、遊技領域20aの第1球流下経路および第2球流下経路の夫々に設けられている(図2参照)。
(第1始動入賞口30および第2始動入賞口31について)
前記枠状装飾体25の下方で遊技盤20の左右方向の中央位置に、第1始動入賞口(始動入賞手段)30が設けられると共に、該第1始動入賞口30より右側位置に、第2始動入賞口(始動入賞手段)31が設けられている。第1始動入賞口30は、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放型の入賞口とされ、枠状装飾体25の下側の遊技領域20a(第1球流下経路)を流下するパチンコ球が入賞可能に構成される。前記第2始動入賞口31は、図2に示す如く、遊技盤20における枠状装飾体25の下方右側に配設された始動入賞装置29に設けられて該枠状装飾体25の右側に画成される遊技領域20a(第2球流下経路)内で開口している。また始動入賞装置29に、第2始動入賞口31を開閉する始動用開閉部材(開閉部材)33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図4参照)の駆動に伴って始動用開閉部材33が第2始動入賞口31を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。
すなわち、実施例1において前記第1始動入賞口30は、前記遊技領域20a(第1球流下経路)を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31は、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記始動用開閉部材33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域20a(第1球流下経路)を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記始動用開閉部材33が開放位置に変位した状態では、始動用開閉部材33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31に案内されることで、前記遊技領域20a(第1球流下経路)を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例1では、前記始動用開閉部材33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第2始動入賞口31を開放させるようにしてもよい。
また、前記第1および第2始動入賞口30,31は、該第1および第2始動入賞口30,31に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34,35(図4参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34,35は、パチンコ機10の後側に配設されたメイン制御基板60(図4参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサ34,35からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、所定の払出条件の成立に伴い、払い出し賞球数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1始動入賞口30に対応した始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例1では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、第2始動入賞口31に対応した始動入賞検出センサ35によるパチンコ球の検出(すなわち第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例1では3個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、第1始動入賞口30および第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数を異なるようにしてもよい。
また、始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが入賞情報(後述する特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(当り判定,大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示部50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の当り表示(大当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(以後大当り遊技という)が付与され、大当り遊技の発生に伴って前記特別入賞口41を所定の開放条件で開放する大当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
ここで、実施例1では、前記始動入賞検出センサ34,35が始動入賞口30,31毎に設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口30に対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34と指称し、第2始動入賞口31に対応するセンサを第2始動入賞検出センサ35と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35からの検出信号が入力されると、払出制御基板(図示せず)に制御信号を出力して、前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置から払い出される賞球数は、前述したようにパチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置40は、図2に示すように、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右下方位置の遊技領域20aに配置されている。この特別入賞装置40は、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する特別用開閉部部材(開閉部材)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図4参照)の駆動に伴って特別用開閉部材43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図4参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに出力し、メイン制御CPU60aは、特別入賞検出センサ44からの球検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数(実施例1では15個)の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口41を開放する大当り遊技が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(普通入賞装置45について)
前記普通入賞装置45に設けられる普通入賞口46は、図2に示すように、前記遊技盤20の遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、該遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞し得るよう構成されている。また、前記普通入賞装置45には、該普通入賞口46に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサ47a,47b(図4参照)が設けられている。
ここで、実施例1では、図2に示すように、前記遊技領域20aの第1球流下経路に、所定数(実施例1では3つ)の普通入賞口46が設けられた普通入賞装置45が配設されると共に、前記遊技領域20aの第2球流下経路に、所定数(実施例1では1つ)の普通入賞口46が設けられた普通入賞装置45が設けられている。また、普通入賞検出センサ47a,47bが左右の普通入賞装置45,45毎に設けられており、以下の説明では、左側の普通入賞装置45に対応するセンサを第1普通入賞検出センサ47aと指称し、右側の普通入賞装置45に対応するセンサを第2普通入賞検出センサ47bと指称するものとする。両普通入賞検出センサ47a,47bは、前記メイン制御基板60に配線接続されており、普通入賞検出センサ47a,47bからの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。具体的に、左側の普通入賞装置45に対応する第1普通入賞検出センサ47aによるパチンコ球の検出(すなわち左側の普通入賞装置45の普通入賞口46へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例1では7個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、右側の普通入賞装置45に対応する第2普通入賞検出センサ47bによるパチンコ球の検出(すなわち右側の普通入賞装置45の普通入賞口46へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例1では8個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。なお、左右の普通入賞装置45,45の普通入賞口46,46へのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数を同じとしてもよい。
(ゲート部材48について)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部材48が設けられている。前記ゲート部材48にはゲートセンサ49(図4参照)が配設されており、該ゲート部材48を通過するパチンコ球をゲートセンサ49で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサ49は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り抽選(普図当り判定)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて始動用開閉部材33が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例1のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサ49によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第2始動入賞口31を開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例1では、遊技領域20a外の右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを目視することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例1の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56および右打ち表示部58が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(表示手段)50A,50Bは、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31への入賞を契機として行われる特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口30への入賞(第1始動入賞検出センサ34による検出)を契機として変動表示(以下特図変動表示という場合がある)を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31への入賞(第2始動入賞検出センサ35による検出)を契機として特図変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例1では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する特図変動表示が行われて、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例1の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して表示態様を可変し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス表示器、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、当り(大当り)か否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示部50A,50Bでは、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る当り表示(当り図柄,大当り図柄)としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示器50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、当り表示としての特図が表示されることで、当り表示に対応した大当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例1のパチンコ機10に設定された大当り遊技については後で詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(後述する特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例1では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例1では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例1では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例1では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例1では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、隣接した複数(実施例1では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当り抽選)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例1では、2つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例1では2種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、左側LEDだけが点灯する発光態様および右側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示部55に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。すなわち、実施例1の普図表示部55は、ゲートセンサ49(球通過検出手段)の検出に伴い図柄変動を行うと共に、普図当り判定(第2の当り判定)の判定結果を表示する第2の図柄表示手段として機能するものである。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部材48をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例1では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例1では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部材48をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例1では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例1の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が左から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が左から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(右打ち表示部58について)
前記右打ち表示部58は、前記第2球流下経路へパチンコ球を打ち出す右打ち遊技が予定された特定遊技状態であることを特定可能に表示する表示部である。実施例1では、第2球流下経路に特別入賞装置40が配置されたパチンコ機10において大当り遊技が付与された遊技状態や、第2始動入賞口31への入賞を契機として始動用開閉部材33の開放作動が許容される変短状態(後述)が付与された遊技状態が特定遊技状態に該当する。なお、この右打ち表示部58は、1個のLEDランプから構成されている。そして、特定遊技状態の場合に右打ち表示部58を点灯することで報知し、特定遊技状態でない非特定遊技状態の場合に右打ち表示部58を消灯することで報知するようになっている。また、前記右打ち表示部58は、前記特定遊技状態に移行すると同時に点灯し、特定遊技状態が終了すると同時に消灯するようになっている。また、特定遊技状態(大当り遊技状態、変短状態)の間は右打ち表示部58を継続して点灯すると共に、非特定遊技状態(非変短状態)の間は右打ち表示部58を継続して消灯するようメイン制御CPU60aが右打ち表示部58の発光を制御している。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例1の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例1の図柄表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例1の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
また、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例1では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例1では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例1では、第1始動入賞検出センサ34の検出に基づく図柄変動演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間として500ms(ミリ秒)が設定され、第2始動入賞検出センサ35の検出に基づく図柄変動演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として500msが設定されている。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例1に係る図柄表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。実施例1の飾図は、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例1においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が大当り(当り)の図柄組み合わせであった場合に、大当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例1では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例1では、図柄表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の有効停止位置27の何れか(例えば中図柄列の有効停止位置)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される当り示唆表示となる。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一で、右図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例1では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例1では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(確変状態について)
実施例1のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変更することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞機会を高めることができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例1では、168/65536)から高確率(実施例1では、1516/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例1では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、実施例1では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある(図3参照)。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてから実行される図柄変動演出(特図変動表示)の回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例1のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する始動用開閉部材33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する始動用開閉部材33の開放時間を増やすに際しては、始動用開閉部材33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また始動用開閉部材33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例1では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例1の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
実施例1では、非変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間(非変短時普図変動時間)よりも、変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間(変短時普図変動時間)の方が短い時間に設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。具体的に、実施例1において非変短時普図変動時間が2000msに設定され、変短時普図変動時間が820msに設定されている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率(実施例1では、1/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率(実施例1では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例1において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、700msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで始動用開閉部材33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材33が開放してから所定時間(実施例1では200ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、始動用開閉部材33は開放してから所定の開放時間が経過するまで開放状態を維持する開放動作を5回行うようになっている。具体的には、896ms,960ms,960ms,960ms,1024msの開放動作を行うと共に、各開放動作の間の始動用開閉部材33が閉鎖状態で保持されるインターバル時間が、640ms,560ms,560ms,560msに設定されている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、始動用開閉部材33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31への入賞を許容する入賞上限数(実施例1では3個)が設定されており、前記始動用開閉部材33を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達した場合には、始動用開閉部材33の開閉動作を強制的に終了して閉鎖させるようになっている。
ここで、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が定まるよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例1において後述する図柄A、図柄B、図柄a、図柄b)である場合に、確変状態が付与されている間継続して変短状態が付与されるよう変短回数が設定されている。また、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた別の図柄(実施例1において後述する図柄C、図柄c)である場合に、大当り遊技終了後に付与される変短回数は50回に設定されている。更に、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた更に別の図柄(実施例1において後述する図柄D、図柄d)である場合に、大当り遊技終了後に変短状態は付与されないように設定されている。
(遊技状態について)
実施例1のパチンコ機10では、前記大当りの抽選確率や普図当り確率等の遊技制御条件が異なる複数種類の遊技状態が設けられており、所定の条件の成立によってメイン制御CPU60aが複数種類の遊技状態から遊技状態を設定するよう構成されている。パチンコ機10では、遊技状態として、前記確変状態および変短状態が付与されていない通常遊技状態と、確変状態が付与される一方で変短状態が付与されていない確変・非変短遊技状態と、確変状態が付与されていない一方で変短状態が付与されている非確変・変短遊技状態と、確変状態および変短状態が付与されている確変・変短遊技状態とが設けられている。これら4種類の遊技状態のうちで、確変・非変短遊技状態、非確変・変短遊技状態および確変・変短遊技状態は、通常遊技状態(通常の遊技状態)に対して遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与する遊技状態である。実施例1のパチンコ機10では、確変・非変短遊技状態は設けられていないが、当該確変・非変短遊技状態を設けることができる。
(大当り遊技について)
次に、実施例1のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞装置40の特別用開閉部材43が開閉動作される。なお実施例1の大当り遊技では、特別入賞装置40の特別用開閉部材43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例1では4回または16回)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば7個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ特別用開閉部材43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の特別用開閉部材43の開放動作は、パチンコ球を所定の発射間隔(実施例1では0.6秒間隔)で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作、および該長時間開放動作よりも特別用開閉部材43の開放時間が短く設定された短時間開放動作の何れかにより構成したり、当該長時間開放動作および短時間開放動作を適宜に組み合わせて構成することができる。この短時間開放動作としては、パチンコ球を所定の発射間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作においてパチンコ球の入賞が実質的に不可能な時間に設定したり、或いはパチンコ球が入賞可能な開放時間であっても前記規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な時間に設定することができる。なお、実施例1の大当り遊技は、特別用開閉部材43の開放動作として、長時間開放動作のみから構成されものが設定され、該長時間開放動作において特別用開閉部材43が最大で25秒間開放するよう設定される。また、大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例1のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例1において第1特図表示部50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄Dの4つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例1において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄dの4つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに20種類、図柄Bに30種類、図柄Cに30種類、図柄Dに20種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄aに50種類、図柄bに10種類、図柄cに30種類、図柄dに10種類が夫々振り分けられている。なお、大当り判定に当選して大当り遊技が決定されることについて、以後単に大当り遊技に当選するという場合がある。
(大当り図柄と大当り遊技との関係について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例1では、図3に示すように、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、4種類の大当り図柄(図柄A、図柄B、図柄C、図柄D)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例1のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定の場合に、20%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、30%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択され、30%の割合で大当り図柄としての図柄Cが選択、20%の割合で大当り図柄としての図柄Dが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。同様に、前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例1では、図3に示すように、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄a、図柄b、図柄c、図柄d)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例1のパチンコ機では、第2特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、50%の割合で大当り図柄としての図柄aが選択され、10%の割合で大当り図柄としての図柄bが選択され、30%の割合で大当り図柄としての図柄cが選択され、10%の割合で大当り図柄としての図柄dが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
ここで、図柄A〜D、図柄a〜dに対応した大当り遊技について、共通する部分を先に説明し、各大当り遊技に特有の構成については個別に説明する。すなわち、図柄A〜D、図柄a〜dに対応した各大当り遊技は、各ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する開放動作を特別用開閉部材43に行わせるよう設定されている。すなわち、大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する開放動作を特別用開閉部材43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、大当り遊技では、各ラウンド遊技において特別用開閉部材43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を特別用開閉部材43が繰り返すようになっている。また、各大当り遊技は、図3に示す如く、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記特別用開閉部材43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、大当り遊技では、オープニング演出時間として「6.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が設定されている。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aおよび図柄aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例1では、図3に示すように、図柄Aまたは図柄a(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後に次回の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、確変状態が継続する間、変短状態が継続して付与されるよう設定されている。すなわち、第1の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、確変状態および変短状態が次回の大当り遊技の当選まで継続して付与される。言い替えると、第1の大当り遊技は、大当り遊技の終了後の遊技状態を、確変・変短遊技状態とする大当り遊技である。また、第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bおよび図柄bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例1では、図3に示すように、図柄Bまたは図柄b(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後に次回の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、確変状態が継続する間、変短状態が継続して付与されるよう設定されている。すなわち、第2の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、確変状態および変短状態が次回の大当り遊技の当選まで継続して付与される。言い替えると、第2の大当り遊技は、前記第1の大当り遊技と同様に、大当り遊技の終了後の遊技状態を、確変・変短遊技状態とする大当り遊技である。また、第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。このように、第2の大当り遊技は、第1の大当り遊技と比べて、1回の大当り遊技において遊技者に付与される特典が少なく設定されている。
(第3の大当り遊技について)
前記図柄Cおよび図柄cに対応した第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第3の大当り遊技の終了後に確変状態を付与しない大当り遊技として設定されている。また、第3の大当り遊技は、第3の大当り遊技の終了後に、50回の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間、継続して変短状態が付与されるよう設定されている。すなわち、第3の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、変短状態のみが所定期間の間だけ付与される。言い替えると、第3の大当り遊技は、大当り遊技の終了後の遊技状態を、非確変・変短遊技状態とする大当り遊技である。また、第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。このように、第3の大当り遊技は、第1の大当り遊技と比べて、1回の大当り遊技において遊技者に付与される特典が少なく、かつ第2の大当り遊技と比べて、大当り遊技の終了後に付与される特典が少ない大当り遊技として設定される。
(第4の大当り遊技について)
前記図柄Dおよび図柄dに対応した第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第4の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態を付与しない大当り遊技として設定されている。すなわち、第4の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、通常遊技状態に戻る大当り遊技である。また、第4の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。このように、第4の大当り遊技は、第1の大当り遊技と比べて、1回の大当り遊技において遊技者に付与される特典が少なく、かつ第2および第3の大当り遊技と比べて、大当り遊技の終了後に付与される特典が少ない(実施例1では特典が付与されない)大当り遊技として設定される。
すなわち、実施例1では、第1〜第3の大当り遊技が、当り遊技の終了後に特典状態を付与する特定当り遊技であり、第4の大当り遊技が、当り遊技の終了後に特典状態を付与しない非特定当り遊技である。
(演出モードについて)
実施例1のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(演出の実行態様(表示内容)等)が異なる複数の演出モード(実施例1では4つ)を備えている。ここで、演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆または報知すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆または報知する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例1のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで演出モードが変更され得るようになっている。具体的には、モード移行条件が成立することで演出制御CPU65aが複数種類の演出モード中から遊技状態に応じた演出モードを設定するよう構成されている。
実施例1に係る演出モードには、確変状態および変短状態が付与されていない通常遊技状態となる通常モードと、確変状態が付与されている遊技状態(確変・変短遊技状態、確変・非変短遊技状態)となる確変モードと、確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態となる(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)潜伏モードと、非確変状態で変短状態が付与されている非確変・変短遊技状態となる時短モードとが設定されている。そして、図柄表示装置17には、演出モードに対応した内容の異なる遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が演出モード毎に異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容(後述する変動パターンや演出パターン)の一部または全部が異なっており、演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例1のパチンコ機10には、図4に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例1のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御している。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図4に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34,35、特別入賞検出センサ44、普通入賞検出センサ47a,47b、ゲートセンサ49等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、右打ち表示部58)が接続されて、各検出センサ34,35,44,48,47a,47bの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部50A,50B,52,53,55,56,58の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口31を開閉する始動用開閉部材33に連繋する始動入賞ソレノイド32および特別入賞口41を開閉する特別用開閉部材43に連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材33,43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で特別用開閉部材43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、特別用開閉部材43を長時間開放動作させる長時間開放制御を実行するよう構成される。
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として取得する乱数としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン決定用乱数、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例1では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ34,35の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の特図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する特図記憶領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例1では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して図柄変動演出(特図変動表示)を実行させるよう設定されている。
特図当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当り遊技を発生するか否かの大当り判定(当り判定)で用いる乱数である。実施例1では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例1では、特図決定用乱数として、「0」〜「123」の全124通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が大当り遊技の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した大当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例1では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン決定用乱数は、図柄変動演出における演出内容を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例1では、特図変動パターン決定用乱数として、「0」〜「228」の全229通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例1のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン決定用乱数は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口30,31への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
また、メイン制御CPU60aは、ゲート部材48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ49の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例1では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ49の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサ49をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第2始動入賞口31の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例1では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン決定用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例1では、普図変動パターン決定用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部材48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン決定用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例1では1516個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例1では168個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例1では、特図決定用判定値には、前述した124種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「123」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(大当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
(特図変動パターンについて)
また、メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の大当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われない通常はずれ用の特図変動パターンとが設けられている。なお、大当り用の特図変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、通常はずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出においてリーチ表示が表示されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
ここで、実施例1のパチンコ機10に特有に設定される特図変動パターン(変動パターン)について説明する。すなわち、パチンコ機10では、メイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンとして、図9に示す如く、楽曲選択用特図変動パターンと、楽曲出力用変動パターンとが設定されている。楽曲選択用変動パターンは、大当り遊技中において、後述する楽曲選択演出を実行可能な特図変動パターンであり、楽曲出力用特図変動パターンは、大当り遊技中において、楽曲選択演出で選択された楽曲をスピーカ19から出力することを特定した特図変動パターンである。なお、楽曲選択用変動パターンおよび楽曲出力用特図変動パターンには、大当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な大当り用の特図変動パターンと、大当り判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能なはずれ用の特図変動パターンが夫々設定されている。
(特図変動パターン決定用判定値)
また、メイン制御ROM60bには、特図変動パターン決定用判定値が記憶されている。特図変動パターン決定用判定値は、複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定するための判定値であり、特図変動パターン決定用乱数の取り得る「0」〜「228」の全229通りの整数が特図変動パターン毎に、特図変動パターン決定用判定値が所定数ずつ割当てられている。そして、取得された特図変動パターン決定用乱数に対応する判定値が割当てられた特図変動パターンをメイン制御CPU60aが決定することで、図柄変動演出において実行される演出内容や演出時間(特図変動パターン)が特定される。
ここで、実施例1では特図変動パターンを1段階の抽選処理で決定するようにしているが、該特図変動パターンを2段階の抽選処理で決定するようにしてもよい。例えば、メイン制御ROM60bに、複数の特図変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化した複数種類の特図変動パターングループを設定すると共に、特図変動パターンを決定する乱数として、特図変動パターン種別決定用乱数と特図変動パターン決定用乱数とを設定する。そして、特図変動パターン種別決定用乱数を用いて特図変動パターングループを決定した後、特図変動パターン決定用乱数を用いて、決定した特図変動パターングループに含まれるいずれかの特図変動パターンを決定する。なお、特図変動パターンを2段階の抽選処理で決定する場合は、特図変動パターン種別決定用乱数に対応する特図変動パターン種別決定用判定値を特図変動パターングループ毎に所定数ずつ割当てると共に、特図変動パターン決定用乱数に対応する特図変動パターン決定用判定値を各特図変動パターングループに含まれる特図変動パターン毎に所定数ずつ割当てることで、前述のように2段階の抽選処理で特図変動パターンを決定する。このように2段階の抽選処理で特図変動パターンを決定する場合は、特図変動パターン種別決定用乱数に基づいて特図変動パターングループを決定することで、演出内容の系統毎の選択されやすさ(行われやすさ)を調整し、更に特図変動パターン決定用乱数に基づいて各特図変動パターングループから特図変動パターンを決定することで、各特図変動パターンの選択されやすさを調節することができる。なお、特図変動パターングループとしては、ノーマルリーチやスーパーリーチ等のリーチの種類でグループ分けしたり、その他の予告の種類等でグループ化することができる。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例1では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例1では1個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
メイン制御ROM60bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されており、各普図変動パターンに対応して普図変動パターン決定用判定値が記憶されている。ここで、前記普図変動パターンは、普図変動表示を開始してから普図が確定停止表示されるまでの普図変動表示の変動時間を特定している。普図変動パターン決定用判定値は、前記普図変動パターン決定用乱数を用いて普図変動パターンの決定に用いる判定値であり、普図変動パターン決定用乱数の取り得る数値「0」〜「8」までの全9通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された普図変動パターン決定用乱数に対応する普図変動パターン決定用判定値が割当てられた普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより特定されるようになっている。ここで、普図変動パターン決定用判定値は、普図当り判定を行った時点での遊技状態が変短状態か非変短状態であるかによって、割当てられる普図変動パターンの種類および割当数が異なっている。具体的に、実施例1では、非変短状態の場合に1つの普図変動パターンに対して普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば2000ms)を定める普図変動パターンが決定されるのに対し、変短状態の場合に複数(実施例1では2つ)の普図変動パターンに対して普図変動パターン決定用判定値が割当てられて、各普図変動パターンに対する普図変動パターン決定用判定値の割当数に応じた割合で、所定時間の変動時間(例えば820ms)を定める普図変動パターンおよびこれと異なる変動時間(例えば200ms)を定める普図変動パターンの何れかの普図変動パターンが決定される。
(演出制御基板65について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図4に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記演出制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
(演出パターンについて)
ここで、実施例1のパチンコ機10に特有に設定される図柄変動演出の内容を特定する演出パターンについて説明する。すなわち、パチンコ機10では、演出制御CPU65aが選択可能な演出パターンとして、図9に示す如く、楽曲選択用演出パターンと、楽曲出力用演出パターンとが設定されている。楽曲選択用演出パターンは、前記メイン制御CPU60aが楽曲選択用特図変動パターンを決定した場合に演出制御CPU65aが選択可能な演出パターンであり、楽曲出力用演出パターンは、メイン制御CPU60aが楽曲出力用特図変動パターンを決定した場合に演出制御CPU65aが選択可能な演出パターンである。また、楽曲選択用演出パターンは、図柄変動演出中において、後述する楽曲選択演出を実行可能な演出パターンであり、楽曲出力用演出パターンは、図柄変動演出中において、楽曲選択演出で選択された楽曲をスピーカ19から出力することを特定した演出パターンである。そして、演出制御CPU65aが楽曲選択用演出パターンを決定した場合は、図柄変動演出中における所定のタイミング(後述する楽曲選択演出の実行条件が成立したとき)において、楽曲選択演出を実行し得るよう構成されている。
(大当り演出パターンについて)
また、前記演出制御ROM65bには、前記第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技が付与された場合に、当該大当り遊技中に前記図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する大当り演出パターン(当り演出パターン)として、楽曲選択用大当り演出パターンと、楽曲出力用大当り演出パターンとが設定されている(図10参照)。楽曲選択用大当り演出パターンは、大当り遊技中において、後述する楽曲選択演出を実行可能な大当り演出パターンであり、楽曲出力用大当り演出パターンは、大当り遊技中において、楽曲選択演出で選択された楽曲をスピーカ19から出力する大当り演出パターンである。なお、大当り演出パターンとして、楽曲選択用大当り演出パターンや楽曲出力用大当り演出パターンとは異なる種類の複数の大当り演出パターンが設けられており、演出制御CPU65aが大当り遊技の開始時(オープニングコマンドの入力時)に、複数種類の中から大当り演出パターンを決定するようになっている。そして、演出制御CPU65aが楽曲選択用大当り演出パターンを決定した場合は、大当り遊技中における特定ラウンド(例えば最初のラウンド、または最終のラウンド等)において、楽曲選択演出を実行し得るよう構成されている。
また、演出制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図4に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。また、表示制御ROM70bには、後述する楽曲選択演出で選択可能な選択肢としての複数種類の楽曲A−1〜A−5、B−1〜B−3、C、D−1〜D−3、Eに対応する表示データが記憶されている。これらの楽曲についての詳細は後述するが、大きく分けて通常選択肢としての複数種類の楽曲A−1〜A−5を示す表示データと、特定選択肢としての複数種類のB−1〜B−3、C、D−1〜D−3、Eを示す表示データとの2種類が記憶され、後述する特定の場合と非特定の場合とに応じてこれら複数種類の楽曲A−1〜A−5、B−1〜B−3、C、D−1〜D−3、Eの表示データの中から決定された複数種類の表示データを、楽曲選択演出で選択可能な選択肢として前記図柄表示装置17の表示部17aに表示可能に構成される。なお、表示部17aに表示される楽曲A−1〜A−5、B−1〜B−3、C、D−1〜D−3、Eの表示データについて、以後は単に楽曲A−1〜A−5、B−1〜B−3、C、D−1〜D−3、Eと指称する場合がある。
(ランプ制御基板72について)
前記ランプ制御基板72は、ランプ制御CPUを備えると共に、該ランプ制御CPUに、ランプ制御ROMおよびランプ制御RAMが接続されている。このランプ制御基板72(ランプ制御CPU)には、ランプ装置18が接続されている。また、ランプ制御ROMには、図柄変動演出や大当り遊技中の大当り演出で実行されるランプ装置18の点灯や点滅等の発光演出の内容を特定する発光パターンが記憶されている。発光パターンは前記演出パターンに対応付けられており、演出制御CPU65aにより決定された演出パターンに基づいて対応する発光パターンをランプ制御CPUが決定するようになっている。
(音制御基板73について)
前記音制御基板73には、音制御動作を所定の手順で実行する音制御CPU、該音制御CPUが実行する音制御プログラムを記憶する音制御ROM、当該音制御CPUの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な音制御RAM等が備えられている。この音制御基板73(音制御CPU)には、スピーカ19が接続されている。音制御CPUは、各種制御コマンドを入力すると、音制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。また、音制御ROMには、各種の音声データや楽曲データが記憶されている。具体的に、音制御ROMには、前記表示制御ROM70bに記憶されて、後述する楽曲選択演出で選択可能な選択肢としての複数種類の楽曲A−1〜A−5、B−1〜B−3、C、D−1〜D−3、Eの表示データに対応する楽曲データが記憶されている。そして、音制御CPUは、楽曲選択演出において選択(決定)された楽曲に対応する楽曲データを音制御ROMから読出し、図柄変動演出中や大当り遊技中に選択された楽曲をスピーカ19から出力するように音制御CPUがスピーカ19を制御するよう構成される。なお、音制御ROMには、図柄変動演出や大当り遊技中の大当り演出で実行されるスピーカ19から出力される演出音による音演出の内容を特定する音パターン等も記憶されている。音パターンは前記演出パターンに対応付けられており、演出制御CPU65aにより決定された演出パターンに基づいて対応する音パターンを音制御CPUが決定し、決定した音パターンに対応する音データに基づいてスピーカ19から演出音を出力するように該スピーカ19を音制御CPUが制御する。実施例1では、スピーカ19から演出音を出力させる音制御CPUが、音制御手段として機能し、楽曲データを記憶する音制御ROMが、楽曲データ記憶手段として機能する。また、スピーカ19から楽曲が出力されることが、楽曲出力演出に相当する。
すなわち、メイン制御CPU60aは、始動入賞口30,31への入賞を契機として各種乱数を取得する乱数取得手段としての機能を有すると共に、図柄変動演出の開始時に、乱数取得手段により取得された乱数の値が予め定められた当り判定値(大当り判定値)と一致するか否かを判定することで、当り遊技(大当り遊技)が付与されるか否かの当り判定を行う当り判定手段としての機能を備えている。また、始動入賞口30,31への入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。メイン制御CPU60aは、前記始動入賞口30,31への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の特図変動パターン(変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する特図変動パターン決定手段(変動パターン決定手段)としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する確変決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。なお、始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞することが、始動条件の成立として設定され、該始動条件の成立を契機に当り判定手段としてメイン制御CPU60aが当り判定を行うようになっている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態付与期間として決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞口30,31への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。そして、当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定するメイン制御CPU60aは、パチンコ機10に設けられる複数種類の遊技状態の中から遊技状態を設定する遊技状態制御手段としての機能を備える。また、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
(メイン制御基板での処理について)
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する処理について説明する。メイン制御CPU60aは、パチンコ機10への電源投入に伴いセキュリティーチェック等の初期設定処理を実行した後、パチンコ機10での遊技が可能な状態に移行する。この状態では、通常処理を所定の制御周期(4ミリ秒毎)に実行するようになっている。ここで、メイン制御CPU60aが実行する通常処理では、各種乱数を更新する乱数更新処理や、時間を計測するタイマ更新処理や、各種のコマンドを入出力するコマンド入出力処理や、遊技情報表示部Mでの表示内容に関する処理、フラグの設定処理、大当り遊技の実行に関する処理等を実行すると共に、始動部(始動入賞口)への入賞に関する特図入力処理や、特図当り判定(大当り判定)に関する特図開始処理を実行するようになっている。以下、特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図5に示すように、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30に対応する第1始動入賞検出センサ34がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31に対応する第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図6に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例1では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、168/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1516/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合には、確変状態を示す確変フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合には、変短状態を示す変短フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例1では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、所定の制御コマンドを設定する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、決定した特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドや、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例1のパチンコ機10では、第2始動入賞口31への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口30への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により第1特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図8に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定を行う(ステップB32)。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が大当りの場合には(大当り遊技が発生する場合には)、大当りフラグに大当りの変動であることを示す「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値には、特図1の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。そして、大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて大当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例1では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、所定の制御コマンドを設定する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、決定した特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドや、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
ここで、特図開始処理において設定された各制御コマンドは、前述した通常処理におけるコマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aが演出制御基板65に対して出力すると共に、タイマ更新処理において特図変動パターンで特定された変動時間の計測をメイン制御CPU60aが開始し、これと同時に、メイン制御CPU60aが特図変動表示を開始させるように対応する特図表示部50A,50Bを制御する。そして、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを演出制御基板65に出力する。
ここで、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する種類の大当り図柄(大当り図柄A,B,a,b)の場合には、フラグ設定処理において当り遊技の終了後に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定する。この確変フラグは、確変状態の終了条件が満たされることで、フラグ設定処理においてメイン制御CPU60aが確変フラグを「0」に設定するようになっている。実施例1では、確変状態の終了条件は、次の大当り遊技が開始する場合に成立するようになっており、メイン制御CPU60aが大当り遊技を開始するタイミングで確変フラグを「0」に設定するようになっている。すなわち、遊技状態特定情報としての確変フラグを参照することでメイン制御CPU60aが遊技状態を特定し得るようになっている。
(演出制御について)
次に、演出制御基板65で実行される処理について説明する。演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記遊技状態特定情報としての確変フラグや変短フラグを参照して遊技状態を特定し、該遊技状態に対応するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。これにより、各種演出実行手段17,18,19において、遊技状態に対応する演出モードでの演出が実行されるようになっている。また、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。前記演出制御ROM65bには、演出モード毎に対応して演出内容を特定する複数種類の演出パターンが記憶されており、各演出パターンに対応して演出パターン振分用判定値が記憶されている。演出パターン振分用判定値は、演出制御CPU65aが演出パターン振分用乱数を用いて演出パターンの決定に用いる判定値であり、演出パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された演出パターン振分用乱数に対応する演出パターン振分用判定値が割当てられた演出パターンが特定されるようになっている。そして、演出制御CPU65aは、遊技状態特定情報(確変フラグや変短フラグ)から特定される演出モードに応じて、メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに対応する演出パターンを決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが決定した変動パターンに基づいて、演出モードに応じて、複数の演出パターンの中から所定の演出パターンを決定する演出パターン決定手段としての機能を有している。また、遊技状態に対応するモード指定コマンドを演出実行手段17,18,19に出力して、該演出実行手段17,18,19で遊技状態に対応する演出モードでの演出を実行させる演出制御CPU65aは、演出の実行態様を定める複数種類の演出モードの中から演出モードを設定する演出モード制御手段としての機能を備える。
実施例1のパチンコ機10では、前述したように、遊技状態として、通常遊技状態、確変・変短遊技状態および非確変・変短遊技状態の3類が設けられており、これに各遊技状態に対応する演出モードとして、通常演出モード、確変演出モードおよび変短演出モードが設定されている(図24参照)。なお、各遊技状態に対応する演出モードは、図柄表示装置17の表示部17aに表示される背景画像等によって、遊技状態を認識させ得るようになっているが、確変状態となっていることが識別できないような背景画像等を表示するようにした潜伏演出モードを設けることができる。また、遊技状態に対応する演出モードは一対一に限らず、例えば背景画像が同一で表示されるキャラクタの種類が異なる複数種類を設け、演出制御CPU65aが抽選によって選択するようにしてもよい。
また、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図(大当り図柄)を決定する。そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にサブタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、決定された演出パターンに設定された所定のタイミングにおいて、各図柄列26a,26b,26cの飾図を仮停止させる仮停止図柄指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aから前記全図柄停止コマンドが出力されると、飾図が確定停止するようになっている。
(表示制御)
前記表示制御基板70では、演出制御CPU65aから演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、演出制御CPU65aから各図柄列26a,26b,26cの仮停止図柄指定コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に仮停止図柄指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された演出モードに対応する背景画像を表示させる。
(先読み予告演出について)
実施例1のパチンコ機10は、後述する楽曲選択演出を、図柄表示装置17において大当り表示が表示される可能性を示唆する先読み予告としての先読み予告演出として実行可能に構成されている。なお、前記メイン制御RAM60cに記憶される複数の特図始動保留情報(第1特図始動保留情報、第2特図始動保留情報)について、図柄変動演出が行われる際の該図柄変動演出を特定するための特図始動保留情報について変動開始時特図始動保留情報と指称すると共に、図柄変動演出の開始(始動)が保留されているその他の特図始動保留情報について入賞時特図始動保留情報と指称して区別する場合がある。そして、実施例1のパチンコ機10は、始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として入賞情報(乱数値)を取得する毎に取得した入賞情報に対応する特図始動保留情報(入賞時特図始動保留情報)に基づいて先読みコマンドを作成し、該先読みコマンドで特定される情報(後述する先読み始動保留情報)に基づいて、先読み予告演出を行わせるか否かを決定するよう構成されている。すなわち、始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として取得された入賞情報(乱数値)を変動開始時特図始動保留情報として図柄変動演出(先読み予告演出の本変動演出)が行われた際に図柄表示装置17に大当り表示が表示される可能性(大当りが発生する可能性)を前もって示唆し得るよう構成されている。
(先読みコマンド設定処理について)
ここで、前述した先読み予告演出を実行するための先読みコマンド設定処理について説明する。なお、先読みコマンド設定処理は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際(特図入力処理が実行される際)に行われる。すなわち、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞してから次の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が開始されるよりも前に(特図開始処理が行われるよりも前に)、先読みコマンド設定処理が実行される。言い換えると、先読みコマンド設定処理は、図柄変動演出の前に実行するよう構成されている。ここで、先読みコマンド設定処理は、始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として入賞情報(乱数値)を取得する毎に、取得された入賞情報に対応する入賞時特図始動保留情報に基づいて演出制御CPU65aに伝達する先読みコマンド(特定情報)をメイン制御CPU60aが設定する処理である。すなわち、実施例1のメイン制御CPU60aは、前記始動入賞口30,31への入賞を契機として入賞情報を取得する毎に、取得した入賞情報に基づいて先読みコマンド(特定情報)を特定する特定情報設定手段として機能している。
図11に先読みコマンド設定処理を示す。メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時特図始動保留情報に基づいて、当該入賞時特図始動保留情報を変動開始時特図始動保留情報とする前(変動開始時特図始動保留情報に基づき図柄変動演出(図柄変動)が開始される前)に、演出制御CPU65aが、変動開始時特図始動保留情報に基づく図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)の結果として図柄表示装置17に大当り表示が表示されるかを事前判定するための先読みコマンドを作成する。具体的には、メイン制御CPU60aは、入賞情報を取得した時点の遊技状態(確変状態または非確変状態)を事前遊技状態情報として設定する(ステップC11)。また、メイン制御CPU60aは、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された特図大当り判定用乱数と、該入賞情報を取得した時点での遊技状態に対応する特図大当り判定用判定値から事前当否情報(大当りか否か)を設定する(ステップC12)。また、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された特図決定用乱数および特図決定用判定値から事前特図情報(特図の種類)を設定し(ステップC13)、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された演出実行判定用乱数および演出実行判定用判定値から事前演出実行情報(リーチするか否か)を設定し(ステップC14)、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された特図変動パターン振分用乱数および特図変動パターン振分用判定値から事前特図変動パターン情報を設定し(ステップC15)、先読みコマンド設定処理を終了する。これにより、入賞時特図始動保留情報を変動開始時特図始動保留情報としたときに図柄変動演出(図柄変動)を特定するために必要となる各種情報を含む先読みコマンドが設定される。そして、先読みコマンドは、次に特図開始処理が行われる前にメイン制御CPU60aから演出制御基板65に出力されることで、各種情報が演出制御CPU65aに伝達される。
ここで、先読みコマンドには、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞した時点において、前記メイン制御RAM60cが記憶する対応の第1または第2特図始動保留情報の記憶数を示す保留数情報や、第1始動入賞口30および第2始動入賞口31の何れへのパチンコ球の入賞に基づく先読みコマンドであるかを示す特図種別情報が含まれている。なお、先読みコマンドで特定される保留数情報は、特図種別情報で特定される第1または第2始動入賞口30,31に対応する特図始動保留情報の記憶数情報である。従って、特図種別情報で第1始動入賞口30への入賞を契機とした先読みコマンドであることが特定される場合には、保留数情報は第1特図始動保留情報の記憶数を示しており、特図種別情報で第2始動入賞口31への入賞を契機とした先読みコマンドであることが特定される場合には、保留数情報は第2特図始動保留情報の記憶数を示している。
(先読み始動保留情報記憶処理について)
次に、前記先読みコマンドを先読み始動保留情報として記憶する先読み始動保留情報記憶処理について、図12を参照して説明する。演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから出力された先読みコマンドが入力すると(ステップD11)、該先読みコマンドを演出制御RAM65cの所定の記憶領域に先読み始動保留情報として記憶する(ステップD12)。そして、演出制御RAM65cに記憶された先読み始動保留情報を、後述する先読み予告判定において読み出して先読み予告を実行するのかを事前判定するよう構成されている。
前記演出制御RAM65cには、先読み始動保留情報を記憶する複数の記憶領域が設定されている。実施例1では、前記第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の上限数の合計に対応する数(8個)の記憶領域が設定されて、該記憶領域に、演出制御CPU65aに先読みコマンドが入力された順通りに先読み始動保留情報が記憶される。具体的に、演出制御RAM65cには、第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域、第5記憶領域、第6記憶領域、第7記憶領域および第8記憶領域が設定され、先読み始動保留情報は、第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域、第5記憶領域、第6記憶領域、第7記憶領域、第8記憶領域の順に記憶される。そして、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aの特図開始処理によってメイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報が早く記憶した順で読み出されるのに対応して、演出制御RAM65cは、第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域、第5記憶領域、第6記憶領域、第7記憶領域、第8記憶領域の順で先読み始動保留情報を消去すると共に、残りの先読み始動保留情報を若い記憶領域に順にシフトする。すなわち、特図開始処理に伴って第1記憶領域の先読み始動保留情報を消去すると、第2記憶領域に記憶されていた先読み始動保留情報を第1記憶領域に記憶させ、第3記憶領域に記憶されていた先読み始動保留情報を第2記憶領域に記憶させ、第4記憶領域に記憶されていた先読み始動保留情報を第3記憶領域に記憶させ、・・・第8記憶領域に記憶されていた先読み始動保留情報を第7記憶領域に記憶させるように順にシフトする。なお、先読み始動保留情報について、第1記憶領域に記憶されているものを第1先読み始動保留情報、第2記憶領域に記憶されているものを第2先読み始動保留情報、第3記憶領域に記憶されているものを第3先読み始動保留情報、第4記憶領域に記憶されているものを第4先読み始動保留情報、第5記憶領域に記憶されているものを第5先読み始動保留情報、第6記憶領域に記憶されているものを第6先読み始動保留情報、第7記憶領域に記憶されているものを第7先読み始動保留情報、第8記憶領域に記憶されているものを第8先読み始動保留情報として区別する場合がある。
ここで、先読み始動保留情報(先読みコマンド)は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞した時点で取得した入賞情報に対応する入賞時特図始動保留情報に基づいて設定された、前記事前遊技状態情報、事前当否情報、事前特図情報、事前演出実行情報、事前特図変動パターン情報を含んでいる。従って、先読み始動保留情報を参照することで、演出制御CPU65aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞したときに取得された入賞情報を変動開始時特図始動保留情報として行われる図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)において大当りが発生するか否かを事前遊技状態情報および事前当否情報に基づいて識別し得ると共に、当該図柄変動演出においてリーチ演出が行われるか否かを事前演出実行情報に基づいて演出制御CPU65aが識別できる。また、事前特図変動パターン情報に基づいて図柄変動演出の演出内容や変動時間を演出制御CPU65aが識別し得るようになっている。
(楽曲選択演出について)
実施例1のパチンコ機10では、図柄変動演出(図柄変動)中または大当り遊技中に、演出制御ROM65bが決定した各種の演出を、前記演出実行手段17,18,19で実行可能に構成されている。この図柄変動演出(図柄変動)中または大当り遊技中に実行可能な各種の演出として、各種の楽曲を前記スピーカ(演出手段)19から出力する楽曲演出を行い得るよう構成されている。また、パチンコ機10では、図柄変動演出中または大当り遊技中にスピーカ19から出力される楽曲(演出態様の種類)を、複数種類の中から遊技者が選択することができる楽曲選択演出(選択演出)を実行し得るようになっている。すなわち、前記演出制御ROM65bには、楽曲選択演出の内容を特定する前記楽曲選択用演出パターンや楽曲選択用大当り演出パターンが記憶されており、演出制御ROM65bが図柄変動演出(図柄変動)中または大当り遊技中に実行可能な演出の内容を特定する演出パターンとして楽曲選択用演出パターンまたは楽曲選択用大当り演出パターンを選択(決定)した場合に、図柄表示装置17で対応する楽曲選択演出が実行されるよう構成されている。具体的に、楽曲選択用演出パターンまたは楽曲選択用大当り演出パターンが選択されると、該楽曲選択用演出パターンを特定する楽曲選択用演出パターン指定コマンド(制御コマンド)または楽曲選択用大当り演出パターンを特定する楽曲選択用大当り演出パターン指定コマンド(制御コマンド)が表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力される。そして、表示制御基板70では、楽曲選択用演出パターン指定コマンドまたは楽曲選択用大当り演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される楽曲選択用演出パターンまたは楽曲選択用大当り演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該楽曲選択用演出パターンまたは楽曲選択用大当り演出パターンに対応した表示内容を表示するように図柄表示装置17を制御するよう構成される。
ここで、前記演出制御CPU65aは、前記楽曲選択用演出パターン指定コマンドまたは楽曲選択用大当り演出パターン指定コマンドを出力すると共に、前記操作ボタン36,37の操作を有効とする楽曲選択開始有効期間(開始可能期間)を図柄変動演出中または大当り遊技中(大当り演出中)に設定する。そして、表示制御基板70が楽曲選択用演出パターン指定コマンドまたは楽曲選択用大当り演出パターン指定コマンドに対応する表示データに基づいて図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17の表示部17aには、所定のタイミングで操作ボタン36,37の画像が表示され、該操作ボタン36,37の押下によってスピーカ19から出力される楽曲の種類を選択する演出が実行可能であることが示唆される。そして、楽曲選択開始有効期間が経過するまでに遊技者が操作ボタン36,37を押下した場合、すなわち楽曲選択開始有効期間内に操作ボタン36,37からの操作信号が演出制御CPU65aに入力された場合は、図柄表示装置17の表示部17aに楽曲選択演出の画像が表示されて、表示された複数種類の楽曲の中から1つの楽曲を選択することが可能となる。なお、楽曲選択開始有効期間内に操作ボタン36,37からの操作信号が演出制御CPU65aに入力されなかった場合は、表示部17aに楽曲選択演出の画像は表示されず、楽曲選択演出は行われないようになっている。すなわち、実施例1における楽曲選択演出が実行される実行条件の成立とは、楽曲選択開始有効期間内に操作ボタン36,37からの操作信号が演出制御CPU65aに入力されたことである。実施例1では、第1操作ボタン36および第2操作ボタン37の何れからの操作信号であっても、楽曲選択演出の実行条件が成立するようになっているが、第1操作ボタン36または第2操作ボタン37の一方からの操作信号によって楽曲選択演出の実行条件が成立したと判定するようにしてもよい。
前記実行条件の成立によって図柄表示装置17の表示部17aに表示される画像について、具体的に説明する。図15に示す如く、楽曲選択演出では、表示部17aに複数種類の楽曲(演出態様の種類を示す選択肢)および操作ボタン36,37の画像が表示されて、該操作ボタン36,37の押下によって楽曲を選択可能であることが示唆されるようになっている。実施例1では、楽曲選択演出において前記第2操作ボタン37の画像が表示されて、該第2操作ボタン37の押下によって楽曲を選択可能であることが示唆される。なお、図15(a),(b),(c)において、図柄表示装置17の表示部17a上に表示されている操作ボタンの画像について、符号37を付して示すこととする。
前記楽曲選択演出において、遊技者が選択可能な楽曲として、常に選択可能な通常選択肢としての楽曲A−1,楽曲A−2,楽曲A−3,楽曲A−4,楽曲A−5が設けられている(図14(a)参照)。また、楽曲選択演出において、特定の場合にのみ遊技者が選択可能な楽曲として追加される特定選択肢として、図14(b),(c)に示すように、楽曲B−1,楽曲B−2,楽曲B−3,楽曲C,楽曲D−1,楽曲D−2,楽曲D−3,楽曲Eが設定されている。図14(b)に示す特定選択肢としての楽曲B−1,楽曲B−2,楽曲B−3,楽曲Cは、図柄表示装置17で変動が開示された当該の図柄変動演出に対応する変動開始時特図始動保留情報に基づいて楽曲選択演出が実行される場合に選択可能となる当該用特定選択肢であり、図14(c)に示す特定選択肢としての楽曲D−1,楽曲D−2,楽曲D−3,楽曲Eは、図柄変動演出が保留中の特図始動保留情報を先読みした入賞時特図始動保留情報に基づいて楽曲選択演出が実行される場合に選択可能となる先読み用特定選択肢である。そして、図柄表示装置17で変動が開示された当該の図柄変動演出に対応する変動開始時特図始動保留情報に基づいて楽曲選択演出が実行される場合は、後述する特定選択肢の追加選択において演出制御CPU65aが複数種類の当該用特定選択肢から選択した当該用特定選択肢が、楽曲選択演出において遊技者が選択可能な選択肢として追加される(図15(b)参照)。また、図柄変動演出が保留中の始動保留情報を先読みした入賞時特図始動保留情報に基づいて楽曲選択演出が実行される場合は、特定選択肢の追加選択において演出制御CPU65aが複数種類の先読み用特定選択肢から選択した先読み用特定選択肢が、楽曲選択演出において遊技者が選択可能な選択肢として追加される(図15(c)参照)。すなわち、実施例1のパチンコ機10では、変動が開始された図柄変動演出に対応する入賞情報に基づく当り判定手段としてのメイン制御CPU60aでの当り判定が行われた場合と、事前判定手段としてのメイン制御CPU60aによる始動保留情報の事前判定が行われた場合とが特定の場合として設定されて、この特定の場合に演出制御CPU65aが当該用特定選択肢や先読み用特定選択肢を含んだ選択肢を、楽曲選択演出において遊技者が選択可能(図柄表示装置17に表示可能)な選択肢として決定し得るようになっている。なお、図14(a),(b),(c)に示す通常選択肢および特定選択肢の数や種類は一例であって、任意に設定することができる。また、以下の説明において、特定の場合について、図柄表示装置17で変動が開示された当該の図柄変動演出に対応する変動開始時特図始動保留情報に基づいて楽曲選択演出が実行される場合を第1の特定の場合と指称し、図柄変動演出が保留中の始動保留情報を先読みした入賞時始動保留情報に基づいて楽曲選択演出が実行される場合を第2の特定の場合と指称する場合がある。
ここで、前記演出制御CPU65aは、楽曲選択演出の実行条件が成立すると選択有効時間のカウントを開始すると共に、選択演出コマンドを前記表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力する。そして、表示制御基板70では、選択演出コマンドが入力されると、該コマンドで特定される楽曲選択演出に対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該楽曲選択演出に対応した演出内容を表示するように図柄表示装置17を制御する。具体的に、楽曲選択演出では、図15に示す如く、図柄表示装置17の表示部17aに、画像としてのフレーム75で囲われた内側に、選択可能な各楽曲を示すパネル76が並んで表示され、第2操作ボタン37が押下される度(操作信号が演出制御CPU65aに入力される度)に、所定の順でパネル76の色を選択色に変化させ、選択有効時間が経過したときに選択色となっているパネル76に示された楽曲が選択されたものとして、演出制御CPU65aが当該楽曲を図柄変動演出中または大当り遊技中に出力する楽曲として決定する。なお、楽曲選択演出において楽曲を選択する態様は、上記のものに限らず、パネル76の色を自動的に所定の順で選択色に変化させ、遊技者が第2操作ボタン37を押下した(操作信号が演出制御CPU65aに入力された)タイミングで選択色となっているパネル76に示された楽曲が決定されるようにしてもよい。
(特定選択肢の追加選択の実行可否決定抽選について)
前記演出制御CPU65aは、前記特定の場合以外の非特定の場合には、前記楽曲選択演出において楽曲の種類を追加することなく、前記通常選択肢である楽曲A1〜A5のみを、楽曲選択演出において遊技者が選択可能(図柄表示装置17に表示可能)な選択肢として決定する。これに対し、演出制御CPU65aは、特定の場合には、前述したように、楽曲選択演出において楽曲の種類を、特定選択肢である楽曲B−1〜B−3,C,D−1〜D−3,Eから選択して、楽曲選択演出において遊技者が選択可能(図柄表示装置17に表示可能)な選択肢として通常選択肢とは別に追加し得るようになっている。但し、実施例1のパチンコ機10では、特定の場合において、先ず特定選択肢の追加選択を実行するか否かを抽選により決定し、実行することが決定された場合に特定選択肢を追加し得るようになっている。また、実施例1のパチンコ機10では、楽曲選択演出は、図柄変動演出中および大当り演出中において実行し得るようになっているので、図柄変動演出中に楽曲選択演出が実行される場合における特定選択肢の追加選択の流れと、大当り演出中に楽曲選択演出が実行される場合における特定選択肢の追加選択の流れとを分けて説明する。なお、実施例1では、特定選択肢の追加選択を実行するか否かを抽選により決定し、実行することが決定された場合に特定選択肢を追加し得る一方で、実行しないことが決定された場合には特定選択肢を追加しないよう構成されているので、特定選択肢の追加選択を実行するか否かの抽選で否定となった場合も、非特定の場合となる。また、非特定の場合には、図柄変動演出が実行されていない場合(状態)、大当り遊技が実行されていない場合(状態)、デモンストレーション演出が実行されている場合(状態、デモ中)を含んでいる。
(図柄変動演出中に楽曲選択演出が実行される場合)
前記演出制御CPU65aでは、前記第1の特定の場合において、図柄変動演出の内容を特定する前記演出パターンとして楽曲選択用演出パターンを決定した場合は、図柄変動演出中に実行される楽曲選択演出において表示される選択肢として当該用特定選択肢(楽曲B−1〜B−3、楽曲C)を追加するか否かの実行可否決定抽選を行う。この実行可否決定抽選は、演出制御ROM65bに記憶される実行可否決定用乱数および実行可否決定用判定値を用いて行われるよう構成される。実施例1では、実行可否決定用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、演出制御CPU65aは、実行可否決定用乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を演出制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。そして、演出制御CPU65aは、楽曲選択用演出パターンを決定した際に取得した実行可否決定用乱数と、当該用特定選択肢を追加するおよび追加しないに振分けられた実行可否決定用判定値とを比較して、当該用特定選択肢の追加選択の実行、非実行の何れかを決定するよう構成される。具体的に、実施例1では、図16に示す如く、大当り判定の判定結果が肯定(大当り)の場合に、80%の割合で当該用特定選択肢の追加選択の実行が決定されると共に、20%の割合で当該用特定選択肢の追加選択の非実行が決定され、大当り判定の判定結果が否定(はずれ)の場合に、30%の割合で当該用特定選択肢の追加選択の実行が決定されると共に、70%の割合で当該用特定選択肢の追加選択の非実行が決定される。すなわち、当該用特定選択肢が追加された楽曲選択演出は、大当り判定で否定の場合より肯定の場合の方が図柄表示装置17で実行され易く設定されている。
また、楽曲B−1〜B−3、楽曲C等の当該用特定選択肢は、実行可否決定抽選において実行することが決定された場合に、後述する特定選択肢の追加選択抽選において楽曲選択演出の選択肢として選ばれる可能性がある一方で、該実行可否決定抽選において非実行が決定された場合には特定選択肢の追加選択抽選が実行されないことで楽曲選択演出の選択肢として選ばれる可能性がなくなる(0%)ものであり、かつ実行可否決定抽選は大当り判定の判定結果に応じて実行、非実行が決定されることから、楽曲B−1〜B−3、楽曲C等の当該用特定選択肢は、当り判定の結果に応じて演出制御CPU(表示選択肢決定手段)65aが決定可能な選択肢である。これに対し、前記楽曲A−1〜A−5等の通常選択肢は、楽曲選択演出の実行が決定された場合には常に楽曲選択演出の選択肢として前記図柄表示装置17の表示部17aに表示されるよう設定されており、該通常選択肢が、当り判定の結果に関係なく演出制御CPU(表示選択肢決定手段)65aが決定可能な選択肢である。
ここで、前記第2の特定の場合において、前記演出制御CPU65aで実行される先読み用特定選択肢(楽曲D−1〜D−3、楽曲E)を追加するか否かの実行可否決定抽選は、前記第1の特定の場合と基本的に同じである。但し、第2の特定の場合では、前記メイン制御CPU60aから先読みコマンドが演出制御基板65に入力された場合に、当該先読みコマンドに基づいて先読み用特定選択肢(楽曲D−1〜D−3、楽曲E)を追加するか否かの実行可否決定抽選を行う点で異なっている。具体的には、演出制御CPU65aは、先読みコマンドが入力された際に取得した実行可否決定用乱数と、先読み用特定選択肢を追加するおよび追加しないに振分けられた実行可否決定用判定値とを比較して、先読み用特定選択肢の追加選択の実行、非実行の何れかを決定するよう構成される。そして、演出制御基板65は、先読み用特定選択肢の追加選択の実行を決定した場合は、追加選択を実行する情報を含めた先読み始動保留情報を設定して演出制御RAM65cに記憶させ、先読み用特定選択肢の追加選択の非実行を決定した場合は、追加選択を実行しない情報を含めた先読み始動保留情報を設定して演出制御RAM65cに記憶させる。なお、実施例1では、先読み用特定選択肢の追加選択の実行、非実行の割合は、当該用特定選択肢の追加選択の実行、非実行の割合と同じに設定されている。すなわち、事前当否情報が肯定(大当り)の場合に、80%の割合で先読み用特定選択肢の追加選択の実行が決定されると共に、20%の割合で先読み用特定選択肢の追加選択の非実行が決定され、事前当否情報が否定(はずれ)の場合に、30%の割合で先読み用特定選択肢の追加選択の実行が決定されると共に、70%の割合で先読み用特定選択肢の追加選択の非実行が決定される(図16参照)。なお、当該用特定選択肢の追加選択の実行、非実行の割合と、先読み用特定選択肢の追加選択の実行、非実行の割合とを異なるように設定してもよい。
また、楽曲D−1〜D−3、楽曲E等の先読み用特定選択肢は、実行可否決定抽選において実行することが決定された場合に、後述する特定選択肢の追加選択抽選において楽曲選択演出の選択肢として選ばれる可能性がある一方で、該実行可否決定抽選において非実行が決定された場合には特定選択肢の追加選択抽選が実行されないことで楽曲選択演出の選択肢として選ばれる可能性がなくなる(0%)ものであり、かつ実行可否決定抽選は事前当否情報における事前判定の結果(判定結果)に応じて実行、非実行が決定されることから、楽曲D−1〜D−3、楽曲E等の先読み用特定選択肢は、事前当否情報における事前判定の結果(メイン制御CPU60aによる前事判定の判定結果)に応じて演出制御CPU(表示選択肢決定手段)65aが決定可能な選択肢である。これに対し、前記楽曲A−1〜A−5等の通常選択肢は、楽曲選択演出の実行が決定された場合には常に楽曲選択演出の選択肢として前記図柄表示装置17の表示部17aに表示されるよう設定されており、該通常選択肢が、事前当否情報における事前判定の結果(メイン制御CPU60aによる前事判定の判定結果)に関係なく演出制御CPU(表示選択肢決定手段)65aが決定可能な選択肢である。
(特定選択肢の追加選択について)
前記実行可否決定抽選において特定選択肢(当該用特定選択肢、先読み用特定選択肢)の追加選択の実行が決定された場合は、演出制御CPU65aは、演出制御ROM65bに記憶される選択用乱数および選択用判定値を用いて、追加する特定選択肢の種類を決定する追加選択抽選を実行する。なお、当該用特定選択肢の追加選択抽選および先読み用特定選択肢の追加選択抽選とは同じであるので、主に当該用特定選択肢の追加選択抽選について説明する。
実施例1では、選択用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、演出制御CPU65aは、選択用乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を演出制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。図17は、特定選択肢(当該用特定選択肢、先読み用特定選択肢)の追加選択に用いられる追加選択抽選テーブルT1を示すものであって、選択用判定値は、大当り判定の判定結果(事前当否情報の内容)および大当り遊技の種類(事前特図情報の内容)によって異なる整数値が特定選択値としての楽曲B−1〜B−3、楽曲C(楽曲D−1〜D−3、楽曲E)に振分けられている。具体的に、大当り判定の判定結果が否定(事前当否情報がはずれ)の場合(はずれの場合)は、楽曲B−1(楽曲D−1)に60通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲B−2(楽曲D−2)に25通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲B−3(楽曲D−3)に15通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲C(楽曲E)には選択用判定値が振分けられていない。また、大当り判定の判定結果が肯定(事前当否情報が大当り)の場合(大当りの場合)で、かつ第1の大当り遊技を付与することをメイン制御CPU60aが決定した場合は(事前特図情報が図柄A,aの場合)、楽曲B−1(楽曲D−1)に15通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲B−2(楽曲D−2)に25通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲B−3(楽曲D−3)に55通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲C(楽曲E)に5通りの選択用判定値が振分けられている。また、大当り判定の判定結果が肯定(事前当否情報が大当り)の場合(大当りの場合)で、かつ第2の大当り遊技を付与することをメイン制御CPU60aが決定した場合は(事前特図情報が図柄B,bの場合)、楽曲B−1(楽曲D−1)に20通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲B−2(楽曲D−2)に27通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲B−3(楽曲D−3)に50通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲C(楽曲E)に3通りの選択用判定値が振分けられている。また、大当り判定の判定結果が肯定(事前当否情報が大当り)の場合(大当りの場合)で、かつ第3の大当り遊技を付与することをメイン制御CPU60aが決定した場合は(事前特図情報が図柄C,cの場合)、楽曲B−1(楽曲D−1)に25通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲B−2(楽曲D−2)に32通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲B−3(楽曲D−3)に45通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲C(楽曲E)に2通りの選択用判定値が振分けられている。更に、大当り判定の判定結果が肯定(事前当否情報が大当り)の場合(大当りの場合)で、かつ第4の大当り遊技を付与することをメイン制御CPU60aが決定した場合は(事前特図情報が図柄D,dの場合)、楽曲B−1(楽曲D−1)に50通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲B−2(楽曲D−2)に30通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲B−3(楽曲D−3)に20通りの選択用判定値が振分けられ、楽曲C(楽曲E)には選択用判定値が振分けられていない。そして、演出制御CPU65aは、特定選択肢の追加選択の実行が決定されたときに選択用乱数を取得すると共に、この取得した選択用乱数の値を、追加選択抽選テーブルT1に設定されている選択用判定値と比較して、追加する特定選択肢の種類を決定する。
前記追加選択抽選テーブルT1に示す如く、大当り判定の判定結果が否定の場合(はずれの場合)は、楽曲Cには選択用判定値が振分けられておらず、はずれの場合には楽曲Cは当該用特定選択肢としては追加されない一方で、大当り判定の判定結果が肯定(大当り)で、第1〜第3の大当り遊技が付与される場合には、楽曲Cにも選択用判定値が振分けられており、楽曲選択演出における当該用特定選択肢として楽曲Cが設定されている場合は、大当り遊技が付与されることが確定する。すなわち、当該用特定選択肢としての楽曲Cは、メイン制御CPU60aが当りと判定した場合に演出制御CPU65aが決定可能な報知用選択肢である。また、楽曲Cには、第1〜第3の大当り遊技が付与される場合には選択用判定値が振分けられる一方で、第4の大当り遊技が付与される場合には選択用判定値が振分けられていない。第4の大当り遊技は、前述した如く、当該第4の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与しない大当り遊技であるのに対し、第1〜第3の大当り遊技は、前述した如く、当該第1〜第3の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与する大当り遊技(特定当り遊技)であり、楽曲選択演出における当該用特定選択肢として楽曲Cが設定されている場合は、特典状態が付与される大当り遊技が付与されることが確定する。すなわち、当該用特定選択肢としての楽曲Cは、メイン制御CPU60aが当り遊技として特定当り遊技を決定した場合に演出制御CPU65aが決定可能な特典報知用選択肢(報知用選択肢)である。
ここで、前記当該用特定選択肢としての楽曲B−1〜B−3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、大当り判定の判定結果が否定の場合(はずれの場合)は、楽曲B−3、B−2、B−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、大当り判定の判定結果が肯定の場合(第1〜第3の大当り遊技が付与される場合)は、楽曲B−1、B−2、B−3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。言い替えると、大当り判定結果が肯定の場合に、演出制御CPU65aが楽曲B−1〜B−3を決定する確率は、楽曲B−1<楽曲B−2<楽曲B−3の順で高くなるよう設定されている。一方、大当り判定結果が否定の場合に、演出制御CPU65aが楽曲B−1〜B−3を決定する確率は、楽曲B−3<楽曲B−2<楽曲B−1の順で高くなるよう設定されている。このように各楽曲B−1〜B−3を決定する確率を設定することで、遊技者の大当りへの信頼度(期待度)は、楽曲B−1<楽曲B−2<楽曲B−3の順で高まることになる。すなわち、演出制御CPU65aは、大当り期待度の異なる複数種類の楽曲B−1〜B−3、楽曲Cから1つの楽曲を決定している。なお、大当り判定の判定結果が肯定で第4の大当り遊技が付与される場合における選択用判定値の振分け割合は、楽曲B−3、B−2、B−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなっているが、大当り判定の判定結果が否定の場合と比較すると、第4の大当り遊技が付与される場合における楽曲B−1に対する選択用判定値の振分け割合は、大当り判定の判定結果が否定の場合より小さく、かつ第4の大当り遊技が付与される場合における楽曲B−3に対する選択用判定値の振分け割合は、大当り判定の判定結果が否定の場合より大きくなるように設定されている。すなわち、大当り判定の判定結果が肯定で第4の大当り遊技が付与される場合においても、大当り判定の判定結果が否定の場合に比べれば、楽曲B−1は選択され難く、楽曲B−3は選択され易くなっている。このように、楽曲B−1〜B−3,Cは、大当り判定結果が肯定である信頼度(期待度)が異なっており、楽曲B−1〜B−3,Cの中の何れか一つが選択肢として決定されて、決定された楽曲B−1〜B−3,Cが、楽曲選択演出において前記表示部17aに、図15(b)に示されるように楽曲A−1〜A−5と共に表示された場合は、当該楽曲選択演出によって変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示される期待度が示唆される。
また、大当り判定の判定結果が肯定の場合における前記当該用特定選択肢としての楽曲B−1〜B−3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、第1〜第3の大当り遊技が付与される場合は、楽曲B−1、B−2、B−3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、第4の大当り遊技が付与される場合は、楽曲B−3、B−2、B−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。言い替えると、大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与する種類の大当り遊技が付与される場合に、演出制御CPU65aが楽曲B−1〜B−3を決定する確率は、楽曲B−1<楽曲B−2<楽曲B−3の順で高くなるよう設定される。一方、大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与しない種類の大当り遊技が付与される場合に、演出制御CPU65aが楽曲B−1〜B−3を決定する確率は、楽曲B−3<楽曲B−2<楽曲B−1の順で高くなるよう設定されている。なお、前述したように、楽曲Cにおける特典状態が付与される大当り遊技が付与される信頼度(期待度)は100%である。このように、楽曲B−1〜B−3,Cは、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される信頼度(期待度)が異なっており、楽曲B−1〜B−3,Cの中の何れか一つが選択肢として決定されて、決定された楽曲B−1〜B−3,Cが、楽曲選択演出において前記表示部17aに、図15(b)に示されるように楽曲A1〜A5と共に表示された場合は、当該楽曲選択演出によって大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆される。
ここで、前記追加選択抽選テーブルT1に示す如く、事前当否情報がはずれの場合は、楽曲Eには選択用判定値が振分けられておらず、事前当否情報がはずれの場合には楽曲Eは先読み用特定選択肢としては追加されない一方で、事前当否情報が大当りで、事前特図情報が図柄A,B,C,a,b,c(第1〜第3の大当り遊技に対応する図柄)の場合には、楽曲Eにも選択用判定値が振分けられており、楽曲選択演出における先読み用特定選択肢として楽曲Eが設定されている場合は、保留中の入賞時特図始動保留情報に該入賞時特図始動保留情報に基づく図柄変動演出において大当り表示となる情報があることが報知される。すなわち、先読み用特定選択肢としての楽曲Eは、メイン制御CPU60aが事前判定で大当りと判定した場合に演出制御CPU65aが決定可能な報知用選択肢である。また、楽曲Eには、事前特図情報が図柄A,B,C,a,b,c(第1〜第3の大当り遊技に対応する図柄)の場合には選択用判定値が振分けられる一方で、事前特図情報が図柄D,d(第4の大当り遊技に対応する図柄)の場合には選択用判定値が振分けられていない。第4の大当り遊技は、前述した如く、当該第4の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与しない大当り遊技であるのに対し、第1〜第3の大当り遊技は、前述した如く、当該第1〜第3の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与する大当り遊技(特定当り遊技)であり、楽曲選択演出における先読み用特定選択肢として楽曲Eが設定されている場合は、保留中の入賞時特図始動保留情報に特典状態が付与される大当り遊技に当選している情報があることが報知される。すなわち、先読み用特定選択肢としての楽曲Eは、メイン制御CPU60aが当り遊技として特定当り遊技を決定した場合に演出制御CPU65aが決定可能な特典報知用選択肢(報知用選択肢)である。
また、前記先読み用特定選択肢としての楽曲D−1〜D−3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、事前当否情報がはずれの場合は、楽曲D−3、D−2、D−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、事前当否情報が大当りの場合(第1〜第3の大当り遊技が付与される場合)は、楽曲D−1、D−2、D−3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。言い替えると、事前当否情報が大当りの場合に、演出制御CPU65aが楽曲D−1〜D−3を決定する確率は、楽曲D−1<楽曲D−2<楽曲D−3の順で高くなるよう設定されている。一方、事前当否情報がはずれの場合に、演出制御CPU65aが楽曲D−1〜D−3を決定する確率は、楽曲D−3<楽曲D−2<楽曲D−1の順で高くなるよう設定されている。このように各楽曲D−1〜D−3を決定する確率を設定することで、保留に対する遊技者の大当りへの信頼度(期待度)は、楽曲D−1<楽曲D−2<楽曲D−3の順で高まることになる。すなわち、演出制御CPU65aは、大当り期待度の異なる複数種類の楽曲D−1〜D−3、楽曲Eから1つの楽曲を決定している。また、事前当否情報が大当りで第4の大当り遊技が付与される場合における選択用判定値の振分け割合は、楽曲D−3、D−2、D−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなっているが、事前当否情報がはずれの場合と比較すると、第4の大当り遊技が付与される場合における楽曲D−1に対する選択用判定値の振分け割合は、事前当否情報がはずれの場合より小さく、かつ第4の大当り遊技が付与される場合における楽曲D−3に対する選択用判定値の振分け割合は、事前当否情報がはずれの場合より大きくなるように設定されている。すなわち、事前当否情報が大当りで第4の大当り遊技が付与される場合においても、事前当否情報がはずれの場合に比べれば、楽曲D−1は選択され難く、楽曲D−3は選択され易くなっている。このように、楽曲D−1〜D−3,Eは、事前当否情報が大当りである信頼度(期待度)が異なっており、楽曲D−1〜D−3,Eの中の何れか一つが選択肢として決定されて、決定された楽曲D−1〜D−3,Eが、楽曲選択演出において前記表示部17aに、図15(c)に示されるように楽曲A−1〜A−5と共に表示された場合は、当該楽曲選択演出によって保留中の入賞時特図始動保留情報に大当りがある期待度が示唆される。
また、事前当否情報が大当りである場合における前記先読み用特定選択肢としての楽曲D−1〜D−3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、事前特図情報が第1〜第3の大当り遊技に対応する図柄である場合は、楽曲D−1、D−2、D−3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、事前特図情報が第4の大当り遊技に対応する図柄である場合は、楽曲D−3、D−2、D−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。言い替えると、事前特図情報が大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与する種類の大当り遊技に対応する図柄の場合に、演出制御CPU65aが楽曲D−1〜D−3を決定する確率は、楽曲D−1<楽曲D−2<楽曲D−3の順で高くなるよう設定される。一方、事前特図情報が大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与しない種類の大当り遊技に対応する図柄の場合に、演出制御CPU65aが楽曲D−1〜D−3を決定する確率は、楽曲D−3<楽曲D−2<楽曲D−1の順で高くなるよう設定されている。なお、前述したように、楽曲Eにおける事前特図情報が大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与する種類の大当り遊技に対応する図柄である信頼度(期待度)は100%である。このように、楽曲D−1〜D−3,Eは、事前特図情報が大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与する種類の大当り遊技に対応する図柄である信頼度(期待度)が異なっており、楽曲D−1〜D−3,Eの中の何れか一つが選択肢として決定されて、決定された楽曲D−1〜D−3,Eが、楽曲選択演出において前記表示部17aに、図15(c)に示されるように楽曲A−1〜A−5と共に表示された場合は、当該楽曲選択演出によって保留中の入賞時特図始動保留情報に特典状態が付与される大当りが存在する期待度が示唆される。
このように、実施例1では、図柄変動演出中に楽曲選択演出が実行される場合に、演出制御CPU(表示選択肢決定手段)65aは、特定の場合には当該用特定選択肢や先読み用特定選択肢等の特定選択肢を含んだ選択肢を決定すると共に、非特定の場合には通常選択肢から選択肢を決定し、演出制御CPU(選択演出制御手段)65aは、決定した選択肢(通常選択肢を含む当該用特定選択肢または先読み用特定選択肢)を表示する選択演出を図柄表示装置17に表示させるよう構成される。
ここで、通常は楽曲の選択を目的として実行される楽曲選択演出を、図柄変動演出中に変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示される期待度を示唆する演出または入賞時特図始動保留情報に大当りが存在する期待度を示唆する演出として用いる場合に、同一の図柄変動演出中に大当り表示が表示される期待度を示唆する楽曲選択演出と、入賞時特図始動保留情報に大当りが存在する期待度を示唆する楽曲選択演出とを実行することができる。このように、示唆する期待度が異なる2つの楽曲選択演出を行っても、期待度を示す特定選択肢の種類が、大当り表示が表示される期待度を示唆する楽曲選択演出と、入賞時特図始動保留情報に大当りが存在する期待度を示唆する楽曲選択演出とで異なる(楽曲B−1〜B−3,Cと楽曲D−1〜D−3,E)よう設定しているので、何れの期待度を示唆しているのかを遊技者が迷うことはない。なお、前記特定選択肢の追加選択の実行可否決定抽選において、当該用特定選択肢および先読み用特定選択肢の何れの追加選択も実行することが決定された場合に、何れの特定選択肢の追加選択を実行するかを抽選により決定することができる。
(大当り演出中に楽曲選択演出が実行される場合)
前記大当り遊技中に実行される楽曲選択演出は、前述した図柄変動演出中に実行される楽曲選択演出と同じである。なお、大当り遊技中の楽曲選択演出では、前記当該用特定選択肢である楽曲B−1〜B−1、Cが、実行中の大当り遊技の終了後に特典状態が付与されるか否かを示唆ないし報知する当該大当り用特定選択肢(特定選択肢)として用いられる。そして、前記演出制御CPU65aでは、大当り演出の内容を特定する前記大当り演出パターンとして楽曲選択用大当り演出パターンを決定した場合は、大当り遊技(大当り演出)中に実行される楽曲選択演出において表示される選択肢として当該大当り用特定選択肢(楽曲B−1〜B−3、楽曲C)を追加するか否かの実行可否決定抽選を行う。この実行可否決定抽選は、前記実行可否決定用乱数および実行可否決定用判定値を用いて行われる。すなわち、演出制御CPU65aは、楽曲選択大当り用演出パターンを決定した際に取得した実行可否決定用乱数と、当該大当り用特定選択肢を追加するおよび追加しないに振分けられた実行可否決定用判定値とを比較して、当該大当り用特定選択肢の追加選択の実行、非実行の何れかを決定するよう構成される。具体的に、実施例1では、図18に示す如く、実行中の大当り遊技が第1〜第3の大当り遊技である場合に、80%の割合で当該大当り用特定選択肢の追加選択の実行が決定されると共に、20%の割合で当該大当り用特定選択肢の追加選択の非実行が決定され、実行中の大当り遊技が第4の大当り遊技である場合に、30%の割合で当該大当り用特定選択肢の追加選択の実行が決定されると共に、70%の割合で当該大当り用特定選択肢の追加選択の非実行が決定される。すなわち、当該大当り用特定選択肢が追加された楽曲選択演出は、大当り遊技の種類が第1〜第3の大当り遊技である場合の方が、第4の大当り遊技である場合より図柄表示装置17で実行され易く設定されている。
また、楽曲B−1〜B−3、楽曲C等の当該大当り用特定選択肢は、実行可否決定抽選において実行することが決定された場合に、特定選択肢の追加選択抽選において楽曲選択演出の選択肢として選ばれる可能性がある一方で、該実行可否決定抽選において非実行が決定された場合には特定選択肢の追加選択抽選が実行されないことで楽曲選択演出の選択肢として選ばれる可能性がなくなる(0%)ものであり、かつ実行可否決定抽選は大当り遊技の種類(第1〜第3の大当り遊技か第4の大当り遊技か)に応じて実行、非実行が決定されることから、楽曲B−1〜B−3、楽曲C等の当該大当り用特定選択肢は、大当り遊技の種類に応じて演出制御CPU(表示選択肢決定手段)65aが決定可能な選択肢である。更にいえば、前述したように、第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与しない大当り遊技であるのに対し、第1〜第3の大当り遊技は、当該第1〜第3の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与する大当り遊技(特定当り遊技)であり、実行可否決定抽選において大当り遊技の種類(特典状態が付与される大当り遊技と付与されない大当り遊技)によって特定選択肢の追加選択抽選の実行可否が選択されるので、楽曲B−1〜B−3、楽曲C等の当該大当り用特定選択肢が、大当り遊技の終了後に特典状態が付与されるか否かに応じて演出制御CPU(表示選択肢決定手段)65aが決定可能な選択肢である。これに対し、前記楽曲A−1〜A−5等の通常選択肢は、大当り演出中での楽曲選択演出の実行が決定された場合には常に楽曲選択演出の選択肢として前記図柄表示装置17の表示部17aに表示されるよう設定されており、該通常選択肢が、大当り遊技の終了後に特典状態が付与されるか否かに関係なく演出制御CPU(表示選択肢決定手段)65aが決定可能な選択肢である。
(大当り演出での特定選択肢の追加選択について)
前記実行可否決定抽選において、大当り遊技中に実行される楽曲選択演出での選択肢として特定選択肢(当該大当り用特定選択肢、先読み用特定選択肢)を追加する追加選択の実行が決定された場合は、演出制御CPU65aは、演出制御ROM65bに記憶される選択用乱数および選択用判定値を用いて、追加する特定選択肢の種類を決定する追加選択抽選を実行する。なお、大当り遊技中に実行される楽曲選択演出での選択肢として特定選択肢を追加する追加選択抽選は、前記追加選択抽選テーブルT1を参照して実行される。すなわち、演出制御CPU65aは、特定選択肢の追加選択の実行が決定されたときに選択用乱数を取得すると共に、この取得した選択用乱数の値を、追加選択抽選テーブルT1に設定されている選択用判定値と比較して、追加する特定選択肢の種類を決定する。
ここで、前記当該大当り用特定選択肢としての楽曲B−1〜B−3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、大当り遊技の種類が第1〜第3の大当り遊技の場合(特典状態が付与される大当り遊技の場合)は、楽曲B−1、B−2、B−3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、大当り遊技の種類が第4の大当り遊技の場合(特典状態が付与されない大当り遊技の場合)は、楽曲B−3、B−2、B−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。言い替えると、特典状態が付与される大当り遊技である場合に、演出制御CPU65aが楽曲B−1〜B−3を決定する確率は、楽曲B−1<楽曲B−2<楽曲B−3の順で高くなるよう設定されている。一方、特典状態が付与さない大当り遊技の場合に、演出制御CPU65aが楽曲B−1〜B−3を決定する確率は、楽曲B−3<楽曲B−2<楽曲B−1の順で高くなるよう設定されている。このように各楽曲B−1〜B−3を決定する確率を設定することで、大当り遊技の終了後に特典状態が付与されることに対する遊技者の信頼度(期待度)は、楽曲B−1<楽曲B−2<楽曲B−3の順で高まることになる。すなわち、演出制御CPU65aは、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度の異なる複数種類の楽曲B−1〜B−3、楽曲Cから1つの楽曲を決定している。そして、大当り遊技中における楽曲選択演出において、楽曲B−1〜B−3,Cの中の何れか一つが選択肢として決定されて、決定された楽曲B−1〜B−3,Cが前記表示部17aに楽曲A−1〜A−5と共に表示された場合(図15(b)参照)は、当該楽曲選択演出によって大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆される。なお、大当り演出中の先読み予告演出として楽曲選択演出が実行される場合における先読み用特定選択肢の追加選択抽選は、前述した図柄変動演出中の先読み予告演出として楽曲選択演出が実行される場合における先読み用特定選択肢の追加選択抽選と同様に行われる。
ここで、大当り遊技中に実行される楽曲選択演出での選択肢として特定選択肢を含んだ選択肢を決定する特定の場合とは、実行可否決定抽選において追加選択の実行が決定された場合であり、実行可否決定抽選において追加選択の非実行が決定された場合が非特定の場合である。そして、実施例1では、大当り遊技中に楽曲選択演出が実行される場合に、演出制御CPU(表示選択肢決定手段)65aは、特定の場合には当該大当り用特定選択肢や先読み用特定選択肢等の特定選択肢を含んだ選択肢を決定すると共に、非特定の場合には通常選択肢から選択肢を決定し、演出制御CPU(選択演出制御手段)65aは、決定した選択肢(通常選択肢を含む当該大当り用特定選択肢または先読み用特定選択肢)を表示する選択演出を図柄表示装置17に表示させるよう構成される。
実施例1において演出制御CPU65aは、前記楽曲選択演出において楽曲が選択された場合に、該選択された楽曲A−1〜A−5,B−1〜B−3,C,D−1〜D−3,Eの種類を示す情報(フラグ等)を演出制御RAM65cに記憶するよう構成されており、図柄変動演出中および大当り遊技(大当り演出)中において、その情報によって選択した楽曲をスピーカ19から出力し得るようになっている。すなわち、遊技者が選択した楽曲を、次に楽曲選択演出において変更しない限り継続して出力し得るよう構成される。すなわち、例えば楽曲選択演出において楽曲A−1を選択した場合は、始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが楽曲出力用変動パターンを決定し、演出制御CPU65aが対応する楽曲出力演出パターンを決定した場合は、図柄変動演出において楽曲A−1がスピーカ19から出力される。また、大当り判定で肯定、すなわち大当りに当選した場合に、演出制御CPU65aが楽曲出力大当り演出パターンを決定した場合は、大当り遊技中において楽曲A−1がスピーカ19から出力される。
すなわち、メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、始動入賞口30,31への入賞を始動条件の成立として、該始動条件の成立を契機として各種乱数等の入賞情報を取得する入賞情報取得手段としての機能を有する。また、メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、保留記憶手段としてのメイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報(入賞時特図始動保留情報)に基づく図柄変動(図柄変動演出)が実行される前に、該始動保留情報(入賞時特図始動保留情報)に基づく図柄変動(図柄変動演出)で当り表示(大当り表示)となるかを事前に判定する事前判定手段としての機能を備える。また、始動入賞口30,31への入賞を始動条件の成立として、該始動条件の成立を契機として当り判定手段としてのメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)が当りと判定した場合に、当り遊技(大当り遊技)を、確変状態や変短状態の特典状態を当り遊技(大当り遊技)の終了後に付与する特定当り遊技を含む複数種類の中から決定する当り遊技決定手段としての機能をメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)が備えている。
前記演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、図柄変動演出中または大当り遊技中に実行可能な演出(楽曲演出)の演出態様(楽曲)の種類を示す選択肢を表示部17aに表示する選択演出(楽曲選択演出)を実行するように選択演出実行手段としての図柄表示装置17を制御可能な選択演出制御手段として機能する。また、演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、図柄変動演出中または大当り遊技中に実行される選択演出(楽曲選択演出)で表示された選択肢から操作手段としての第2操作ボタン37の操作によって選択された選択肢を決定する選択肢決定手段としての機能を備える。また、演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、選択肢決定手段としての演出制御CPU65a(演出制御基板65)で決定された選択肢で示される種類の演出態様(楽曲)の演出(楽曲演出)を図柄変動演出中または大当り遊技中に実行させ得る演出実行制御手段としての機能を有する。更に、演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、選択演出(楽曲選択演出)で表示する複数の選択肢を複数種類の中から決定する表示選択肢決定手段としての機能を有する。そして、表示選択肢決定手段として演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、特定の場合として事前判定手段としてのメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)による始動保留情報(入賞時特図始動保留情報)の事前判定が行われた場合に、該事前判定手段としてのメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)による判定対象となった始動保留情報(入賞時特図始動保留情報)に基づく図柄変動(図柄変動演出)の開始に到るまでの図柄変動(図柄変動演出)中に実行される選択演出(楽曲選択演出)で表示される選択肢として、事前判定手段としてのメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)の判定結果に応じて特定選択肢を含んだ選択肢を決定するよう構成される。
また、表示選択肢決定手段としての演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、前記第1の特定の場合、第2の特定の場合、あるいは前記実行可否決定抽選において追加選択の実行が決定された場合には、当該用特定選択肢、先読み用特定選択肢、当該大当り用特定選択肢等の特定選択肢(楽曲B−1〜B−3,C,D−1〜D−3,E)を含んだ選択肢を決定すると共に、非特定の場合には通常選択肢(楽曲A−1〜A−5)から選択肢を決定するよう設定される。そして、選択演出制御手段としての演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、表示選択肢決定手段としての演出制御CPU65a(演出制御基板65)が決定した選択肢を表示する選択演出(楽曲選択演出)を選択演出実行手段としての図柄表示装置17で実行させるよう構成される。また、実施例1では、図柄変動演出中または大当り遊技中に実行される選択演出では、スピーカ19から出力される楽曲演出の種類を選択し得るよう構成されており、選択演出(楽曲選択演出)において選択演出実行手段としての図柄表示装置17の表示部17aに表示される選択肢で示される種類の演出態様(楽曲)の演出(楽曲演出)を実行する演出手段としてスピーカ19が機能する。
(調整機能について)
実施例1のパチンコ機10は、遊技の演出状態等に応じて各種の演出音を出力する前記スピーカ19から出力される演出音の特性を、前記操作ボタン36,37の操作に基づいて調整する音調整機能を備えている。なお、演出音の特性は、音量や音質等に限らず、前記楽曲選択演出で選択(決定)された楽曲を出力する際の曲のテンポや編曲等の各種ものがあり、これら各種の特性を調整可能であるが、以下の説明では特性として音量を挙げて説明する。また、実施例1のパチンコ機10は、遊技の演出状態等に応じて各種の演出光を出力する前記ランプ装置18から出力される演出光の特性を、前記操作ボタン36,37の操作に基づいて調整する光調整機能を備えている。なお、演出光の特性は、発光色、光量、輝度、点滅間隔等の各種ものがあり、これら各種の特性を調整可能であるが、以下の説明では特性として光量を挙げて説明する。
(演出音の調整機能について)
実施例1のパチンコ機10では、前記第1操作ボタン36の操作に基づいて、演出制御CPU65aが音制御基板73を介してスピーカ19から出力する音量を調整するよう構成される。前記演出制御ROM65bには、演出制御ROM65bから音制御基板73に出力される音量信号が示す音の大きさが音量値として記憶されている。すなわち、演出制御ROM65bは、音量値記憶手段としての機能を有している。実施例1では、「1」〜「10」までの10段階の音量値が演出制御ROM65bに記憶されている。そして、演出制御CPU65aは、該演出制御CPU65aによって決定された音量値に基づいて音量値を変更し得るようになっている。なお、音量値は、「1」で最小で、数値が上がる毎に音量が段階的に大きくなり、「10」で最大の音量となるよう設定される。
前記演出制御CPU65aによる音量値の変更態様は、第1操作ボタン36からの操作信号が入力される度に音量値を「1」→「2」→「3」・・・「8」→「9」→「10」の順で変更するようになっている。そして、音量値が「10」であるときに第1操作ボタン36からの操作信号が入力されると、演出制御CPU65aは、音量値を「1」に戻すように設定されている。すなわち、遊技者が第1操作ボタン36を操作することにより、スピーカ19から出力される音量が段階的に調整される。なお、演出制御CPU65aは、電源投入時には初期設定を行って音量値を「5」とするようになっている。
実施例1のパチンコ機10では、前記音調整機能は、当該パチンコ機10が遊技可能状態において有効とされて、前記第1操作ボタン36の押下(操作)に基づいて音量の特性を常に調整し得るよう構成される。具体的に、演出制御CPU65aは、パチンコ機10への電源投入(電源ON)に伴いメイン制御CPU60aでセキュリティーチェック等の初期設定処理が実行されて、パチンコ機10での遊技が可能な状態に移行したときから電源OFFまでの間は、音調整機能が有効となるよう設定されている(図23参照)。但し、音調整機能が有効であることを遊技者に認識させるために図柄表示装置17の表示部17aに、例えば「音量調整ができます」等の文字を常に表示しておくと、図柄変動演出や大当り遊技における演出の妨げとなったり、遊技者が煩わしく感じるおそれがある。そこで、実施例1のパチンコ機10では、前記第1操作ボタン36を予め設定された操作態様で操作した場合に、図柄表示装置17の表示部17aに音調整が可能であることを認識し得る表示(音調整報知表示)が表示されるよう構成されている。例えば、第1操作ボタン36を3秒以上長押しする操作態様(第1操作ボタン36からの操作信号が3秒以上続いた場合)を音調整報知条件として、演出制御CPU65aが、「音量調整ができます」等の音調整報知表示を図柄表示装置17の表示部17aに表示させるようにする。なお、音調整報知条件は、第1操作ボタン36の長押しに限らず、第1操作ボタン36が所定回数だけ連続的に押下された連打の操作態様等、その他各種の操作態様を音調整報知条件とすることができる。
そして、前記音調整報知表示が表示部17aに表示されている状態で、更に第1操作ボタン36が操作(押下)されたことに基づき、演出制御CPU65aが音調整処理を実行する。図19は、音調整処理の実行を開始させるための音調整開始処理のフローチャートを示すものであって、演出制御CPU65aは、第1操作ボタン36が前述した操作態様で操作されたか否か(音調整報知条件が成立したか否か)を判定する(ステップF11)。ステップF11が否定の場合は、音調整開始処理を終了する。また、ステップF11が肯定の場合、演出制御CPU60aは、音調整報知コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御CPU70aの制御下に図柄表示装置17の表示部17aに音調整報知表示が表示される(ステップF12)。次に、演出制御CPU60aは、第1操作ボタン36が操作されたか否かを判定する(ステップF13)。ステップF13が否定の場合は、音調整開始処理を終了する。一方、ステップF13が肯定の場合は、演出制御CPU60aは音調整処理を実行する。なお、前記ステップF13の判定処理では、音調整報知条件が成立したときから演出制御CPU60aが計時を開始した音調整実行報知有効時間が経過するまでに第1操作ボタン36の操作がされなかった場合(操作信号が演出制御CPU60aに入力されなかった場合)に、該判定結果が否定となって音調整開始処理が終了する。
次に、音調整処理について、以下に具体的に説明する。なお、音量値が初期状態である「5」になっているものとして説明する。
前記音調整報知表示の表示状態で第1操作ボタン36が操作(押下)されることで、操作信号が演出制御CPU65aに入力されると、該演出制御CPU65aは音調整用コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは音調整用の画像を図柄表示装置17の表示部17aに表示するように該図柄表示装置17を制御し、これによって音調整演出が開始される。図20は、音調整演出で図柄表示装置17の表示部17aに表示される画像を概略的に示すものであって、表示部17a上には音量の大きさを表す音メータ80が表示される。このとき、現在の音量値が「5」であることが示されている(図20では音量値を示す枠内にハッチングを付して音量値が「5」であることを示している)。また、第1操作ボタン36を押下することで、音量調整が可能であることが示唆される。更に、演出制御CPU65aは音量調整開始コマンドを表示制御基板70に出力し、表示制御基板70の表示制御CPU70aは第1操作ボタン36の音調整用操作有効時間の計時を開始する。
遊技者が第1操作ボタン36を押下する毎に、表示されている音メータ80において音量値が「5」→「6」→「7」・・・「10」→「1」→「2」・・・の順で変化するので、遊技者は音メータ80を見ながら好みに合う音量値となるまで第1操作ボタン36を押下する。音量値を「4」とした第1操作ボタン36の押下後、所定時間(例えば5秒)が経過するまでの間に再び第1操作ボタン36が押下されない(操作信号が入力されない)ときには、演出制御CPU65aは音調整終了コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは、図柄表示装置17の表示部17aの画像を切替えるように該図柄表示装置17を制御することで音調整演出を終了させる。そして、演出制御CPU65aは、演出制御ROM65bに記憶されている音量値から「4」を選択し、演出制御CPU65aから出力された音量信号が示す音量値(「4」)に基づいて、スピーカ19から出力される音量を変更することで音調整処理が終了する。なお、音調整処理において選択された音量値は、演出制御RAM65cに記憶されて、以後は選択された音量値での音量で演出音がスピーカ19から出力される。
ここで、図柄変動演出中に音調整処理が実行された場合は、前記表示部17aにおいて変動中の3つの図柄列26a,26b,26cの変動領域に重ならないように音調整用の画像が表示部17aの一部の領域に表示されるか、または音調整用の画像をフレア技術を用いて最前面に表示すると共に背景側で表示される図柄変動演出の画像を透過させる態様で表示させるよう構成される。これにより、遊技者は、音量調整操作を行いながら、図柄変動演出を注目することができ、音調整の画像が遊技の進行に支障を来すことがないようになっている。
前記音調整機能は、前記楽曲選択演出中も有効となるよう設定されており、該楽曲選択演出において第2操作ボタン37を用いて楽曲を選択すると共に、第1操作ボタン36を用いて楽曲の音量を調整することで、遊技者の好みに合った楽曲および音量を好適に選ぶことができる。また、演出制御CPU65aは、音調整処理において第1操作ボタン36の操作毎に段階的に変化する音量の音をスピーカ19から出力させるよう構成される。これにより、スピーカ19から出力される演出音の音量が変わるため、遊技者は実際の演出音の音量を聞きながら音調整操作を行うことができる。
また、パチンコ機10では、図柄変動演出中または大当り演出中において、大当り遊技が付与されることや大当り遊技の終了後に確変状態等の特典状態が付与されることを示唆乃至報知する演出として、前記楽曲選択演出以外の操作ボタン36,37を用いた操作演出を行い得るよう構成されている。そして、前記演出制御CPU65aは、図柄変動演出または大当り演出に操作演出が含まれている場合には第1操作ボタン36に対する操作を音調整操作として受け付けない一方で、図柄変動演出または大当り演出に操作演出が含まれていない場合には第1操作ボタン36に対する操作を音調整操作として受け付けるよう構成されている。すなわち、演出制御CPU65aは、図柄変動演出中または大当り演出中において、実行中の図柄変動演出の内容を特定する演出パターンまたは大当り演出の内容を特定する大当り演出パターンに遊技者のボタン操作に応じて行う操作演出が含まれていない場合には、遊技者による第1操作ボタン36に対する操作を音調整操作として受け付け、音調整処理を行う。言い換えると、実行中の図柄変動演出または大当り演出に遊技者のボタン操作に応じて行う操作演出が含まれている場合には、音調整処理は行われず、遊技者によって第1操作ボタン36が操作されたとしても、スピーカ19から出力される演出音の音量は変更されない。
(演出光の調整機能について)
実施例1のパチンコ機10では、前記第2操作ボタン37の操作に基づいて、演出制御CPU65aがランプ制御基板72を介してランプ装置18から出力する光量を調整するよう構成される。前記演出制御ROM65bには、演出制御CPU65aからランプ制御基板72に出力される光量信号が示す光の明るさが光量値として記憶されている。すなわち、演出制御ROM65bは、光量値記憶手段としての機能を有している。実施例1では、「1」〜「4」までの4段階の光量値が演出制御ROM65bに記憶されている。そして、演出制御CPU65aは、該演出制御CPU65aによって決定された光量値に基づいて光量値を変更し得るようになっている。なお、光量値は、「1」で最小で、数値が上がる毎に光量が段階的に大きくなり、「4」で最大の光量となるよう設定される。
前記演出制御CPU65aによる光量値の変更態様は、第2操作ボタン37からの操作信号が入力される度に光量値を「1」→「2」→「3」→「4」の順で変更するようになっている。そして、光量値が「4」であるときに第2操作ボタン37からの操作信号が入力されると、演出制御CPU65aは、光量値を「1」に戻すように設定されている。すなわち、遊技者が第2操作ボタン37を操作することにより、ランプ装置18から出力される光量が段階的に調整される。なお、演出制御CPU65aは、電源投入時には初期設定を行って光量値を「2」とするようになっている。
実施例1のパチンコ機10では、前記光調整機能は、予め設定された共通有効期間の間だけ有効とされて、該共通有効期間中における前記第2操作ボタン37の押下(操作)に基づいて光量の特性を調整し得るよう構成される(図23参照)。具体的に、演出制御CPU65aは、遊技状態が通常遊技状態(非変短状態)でのみ、光調整機能が有効となるよう設定されている。但し、通常遊技状態においても、前記始動入賞口30,31への入賞を契機とする図柄変動演出中および前記楽曲選択演出中(楽曲選択に第2操作ボタン37が用いられている間)は、光調整機能が無効となるよう設定される。なお、楽曲選択演出中を除いて、通常遊技状態で図柄変動演出が実行されていない状態は、パチンコ機10ではデモンストレーション演出が実行されるデモ中であることから、実施例1では光調整機能はデモ中においてのみ有効となっている。
また、光調整機能が有効であることを遊技者に認識させるために図柄表示装置17の表示部17aに、例えば「光量調整ができます」等の文字を常に表示しておくと、図柄変動演出や大当り遊技における演出の妨げとなったり、遊技者が煩わしく感じるおそれがある。そこで、実施例1のパチンコ機10では、前記第2操作ボタン37を予め設定された操作態様で操作した場合に、図柄表示装置17の表示部17aに光調整が可能であることを認識し得る表示(光調整報知表示)が表示されるよう構成されている。例えば、第2操作ボタン37を3秒以上長押しする操作態様(第2操作ボタン37からの操作信号が3秒以上続いた場合)を光調整報知条件として、演出制御CPU65aが、「光量調整ができます」等の光調整報知表示を図柄表示装置17の表示部17aに表示させるようにする。なお、光調整報知条件は、第2操作ボタン37の長押しに限らず、第2操作ボタン37が所定回数だけ連続的に押下された連打の操作態様等、その他各種の操作態様を光調整報知条件とすることができる。
そして、前記光調整報知表示が表示部17aに表示されている状態で、更に第2操作ボタン37が操作(押下)されたことに基づき、演出制御CPU65aが光調整処理を開始するよう構成される。図21は、光調整処理の実行を開始させるための光調整開始処理のフローチャートを示すものであって、演出制御CPU65aは、第2操作ボタン37が前述した操作態様で操作されたか否か(光調整報知条件が成立したか否か)を判定する(ステップG11)。ステップG11が否定の場合は、光調整開始処理を終了する。また、ステップG11が肯定の場合、演出制御CPU60aは、光調整報知コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御CPU70aの制御下に図柄表示装置17の表示部17aに光調整報知表示が表示される(ステップG12)。次に、演出制御CPU60aは、第2操作ボタン37が操作されたか否かを判定する(ステップG13)。ステップG13が否定の場合は、光調整開始処理を終了する。一方、ステップG13が肯定の場合は、演出制御CPU60aは光調整処理を実行する。なお、前記ステップG13の判定処理では、光調整報知条件が成立したときから演出制御CPU60aが計時を開始した光調整実行報知有効時間が経過するまでに第2操作ボタン37の操作がされなかった場合(操作信号が演出制御CPU60aに入力されなかった場合)に、該判定結果が否定となって光調整開始処理が終了する。
次に、光調整処理について、以下に具体的に説明する。なお、光量値が初期状態である「2」になっているものとして説明する。
前記光調整報知表示の表示状態で第2操作ボタン37が操作(押下)されることで、操作信号が演出制御CPU65aに入力されると、該演出制御CPU65aは光調整用コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは光調整用の画像を図柄表示装置17の表示部17aに表示するように該図柄表示装置17を制御することで光調整演出が開始される。図22は、光調整演出で図柄表示装置17の表示部17aに表示される画像を概略的に示すものであって、表示部17a上には光量の大きさを表す光メータ81が表示される。このとき、現在の光量値が「2」であることが示されている(図22では光量値を示す枠内にハッチングを付して光量値が「2」であることを示している)。また、第2操作ボタン37を押下することで、光量調整が可能であることが示唆される。更に、演出制御CPU65aは光量調整開始コマンドを表示制御基板70に出力し、表示制御基板70の表示制御CPU70aは第2操作ボタン37の光調整用操作有効時間の計時を開始する。
遊技者が第2操作ボタン37を押下する毎に、表示されている光メータ81において光量値が「2」→「3」→「4」→「1」・・・の順で変化するので、遊技者は光メータ81を見ながら好みに合う光量値となるまで第2操作ボタン37を押下する。光量値を「4」とした第2操作ボタン37の押下後、所定時間(例えば5秒)が経過するまでの間に再び第2操作ボタン37が押下されない(操作信号が入力されない)ときには、演出制御CPU65aは光調整終了コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは、図柄表示装置17の表示部17aの画像を切替えるように該図柄表示装置17を制御することで光調整演出を終了させる。そして、演出制御CPU65aは、演出制御ROM65bに記憶されている光量値から「4」を選択し、演出制御CPU65aから出力された光量信号が示す光量値(「4」)に基づいて、ランプ装置18から出力される光量を変更することで光調整処理が終了する。なお、光調整処理において選択された光量値は、演出制御RAM65cに記憶されて、以後は選択された光量値での光量で演出光がランプ装置18から出力される。
ここで、前記光量調整中に、前記始動入賞検出センサ34,35がパチンコ球を検出した場合は、演出制御CPU65aは、光調整演出(光調整処理)を終了し、該始動入賞検出センサ34,35の球検出に基づく図柄変動演出等を優先して行う。この場合に、始動入賞検出センサ34,35がパチンコ球を検出した時点で調整されていた光量値が、新たな光量値として設定記憶される。また、前記光調整用操作有効時間内に第2操作ボタン37からの操作信号が入力されなかった場合は、演出制御CPU65aは光量値を変更することなく光調整演出(光調整処理)を終了する。
ここで、図23に示す如く、音調整機能は、パチンコ機10が遊技可能状態で有効になっており、この状態では常に第1操作ボタン36による音量調整が可能であるのに対し、光調整機能は、デモ中のみ第2操作ボタン37による光量調整が可能となっている。すなわち、実施例1では、デモ中には第1操作ボタン36による演出音の音量調整および第2操作ボタン37による演出光の光量調整が可能になっており、該デモ中が共通有効期間中となっている。これに対し、デモ中以外の期間が、操作ボタン36,37の操作に基づいて演出音および演出光の何れか一方(実施例1では演出音)の特性のみを調整し得る特定有効期間となっている。言い替えると、演出音の音量調整は、共通有効期間および特定有効期間において第1操作ボタン(操作手段)36の操作に基づいて調整し得る一方で、演出光の光量調整は、共通有効期間においてのみ第2操作ボタン(操作手段)37の操作に基づいて調整し得るようになっている。なお、デモ中は、図柄変動演出が実行されていない期間であることから、該デモ中に設定される前記共通有効期間が非図柄変動有効期間である。
また、前記音調整機能および光調整機能は、図24に示す如く、遊技状態および演出モードに応じて、実行可能であるか否かが設定されている。すなわち、通常遊技状態(通常演出モード)では、音調整機能および光調整機能は何れも有効に設定され、確変・変短遊技状態(確変演出モード)では、音調整機能は有効で光調整機能は無効に設定され、非確変・変短遊技状態(変短演出モード)では、音調整機能は有効で光調整機能は無効に設定されている。具体的には、音調整機能は、遊技状態の種類に関係なく有効であってパチンコ機10で設定可能な全ての遊技状態において音調整を行い得るのに対し、光調整機能は、遊技状態の種類に応じて有効、無効が設定されている。すなわち、光調整機能は、確変状態や変短状態等の特典状態が付与されている遊技状態では無効で、特典状態が付与されていない遊技状態(通常遊技状態)では有効に設定されており、通常遊技状態でのみ演出光の光量を調整し得るようになっている。言い替えると、演出制御CPU65aは、特典状態では、操作ボタン36,37の操作に基づく演出音および演出光の少なくとも一方(実施例1では演出光)の特性(光量)の調整を行わないよう構成されている。
また、光調整機能については、通常遊技状態において図柄変動演出が実行されていない共通有効期間中に有効となるのに対し、特典状態が付与される確変・変短遊技状態および非確変・変短遊技状態においては当該状態での全期間において無効となっており、演出光の光量(特性)を調整可能な有効期間は、通常遊技状態と、確変・変短遊技状態および非確変・変短遊技状態とでは異なっている。言い替えると、実施例1のパチンコ機10では、操作手段(第2操作ボタン37)の操作に基づいて光量(特性)を調整する複数種類の有効期間があるといえる。そして、演出制御CPU65aは、演出光の光量(特性)については、遊技状態の種類によって、異なる有効期間において操作手段(第2操作ボタン37)の操作に基づいて調整し得るようになっている。
また、光調整機能については、通常演出モードにおいて図柄変動演出が実行されていない共通有効期間中に有効となるのに対し、特典状態が付与されている確変演出モードおよび変短演出モードにおいては当該モードでの全期間において無効となっており、演出光の光量(特性)を調整可能な有効期間は、通常演出モードと、確変演出モードおよび変短演出モードとでは異なっている。前述したように、実施例1のパチンコ機10では、操作手段(第2操作ボタン37)の操作に基づいて光量(特性)を調整する複数種類の有効期間がある。そして、演出制御CPU65aは、演出光の光量(特性)については、演出モードの種類によって、異なる有効期間において操作手段(第2操作ボタン37)の操作に基づいて調整し得るようになっている。
すなわち、演出制御CPU65aは、操作手段としての第1操作ボタン36または第2操作ボタン37の操作に基づいてスピーカ19での演出音の特性またはランプ装置18での演出光の特性を調整し、調整された演出音および演出光を、図柄変動演出または大当り遊技において出力するように対応するスピーカ19またはランプ装置18を制御する演出実行制御手段としての機能を備えている。そして、演出実行制御手段としての演出制御CPU65aは、共通有効期間および特定有効期間において操作手段としての第1操作ボタン36の操作に基づいて演出音の特性を調整し得ると共に、共通有効期間においてのみ操作手段としての第2操作ボタン37の操作に基づいて演出光の特性を調整し得るよう設定されている。また、第2操作手段としての第2操作ボタン37は、楽曲選択演出における楽曲の選択用として用いられると共に、光調整演出における光量の調整用として用いられるよう構成されており、光量調整が有効となる共通有効期間(非図柄変動有効期間)外における第2操作手段としての第2操作ボタン37の操作に基づき、演出制御手段としての演出制御CPU65aは、演出態様が異なる複数種類の中から演出(楽曲)を選択し、該選択された種類の演出(楽曲)を演出手段としてのスピーカ19から出力させる機能を備える。
また、演出実行制御手段としての演出制御CPU65aは、遊技状態制御手段としてのメイン制御CPU60aが設定した遊技状態の種類によって、異なる有効期間において操作手段としての操作ボタン36,37の操作に基づく特性の調整を行い得るよう構成される。更に、演出実行制御手段としての演出制御CPU65aは、演出モード制御手段としての演出制御CPU65aが設定した演出モードの種類によって、異なる有効期間において操作手段としての操作ボタン36,37の操作に基づく特性の調整を行い得るよう構成されている。
(実施例1の作用)
次に、実施例1に係るパチンコ機10の作用について説明する。
(楽曲選択演出が図柄変動演出中に実行される場合について)
実施例1のパチンコ機10では、図柄変動演出中において、操作ボタン36,37の画像が表示されて該操作ボタン36,37の押下によって楽曲の種類を選択できることが示唆された場合に、楽曲選択開始有効期間内に遊技者が操作ボタン36,37を押下したことを契機として楽曲選択演出が実行される。この楽曲選択演出では、図15に示す如く、前記図柄表示装置17の表示部17aに、表示されたフレーム75の画像の内側に、選択可能な楽曲の種類が示された複数のパネル76が表示されると共に、第2操作ボタン37の画像が表示されて、該第2操作ボタン37の押下によって楽曲を選択可能であることが示唆される。楽曲選択演出では、前回の楽曲選択演出で選択された楽曲を示すパネル76が選択色となっており、遊技者が第2操作ボタン37を押下する度に選択色となるパネル76が変化していく。そして、選択色となるパネル76が変化しない状態で選択有効時間が経過すると、選択色となっているパネル76に示された楽曲が選択されたものとして、演出制御CPU65aが当該楽曲を図柄変動演出中または大当り遊技中に出力する楽曲として決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、選択された楽曲の種類を示す情報(フラグ等)を演出制御RAM65cに記憶する。これにより、演出制御CPU65aは、スピーカ19から楽曲を出力する演出を実行する際には、演出制御RAM65cに記憶されている楽曲情報に基づいて楽曲選択演出において遊技者が選択した楽曲を出力するように音制御基板73を介してスピーカ19を制御する。
前記楽曲選択演出において、前記図柄表示装置17の表示部17aに表示される楽曲の種類として設定されている通常選択肢としての楽曲A−1〜A−5は、前記大当り判定の判定結果に関係なく表示部17aに表示される楽曲として設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに、図15(a)に示されるように、楽曲A−1〜A−5のみが表示された場合は、当該楽曲選択演出によって変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示される期待度には関係なく、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出となる。これに対し、楽曲選択演出において、図柄表示装置17の表示部17aに表示される楽曲の種類として設定されている当該用特定選択肢としての楽曲B−1〜B−3,Cは、前記大当り判定の判定結果に応じて表示部17aに表示される楽曲として設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに、図15(b)に示されるように、楽曲A−1〜A−5の他に、楽曲B−1〜B−3,Cの内の何れか一つが表示された場合は、当該楽曲選択演出によって変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示される期待度が示唆される。すなわち、楽曲選択演出において楽曲B−1〜B−3,Cの内の何れか一つが表示された場合は、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出だけでなく、大当り表示が表示される期待度、すなわち大当り遊技が付与される期待度が示唆される演出となる。このように、楽曲選択演出において図柄表示装置17の表示部17aに表示される選択肢の種類によって変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示される期待度、すなわち大当り遊技が付与される期待度が示唆されるので、遊技の興趣を向上することができる。言い替えると、通常は大当り遊技が付与される期待度を示唆するものではない楽曲選択演出において大当り遊技が付与される期待度が示唆されることで、遊技者に驚きを与えて興趣を高めることができる。
また、前記当該用特定選択肢としての楽曲Cは、図17に示す如く、大当り判定で当りと判定された場合にのみ図柄表示装置17の表示部17aに選択肢として表示されることが決定可能な特定選択肢(報知用選択肢)である。従って、楽曲選択演出において表示部17aに楽曲Cを示すパネル76が表示されることで、変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示されること(大当り遊技が付与されること)が報知されるので、遊技者の興趣をより高めることができる。更に、楽曲Cは、大当り遊技が確変状態または変短状態の何れかまたは両方を付与する種類(第1〜第3の大当り遊技(特定当り遊技))の場合にのみ図柄表示装置17の表示部17aに選択肢として表示されることが決定可能な特定選択肢(報知用選択肢)である。従って、楽曲選択演出において表示部17aに楽曲Cを示すパネル76が表示されることで、大当り遊技の終了後に特典状態が付与されることが報知されるので、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、楽曲選択演出は、前述したように、図柄変動演出中に操作ボタン36,37の画像が表示されて該操作ボタン36,37の押下によって楽曲の種類を選択できることが示唆され、楽曲選択開始有効期間内に操作ボタン36,37を押下したことを条件として開始される。すなわち、遊技者が操作ボタン36,37を押下(操作)することで開始される楽曲選択演出において大当り遊技が付与される期待度が示唆される場合があるので、前記楽曲B−1〜B−3,C等の当該用特定選択肢が表示部17aに表示された場合は、遊技者が大当り判定に寄与しているのでは、というような驚きを与えて興趣を高めることができる。また、遊技者の操作ボタン36,37の押下(操作)によって開始される楽曲選択演出では、前記楽曲A−1〜A−5等の通常選択肢のみが表示部17aに表示される場合と、該通常選択肢とは別に楽曲B−1〜B−3,C等の大当り判定に関係する当該用特定選択肢が表示される場合とがあるので、楽曲選択演出に対する関心を高めて遊技の興趣を向上することができる。
ここで、前記楽曲選択演出は、先読み予告としても実行される場合があるので、楽曲選択演出が先読み予告として実行される場合に関連する作用について説明する。
前記楽曲選択演出において、前記図柄表示装置17の表示部17aに表示される楽曲の種類として設定されている通常選択肢としての楽曲A−1〜A−5は、前記事前判定の判定の結果に関係なく表示部17aに表示される楽曲として設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに、図15(a)に示されるように、楽曲A−1〜A−5のみが表示された場合は、当該楽曲選択演出によって保留中の入賞時特図始動保留情報に当りがあるか否かの期待度には関係なく、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出となる。これに対し、楽曲選択演出において、図柄表示装置17の表示部17aに表示される楽曲の種類として設定されている先読み用特定選択肢としての楽曲D−1〜D−3,Eは、前記事前判定の判定結果に応じて表示部17aに表示される楽曲として設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに、図15(c)に示されるように、楽曲A−1〜A−5の他に、楽曲D−1〜D−3,Eの内の何れか一つが表示された場合は、当該楽曲選択演出によって保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度が示唆される。すなわち、楽曲選択演出において楽曲D−1〜D−3,Eの内の何れか一つが表示された場合は、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出だけでなく、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度が示唆される演出となる。このように、楽曲選択演出において図柄表示装置17の表示部17aに表示される選択肢の種類によって保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度が示唆されるので、遊技の興趣を向上することができる。言い替えると、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度を示唆するものではない楽曲選択演出において保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度が示唆されることで、遊技者に驚きを与えて興趣を高めることができる。
また、前記先読み用特定選択肢としての楽曲Eは、図17に示す如く、事前判定で当りと判定された場合にのみ図柄表示装置17の表示部17aに選択肢として表示されることが決定可能な特定選択肢(報知用選択肢)である。従って、楽曲選択演出において表示部17aに楽曲Eを示すパネル76が表示されることで、保留中の入賞時特図始動保留情報に大当りが存在することが報知されるので、遊技者の興趣をより高めることができる。更に、楽曲Eは、事前特図情報が、確変状態または変短状態の何れかまたは両方を付与する種類(第1〜第3の大当り遊技(特定当り遊技))である情報を含んでいる場合にのみ図柄表示装置17の表示部17aに選択肢として表示されることが決定可能な特定選択肢(特典報知用選択肢)である。従って、楽曲選択演出において表示部17aに楽曲Eを示すパネル76が表示されることで、保留中の入賞時特図始動保留情報に、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される情報があることが報知されるので、遊技者の興趣をより高めることができる。
このように、実施例1のパチンコ機10では、通常は大当り判定や事前判定に関連しない選択演出として実行される楽曲選択演出について、図柄変動演出中に実行される楽器選択演出では、変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示されること(大当り遊技が付与されること)の期待度を示唆したり、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度を示唆し得るので、選択演出に対する興趣を一層高めることができる。
(楽曲選択演出が大当り遊技(大当り演出)中に実行される場合について)
実施例1のパチンコ機10では、大当り遊技中において、操作ボタン36,37の画像が表示されて該操作ボタン36,37の押下によって楽曲の種類を選択できることが示唆された場合に、楽曲選択開始有効期間内に遊技者が操作ボタン36,37を押下したことを契機として楽曲選択演出が実行される。この楽曲選択演出での表示態様および楽曲の選択態様は、前述した図柄変動演出中に実行される場合と同じであるので説明は省略する。この楽曲選択演出において、前記図柄表示装置17の表示部17aに表示される楽曲の種類として設定されている通常選択肢としての楽曲A−1〜A−5は、大当り遊技の終了後に特典状態(確変状態や変短状態)が付与されるか否かに関係なく表示部17aに表示される楽曲として設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに、図15(a)に示されるように、楽曲A−1〜A−5のみが表示された場合は、当該楽曲選択演出によって大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度には関係なく、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出となる。これに対し、楽曲選択演出において、図柄表示装置17の表示部17aに表示される楽曲の種類として設定されている当該大当り用特定選択肢としての楽曲B−1〜B−3,Cは、前記大当り遊技の種類(特典状態が付与されるか否か)に応じて表示部17aに表示される楽曲として設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに、図15(b)に示されるように、楽曲A−1〜A−5の他に、楽曲B−1〜B−3,Cの内の何れか一つが表示された場合は、当該楽曲選択演出によって大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆される。すなわち、楽曲選択演出において楽曲B−1〜B−3,Cの内の何れか一つが表示された場合は、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出だけでなく、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆される演出となる。このように、楽曲選択演出において図柄表示装置17の表示部17aに表示される選択肢の種類によって大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆されるので、遊技の興趣を向上することができる。言い替えると、通常は大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度を示唆するものではない楽曲選択演出において特典状態が付与される期待度が示唆されることで、遊技者に驚きを与えて興趣を高めることができる。
また、前記当該大当り用特定選択肢としての楽曲Cは、図17に示す如く、大当り遊技が確変状態または変短状態の何れかまたは両方を付与する種類(第1〜第3の大当り遊技(特定当り遊技))の場合にのみ図柄表示装置17の表示部17aに選択肢として表示されることが決定可能な特定選択肢(特典報知用選択肢)である。従って、楽曲選択演出において表示部17aに楽曲Cを示すパネル76が表示されることで、大当り遊技の終了後に特典状態が付与されることが報知されるので、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、楽曲選択演出は、前述したように、図柄変動演出中に操作ボタン36,37の画像が表示されて該操作ボタン36,37の押下によって楽曲の種類を選択できることが示唆され、楽曲選択開始有効期間内に操作ボタン36,37を押下したことを条件として開始される。すなわち、遊技者が操作ボタン36,37を押下(操作)することで開始される楽曲選択演出において大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆される場合があるので、前記楽曲B−1〜B−3,C等の当該大当り用特定選択肢が表示部17aに表示された場合は、遊技者が大当り遊技の種類の決定に寄与しているのでは、というような驚きを与えて興趣を高めることができる。また、遊技者の操作ボタン36,37の押下(操作)によって開始される楽曲選択演出では、前記楽曲A−1〜A−5等の通常選択肢のみが表示部17aに表示される場合と、該通常選択肢とは別に楽曲B−1〜B−3,C等の特典状態が付与されるか否かに関係する当該大当り用特定選択肢が表示される場合とがあるので、楽曲選択演出に対する関心を高めて遊技の興趣を向上することができる。
ここで、前記楽曲選択演出は、大当り遊技中における先読み予告としても実行される場合があるが、楽曲選択演出が大当り遊技中の先読み予告として実行される場合の作用については、前記図柄変動演出中に実行される場合と同じである。
このように、実施例1のパチンコ機10では、通常は大当り遊技の種類(大当り遊技の終了後に特典状態が付与されるか否か)や事前判定に関連しない選択演出として実行される楽曲選択演出について、大当り遊技中に実行される楽器選択演出では、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度を示唆したり、保留中の入賞時特図始動保留情報に大当り遊技の終了後に特典状態が付与される当りが存在する期待度を示唆し得るので、選択演出に対する興趣を一層高めることができる。
実施例1のパチンコ機10では、前記スピーカ19から出力される演出音の音量を遊技者が調整することができる音調整機能を、当該パチンコ機10が遊技可能状態において有効とした。すなわち、デモ中に限らず図柄変動演出の実行中や大当り遊技中において、遊技者が任意に音量を調整し得るので、遊技状況に応じて音量を遊技者の好みに合わせて調整することができ、遊技の興趣を向上し得る。また、前記共通有効期間中においては、操作ボタン36,37の操作に基づいてスピーカ19から出力される演出音の音量およびランプ装置18から出力される演出光の光量を調整し得るように構成されているので、複数の演出(音および光)の特性を遊技者の好みに合わせて調整することができ、遊技の興趣を一層向上し得る。
また、遊技の興趣により密接に関係する演出音の音量(特性)を、共通有効期間および特定有効期間に亘る長期間に亘って調整可能としたので、遊技状況に応じて音量をより自由に遊技者の好みに合わせて調整することができ、興趣をより高めることができる。また、実施例1のパチンコ機10では、図柄変動演出中および大当り遊技中においてスピーカ19から出力される楽曲を選択する楽曲選択演出を実行し得よう構成されているで、該楽曲選択演出において楽曲を選択するのに合わせて音量を調整することができ、より興趣を向上し得る。なお、演出制御CPU65aは、楽曲選択演出では第2操作ボタン37の操作によって楽曲を選択すると共に、音量調整は第1操作ボタン36の操作によって行うようにしてあるので、楽曲選択と音量調整とを同時期に行うことができる。
また、演出光の光量を調整可能な共通有効期間以外の期間を利用して、前記第2操作ボタン37の操作に基づいて前記楽曲選択を行い得るようにしたので、1つの操作ボタン37を楽曲選択と光量調整とに兼用することができ、選択や調整等に必要となる操作ボタンの数を低減することができる。
実施例1のパチンコ機10では、通常遊技状態(通常演出モード)において音調整機能および光調整機能は何れも有効に設定される一方で、確変・変短遊技状態(確変演出モード)および非確変・変短遊技状態(変短演出モード)において音調整機能は有効で光調整機能は無効に設定されている。すなわち、遊技状態や演出モードによって光量を調整できる期間(有効期間)を変えている。このように、遊技の興趣により密接に関係する演出音の音量を、遊技状態や演出モードの種類に関係なく調整可能とすることで、音量を遊技状況に応じて自由に調整して興趣を高めることができる。特に、実施例1のパチンコ機10では、楽曲をスピーカ19から出力する演出を特徴としているので、該楽曲の音量を遊技者の好みに合わせることでより興趣を向上して遊技意欲を高めることができる。一方、音量よりは遊技の興趣に対する関係が低い演出光の光量調整については、遊技状態や演出モードに応じて有効期間を変えているので、常に調整可能とする場合に比べて制御負荷を大きくすることなく、遊技状態や演出モードに応じた遊技状況に合わせて光量を調整することができ、遊技の興趣を向上し得る。
また、実施例1のパチンコ機10では、光調整機能は、通常遊技状態(通常演出モード)においてのみ有効となるよう構成し、確変状態や変短状態が付与されている確変・変短遊技状態(確変演出モード)および非確変・変短遊技状態(変短演出モード)では無効となるよう構成してある。すなわち、遊技者が変わることが希である確変状態や変短状態等の特典状態が付与されている状況での演出光の調整を規制することで、制御負荷を軽減できる。また、遊技者が変わらない状況では、演出光の調整を頻繁に行う状況でもないことから、特典状態が付与されている状況での演出光の調整を規制しても遊技中の遊技者に対する演出効果が低下することはない。
また、大当り遊技が付与されるか否かに関わる遊技者にとって関心の高い図柄変動演出が行われていない非図柄変動有効期間で、図柄変動演出の結果を気にすることなく音量や光量の調整を余裕をもって行うことができ、遊技者の好みに合った音量や光量に調整し得る。
次に、実施例2のパチンコ機について説明する。なお、実施例2のパチンコ機については、前述した実施例1のパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、既出の同一または同種の部材には同じ符号を付すものとする。
実施例1のパチンコ機10では、演出制御CPU65aは、特定の場合に、楽曲選択演出において楽曲の種類を、特定選択肢である楽曲B−1〜B−3,C,D−1〜D−3,Eから選択して、楽曲選択演出において遊技者が選択可能(図柄表示装置17に表示可能)な選択肢として通常選択肢とは別に追加し得るようにしたが、実施例2のパチンコ機では、特定の場合および非特定の場合の何れの場合にも、演出制御CPU65aは楽曲選択演出における楽曲の種類として共通選択肢(楽曲A−1〜A〜5)のみを表示するよう構成される。そして、実施例2のパチンコ機10では、特定の場合に、楽曲選択演出において図柄表示装置17の表示部17aに表示される前記フレーム75の表示態様を、複数種類の特定表示態様から選択するよう構成される。なお、非特定の場合におけるフレーム75の表示態様は、通常表示態様Zに設定されている。実施例2では、フレーム75の表示態様を、該フレーム75を表わす色として説明する。
前記演出制御CPU65aが選択可能なフレーム75の特定表示態様の種類として、図25(a),(b)に示す如く、特定表示態様V−1,特定表示態様V−2,特定表示態様V−3,特定表示態様W,特定表示態様X−1,特定表示態様X−2,特定表示態様X−3,特定表示態様Yが設定されている。図25(a)に示す特定表示態様としての特定表示態様V−1,特定表示態様V−2,特定表示態様V−3,特定表示態様Wは、図柄表示装置17で変動が開示された当該の図柄変動演出に対応する変動開始時特図始動保留情報に基づいて楽曲選択演出が実行される場合に選択可能となる当該用特定表示態様であり、図25(b)に示す特定表示態様としての特定表示態様X−1,特定表示態様X−2,特定表示態様X−3,特定表示態様Yは、図柄変動演出が保留中の特図始動保留情報を先読みした入賞時特図始動保留情報に基づいて楽曲選択演出が実行される場合に選択可能となる先読み用特定表示態様である。そして、図柄表示装置17で変動が開示された当該の図柄変動演出に対応する変動開始時特図始動保留情報に基づいて楽曲選択演出が実行される場合は、後述する特定表示態様の選択において演出制御CPU65aが複数種類の当該用特定表示態様から選択した当該用特定表示態様でフレーム75が表示される。また、図柄変動演出が保留中の始動保留情報を先読みした入賞時特図始動保留情報に基づいて楽曲選択演出が実行される場合は、特定表示態様の選択において演出制御CPU65aが複数種類の先読み用特定表示態様から選択した先読み用特定表示態様でフレーム75が表示される。すなわち、実施例2のパチンコ機においても、変動が開始された図柄変動演出に対応する入賞情報に基づく当り判定手段としてのメイン制御CPU60aでの当り判定が行われた場合と、事前判定手段としてのメイン制御CPU60aによる始動保留情報の事前判定が行われた場合とが特定の場合として設定されて、この特定の場合に演出制御CPU65aが当該用特定表示態様や先読み用特定表示態様を選択して、楽曲選択演出において選択した特定表示態様でフレーム75を表示するようになっている。なお、図25(a),(b)に示す特定表示態様の数や種類は一例であって、任意に設定することができる。
前記特定表示態様V−1〜V−3,W,特定表示態様X−1〜X−3,Yの具体例について説明すると、特定表示態様V−1ではフレーム75を青色で表示し、特定表示態様V−2ではフレーム75を黄色で表示し、特定表示態様V−3ではフレーム75を緑色で表示し、特定表示態様Wではフレーム75を赤色で表示し、特定表示態様X−1ではフレーム75をピンク色で表示し、特定表示態様X−2ではフレーム75をオレンジ色で表示し、特定表示態様X−3ではフレーム75を紫色で表示し、特定表示態様Yではフレーム75を金色で表示するよう設定されている。なお、通常表示態様Zは、フレーム75を白色で表示するよう設定されている。
(特定表示態様の選択の実行可否決定抽選について)
前記演出制御CPU65aは、前記特定の場合以外の非特定の場合には、前記楽曲選択演出においてフレーム75を通常表示態様Zの白色で表示する。これに対し、演出制御CPU65aは、特定の場合には、前述したように、楽曲選択演出において表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様を、特定表示態様である特定表示態様V1〜V−3,W,X−1〜X−3,Yから選択して、楽曲選択演出において図柄表示装置17の表示部17aに選択した特別表示態様でフレーム75を表示する。但し、実施例2のパチンコ機においても、特定の場合において、先ず特定表示態様の選択を実行するか否かを抽選により決定し、実行することが決定された場合に特定表示態様の選択を実行し得るようになっている。また、実施例2のパチンコ機では、楽曲選択演出は、図柄変動演出中および大当り演出中において実行し得るようになっているので、図柄変動演出中に楽曲選択演出が実行される場合における特定表示態様の選択の流れと、大当り演出中に楽曲選択演出が実行される場合における特定表示態様の選択の流れとを分けて説明する。なお、実施例2では、特定表示態様の選択を実行するか否かを抽選により決定し、実行することが決定された場合に特定表示態様を選択し得る一方で、実行しないことが決定された場合には特定表示態様を選択しないよう構成されているので、特定表示態様の選択を実行するか否かの抽選で否定となった場合も、非特定の場合となる。また、非特定の場合には、実施例1と場合と同様に、図柄変動演出が実行されていない場合(状態)、大当り遊技が実行されていない場合(状態)、デモンストレーション演出が実行されている場合(状態、デモ中)を含んでいる。
(図柄変動演出中に楽曲選択演出が実行される場合)
前記演出制御CPU65aでは、前記第1の特定の場合において、図柄変動演出の内容を特定する前記演出パターンとして楽曲選択用演出パターンを決定した場合は、図柄変動演出中に実行される楽曲選択演出において表示されるフレーム75の表示態様として当該用特定表示態様(特定表示態様V−1〜V−3、W)を選択するか否かの実行可否決定抽選を行う。なお、当該用特定表示態様を選択するか否かの実行可否決定抽選については、前記当該用特定選択肢を追加選択するか否かの実行可否決定抽選と同じであるので詳細説明は省略するが、実施例2では、大当り判定の判定結果が肯定(大当り)の場合に、80%の割合で当該用特定表示態様の選択の実行が決定されると共に、20%の割合で当該用特定表示態様の選択の非実行が決定され、大当り判定の判定結果が否定(はずれ)の場合に、30%の割合で当該用特定表示態様の選択の実行が決定されると共に、70%の割合で当該用特定表示態様の選択の非実行が決定される(図16参照)。すなわち、当該用特定表示態様でフレーム75が表示された楽曲選択演出は、大当り判定で否定の場合より肯定の場合の方が図柄表示装置17で実行され易く設定されている。
また、特別表示態様V−1〜V−3、楽曲W等の当該用特定表示態様は、実行可否決定抽選において実行することが決定された場合に、後述する特定表示態様の選択抽選においてフレーム75の表示態様として選ばれる可能性がある一方で、該実行可否決定抽選において非実行が決定された場合には特定表示態様の選択抽選が実行されないことでフレーム75の表示態様として選ばれる可能性がなくなる(0%)ものであり、かつ実行可否決定抽選は大当り判定の判定結果に応じて実行、非実行が決定されることから、特別表示態様V−1〜V−3、楽曲W等の当該用特定表示態様は、当り判定の結果に応じて演出制御CPU(表示態様決定手段)65aが決定可能な表示態様である。これに対し、前記通常表示態様Zは、楽曲選択演出の実行が決定された場合には常に楽曲選択演出におけるフレーム75の表示態様として前記図柄表示装置17の表示部17aに表示されるよう設定されており、該通常表示態様Zが、当り判定の結果に関係なく演出制御CPU(表示態様決定手段)65aが決定可能な表示態様である。
ここで、前記第2の特定の場合において、前記演出制御CPU65aで実行される先読み用特定表示態様(特定表示態様X−1〜X−3、楽曲Y)を追加するか否かの実行可否決定抽選は、前記第1の特定の場合と基本的に同じである。但し、第2の特定の場合では、前記メイン制御CPU60aから先読みコマンドが演出制御基板65に入力された場合に、当該先読みコマンドに基づいて先読み用特定表示態様(特定表示態様X−1〜X−3、楽曲Y)を選択するか否かの実行可否決定抽選を行う点で異なっている。なお、先読み用特定表示態様を選択するか否かの実行可否決定抽選については、前記先読み用特定選択肢を追加選択するか否かの実行可否決定抽選と同じであるので詳細説明は省略するが、実施例2では、大当り判定の判定結果が肯定(大当り)の場合に、80%の割合で先読み用特定表示態様の選択の実行が決定されると共に、20%の割合で先読み用特定表示態様の選択の非実行が決定され、大当り判定の判定結果が否定(はずれ)の場合に、30%の割合で先読み用特定表示態様の選択の実行が決定されると共に、70%の割合で先読み用特定表示態様の選択の非実行が決定される(図16参照)。すなわち、先読み用特定表示態様でフレーム75が表示された楽曲選択演出は、大当り判定で否定の場合より肯定の場合の方が図柄表示装置17で実行され易く設定されている。なお、当該用特定表示態様の選択の実行、非実行の割合と、先読み用特定表示態様の選択の実行、非実行の割合とを異なるように設定してもよい。
また、特定表示態様X−1〜X−3、楽曲Y等の先読み用特定表示態様は、実行可否決定抽選において実行することが決定された場合に、後述する特定表示態様の選択抽選においてフレーム75の表示態様として選ばれる可能性がある一方で、該実行可否決定抽選において非実行が決定された場合には特定表示態様の選択抽選が実行されないことでフレーム75の表示態様として選ばれる可能性がなくなる(0%)ものであり、かつ実行可否決定抽選は事前当否情報における事前判定の結果(判定結果)に応じて実行、非実行が決定されることから、特定表示態様X−1〜X−3、楽曲Y等の先読み用特定表示態様は、事前当否情報における事前判定の結果(メイン制御CPU60aによる前事判定の判定結果)に応じて演出制御CPU(表示態様決定手段)65aが決定可能な表示態様である。これに対し、前記通常表示態様Zは、楽曲選択演出の実行が決定された場合には常にフレーム75の表示態様として前記図柄表示装置17の表示部17aに表示されるよう設定されており、該通常表示態様Zが、事前当否情報における事前判定の結果(メイン制御CPU60aによる前事判定の判定結果)に関係なく演出制御CPU(表示態様決定手段)65aが決定可能な表示態様である。
(特定表示態様の選択について)
前記実行可否決定抽選において特定表示態様(当該用特定表示態様、先読み用特定表示態様)の選択の実行が決定された場合は、演出制御CPU65aは、演出制御ROM65bに記憶される選択用乱数および選択用判定値を用いて、フレーム75の表示態様としての特定表示態様の種類を決定する選択抽選を実行する。なお、当該用特定表示態様の選択抽選および先読み用特定表示態様の選択抽選は同じであるので、主に当該用特定表示態様の選択抽選について説明する。
実施例2では、選択用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、演出制御CPU65aは、選択用乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を演出制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。図26は、特定表示態様(当該用特定表示態様、先読み用特定表示態様)の選択に用いられる選択抽選テーブルT2を示すものであって、選択用判定値は、大当り判定の判定結果(事前当否情報の内容)および大当り遊技の種類(事前特図情報の内容)によって異なる整数値が特定選択値としての特定表示態様V−1〜V−3、特定表示態様W(特定表示態様X−1〜X−3、特定表示態様Y)に振分けられている。具体的に、大当り判定の判定結果が否定(事前当否情報がはずれ)の場合(はずれの場合)は、特定表示態様V−1(特定表示態様X−1)に60通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様V−2(特定表示態様X−2)に25通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様V−3(特定表示態様X−3)に15通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様W(特定表示態様Y)には選択用判定値が振分けられていない。また、大当り判定の判定結果が肯定(事前当否情報が大当り)の場合(大当りの場合)で、かつ第1の大当り遊技を付与することをメイン制御CPU60aが決定した場合は(事前特図情報が図柄A,aの場合)、特定表示態様V−1(特定表示態様X−1)に15通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様V−2(特定表示態様X−2)に25通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様V−3(特定表示態様X−3)に55通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様W(特定表示態様Y)に5通りの選択用判定値が振分けられている。また、大当り判定の判定結果が肯定(事前当否情報が大当り)の場合(大当りの場合)で、かつ第2の大当り遊技を付与することをメイン制御CPU60aが決定した場合は(事前特図情報が図柄B,bの場合)、特定表示態様V−1(特定表示態様X−1)に20通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様V−2(特定表示態様X−2)に27通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様V−3(特定表示態様X−3)に50通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様W(特定表示態様Y)に3通りの選択用判定値が振分けられている。また、大当り判定の判定結果が肯定(事前当否情報が大当り)の場合(大当りの場合)で、かつ第3の大当り遊技を付与することをメイン制御CPU60aが決定した場合は(事前特図情報が図柄C,cの場合)、特定表示態様V−1(特定表示態様X−1)に25通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様V−2(特定表示態様X−2)に32通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様V−3(特定表示態様X−3)に45通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様W(特定表示態様Y)に2通りの選択用判定値が振分けられている。更に、大当り判定の判定結果が肯定(事前当否情報が大当り)の場合(大当りの場合)で、かつ第4の大当り遊技を付与することをメイン制御CPU60aが決定した場合は(事前特図情報が図柄D,dの場合)、特定表示態様V−1(特定表示態様X−1)に50通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様V−2(特定表示態様X−2)に30通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様V−3(特定表示態様X−3)に20通りの選択用判定値が振分けられ、特定表示態様W(特定表示態様Y)には選択用判定値が振分けられていない。そして、演出制御CPU65aは、特定表示態様の選択の実行が決定されたときに選択用乱数を取得すると共に、この取得した選択用乱数の値を、選択抽選テーブルT2に設定されている選択用判定値と比較して、特定表示態様の種類を決定する。
前記選択抽選テーブルT2に示す如く、大当り判定の判定結果が否定の場合(はずれの場合)は、特定表示態様Wには選択用判定値が振分けられておらず、はずれの場合には特定表示態様Wは当該用特定表示態様として選択されない一方で、大当り判定の判定結果が肯定(大当り)で、第1〜第3の大当り遊技が付与される場合には、特定表示態様Wにも選択用判定値が振分けられており、楽曲選択演出におけるフレーム75が当該用特定表示態様で表示されている場合は、大当り遊技が付与されることが確定する。すなわち、当該用特定表示態様としての特定表示態様Wは、メイン制御CPU60aが当りと判定した場合に演出制御CPU65aが決定可能な報知用表示態様である。また、特定表示態様Wには、第1〜第3の大当り遊技が付与される場合には選択用判定値が振分けられる一方で、第4の大当り遊技が付与される場合には選択用判定値が振分けられていない。第4の大当り遊技は、前述した如く、当該第4の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与しない大当り遊技であるのに対し、第1〜第3の大当り遊技は、前述した如く、当該第1〜第3の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与する大当り遊技(特定当り遊技)であり、楽曲選択演出におけるフレーム75が当該用特定表示態様で表示されている場合は、特典状態が付与される大当り遊技が付与されることが確定する。すなわち、当該用特定表示態様としての特定表示態様Wは、メイン制御CPU60aが当り遊技として特定当り遊技を決定した場合に演出制御CPU65aが決定可能な特典報知用表示態様(報知用表示態様)である。
ここで、前記当該用特定表示態様としての特定表示態様V−1〜V−3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、大当り判定の判定結果が否定の場合(はずれの場合)は、特定表示態様V−3、V−2、V−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、大当り判定の判定結果が肯定の場合(第1〜第3の大当り遊技が付与される場合)は、特定表示態様V−1、V−2、V−3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。言い替えると、大当り判定結果が肯定の場合に、演出制御CPU65aが特定表示態様V−1〜V−3を決定する確率は、特定表示態様V−1<特定表示態様V−2<特定表示態様V−3の順で高くなるよう設定されている。一方、大当り判定結果が否定の場合に、演出制御CPU65aが特定表示態様V−1〜V−3を決定する確率は、特定表示態様V−3<特定表示態様V−2<特定表示態様V−1の順で高くなるよう設定されている。このように各特定表示態様V−1〜V−3を決定する確率を設定することで、遊技者の大当りへの信頼度(期待度)は、特定表示態様V−1<特定表示態様V−2<特定表示態様V−3の順で高まることになる。すなわち、演出制御CPU65aは、大当り期待度の異なる複数種類の特定表示態様V−1〜V−3、特定表示態様Wから1つの特定表示態様を決定している。なお、大当り判定の判定結果が肯定で第4の大当り遊技が付与される場合における選択用判定値の振分け割合は、特定表示態様V−3、V−2、V−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなっているが、大当り判定の判定結果が否定の場合と比較すると、第4の大当り遊技が付与される場合における特定表示態様V−1に対する選択用判定値の振分け割合は、大当り判定の判定結果が否定の場合より小さく、かつ第4の大当り遊技が付与される場合における特定表示態様V−3に対する選択用判定値の振分け割合は、大当り判定の判定結果が否定の場合より大きくなるように設定されている。すなわち、大当り判定の判定結果が肯定で第4の大当り遊技が付与される場合においても、大当り判定の判定結果が否定の場合に比べれば、特定表示態様V−1は選択され難く、特定表示態様V−3は選択され易くなっている。このように、特定表示態様V−1〜V〜3,Wは、大当り判定結果が肯定である信頼度(期待度)が異なっており、特定表示態様V−1〜V〜3,Wの中の何れか一つが特定表示態様として決定されて、決定された特定表示態様V−1〜V〜3,Wでフレーム75が表示された場合は、当該楽曲選択演出によって変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示される期待度が示唆される。
また、大当り判定の判定結果が肯定の場合における前記当該用特定表示態様としての特定表示態様V−1〜V−3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、第1〜第3の大当り遊技が付与される場合は、特定表示態様V−1、V−2、V−3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、第4の大当り遊技が付与される場合は、特定表示態様V−3、V−2、V−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。言い替えると、大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与する種類の大当り遊技が付与される場合に、演出制御CPU65aが特定表示態様V−1〜V−3を決定する確率は、特定表示態様V−1<特定表示態様V−2<特定表示態様V−3の順で高くなるよう設定される。一方、大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与しない種類の大当り遊技が付与される場合に、演出制御CPU65aが特定表示態様V−1〜V−3を決定する確率は、特定表示態様V−3<特定表示態様V−2<特定表示態様V−1の順で高くなるよう設定されている。なお、前述したように、特定表示態様Wにおける特典状態が付与される大当り遊技が付与される信頼度(期待度)は100%である。このように、特定表示態様V−1〜V−3,Wは、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される信頼度(期待度)が異なっており、特定表示態様V−1〜V−3,Wの中の何れか一つが選択肢として決定されて、決定された特定表示態様V−1〜V−3,Wでフレーム75が表示された場合は、当該楽曲選択演出によって大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆される。
ここで、前記選択抽選テーブルT2に示す如く、事前当否情報がはずれの場合は、特定表示態様Yには選択用判定値が振分けられておらず、事前当否情報がはずれの場合には特定表示態様Yは先読み用特定表示態様としては選択されない一方で、事前当否情報が大当りで、事前特図情報が図柄A,B,C,a,b,c(第1〜第3の大当り遊技に対応する図柄)の場合には、特定表示態様Yにも選択用判定値が振分けられており、楽曲選択演出におけるフレーム75が特定表示態様Yで表示されている場合は、保留中の入賞時特図始動保留情報に該入賞時特図始動保留情報に基づく図柄変動演出において大当り表示となる情報があることが報知される。すなわち、先読み用特定表示態様としての特定表示態様Yは、メイン制御CPU60aが事前判定で大当りと判定した場合に演出制御CPU65aが決定可能な報知用表示態様である。また、特定表示態様Yには、事前特図情報が図柄A,B,C,a,b,c(第1〜第3の大当り遊技に対応する図柄)の場合には選択用判定値が振分けられる一方で、事前特図情報が図柄D,d(第4の大当り遊技に対応する図柄)の場合には選択用判定値が振分けられていない。第4の大当り遊技は、前述した如く、当該第4の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与しない大当り遊技であるのに対し、第1〜第3の大当り遊技は、前述した如く、当該第1〜第3の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与する大当り遊技(特定当り遊技)であり、楽曲選択演出におけるフレーム75が特定表示態様Yで表示されている場合は、保留中の入賞時特図始動保留情報に特典状態が付与される大当り遊技に当選している情報があることが報知される。すなわち、先読み用特定表示態様としての特定表示態様Yは、メイン制御CPU60aが当り遊技として特定当り遊技を決定した場合に演出制御CPU65aが決定可能な特典報知用表示態様(報知用表示態様)である。
また、前記先読み用特定表示態様としての特定表示態様X−1〜X−3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、事前当否情報がはずれの場合は、特定表示態様X−3、X−2、X−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、事前当否情報が大当りの場合(第1〜第3の大当り遊技が付与される場合)は、特定表示態様X−1、X−2、X−3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。言い替えると、事前当否情報が大当りの場合に、演出制御CPU65aが特定表示態様X−1〜X−3を決定する確率は、特定表示態様X−1<特定表示態様X−2<特定表示態様X−3の順で高くなるよう設定されている。一方、事前当否情報がはずれの場合に、演出制御CPU65aが特定表示態様X−1〜X−3を決定する確率は、特定表示態様X−3<特定表示態様X−2<特定表示態様X−1の順で高くなるよう設定されている。このように各特定表示態様X−1〜X−3を決定する確率を設定することで、保留に対する遊技者の大当りへの信頼度(期待度)は、特定表示態様X−1<特定表示態様X−2<特定表示態様X−3の順で高まることになる。すなわち、演出制御CPU65aは、大当り期待度の異なる複数種類の特定表示態様X−1〜X−3、特定表示態様Yから1つの特定表示態様を決定している。また、事前当否情報が大当りで第4の大当り遊技が付与される場合における選択用判定値の振分け割合は、特定表示態様X−3、特定表示態様X−2、特定表示態様X−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなっているが、事前当否情報がはずれの場合と比較すると、第4の大当り遊技が付与される場合における特定表示態様X−1に対する選択用判定値の振分け割合は、事前当否情報がはずれの場合より小さく、かつ第4の大当り遊技が付与される場合における特定表示態様X−3に対する選択用判定値の振分け割合は、事前当否情報がはずれの場合より大きくなるように設定されている。すなわち、事前当否情報が大当りで第4の大当り遊技が付与される場合においても、事前当否情報がはずれの場合に比べれば、特定表示態様X−1は選択され難く、特定表示態様X−3は選択され易くなっている。このように、特定表示態様X−1〜X−3,Yは、事前当否情報が大当りである信頼度(期待度)が異なっており、特定表示態様X−1〜X−3,Yの中の何れか一つが特定表示態様として決定されて、決定された特定表示態様X−1〜X−3,Yでフレーム75が表示された場合は、当該楽曲選択演出によって保留中の入賞時特図始動保留情報に大当りがある期待度が示唆される。
また、事前当否情報が大当りである場合における前記先読み用特定表示態様としての特定表示態様X−1〜X−3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、事前特図情報が第1〜第3の大当り遊技に対応する図柄である場合は、特定表示態様X−1、X−2、X−3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、事前特図情報が第4の大当り遊技に対応する図柄である場合は、特定表示態様X−3、X−2、X−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。言い替えると、事前特図情報が大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与する種類の大当り遊技に対応する図柄の場合に、演出制御CPU65aが特定表示態様X−1〜X−3を決定する確率は、特定表示態様X−1<特定表示態様X−2<特定表示態様X−3の順で高くなるよう設定される。一方、事前特図情報が大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与しない種類の大当り遊技に対応する図柄の場合に、演出制御CPU65aが特定表示態様X−1〜X−3を決定する確率は、特定表示態様X−3<特定表示態様X−2<特定表示態様X−1の順で高くなるよう設定されている。なお、前述したように、特定表示態様Yにおける事前特図情報が大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与する種類の大当り遊技に対応する図柄である信頼度(期待度)は100%である。このように、特定表示態様X−1〜X−3,Yは、事前特図情報が大当り遊技の終了後に確変状態や変短状態等の特典状態を付与する種類の大当り遊技に対応する図柄である信頼度(期待度)が異なっており、特定表示態様X−1〜X−3,Yの中の何れか一つが特定表示態様として決定されて、決定された特定表示態様X−1〜X−3,Yでフレーム75が表示された場合は、当該楽曲選択演出によって保留中の入賞時特図始動保留情報に特典状態が付与される大当りが存在する期待度が示唆される。
このように、実施例2では、図柄変動演出中に楽曲選択演出が実行される場合に、演出制御CPU(表示態様決定手段)65aは、特定の場合には当該用特定表示態様や先読み用特定表示態様等の特定表示態様を含んだ表示態様を決定すると共に、非特定の場合には通常表示態様を表示態様として決定し、演出制御CPU(選択演出制御手段)65aは、決定した表示態様でフレーム75を表示する選択演出を図柄表示装置17に表示させるよう構成される。
ここで、通常は楽曲の選択を目的として実行される楽曲選択演出を、図柄変動演出中に変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示される期待度を示唆する演出または入賞時特図始動保留情報に大当りが存在する期待度を示唆する演出として用いる場合に、同一の図柄変動演出中に大当り表示が表示される期待度を示唆する楽曲選択演出と、入賞時特図始動保留情報に大当りが存在する期待度を示唆する楽曲選択演出とを実行することができる。このように、示唆する期待度が異なる2つの楽曲選択演出を行っても、期待度を示す特定表示態様の種類が、大当り表示が表示される期待度を示唆する楽曲選択演出と、入賞時特図始動保留情報に大当りが存在する期待度を示唆する楽曲選択演出とで異なる(特定表示態様V−1〜V−3,Wと特定表示態様X−1〜X−3,Y)よう設定しているので、何れの期待度を示唆しているのかを遊技者が迷うことはない。なお、前記特定表示態様の選択の実行可否決定抽選において、当該用特定表示態様および先読み用特定表示態様の何れの選択も実行することが決定された場合に、何れの特定表示態様の選択を実行するかを抽選により決定することができる。
(大当り演出中に楽曲選択演出が実行される場合)
前記大当り遊技中に実行される楽曲選択演出は、前述した図柄変動演出中に実行される楽曲選択演出と同じである。なお、大当り遊技中の楽曲選択演出では、前記当該用特定表示態様である特定表示態様V−1〜V−3、Wが、実行中の大当り遊技の終了後に特典状態が付与されるか否かを示唆ないし報知する当該大当り用特定表示態様(特定表示態様)として用いられる。そして、前記演出制御CPU65aでは、大当り演出の内容を特定する前記大当り演出パターンとして楽曲選択用大当り演出パターンを決定した場合は、大当り遊技(大当り演出)中に実行される楽曲選択演出において表示されるフレーム75の表示態様として当該大当り用特定表示態様(特定表示態様V−1〜V−3、特定表示態様W)を選択するか否かの実行可否決定抽選を行う。なお、当該大当り用特定表示態様を選択するか否かの実行可否決定抽選については、前記当該大当り用特定選択肢を追加選択するか否かの実行可否決定抽選と同じであるので詳細説明は省略するが、実施例2では、実行中の大当り遊技が第1〜第3の大当り遊技である場合に、80%の割合で当該大当り用特定表示態様の選択の実行が決定されると共に、20%の割合で当該大当り用特定表示態様の選択の非実行が決定され、実行中の大当り遊技が第4の大当り遊技である場合に、30%の割合で当該大当り用特定表示態様の選択の実行が決定されると共に、70%の割合で当該大当り用特定表示態様の選択の非実行が決定される(図18参照)。すなわち、当該大当り用特定表示態様でフレーム75が表示された楽曲選択演出は、大当り遊技の種類が第1〜第3の大当り遊技である場合の方が、第4の大当り遊技である場合より図柄表示装置17で実行され易く設定されている。
また、特定表示態様V−1〜V−3、特定表示態様W等の当該大当り用特定表示態様は、実行可否決定抽選において実行することが決定された場合に、特定表示態様の選択抽選において楽曲選択演出におけるフレーム75の表示態様として選ばれる可能性がある一方で、該実行可否決定抽選において非実行が決定された場合には特定表示態様の選択抽選が実行されないことで楽曲選択演出におけるフレーム75の表示態様として選ばれる可能性がなくなる(0%)ものであり、かつ実行可否決定抽選は大当り遊技の種類(第1〜第3の大当り遊技か第4の大当り遊技か)に応じて実行、非実行が決定されることから、特定表示態様V−1〜V−3、特定表示態様W等の当該大当り用特定表示態様は、大当り遊技の種類に応じて演出制御CPU(表示態様決定手段)65aが決定可能な表示態様である。更にいえば、前述したように、第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与しない大当り遊技であるのに対し、第1〜第3の大当り遊技は、当該第1〜第3の大当り遊技の終了後に特典状態である確変状態や変短状態を付与する大当り遊技(特定当り遊技)であり、実行可否決定抽選において大当り遊技の種類(特典状態が付与される大当り遊技と付与されない大当り遊技)によって特定表示態様の選択抽選の実行可否が選択されるので、特定表示態様V−1〜V−3、特定表示態様W等の当該大当り用特定表示態様が、大当り遊技の終了後に特典状態が付与されるか否かに応じて演出制御CPU(表示態様決定手段)65aが決定可能な表示態様である。これに対し、前記通常表示態様Zは、大当り演出中での楽曲選択演出の実行が決定された場合には常に楽曲選択演出におけるフレーム75の表示態様として前記図柄表示装置17の表示部17aに表示されるよう設定されており、該通常表示態様Zが、大当り遊技の終了後に特典状態が付与されるか否かに関係なく演出制御CPU(表示態様決定手段)65aが決定可能な表示態様である。
(大当り演出での特定表示態様の選択について)
前記実行可否決定抽選において、大当り遊技中に実行される楽曲選択演出でのフレーム75の表示態様として特定表示態様(当該大当り用特定表示態様、先読み用特定表示態様)の選択の実行が決定された場合は、演出制御CPU65aは、演出制御ROM65bに記憶される選択用乱数および選択用判定値を用いて、特定表示態様の種類を決定する選択抽選を実行する。なお、大当り遊技中に実行される楽曲選択演出でのフレーム75の表示態様として特定表示態様を選択する抽選は、前記選択抽選テーブルT2を参照して実行される。すなわち、演出制御CPU65aは、特定表示態様の選択の実行が決定されたときに選択用乱数を取得すると共に、この取得した選択用乱数の値を、選択抽選テーブルT2に設定されている選択用判定値と比較して、特定表示態様の種類を決定する。
ここで、前記当該大当り用特定表示態様としての特定表示態様V−1〜V−3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、大当り遊技の種類が第1〜第3の大当り遊技の場合(特典状態が付与される大当り遊技の場合)は、特定表示態様V−1、V−2、V−3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、大当り遊技の種類が第4の大当り遊技の場合(特典状態が付与されない大当り遊技の場合)は、特定表示態様V−3、V−2、V−1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。言い替えると、特典状態が付与される大当り遊技である場合に、演出制御CPU65aが特定表示態様V−1〜V−3を決定する確率は、特定表示態様V−1<特定表示態様V−2<特定表示態様V−3の順で高くなるよう設定されている。一方、特典状態が付与さない大当り遊技の場合に、演出制御CPU65aが特定表示態様V−1〜V−3を決定する確率は、特定表示態様V−3<特定表示態様V−2<特定表示態様V−1の順で高くなるよう設定されている。このように各特定表示態様V−1〜V−3を決定する確率を設定することで、大当り遊技の終了後に特典状態が付与されることに対する遊技者の信頼度(期待度)は、特定表示態様V−1<特定表示態様V−2<特定表示態様V−3の順で高まることになる。すなわち、演出制御CPU65aは、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度の異なる複数種類の特定表示態様V−1〜V−3、特定表示態様Wから1つの特定表示態様を決定している。そして、大当り遊技中における楽曲選択演出において、特定表示態様V−1〜V−3,Wの中の何れか一つが特定表示態様として決定されて、決定された特定表示態様V1〜V3,Wでフレーム75が表示された場合は、当該楽曲選択演出によって大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆される。なお、大当り演出中の先読み予告演出として楽曲選択演出が実行される場合における先読み用特定表示態様の選択抽選は、前述した図柄変動演出中の先読み予告演出として楽曲選択演出が実行される場合における先読み用特定表示態様の選択抽選と同様に行われる。
ここで、大当り遊技中に実行される楽曲選択演出でのフレーム75の表示態様として特定表示態様を含んだ表示態様を決定する特定の場合とは、実行可否決定抽選において選択の実行が決定された場合であり、実行可否決定抽選において選択の非実行が決定された場合が非特定の場合である。そして、実施例2では、大当り遊技中に楽曲選択演出が実行される場合に、演出制御CPU(表示態様決定手段)65aは、特定の場合には当該大当り用特定表示態様や先読み用特定表示態様等の特定表示態様を含んだ表示態様を決定すると共に、非特定の場合には通常表示態様を決定し、演出制御CPU(選択演出制御手段)65aは、決定した表示態様でフレーム75を表示する選択演出を図柄表示装置17に表示させるよう構成される。
すなわち、実施例2において、前記演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、選択演出(楽曲選択演出)において表示部17aでの表示態様(フレーム75の表示態様)を複数種類の中から決定する表示態様決定手段としての機能を有する。また、表示態様決定手段としての演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、前記第1の特定の場合、第2の特定の場合、あるいは前記実行可否決定抽選において選択の実行が決定された場合には、当該用特定表示態様、先読み用特定表示態様、当該大当り用特定表示態様等の特定表示態様(特定表示態様V−1〜V−3,W,X−1〜X−3,Y)を含んだ表示態様を決定すると共に、非特定の場合には通常表示態様Zを決定するよう設定される。そして、選択演出制御手段としての演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、表示態様決定手段としての演出制御CPU65a(演出制御基板65)が決定した表示態様で(フレーム75が)表示される選択演出(楽曲選択演出)を選択演出実行手段としての図柄表示装置17で実行させるよう構成される。また、表示態様決定手段として演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、特定の場合として事前判定手段としてのメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)による始動保留情報(入賞時特図始動保留情報)の事前判定が行われた場合に、該事前判定手段としてのメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)による判定対象となった始動保留情報(入賞時特図始動保留情報)に基づく図柄変動(図柄変動演出)の開始に到るまでの図柄変動(図柄変動演出)中に実行される選択演出(楽曲選択演出)で表示される表示態様として、事前判定手段としてのメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)の判定結果に応じて特定表示態様から表示態様を決定し得るよう構成されている。
(実施例2の作用)
次に、実施例2に係るパチンコ機の作用について、実施例1に係るパチンコ機10が奏する作用と異なる該実施例2に係るパチンコ機に特有の作用について主に説明する。
(楽曲選択演出が図柄変動演出中に実行される場合について)
実施例2のパチンコ機では、図柄変動演出中において、操作ボタン36,37の画像が表示されて該操作ボタン36,37の押下によって楽曲の種類を選択できることが示唆された場合に、楽曲選択開始有効期間内に遊技者が操作ボタン36,37を押下したことを契機として楽曲選択演出が実行される。この楽曲選択演出では、図15(a)に示す如く、前記図柄表示装置17の表示部17aに表示されたフレーム75の画像の内側に、通常選択肢としての楽曲A−1〜A−5が示されたパネル76が表示されると共に、第2操作ボタン37の画像が表示されて、該第2操作ボタン37の押下によって楽曲を選択可能であることが示唆される。そして、前述したように、遊技者が第2操作ボタン37を押下することで楽曲を選択することができる。
前記楽曲選択演出において、前記図柄表示装置17の表示部17aに表示されるフレーム75が通常表示態様Zである白色であれば、当該楽曲選択演出によって変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示される期待度には関係なく、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出となる。これに対し、楽曲選択演出において、図柄表示装置17の表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様として設定されている当該用特定表示態様としての特定表示態様V−1〜V−3,Wは、前記大当り判定の判定結果に応じてフレーム75の表示態様として決定可能に設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様が、特定表示態様V−1〜V−3,Wである青色、黄色、緑色、赤色の何れかであれば、当該楽曲選択演出によって変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示される期待度が示唆される。すなわち、楽曲選択演出においてフレーム75の表示態様が特定表示態様V−1〜V−3,W(青色、黄色、緑色、赤色)の何れかであれば、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出だけでなく、大当り表示が表示される期待度、すなわち大当り遊技が付与される期待度が示唆される演出となる。このように、楽曲選択演出において図柄表示装置17の表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様の種類によって変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示される期待度、すなわち大当り遊技が付与される期待度が示唆されるので、遊技の興趣を向上することができる。言い替えると、通常は大当り遊技が付与される期待度を示唆するものではない楽曲選択演出において大当り遊技が付与される期待度が示唆されることで、遊技者に驚きを与えて興趣を高めることができる。
また、前記当該用特定表示態様としての特定表示態様W(赤色)は、図26に示す如く、大当り判定で当りと判定された場合にのみフレーム75の表示態様として表示されることが決定可能な特定表示態様(報知用表示態様)である。従って、楽曲選択演出において表示部17aに表示されたフレーム75の表示態様が特定表示態様Wである赤色であれば、変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示されること(大当り遊技が付与されること)が報知されるので、遊技者の興趣をより高めることができる。更に、特定表示態様Wは、大当り遊技が確変状態または変短状態の何れかまたは両方を付与する種類(第1〜第3の大当り遊技(特定当り遊技))の場合にのみフレーム75の表示態様として表示されることが決定可能な特定表示態様(特典報知用表示態様)である。従って、楽曲選択演出において表示部17aに表示されたフレーム75の表示態様が特定表示態様Wである赤色であれば、大当り遊技の終了後に特典状態が付与されることが報知されるので、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、楽曲選択演出は、前述したように、図柄変動演出中に操作ボタン36,37の画像が表示されて該操作ボタン36,37の押下によって楽曲の種類を選択できることが示唆され、楽曲選択開始有効期間内に操作ボタン36,37を押下したことを条件として開始される。すなわち、遊技者が操作ボタン36,37を押下(操作)することで開始される楽曲選択演出において大当り遊技が付与される期待度が示唆される場合があるので、表示部17aに表示された楽曲選択演出のフレーム75の表示態様が特定表示態様V−1〜V−3,W等の当該用特定表示態様である場合は、遊技者が大当り判定に寄与しているのでは、というような驚きを与えて興趣を高めることができる。また、遊技者の操作ボタン36,37の押下(操作)によって開始される楽曲選択演出では、フレーム75の表示態様として通常表示態様の場合と、大当り判定に関係する特定表示態様V−1〜V−3,W等の当該用特定表示態様である場合とがあるので、楽曲選択演出に対する関心を高めて遊技の興趣を向上することができる。
ここで、前記楽曲選択演出は、先読み予告としても実行される場合があるので、楽曲選択演出が先読み予告として実行される場合に関連する作用について説明する。
前記楽曲選択演出において、前記図柄表示装置17の表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様として設定されている通常表示態様Z(白色)は、前記事前判定の判定の結果に関係なくフレーム75の表示態様として決定可能に設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに表示されたフレーム75の表示態様が通常表示態様Zである白色であれば、当該楽曲選択演出によって保留中の入賞時特図始動保留情報に当りがあるか否かの期待度には関係なく、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出となる。これに対し、楽曲選択演出において、図柄表示装置17の表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様として設定されている先読み用特定表示態様としての特定表示態様X−1〜X−3,Yは、前記事前判定の判定結果に応じてフレーム75の表示態様として決定可能に設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様が、特定表示態様X−1〜X−3,Yであるピンク色、オレンジ色、紫色、金色の何れかであれば、当該楽曲選択演出によって保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度が示唆される。すなわち、楽曲選択演出においてフレーム75の表示態様が特定表示態様X−1〜X−3,Y(青色、黄色、緑色、赤色)の何れかであれば、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出だけでなく、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度が示唆される演出となる。このように、楽曲選択演出において図柄表示装置17の表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様の種類によって保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度が示唆されるので、遊技の興趣を向上することができる。言い替えると、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度を示唆するものではない楽曲選択演出において保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度が示唆されることで、遊技者に驚きを与えて興趣を高めることができる。
また、前記先読み用特定表示態様としての特定表示態様Yは、図26に示す如く、事前判定で大当りと判定された場合にのみフレーム75の表示態様として決定可能な特定表示態様(報知用表示態様)である。従って、楽曲選択演出において表示部17aに表示されたフレーム75の表示態様が特定表示態様Yである金色であれば、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在することが報知されるので、遊技者の興趣をより高めることができる。更に、特定表示態様Yは、事前特図情報が、確変状態または変短状態の何れかまたは両方を付与する種類(第1〜第3の大当り遊技(特定当り遊技))である情報を含んでいる場合にのみフレーム75の表示態様として決定可能な特定表示態様(特典報知用表示態様)である。従って、楽曲選択演出において表示部17aに表示されたフレーム75の表示態様が特定表示態様Yである金色であれば、保留中の入賞時特図始動保留情報に、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される情報があることが報知されるので、遊技者の興趣をより高めることができる。
このように、実施例2のパチンコ機においても、通常は大当り判定や事前判定に関連しない選択演出として実行される楽曲選択演出について、図柄変動演出中に実行される楽器選択演出では、変動中の図柄変動演出において大当り表示が表示されること(大当り遊技が付与されること)の期待度を示唆したり、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度を示唆し得るので、選択演出に対する興趣を一層高めることができる。
(楽曲選択演出が大当り遊技(大当り演出)中に実行される場合について)
実施例2のパチンコ機では、実施例1の場合と同様に、大当り遊技中において、操作ボタン36,37の画像が表示されて該操作ボタン36,37の押下によって楽曲の種類を選択できることが示唆された場合に、楽曲選択開始有効期間内に遊技者が操作ボタン36,37を押下したことを契機として楽曲選択演出が実行される。この楽曲選択演出での表示態様および楽曲の選択態様は、前述した図柄変動演出中に実行される場合と同じである。この楽曲選択演出において、前記図柄表示装置17の表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様として設定されている通常表示態様Zは、大当り遊技の終了後に特典状態(確変状態や変短状態)が付与されるか否かに関係なくフレーム75の表示態様として決定可能に設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに表示されたフレーム75の表示態様が通常表示態様Zである白色であれば、当該楽曲選択演出によって大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度には関係なく、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出となる。これに対し、楽曲選択演出において、フレーム75の表示態様として設定されている当該大当り用特定表示態様としての特定表示態様V−1〜V−3,Wは、前記大当り遊技の種類(特典状態が付与されるか否か)に応じてフレーム75の表示態様として決定可能に設定されている。従って、楽曲選択演出において表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様が、特定表示態様V−1〜V−3,Wである青色、黄色、緑色、赤色の何れかであれば、当該楽曲選択演出によって大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆される。すなわち、楽曲選択演出においてフレーム75の表示態様が特定表示態様V−1〜V−3,W(青色、黄色、緑色、赤色)の何れかであれば、当該楽曲選択演出は単に遊技者が好みの楽曲を選択するための演出だけでなく、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆される演出となる。このように、楽曲選択演出において図柄表示装置17の表示部17aに表示されるフレーム75の表示態様の種類によって大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度が示唆されるので、遊技の興趣を向上することができる。言い替えると、通常は大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度を示唆するものではない楽曲選択演出において特典状態が付与される期待度が示唆されることで、遊技者に驚きを与えて興趣を高めることができる。
また、前記当該大当り用特定表示態様としての特定表示態様W(赤色)は、図26に示す如く、大当り遊技が確変状態または変短状態の何れかまたは両方を付与する種類(第1〜第3の大当り遊技(特定当り遊技))の場合にのみフレーム75の表示態様として表示されることが決定可能な特定表示態様(報知用表示態様)である。従って、楽曲選択演出において表示部17aに表示されたフレーム75の表示態様が特定表示態様Wである赤色であれば、大当り遊技の終了後に特典状態が付与されることが報知されるので、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、楽曲選択演出は、前述したように、図柄変動演出中に操作ボタン36,37の画像が表示されて該操作ボタン36,37の押下によって楽曲の種類を選択できることが示唆され、楽曲選択開始有効期間内に操作ボタン36,37を押下したことを条件として開始される。すなわち、遊技者が操作ボタン36,37を押下(操作)することで開始される楽曲選択演出において大当り遊技が付与される期待度が示唆される場合があるので、表示部17aに表示された楽曲選択演出のフレーム75の表示態様が特定表示態様V−1〜V−3,W等の当該用特定表示態様である場合は、遊技者が大当り判定に寄与しているのでは、というような驚きを与えて興趣を高めることができる。また、遊技者の操作ボタン36,37の押下(操作)によって開始される楽曲選択演出では、フレーム75の表示態様として通常表示態様Zの場合と、特典状態が付与されるか否かに関係する特定表示態様V−1〜V−3,W等の当該用特定表示態様である場合とがあるので、楽曲選択演出に対する関心を高めて遊技の興趣を向上することができる。
ここで、前記楽曲選択演出は、大当り遊技中における先読み予告としても実行される場合があるが、楽曲選択演出が大当り遊技中の先読み予告として実行される場合の作用については、前記図柄変動演出中に実行される場合と同じである。
このように、実施例2のパチンコ機においても、実施例1と同様に、通常は大当り遊技の種類(大当り遊技の終了後に特典状態が付与されるか否か)や事前判定に関連しない選択演出として実行される楽曲選択演出について、大当り遊技中に実行される楽器選択演出では、大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度を示唆したり、保留中の入賞時特図始動保留情報に大当り遊技の終了後に特典状態が付与される当りが存在する期待度を示唆し得るので、選択演出に対する興趣を一層高めることができる。
(別実施例について)
次に、別実施例のパチンコ機について説明する。なお、別実施例のパチンコ機については、前述した実施例1や実施例2のパチンコ機と異なる部分についてのみ説明し、既出の同一または同種の部材には同じ符号を付すものとする。
(第1の別実施例)
前記実施例1では、選択演出として楽曲を選択する楽曲選択演出を図柄変動演出や大当り演出(大当り遊技)において実行するよう構成したが、第1の別実施例では、楽曲に代えて、図柄変動演出や大当り演出(大当り遊技)において演出手段としてのスピーカ19から出力される演出音の種類を選択する選択演出を実行するよう構成されている点で実施例1と異なっている。第1の別実施例では、演出音(演出態様)の選択可能な種類として、音質を挙げて説明し、該音質を選択する選択演出を音質選択演出と指称する。なお、第1の別実施例において、音質選択演出を実行する契機となる形態や音質を選択する形態は実施例1と同様である。
前記音質選択演出において、遊技者が選択可能な音質として、常に選択可能な通常選択肢としての音質1,音質2,音質3が設けられると共に、特定の場合にのみ選択可能となる特定選択肢としての音質4,音質5が設定されている。そして、音質1,音質2,音質3が、実施例1における楽曲A−1〜楽曲A−5に対応し、音質4〜音質5が、実施例1における楽曲B−1〜B−3,Cに対応し、音質5が、実施例1における楽曲Cに対応する。すなわち、第1の別実施例においても、実施例1と同様に、音質選択演出において音質1,音質2,音質3のみが選択可能である場合は、当該音質選択演出は単なる音質の選択演出であるが、音質選択演出において音質4〜音質5の何れかが選択肢として追加されることで、図柄変動演出で大当り表示が表示される期待度や大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度を示唆する演出となり、遊技者の興趣を向上することができる。なお、第1の別実施例においても、先読み特定選択肢を設定することで、実施例1と同様に、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する等の期待度を示唆する演出として構成し得る。また、音質選択演出におけるフレーム75の表示態様を、実施例2のように変化させ得るよう構成して、該フレーム75の表示態様によって各種の期待度を示唆するようにできる。すなわち、通常では大当り遊技や特典状態が付与される期待度を示唆することには関係のない音の演出態様の選択演出において期待度が示唆されることで、遊技者に驚きを与えて興趣を高めることができる。なお、第1の別実施例において演出態様として演出音の種類は音質に限られるものではなく、その他音に関するものであればよい。
(第2の別実施例)
前記実施例1では、選択演出として楽曲を選択する楽曲選択演出を図柄変動演出や大当り演出(大当り遊技)において実行するよう構成したが、第2の別実施例では、楽曲に代えて、図柄変動演出や大当り演出(大当り遊技)において演出手段としてのランプ装置18から出力される演出光の種類を選択する選択演出を実行するよう構成されている点で実施例1と異なっている。第2の別実施例では、演出光(演出態様)の選択可能な種類として、照明色を挙げて説明し、該照明色を選択する選択演出を照明色選択演出と指称する。なお、第2の別実施例において、照明色選択演出を実行する契機となる形態や照明色を選択する形態は実施例1と同様である。
前記照明色選択演出において、遊技者が選択可能な照明色として、常に選択可能な通常選択肢としての照明色1,照明色2,照明色3が設けられると共に、特定の場合にのみ選択可能となる特定選択肢としての照明色4,照明色5が設定されている。そして、照明色1,照明色2,照明色3が、実施例1における楽曲A−1〜楽曲A−5に対応し、照明色4〜照明色5が、実施例1における楽曲B−1〜B−3,Cに対応し、照明色5が、実施例1における楽曲Cに対応する。すなわち、第1の別実施例においても、実施例1と同様に、照明色選択演出において照明色1,照明色2,照明色3のみが選択可能である場合は、当該照明色選択演出は単なる照明色の選択演出であるが、照明色選択演出において照明色4〜照明色5の何れかが選択肢として追加されることで、図柄変動演出で大当り表示が表示される期待度や大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度を示唆する演出となり、遊技者の興趣を向上することができる。なお、第1の別実施例においても、先読み特定選択肢を設定することで、実施例1と同様に、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する等の期待度を示唆する演出として構成し得る。また、照明色選択演出におけるフレーム75の表示態様を、実施例2のように変化させ得るよう構成して、該フレーム75の表示態様によって各種の期待度を示唆するようにできる。すなわち、通常では大当り遊技や特典状態が付与される期待度を示唆することには関係のない光の演出態様の選択演出において期待度が示唆されることで、遊技者に驚きを与えて興趣を高めることができる。なお、第2の別実施例において演出態様として演出光の種類は照明色に限られるものではなく、その他光に関するものであればよい。
(変更例)
なお、遊技機としては、前述したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 各実施例では、楽曲選択演出で選択された楽曲を、図柄変動演出および大当り演出において楽曲演出を行う場合の楽曲として決定するよう構成したが、図柄変動演出および大当り演出の何れか一方の楽曲演出における楽曲として決定するようにしてもよい。
(2) 各実施例では、選択演出として、楽曲演出においてスピーカから出力する楽曲の種類を選択する楽曲選択演出を挙げたが、該選択演出としては、パチンコ機に設定される演出モードを複数種類から選択するものであってもよい。すなわち、演出モードを演出態様とすることができる。例えば、図柄変動演出や大当り遊技において図柄表示装置の表示部に表示される背景画像や出現するキャラクタが異なる複数種類の演出モードを設け、この演出モードとして、非特定の場合に選択可能な通常演出モードと、特定の場合に選択可能な特定演出モードとを設定し、モード選択演出を単なる演出モードを選択する演出としたり、大当り遊技や特典状態が付与される期待度を示唆する演出とすることができる。
(3) 各実施例では、図柄変動演出や大当り演出において、所定のタイミングで図柄表示装置の表示部に操作ボタン等の画像を表示して、該操作ボタンの押下によって楽曲選択演出が実行されることを示唆するようにしたが、演出制御CPUが設定した楽曲選択開始有効期間の間に楽曲選択演出を実行させるための示唆画像を表示させないようにしてもよい。このように構成することで、操作ボタンを押下することで楽曲選択演出(選択演出)が実行されることを認識していない遊技者が、たまたま操作ボタンを押下することで実行された楽曲選択演出(選択演出)において大当り遊技や特典状態が付与される期待度が示唆される場合があるので、遊技者に驚きを与えると共に大きな喜びを与えて興趣を向上することができる。
(4) 各実施例では、当該用特定選択肢と先読み用特定選択肢とを別のフレーム内に表示するようにしたが、同じフレーム内に表示し得るようにして、一方の特定選択肢に対応する期待度のみを示唆したり、両方の特定選択肢に対応する期待度を同時に示唆するようにできる。
(5) 実施例1では、図柄変動演出中に実行される楽曲選択演出(選択演出)において、特定選択肢としての楽曲が選択可能となることで変動中の図柄変動演出が大当り表示となる期待度や、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度を示唆するようにし、実施例2では、図柄変動演出中に実行される楽曲選択演出(選択演出)において、特定表示態様でフレームが表示されることで大当り遊技の終了後に特典状態が付与される期待度や、保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度を示唆するようにしたが、実施例1と実施例2の構成を組み合わせることができる。例えば、特定選択肢としての楽曲が選択可能となることで変動中の図柄変動演出が大当り表示となる期待度を示唆するのに対し、特定表示態様でフレームが表示されることで保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度を示唆することができる。また、特定選択肢としての楽曲が選択可能となることで保留中の入賞時特図始動保留情報に当りが存在する期待度を示唆するのに対し、特定表示態様でフレームが表示されることで変動中の図柄変動演出が大当り表示となる期待度を示唆するようにしてもよい。
(6) 各実施例では、選択演出において、確変状態および変短状態を含めた特典状態が付与される期待度を示唆するようにしたが、特典状態の種類、すなわち確変状態が付与される期待度が異なる複数種類の選択肢や表示態様を設定したり、変短状態が付与される期待度が異なる複数種類の選択肢や表示態様を設定すれば、選択演出において付与される特典状態の種類の期待度を示唆することができる。
(7) 各実施例では、選択演出において、大当り遊技が付与される期待度を示唆するようにしたが、大当り遊技において得られる特典量(出球数)の大・小を示唆するようにすることができる。例えば、16Rの大当り遊技が付与される場合に選択肢や表示態様として演出制御CPUが決定し易い大特典量選択肢や大特典量表示態様を設けると共に、4Rの大当り遊技が付与される場合に選択肢や表示態様として演出制御CPUが決定し易い小特典量選択肢や小特典量表示態様を設けるようにすればよい。
(8) 実施例2では、選択演出において図柄表示装置の表示部に表示されるフレームの色(表示態様)を変えることで各種の期待度を示唆するようにしたが、選択演出の表示部での表示態様としては、フレームの形状であったり、あるいは選択演出が表示される大きさや場所等、各種のものを採用し得る。
(9) 各実施例において、選択演出(楽曲選択演出)の開始可能期間は1種類でなく、複数種類を設定することができる。例えば、図柄変動演出や大当り遊技における異なるタイミングで複数回の開始可能期間を設定し、特定の開始可能期間においてのみ各種の期待度を示唆する選択演出が実行可能に設定される一方で、他の開始可能期間では大当り遊技や特典状態が付与されるか否かに関係ない単なる選択肢を選択する選択演出(通常選択肢や通常表示態様)のみが表示される選択演出が実行されるよう構成することができる。
(10) 各実施例では、遊技状態に対応して1つの演出モードを設定したが、同一の遊技状態に対して複数種類の演出モードを設定し、各演出モード毎に音調整機能や光調整機能が有効となる有効期間を異ならせるよう構成することができる。
(11) 各実施例では、特典状態が付与される遊技状態と特典状態が付与されない遊技状態とで、音調整機能や光調整機能が有効となる有効期間を異ならせるようにしたが、特典状態の種類に応じて音調整機能や光調整機能が有効となる有効期間を異ならせるようにすることができる。例えば、光調整機能については変短状態で無効となるよう設定するもとで、確変・変短遊技状態として、付与される変短回数が異なる複数種類の遊技状態を設定することで、実質的に光調整機能が有効となる期間が異なる複数種類の遊技状態をもつことができる。
(12) 各実施例では、図柄変動演出が実行される図柄表示装置で選択演出を実行するよう構成したが、図柄表示装置とは別の表示装置(選択演出実行手段)を設け、別の表示装置で選択演出を実行する構成を採用し得る。
(13) 各実施例で説明した各種の確率(判定値の振分け)等は一例であって、任意に設定し得ることは勿論である。
(14) 操作手段は、ボタン式に限らずダイヤル式やジョイステック等の操作レバー式等、各種の方式を採用できる。
(15) 選択演出については、特定の遊技状態や演出モードにおいてのみ実行可能に構成することができる。例えば、確変状態や変短状態においてのみ選択演出を実行可能に構成したり、変短状態において複数種類設定した演出モードにおける特定演出モードにおいてのみ選択演出が実行可能に構成することができる。
(16) 各実施例では、非変短状態における普図当り確率が1/65536に設定されて当選する確率がある場合で説明したが、非変短状態における普図当り確率が0%であってもよく、この場合であっても非変短状態から変短状態となることで入賞率が向上する入賞率向上状態となる。
(17) 各実施例において、メイン制御CPUによる事前判定(先読み判定)では、始動条件の成立(始動入賞検出センサによる球検出)を契機として取得されて保留記憶手段に記憶した入賞時特図始動保留情報に基づいて事前判定しているが、始動条件の成立(始動入賞検出センサの検出)を契機として取得した入賞情報を保留記憶手段とは別の記憶手段に記憶し、該別の記憶手段に記憶した入賞情報に基づいて事前判定するようにしてもよい。
(18) 各実施例では、確変状態を付与する付与しないを、始動入賞手段への入賞(始動検出センサによる球検出)を契機とした当り判定により決定された大当り遊技の種類(図柄の種類)によって一義的に決定されるよう構成したが、特別入賞装置に特定領域を設け、該特定領域に遊技球が入球したことを特定領域入球検出センサが検出することで、大当り遊技の終了後に確変状態を付与する構成(いわゆるV確変機の構成)を採用し得る。なお、大当り遊技中における特定領域への遊技球の入球の有・無によって確変状態を付与する付与しないを決定する構成においては、1つの特別入賞装置において特定領域を設ける方式と、2つの特別入賞装置を設けて一方に特定領域を設ける方式との何れも採用可能である。そして、特定領域を設けた1つの特別入賞装置の構成を採用した場合では、特別入賞口に入賞した遊技球を特定領域に誘導可能な切替手段を設け、大当り遊技の種類に応じて切替手段の作動形態を変えることで、特定領域に遊技球が入球する確率を変化させるよう構成したもとで、選択演出において表示される選択肢の種類または表示態様の種類によって確変状態が付与される期待度を示唆する構成を採用し得る。また、特定領域を設けた特殊特別入賞装置と設けていない通常特別入賞装置との2つの特別入賞装置を備える構成を採用した場合では、大当り遊技における所定ラウンドでのみ特殊特別入賞装置を開放して遊技球が特定領域に入球可能に構成するもとで、選択演出において表示される選択肢の種類または表示態様の種類によって所定ラウンドで特殊特別入賞装置が開放する期待度を示唆する構成を採用し得る。
(19) メイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして各実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、各実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(20) また、演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示制御CPU)が備える機能の全部または一部を演出制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして、演出制御手段(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、演出制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行う発光制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(21) 演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示部)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(22) 各実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。