JP6420505B2 - 映像信号伝送装置 - Google Patents

Description

本発明は、映像信号伝送装置に関するものである。

テレビ局のスタジオ等で映像信号の伝送にデジタルトライアックスシステムを用いる場合、オンエア中の他のカメラのハイビジョン画質の映像（ＨＤリターン映像）やアナウンサーの台本用の標準画質の映像（ＳＤプロンプタ映像）をカメラ制御装置に入力し、その映像信号をトライアックスケーブルを介してカメラアダプタに伝送し、カメラのビューファインダや台本投射装置に映像を出力することがある。
トライアックスケーブルは光ファイバーケーブルとは異なり、ハイビジョン映像を非圧縮伝送できる信号伝送帯域を持っていないため、従来、このリターン映像とプロンプタ映像は各々コーデック（画像圧縮・伸張装置）を用いて低ビットレート化した上で伝送していた。

先行技術文献としては、例えば、特許文献１に、リターン圧縮映像とプロンプタ圧縮映像を合わせたデータ伝送領域を定義し、プロンプタ圧縮映像データとリターン圧縮映像データの増減に合わせて個々の伝送領域の大きさを可変にすることで、伝送ロスや伝送遅延を最小にする発明が開示されている。

特開２０１０−１３５８８２号公報

本発明の目的は、２つの映像信号を効率よく伝送することである。

本発明の映像信号伝送装置は、カメラ制御装置とカメラアダプタとで映像信号を伝送する映像信号伝送装置であって、カメラ制御装置はリターン映像信号を所定の圧縮率で圧縮する圧縮部と、プロンプタ映像信号を所定の圧縮率または伸張率で圧縮または伸張する水平圧縮垂直伸張部と、圧縮部と水平圧縮垂直伸張部から出力する映像信号を１つの映像信号に合成するフレーム合成部と、該フレーム合成部から出力される映像信号をエンコードするＨＤエンコード部と、該ＨＤエンコード部から出力される映像信号を変調してカメラアダプタに伝送するデジタル変調部を有し、カメラアダプタはカメラ制御装置から伝送される映像信号を復調するデジタル復調部と、該デジタル復調部から出力される映像信号をデコードするＨＤデコーダ部と、該ＨＤデコーダ部から出力される映像信号から１つを分離して所定の伸張率に伸張してリターン映像信号に戻す水平伸張部と、ＨＤデコーダ部から出力される映像信号からもう１つを分離して所定の圧縮率または伸張率で圧縮または伸張してプロンプタ映像信号に戻す水平伸張垂直圧縮部とを有することを特徴とする。

また、本発明の映像信号伝送装置は、カメラ制御装置とカメラアダプタとで映像信号を伝送する映像信号伝送装置であって、カメラ制御装置は２つの映像信号を予め設定した圧縮率または伸張率で変換後に１つの映像信号に合成してカメラアダプタに伝送することを特徴とする。

さらに、２つの映像信号は、リターン映像信号とプロンプタ映像信号であることが好ましい。

本発明によれば、２つの映像信号を効率よく伝送することができる。

本発明の一実施例に係る映像信号伝送装置のブロック図である。 本発明の一実施例に係るカメラ制御装置が２つの映像信号の合成を説明するための図である。 本発明の一実施例に係るカメラアダプタが１つの映像信号から２つに分離する動作を説明するための図である。

以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図１は本発明の一実施例に係る映像信号伝送装置のブロック図である。
図１において、デジタルトライアックスシステムである映像信号伝送装置は、カメラ制御装置１１０とカメラアダプタ１４０とケーブル１３０で構成されている。
なお、ケーブル１３０はトライアックスケーブル等であり、映像信号等を伝送する。

カメラ制御装置１１０は、Ｓ／Ｐ（シリアル−パラレル変換）部１１１、水平圧縮部１１２、Ａ／Ｄ（アナログ−デジタル変換）部１１３、水平圧縮垂直伸張部１１４、フレーム合成部１１５、フレームメモリ部１１６、ＨＤ（High Definition）エンコーダ部１１７、デジタル変調部１１８、デジタル復調部１１９、接栓１２１，１２２，１２３で構成されている。

カメラアダプタ１４０は、デジタル復調部１４１、デジタル変調部１４２、ＨＤデコーダ部１４３、水平伸張部１４４、水平伸張垂直圧縮部１４５、Ｐ／Ｓ（パラレル−シリアル変換）部１４６、Ｄ／Ａ（デジタル−アナログ変換）部１４７、接栓１５１，１５２，１５３で構成されている。

次に、カメラ制御装置の動作について図１と図２を用いて説明する。
図２は本発明の一実施例に係るカメラ制御装置が２つの映像信号の合成を説明するための図である。
なお、２つの映像信号は、例えば、リターン映像信号（ＲＥＴ ＨＤ−ＳＤＩ：Return High Definition−Serial Digital Interface）と、プロンプタ映像信号（ＶＢＳ：Video（映像信号） Burst（カラーバースト信号） Sync（同期信号））である。

図１のカメラ制御装置１１０に入力されたリターン映像信号（ＨＤ−ＳＤＩ）は、Ｓ／Ｐ部１１１でパラレル信号に変換され、図２の２１に示す水平１９２０画素×垂直１０８０画素のＨＤ映像信号となる。
一方、カメラ制御装置１１０に入力されたプロンプタ映像信号（ＶＢＳ）は、Ａ／Ｄ部１１３でデジタル映像信号に変換され、図２の２２に示す水平７２０画素×垂直４８６画素のＳＤ（Standard Definition）映像信号となる。

Ｓ／Ｐ部１１１でパラレル信号に変換されたリターン映像信号（ＲＥＴ ＨＤ−ＳＤＩ）は、水平圧縮部１１２にて、水平画素数が１／２に圧縮され、図２の２３に示す水平有効画素９６０×垂直画素１０８０の映像信号に変換される。ここで、実際の水平画素数は後にフレームメモリ部１１６で合成しやすいように、１９２０画素のままにしており、右半分の９６０画素は黒レベルのダミー映像信号で埋めている。

一方、Ａ／Ｄ部１１３でデジタル映像信号に変換されたプロンプタ映像信号（ＰＲＯＭＰＴ ＳＤ−ＳＤＩ）は、水平圧縮垂直伸張部１１４にて、水平画素数が２／３に圧縮され、垂直画素数が１０８０／４８６倍に伸張され、図２の２４に示すように水平画素数４８０×垂直画素数１０８０の映像信号に変換される。ここでも同様に後のフレームメモリ部１１６で合成しやすいように右側の１４４０画素は黒レベルのダミー映像信号で埋めている。

水平圧縮部１１２で圧縮されたリターン映像信号（ＲＥＴ ＨＤ−ＳＤＩ）と、水平圧縮垂直伸張部１１４で圧縮伸張されたプロンプタ映像信号（ＰＲＯＭＰＴ ＳＤ−ＳＤＩ）は、フレーム合成部１１５にて１枚のフレーム映像信号に合成され、図２の２５に示すように左側にリターン映像、右側にプロンプタ映像を埋め込んだ合成映像信号となる。ここで、合成後の水平有効画素数を１４４０としたのは、本実施例で使用したＨＤコーデックの仕様が水平１４４０画素×垂直１０８０画素のためであり、本来のハイビジョン規格の水平１９２０画素に満たない右側４８０画素分は、黒レベルのダミー映像信号で埋めている。

ここで、リターン映像信号（ＨＤ−ＳＤＩ）とプロンプタ映像信号（ＶＢＳ）は、外部のシステムから入力されるためカメラの映像信号とは非同期、すなわち、各映像信号の水平と垂直の位相が同期していない場合が多い。そのため、フレーム合成部１１５では、フレームメモリ部１１６へ各映像信号データを書き込む時は、各映像信号の位相タイミングで書き込みを開始し、フレーム合成後の映像信号データを読み出す時は、カメラの映像と同期したタイミングで読み出すことで、従来はリターン映像信号（ＨＤ−ＳＤＩ）とプロンプタ映像信号（ＶＢＳ）とで別々のフレームメモリが必要だった同期化処理を、１個のフレームメモリで実現することができ、部品点数の削減にも貢献している。

フレーム合成部１１５でフレーム合成された映像信号は、ＨＤエンコーダ部１１７にて低ビットレートにエンコードされたのち、外部システムからの音声信号やカメラの制御信号を多重されて、デジタル変調部１１８にてデジタルシリアル信号に変換されて、ケーブル１３０でカメラアダプタ１４０に送信される。
一方で、カメラアダプタ１４０側からは、ケーブル１３０を介してカメラ本線映像信号、マイク音声信号、カメラ制御信号等がシリアルデジタル信号で送られてくるので、デジタル復調部１１９が各々の信号を復調する。

次に、カメラアダプタの動作について図１と図３を用いて説明する。
図３は本発明の一実施例に係るカメラアダプタが１つの映像信号から２つに分離する動作を説明するための図である。
図１において、カメラアダプタ１４０は、カメラ制御装置１１０から伝送されてきた信号をデジタル復調部１４１にて復調後に、音声信号と制御信号を分離し、リターン映像とプロンプタ映像の合成映像信号のみをＨＤデコーダ部１４３に送り、ＨＤデコーダ部１４３で通常のビットレートの合成映像信号にデコードされる。
一方で、カメラ本線映像信号、マイク音声信号、カメラ制御信号等はデジタル変調部１４２で変調されてカメラ制御装置１１０に送られる。

図３の２６に示すデコード後の合成映像信号の中でリターン映像信号（ＲＥＴ ＨＤ−ＳＤＩ）は、水平伸張部１４４で水平方向２倍に伸張され、図３の２７に示すように水平１９２０画素×垂直１０８０画素の元のリターン映像信号（ＨＤ）に復元される。

また、図３の２６に示すデコード後の合成映像信号の中でプロンプト映像信号（ＰＲＯＭＰＴ ＳＤ−ＳＤＩ）は、水平伸張垂直圧縮部１４５にて水平方向が１．５倍に伸張され、垂直方向が４８６／１０８０に圧縮され、図３の２８に示すように水平７２０画素×垂直４８６画素の元のプロンプタ映像信号（ＳＤ）に復元される。

最終的に、リターン映像信号（ＨＤ）は、Ｐ／Ｓ部１４６にてリターン映像信号（ＨＤ−ＳＤＩ）に変換され、図示していないカメラに出力される。
また、プロンプタ映像信号（ＳＤ）は、Ｄ／Ａ部１４７でプロンプタ映像信号（ＶＢＳ）に変換され、図示していない外部の台本投射装置等に出力される。

本発明の実施形態である映像信号伝送装置は、２つの映像信号を効率よく伝送することができる。

以上、本発明の一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。この出願は、２０１６年２月１０日に出願された日本出願特願２０１６−２３６２６を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。

２つの映像信号を圧縮または伸張後に１つに合成することによって、映像信号を効率的に伝送する用途も適用できる。

１１０：カメラ制御装置、１１１：Ｓ／Ｐ部、１１２：水平圧縮部、１１３：Ａ／Ｄ部、１１４：水平圧縮垂直伸張部、１１５：フレーム合成部、１１６：フレームメモリ部、１１７：ＨＤエンコーダ部、１１８：デジタル変調部、１１９：デジタル復調部、１２１，１２２，１２３：接栓、１３０：ケーブル、１４０：カメラアダプタ、１４１：デジタル復調部、１４２：デジタル変調部、１４３：ＨＤデコーダ部、１４４：水平伸張部、１４５：水平伸張垂直圧縮部、１４６：Ｐ／Ｓ部、１４７：Ｄ／Ａ部、１５１，１５２，１５３：接栓。

Claims (3)

1. カメラ制御装置とカメラアダプタとで映像信号を伝送する映像信号伝送装置において、
   前記カメラ制御装置は、リターン映像信号を所定の圧縮率で圧縮する圧縮部と、プロンプタ映像信号を所定の圧縮率または伸張率で圧縮または伸張する水平圧縮垂直伸張部と、前記圧縮部と前記水平圧縮垂直伸張部から出力する映像信号を１つの映像信号に合成するフレーム合成部と、該フレーム合成部から出力される映像信号をエンコードするＨＤエンコード部と、該ＨＤエンコード部から出力される映像信号を変調して前記カメラアダプタに伝送するデジタル変調部を有し、
   前記カメラアダプタは、前記カメラ制御装置から伝送される映像信号を復調するデジタル復調部と、該デジタル復調部から出力される映像信号をデコードするＨＤデコーダ部と、該ＨＤデコーダ部から出力される映像信号から１つを分離して所定の伸張率に伸張してリターン映像信号に戻す水平伸張部と、前記ＨＤデコーダ部から出力される映像信号からもう１つを分離して所定の圧縮率または伸張率で圧縮または伸張してプロンプタ映像信号に戻す水平伸張垂直圧縮部とを有することを特徴とする映像信号伝送装置。
2. カメラ制御装置とカメラアダプタとで映像信号を伝送する映像信号伝送装置において、
   前記カメラ制御装置は、２つの映像信号を予め設定した圧縮率または伸張率で変換後に１つの映像信号に合成して前記カメラアダプタに伝送することを特徴とする映像信号伝送装置。
3. 請求項２に記載の映像信号伝送装置において、
   ２つの映像信号は、リターン映像信号とプロンプタ映像信号であることを特徴とする映像信号伝送装置。

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