JP6428443B2 - 排ガスフィルタ - Google Patents
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Description
特許文献1に示された排ガス浄化装置の排ガスフィルタは、複数のセル壁と、セル壁によって囲まれて形成されたセル孔とを有している。セル孔としては、上流側端部が栓部によって閉塞された上流栓詰めセル孔と、栓部が配設されていない開放セル孔とがある。上流栓詰めセル孔と開放セル孔との間のセル壁には、両者の間を連通するように細孔が形成されており、細孔に排ガスを流通させて粒子状物質をトラップし、排ガスから粒子状物質を除去している。
特許文献1の排ガスフィルタは、開放セル孔における圧力損失と、上流栓詰めセル孔における圧力損失及びセル壁における通過抵抗による圧力損失とによって生じる圧力差を利用して、排ガスをセル壁に透過させている。そのため、排ガスフィルタ内において、十分な圧力差を生じさせることができないと、開放セル孔に流入した排ガスが、セル壁を透過することなく、排ガスフィルタから排出される。そのため、排ガスフィルタにおける粒子状物質の捕集性能が低下する。
複数のセル壁と、
該セル壁によって囲まれた複数のセル孔とを有し、
上記セル壁には、隣り合うセル孔間を連通する細孔が形成されており、
上記セル孔として、上記排ガス浄化フィルタの軸方向において貫通した開放セル孔と、上流側端部を閉塞する栓部が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部が配設された下流栓詰めセル孔とを有し、
上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔における流路断面積が大きく、
上記下流栓詰めセル孔の流路断面積の総和は、上記セル孔の流路断面積の総和の10%以下であり、
上記開放セル孔の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタの基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
上記セル壁の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタの外径をφ(mm)、としたとき、
上記基材長Lが、下記式(1)によって決定される第1基準値L1以上であることを特徴とする排ガスフィルタにある。
L1=−3.7×Rs 1.5 −3.6/w+9.7/k−152.9×C+2241.5/φ+145.1 ・・・式(1)
本発明の他の態様は、内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタであって、
複数のセル壁と、
該セル壁によって囲まれた複数のセル孔とを有し、
上記セル壁には、隣り合うセル孔間を連通する細孔が形成されており、
上記セル孔として、上記排ガスフィルタの軸方向において貫通した開放セル孔と、上流側端部を閉塞する栓部が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部が配設された下流栓詰めセル孔とを有し、
上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔における流路断面積が大きく、
上記下流栓詰めセル孔の流路断面積の総和は、上記セル孔全体の流路断面積の総和の10%以下であり、
上記開放セル孔の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタの基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
上記セル壁の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタの外径をφ(mm)、としたとき、
上記基材長Lが、下記式(2)によって決定される第2基準値L2以上であることを特徴とする排ガスフィルタにある。
L2=−13.4×Rs 1.5 +0.76/w+3.2/k−132.1×C+1117.3/φ+174.4 ・・・式(2)
本発明のさらに他の態様は、内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタであって、
複数のセル壁と、
該セル壁によって囲まれた複数のセル孔とを有し、
上記セル壁には、隣り合うセル孔間を連通する細孔が形成されており、
上記セル孔として、上記排ガスフィルタの軸方向において貫通した開放セル孔と、上流側端部を閉塞する栓部が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部が配設された下流栓詰めセル孔とを有し、
上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔における流路断面積が大きく、
上記下流栓詰めセル孔の流路断面積の総和は、上記セル孔全体の流路断面積の総和の10%以下であり、
上記開放セル孔の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタの基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
上記セル壁の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタの外径をφ(mm)、としたとき、
上記基材長Lが、下記式(3)によって決定される第3基準値L3以上であることを特徴とする排ガスフィルタにある。
L3=−6.8×Rs 1.5 −4.5/w+12.0/k−189.9×C+2629.1/φ+191.7 ・・・式(3)
Rsが1.1未満の場合、圧力差が小さくなり、上記セル壁を透過する排ガスの透過量が少なくなり、十分な浄化性能を発揮できない場合がある。
Rsが5を超える場合、上記排ガスフィルタの圧力損失が過大となり、排ガスフィルタの浄化性能が低下する場合がある。
Lが35mm未満の場合、上記開放セル孔を流通する排ガスが上記セル壁を透過することなく排出される吹き抜けが発生し、上記排ガスフィルタの性能が低下する場合がある。
Lが270mmを超える場合、排ガスが上記セル孔を透過することで上記開放セル孔と上記上流栓詰めセル孔との間の圧力差がなくなる領域が生じる。
排ガスフィルタは、基材長Lが、55mm≦L≦220mmであることがより好ましい。
上記排ガスフィルタにかかる実施例について、図1〜図3を参照して説明する。
図1〜図3に示すごとく、排ガスフィルタ1は、内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化するものである。排ガスフィルタ1は、複数のセル壁2と、セル壁2によって囲まれた複数のセル孔3とを有している。
軸方向Xと直交する断面において、上流栓詰めセル孔32における流路断面積は、開放セル孔31における流路断面積よりも大きい。下流栓詰めセル孔33の流路断面積の総和は、セル孔3の流路断面積の総和の10%以下である。すなわち、開放セル孔31、上流栓詰めセル孔32、下流栓詰めセル孔33を含めたすべてのセル孔3の流路断面積の総和に対し、下流栓詰めセル孔33の流路断面積の総和は10%以下である。以下において、セル孔3全体の流路断面積の総和に対する下流栓詰めセル孔33の流路断面積の総和の比率を、適宜「下流栓詰め率」という。
図1に示すごとく、本例の排ガスフィルタ1は、自動車の内燃機関、例えば、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンにおいて発生した排気ガスを浄化するためのものである。
排ガスフィルタ1は、円柱形状をなしており、円筒形状に形成された外周部20と、外周部20の内周側において格子状に配設されたセル壁2と、セル壁2によって囲まれたセル孔3とが形成されている。本例において、軸方向Xにおける排ガスフィルタ1の基材長Lは、200mmとし、排ガスフィルタ1の外径φは、132mmとした。基材長Lは35mm≦L≦270mmである。
本例において、内周形状が八角形のセル孔3が上流栓詰めセル孔32であり、内周形状が四角形のセル孔3が開放セル孔31又は下流栓詰めセル孔33である。そして、上流栓詰めセル孔32の水力直径は、開放セル孔31の水力直径よりも大きい。
L1=−3.7×Rs1.5−3.6/w+9.7/k−152.9×C+2241.5/φ+145.1 ・・・式(1)
図5は、基材長Lと捕集率との関係の概略を示している。なお、捕集率とは、排ガスフィルタ1に導入される排ガスに含まれる粒子状物質の数に対する、排ガスフィルタ1から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の数の割合をいう。図5に示すごとく、排ガスフィルタ1は、基材長Lを長くしていくにつれて捕集率が上昇していくが、基材長Lが長くなるにつれて捕集率の上昇は少なくなり、基材長Lがある長さ以上になると、基材長Lの増加に伴う捕集率の上昇がなくなる。これは、基材長Lがある長さよりも長い場合、上流側から開口セル孔31に導入された排ガスが、所定の位置よりも下流側においてはセル壁2を通過しなくなり、そのまま下流側へ吹き抜けてしまうためと考えられる。そこで、基材長Lの増加に伴う捕集率の上昇が生じなくなり始める基材長Lを「吹き抜け臨界長」ということとし、基材長Lが吹き抜け臨界長以上のときの捕集率を「限界捕集率」ということとする。
排ガスフィルタ1においては、上述のごとく、セル孔3として開放セル孔31と上流栓詰めセル孔32とを有している。そのため、排ガスをセル壁2に形成された細孔に効率良く流通させ、排ガスフィルタ1の浄化性能を向上することができる。
本例は、排ガスフィルタ1の基材長の決定方法を変更した例である。なお、排ガスフィルタ1の基本構造は実施例1と同様としている。
本例において、排ガスフィルタ1の基材長Lは、下記式(2)によって決定される第2基準値L2以上である。
L2=−13.4×Rs1.5+0.76/w+3.2/k−132.1×C+1117.3/φ+174.4 ・・・式(2)
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、排ガスフィルタ1の基材長の決定方法を変更した例である。なお、排ガスフィルタ1の基本構造は実施例1と同様としている。
本例において、排ガスフィルタ1の基材長Lは、下記式(3)によって決定される第3基準値L3以上である。
L3=−6.8×Rs1.5−4.5/w+12.0/k−189.9×C+2629.1/φ+191.7 ・・・式(3)
図7に、実施例1の図5と同様な、基材長Lと捕集率との関係の概略を示した。同図に示すごとく、排ガスフィルタ1は、基材長Lを吹き抜け臨界長から短くしていくにつれて、捕集率が低下していく。ここで、基材長Lが、限界捕集率の90%の捕集率となる基材長以下になると、基材長Lの減少に伴う捕集率の減少が顕著となる。そこで、同図に示すごとく、式(3)の第3基準値L3は、限界捕集率の90%以上の捕集率以上となる基材長Lのうち、最短のもの(La3)と同等の値を想定している。すなわち、例えば限界捕集率が70%の場合、捕集率の値が63%となるような基材長をLa3と規定し、第3基準値L3は、これと同等となることを想定している。そして、基材長Lを第3基準値L3以上とすることにより、高い浄化性能を得ることができる。上記式(3)の導出も、限界捕集率の値に影響を及ぼし得る、流路断面積比Rs、セル壁2の厚さw、排ガス透過係数k、セル密度C、外径φを変数とした重回帰分析によって行った。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図8に示すごとく、実施例1の排ガスフィルタにおけるセル孔の形状を変更した例である。
本例の排ガスフィルタ1は、セル孔3の形状を一様な形状によって形成してある。セル孔3は、正方形状をなしており、軸方向と直交する断面上において、正方形における1辺と並行な縦方向と、縦方向と直交する横方向に整列するように形成されている。本例においては、縦方向及び横方向に3個ずつ並んだ計9個のセル孔3を一区画とし、これを適宜敷き詰めた状態となっている。尚、一区画9個のセル孔3のうち6個のセル孔3を上流栓詰めセル孔32とし、残りの3個のセル孔3を、原則として開放セル孔31としている。ただし、多数存在する区画のうちの一部の区画については、部分的に下流栓詰めセル孔33が混在している。そして、下流栓詰めセル孔33の流路断面積の総和が、セル孔3全体の流路断面積の総和の10%以下となるようにしている。
また、本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本試験においては、実施例1の排ガスフィルタ1を基本構造としつつ、下流栓詰めセル孔33の有無が、捕集率にどのように影響するかを確認した。
なお、捕集率とは、排ガスフィルタに導入される排ガスに含まれる粒子状物質の数に対する、排ガスフィルタから排出される排ガスに含まれる粒子状物質の数の割合をいう。
上記結果から、排ガスフィルタは、下流栓詰めセル孔33を配設しても、下流栓詰め率が10%以下であれば、少なくとも、捕集率に影響しないことが確認された。
本試験においては、下流栓詰め率による圧損上昇率への影響を確認した。圧損上昇率とは、下流栓詰めセル孔33を有さない排ガスフィルタの圧力損失に対する、排ガスフィルタの圧力損失の上昇率をいう。
上記結果から、下流栓詰め率が10%以下であれば、圧力損失にも影響がほとんどないといえる
なお、上記結果から、下流栓詰めセル孔33は、排ガスフィルタ1の中心軸までの距離よりも外周部20までの距離の方が短い位置に形成されていることが好ましいこともわかる。すなわち、下流側端部に配設する栓部331の配設パターンは、中央配設よりも外周配設の方が、圧力損失低減の観点から好ましい。また、圧力損失の一層の低減の観点から、排ガスフィルタ1の外周部20に隣接するセル孔3は、下流栓詰めセル孔3であることがさらに好ましい。
本試験においては、下流栓詰め率による低下温度への影響を確認した。
本試験においては、下流栓詰め率を0%、5%、10%、15%、20%とした5つの排ガスフィルタを用意した。すべての排ガスフィルタは、流路断面積Rs、壁厚w、セル密度C、排ガス透過係数k、平均気孔径、気孔率、外径φ、基材長Lを確認試験2と同じにした。
本試験においては、流路断面積比Rsと、透過流量比及び捕集率との比較を行った。なお、透過流量比とは、開放セル孔31に流入した排ガスのうち、セル壁2を透過して上流栓詰めセル孔32内へと流入した排ガスの比を示すものである。
排ガスフィルタ101は、流路断面積比Rsを0.5とした。なお、排ガスフィルタ101は、実施例1の排ガスフィルタ1における開放セル孔31と上流栓詰めセル孔32とを反対に設定したものである。
排ガスフィルタ103は流路断面積比Rsを2.1、排ガスフィルタ104は流路断面積比Rsを4とした。排ガスフィルタ103及び排ガスフィルタ104における開放セル孔31及び上流栓詰めセル孔32の形状は、それぞれ、実施例1の排ガスフィルタ1における開放セル孔31及び上流栓詰めセル孔32と相似形状である。
なお、排ガスフィルタ101〜104において、基材長Lは、いずれも200mmとした。
また、上述以外の構成は実施例1と同様である。なお、図13において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
また、図14(b)に示すごとく、捕集率は、排ガスフィルタ101が約21%、排ガスフィルタ102が約41%、排ガスフィルタ103が約62%、排ガスフィルタ104が約76%となった。
したがって、流路断面積比Rsが1を超えるように設定することにより、開放セル孔31に流入する排ガスの50%以上をセル壁2に透過させることができる。また、流路断面積比Rsを2以上とすることにより、開放セル孔31に流入する排ガスの80%以上をセル壁2に透過させることができる。これにより、捕集率が向上することが確認された。また、流路断面積比Rsが4を超える範囲においては透過流量比及び捕集率がほぼ一定となる。
本試験においては、表2に示すごとく、排ガスフィルタにおける流路断面積比Rsを変化させたときの粒子状物質の捕集率を比較した。
排ガスフィルタとしては、一様な形状のセル孔を有する試料1と、水力直径の異なるセル孔を有する試料2〜試料4とを用いた。
試料2は、基材長Lを除いて、実施例1の排ガスフィルタ1と同様である。
また、試料3及び試料4は、実施例1の排ガスフィルタにおけるセル孔と相似形状の四角形のセル孔と八角形のセル孔とを有しており、流路断面積比Rsは、試料3が4.0、試料4が5.0である。
また、試料1〜試料4の排ガスフィルタにおける基材長Lはいずれも200mmとした。
なお、上述以外の構成は、実施例1と同様である。
表2に示すごとく、各排ガスフィルタにおける捕集率は、試料1が42%、試料2が57%、試料3が76%、試料4が78%となった。したがって、流路断面積比Rsが大きくなるにつれて、粒子状物質の捕集率が向上することが確認された。
本試験は、排ガスフィルタにおける流路断面積比Rsと基材長との捕集率への影響、及びセル壁の平均気孔径と基材長との捕集率への影響を確認した。
本試験においては、排ガスフィルタとして、試料2〜試料26を用いた。
試料2〜試料4は、確認試験2と同一である。
表3に示すごとく、試料5〜試料8は、流路断面積比Rsが1.6であり、試料2の排ガスフィルタに対して、基材長を変更した例である。また、試料9〜試料12は、流路断面積比Rsが4.0であり、試料3の排ガスフィルタに対して、基材長を変更した例である。またまた、試料13〜試料16は、流路断面積比Rsが5.0であり、試料4の排ガスフィルタに対して、基材長を変更した例である。
なお、試料2〜試料26における上述以外の構成は、実施例1と同様である。
したがって、開放セル孔における圧力損失と上流栓詰めセル孔における圧力損失とが等しくなるまでに必要な排ガスフィルタの基材長Lは、流路断面積比Rsが大きくなるにつれて大きくなることが確認された。これは、排ガスフィルタにおける、開放セル孔に流入する排ガスの流量増加によるものと考えられる。
本試験においては、上記式(1)の精度を、限界捕集率から10%を引いた捕集率を確保することができる基材長のうち、最短のもの(実施例1の図5におけるLa1)の実測値(第1実測値)と、式(1)を用いて算出した第1基準値L1(計算値)とを比較した。
本試験においては、第1実測値を求めるための排ガスフィルタとして、基本構造は実施例1の排ガスフィルタ1と同様としつつ、表5〜表9に示すごとく、流路断面積比Rs、セル壁の厚さw、排ガス透過係数k、セル密度C、外径φを種々変更した試料A1〜試料A78を用いた。試験は、排ガスフィルタをガソリンエンジンの排気管に取り付け、当該排ガスフィルタに、温度を700℃、流量を4m3/minとして排ガスを流通させた。
その結果を表5〜表9に示す。なお、表5〜表9においては、排ガス透過係数kに影響を及ぼし得るパラメータである、セル壁の平均気孔径と気孔率とを記載している。
本試験においては、上記式(2)の精度を、捕集率が50%以上となる基材長のうち、最短のもの(実施例2の図6におけるLa2)の実測値(第2実測値)と、式(1)を用いて算出した第2基準値L2(計算値)とを比較した。
本試験においては、第2実測値を求めるための排ガスフィルタとして、基本構造は実施例1の排ガスフィルタ1としつつ、表10〜表12に示すごとく、流路断面積比Rs、セル壁の厚さw、排ガス透過係数k、セル密度C、外径φを種々変更した試料B1〜試料B50を用いた。試験条件は、確認試験4と同じである。
結果を表10〜表12に示す。なお、表10〜表12においても、排ガス透過係数kに影響を及ぼし得るパラメータである、セル壁の平均気孔径と気孔率とを記載している。
本試験においては、上記式(3)の精度を、限界捕集率の90%以上の捕集率以上となる基材長Lのうち、最短のもの(実施例3の図7におけるLa3)の実測値(第3実測値)と、式(3)を用いて算出した第3基準値L3(計算値)とを比較した。
結果を表13〜表16に示す。なお、表13〜表16においては、排ガス透過係数kに影響を及ぼし得るパラメータである、セル壁の平均気孔径と気孔率とを記載している。
2 セル壁
3 セル孔
31 開放セル孔
32 上流栓詰めセル孔
321 栓部
Claims (10)
- 内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタ(1)であって、
複数のセル壁(2)と、
該セル壁(2)によって囲まれた複数のセル孔(3)とを有し、
上記セル壁(2)には、隣り合うセル孔(3)間を連通する細孔が形成されており、
上記セル孔(3)として、上記排ガスフィルタ(1)の軸方向において貫通した開放セル孔(31)と、上流側端部を閉塞する栓部(321)が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔(32)と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部(331)が配設された下流栓詰めセル孔(33)とを有し、
上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔(31)における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔(32)における流路断面積が大きく、
上記下流栓詰めセル孔(33)の流路断面積の総和は、上記セル孔(3)全体の流路断面積の総和の10%以下であり、
上記開放セル孔(31)の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔(32)の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタ(1)の基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
上記セル壁(2)の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタ(1)の外径をφ(mm)、としたとき、
上記基材長Lが、下記式(1)によって決定される第1基準値L1以上であることを特徴とする排ガスフィルタ(1)。
L1=−3.7×Rs 1.5 −3.6/w+9.7/k−152.9×C+2241.5/φ+145.1 ・・・式(1) - 内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタ(1)であって、
複数のセル壁(2)と、
該セル壁(2)によって囲まれた複数のセル孔(3)とを有し、
上記セル壁(2)には、隣り合うセル孔(3)間を連通する細孔が形成されており、
上記セル孔(3)として、上記排ガスフィルタ(1)の軸方向において貫通した開放セル孔(31)と、上流側端部を閉塞する栓部(321)が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔(32)と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部(331)が配設された下流栓詰めセル孔(33)とを有し、
上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔(31)における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔(32)における流路断面積が大きく、
上記下流栓詰めセル孔(33)の流路断面積の総和は、上記セル孔(3)全体の流路断面積の総和の10%以下であり、
上記開放セル孔(31)の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔(32)の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタ(1)の基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
上記セル壁(2)の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタ(1)の外径をφ(mm)、としたとき、
上記基材長Lが、下記式(2)によって決定される第2基準値L2以上であることを特徴とする排ガスフィルタ(1)。
L2=−13.4×Rs 1.5 +0.76/w+3.2/k−132.1×C+1117.3/φ+174.4 ・・・式(2) - 内燃機関から排出される粒子状物質を含む排ガスを浄化する排ガスフィルタ(1)であって、
複数のセル壁(2)と、
該セル壁(2)によって囲まれた複数のセル孔(3)とを有し、
上記セル壁(2)には、隣り合うセル孔(3)間を連通する細孔が形成されており、
上記セル孔(3)として、上記排ガスフィルタ(1)の軸方向において貫通した開放セル孔(31)と、上流側端部を閉塞する栓部(321)が配設されると共に下流側が開放された上流栓詰めセル孔(32)と、少なくとも下流側端部を閉塞する栓部(331)が配設された下流栓詰めセル孔(33)とを有し、
上記軸方向と直交する断面において、上記開放セル孔(31)における流路断面積よりも、上記上流栓詰めセル孔(32)における流路断面積が大きく、
上記下流栓詰めセル孔(33)の流路断面積の総和は、上記セル孔(3)全体の流路断面積の総和の10%以下であり、
上記開放セル孔(31)の流路断面積をS1とし、上記上流栓詰めセル孔(32)の流路断面積をS2としたとき、S1に対するS2の比である流路断面積比Rs=S2/S1は、1.1≦Rs≦5であり、かつ上記排ガスフィルタ(1)の基材長Lが、35mm≦L≦270mmであり、
上記セル壁(2)の厚さをw(mm)、排ガス透過係数をk(μm 2 )、セル密度をC(個/mm 2 )、上記排ガスフィルタ(1)の外径をφ(mm)、としたとき、
上記基材長Lが、下記式(3)によって決定される第3基準値L3以上であることを特徴とする排ガスフィルタ(1)。
L3=−6.8×Rs 1.5 −4.5/w+12.0/k−189.9×C+2629.1/φ+191.7 ・・・式(3) - 上記基材長Lは、下記式(1)によって決定される第1基準値L1以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の排ガスフィルタ(1)。
L1=−3.7×Rs 1.5 −3.6/w+9.7/k−152.9×C+2241.5/φ+145.1 ・・・式(1) - 上記基材長Lは、下記式(2)によって決定される第2基準値L2以上であることを特徴とする請求項1又は3に記載の排ガスフィルタ(1)。
L2=−13.4×Rs 1.5 +0.76/w+3.2/k−132.1×C+1117.3/φ+174.4 ・・・式(2) - 上記基材長Lは、下記式(3)によって決定される第3基準値L3以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガスフィルタ(1)。
L3=−6.8×Rs 1.5 −4.5/w+12.0/k−189.9×C+2629.1/φ+191.7 ・・・式(3) - 上記複数のセル孔(3)は、2種類以上の形状を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の排ガスフィルタ(1)。
- 上記セル孔(3)は、内周形状が八角形のセル孔(3)と、内周形状が四角形のセル孔(3)とからなり、上記八角形のセル孔(3)の水力直径は、上記四角形のセル孔(3)の水力直径よりも大きく、上記八角形のセル孔(3)と上記四角形のセル孔(3)とを交互に並べて形成されていることを特徴とする請求項7に記載の排ガスフィルタ(1)。
- 上記下流栓詰めセル孔(33)は、上記排ガスフィルタ(1)の中心軸までの距離よりも外周部(20)までの距離の方が短い位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の排ガスフィルタ(1)。
- 上記排ガスフィルタ(1)の上記外周部(20)に隣接する上記セル孔(3)は、上記下流栓詰めセル孔(33)であることを特徴とする請求項9に記載の排ガスフィルタ(1)。
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