以下、本発明にかかる冷暖同時運転型空気調和装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる冷暖同時運転型空気調和装置の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)冷暖同時運転型空気調和装置の構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる冷暖同時運転型空気調和装置1の概略構成図である。図2は、冷媒調整容器41の構造を示す概略図である。冷暖同時運転型空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房に使用される装置である。
冷暖同時運転型空気調和装置1は、複数(ここでは、4台)の利用ユニット3a、3b、3c、3dと熱源ユニット2(ここでは、1台)と分岐ユニット4a、4b、4c、4d(ここでは、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応して4台)とが、3つの冷媒連絡管(液冷媒連絡管7、高低圧ガス冷媒連絡管8、低圧ガス冷媒連絡管9)を介して接続されることによって構成されている。すなわち、冷暖同時運転型空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、熱源ユニット2と、利用ユニット3a、3b、3c、3dと、分岐ユニット4a、4b、4c、4dと、冷媒連絡管7、8、9とが接続されることによって構成されている。また、冷媒回路10には、冷媒として、R32等の特定条件下で発火の可能性がある冷媒(可燃性冷媒)が封入されている。そして、冷暖同時運転型空気調和装置1は、各利用ユニット3a、3b、3c、3dが個別に冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になっており、暖房運転を行う利用ユニットから冷房運転を行う利用ユニットに冷媒を送ることで利用ユニット間において熱回収を行うこと(ここでは、冷房運転と暖房運転とを同時に行う冷暖同時運転を行うこと)が可能になるように構成されている。しかも、冷暖同時運転型空気調和装置1では、上記の熱回収(冷暖同時運転)も考慮した複数の利用ユニット3a、3b、3c、3d全体の熱負荷に応じて、熱源ユニット2の熱負荷をバランスさせるように構成されている。
<利用ユニット>
利用ユニット3a、3b、3c、3dは、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等、又は、室内の壁面に壁掛け等により設置されている。利用ユニット3a、3b、3c、3dは、冷媒連絡管7、8、9及び分岐ユニット4a、4b、4c、4dを介して熱源ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、利用ユニット3a、3b、3c、3dの構成について説明する。尚、利用ユニット3aと利用ユニット3b、3c、3dとは同様の構成であるため、ここでは、利用ユニット3aの構成のみ説明し、利用ユニット3b、3c、3dの構成については、それぞれ、利用ユニット3aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
利用ユニット3aは、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、利用側冷媒回路13a(利用ユニット3b、3c、3dでは、それぞれ、利用側冷媒回路13b、13c、13d)を有している。利用側冷媒回路13aは、主として、利用側膨張弁51aと、利用側熱交換器52aとを有している。
利用側膨張弁51aは、利用側熱交換器52aを流れる冷媒の流量の調節等を行うために、利用側熱交換器52aの液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。
利用側熱交換器52aは、冷媒と室内空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。ここで、利用ユニット3aは、ユニット内に室内空気を吸入して、熱交換した後に、供給空気として屋内に供給するための室内ファン53aを有しており、室内空気と利用側熱交換器52aを流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室内ファン53aは、室内ファンモータ54aによって駆動される。
また、利用ユニット3aには、各種のセンサが設けられている。具体的には、利用ユニット3aからの冷媒の漏洩を検知する冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57aと、利用側熱交換器52aの液側における冷媒の温度を検出する液側温度センサ58aと、が設けられている。また、利用ユニット3aは、利用ユニット3aを構成する各部51a、54aの動作を制御する利用側制御部50aを有している。そして、利用側制御部50aは、利用ユニット3aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット2や分岐ユニット4aとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<熱源ユニット>
熱源ユニット2は、ビル等の屋上等に設置されており、冷媒連絡管7、8、9及び分岐ユニット4a、4b、4c、4dを介して利用ユニット3a、3b、3c、3dに接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、熱源ユニット2の構成について説明する。熱源ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、熱源側冷媒回路12を有している。熱源側冷媒回路12は、主として、圧縮機21と、複数(ここでは、2つ)の熱交切換機構22、23と、複数(ここでは、2つ)の熱源側熱交換器24、25と、複数(ここでは、2つ)の熱源側膨張弁26、27と、高低圧切換機構30と、液側閉鎖弁31と、高低圧ガス側閉鎖弁32と、低圧ガス側閉鎖弁33と、冷媒調整容器41と、冷媒調整管42、45とを有している。
圧縮機21は、ここでは、冷媒を圧縮するための機器であり、例えば、圧縮機モータ28をインバータ制御することで運転容量を可変することが可能なスクロール型等の容積式圧縮機からなる。
第1熱交切換機構22は、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続し(図1の第1熱交切換機構22の実線を参照)、第1熱源側熱交換器24を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続するように(図1の第1熱交切換機構22の破線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。また、第2熱交切換機構23は、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には圧縮機21の吐出側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続し(図1の第2熱交切換機構23の実線を参照)、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には圧縮機21の吸入側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続するように(図1の第2熱交切換機構23の破線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。そして、第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23の切り換え状態を変更することによって、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25は、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
第1熱源側熱交換器24は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第1熱源側熱交換器24は、そのガス側が第1熱交切換機構22に接続され、その液側が第1熱源側膨張弁26に接続されている。また、第2熱源側熱交換器25は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第2熱源側熱交換器25は、そのガス側が第2熱交切換機構23に接続され、その液側が第2熱源側膨張弁27に接続されている。ここでは、第1熱源側熱交換器24と第2熱源側熱交換器25とが一体の熱源側熱交換器として構成されている。また、ここでは、第2熱源側熱交換器25の容積(冷媒が流れる流路の容積)は、第1熱源側熱交換器24の容積よりも大きくなっている。そして、熱源ユニット2は、ユニット内に室外空気を吸入して、熱交換した後に、ユニット外に排出するための室外ファン34を有しており、室外空気と熱源側熱交換器24、25を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室外ファン34は、回転数制御が可能な室外ファンモータ29によって駆動される。
第1熱源側膨張弁26は、第1熱源側熱交換器24を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第1熱源側熱交換器24の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。また、第2熱源側膨張弁27は、第2熱源側熱交換器25を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第2熱源側熱交換器25の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。
高低圧切換機構30は、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dに送る場合(以下、「放熱負荷運転状態」とする)には、圧縮機21の吐出側と高低圧ガス側閉鎖弁32とを接続し(図1の高低圧切換機構30の破線を参照)、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dに送らない場合(以下、「蒸発負荷運転状態」とする)には、高低圧ガス側閉鎖弁32と圧縮機21の吸入側とを接続するように(図1の高低圧切換機構30の実線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。
液側閉鎖弁31、高低圧ガス側閉鎖弁32及び低圧ガス側閉鎖弁33は、外部の機器・配管(具体的には、冷媒連絡管7、8及び9)との接続口に設けられた弁である。すなわち、液側閉鎖弁31は、熱源ユニット2から引き出される液冷媒連絡管7に接続されており、高低圧ガス側閉鎖弁32は、熱源ユニット2から引き出される高低圧ガス冷媒連絡管8に接続されており、低圧ガス側閉鎖弁33は、熱源ユニット2から引き出される低圧ガス冷媒連絡管9に接続されている。
冷媒調整管42、45は、第1冷媒調整管42と第2冷媒調整管45とを有している。第1冷媒調整管42は、その一端が熱源側熱交換器24、25の液側から冷媒を分岐するように熱源側冷媒回路12に接続されており、その他端が冷媒調整容器41の入口に接続されている。第2冷媒調整管45は、その一端が冷媒調整容器41の出口に接続されており、その他端が圧縮機21の吸入側に合流するように熱源側冷媒回路12に接続されている。冷媒調整管42、45において、冷媒調整容器41の入口側、すなわち、第1冷媒調整管42には、開閉可能な冷媒調整入口弁43が設けられており、冷媒調整容器41の出口側、すなわち、第2冷媒調整管45には、開閉可能な冷媒調整出口弁46が設けられている。ここでは、冷媒調整入口弁43及び冷媒調整出口弁46として、電磁弁を採用しているが、開度調節が可能な電動膨張弁を採用してもよい。また、第1冷媒調整管42には、熱源側熱交換器24、25の液側から冷媒調整容器41に向かう冷媒の流れのみを許容する入口逆止弁44が設けられている。また、第2冷媒調整管45には、第2冷媒調整管45を流れる冷媒を減圧して流量を制限するための出口キャピラリチューブ47が設けられている。
冷媒調整容器41は、冷媒を溜めることが可能な容器であり、冷媒調整管42、45を介して熱源側冷媒回路12に接続されている。第1冷媒調整管42は、冷媒調整容器41の上部から冷媒を流入させるように接続されており、第2冷媒調整管45は、冷媒調整容器41の下部から冷媒を流出させるように接続されている。また、冷媒調整容器41には、満液近くの所定液面L1の位置から冷媒を流出させるように液面検知管48の一端が接続されている。液面検知管48の他端は、第2冷媒調整管45の途中部分に合流するように接続されている。液面検知管48には、開閉可能な液面検知弁49が設けられている。ここでは、液面検知弁49として、電磁弁を採用しているが、開度調節が可能な電動膨張弁を採用してもよい。
また、熱源ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、圧縮機21の吸入側における冷媒の圧力を検出する吸入圧力センサ38と、圧縮機21の吐出側における冷媒の圧力を検出する吐出圧力センサ39と、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度を検出する吐出温度センサ40とが設けられている。また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部22、23、26、27、28、29、30、43、46、49の動作を制御する熱源側制御部20を有している。そして、熱源側制御部20は、熱源ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側制御部50a、50b、50c、50dとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<分岐ユニット>
分岐ユニット4a、4b、4c、4dは、ビル等の室内に利用ユニット3a、3b、3c、3dとともに設置されている。分岐ユニット4a、4b、4c、4dは、冷媒連絡管7、8、9とともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dと熱源ユニット2との間に介在しており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、分岐ユニット4a、4b、4c、4dの構成について説明する。尚、分岐ユニット4aと分岐ユニット4b、4c、4dとは同様の構成であるため、ここでは、分岐ユニット4aの構成のみ説明し、分岐ユニット4b、4c、4dの構成については、それぞれ、分岐ユニット4aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
分岐ユニット4aは、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、分岐側冷媒回路14a(分岐ユニット4b、4c、4dでは、それぞれ、分岐側冷媒回路14b、14c、14d)を有している。分岐側冷媒回路14aは、主として、液接続管61aと、ガス接続管62aとを有している。
液接続管61aは、その一端が利用ユニット3aの利用側膨張弁51aに接続されている。液冷媒管61aの他端は、液冷媒連絡管7に接続されている。
ガス接続管62aは、高圧ガス接続管63aと、低圧ガス接続管64aと、高圧ガス接続管63aと低圧ガス接続管64aとを合流させる合流ガス接続管65aと、を有している。
高圧ガス接続管63aは、その一端が合流ガス接続管65aに接続されている。高圧ガス接続管63aの他端は、高低圧ガス冷媒連絡管8に接続されている。高圧ガス接続管63aには、開閉可能な高圧ガス調節弁66aが設けられている。尚、ここでは、高圧ガス調節弁66aとして、開度調節が可能な電動膨張弁を採用しているが、開閉のみが可能な電磁弁等を採用してもよい。
低圧ガス接続管64aは、その一端が合流ガス接続管65aに接続されている。低圧ガス接続管64aの他端は、低圧ガス冷媒連絡管9に接続されている。低圧ガス接続管64aには、開閉可能な低圧ガス調節弁67aが設けられている。ここでは、低圧ガス調節弁67aとして、開度調節が可能な電動膨張弁を採用しているが、開閉のみが可能な電磁弁等を採用してもよい。
合流ガス接続管65aは、その一端が利用ユニット3aの利用側熱交換器52aのガス側に接続されている。合流ガス接続管65aの他端は、高圧ガス接続管63a及び低圧ガス接続管64aに接続されている。
そして、分岐ユニット4aは、利用ユニット3aが冷房運転を行う際には、低圧ガス調節弁67aを開けた状態にして、液冷媒連絡管7を通じて液接続管61aに流入する冷媒を、利用側膨張弁51aを通じて、利用ユニット3aの利用側熱交換器52aに送り、利用側熱交換器52aにおいて室内空気との熱交換によって蒸発した冷媒を、合流ガス接続管65a、低圧ガス調節弁67a及び低圧ガス接続管64aを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に戻すように機能することができる。また、分岐ユニット4aは、利用ユニット3aが暖房運転を行う際には、低圧ガス調節弁67aを閉止し、かつ、高圧ガス調節弁66aを開けた状態にして、高低圧ガス冷媒連絡管8を通じて高圧ガス接続管63aに流入する冷媒を、高圧ガス調節弁66a及び合流ガス接続管65aを通じて、利用ユニット3aの利用側熱交換器52aに送り、利用側熱交換器52aにおいて室内空気との熱交換によって放熱した冷媒を、利用側膨張弁51a及び液接続管61aを通じて、液冷媒連絡管7に戻すように機能することができる。このような機能は、分岐ユニット4aだけでなく、分岐ユニット4b、4c、4dも同様に有しているため、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dは、分岐ユニット4a、4b、4c、4dによって、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
また、分岐ユニット4aは、分岐ユニット4aを構成する各部66a、67aの動作を制御する分岐側制御部60aを有している。そして、分岐側制御部60aは、分岐ユニット60aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3aの利用側制御部50aとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
以上のように、冷暖同時運転型空気調和装置1は、複数(ここでは、4台)の利用ユニット3a、3b、3c、3dと、熱源ユニット2と、熱源ユニット2から引き出される高低圧ガス冷媒連絡管8と、熱源ユニット2から引き出される低圧ガス冷媒連絡管9と、熱源ユニット2から引き出される液冷媒連絡管7と、分岐ユニット4a、4b、4c、4dと、を有している。ここで、利用ユニット3a、3b、3c、3dは、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dと、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dと、を有している。熱源ユニット2は、圧縮機21と、熱源側熱交換器24、25と、を有している。分岐ユニット4a、4b、4c、4dは、各利用ユニット3a、3b、3c、3dを高低圧ガス冷媒連絡管8、低圧ガス冷媒連絡管9及び液冷媒連絡管7に接続しており、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに対応する高圧ガス調節弁66a、66b、66c、66d及び低圧ガス調節弁67a、67b、67c、67dを有している。ここでは、冷媒の漏洩を検知する冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57a、57b、57c、57dを設け、熱源ユニット2に熱源側熱交換器24、25の液側から冷媒を分岐するように冷媒調整管42、45を接続し、冷媒調整管42、45に、冷媒を溜めることが可能な冷媒調整容器41を設けるとともに、冷媒調整容器41の入口側に冷媒調整入口弁43を設けている。
(2)冷暖同時運転型空気調和装置の動作
次に、冷暖同時運転型空気調和装置1の動作について、図3〜図8を用いて説明する。
冷暖同時運転型空気調和装置1の冷凍サイクル運転は、主として、冷房運転と、暖房運転と、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)と、冷暖同時運転(放熱負荷主体)とに分けることができる。ここで、冷房運転は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる冷凍サイクル運転である。暖房運転は、暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させる冷凍サイクル運転である。冷暖同時運転(蒸発負荷主体)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の熱負荷が蒸発負荷主体である場合に、この利用ユニット全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる冷凍サイクル運転である。冷暖同時運転(放熱負荷主体)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の熱負荷が放熱負荷主体である場合に、この利用ユニット全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させる冷凍サイクル運転である。
尚、これらの冷凍サイクル運転を含む冷暖同時運転型空気調和装置1の動作は、上記の制御部20、50a、50b、50c、50d、60a、60b、60c、60dによって行われる。
<冷房運転>
冷房運転の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dの全てが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25の両方が冷媒の放熱器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図3に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図3の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図3の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を放熱運転状態(図3の第2熱交切換機構23の実線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25の両方を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を蒸発負荷運転状態(図3の高低圧切換機構30の実線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側膨張弁26、27は、開度調節されている。さらに、冷媒調整入口弁43、冷媒調整出口弁46及び液面検知弁49を閉状態にすることによって、熱源側冷媒回路12と冷媒調整容器41との間で冷媒をやりとりしない状態になっている。分岐ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、66d、及び、低圧ガス調節弁67a、67b、67c、67dを開状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが高低圧ガス冷媒連絡管8及び低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、熱交切換機構22、23を通じて、熱源側熱交換器24、25の両方に送られる。熱源側熱交換器24、25に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。熱源側熱交換器24、25において放熱した冷媒は、熱源側膨張弁26、27において流量調節された後、液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管7に送られる。
そして、液冷媒連絡管7に送られた冷媒は、4つに分岐されて、各分岐ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに送られる。液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側膨張弁51a、51b、51c、51dに送られる。
そして、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dに送られた冷媒は、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて、室内ファン53a、53b、53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて蒸発した低圧のガス冷媒は、分岐ユニット4a、4b、4c、4dの合流ガス接続管65a、65b、65c、65dに送られる。
そして、合流ガス接続管65a、65b、65c、65dに送られた低圧のガス冷媒は、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、66d及び高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dを通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られ合流するとともに、低圧ガス調節弁67a、67b、67c、67d及び低圧ガス接続管64a、64b、64c、64dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られて合流する。
そして、ガス冷媒連絡管8、9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁32、33及び高低圧切換機構30を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷房運転における動作が行われる。尚、利用ユニット3a、3b、3c、3dのいくつかが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dのいくつかが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の蒸発負荷が小さくなる場合には、熱源側熱交換器24、25の一方だけを冷媒の放熱器として機能させる運転が行われる。例えば、図4に示すように、利用ユニット3a、3b、3cだけが冷房運転(すなわち、利用側膨張弁52dを閉状態にすることによって、利用側熱交換器52a、52b、52cだけが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行うことで、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の蒸発負荷が小さくなる場合には、第2熱源側膨張弁27を閉状態にすることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器として機能させる運転が行われる。
<暖房運転>
暖房運転の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dの全てが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25の両方が冷媒の蒸発器として機能する際、冷暖同時運転型空気調和装置1の冷媒回路10は、図5に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図5の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図5の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を蒸発運転状態(図5の第2熱交切換機構23の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25の両方を冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷運転状態(図5の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側膨張弁26、27は、開度調節されている。さらに、冷媒調整入口弁43、冷媒調整出口弁46及び液面検知弁49を閉状態にすることによって、熱源側冷媒回路12と冷媒調整容器41との間で冷媒をやりとりしない状態になっている。分岐ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、66dを開状態にし、低圧ガス調節弁67a、67b、67c、67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、4つに分岐されて、各分岐ユニット4a、4b、4c、4dの高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dに送られる。高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、66d及び合流ガス接続管65a、65b、65c、65dを通じて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dに送られる。
そして、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて、室内ファン53a、53b、53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて放熱した冷媒は、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dにおいて流量調節された後、分岐ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに送られる。
そして、液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7に送られて合流する。
そして、液冷媒連絡管7に送られた冷媒は、液側閉鎖弁31を通じて、熱源側膨張弁26、27の両方に送られる。熱源側膨張弁26、27に送られた冷媒は、熱源側膨張弁26、27において流量調節された後、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、熱交切換機構22、23に送られる。熱交切換機構22、23に送られた低圧のガス冷媒は、合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、暖房運転における動作が行われる。尚、利用ユニット3a、3b、3c、3dのいくつかが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dのいくつかが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の放熱負荷が小さくなる場合には、熱源側熱交換器24、25の一方だけを冷媒の蒸発器として機能させる運転が行われる。例えば、図6に示すように、利用ユニット3a、3b、3cだけが暖房運転(すなわち、利用側膨張弁52dを閉状態にすることによって、利用側熱交換器52a、52b、52cだけが冷媒の放熱器として機能する運転)を行うことで、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の放熱負荷が小さくなる場合には、第2熱源側膨張弁27を閉状態にすることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の蒸発器として機能させる運転が行われる。
<冷暖同時運転(蒸発負荷主体)>
冷暖同時運転(蒸発負荷主体)の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転、かつ、利用ユニット3dが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52cが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器52dが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能する際、冷暖同時運転型空気調和装置1の冷媒回路10は、図7に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図7の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図7の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷運転状態(図7の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、第1熱源側膨張弁26は、開度調節され、第2熱源側膨張弁27は、閉状態になっている。さらに、冷媒調整入口弁43、冷媒調整出口弁46及び液面検知弁49を閉状態にすることによって、熱源側冷媒回路12と冷媒調整容器41との間で冷媒をやりとりしない状態になっている。分岐ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス調節弁66d、及び、低圧ガス調節弁67a、67b、67cを開状態にし、かつ、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、及び、低圧ガス調節弁67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cを冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、その一部が、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られ、残りが、第1熱交切換機構22を通じて、第1熱源側熱交換器24に送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、分岐ユニット4dの高圧ガス接続管63dに送られる。高圧ガス接続管63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス調節弁66d及び合流ガス接続管65dを通じて、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dに送られる。
そして、利用側熱交換器52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52dにおいて、室内ファン53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52dにおいて放熱した冷媒は、利用側膨張弁51dにおいて流量調節された後、分岐ユニット4dの液接続管61dに送られる。
そして、液接続管61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7に送られる。
また、第1熱源側熱交換器24に送られた高圧のガス冷媒は、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。第1熱源側熱交換器24において放熱した冷媒は、第1熱源側膨張弁26において流量調節された後、液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管7に送られて、利用側熱交換器52dにおいて放熱した冷媒と合流する。
そして、液冷媒連絡管7において合流した冷媒は、3つに分岐されて、各分岐ユニット4a、4b、4cの液接続管61a、61b、61cに送られる。液接続管61a、61b、61cに送られた冷媒は、利用ユニット3a、3b、3cの利用側膨張弁51a、51b、51cに送られる。
そして、利用側膨張弁51a、51b、51cに送られた冷媒は、利用側膨張弁51a、51b、51cにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて、室内ファン53a、53b、53cによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3cの冷房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて蒸発した低圧のガス冷媒は、分岐ユニット4a、4b、4cの合流ガス接続管65a、65b、65cに送られる。
そして、合流ガス接続管65a、65b、65cに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス調節弁67a、67b、67c及び低圧ガス接続管64a、64b、64cを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)における動作が行われる。尚、冷房運転を行う利用ユニット(すなわち、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器)の数が少なくなる等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の蒸発負荷が小さくなる場合には、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させることで、第1熱源側熱交換器24の放熱負荷と第2熱源側熱交換器25との蒸発負荷とを相殺して熱源側熱交換器24、25全体の放熱負荷を小さくする運転が行われる。
<冷暖同時運転(放熱負荷主体)>
冷暖同時運転(放熱負荷主体)の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが暖房運転、かつ、利用ユニット3dが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52cが冷媒の放熱器として機能し、かつ、利用側熱交換器52dが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25の両方が冷媒の蒸発器として機能する際、冷暖同時運転型空気調和装置1の冷媒回路10は、図8に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図8の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図8の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を蒸発運転状態(図8の第2熱交切換機構23の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25の両方を冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷運転状態(図8の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側膨張弁26、27は、開度調節されている。さらに、冷媒調整入口弁43、冷媒調整出口弁46及び液面検知弁49を閉状態にすることによって、熱源側冷媒回路12と冷媒調整容器41との間で冷媒をやりとりしない状態になっている。分岐ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス調節弁66a、66b、66c、及び、低圧ガス調節弁67dを開状態にし、かつ、高圧ガス調節弁66d、及び、低圧ガス調節弁67a、67b、67cを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cを冷媒の放熱器として機能させ、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側膨張弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、3つに分岐されて、各分岐ユニット4a、4b、4cの高圧ガス接続管63a、63b、63cに送られる。高圧ガス接続管63a、63b、63cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス調節弁66a、66b、66c及び合流ガス接続管65a、65b、65cを通じて、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cに送られる。
そして、利用側熱交換器52a、52b、52cに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて、室内ファン53a、53b、53cによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3cの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて放熱した冷媒は、利用側膨張弁51a、51b、51cにおいて流量調節された後、分岐ユニット4a、4b、4cの液接続管61a、61b、61cに送られる。
そして、液接続管61a、61b、61cに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7に送られて合流する。
そして、液冷媒連絡管7に送られた冷媒は、その一部が、分岐ユニット4dの液接続管61dに送られ、残りが、液側閉鎖弁31を通じて、熱源側膨張弁26、27の両方に送られる。
そして、液接続管61dに送られた冷媒は、利用ユニット3dの利用側膨張弁51dに送られる。
そして、利用側膨張弁51dに送られた冷媒は、利用側膨張弁51dにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52dにおいて、室内ファン53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3dの冷房運転が行われる。利用側熱交換器52dにおいて蒸発した低圧のガス冷媒は、分岐ユニット4dの合流ガス接続管65dに送られる。
そして、合流ガス接続管65dに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス調節弁67d及び低圧ガス接続管64dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られる。
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
また、熱源側膨張弁26、27に送られた冷媒は、熱源側膨張弁26、27において流量調節された後、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、熱交切換機構22、23に送られる。熱交切換機構22、23に送られた低圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52dにおいて蒸発して低圧のガス冷媒と合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷暖同時運転(放熱負荷主体)における動作が行われる。尚、暖房運転を行う利用ユニット(すなわち、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器)の数が少なくなる等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の放熱負荷が小さくなる場合には、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させることで、第1熱源側熱交換器24の放熱負荷と第2熱源側熱交換器25との蒸発負荷とを相殺して熱源側熱交換器24、25全体の蒸発負荷を小さくする運転が行われる。
(3)冷媒の漏洩が検知された場合の動作
冷暖同時運転型空気調和装置1では、上記のように、冷媒回路10にR32等の可燃性冷媒が封入されており、その漏洩を検知するための冷媒漏洩検知手段として冷媒センサ57a、57b、57c、57dが設けられている。そして、冷媒センサ57a、57b、57c、57dによって冷媒の漏洩が検知された場合には、利用ユニット3a、3b、3c、3dのうち冷媒の漏洩が検知された利用ユニットから熱源ユニット2に冷媒を回収しつつ、他の利用ユニットの冷房運転や暖房運転を継続することが好ましい。
ここで、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットから熱源ユニット2に冷媒を回収する際には、冷媒が漏洩していない他の利用ユニットにおける冷房運転や暖房運転を継続しつつ、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットから送られる冷媒を熱源ユニット2に溜める必要がある。
そこで、ここでは、冷媒の漏洩が検知された場合に、冷媒調整容器41及び冷媒調整管42、45等が設けられていることを利用して、以下のような動作を行って、冷媒が漏洩していない他の利用ユニットの運転を継続しつつ、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットから熱源ユニット2に冷媒を回収できるようにしている。
次に、冷媒の漏洩が検知された場合の動作について、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転を行っており、かつ、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能している場合(図4参照)において、利用ユニット3aにおいて冷媒の漏洩が発生した場合を例にして、図9及び図10を用いて説明する。ここで、図9は、冷媒の漏洩が検知された場合の動作のフローチャートであり、図10は、冷房運転(蒸発負荷小)時に冷媒の漏洩が検知された場合の動作(冷媒の流れ)を示す図(冷媒調整容器41への回収時)である。尚、冷媒の漏洩が検知された場合の動作についても、制御部20、50a、50b、50c、50d、60a、60b、60c、60dによって行われる。
まず、ステップST1において、冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57a、57b、57c、57dのいずれかが冷媒の漏洩を検知すると(ここでは、利用ユニット3a用の冷媒センサ57aが冷媒の漏洩を検知すると)、ステップST2の処理に移行する。
次に、ステップST2において、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収するために、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する各種弁の開閉操作を行う。具体的には、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する高圧ガス調節弁66a及び利用側膨張弁51aを閉状態にし、低圧ガス調節弁67aを開状態にする。これにより、利用ユニット3a(漏洩機)を他の冷媒回路部分から隔離するとともに、利用ユニット3a(漏洩機)を分岐ユニット4a及び低圧ガス冷媒連絡管9を通じて熱源ユニット2に連通した状態にすることができる。しかも、ここでは、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する各種弁の開閉操作に加えて、冷媒調整入口弁43を開状態にして、熱源側冷媒回路12の熱源側熱交換器24、45の液側の部分から分岐して冷媒調整容器41に冷媒を流入させる操作を行う。尚、ここでは、冷媒調整出口弁46は閉状態である。
これにより、利用ユニット3a(漏洩機)に存在する冷媒は、分岐ユニット4a及び低圧ガス冷媒連絡管9を通じて熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側に送られる。このようにして、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する動作が開始される。このとき、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に回収される冷媒を、冷媒回路10における冷媒の主循環流れから(ここでは、熱源側熱交換器24、25の液側から)冷媒調整管42によって分岐して、冷媒調整容器41に溜めることができる。このため、利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する動作中においても、他の冷媒の漏洩が検知されていない利用ユニット3b、3cにおいては、冷房運転が継続可能である。
次に、ステップST3において、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2への冷媒の回収(ここでは、利用ユニット3aから熱源ユニット2への冷媒の回収)が終了したかどうかを判定する。具体的には、ステップST2の冷媒回収の開始から(冷媒調整入口弁43を開状態にしてから)、所定時間T1が経過した場合、冷媒調整容器41が所定液面L1に達した場合、又は、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)における低圧Pが所定圧力P1以下になった場合には、冷媒の回収が終了したものとみなすことができる冷媒回収終了条件を満たしているものと判定する。すなわち、ここでは、回収すべき冷媒量を溜めることができる程度に冷媒調整容器41の容積が大きいものであり、ステップST2の冷媒回収の開始から(冷媒調整入口弁43を開状態にしてから)、所定時間T1が経過した場合、又は、冷媒調整容器41が所定液面L1に達した場合には、十分な量の冷媒回収が行われたものと判定することを基本としている。ところが、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットから熱源ユニットに回収される冷媒が少ない場合には、ステップST2の冷媒回収の開始から(冷媒調整入口弁43を開状態にしてから)、所定時間T1が経過する前、又は、冷媒調整容器41が所定液面L1に達する前に、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に回収されるべき冷媒がなくなる場合がある。そこで、ここでは、時間や液面による判定条件とともに、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)における低圧Pによる判定条件も加えているのである。ここで、冷媒調整容器41が所定液面L1に達したかどうかの判定は、液面検知管48を通じて冷媒調整容器41から液冷媒が圧縮機21に戻されると圧縮機21の吐出側における温度(吐出温度センサ40によって検出される温度Td)が低下する現象を利用して行われ、具体的には、液面検知弁49を開状態にして、圧縮機21の吐出側における温度(ここでは、吐出温度センサ40によって検出される温度Td)が所定温度Td1以下になった場合には、所定液面L1に達しているものと判定するのである。また、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)における低圧Pが所定圧力P1以下になったかどうかの判定は、利用ユニット3a(漏洩機)の利用側熱交換器52aにおける冷媒の温度や圧力が低下する現象を利用して行われ、具体的には、利用ユニット3a(漏洩機)の利用側熱交換器52aにおける冷媒の圧力(ここでは、液側温度センサ58aによって検出される温度を飽和圧力に換算した圧力値である低圧P)が所定圧力P1以下になった場合には、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に回収されるべき冷媒がなくなったものと判定するのである。
尚、冷媒回収終了条件は、上記3つの条件をすべて組み合わせたものに限定されるものではなく、時間と低圧との組み合わせや液面と低圧との組み合わせのように、いずれか2つの条件を組み合わせたものであってもよいし、また、いずれか1つの条件だけであってもよい。そして、冷媒回収終了条件として、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)における低圧Pによる判定条件を採用する場合には、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に回収されるべき冷媒がなくなったことを確認して速やかに冷媒回収を終了することができる。
次に、ステップST4において、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2への冷媒の回収を終了するために、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する各種弁の開閉操作を行う。具体的には、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する高圧ガス調節弁66a及び低圧ガス調節弁67aを閉状態にする。そして、冷媒を回収するために開状態にした冷媒調整入口弁43を閉状態にして、熱源側冷媒回路12の熱源側熱交換器24、45の液側の部分から冷媒調整容器41に冷媒を流入させないようにする操作を行う。また、ステップST2において、液面検知管48によって冷媒調整容器41の液面検知を行っていた場合には、液面検知弁49を閉状態にする操作も行う。
これにより、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収することができる。そして、冷媒の回収が終了した後は、利用ユニット3a(漏洩機)、及び、液面調整容器41を他の冷媒回路部分から隔離した状態にすることができる。また、冷媒回収後においても、上記の冷媒回収時と同様に、他の冷媒の漏洩が検知されていない利用ユニット3b、3cにおける冷房運転を継続することができる。
尚、ここでは、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転を行っており、かつ、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能している場合において、利用ユニット3aにおいて冷媒の漏洩が発生した場合を例にして説明したが、暖房運転や冷暖同時運転の場合においても、冷媒調整容器41及び冷媒調整管42、45等を利用した上記の冷媒回収の動作を行うことが可能である。
(4)変形例
上記の実施形態のような、冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57a、57b、57c、57dが冷媒の漏洩を検知した場合に、冷媒調整入口弁43を開状態にして冷媒調整容器41に冷媒回収を行う手法では、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットから熱源ユニット2に回収される冷媒が多い場合や冷媒調整容器41の容積が小さい場合には、冷媒調整容器41に冷媒を溜めきれない場合がある。
そこで、ここでは、冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57a、57b、57c、57dが冷媒の漏洩を検知した場合に、冷媒調整入口弁43を開状態にしてから所定時間T1が経過した後、又は、冷媒調整容器41が所定液面L1まで達した後に、熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させるようにしている。
次に、本変形例における冷媒の漏洩が検知された場合の動作について、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転を行っており、かつ、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能している場合(図4参照)において、利用ユニット3aにおいて冷媒の漏洩が発生した場合を例にして、図10〜図13を用いて説明する。ここで、図11及び図12は、本変形例における冷媒の漏洩が検知された場合の動作のフローチャートであり、図13は、冷房運転(蒸発負荷小)時に冷媒の漏洩が検知された場合の動作(冷媒の流れ)を示す図(第2熱源側熱交換器25への回収時)である。尚、本変形例の冷媒の漏洩が検知された場合の動作についても、制御部20、50a、50b、50c、50d、60a、60b、60c、60dによって行われる。また、ステップST1、ST2、ST4の処理については、上記の実施形態(図9参照)のステップST1、ST2、ST4と同様であるため、ここでは説明を省略し、ステップST13〜ST17の処理について説明する。
ステップST13、ST14においては、冷媒調整容器41に冷媒回収を行っている状態(図10参照)において、上記の実施形態のステップST3と同様に、冷媒回収終了条件を満たすかどうかを判定する。
但し、ここでは、ステップST14の時間や液面による判定条件を満たす前(すなわち、ステップST2の冷媒調整入口弁43を開状態にしてから、所定時間T1が経過しておらず、かつ、冷媒調整容器41が所定液面L1に達していない場合)であって、ステップST13の低圧による判定条件を満たした場合(漏洩機における低圧Pが所定圧力P1以下になった場合)だけ、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に回収されるべき冷媒がなくなったものとして、上記の実施形態のステップST4と同様に、冷媒調整入口弁43を閉状態にして冷媒調整容器41への冷媒回収を終了する。
一方、ステップST13の低圧による判定条件を満たす前(すなわち、漏洩機における低圧Pが所定圧力P1以下になっていない場合)であって、ステップST14の時間や液面による判定条件を満たした場合(すなわち、ステップST2の冷媒調整入口弁43を開状態にしてから、所定時間T1が経過するか、又は、冷媒調整容器41が所定液面L1に達した場合)には、冷媒調整容器41に冷媒を溜めることができなくなっているにもかかわらず、まだ回収すべき冷媒が存在するものとして、ステップST15の処理に移行する。
ステップST15においては、冷媒調整入口弁43を閉状態にして冷媒調整容器41への冷媒回収を終了するとともに、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器24、25の数を増加させる操作を行う。具体的には、複数(ここでは、2つ)の熱源側熱交換器24、25のうち停止中の熱源側熱交換器が存在する場合には、停止中の熱源側熱交換器を冷媒の放熱器として機能させるために、停止中の熱源側熱交換器に対応する熱交切換機構を放熱運転状態に切り換え、かつ、停止中の熱源側熱交換器に対応する熱源側膨張弁を開状態にする。また、複数(ここでは、2つ)の熱源側熱交換器24、25のうち停止中の熱源側熱交換器が存在しないが、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器が存在する場合には、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器を冷媒の放熱器として機能させるために、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器に対応する熱交切換機構を放熱運転状態に切り換え、かつ、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器に対応する熱源側膨張弁を開状態にする。ここでは、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転を行っており、かつ、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能している場合を例に挙げているため、停止中の第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させるために、停止中の第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱交切換機構23を放熱運転状態に切り換え、かつ、停止中の第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱源側膨張弁27を開状態にする。
このように、ここでは、冷媒調整入口弁43を開状態にしてから所定時間T1が経過した後、又は、冷媒調整容器41が所定液面L1まで達した後に、熱源側熱交換器(ここでは、第2熱源側熱交換器25)を冷媒の放熱器として機能させるようにしている。これにより、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収する際に、冷媒調整容器41では溜めきれない冷媒を、熱源側熱交換器24、25(ここでは、第2熱源側熱交換器25)に溜めることができる。しかも、ここでは、上記のように、2つの熱源側熱交換器24、25のうち容積が大きい第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させるようにしているため、冷媒調整容器41では溜めきれない冷媒を確実に溜めることができる。
そして、ステップST16において、ステップST13と同様の低圧による判定条件を満たすかどうかの判定を行い、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に回収されるべき冷媒がなくなった後に、ステップST17において、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2への冷媒の回収を終了するために、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)に対応する各種弁の開閉操作を行う。具体的には、利用ユニット3a(漏洩機)に対応する高圧ガス調節弁66a及び低圧ガス調節弁67aを閉状態にする。そして、冷媒を回収するために増加させた冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器を元の状態に戻す操作を行う。具体的には、複数(ここでは、2つ)の熱源側熱交換器24、25のうち停止していた熱源側熱交換器を冷媒の放熱器として機能させていた場合には、停止した状態に戻すために、対応する熱源側膨張弁を閉状態にする。また、複数(ここでは、2つ)の熱源側熱交換器24、25のうち冷媒の蒸発器として機能していた熱源側熱交換器を冷媒の放熱器として機能させていた場合には、冷媒の蒸発器として機能する状態に戻すために、対応する熱交切換機構を蒸発運転状態に切り換える。ここでは、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転を行っており、かつ、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能している場合を例に挙げているため、冷媒を回収するために冷媒の放熱器として機能させていた第2熱源側熱交換器25を、停止した状態に戻すために、第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱源側膨張弁27を閉状態にする。
尚、ここでは、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転を行っており、かつ、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能している場合において、利用ユニット3aにおいて冷媒の漏洩が発生した場合を例にして説明したが、暖房運転や冷暖同時運転の場合においても、上記の冷媒回収の動作を行うことが可能である。
具体的には、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dが暖房運転を行っており、かつ、熱源側熱交換器24、25の両方が冷媒の放熱器として機能している暖房運転(放熱負荷大)の場合(図5参照)には、高圧ガス調節弁66a及び利用側膨張弁51aが開状態で、かつ、低圧ガス調節弁67aが閉状態になっているため、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収するために、ステップST2において、高圧ガス調節弁66a及び利用側膨張弁51aを閉止し、低圧ガス調節弁67a及び冷媒調整入口弁43を開ける操作を行う。その後、ステップST13、14において、冷媒調整容器41に冷媒が溜めきれないものと判定された場合には、冷媒の蒸発器として機能している熱源側熱交換器24、25の一方(例えば、第2熱源側熱交換器25)を冷媒の放熱器として機能させるために、ステップST15において、第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱交切換機構23を放熱運転状態に切り換え、かつ、第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱源側膨張弁27を開状態にする(図14参照)。
また、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが暖房運転を行っており、かつ、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能している暖房運転(放熱負荷小)の場合(図6参照)には、高圧ガス調節弁66a及び利用側膨張弁51aが開状態で、かつ、低圧ガス調節弁67aが閉状態になっているため、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収するために、ステップST2において、高圧ガス調節弁66a及び利用側膨張弁51aを閉止し、低圧ガス調節弁67a及び冷媒調整入口弁43を開ける操作を行う。その後、ステップST13、14において、冷媒調整容器41に冷媒が溜めきれないものと判定された場合には、停止中の第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させるために、ステップST15において、第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱交切換機構23を放熱運転状態に切り換え、かつ、第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱源側膨張弁27を開状態にする(図15参照)。
また、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転を行い、利用ユニット3dが暖房運転を行っており、かつ、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の放熱器として機能している冷暖同時運転(蒸発負荷主体)の場合(図7参照)には、低圧ガス調節弁67a及び利用側膨張弁51aが開状態で、かつ、高圧ガス調節弁66aが閉状態になっているため、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収するために、ステップST2において、利用側膨張弁51aを閉止し、冷媒調整入口弁43を開ける操作を行う。その後、ステップST13、14において、冷媒調整容器41に冷媒が溜めきれないものと判定された場合には、停止中の第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させるために、ステップST15において、第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱交切換機構23を放熱運転状態に切り換え、かつ、第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱源側膨張弁27を開状態にする(図16参照)。
また、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが暖房運転を行い、利用ユニット3dが冷房運転を行い、かつ、熱源側熱交換器24、25の両方が冷媒の蒸発器として機能している冷暖同時運転(放熱負荷主体)の場合(図8参照)には、高圧ガス調節弁66a及び利用側膨張弁51aが開状態で、かつ、低圧ガス調節弁67aが閉状態になっているため、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット3a(漏洩機)から熱源ユニット2に冷媒を回収するために、ステップST2において、高圧ガス調節弁66a及び利用側膨張弁51aを閉止し、低圧ガス調節弁67a及び冷媒調整入口弁43を開ける操作を行う。その後、ステップST13、14において、冷媒調整容器41に冷媒が溜めきれないものと判定された場合には、冷媒の蒸発器として機能している熱源側熱交換器24、25の一方(例えば、第2熱源側熱交換器25)を冷媒の放熱器として機能させるために、ステップST15において、第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱交切換機構23を放熱運転状態に切り換え、かつ、第2熱源側熱交換器25に対応する第2熱源側膨張弁27を開状態にする(図17参照)。
(5)他の変形例
上記の実施形態及び変形例では、熱源ユニット2が1台だけであるが、これに限定されるものではなく、2台以上であってもよい。また、上記の実施形態及び変形例では、複数の熱源側熱交換器が2つの熱源側熱交換器24、25から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば3つ以上の熱源側熱交換器から構成されていてもよい。
上記の実施形態及び変形例では、複数の利用ユニット3a、3b、3c、3dのそれぞれに対応する分岐ユニット4a、4b、4c、4dが接続されているが、これに限定されるものではなく、分岐ユニットが複数の利用ユニット毎にまとまった構成であってもよい。
上記の実施形態及び変形例では、冷媒漏洩検知手段としての冷媒センサ57a、57b、57c、57dを利用ユニット3a、3b、3c、3dに設けているが、これに限定されるものではなく、冷媒センサ57a、57b、57c、57dを利用ユニット3a、3b、3c、3dが設置される室内空間に設けてもよい。また、上記の実施形態及び変形例では、冷媒漏洩検知手段として冷媒センサ57a、57b、57c、57dを使用しているが、これに限定されるものではなく、冷凍サイクル運転の状態(高圧の時間変化など)によって冷媒の漏洩の有無を検知してもよい。
上記の実施形態及び変形例では、液面検知管48を使用して冷媒調整容器41の液面検知を行うようにしているが、これに限定されるものではなく、液面センサ等を使用してもよい。
上記の実施形態及び変形例では、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットにおける低圧を液側温度センサ58a、58b、58c、58dによって検出される温度を使用しているが、これに限定されるものではなく、圧力センサを設けてもよいし、別の温度センサによって検出される温度を使用してもよい。