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JP6421587B2 - 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラム Download PDF

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JP6421587B2
JP6421587B2 JP2014258378A JP2014258378A JP6421587B2 JP 6421587 B2 JP6421587 B2 JP 6421587B2 JP 2014258378 A JP2014258378 A JP 2014258378A JP 2014258378 A JP2014258378 A JP 2014258378A JP 6421587 B2 JP6421587 B2 JP 6421587B2
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Description

本発明は、画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
動画に対する手ぶれを補正する方法として、特徴点追跡方式と呼ばれる技術が知られている。特徴点追跡方式においては、動画に含まれる各フレームの画像から特徴点を抽出し、抽出した特徴点の移動ベクトルから構成したオプティカルフローを時間的に平滑化することにより、動画に対して手ぶれを補正する。
しかし、特徴点追跡方式は三次元物体の視差の影響を考慮していないため、手ぶれ補正後の動画に不自然な歪みが生じることがあるという欠点があった。
特徴点追跡方式が有する上述の欠点を克服する方法として、エピポーラ幾何を応用した手ぶれ補正の方法(以下、エピポーラ転送方式と呼ぶ)が知られている。例えば、非特許文献1は、エピポーラ転送方式で手ぶれを補正することにより、視差の影響を抑制し、手ぶれ補正後の動画に生じる不自然な歪みを軽減する技術を開示している。
Amit Goldstein and. Raanan Fattal, "Video Stabilization using Epipolar Geometry", ACM Transactions on Graphics (TOG), Volume 31, Issue 5, August 2012, Article No.126
しかしながら、エピポーラ転送方式の手ぶれ補正は、手ぶれ補正の対象となる各フレームの画像について、例えば過去10フレームの画像との間でのオプティカルフローの計算、及び1フレーム当たり数千本から数万本に及ぶエピポーラ線の投影等、多くの座標計算を必要とする。このため、演算負荷が非常に大きかった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、視差の影響を考慮した手ぶれ補正を簡易な演算により実行可能な画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
記目的を達成するため、本発明に係る画像撮像装置の一態様は、
動画を構成する複数の画像の中から1つを指定する指定部と、
前記複数の画像のうちの前記指定部によって指定された画像以外の所定数の画像のそれぞれについて、前記指定された画像との関係を表す基礎行列を取得する基礎行列取得部と、
前記基礎行列取得部によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された前記基礎行列に基づいて、前記所定数の画像の中から、前記指定された画像にエピポーラ投影するための画像を選別する選別部と、
記複数の画像の中から前記指定部が指定する画像を変えて、前記指定部、前記基礎行列取得部及び前記選別部の処理を含んで繰り返す所定の処理により、仮想特徴点軌道を構築する仮想特徴点軌道構築部と、
前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された前記仮想特徴点軌道を時間方向に平滑化する平滑化部と、
前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された前記仮想特徴点軌道と、前記平滑化部によって平滑化された前記仮想特徴点軌道と、の間の関係に基づいて、前記複数の画像のそれぞれを補正する補正部と、
備える
ことを特徴とする。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る撮像装置の一態様は、
前記画像処理装置と、
被写体を撮像することにより、前記動画を構成する画像を生成する撮像部と、
を備える、
ことを特徴とする。
また、前記目的を達成するため、本発明に係る画像処理方法の一態様は、
動画を構成する複数の画像の中から1つを指定する指定処理と、
前記複数の画像のうちの前記指定処理によって指定された画像以外の所定数の画像のそれぞれについて、前記指定された画像との関係を表す基礎行列を取得する基礎行列取得処理と、
前記基礎行列取得処理によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された前記基礎行列に基づいて、前記所定数の画像の中から、前記指定された画像にエピポーラ投影をするための画像を選別する選別処理と、
前記複数の画像の中から前記指定処理が指定する画像を変えて、前記指定処理、前記基礎行列取得処理及び前記選別処理を含んで繰り返す所定の処理により、仮想特徴点軌道を構築する仮想特徴点軌道構築処理と、
前記仮想特徴点軌道構築処理によって構築された前記仮想特徴点軌道を時間方向に平滑化する平滑化処理と、
前記仮想特徴点軌道構築処理によって構築された前記仮想特徴点軌道と、前記平滑化処理によって平滑化された前記仮想特徴点軌道と、の間の関係に基づいて、前記複数の画像のそれぞれを補正する補正処理と、
を含む、
ことを特徴とする。
また、前記目的を達成するため、本発明に係るプログラムの一態様は、
コンピュータを、
動画を構成する複数の画像の中から1つを指定する指定部、
前記複数の画像のうちの前記指定部によって指定された画像以外の所定数の画像のそれぞれについて、前記指定された画像との関係を表す基礎行列を取得する基礎行列取得部、
前記基礎行列取得部によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された前記基礎行列に基づいて、前記所定数の画像の中から、前記指定された画像にエピポーラ投影をするための画像を選別する選別部、
前記複数の画像の中から前記指定部が指定する画像を変えて、前記指定部、前記基礎行列取得部及び前記選別部の処理を含んで繰り返す所定の処理により、仮想特徴点軌道を構築する仮想特徴点軌道構築部、
前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された前記仮想特徴点軌道を時間方向に平滑化する平滑化部、
前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された前記仮想特徴点軌道と、前記平滑化部によって平滑化された前記仮想特徴点軌道と、の間の関係に基づいて、前記複数の画像のそれぞれを補正する補正部、
として機能させる、
ことを特徴とする。
本発明によれば、視差の影響を考慮した手ぶれ補正を簡易な演算により実行できる画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することが可能となる
本発明の実施形態に係る撮像装置の構成を例示するブロック図である。 本発明の実施形態に係る撮像装置及び画像処理装置の機能構成を例示するブロック図である。 エピポーラ幾何の概念を説明するための図である。 エピポーラ転送の概念を説明するための図である。 エピポーラ転送を利用した仮想特徴点軌道の構築を説明するための図である。 エピポーラ転送方式の手ぶれ補正の概要を説明するための図である。 エピポーラ転送を利用した手ぶれ補正後の特徴点軌道の構築を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る画像処理装置が実行する手ぶれ補正処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る画像処理装置が実行するオプティカルフロー取得処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る画像処理装置が実行するオプティカルフロー取得処理を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る画像処理装置が実行する基礎行列取得処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る画像処理装置が実行するフレーム選別処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る画像処理装置が実行するフレーム選別処理を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る画像処理装置が実行する仮想特徴点生成処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る画像処理装置が実行する仮想特徴点軌道準備処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る画像処理装置、撮像装置、及び画像処理方法を、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、図中同一又は同等の部分には同じ符号を付す。
撮像装置1は、図1に示すように、撮像部10と、データ処理部20と、ユーザインタフェース部30と、を備える。
撮像部10は、光学レンズ11とイメージセンサ12とを含む。撮像部10は、後述する操作部32が受け付けたユーザの操作に従って被写体を撮像することにより、手ぶれ補正の対象となる動画を生成する。生成された動画は、時間的に連続して撮像された(連続する複数のフレームにわたって撮像された)複数の画像を含んでいる。
光学レンズ11は、被写体から射出された光を集光するレンズと、焦点、露出、ホワイトバランス等の撮像設定パラメータを調整するための周辺回路と、を備える。
イメージセンサ12は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を備える。イメージセンサ12は、光学レンズ11が光を集光することによって結像した被写体の光学像を取得して、取得した光学像の電圧情報をアナログ/デジタル変換器(図示せず)によりデジタル画像データに変換する。そして、得られたデジタル画像データを後述する外部記憶部23に保存する。
データ処理部20は、主記憶部21と、出力部22と、外部記憶部23と、CPU(Central Processing Unit)24と、画像処理装置100と、を含む。
主記憶部21は、例えばRAM(Random Access Memory)等を備える。主記憶部21は、CPU24のワークメモリとして機能し、画像データやプログラムを一時的に記憶する。
出力部22は、主記憶部21や外部記憶部23に記憶された画像データを読み出し、この画像データに対応するRGB(R(Red、赤)、G(Green、緑)、B(Blue、青))信号を生成して、後述する表示部31に出力する。また、出力部22は、生成したRGB信号をCPU24や画像処理装置100へ供給する。
外部記憶部23は、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリやハードディスク)を備え、撮像装置1全体の制御に必要な制御プログラムを含む種々のプログラム、種々の固定データ等を固定的に記憶する。外部記憶部23は、記憶しているプログラムやデータをCPU24や後述する画像処理装置100へ供給し、撮像部10が生成した動画を含む種々のデータを固定的に記憶する。
CPU24は、外部記憶部23に記憶された制御プログラムを実行することにより撮像装置1全体を制御するとともに、外部記憶部23に記憶された種々のプログラムを実行する。
画像処理装置100は、動画に対してエピポーラ転送方式の手ぶれ補正を施す。画像処理装置100は、図2に示すように、機能的に、指定部101、基礎行列取得部102、選別部103、仮想特徴点生成部104、仮想特徴点軌道構築部105、平滑化部106、補正部107、及び評価部108を備える。これら各部は、CPU24の機能によって実現される。
尚、画像処理装置100は、通常の画像処理装置と同様に、トリミング機能や画像拡大・縮小機能等を有するが、以下では、本実施形態に特徴的な、エピポーラ転送方式の手ぶれ補正を動画に施す機能を中心に説明する。
指定部101は、手ぶれ補正対象の動画を構成する複数の画像の中から1つを指定する。基礎行列取得部102は、手ぶれ補正対象の動画を構成する複数の画像のうちの指定部101によって指定された画像以外の所定数(本実施形態では、10フレーム分)の画像のそれぞれについて、指定部101によって指定された画像との関係を表す基礎行列Fを取得する。
具体的には、基礎行列取得部102は、オプティカルフロー取得部102aを含み、オプティカルフロー取得部102aによって取得されたオプティカルフローに基づいて、基礎行列Fを取得する。
オプティカルフロー取得部102aは、オプティカルフロー取得処理を実行することにより、画像間の特徴点pの移動ベクトルによって形成される画像間のオプティカルフローと、特徴点pの複数のフレームに亘る移動の軌跡である特徴点軌道pと、を取得する。
具体的には、オプティカルフロー取得部102aは、手ぶれ補正対象の動画に含まれる連続する複数のフレームの画像それぞれから互いに対応する特徴点pを抽出する(特徴点pの座標(例えば、同次座標)を取得する)。
以下、特徴点をp と表記する。iは特徴点を識別するためのインデックスであり、kは特徴点が含まれている画像がどのフレームの画像かを示すインデックスである。なお、どのフレームの画像であるか特定する必要がない場合は、インデックスkを省略してpと表記する。
三次元空間内の(被写体上の)単一の点が、第Eフレームの画像では特徴点p に投影され、第Fフレームの画像では特徴点p に投影されている場合、2つの特徴点p 、p は「互いに対応している」と表現する。
異なる1対のフレームの画像がそれぞれ含む互いに対応する1対の特徴点pの一方を始点として、他方を終点として有するベクトルを、これらの画像間の特徴点pの移動ベクトルという。特徴点pの移動ベクトルは、一方の画像における特徴点pが他方の画像においてどこへ移動しているかを示す。異なるフレームの画像間のオプティカルフローは、少なくとも1つ以上の特徴点pの、これらの画像間における移動ベクトルによって形成され、特徴点pの移動ベクトルの画像内における分布を示す。
オプティカルフロー取得部102aは、手ぶれ補正対象の動画に含まれる各フレーム中の互いに対応する特徴点p、すなわち特徴点pの移動ベクトルの始点または終点、の座標を取得することにより、特徴点pの移動ベクトルと、これらの特徴点pの移動ベクトルが形成するオプティカルフローと、を取得する。
特徴点軌道pは、特徴点pの複数のフレームに亘る軌跡を示す。オプティカルフロー取得部102aは、オプティカルフロー取得処理を実行することにより、手ぶれ補正対象の動画が含む各フレームの画像から互いに対応する特徴点pを抽出し、抽出した特徴点pを追跡することにより特徴点軌道pを取得する。
なお、オプティカルフロー取得部102aは、任意の公知技術を用いて複数のフレームの画像から互いに対応する特徴点pを抽出する。例えば、KLT法(KLTトラッキング)を用いることができる。KLT法を用いて特徴点pを抽出する技術は、非特許文献1に開示されているとおり、当該技術分野において周知であるため詳細な説明は省略する。
オプティカルフロー取得部102aが実行するオプティカルフロー取得処理については、後に図9のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
オプティカルフロー取得部102aによって取得されたオプティカルフローに基づいて、基礎行列取得部102は、基礎行列Fを取得する。基礎行列Fは、手ぶれ補正前の2つの画像間の幾何的関係(エピポーラ関係)を表す3行3列の行列である。
図3を参照して、エピポーラ幾何の概念を説明する。異なる時刻に撮像された第Qフレームの画像と第Rフレームの画像は、それぞれ、互いに異なる点C1と点C2とに配置された撮像装置1によって撮像された画像と見なすことができる。すなわち、第Qフレームの画像と第Rフレームの画像は、それぞれ、点C1と点C2とを投影中心とする投影面を表す画像と見なすことができる。点C1と点C2との位置の相違は、手ぶれ等の影響により撮像装置1の位置が変動したことに由来する。三次元空間内の単一の点Pは、第Qフレームの画像中では点m1に投射される一方、第Rフレームの画像中では点m2に投影される。すなわち、点m1と点m2は互いに対応する点である。
三次元空間内の点Pと点C1とを結ぶ直線は、第Qフレームの画像上では点m1に投影される一方、第Rフレームの画像上では、点P、点C1、及び点C2を通る平面(エピポーラ面)と第Rフレームの画像との交線である線L1として投影される。線L1は、第Qフレームの画像中の点m1が第Rフレームの画像に投影するエピポーラ線である。同様に、線L2は、第Rフレームの画像中の点m2が第Qフレームの画像に投影するエピポーラ線である。
第Qフレームの画像中の任意の点qが第Rフレームの画像に投影するエピポーラ線LQ、Rは、次の式(1)により表される。ここで、FQ,Rは、第Qフレームの画像と第Rフレームの画像との間のエピポーラ関係を表す基礎行列である。FQ,Rは、第Qフレームの画像中の任意の点m1と、点m1に対応する第Rフレームの画像中の点m2と、を用いて次の式(2)で表される。
Figure 0006421587
Figure 0006421587
式(2)から明らかなように、基礎行列Fは、f11からf32までの8個の未知数を有するため、少なくとも8組の対応する点m1、m2に基づいて求めることができる。すなわち、8箇所の対応点が与えられれば基礎行列Fを算出することができる。
基礎行列取得部102は、指定部101によって指定された画像と指定部101によって指定された画像の直前10フレーム分の画像とからそれぞれオプティカルフロー取得部102aが抽出した8組の互いに対応する特徴点pの座標に基づき、標準的な8ポイントアルゴリズムと誤差を最小化するためのRANSAC(RANdom SAmple Consensus)法とを用いて基礎行列Fを取得する。8ポイントアルゴリズムとRANSAC法を用いて基礎行列Fを取得する方法は、非特許文献1に開示されているとおり、当該技術分野において周知であるため詳細な説明は省略する。
基礎行列取得部102が実行する基礎行列取得処理については、後に図11のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
選別部103は、基礎行列取得部102によって取得された基礎行列に基づいて、指定部101によって指定された画像より前の所定数(本実施形態では、10フレーム分)の画像の中から、指定された画像にエピポーラ投影するための画像を選別する。具体的には、選別部103は、画像の選別のために、評価部108による基礎行列の類似度の評価結果を参酌する。
基礎行列の類似度とは、異なる2つの基礎行列が類似しているか否かの度合いを示す指標である。例えば、第Qフレームの画像と第Rフレームの画像との間のエピポーラ関係を表す基礎行列FQ,Rと、第Qフレームの画像と第Sフレームの画像との間のエピポーラ関係を表す基礎行列FQ,Sと、が類似している場合、第Rフレームの画像と第Sフレームの画像とが類似していることを意味する。ここで、異なる2フレームの画像が互いに類似している場合、これら2つの画像中の仮想特徴点vの座標はほぼ同じである。そのため、これら2つの画像中の仮想特徴点vがそれぞれ投影する2本のエピポーラ線はほぼ平行であり、これらのエピポーラ線が与える交点(エピポーラ交点)は信頼性に欠ける。
そこで、選別部103は、類似している複数の基礎行列を発見した場合、そのうち何れか1つの基礎行列のみを、エピポーラ投影に用いる基礎行列として選別する。すなわち、選別部103は、評価部による評価の結果、所定数の画像の中に互いに類似している2以上の画像がある場合、該2以上の画像のうちのいずれか1つ以外の画像を、指定部101によって指定された画像にエピポーラ投影するための画像から除外する。これにより、類似度が高い複数の画像が含む仮想特徴点vからそれぞれエピポーラ線が投影され、信頼性に欠けるエピポーラ交点が生成されることを防止することができる。
選別部103が実行する選別処理については、後に図12のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
評価部108は、指定部101によって指定された画像より前の所定数の画像のそれぞれについて基礎行列取得部102によって取得された基礎行列の類似度を評価する。具体的には、評価部108は、異なる2つの基礎行列の間において、一方の基礎行列に含まれる各要素と、他方の基礎行列に含まれる各要素と、を比較することにより、この2つの基礎行列の類似度を評価する。類似度は、2つの基礎行列に含まれる要素同士を比較した結果を様々に用いて、取得することができる。
例えば、評価部108は、異なる2つの基礎行列の間において、一方の基礎行列を正規化した行列に含まれる各要素と、他方の基礎行列を正規化した行列における対応する要素と、の差分をとった値がいずれも閾値以下である場合に、この2つの基礎行列が類似していると評価する。
すなわち、基礎行列は3行3列の行列であって9つの要素を有するため、評価部108は、比較対象の一方の基礎行列に含まれる9つの要素と他方の基礎行列に含まれる9つの要素との同じ位置にある要素同士での差分をとる。そして、得られた9つの差分値を、それぞれ予め定められた9つの閾値と比較する。これは、比較対象の一方の基礎行列と他方の基礎行列との差分をとった3行3列の差分行列を計算し、得られた差分行列を、予め定められた9つの閾値を要素として有する3行3列の閾行列と比較することと同じである。9つの差分値と比較する9つの閾値は、全て同じ値であってもよいし、互いに異なってもよい。比較の結果、9つの差分値全てが閾値以下である場合に、評価部108は、この2つの基礎行列が類似していると評価する。
或いは、評価部108は、異なる2つの基礎行列の間において、一方の基礎行列を正規化した行列に含まれる各要素と、他方の基礎行列を正規化した行列における対応する要素と、の差分の2乗和をとった値が閾値以下である場合に、この2つの基礎行列が類似していると評価してもよい。
この場合、評価部108は、比較対象の一方の基礎行列に含まれる9つの要素と他方の基礎行列に含まれる9つの要素との同じ位置にある要素同士での差分をとり、得られた9つの差分値のそれぞれを2乗して加算する。そして、得られた加算値を予め定められた1つの閾値と比較して、加算値が閾値以下である場合に、評価部108は、この2つの基礎行列が類似していると評価する。
このように、評価部108は、指定部101によって指定された画像より前の所定数の画像のそれぞれについて取得された所定数の基礎行列の中に、互いに類似している複数の基礎行列があるか否かを評価する。そして、選別部103は、評価部108による評価結果に基づいて、所定数の画像の中から指定された画像にエピポーラ投影するための画像を選別する。
仮想特徴点生成部104は、仮想特徴点生成処理を実行し、基礎行列取得部102によって取得された基礎行列のうち、選別部103によって選別された画像について取得された基礎行列に基づいて、選別部103によって選別された画像内の互いに対応する特徴点p又は仮想特徴点vを指定部101により指定された画像にエピポーラ投影することにより、指定された画像内における仮想特徴点vを生成する。
具体的には、仮想特徴点生成部104は、画像間のエピポーラ関係を表す基礎行列Fに基づいて、対応点を生成するエピポーラ転送という方法により仮想特徴点vを生成する。
図4を参照して、エピポーラ転送の概念を説明する。第Xフレームの画像と第Yフレームの画像とにおける互いに対応する点m3、m4がそれぞれ第Zフレームの画像に投影するエピポーラ線L3、L4は、第Zフレームの画像中の、点m3及び点m4に対応する点m5で交わる。エピポーラ線L3、L4及びその交点である点m5は、画像間のエピポーラ関係を表す基礎行列FX、Z、FY、Zに基づいて算出できる。すなわち、第Zフレーム中の対応点である点m5を、画像間のエピポーラ関係を表す基礎行列Fに基づいて生成できる。
仮想特徴点生成部104は、このエピポーラ転送を用いて、指定された画像内における仮想特徴点vを生成する。
図4に示すように、少なくとも2本のエピポーラ線があればその交点を仮想特徴点vとして取得できるものの、実際にはノイズやトラッキングエラー、モデリングエラー等の影響により交点の信頼性は損なわれている。そこで、仮想特徴点生成部104は、最大10本のエピポーラ線のうち組み合わせ可能な異なる2本のエピポーラ線の交点(最大で10=45個の交点)を求め、求めた交点の座標の平均を求めることにより、より正確な仮想特徴点vを取得する。
具体的には、図5に示すように、仮想特徴点生成部104は、第tフレームの画像に、この画像の直前に撮像された連続する10フレーム分の画像(第(t−10)フレームから第(t−1)フレームまでの過去10フレーム)に含まれる仮想特徴点v t−1〜v t−10がそれぞれ投影する10本のエピポーラ線を、基礎行列取得部102によって取得された基礎行列Ft、t−1〜Ft、t−10に基づいて求める。そして、求めた10本のエピポーラ線の交点の平均を、第tフレームの画像中の仮想特徴点v として取得する。
仮想特徴点生成部104が実行する仮想特徴点生成処理については、後に図14のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
仮想特徴点軌道構築部105は、手ぶれ補正対象の動画を構成する複数の画像の中から指定部101が指定する画像を変えて、指定部101、基礎行列取得部102、選別部103、及び仮想特徴点生成部104の処理を繰り返すことにより、仮想特徴点軌道vを構築する。
仮想特徴点軌道vは、仮想特徴点vの複数のフレームに亘る軌跡である。仮想特徴点軌道構築部105は、仮想特徴点生成部104に、手ぶれ補正対象の動画を構成する各フレームの画像において仮想特徴点vを生成させることにより仮想特徴点vを時間的に追跡し(複数のフレームに亘って追跡し)、仮想特徴点軌道vを構築する。
仮想特徴点軌道vは、図6に示すように、手ぶれ補正前の(手ぶれの影響を受けた)撮像装置1の動きを表している。
特徴点軌道pが画像からKLT法を用いて抽出された特徴点pによって構成されるのに対し、仮想特徴点軌道vはエピポーラ転送により生成された仮想特徴点vによって構成される。
三次元空間内の被写体の一部分が、あるフレームの画像において物体の影に隠れてしまったり、撮像装置1の視野から外れてしまったりした場合、この部分に含まれる点の、当該フレームの画像における投影点である特徴点pをKLT法により抽出することはできない。しかし、このフレームの画像内の仮想特徴点vは、過去のフレームの画像内の対応する仮想特徴点vをエピポーラ転送することにより生成できる。また、KLT法ではトラッキングエラーとなり特徴点pが抽出できない場合でも、エピポーラ転送によれば仮想特徴点vを生成することができる。
このため、仮想特徴点軌道vは、特徴点軌道pよりも長く(多くのフレームにわたって)連続している。
仮想特徴点軌道構築部105が実行する仮想特徴点軌道vの構築処理については、後に図8のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
平滑化部106は、仮想特徴点軌道構築部105によって構築された仮想特徴点軌道vを時間方向に平滑化することにより、平滑化された仮想特徴点軌道〜vを取得する。
具体的には、平滑化部106は、下記の式(3)を用い、仮想特徴点軌道vを構成する仮想特徴点vそれぞれの座標とガウシアンカーネルとの畳み込みを作ることにより、平滑化された仮想特徴点軌道〜vを構成する手ぶれ補正後の仮想特徴点〜v の座標を取得する。ここで、gは下記の式(4)で表されるガウシアンカーネルである。
Figure 0006421587
Figure 0006421587
本実施形態では、σ=50のガウシアンカーネルを用いて仮想特徴点軌道vを平滑化する。
仮想特徴点軌道vが手ぶれ補正前の(手ぶれの影響を受けた)撮像装置1の動きを表していたのに対し、平滑化された仮想特徴点軌道〜vは、図6に示すように、手ぶれ補正後の(手ぶれの影響を除去した)撮像装置1の動きを表す。
具体的には図6に示すように、手ぶれ補正後の動画を構成する各フレームの画像は、平滑化された仮想特徴点軌道〜vによって定義される。すなわち、手ぶれ補正前の動画を構成する各フレームの画像と手ぶれ補正後の動画を構成する各フレームの画像との間の関係は、仮想特徴点軌道vと平滑化された仮想特徴点軌道〜vとの間の関係によって定義される。
補正部107は、仮想特徴点軌道構築部105によって構築された仮想特徴点軌道vと、平滑化部106によって平滑化された仮想特徴点軌道〜vと、の間の関係に基づいて、手ぶれ補正対象の動画を構成する複数の画像それぞれを補正する。
具体的には、補正部107は、手ぶれ補正前の動画が含む各フレームの画像に対し、手ぶれ補正前の画像が含む特徴点pを手ぶれ補正後の画像が含む手ぶれ補正後の特徴点〜pへ移すような射影変換を施すことにより、手ぶれ補正を実行する。
例えば、補正部107は、手ぶれ補正前の動画を構成する各フレームの画像に対し、各フレームの画像における任意の点(x、y)を次の式(5)を満たす点(x’、y’)へ移す射影変換を施すことにより、手ぶれ補正後の画像を取得する。ここで、式(5)中の射影変換パラメータa〜hは、下記の式(6)を用いて求めることができる。
Figure 0006421587
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式(6)から明らかなように、射影変換パラメータa〜hは、少なくとも4組の対応点(x1,y1)と(x1’、y1’)〜(x4,y4)と(x4’とy4’)が与えられれば求めることができる。補正部107は、手ぶれ補正前の各フレームの画像に含まれる特徴点pと、これに対応する手ぶれ補正後のフレームの画像に含まれる手ぶれ補正後の特徴点〜pと、を式(6)に代入することにより、射影変換パラメータa〜hを取得し、射影変換を行う。
手ぶれ補正後の画像が手ぶれ補正後の撮像装置1の動きを表す平滑化された仮想特徴点軌道〜vによって定義されるため、手ぶれ補正後の特徴点〜pは、仮想特徴点軌道vと平滑化された仮想特徴点軌道〜vとの間の関係に基づいて取得することができる。
具体的には、図6に示すように、手ぶれ補正前の画像と手ぶれ補正後の画像との間のエピポーラ関係を表す基礎行列〜Fが、仮想特徴点軌道vと平滑化された仮想特徴点軌道〜vとの間の関係に基づいて取得される。そして、図7に示すように、手ぶれ補正後の各フレームの画像に、前後5フレーム分の手ぶれ補正前の画像に含まれる特徴点pを、取得された基礎行列〜Fに基づいてエピポーラ転送することにより、手ぶれ補正後の特徴点〜pが生成される。
このように、補正部107は、仮想特徴点軌道vと平滑化された仮想特徴点軌道〜vとの間の関係に基づいて求めた射影変換パラメータを用いて射影変換を行うことにより、手ぶれ補正対象の動画を構成する各フレームの画像に手ぶれ補正を施す。上述したとおり、エピポーラ転送を用いて構築される仮想特徴点軌道vは長く(多くのフレームにわたって)連続しているため、大規模なフィルタを適用し(σ=50の大きなガウシアンカーネルを用いて時間方向に平滑化し)、手ぶれ補正後の画像を定義することができる。
図1に戻って、ユーザインタフェース部30は、表示部31と、操作部32と、外部インタフェース33と、を含む。
表示部31は、例えばLCD(Liquid Crystal Displey)やCRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を備え、出力部22から供給されたRGB信号に基づいて、撮像部10により生成され、外部記憶部23により記憶されている手ぶれ補正対象の動画、画像処理装置100が手ぶれ補正対象の動画に手ぶれ補正処理を施すことにより生成した動画等を含む種々の動画像を表示する。
操作部32は、ユーザからの操作指示を受け付ける。操作部32は、撮像装置1の電源スイッチ、シャッタボタン、撮像装置1の種々の機能を選択するためのボタン等、各種の操作ボタンを備える。操作部32は、ユーザから操作指示を受け付けると、受け付けた指示情報を撮像部10やデータ処理部20のCPU24等に供給する。
なお、表示部31と操作部32とは、互いに重畳して配置されたいわゆるタッチパネルによって構成されるものであってもよい。
外部インタフェース33は、撮像装置1の外部の機器とデータをやり取りするためのインタフェースである。例えば、外部インタフェース33は、画像処理装置100が手ぶれ補正対象の動画に手ぶれ補正処理を施すことによって生成した動画を、USB(Universal Serial Bus)規格のデータに変換して、USBケーブルを介して外部の機器との間でデータを送受信する。
以下、撮像装置1及び画像処理装置100が動画に手ぶれ補正を施す動作の詳細を、図8〜図15を参照しながら説明する。
撮像装置1が備える撮像部10は、予め、被写体を撮像することにより、手ぶれ補正対象の動画を生成している。当該動画は、時間的に連続して撮像された複数フレームの画像を含んでいる。生成された動画は、外部記憶部23によって記憶される。
ユーザは、動画の手ぶれを補正することを所望する場合、操作部32を操作することにより、手ぶれ補正対象の動画のデータを主記憶部21に展開する。そして、撮像装置1が備える複数の動作モードの1つである「手ぶれ補正モード」を選択する。
操作部32が、ユーザによる「手ぶれ補正モード」を選択する操作を受け付けると、CPU24は、特徴点抽出プログラムや画像処理プログラムを含む、図8のフローチャートに示す手ぶれ補正処理を実行するためのプログラムを外部記憶部23から読み出し、主記憶部21に展開する。
このような状態において、ユーザが、操作部32を操作して手ぶれ補正の開始を指示すると、画像処理装置100が、図8のフローチャートに示す手ぶれ補正処理を開始する。
手ぶれ補正処理を開始すると、まず、指定部101が、手ぶれ補正開始フレームを指定する(ステップS1)。手ぶれ補正開始フレームは、手ぶれ補正対象の動画に含まれる複数のフレームのうち最初の(撮像時刻が最も古い)フレームである。以下、指定部101により指定されたフレームを、第tフレームと表記する。
オプティカルフロー取得部102aは、オプティカルフロー取得処理を実行する(ステップS2)。これにより、オプティカルフロー取得部102aは、第tフレームより以前の10フレーム(第(t−1)フレーム〜第(t−10)フレーム)分の画像それぞれから互いに対応する特徴点pを抽出する。そして、画像間の特徴点pの移動ベクトルによって形成される画像間のオプティカルフローを取得すると共に、特徴点軌道pを取得する。
以下、ステップS2のオプティカルフロー取得処理の詳細を、図9のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2のオプティカルフロー取得処理を開始すると、オプティカルフロー取得部102aは、まず、図8のフローチャートのステップS1において指定部101により指定されたフレーム(第tフレーム)を第Aフレームとして設定し(ステップS201)、第(t−10)フレーム(第tフレームの10フレーム前のフレーム)を第Bフレームとして設定する(ステップS202)。
次に、オプティカルフロー取得部102aは、第Aフレームの画像と第Bフレームの画像との間のオプティカルフローが、以前に実行されたオプティカルフロー取得処理によって取得済みであるか否かを判別する(ステップS203)。
取得済みであると判別すると(ステップS203;YES)、処理はステップS208へ移る。これにより、既に取得したオプティカルフローを重複して取得することを防止できる。
オプティカルフローが未取得であると判別すると(ステップS203;NO)、オプティカルフロー取得部102aは、第Aフレームの画像から、KLT法を用いて特徴点pを抽出する(ステップS204)。
そして、オプティカルフロー取得部102aは、第Bフレームの画像から、ステップS204で第Aフレームの画像から抽出した各特徴点pに対応する特徴点pを、KLT法を用いて抽出する(ステップS205)。
ステップS204及びステップS205で互いに対応する特徴点pを抽出すると、オプティカルフロー取得部102aは、抽出した特徴点p間のベクトル(特徴点pの移動ベクトル)を取得することにより、これらの移動ベクトルによって形成される、第Aフレームの画像と第Bフレームの画像との間のオプティカルフローを取得する(ステップS206)。また、オプティカルフロー取得部102aは、ステップS204及びステップS205で抽出した特徴点pによって構成される特徴点軌道pを作成する(ステップS207)。
オプティカルフローと特徴点軌道pとを取得した後、オプティカルフロー取得部102aは、値Bを1だけインクリメントする(ステップS208)。すなわち、オプティカルフロー取得部102aは、ステップS203〜S207の処理対象となる第Bフレームを、次の(次に撮像時刻が新しい)フレームに移す。例えば、直前に実行したステップS203〜S207の処理において、第(t−10)フレームが第Bフレームとして設定されていた場合、ステップS208において、第(t−10)フレームの次のフレームである第(t−9)フレームが、新たに第Bフレームとして設定される。
値Bをインクリメントした後、オプティカルフロー取得部102aは、インクリメントされた後の値Bが値Aに一致するか否か(第Bフレームと第Aフレームとが同一であるか否か)を判別する(ステップS209)。
インクリメント後の値Bが値Aに一致しない(第Bフレームと第Aフレームとが同一ではない)と判別すると(ステップS209;NO)、処理はステップS203へ戻る。
すなわち、オプティカルフロー取得部102aは、値Bを1ずつインクリメントしながら、インクリメント後の値Bが値Aに一致する(第Bフレームと第Aフレームとが同一である)と判別するまで(ステップS209においてYESと判別されるまで)ステップS203〜S208の処理を繰り返す。これにより、特徴点軌道pを取得すると共に、図10に示すように、第Aフレームの画像と、第tフレーム直前の10フレームのうち第Aフレームより以前のフレームの画像と、の間のオプティカルフローを取得する。
最終的に、インクリメント後の値Bが値Aに一致する(第Bフレームと第Aフレームとが同一である)と判別すると(ステップS209;YES)、オプティカルフロー取得部102aは、値Aを1だけディクリメントする(ステップS210)。すなわち、ステップS202〜S209の処理対象となる第Aフレームを、直前の(次に撮像時刻が古い)フレームに移す。例えば、直前に実行したステップS202〜S209の処理において、第tフレームが第Aフレームとして設定されていた場合、ステップS210において、第tフレームの直前のフレームである第(t−1)フレームが、新たに第Aフレームとして設定される。
ステップS210で値Aを1だけディクリメントした後、オプティカルフロー取得部102aは、ディクリメント後の値Aが値(t−10)に一致するか否かを判別する(ステップS211)。
ディクリメント後の値Aが値(t−10)に一致しないと判別すると(ステップS211;NO)、処理はステップS202へ戻る。
すなわち、オプティカルフロー取得部102aは、値Aを1ずつディクリメントしながら、ディクリメント後の値Aが値(t−10)に一致すると判別するまで(ステップS211においてYESと判別するまで)、ステップS202〜S210の処理を繰り返す。これにより、特徴点軌道pを取得すると共に、図10に示すように、第tフレーム及び第tフレームの直前の10フレームそれぞれについて、各フレームの画像と、各フレームより以前のフレームの画像と、の間のオプティカルフローを取得する。
ディクリメント後の値Aが値(t−10)に一致すると判別すると(ステップS211;YES)、オプティカルフロー取得部102aは、オプティカルフロー取得処理を終了する。
図8のフローチャートに戻って、ステップS2のオプティカルフロー取得処理終了後、基礎行列取得部102は、基礎行列取得処理を実行する(ステップS3)。
以下、ステップS3の基礎行列取得処理の詳細を、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3の基礎行列取得処理を開始すると、基礎行列取得部102は、まず、第(t−10)フレーム(第tフレームより10フレーム前のフレーム)を第Gフレームとして設定する(ステップS301)。
次に、基礎行列取得部102は、オプティカルフロー取得処理により取得された、第tフレームの画像と第Gフレームの画像との間のオプティカルフローに基づいて、第Gフレームの画像と第tフレームの画像との間のエピポーラ関係を表す基礎行列FG,tを取得する(ステップS302)。
具体的には、基礎行列取得部102は、第Gフレームの画像と第tフレームの画像との間のオプティカルフローを形成する特徴点pの移動ベクトルのうち、複数の特徴点pの移動ベクトルの始点と終点の座標(例えば、同次座標)を対応点として用い、8ポイントアルゴリズムとRANSAC法により上述の式(2)で表される基礎行列Fの各パラメータを求める。
ステップS302において基礎行列FG,tを取得した後、基礎行列取得部102は、値Gを1だけインクリメントし(ステップS303)、インクリメント後の値Gが値tに一致するか否かを判別する(ステップS304)。一致しないと判別された場合(ステップS304;NO)、処理はステップS302へ戻る。
すなわち、基礎行列取得部102は、値Gを1ずつインクリメントしながら、インクリメント後の値Gが値tに一致すると判別されるまで(ステップS304においてYESと判別されるまで)、ステップS302〜S303の処理を繰り返す。これにより、指定部101によって指定された第tフレームの画像と、指定されたフレームの画像の直前10フレーム分の画像それぞれと、の間のエピポーラ関係を表す基礎行列Ft-10,t〜Ft-1,tを取得する。
インクリメント後の値Gが値tに一致すると判別した場合(ステップS304;YES)、基礎行列取得部102は、基礎行列取得処理を終了する。
図8のフローチャートに戻って、ステップS3の基礎行列取得処理が終了した後、選別部103は、フレーム選別処理を実行する(ステップS4)。
以下、ステップS4のフレーム選別処理の詳細について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4のフレーム選別処理を開始すると、選別部103は、指定部101が指定したフレーム(第tフレーム)の10フレーム前のフレーム(第(t−10)フレーム)を第Cフレームとして設定する(ステップS401)。
次に、評価部108が、基礎行列取得処理によって取得された基礎行列のうち、第Cフレームの画像と第tフレームの画像と間の関係を表す基礎行列FC,tと、第tフレームの画像との関係を表す他の基礎行列FC+1,t〜Ft-1,tとの類似性を評価する(ステップS402)。
具体的には図13に示すように、評価部108は、第Cフレームの画像と第tフレームの画像との間の関係を表す基礎行列FC,tと、第tフレームより以前の10フレームのうち第Cフレームより後に撮像された(t−C−1)個の各フレームの画像と第tフレームの画像との間の関係を表す基礎行列FC+1,t〜Ft-1,tと、が類似しているか否かを順次判別していく。そして、基礎行列FC+1,t〜Ft-1,tの中に、基礎行列FC,tと類似しているものがあるか否かを評価する。評価部108による基礎行列の類似度の評価は、具体的には上述したように、異なる2つの基礎行列の間において、一方の基礎行列に含まれる各要素と、他方の基礎行列に含まれる各要素と、を比較することによって得られる。
類似性の評価の結果、選別部103は、基礎行列FC,tと類似している基礎行列があるか否かを判別する(ステップS403)。判別の結果、基礎行列FC,tと類似している基礎行列がある場合(ステップS403;YES)、選別部103は、第Cフレームを、第tフレームの画像へのエピポーラ転送をスキップするフレームとして、RAM等のメモリに一時的に保存する(ステップS404)。
一方、基礎行列FC,tと類似している基礎行列がない場合(ステップS403;NO)、選別部103は、第Cフレームはスキップするフレームではないと判別する。そのため、ステップS404の処理を実行せず、第Cフレームをスキップするフレームとしては保存しない。
このように第Cフレームをスキップするか否かを決定すると、選別部103は、値Cを1だけインリメントする(ステップS405)。そして、インクリメント後の値Cが値(t−1)に一致するか否かを判別する(ステップS406)。一致しないと判別した場合(ステップS406;NO)、処理はステップS402へ戻る。
すなわち、選別部103は、値Cを1ずつインクリメントしながら、インクリメント後の値Cが値(t−1)に達するまで、ステップS402〜S405の処理を繰り返す。これにより、図13に示すように、第tフレームの直前の10フレーム分それぞれについて、第Cフレームより後に撮像された各フレームの画像と第tフレームの画像との間の関係を表す基礎行列FC+1,t〜Ft-1,tと、が類似しているか否かを順次判別していく。そして、基礎行列FC+1,t〜Ft-1,tの中に基礎行列FC,tと類似しているものがある場合に、第Cフレームを、第tフレームの画像へのエピポーラ転送をスキップするフレームとして保存していく。
最終的に、値Cが値(t−1)に一致すると(ステップS406;YES)、第Cフレームが第(t−1)フレームにまで達したため、基礎行列FC,tとの類似度を評価する基礎行列がなくなる。そのため、選別部103は、フレーム選別処理を終了する。
図8のフローチャートに戻って、ステップS4のフレーム選別処理が終了した後、仮想特徴点生成部104は、仮想特徴点生成処理を実行する(ステップS5)。これにより、基礎行列取得処理によって取得された基礎行列Fに基づいて、ステップS1で指定部101によって指定されたフレーム(第tフレーム)より前の10フレーム分の画像内の互いに対応する仮想特徴点vを第tフレームの画像にエピポーラ転送することにより、第tフレームの画像内における仮想特徴点vを生成する。
以下、ステップS5の仮想特徴点生成処理の詳細について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
仮想特徴点生成処理においては、第tフレームより前の10フレーム分の画像が含む仮想特徴点vが第tフレームへ投影するエピポーラ線を求める必要がある。しかし、手ぶれ補正処理の初期段階においては、エピポーラ線の投影元となるべき過去のフレームの画像に含まれる仮想特徴点vが未だ生成されていないことがある。そこで、仮想特徴点生成処理を開始すると、仮想特徴点生成部104は、まず、仮想特徴点軌道準備処理を実行する(ステップS501)。
以下、ステップS501の仮想特徴点軌道準備処理の詳細について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
仮想特徴点軌道準備処理を開始すると、仮想特徴点生成部104は、まず、第tフレームより以前のフレームにおいて構築された仮想特徴点軌道vのうち何れか1つを選択する(ステップS501a)。
そして、仮想特徴点生成部104は、選択した仮想特徴点軌道vが第(t−1)フレームまで伸びているか否かを判別する(ステップS501b)。すなわち、仮想特徴点生成部104は、選択した仮想特徴点軌道vが第(t−1)フレームより前のフレームから、第(t−1)フレームまで連続しているか否かを判別する。
仮想特徴点軌道vが第(t−1)フレームまで伸びていると判別した場合(ステップS501b;YES)、仮想特徴点生成部104は、選択した仮想特徴点軌道vを仮想特徴点生成のための初期軌道として用いることができるので、処理はステップS501dへ移る。
一方、仮想特徴点軌道vが第(t−1)フレームまで伸びていないと判別された場合(ステップS501b;NO)、仮想特徴点生成部104は、第tフレームの直前に撮像された5フレーム分の画像から取得された特徴点軌道pを仮想特徴点軌道vにコピーする(ステップS501c)。すなわち、仮想特徴点生成部104は、第(t−1)〜第(t−5)フレームの画像から抽出済みの特徴点pを、これらの画像中の仮想特徴点vと見なし、仮想特徴点生成のための初期軌道を取得する。
本実施形態では、100の仮想特徴点軌道vにより、手ぶれ補正前の撮像装置1の動きを定義する(手ぶれ補正前の各フレームの画像を定義する)。そこで、ステップS501dにおいて、仮想特徴点生成部104は、100個の仮想特徴点軌道vに対してステップS501b〜S501cの処理を施したか否か判別する(ステップS501d)。100個の仮想特徴点軌道vに処理を施していないと判別すると(ステップS501d;NO)、処理はステップS501aへ戻り、仮想特徴点生成部104は、別の仮想特徴点軌道vを選択してステップS501b〜S501cの処理を実行する。
最終的に、100個の仮想特徴点軌道vに処理を施したと判別すると(ステップS501d;YES)、仮想特徴点生成部104は、仮想特徴点軌道準備処理を終了する。
図14のフローチャートに戻って、ステップS501の仮想特徴点軌道準備処理を終了した後、仮想特徴点生成部104は、仮想特徴点軌道準備処理を施された100の仮想特徴点軌道vのうち何れか1つを選択する(ステップS502)。
次に、仮想特徴点生成部104は、第(t−10)フレーム(第tフレームより10フレーム前のフレーム)を第Hフレームとして設定し(ステップS503)、第Hフレームが、ステップS4におけるフレーム選別処理において、非スキップ対象と評価されたか否かを判別する(ステップS504)。
第Hフレームの画像と第tフレームの画像との間の関係を表す基礎行列が、第Hフレームから第tフレームまでの他のフレームの画像と第tフレームの画像との関係を表す基礎行列の何れかに類似している場合、第Hフレームは、フレーム選別処理により、スキップ対象と評価されている。この場合、仮想特徴点生成部104は、第Hフレームを非スキップ対象と評価されていないと判別し(ステップS504;NO)、処理はステップS506へ移る。
第Hフレームの画像と第tフレームの画像との間の関係を表す基礎行列が、第Hフレームから第tフレームまでの他のフレームの画像と第tフレームの画像との関係を表す基礎行列の何れにも類似していなかった場合、第Hフレームは、フレーム選別処理により、非スキップ対象と評価されている。この場合、仮想特徴点生成部104は、非スキップ対象と評価されていると判別する(ステップS504;YES)。そして、仮想特徴点生成部104は、ステップS3における基礎行列取得処理によって取得された、第tフレームの画像と第Hフレームの画像との間のエピポーラ関係を表す基礎行列Ft、Hに基づいて、選択した仮想特徴点軌道vに含まれる第Hフレームの画像の仮想特徴点vから、第tフレームの画像へ、エピポーラ線を投影する(ステップS505)。
エピポーラ線を取得した後、仮想特徴点生成部104は、値Hを1だけインクリメントし(ステップS506)、インクリメント後の値Hが値tに一致するか否かを判別する(ステップS507)。一致しないと判別すると(ステップS507;NO)、処理はステップS504へ戻る。
すなわち、仮想特徴点生成部104は、値Hを1ずつインクリメントしながら、インクリメント後の値Hが値tに一致すると判別されるまで(ステップS507においてYESと判別されるまで)、ステップS504〜S506の処理を繰り返す。これにより、第tフレームより前の10フレームのうち非スキップ対象と判別された各フレームの画像に含まれる仮想特徴点vから第tフレームの画像へ、順次エピポーラ線を投影する。
最終的に、インクリメント後の値Hが値tに一致すると判別した場合(ステップS507;YES)、仮想特徴点生成部104は、第tフレームの画像に投影した複数のエピポーラ線から任意の1組を選択する(ステップS508)。そして、選択した1組のエピポーラ線が互いに成す角が1.5°以上であるか否かを判別する(ステップS509)。
1組のエピポーラ線が平行に近いほど、これらのエピポーラ線が与える交点の信頼は低い。そこで、仮想特徴点生成部104は、一定以上に大きな角を成すエピポーラ線の組が与える交点の座標のみを取得することにより、信頼性の低い交点を排除する。
具体的には、成す角が1.5°未満であると判別すると(ステップS509;NO)、処理はステップS511へ移る。一方、成す角が1.5°以上であると判別すると(ステップS509;YES)、仮想特徴点生成部104は、これらのエピポーラ線の交点の座標を取得し(ステップS510)、処理はステップS511へ移る。
ステップS511において、仮想特徴点生成部104は、第tフレームの画像に投影した複数のエピポーラ線から選択可能な全ての組み合わせを選択したか否かを判別する(ステップS511)。選択されていない組み合わせがあると判別すると(ステップS511;NO)、処理はステップS508へ戻り、仮想特徴点生成部104は、未だ選択されていない組み合わせを選択して、同様の処理を実行する。
選択可能な全ての組み合わせが選択されたと判別すると(ステップS511;YES)、仮想特徴点生成部104は、取得された全ての交点座標の平均値を求め、この平均値と、取得された全ての交点座標の中央値と、の間の距離が5画素より小さいか否か判別する(ステップS512)。
具体的には、平均値と中央値との間の距離が5画素より小さいと判別すると(ステップS512;YES)、仮想特徴点生成部104は、平均値を第tフレーム中の仮想特徴点vの座標として取得し(ステップS513)、処理はステップS514へ移る。
平均値が中央値から5画素以上離れていると判別すると(ステップS512;NO)、処理はステップS514へ移る。すなわち、交点座標の平均値が中央値から5画素以上離れている場合、トラッキングエラーである可能性が高い。そこで、中央値から5画素以上離れている平均値の取得をスキップすることにより、信頼性に欠ける交点を排除する。
ステップS514において、仮想特徴点生成部104は、ステップS501の仮想特徴点軌道準備処理により処理された100の仮想特徴点軌道v全てが選択されたか否かを判別する(ステップS514)。未だ選択されていない仮想特徴点軌道vがあると判別すると(ステップS514;NO)、処理はステップS502へ戻り、仮想特徴点生成部104は、未選択の仮想特徴点軌道vのうち何れか1を選択して、同様の仮想特徴点生成処理を実行する。
最終的に、全ての仮想特徴点軌道vが選択済みであると判別すると(ステップS514;YES)、仮想特徴点生成部104は、仮想特徴点生成処理を終了する。
図8のフローチャートに戻って、ステップS5の仮想特徴点生成処理が終了した後、仮想特徴点軌道構築部105は、仮想特徴点生成処理によって生成された仮想特徴点vを、仮想特徴点軌道vを構成する点に追加することにより、仮想特徴点軌道vを延長する(ステップS6)。
そして、仮想特徴点軌道構築部105は、指定部101が指定したフレーム(第tフレーム)が手ぶれ補正終了フレームであるか否かを判別する(ステップS7)。手ぶれ補正終了フレームは、手ぶれ補正対象の動画が含む複数のフレームのうち最後の(撮像時刻が最も新しい)フレームである。
第tフレームが手ぶれ補正終了フレームではないと判別すると(ステップS7;NO)、仮想特徴点軌道構築部105は、指定部101に、直前に実行されたステップS2〜S6の処理において第tフレームとして設定されていたフレームの次の(次に撮像時刻が新しい)フレームを、新たな第tフレームとして設定させ(ステップS13)、処理はステップS2へ戻る。
すなわち、仮想特徴点軌道構築部105は、手ぶれ補正対象の動画が含む複数フレームの画像の中から指定部101が指定する画像を変えて、ステップS2〜S6の処理を繰り返す。これにより、仮想特徴点軌道構築部105は、仮想特徴点軌道vを構築する。
第tフレームが手ぶれ補正終了フレームであると判別されると(ステップS7;YES)、平滑化部106が、構築された仮想特徴点軌道vをσ=50のガウシアンカーネルにより時間方向に平滑化し、平滑化された仮想特徴点軌道〜vを取得する(ステップS8)。
そして、補正部107は、仮想特徴点軌道vと平滑化された仮想特徴点軌道〜vとの間の関係に基づいて、手ぶれ補正前の各フレームの画像と手ぶれ補正後の各フレームの画像との間のエピポーラ関係を表す基礎行列〜Fを取得する(ステップS9)。
具体的には、補正部107は、仮想特徴点軌道vを形成する仮想特徴点vと、平滑化された仮想特徴点軌道〜vを形成する手ぶれ補正後の仮想特徴点〜vと、を対応点として用い、8ポイントアルゴリズムとRANSAC法により基礎行列〜Fを求める。
そして、補正部107は、ステップS9で取得した基礎行列〜Fに基づいてエピポーラ転送を行うことにより、手ぶれ補正後の特徴点軌道〜pを取得する(ステップS10)。
具体的には、補正部107は、手ぶれ補正後の各フレームの画像に、手ぶれ補正前の前後5フレームの画像に含まれる特徴点pが投影するエピポーラ線を、基礎行列〜Fに基づいて取得する。そして、図6に示すように、エピポーラ線の交点により定まる点を、手ぶれ補正後の各フレームの画像が含む手ぶれ補正後の特徴点〜pとして取得する。手ぶれ補正後の特徴点軌道〜pは、手ぶれ補正後の特徴点〜pによって構成される軌道として取得される。
補正部107は、取得された手ぶれ補正後の特徴点軌道〜pをσ=6のガウシアンカーネルを用いて時間方向に平滑化することにより、高周波ジッタを除去する(ステップS11)。
補正部107は、手ぶれ補正対象の動画が含む各フレームの画像に対し、特徴点軌道pと手ぶれ補正後の特徴点軌道〜pとの間の関係に基づいて射影変換を実行することにより手ぶれを補正する(ステップS12)。以上により、図8のフローチャートに示した手ぶれ補正処理を終了する。
具体的には、補正部107は、特徴点軌道pを構成する特徴点pの座標と、手ぶれ補正後の特徴点軌道〜pを構成する手ぶれ補正後の特徴点〜pの座標と、を対応点として式(6)に代入することにより射影変換パラメータを求める。そして、手ぶれ補正対象の動画を構成する複数の画像それぞれを射影変換し、射影変換された複数の画像によって構成される動画を、手ぶれを補正した動画として生成する。
以上説明したように、本実施形態に係る撮像装置1及び画像処理装置100は、エピポーラ幾何を利用することにより、視差の影響を考慮した手ぶれ補正を動画に対して施すことができる。
さらに、本実施形態に係る撮像装置1及び画像処理装置100は、手ぶれ補正対象の動画を構成する各画像間の関係を表す基礎行列の類似度を評価して、評価結果に基づいてエピポーラ投影の計算を実行する画像を選別している。これにより、精度の良くないエピポーラ転送を行うフレームを事前に選別して、エピポーラ転送の計算をスキップできるため、計算量を削減できる。そのため、手ぶれ補正処理の時間短縮につながる。
以上に本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
上記実施形態において、画像処理装置100は、撮像装置1の内部に具備されていた。しかし、本発明に係る画像処理装置は、撮像装置から独立した装置であってもよい。例えば、コンピュータ等の情報処理装置が、本発明に係る画像処理装置として機能することができる。この場合、画像処理装置は、外部の撮像装置が撮像した動画を手ぶれ補正対象の動画として取得し、上述の手ぶれ補正を施せばよい。
上記実施形態において、画像処理装置100は、撮像部10が被写体を撮像することにより生成し外部記憶部23に記憶されていた動画を、外部記憶部23から手ぶれ補正の対象として取得した。撮像装置1は、外部記憶部23からではなく、外部の画像入力装置(例えば、デジタルカメラやメモリカード、ネットワーク)から手ぶれ補正対象の動画を予め取得し、記憶しておいてもよい。
上記実施形態では、KLT法を用いて各フレームの画像から互いに対応する特徴点pを抽出した。しかし、本発明では、KLT法以外の方法を用いて特徴点pを抽出してもよい。例えば、Harrisオペレータ、SUSANオペレータ、Foerstnerオペレータ、Sojakオペレータ、SIFT等を用いることができる。
上記実施形態では、仮想特徴点軌道vをガウシアンカーネルで平滑化することにより、平滑化された仮想特徴点軌道〜vを取得した。しかし、本発明では、平滑化は、ガウシアンカーネル以外の関数(例えば、ラプラシアンフィルタ)を用いて行ってもよい。
上記実施形態では、手ぶれ補正対象の画像全体に対して一括して射影変換を施すことにより手ぶれ補正を実行した。しかし、本発明では、画像が含む複数の画像領域それぞれに射影変換を施し、射影変換後の画像領域を再結合することにより手ぶれ補正を施すこともできる。
上記実施形態では、本発明に係る画像処理装置、撮像装置及び画像処理方法を、撮像装置1及び画像処理装置100を例に用いて説明した。本発明に係る画像処理装置、撮像装置、及び画像処理方法は、コンピュータ、携帯電話機、デジタルカメラ、PDA(Personal Digital Assistance)等の任意の電子機器によって実現することができる。
具体的には、コンピュータ、携帯電話機、デジタルカメラ、PDA等を本発明に係る撮像装置及び画像処理装置として動作させるためのプログラムを、これらの電子機器が読み取り可能な記録媒体(例えば、メモリカードやCD−ROM(Compact Disc Read−Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read−Only Memory)等)に格納して配布し、インストールすることにより本発明に係る撮像装置及び画像処理装置を実現することができる。
あるいは、上記プログラムを、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置(例えば、ディスク装置等)に格納しておき、コンピュータ、携帯電話機、デジタルカメラ、PDA等がこのプログラムをダウンロードすることによって本発明に係る撮像装置及び画像処理装置を実現してもよい。
また、本発明に係る撮像装置及び画像処理装置の機能を、オペレーティングシステム(OS:Operating System)とアプリケーションプログラムとの協働又は分担により実現する場合には、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
また、アプリケーションプログラムを搬送波に重畳し、通信ネットワークを介して配信してもよい。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にアプリケーションプログラムを掲示し、ネットワークを介してアプリケーションプログラムを配信してもよい。そして、このアプリケーションプログラムをコンピュータにインストールして起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、本発明に係る撮像装置及び画像処理装置を実現してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
動画を構成する複数の画像の中から1つを指定する指定部と、
前記複数の画像のうちの前記指定部によって指定された画像以外の所定数の画像のそれぞれについて、該指定された画像との関係を表す基礎行列を取得する基礎行列取得部と、
前記基礎行列取得部によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された基礎行列に基づいて、前記所定数の画像の中から、前記指定された画像にエピポーラ投影するための画像を選別する選別部と、
前記基礎行列取得部によって取得された基礎行列のうち、前記選別部によって選別された画像について取得された基礎行列に基づいて、該選別された画像内の互いに対応する特徴点又は仮想特徴点を前記指定された画像にエピポーラ投影することにより、前記指定された画像内における仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成部と、
前記複数の画像の中から前記指定部が指定する画像を変えて、前記指定部、前記基礎行列取得部、前記選別部、及び前記仮想特徴点生成部の処理を繰り返すことにより、仮想特徴点軌道を構築する仮想特徴点軌道構築部と、
前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された仮想特徴点軌道を時間方向に平滑化する平滑化部と、
前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された仮想特徴点軌道と、前記平滑化部によって平滑化された仮想特徴点軌道と、の間の関係に基づいて、前記複数の画像のそれぞれを補正する補正部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
(付記2)
前記基礎行列取得部によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された基礎行列の類似度を評価する評価部をさらに備え、
前記選別部は、前記評価部による評価結果に基づいて、前記所定数の画像の中から前記指定された画像にエピポーラ投影するための画像を選別する、
ことを特徴とする付記1に記載の画像処理装置。
(付記3)
前記選別部は、前記評価部による評価の結果、前記所定数の画像の中に互いに類似している2以上の画像がある場合、該2以上の画像のうちのいずれか1つ以外の画像を、前記指定された画像にエピポーラ投影するための画像から除外する、
ことを特徴とする付記2に記載の画像処理装置。
(付記4)
前記評価部は、異なる2つの基礎行列の間において、一方の基礎行列を正規化した行列に含まれる各要素と、他方の基礎行列を正規化した行列における対応する要素と、の差分をとった値がいずれも閾値以下である場合に、該2つの基礎行列が類似していると評価する、
ことを特徴とする付記2又は3に記載の画像処理装置。
(付記5)
前記評価部は、異なる2つの基礎行列の間において、一方の基礎行列を正規化した行列に含まれる各要素と、他方の基礎行列を正規化した行列における対応する要素と、の差分の2乗和をとった値が閾値以下である場合に、該2つの基礎行列が類似していると評価する、
ことを特徴とする付記2又は3に記載の画像処理装置。
(付記6)
付記1乃至5の何れか1つに記載の画像処理装置と、
被写体を撮像することにより、前記動画を構成する画像を生成する撮像部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
(付記7)
動画を構成する複数の画像の中から1つを指定する指定処理と、
前記複数の画像のうちの前記指定処理によって指定された画像以外の所定数の画像のそれぞれについて、該指定された画像との関係を表す基礎行列を取得する基礎行列取得処理と、
前記基礎行列取得処理によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された基礎行列に基づいて、前記所定数の画像の中から、前記指定された画像にエピポーラ投影するための画像を選別する選別処理と、
前記基礎行列取得処理によって取得された基礎行列のうち、前記選別処理によって選別された画像について取得された基礎行列に基づいて、該選別された画像内の互いに対応する特徴点又は仮想特徴点を前記指定された画像にエピポーラ投影することにより、前記指定された画像内における仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成処理と、
前記複数の画像の中から前記指定処理が指定する画像を変えて、前記指定処理、前記基礎行列取得処理、前記選別処理、及び前記仮想特徴点生成処理を繰り返すことにより、仮想特徴点軌道を構築する仮想特徴点軌道構築処理と、
前記仮想特徴点軌道構築処理によって構築された仮想特徴点軌道を時間方向に平滑化する平滑化処理と、
前記仮想特徴点軌道構築処理によって構築された仮想特徴点軌道と、前記平滑化部によって平滑化された仮想特徴点軌道と、の間の関係に基づいて、前記複数の画像のそれぞれを補正する補正処理と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
(付記8)
コンピュータを、
動画を構成する複数の画像の中から1つを指定する指定部、
前記複数の画像のうちの前記指定部によって指定された画像以外の所定数の画像のそれぞれについて、該指定された画像との関係を表す基礎行列を取得する基礎行列取得部、
前記基礎行列取得部によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された基礎行列に基づいて、前記所定数の画像の中から、前記指定された画像にエピポーラ投影するための画像を選別する選別部、
前記基礎行列取得部によって取得された基礎行列のうち、前記選別部によって選別された画像について取得された基礎行列に基づいて、該選別された画像内の互いに対応する特徴点又は仮想特徴点を前記指定された画像にエピポーラ投影することにより、前記指定された画像内における仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成部、
前記複数の画像の中から前記指定部が指定する画像を変えて、前記指定部、前記基礎行列取得部、前記選別部、及び前記仮想特徴点生成部の処理を繰り返すことにより、仮想特徴点軌道を構築する仮想特徴点軌道構築部、
前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された仮想特徴点軌道を時間方向に平滑化する平滑化部、
前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された仮想特徴点軌道と、前記平滑化部によって平滑化された仮想特徴点軌道と、の間の関係に基づいて、前記複数の画像のそれぞれを補正する補正部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
1…撮像装置、10…撮像部、11…光学レンズ、12…イメージセンサ、20…データ処理部、21…主記憶部、22…出力部、23…外部記憶部、24…CPU、30…ユーザインタフェース部、31…表示部、32…操作部、33…外部インタフェース、100…画像処理装置、101…指定部、102…基礎行列取得部、102a…オプティカルフロー取得部、103…選別部、104…仮想特徴点生成部、105…仮想特徴点軌道構築部、106…平滑化部、107…補正部、108…評価部

Claims (14)

  1. 動画を構成する複数の画像の中から1つを指定する指定部と、
    前記複数の画像のうちの前記指定部によって指定された画像以外の所定数の画像のそれぞれについて、前記指定された画像との関係を表す基礎行列を取得する基礎行列取得部と、
    前記基礎行列取得部によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された前記基礎行列に基づいて、前記所定数の画像の中から、前記指定された画像にエピポーラ投影するための画像を選別する選別部と、
    記複数の画像の中から前記指定部が指定する画像を変えて、前記指定部、前記基礎行列取得部及び前記選別部の処理を含んで繰り返す所定の処理により、仮想特徴点軌道を構築する仮想特徴点軌道構築部と、
    前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された前記仮想特徴点軌道を時間方向に平滑化する平滑化部と、
    前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された前記仮想特徴点軌道と、前記平滑化部によって平滑化された前記仮想特徴点軌道と、の間の関係に基づいて、前記複数の画像のそれぞれを補正する補正部と、
    備える
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記基礎行列取得部によって取得された前記基礎行列のうちの、前記選別部によって選別された画像について取得された前記基礎行列に基づいて、前記選別された画像内の互いに対応する特徴点を前記指定された画像に前記エピポーラ投影をすることにより、前記指定された画像内における仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成部、
    を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記所定の処理は、前記指定部、前記基礎行列取得部、前記選別部及び前記仮想特徴点生成部の処理を繰り返すことである、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記基礎行列取得部によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された前記基礎行列の類似度を評価する評価部をに備え、
    前記選別部は、前記評価部による評価結果に基づいて、前記所定数の画像の中から前記指定された画像に前記エピポーラ投影するための画像を選別する、
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記選別部は、前記評価部による前記価結により、前記所定数の画像の中に互いに類似している2以上の画像がある場合、前記2以上の画像のうちのいずれか1つ以外の画像を、前記指定された画像に前記エピポーラ投影するための画像から除外する、
    とを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  6. 前記評価部は、異なる2つの前記基礎行列の間において、一方の基礎行列を正規化した行列に含まれる各要素と、他方の基礎行列を正規化した行列における対応する要素と、の差分をとった値がいずれも閾値以下である場合に、前記2つの基礎行列が類似していると評価する、
    とを特徴とする請求項又はに記載の画像処理装置。
  7. 前記評価部は、異なる2つの前記基礎行列の間において、一方の基礎行列を正規化した行列に含まれる各要素と、他方の基礎行列を正規化した行列における対応する要素と、の差分の2乗和をとった値が閾値以下である場合に、前記2つの基礎行列が類似していると評価する、
    とを特徴とする請求項又はに記載の画像処理装置。
  8. 請求項1乃至の何れか1項に記載の前記画像処理装置と、
    被写体を撮像することにより、前記動画を構成する画像を生成する撮像部と、
    備える
    ことを特徴とする撮像装置。
  9. 動画を構成する複数の画像の中から1つを指定する指定処理と、
    前記複数の画像のうちの前記指定処理によって指定された画像以外の所定数の画像のそれぞれについて、前記指定された画像との関係を表す基礎行列を取得する基礎行列取得処理と、
    前記基礎行列取得処理によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された前記基礎行列に基づいて、前記所定数の画像の中から、前記指定された画像にエピポーラ投影するための画像を選別する選別処理と、
    記複数の画像の中から前記指定処理が指定する画像を変えて、前記指定処理、前記基礎行列取得処理及び前記選別処理を含んで繰り返す所定の処理により、仮想特徴点軌道を構築する仮想特徴点軌道構築処理と、
    前記仮想特徴点軌道構築処理によって構築された前記仮想特徴点軌道を時間方向に平滑化する平滑化処理と、
    前記仮想特徴点軌道構築処理によって構築された前記仮想特徴点軌道と、前記平滑化処理によって平滑化された前記仮想特徴点軌道と、の間の関係に基づいて、前記複数の画像のそれぞれを補正する補正処理と、
    含む
    ことを特徴とする画像処理方法。
  10. 前記基礎行列取得処理によって取得された前記基礎行列のうちの、前記選別処理によって選別された画像について取得された前記基礎行列に基づいて、前記選別された画像内の互いに対応する特徴点を前記指定された画像に前記エピポーラ投影をすることにより、前記指定された画像内における仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成処理、
    を更に含む、
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
  11. 前記所定の処理は、前記指定処理、前記基礎行列取得処理、前記選別処理及び前記仮想特徴点生成処理を繰り返すことである、
    ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
  12. コンピュータを、
    動画を構成する複数の画像の中から1つを指定する指定部、
    前記複数の画像のうちの前記指定部によって指定された画像以外の所定数の画像のそれぞれについて、前記指定された画像との関係を表す基礎行列を取得する基礎行列取得部、
    前記基礎行列取得部によって前記所定数の画像のそれぞれについて取得された前記基礎行列に基づいて、前記所定数の画像の中から、前記指定された画像にエピポーラ投影するための画像を選別する選別部、
    記複数の画像の中から前記指定部が指定する画像を変えて、前記指定部、前記基礎行列取得部及び前記選別部の処理を含んで繰り返す所定の処理により、仮想特徴点軌道を構築する仮想特徴点軌道構築部、
    前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された前記仮想特徴点軌道を時間方向に平滑化する平滑化部、
    前記仮想特徴点軌道構築部によって構築された前記仮想特徴点軌道と、前記平滑化部によって平滑化された前記仮想特徴点軌道と、の間の関係に基づいて、前記複数の画像のそれぞれを補正する補正部、
    して機能させる
    ことを特徴とするプログラム。
  13. 前記コンピュータを、
    前記基礎行列取得部によって取得された前記基礎行列のうちの、前記選別部によって選別された画像について取得された前記基礎行列に基づいて、前記選別された画像内の互いに対応する特徴点を前記指定された画像に前記エピポーラ投影をすることにより、前記指定された画像内における仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成部、
    として更に機能させる、
    ことを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
  14. 前記所定の処理は、前記指定部、前記基礎行列取得部、前記選別部及び前記仮想特徴点生成部の処理を繰り返すことである、
    ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
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