[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6417239B2 - 調湿建材の前処理液塗布方法 - Google Patents

調湿建材の前処理液塗布方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6417239B2
JP6417239B2 JP2015038978A JP2015038978A JP6417239B2 JP 6417239 B2 JP6417239 B2 JP 6417239B2 JP 2015038978 A JP2015038978 A JP 2015038978A JP 2015038978 A JP2015038978 A JP 2015038978A JP 6417239 B2 JP6417239 B2 JP 6417239B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
building material
pretreatment liquid
humidity control
control building
humidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015038978A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016159216A (ja
Inventor
衛 齊藤
衛 齊藤
山本 寛峰
寛峰 山本
安美 寺門
安美 寺門
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to JP2015038978A priority Critical patent/JP6417239B2/ja
Publication of JP2016159216A publication Critical patent/JP2016159216A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6417239B2 publication Critical patent/JP6417239B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

本発明は、調湿建材等の素材として用いられる調湿建材の前処理液塗布方法に関する。
調湿建材は、多孔質材料から作製されてその表面に多数の細孔を備え、この細孔が吸放湿性を発揮することから、室内などの対象空間の湿度調整を行う機能を有する建築材料である。この調湿建材については、調湿建材表示制度の下に、調湿建材判定基準(非特許文献1)に規定される所定の調湿性及びその他の要件を満たすことにより、一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会に登録でき、登録した調湿建材には、品質保証として所定の調湿建材マークを表示できる。調湿建材判定基準では、調湿性に関する登録要件として、吸放湿量(JIS A 1470-1:2002、調湿建材の吸放湿性試験方法−第1部:湿度応答法−湿度変動による吸放湿試験方法)並びに平衡含水率(即ち、含水率勾配及び平均平衡含水率)(JIS A 1475:2004、建築材料の平衡含水率測定方法)が所定の水準をクリアすることが規定されている。
このような調湿建材としては、多孔質材料であるケイ酸カルシウム板に未膨張バーミキュライトを配合し、調湿機能を向上させた多機能ケイ酸カルシウム板を基材としたものが知られている。このような調湿建材を内装材として使用する場合、調湿建材の表面を加飾して意匠性を高めることが望まれている。この調湿建材の加飾方法としては、例えば、調湿建材の表面に紫外線硬化型インクを用いてインクジェット記録手段により画像を形成する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
かかるインクジェット記録手段による加飾方法では、インクの定着性、加飾面の光沢性を高めるために、基材に前処理液を塗布する必要がある。
一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会、"「調湿建材登録・表示制度」に関する調湿建材判定基準"平成19年10月1日制定、平成24年4月1日改訂、インターネット(URL:http://www.kensankyo.org/nintei/tyousitu/tyousitu#top.html)
特開2011−26871号公報
しかしながら、インクジェット記録手段による加飾方法における前処理剤の塗布は、印刷面に対して均一に所定の量を塗布することが必要である。前処理剤を均一に塗布できていないと装飾後の調湿建材の仕上がりにムラが生じたり、必要以上量を塗布してしまうと多孔質基材である調湿建材そのものの光沢度が変化してしまう可能性がある。
そこで、本発明は、調湿建材のような多孔質基材に対してインクジェット印刷等による加飾を行う際に、建材の適正な調湿機能を損なうことなく、建材表面の光沢性とインクの定着性を十分に発現させることのできる調湿建材の前処理液塗布方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る前処理液塗布方法の第1の特徴は、多孔質基材である調湿建材の表面にインクを吐出して画像を形成するインクジェット印刷を行う工程の前に、水、水分散性樹脂、及び平均1次粒子径が300nm以下の微粒子を少なくとも含む前処理液を、調湿建材の表面に塗布する前処理工程を含み、前処理液の塗布では、前処理液と空気とを混合して噴射するノズルを、調湿建材の表面から所定距離に保ちつつ、調湿建材に対して相対的に移動させ、ノズルから前処理液を噴射することにある。
本発明に係る前処理液塗布方法の第2の特徴は、前処理液の固形分量が、5g/m2(dry)以上16g/m2(dry)未満であることにある。
本発明に係る前処理液塗布方法の第3の特徴は、前記前処理液を液滴状態にて、前記基材が受ける噴射面積に対して噴射圧を25Pa未満として噴射することにある。
本発明に係る前処理液塗布方法の第4の特徴は、前記前処理工程が、前記ノズルを副走査方向に複数並べて形成されたノズル列を、主走査方向に移動させながら前処理液を噴射させ、前記調湿建材の端部に達した後に副操作方向に所定距離移動させてから再び主走査方向に移動させながら前処理液を噴射させることを繰り返す工程であり、前記ノズル列を副走査方向へ移動させる際の前記所定距離が、前記ノズル列の長さよりも短い距離であることにある。
本発明に係る前処理液塗布方法の第1の特徴によれば、前処理液に含まれる微粒子の平均1次粒子径を300nm以下とし、これを空気と混合して噴射して塗布することから、調湿建材の吸湿機能を損なうことなく、前処理液を均一に建材表面に塗布することができ、加飾処理におけるインクの定着性を向上させるとともに、建材表面の光沢性を高めることができる。すなわち、調湿建材に用いられる多孔質基材の細孔の直径は、例えば、1〜200nmあるいは1〜100nm程度のものがあり、より詳細には、直径1〜50nmのメソ孔と直径50nm超(例えば50nm超200nm以下又は50nm超100nm以下程度)のマクロ孔とを有する。このため、前処理液に含まれる微粒子の平均1次粒子径を300nm以下とすることによって、前処理液の微粒子を建材の表面に定着させることができ、インクジェットにより加飾する印字面の光沢度を向上させることができ、且つ非印字面の色味や光沢度に影響がない程度で、調湿性能を維持したまま調湿建材の意匠性を向上させることができる。
本発明に係る前処理液塗布方法の第2の特徴によれば、前処理液の固形分量を、5g/m2(dry)以上16g/m2(dry)未満であることによって、より適正に印字面の光沢度を向上させることができ、且つ非印字面の色味や光沢度に影響がない程度で、調湿性能を維持したまま調湿建材の意匠性を向上させることができる。
本発明に係る前処理液塗布方法の第3の特徴によれば、前記前処理液を液滴状態にて、前記基材が受ける噴射面積に対して噴射圧を25Pa未満として噴射するため、建材の吸湿性とのバランスを図りつつ、前処理液内の微粒子を適量に印字面に留めることができ、より適正な光沢性を維持できる。
本発明に係る前処理液塗布方法の第4の特徴によれば、前記前処理工程において、ノズル列を主走査方向に移動させ、調湿建材の端部に達した後に副操作方向に所定距離移動させてから再び主走査方向に移動させながら前処理液を噴射させることを繰り返すことにより、調湿建材の印字面である塗布領域全域にわたって、ノズルを一連の相対移動によって一度だけ走査させて塗布することができる。この結果、いわゆる一筆書きで塗布作業を完了させることができ、建材の吸湿性により前処理液が吸収されてしまう前に、適量を印字面に定着させ、無駄な液剤や工程が生じるのを省くことができる。
実施形態に係る加飾装置の概略構成を示す説明図である。 実施形態に係る研磨装置の構成を模式的に示す側面図である。 実施形態に係る研磨装置において、サンドペーパー(研磨手段)の下端部における研磨面を拡大して模式的に示す側面図である。 実施形態に係る前処理液塗布装置の構成を模式的に示す上面図である。 実施形態に係る乾燥装置の構成を模式的に示す側面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る前処理液塗布方法及び前処理液塗布装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明の前処理液塗布方法及び前処理液塗布装置を、調湿建材の加飾処理の工程の一つである前処理において用いる場合を例に説明する。
(加飾物品)
本実施形態において加飾物品は、調湿建材の表面に、インクジェット印刷により形成された、水分散性樹脂と色材を含む加飾用インクにより印刷された画像が付加されて作製される建材である。この加飾物品の作製について以下に詳述する。
(1)加飾用インク
上記加飾用インクとしては、平均1次粒子径が5nm以上150nm以下の水分散性樹脂を含むものを使用する。インクジェット印刷後に得られた加飾物品も、調湿建材として規定される1級以上の調湿性能を有することが好ましく、例えば上述のとおり、JIS A 1470−1(2002)に規定する3時間後の吸湿量が15g/m2より多い吸湿性能を有することが好ましい。
本実施形態では加飾用インクとして、水性インクジェットインクを使用し、この水性インクジェットインクは、水、水分散性樹脂及び色材を少なくとも含み、必要に応じて、その他の成分を含有してもよい。このインクは即ち、調湿建材に特に好ましく適用するために調製されたインクである。
インクの溶媒は、ほとんどが水で構成されることが好ましいが、必要に応じて、水以外に、水溶性有機溶剤を含んでもよい。水溶性有機溶剤としては、例えば、グリコール系溶剤、グリコールエーテル類、グリコールエーテル類のアセタート、炭素数1〜6の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、イミダゾリジノン系溶剤、3−メチル−2,4−ペンタンジオールなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、また、単一の相を形成する限り、2種以上混合して使用してもよい。水溶性有機溶剤の含有量は、粘度調整と保湿効果の観点から、インク中に30重量%以下(あるいは、溶媒中に50重量%以下)であることが好ましい。
色材としては、顔料及び染料のいずれも使用することができ、単独で使用しても両者を併用してもよい。加飾画像の耐候性及び印刷濃度の点から、色材として顔料を使用することが好ましい。色材は、インク全量に対して0.01〜20重量%の範囲で含有されることが好ましい。さらに、インク全量に対して色材は、0.1重量%以上であることがより好ましく、0.5重量%以上であることがさらに好ましく、1重量%以上であることが一層好ましい。また、インク全量に対して色材は、15重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましく、8重量%以下であることが一層好ましい。
染料としては、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等が挙げられ、これらのうち、水溶性のもの及び還元等により水溶性となるものが使用できる。より具体的には、アゾ染料、ローダミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料、メチレンブルー等が挙げられる。これらの染料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷、塗料等の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されないが、多孔質基材に対する着色力の点から、有機顔料及びカーボンブラックが好ましい。かかる有機顔料及びカーボンブラックとしては、具体的には、ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、94、95、109、110、117、120、125、128、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185;ピグメントオレンジ16、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71;ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、149、168、177、178、179、206、207、209、242、254、255;ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50;ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、30、64、80;ピグメントグリーン7(塩素化フタロシアニングリーン)、36(臭素化フタロシアニングリーン);ピグメントブラウン23、25、26;ピグメントブラック7(カーボンブラック)、26、27、28等、が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、LIONOL BLUE FG−7400G(東洋インキ製造社製 フタロシアニン顔料)、YELLOW PIGMENT E4GN(バイエル社製 ニッケル錯体アゾ顔料)、Cromophtal Pink PT(BASF社製 キナクリドン顔料)、ELFTEX 415(キャボット社製 カーボンブラック)、Fastogen Super Magenta RG(DIC社製 キナクリドン顔料)、YELLOW PIGMENT E4GN(ランクセス社製 ニッケル錯体アゾ顔料)、イルガライトブルー8700(BASF社製 フタロシアニン顔料)、E4GN−GT(ランクセス社製 ニッケル錯体アゾ顔料)などが挙げられる。カーボンブラックの具体例としては、モナーク1000(キャボット社製 カーボンブラック)が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
インク中における顔料の分散を良好にするために、インクに必要に応じて顔料分散剤を添加することができる。使用できる顔料分散剤としては、顔料を溶媒中に安定して分散させるものであれば特に限定されないが、例えば、高分子分散剤や界面活性剤に代表される公知の顔料分散剤を使用することが好ましい。高分子分散剤の具体例としては、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース(商品名)シリーズ、ジョンソンポリマー社製のジョンクリル(商品名)シリーズなどが挙げられる。界面活性剤の具体例としては、花王(株)製デモール(商品名)シリーズが挙げられる。顔料分散剤の含有量は、上記顔料を十分に上記溶媒中に分散可能な量であれば足り、例えば顔料1に対し重量比で0.01〜2の範囲内で、適宜設定できる。
インクには、調湿機能を有する多孔質基材に色材を十分に定着させるために、水分散性樹脂を含有させる必要がある。水分散性樹脂としては、代表的には、水性樹脂エマルジョン、特に水中油(O/W)型樹脂エマルジョンを使用することができる。この水性樹脂エマルジョンを形成する樹脂としては、透明の塗膜を形成する樹脂を用いることが好ましく、例えば、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂エマルジョン等が挙げられる。
これらの水性樹脂エマルジョンのうち、インクジェットヘッドからの安定吐出性能の観点、及び調湿建材等の多孔質基材の原料として使用されている珪藻土、バーミキュライト、カオリナイト、石膏、タイルシャモット、消石灰、セラミック多孔質粉などの無機多孔質材料に対する密着性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が−35〜10℃のウレタン樹脂エマルジョンが好ましい。かかる水性樹脂エマルジョンの具体例としては、第一工業製薬(株)のスーパーフレックス460、460S、470、610、700、170、840(いずれも商品名)などが挙げられる。水分散性樹脂は、ウレタン樹脂エマルジョン等の1種単独の樹脂エマルジョンから構成されてもよく、又は、複数種の樹脂エマルジョンを組み合わせて構成されてもよい。
さらに、水分散性樹脂は、1次粒子径が5nm以上であり、10nm以上であることがより好ましい。一方、水分散性樹脂の大きさは顔料よりも小さいことが好ましいことから、150nm以下であり、130nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましく、80nm以下であることが一層好ましい。
インク中における水分散性樹脂の配合量(固形分量)は、色材と水分散性樹脂の比率(色材:水分散性樹脂)で1:0.5〜1:7(重量比)が好ましい。水分散性樹脂の配合量をこの範囲にすることで、多孔質基材の表面に印刷された画像の耐水擦過性と高画質性を十分に確保することができる。色材1に対する水分散性樹脂の比率が0.5より小さいと、顔料の定着性が悪くなる可能性があり、7より大きいと、粘度が高くなり、インクを吐出するヘッドからインクを吐出できなくなる可能性がある。
(2)調湿建材
加飾物品を製造するための調湿建材は、調湿機能を有する多孔質基材であり、表面に多数の細孔を備え、この細孔が吸放湿性を発揮するものであれば、特に限定されない。上記のように、調湿建材として規定される1級以上の調湿性能を有する基材を用いることが好ましい(表1参照)。多孔質基材の形状は通常、ボード状即ち板状であるが、これに限定されるものではない。
かかる調湿機能を有する多孔質基材の細孔の直径は、例えば、1〜200nmあるいは1〜100nm程度のものがあり、より詳細には、直径1〜50nmのメソ孔と直径50nm超(例えば50nm超200nm以下又は50nm超100nm以下程度)のマクロ孔とを有する。メソ孔の直径は、例えば水銀ポロシメーターによる水銀圧入法によって測定することができる。
代表的な多孔質基材としては、ケイ酸カルシウム等の無機材料の硬化体であって、吸放湿機能を有する無機粉体、例えば、ケイ酸質粉体、シリカゲル、珪藻土、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、セピオライトなどを含有するものが挙げられ、該硬化体をさらに焼成されたものも含まれる。多孔質基材の具体例としては、調湿建材等の材料として使用されているものが挙げられ、好ましくは、一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会に登録された調湿建材が挙げられる。即ち、上記表1に示した調湿性性能評価基準に合致した性能を有する調湿建材を好ましく使用することができる。具体的には、例えば、上述のとおり、JIS A 1470−1(2002)に規定する3時間後の吸湿量が15g/m2より多い多孔質基材である。
かかる調湿建材としては、例えば、特開2003−146775号公報に記載のような石膏、ケイ酸カルシウム、セメント、スラグ石膏もしくは塩基性炭酸マグネシウムの一種以上から選択される親水性素材を成形して得られる調湿建材、及び該親水性素材に膨張・剥離性鉱物を配合した素材を成形して得られる調湿建材、特開2002−4447号公報に記載のような主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカである成形体を炭酸硬化反応によって製造した調湿建材などが挙げられる。特に、特開2003−146775号公報に記載のようなケイ酸カルシウムに未膨張バーミキュライトを配合してなる素材を成形して得られる調湿建材を、多孔質基材として好ましく使用できる。
(3)前処理液
加飾物品の製造にあたり、上記水性インクを用いて多孔質基材の表面にインクジェット印刷する前に、多孔質基材の表面を前処理液で処理しておくことが好ましい。前処理することで、インクで加飾した部分の発色性、光沢性を高めることが可能となる。
本実施形態における前処理液は、水、水分散性樹脂、及び1次粒子径が300nm以下の微粒子を少なくとも含み、その他の任意の成分を含んでいてもよい。この前処理液において、水は、前処理液の溶媒として機能するものであり、インクについて上記したことが、全て当てはまる。同様に、前処理液の溶媒として、水に加えて上記した水溶性有機溶剤を含んでもよい。
微粒子としては、1次粒子径が300nm以下の微粒子であれば、特に限定されない。前処理液中の微粒子の配合量(固形分量)は、0.8重量%以上であることが好ましく、1.3重量%以上であることがより好ましく、また、6.0重量%以下であることが好ましく、5.4重量%以下であることがより好ましい。
なお、加飾画像の光沢性を一層向上させるために、前記1次粒子径が300nm以下の微粒子は、1次粒子径がインクの水分散性樹脂の1次粒子径と同じかそれ以上である第一の微粒子と、1次粒子径がインクの水分散性樹脂の1次粒子径よりも小さい第二の微粒子とを組み合わせて用いることが好ましい。具体的には例えば、1次粒子径30nm以上300nm以下の大粒子径の第一の微粒子と1次粒子径30nm未満の小粒子径の第二の微粒子との混合物から構成されることが好ましい。特に、インクに含まれる水分散性樹脂の1次粒子径が、多孔質基材のメソ孔の直径の最大値よりも小さい場合に、大粒子径の微粒子と小粒子径の微粒子とを組み合わせることが好ましい。さらに、前記微粒子は、1次粒子径40nm以上300nm以下の大粒子径の第一の微粒子と1次粒子径40nm未満の小粒子径の第二の微粒子との混合物から構成されることも好ましい。このような混合物は、1次粒子径が30nm(又は40nm)未満の領域と30nm(又は40nm)〜300nmの領域でピークを有する2峰性の粒度分布を示す場合がある。第一の微粒子と第二の微粒子の合計100重量%に対する第一の微粒子の配合比率は、加飾部の光沢性の観点から、5〜95重量%が好ましく、15〜95重量%がより好ましく、50〜95重量%が特に好ましい。
微粒子としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。具体的には、シリカ微粒子、バーミキュライト、炭酸カルシウム、アルミナなどが挙げられ、中でも、シリカ微粒子が好ましい。また、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、シリカ、カオリン、マイカ、酸性白土、活性白土、ベントナイト等の体質顔料を用いることも好ましい。これらの微粒子は、複数種を組み合わせて使用することもできる。
前処理液中における水分散性樹脂の配合量は、上記微粒子と水分散性樹脂の比率(上記微粒子:水分散性樹脂)で15:1〜25:1(重量比)が好ましい。水分散性樹脂の配合量をこの範囲にすることで、多孔質基材に上記微粒子が十分に定着する。なお、前処理液中における水分散性樹脂の1次粒子径は、加飾しようとする多孔質基材のメソ孔の直径よりも大きいことが好ましく、具体的には、40nmよりも大きいことがより好ましく、45nm以上であることがより好ましく、80nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることがさらに好ましい。前処理液に含まれる水分散性樹脂は、多孔質基材のメソ孔に入り込むことなく、微粒子同士間及び微粒子と多孔質基材との間の結着を達成すればよいため、前処理液に含まれる水分散性樹脂の1次粒子径は、上記メソ孔よりも大きいことが好ましい。
このような前処理液は、水、水分散性樹脂、及び1次粒子径が300nm以下の微粒子を、例えばビーズミル等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。例えば、予め水と上記微粒子の全量を均一に混合させた混合液を調製して分散機にて分散させた後、この分散液に残りの成分を添加してろ過機を通すことにより調製することができる。
(加飾処理の概要)
次いで、上述したような加飾物品を製造する加飾処理について説明する。本実施形態に係る加飾処理では、調湿建材にインクジェット印刷により画像を印刷して加飾を施し、加飾物品を製造するとともに、この調湿建材に対する印刷処理の前に、調湿建材の研磨、前処理剤の塗布及び乾燥を行う。本実施形態では、これらの処理は、各処理を実施する器機を搬送手段で連結した加飾装置を用いて行うこととして説明するが、各処理を独立して行うように構成してもよい。図1は、実施形態に係る加飾装置1の概略構成を示す説明図である。
図1に示すように、加飾装置1は、調湿建材2を研磨する研磨装置100と、調湿建材2の表面に前処理液を塗布するための前処理液塗布装置300と、前処理液が塗布された調湿建材2を乾燥させる乾燥装置400と、前処理液が乾燥された調湿建材2の表面にインクを吐出して印刷する印刷装置500と、これらの各装置間を連結し、調湿建材2を載置して水平方向に搬送する搬送部200とから概略構成される。
前処理液塗布装置300は、調湿建材2の表面に前処理液を吐出して前処理液を多孔質基材上に塗布する前処理液塗布ヘッド30を備えている。この前処理液塗布ヘッド30の下方には、調湿建材2を載置した状態で前処理液塗布ヘッド30の下面に形成された吐出ノズルと対向する位置に調湿建材2を搬送するベルトコンベア等の搬送部200が配置されている。
乾燥装置400は、搬送部200の周囲に配置された加熱部40を備え、前処理液が塗布された調湿建材2上の加飾領域を加熱し、塗布された前処理液の乾燥を促進するようにしている。加熱部40としては、セラミックヒーター、カーボンヒーター、赤外線を照射するヒーターや、温風を吹き付けるファンなどであってよい。
印刷装置500は、加飾(印刷)しようとする画像の電子データ(各画素に対応する画素値を備えるもの)を提供するための入力部(図示せず、例えば、スキャナ)と、調湿建材2の表面に水性インクを吐出して画像を記録する記録ヘッド部50を備えている。この記録ヘッド部50の下方には、調湿建材2を載置した状態で記録ヘッド部50の下面に形成された吐出ノズルと対向する位置に調湿建材2を搬送するベルトコンベア等の搬送部200が配置されている。
記録ヘッド部50は、調湿建材2の搬送方向に対して直交する主走査方向の画像形成領域の全幅にわたって複数のノズルが一列に配列されたラインヘッド(フルライン型インクジェット記録ヘッド)であり、搬送方向に沿って異なる色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のインクを吐出するヘッドユニットが配列されている。この記録ヘッド部50のインクの吐出方式は特に限定されず、例えば、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式及びインクミスト方式等の連続方式、ステムメ方式、パルスジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式及び静電吸引方式等のオン・デマンド方式が挙げられる。また、図示の記録ヘッドは、ラインヘッドであるが、シリアル型の記録ヘッドを用いてもよい。また、ヘッドユニットは、上記4色のインクを吐出するものに限定されず、さらに他の色(例えば、ライトマゼンタ、ライトシアン、レッドなど)のインクを吐出するヘッドであってもよい。
搬送部200は、一対のローラー間に架けわたされた無端の搬送ベルトを備え、ローラーを回転駆動することにより搬送ベルト上に載置された調湿建材2を搬送方向に移動させるベルトコンベアや、後述する搬送ローラー13a〜d等を複数連結して形成されており、調湿建材2を順次受け渡して、各装置内を通過させて、各処理を順次施すようにしている。
このような構成の、加飾装置の全体的な動作について説明する。調湿建材2の表面に加飾を行う場合、先ず、調湿建材2が末端の搬送部200にセットされると、研磨装置100内へ搬送され、研磨装置100により調湿建材2を研磨し、表面の平滑性と光沢性が高められる。次いで、調湿建材2は、研磨装置100から移動され、前処理液塗布装置300内に送り込まれ、調湿建材2上の所定領域(画像データに基づく画像形成領域)に前処理液が吐出により塗布される。その後、乾燥された調湿建材2は、乾燥装置400内へ送り込まれ、加熱部40により加熱され、前処理液が乾燥される。
そして、乾燥が完了した調湿建材2は、印刷装置500内に送り込まれ、画像データに基づいて搬送部20と記録ヘッド部50が駆動制御されて、各画素に対応する多孔質基材上の位置にインクを吐出することで調湿建材2の表面に画像記録を行い、加飾が完了する。
(前処理液塗布装置の構成)
先ず,前記前処理液塗布装置300の構成について詳述する。図4は、本実施形態に係る前処理液塗布装置300の概略構成を示す上面図である。
前処理液塗布装置300は、印刷装置500で調湿建材2の表面にインクジェット印刷による加飾処理の前に、前処理液を調湿建材の表面に塗布するための装置である。本実施形態では、搬送方向(図4中の「副走査方向」)に調湿建材2を搬送させる搬送部200の上方に配置され、副走査方向と直交する主走査方向にインクジェット式の前処理液塗布ヘッド30を往復移動させつつ、記録ヘッドから前処理液を吐出させて、調湿建材2の表面に前処理を塗布するシリアル方式のインクジェット印刷装置が用いられる。
本実施形態において、このような前処理液塗布装置300には、前処理液塗布ヘッド30を往復移動させるノズルユニット310と、前処理液塗布ヘッド30に前処理液を供給する供給ユニット320とが備えられている。
ノズルユニット310は、搬送される調湿建材2の上部に配置されており、主走査方向に延びたガイドレール311と、ガイドレール311に保持され、ガイドレール311の主走査方向に移動可能なキャリッジ312とを備える。キャリッジ312は、図示しないモーターによって、ガイドレール311上を往復移動可能となっている。キャリッジ312には、前処理液のインク滴を吐出するためのノズル31を持つ前処理液塗布ヘッド30が取り付けられている。これにより、ノズル31は、調湿建材2の表面から所定距離に保たれつつ、調湿建材2に対して相対移動される。
前処理液塗布ヘッド30の内部には、前処理液が貯留され、ノズル31から前処理液と空気とが混合されて噴射されるようになっている。この前処理液塗布ヘッド30の吐出機構としては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどの前処理液を吐出するためのエネルギー発生手段として備えたもの等を使用できる。
なお、図4では、前処理液塗布ヘッド30のノズル31は、1つのみ図示しているが、複数のノズル31をライン状に並べてノズル列を形成するようにしてもよく、この場合、ノズル列(複数のノズル31)は、キャリッジ312の走査方向と交差する方向に配列される。
さらに、本実施形態で使用される前処理液としては、水、水分散性樹脂、及び平均1次粒子径が300nm以下の微粒子を少なくとも含んでいることが好ましい。また、前処理液の固形分量が、5g/m2(dry)以上16g/m2(dry)未満であることが好ましい。
また、ノズルユニット310は、図示しないモーターによって、副走査方向に移動可能となっている。本実施形態において、ノズルユニット310は、前処理液塗布ヘッド30から前処理液が噴射中の状態のとき、言い換えると調湿建材2の上部に前処理液塗布ヘッド30のノズル31があるときは、ノズルユニット310の移動は停止しており、前処理液塗布ヘッド30のノズル31が調湿建材2の外(非印字領域)に移動したときにノズルユニット310が所定の量を移動することで調湿建材2全面に対し均一に塗布するようになっている。
搬送部200は、調湿建材2をその塗布面が上面となるように載置して、前処理液塗布装置300内に搬送させる搬送手段であり、ノズルユニット310に対向するように下方側に配置されている。この搬送部200は、前処理液塗布装置300の副走査方向に沿って配設された一対のローラーと、一対のローラーに掛け渡された搬送ベルト201とから構成される。
また、搬送部200には、搬送部200の上流側に設置されたサイズ自動検知装置、又は、作業者が前処理制御部330に入力することで、設置された調湿建材2のサイズを認識可能となっているものとする。このように、調湿建材2のサイズを認識することで、キャリッジ312の非印字領域までの移動を、認識された調湿建材2のサイズに応じて制御可能となっている。
また、前処理液塗布装置300の非印字領域には、前処理液塗布ヘッド30のノズル31の状態を維持し、回復するための維持回復機構が設けられている。この維持回復機構の位置をキャリッジ312のホームポジション(ホーム位置)とする。維持回復機構としては、前処理液塗布ヘッド30の各前処理液吐出面保湿するためのキャップ、ノズル面を払拭するブレード状のワイパ部材、印刷に寄与しない前処理液滴(空吐出滴)を吐出させる空吐出動作で吐出された空吐出滴を受ける空吐出受けなどを備えている。
一方、供給ユニット320には、前処理液を貯留するヘッドタンク321と、ヘッドタンク321と供給ユニット320とを接続する配管324及び配管325と、配管324に設けられた加圧ポンプ322とを備えている。
ヘッドタンク321は、前処理液カートリッジから供給された前処理液を一時的に貯留し、前処理液塗布ヘッド30に供給する前処理液の圧力を安定化させるタンクである。配管324は、可撓性を有する部材で形成され、前処理液塗布ヘッド30とヘッドタンク321とを接続して、ヘッドタンク321から前処理液塗布ヘッド30に前処理液を供給する流路を有する。配管325は、可撓性を有する部材で形成され、前処理液塗布ヘッド30とヘッドタンク321とを接続して、前処理液塗布ヘッド30からヘッドタンク321に前処理液を回収する流路を有する。配管324の途中にはヘッドタンク321内の前処理液を加圧して前処理液塗布ヘッド30に供給するための送液手段を含む加圧ポンプ322が備わっている。この加圧ポンプ322が前処理制御部330の制御によって駆動することで、ノズル31の液圧を一定の正圧とするようになっている。なお、配管324には、流路上に開閉弁を設けてもよい。
前処理液塗布装置300には、前処理液塗布装置300全体の動作を制御する演算処理装置である前処理制御部330を有している。前処理制御部330は、ノズルユニット310を制御して前処理液塗布ヘッド30のノズル31を、調湿建材2の表面から所定距離に保ちつつ、調湿建材2に対して往復移動させたり、前処理液塗布ヘッド30を制御してノズル31から一定量の前処理液を噴射させたりする。
特に本実施形態に係る前処理制御部330は、調湿建材2の塗布領域全域にわたって、一連の相対移動によって、いわゆる一筆書きのようにして、ノズル31を走査させ、前処理液を、一枚の調湿建材2に対して一度のみ塗布するように制御する。この際、前処理液を、液滴状態において、基材への噴射速度を9m/s未満として噴射することが好ましく、さらに、前処理制御部330は、ノズル31が前処理液を噴射しつつ調湿建材上を移動する間、一定速度で移動するように制御する。また、前処理制御部330は、供給ユニット320を制御して、前処理液塗布ヘッド30に前処理液を供給するインク循環制御も行う。なお、本実施形態では、ノズルユニット310が副走査方向に移動可能としたが、本発明はこれに限定されず、ノズルユニット310を、インクジェットヘッドが調湿建材2の全幅にわたって配列されたライン式として、前処理液塗布装置300に固定して、調湿建材2のみを相対移動させる構成であってもよい。
(前処理液塗布方法の手順)
このような構成の前処理液塗布装置300を用いた前処理液塗布方法は以下の手順による。なお、本実施形態における前処理液塗布の条件は、前処理液として、水、水分散性樹脂、及び平均1次粒子径が300nm以下の微粒子を少なくとも含むものを用いる。また、ノズル31の調湿建材2が受ける噴射面積に対して噴射圧を25Pa未満とする。
先ず、搬送部200は、研磨装置100から搬送された調湿建材2を1枚ずつ分離給紙し、副走査方向(搬送方向)に搬送する。そして、調湿建材2が前処理液塗布装置300内部に配置したときに搬送部200の駆動を停止させる。
その後、前処理制御部330は、ガイドレール311上のキャリッジ312を主走査方向に往復移動させながら前処理液塗布ヘッド30を移動させつつ、ノズル31から前処理液を噴射する。具体的には、前処理制御部330は、先ず、ノズル31が調湿建材2外にある位置でノズル31から前処理液と空気とを混合して噴射させる。そして、ノズル31から前処理液が噴射されている状態で、ノズル31を調湿建材2の表面から所定距離に保ちつつ、調湿建材2に対して相対移動させ、調湿建材2に対して1行分の領域に前処理液を塗布する。
このとき、前処理制御部330は、調湿建材2の塗布領域全域にわたって、ノズル31を一連の相対移動によって走査させ、一枚の調湿建材に対し、前処理液を一度の走査で塗布するように制御する。また、前処理制御部330は、ノズル31が前処理液を噴射しつつ調湿建材2上を移動する間、キャリッジ312を一定速度に制御する。その後、ノズル31が調湿建材2外へ移動した後に噴射を一時停止する。
その後は、ノズルユニット310を副走査方向に1行分移動させ、次の行の領域に対して、上記同様の前処理液塗布処理を行う。塗布終了信号又は調湿建材2の後端が記録領域に到達した信号を受け、全ての行に対する塗布動作が終了すると、調湿建材2を乾燥装置400に向けて搬送する。
(乾燥装置の構成)
次に、前乾燥装置400の構成について詳述する。図5は、本実施形態に係る乾燥装置400の構成を模式的に示す側面図である。本実施形態における乾燥装置400は、水、水分散性樹脂、及び平均1次粒子径が300nm以下の微粒子を少なくとも含む前処理液が塗布された多孔質基材である調湿建材2を乾燥させる装置であり、図5に示すように、調湿建材2を乾燥炉401内外へ搬送する搬送部200と、搬送される調湿建材2表面を加熱して表面を乾燥させる乾燥処理部410と、乾燥炉401内で発生した水蒸気を外部に排出する排気部450と、各部を制御する乾燥制御部420とを備えている。
乾燥処理部410は、搬送部200と対向するように上方側に配置されている。この乾燥処理部410は、外気を取り込む吸引部411と、吸引部411で吸引した外気を加熱して熱風を発生させる熱風発生部412と、調湿建材2の塗布面に加熱された空気を吹き付けるダクト413と、調湿建材2の表面を加熱する補助加熱部416とを有する。
吸引部411は、外気を乾燥炉401内部に取り込むファンであり、外部から熱風発生部412側への風を生起させる。熱風発生部412は、吸引部411で吸引した外気を加熱して熱風を発生させる加熱手段であり、内部にはヒーターなどの発熱体を有する。熱風発生部412内に送り込まれた空気は、この発熱体によって熱風となり、熱風発生部412に接続されたダクト413に送出される。
ダクト413は、加熱された空気を乾燥炉401内部に導入する経路を有する配管手段である。このダクト413は、副走査方向に沿って延びており、このダクトには、複数の下降ダクト414が分岐されている。
下降ダクト414は、熱風が下降される下降経路を形成した配管であり、下方に向けて突出し、その先端部分には内部の熱風を調湿建材2に吹き付ける吹付口415が設けられている。吹付口415は、搬送部200によって搬送された調湿建材2と接触せず、適切に熱風を吹き付ける高さに形成されている。
また、乾燥炉401の内部には、隣接する下降ダクト414、414間において、補助加熱部416が複数配置されている。この補助加熱部416は、調湿建材2の表面を加熱する加熱手段であり、本実施形態では、シーズ(遠赤外線)ヒーターやハロゲンヒーターなど輻射熱を発生させる装置が用いられる。なお、補助加熱部416としては、これに限定するものではなく、種々の熱処理装置を用いることができる。
搬送部200は、調湿建材2をその塗布面が上面となるように載置して、乾燥炉401内を搬送する搬送手段であり、乾燥処理部410に対向するように下方側に配置されている。
この搬送部200は、乾燥炉401内へ臨む導入部441、及び乾燥炉401外へ臨む排出部442に配設された一対のローラー202,202と、一対のローラー202,202に掛け渡された搬送ベルト201とを有している。導入部441及び排出部442は、乾燥炉401の一部が開口された開口部分であり、この各開口部分に一対のローラー202,202がそれぞれ配置され、搬送ベルト201が乾燥炉401内部に配置される。一対のローラー202,202及び搬送ベルト201は、耐熱性を有する部材で形成されている。
搬送ベルト201は、その上面側に高い気密性をもって調湿建材2に密着可能な可撓性を有した無端状のベルト部材である。この高い気密性を持つ素材とは、例えば、ベルト上を貫通する孔が形成されず、水蒸気を下方に通過させないような柔軟性又は弾力性、粘着性を有するものであれば種々選択可能である。このような搬送ベルト201により、調湿建材2は、搬送時に、調湿建材2の前処理液が塗布された塗布面とは反対側の面と密着され、調湿建材の裏面からの蒸発が抑えられるようになっている。
排気部450は、乾燥炉401内で発生した水蒸気を乾燥炉401外へ排出させる排出手段であり、乾燥炉401の一部を開口させ、当該開口部分にファンなどの送風手段が設けられている。これにより、乾燥炉401内で調湿建材2から発生した水蒸気が外部に放出され、乾燥炉内で、水蒸気が飽和するのを回避することができる。
また、搬送部200には、排出部442側において、搬送ベルト201表面に摺接される拭取部443が備えている。この拭取部443は、乾燥炉401外部に配置されており、搬送ベルト201表面に付着した水滴などを拭き取る手段である。拭取部443は、搬送ベルト201表面と接触する部分は、吸水部材で形成されている。
このように、乾燥装置400の搬送部200及び乾燥処理部410では、調湿建材2の下面に対して高い気密性をもって密着される搬送ベルト201上に、調湿建材2を載置して、乾燥炉401内を搬送し、乾燥炉401内において、搬送ベルト201上に高い気密性をもって調湿建材2を載置させた状態で、板状部材の上面に加熱された空気を吹き付け、調湿建材2の裏面からの蒸発を抑え、前処理剤固形分の影響で水分が蒸発しにくい表面と裏面とにおける蒸発量のバランスを図る。
乾燥制御部420は、乾燥装置400全体の動作を制御する演算処理装置である。この乾燥制御部420では、搬送部200を制御して搬送速度を調整したり、乾燥処理部410の各部を制御して、下降ダクト414から吹き付ける熱風量、補助加熱部416の熱量、排気部450の排気量、拭取部443の駆動等を調整したりする。
なお、図示していないが、乾燥炉401内部には、乾燥炉401内部の温度を測定する温度センサー、湿度を測定する湿度センサーが設けられており、乾燥制御部420は、センサーで測定された温度情報や湿度情報に基づいて、乾燥炉401内を所定温度又は所定湿度となるように、熱風発生部412、補助加熱部416、又は排気部450を制御している。なお、赤外線非接触式等の温度計を用いて、調湿建材2の表面温度を測定してもよい。
(乾燥方法の手順)
このような構成の乾燥装置400を用い、前処理液が塗布された多孔質基材である調湿建材2を乾燥させる乾燥方法は以下の手順による。なお、本実施形態における乾燥の条件は、前処理液として、水、水分散性樹脂、及び平均1次粒子径が300nm以下の微粒子を少なくとも含むものを用いる。
先ず、搬送部200は、前処理液塗布装置300から搬送された調湿建材2を1枚ずつ搬送する。この際、搬送部200は、調湿建材2の前処理液が塗布された塗布面とは反対側の面に対して高い気密性をもって密着される搬送ベルト201上に、調湿建材2をその塗布面が上面となるように載置して、乾燥炉401内を搬送する。そして、調湿建材2の全てが乾燥炉401内に配置されたときに、搬送部200の駆動を停止させる。
そして、乾燥処理部410によって、搬送ベルト201上の調湿建材2を載置させた状態で、調湿建材2の塗布面に加熱された空気を吹き付ける。具体的には、先ず、吸引部411によって外気を取り込み、熱風発生部412で、吸引部411で吸引した外気を加熱して熱風を発生させる。その熱風は熱風発生部412に接続されたダクト413に送風され、ダクト413から分岐された複数の下降ダクト414に流れ込み、吹付口415から熱風が排出される。これにより、搬送ベルト201上に高い気密性をもって調湿建材2を載置させた状態で、調湿建材2の塗布面に加熱された空気が吹き付けられる。
さらに、各補助加熱部416を駆動させて、熱源を発生させ、調湿建材2の塗布面を加熱する。この熱風の吹き付け及び補助加熱部416による加熱は、所定の時間(約3分)行う。なお、この間、排気部450によって、乾燥炉401内で発生した水蒸気を乾燥炉401外へ排出させる。
所定時間後が経過すると、搬送部200を駆動させて排出部442から乾燥炉401の外部に調湿建材2を排出させる。このとき、拭取部443により、搬送ベルト201表面に付着した水滴などを拭き取る。
(研磨装置の構成)
次いで、上述した加飾処理に利用可能な研磨装置100について詳述する。図2は、本実施形態に係る研磨装置100の構成を模式的に示す側面図であり、図3は、研磨装置100において、サンドペーパー(研磨手段)の下端部における研磨面を拡大して模式的に示す側面図である。
研磨装置100は、被研磨材である調湿建材2の上面を研磨する装置であって、調湿建材2を水平方向に搬送する搬送手段13と、搬送手段13上を搬送される調湿建材2の上面を研磨する研磨手段であるサンドペーパー11と、サンドペーパー11を周回駆動させる駆動手段12及び制御手段19と、これらの各装置を収納する躯体16とから概略構成される。
搬送手段13は、調湿建材2の搬送経路となる軌道を形成する搬送装置であり、本実施形態では、躯体16の一側面から他側面に貫通するように延設され、搬送経路上の研磨面Aの下方に配置されて研磨される調湿建材2を下方から支持するプラテン部15と、このプラテン部15の前後で搬送経路に沿って配置された搬送ローラー13a〜dと、研磨面Aの前後に配置された予備ローラー14a,14bとから構成される。
プラテン部15は、上方に配置されたサンドペーパー11の研磨面Aの下側に対向配置された架台であり、調湿建材2の重量や、サンドペーパー11からの圧力に耐えうる程の強度と重量を有している。
搬送ローラー13a〜dは、調湿建材2に抵抗を付与する抵抗付与手段であり、具体的には、上下平行に配置された2本のローラーが一組となって、搬送経路上に配列されており、上下2本のローラーによって、サンドペーパー11による摩擦力に対して抵抗可能に、搬送中の調湿建材2を把持する。また、各搬送ローラー13a〜dは、駆動源により所定のトルクをもってそれぞれ回転駆動されるとともに、制御部19により、その回転速度等が制御される。
予備ローラー14a,14bは、サンドペーパー11の下端部近傍において、搬送中の調湿建材2に押圧されつつ回転駆動されるローラーであり、本実施形態では、上下平行に配置された2本のローラーが一組となって搬送経路上のプラテン部15上部に配列され、上下から押圧することにより調湿建材2を把持するようになっている。これら予備ローラー14a,14bは、研磨面Aの前後に一組ずつ配置されており、各々駆動源により所定のトルクで回転されるとともに、制御部19により、その回転速度等が制御される。
なお、研磨時に被研磨材である調湿建材2の搬送速度と研磨手段の周回速度との速度差を研磨が可能となる所定の値以上とできるのであれば、予備ローラー14a,14bはなくてもよい。また、この場合には、研磨手段から被研磨材である調湿建材2が受ける摩擦力に対して抵抗可能とすべく制御部19が搬送ローラー13a,13bの挟持圧を調整できるよう構成してもよい。
サンドペーパー11は、躯体16内に配設され、研磨材が無端状に連続するように形成されたベルト部材であり、具体的には、紙や布、樹脂などを基材とし、この基材を無端のベルト状に形成し、その他表面に酸化アルミニウム砥粒、アルミナジルコニア砥粒、セラミック砥粒などの研磨材を接着や溶着して形成される。このサンドペーパー11は、搬送方向に直交するように軸支されたローラー群12a〜cに巻き回され、その下端部を調湿建材2の上面に当接され、摺動接触することによって研磨する。
サンドペーパー11を周回駆動させるローラー群12a〜cは、本実施形態では、無端ベルト状のサンドペーパー11に駆動力を伝える駆動ローラー12aと、サンドペーパー11を介して調湿建材2の上面に予圧をかけながら回転するゴムローラー12cと、無端ベルト状のサンドペーパー11の周回軌道を維持するための単数又は複数のガイドローラー12bとから構成される。ゴムローラー12cは、樹脂などの柔軟性を有する素材で形成されるとともに、調湿建材2に対する押圧力が調節可能となっており、搬送ローラー13や予備ローラー14によるニップ力よりも低い予圧で調湿建材2の上面に摺動接触されるようになっている。
なお、本実施形態におけるサンドペーパー11の周回軌道は、ローラー群12a〜cを各頂点とする略三角形をなしており、上面視において、駆動ローラー12aが、ゴムローラー12cとガイドローラー12bとの間に位置され、駆動ローラー12aが最上位の頂点となっている。これにより、駆動ローラー12aから、駆動ローラー12a及びガイドローラー12bに向けてそれぞれ傾斜するように、調湿建材2の周回軌道が形成されている。さらに、ガイドローラー12bは、搬送方向d2前方に突出するように位置され、ゴムローラー12cとガイドローラー12bを結ぶ底辺部分が、上方に向けて傾斜された周回軌道となるように維持されている。これにより研磨面Aに削り屑が、研磨面Aの上流側に落下する確率を低減させている。
駆動手段12は、モーター等の動力源によりローラー群12a〜cを回転させ、無端ベルト状のサンドペーパー11を周回駆動させる装置であり、制御部19により各ローラーの回転速度が制御される。制御手段19は、研磨装置100全体の動作を制御する演算処理装置であり、駆動手段12における各ローラーの回転や、搬送手段13における各ローラーの回転を制御するほか、集塵装置17やクリーニングブラシ18等の動作なども制御する。
そして、本実施形態では、図3に示すように、サンドペーパー11の下端部における研磨材の移動方向d1が、調湿建材2の搬送方向d2と同一となっている。また、搬送ローラー13a〜dは、駆動源により所定のトルクをもってそれぞれ回転駆動され、調湿建材2がサンドペーパー11の下端とプラテン部15上面とによってニップされている間は、サンドペーパー11の下端部における研磨材の移動速度が、調湿建材2の搬送速度を上回るように制御されている。
さらに、予備ローラー14a,14bは、サンドペーパー11の下端部における研磨材の移動速度に応じて、調湿建材2の搬送方向d2とは反対の方向に圧力を生じさせるように、その駆動が制御される。結果的に、搬送ローラー13a〜dによる搬送力は、サンドペーパー11による研磨によって発生する搬送方向の力を大きく上回り、搬送ローラー13a〜dの搬送力は、サンドペーパー11による研磨によって発生する搬送方向の力から、搬送方向と対向する予備ローラー14a,14bの力を差し引いた力とほぼ釣り合うこととなる。
研磨装置100は、さらに、周回駆動される無端ベルト状のサンドペーパー11表面に付着した削り屑を除去するクリーニングブラシ18と、研磨により生じた粉塵を吸引して除去する集塵手段17とを備えている。
クリーニングブラシ18は、周回駆動されているサンドペーパー11の表面に対して、摺動接触されるブラシ部材であり、周回駆動中のサンドペーパー11の表面に押しつけられることによって、削り屑を除去する。
集塵手段17は、サンドペーパー11の下端部付近で発生する塵埃を吸引により除去する装置であり、躯体16内と連通するダクト17aを通じて接続された吸気装置であり、ダクト17aを通じて吸引された粉塵をフィルター等で収集する。
(研磨方法の手順)
このような構成の研磨装置100を用いた研磨方法は以下の手順による。なお、本実施形態における研磨処理の条件は、調湿建材の搬送速度を10m/minとし、サンドペーパー11の周回駆動速度を850m/minとし、調湿建材に対する削り代を0.2mmとし、サンドペーパーのペーパー番手(粒度)を#320としている。
先ず、研磨の対象となる調湿建材2を、研磨する側を上面として搬送経路上を搬送する。このとき、研磨装置100の手前では、上下2本のローラーが一組となった搬送ローラー13a及び13bによって、サンドペーパー11による摩擦力に対して抵抗可能に、搬送中の調湿建材2を上下から把持しつつ、プラテン部15上へと搬送する。次いで、調湿建材2がプラテン部15に差し掛かると、研磨面Aの手前において、上下2本のローラーが一組となった予備ローラー14aによって上下から押圧されることにより調湿建材2が把持される。これらの結果、調湿建材2がサンドペーパー11の下端に到達する際には、調湿建材2の前部がプラテン部15上の予備ローラー14aによって上下から押圧され、後部が搬送ローラー13a及び13bによって上下から把持され、サンドペーパー11による摩擦力に対して抵抗可能な状態となる。
そして、調湿建材2がサンドペーパー11の下方に到達すると、調湿建材2の上面がサンドペーパー11の下端において研磨される。詳述すると、サンドペーパー11がローラー群12a〜cにより周回駆動され、その下端において、ゴムローラー12cの圧力によって、調湿建材2の上面に当接され、摺動接触することによって研磨する。
このサンドペーパー11による研磨に際しては、サンドペーパー11の下端部における研磨材の移動方向d1が、調湿建材2の搬送方向d2と同一となっている。このとき、研磨面Aの手前では搬送ローラー13a及び13bが、研磨面Aを通過した後では予備ローラー13c及び13dが、調湿建材2がサンドペーパー11の下端とプラテン部15上面とによってニップされている間、サンドペーパー11の下端部における研磨材の移動速度が、調湿建材2の搬送速度を上回るように制御されている。さらに、研磨面Aの手前では予備ローラー14aが、研磨面Aを通過した後では予備ローラー14bが、サンドペーパー11の下端部における研磨材の移動速度に応じて、調湿建材2の搬送方向d2とは反対の方向に圧力を生じさせるように、その駆動が制御されている。
そして、この研磨処理の間、クリーニングブラシ18が、周回駆動されているサンドペーパー11の表面に対して摺動接触され周回駆動中のサンドペーパー11表面に付着した削り屑を除去するようになっている。また、この研磨処理の間、集塵機17が、サンドペーパー11の下端部付近で発生する塵埃を、ダクト17aを通じて吸引し、吸引された粉塵をフィルター等で収集し、外部へ排出している。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態に係る前処理液塗布装置300及び前処理液塗布方法によれば、前処理液に含まれる微粒子の平均1次粒子径を300nm以下とし、これを空気と混合して噴射して塗布することから、調湿建材2の吸湿機能を損なうことなく、前処理液を均一に建材表面に塗布することができ、加飾処理におけるインクの定着性を向上させるとともに、建材表面の光沢性を高めることができる。すなわち、調湿建材2に用いられる多孔質基材の細孔の直径は、例えば、1〜200nmあるいは1〜100nm程度のものがあり、より詳細には、直径1〜50nmのメソ孔と直径50nm超(例えば50nm超200nm以下又は50nm超100nm以下程度)のマクロ孔とを有する。このため、前処理液に含まれる微粒子の平均1次粒子径を300nm以下とすることによって、前処理液の微粒子を建材の表面に定着させることができ、インクジェットにより加飾する印字面の光沢度を向上させることができ、且つ非印字面の色味や光沢度に影響がない程度で、調湿性能を維持したまま調湿建材2の意匠性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、前処理液の固形分量を、5g/m2(dry)以上16g/m2(dry)未満であることによって、より適正に印字面の光沢度を向上させることができ、且つ非印字面の色味や光沢度に影響がない程度で、調湿性能を維持したまま調湿建材2の意匠性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、前処理液を、液滴状態にて、前記基材が受ける噴射面積に対して噴射圧を25Pa未満とするため、建材の吸湿性とのバランスを図りつつ、前処理液内の微粒子を適量に印字面に留めることができ、より適正な光沢性を維持できる。
また、本実施形態によれば、前処理工程において、ノズル31を主走査方向に移動させ、調湿建材の端部に達した後に副操作方向に所定距離移動させてから再び主走査方向に移動させながら前処理液を噴射させることを繰り返すことにより、調湿建材の印字面である塗布領域全域にわたって、ノズル31を一連の相対移動によって一度だけ走査させて塗布することができる。この結果、いわゆる一筆書きで塗布作業を完了させることができ、建材の吸湿性により前処理液が吸収されてしまう前に、適量を印字面に定着させ、無駄な液剤や工程が生じるのを省くことができる。
なお、本実施形態によれば、ノズル31が前処理液を噴射しつつ調湿建材2上を移動する間、一定速度で移動するため、液剤を均一に塗布させることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(A)前処理液塗布に関する実施例について
<実施例1〜2、比較例1〜3>
(1)前処理液の作製
表2に示す各成分を表2に示す割合でプレミックスした後、超音波分散機にて1分間分散し、水性分散液を得た。表2から明らかなように、前処理液は、1次粒子径の異なる2種類の微粒子を含んでいる。
なお、表2において、各成分の詳細は下記の通りである。
スノーテックス30:日産化学社製コロイダルシリカ「スノーテックス30(商品名)」、1次粒子径10−15nm、30%水分散液。
スノーテックスMP−2040:日産化学社製コロイダルシリカ「スノーテックスMP−2040(商品名)」、1次粒子径170−230nm、40%水分散液。
スミエリート1010:住化ケムテックス社製エチレン−塩化ビニル共重合樹脂エマルジョン「スミエリート1010(商品名)」、1次粒子径200nm。
(2)調湿建材への前処理液塗布
表3に示す制御によって前処理液を調湿建材2に塗布し、印刷装置500で加飾した印字面の光沢度を測定した。なお、表2に示す前処理液は原液であり、所定の水によって濃度調整して使用するものとする。
なお、調湿建材2としては、調湿建材判定基準に規定される所定の調湿性及びその他の要件を満たす1級乃至3級のいずれかの調湿建材Aを用意し、実施例1、2及び比較例1〜3では、調湿建材Aをそのまま用いた。そして、上記調湿建材Aの表面に所定のインクを用いてインクジェット印刷し、この調湿建材の印刷面を乾燥させた。なお、この印刷面は、印字されない非印字領域が含まれているものとする。
なお、表3において、制御パラメータの詳細は下記の通りである。
「前処理剤濃度」とは、濃度調整後の微粒子及び樹脂分の水に対する濃度である。
「噴射圧」とは、前処理液をノズル31から噴射した際に基材が受ける噴射圧である。
「前処理剤量」とは、前処理液中における微粒子及び樹脂分の配合量(固形分量)である。
「塗布回数」とは、調湿建材の表面に塗布する回数である。
「送り速度」とは、ガイドレール311上を移動するキャリッジ312の速度である。
ここで、実施例1は、前処理液の原液と水を1:2の割合で濃度調整し、前処理濃度を標準(7.4%)とし、噴射圧を2.1Paとし、前処理剤量を12g/m2(dry)とし、塗布回数を1回とし、送り速度を標準としている。
実施例2は、実施例1と比較して、前処理液の原液と水を1:5の割合で濃度調整し、前処理材の濃度を薄くし(3.7%)、送り速度を半分にして前処理剤の量等は実施例1と同等にした。
比較例1は、実施例1に対し、前処理液の原液と水を1:5の割合で濃度調整し、前処理剤の濃度を濃く(14.9%)した。
比較例2は、実施例2に対し、送り速度を標準設定で2回重ね塗りした。
比較例3は、実施例1に対し、ノズル31から噴射される前処理液の噴射圧を25.9Paと強く設定した。
また、表3に示していないが、実施例及び比較例で用いた前処理液塗布装置内の各設定、又は制御パラメータは、以下のとおりである。
ノズル孔の大きさを示す「ノズル径」は、0.7mmに設定した。
噴射される液滴の直径を示す「噴霧径」は、20mmに設定した。
噴射される液滴が着弾する面積を示す「噴霧面積」は、314.2mm2に設定した。
噴射される液体の時間あたりの供給量を示す「流速」は、2.6m/s、又は9.2m/sに設定した。
噴射によって建材表面が受ける力を示す「受ける力」は、0.65mN 8.1mNに設定した。
調湿建材が受ける前処理液による圧力を示す「受ける圧力」は、2.1Pa、又は25.9Paに設定した。
(3)加飾表面の評価
上記(2)で得られた調湿建材の光沢度を評価した。結果を表3に示す。調湿建材に印刷された画像の表面の60°光沢度を、KONICA MINOLTA社製Muli-Gloss268(商品名)で測定した。
[非印字部]
○:測定値が5未満であり、光沢性が良好である。
×:測定値が5以上であり、光沢性が乏しい。
[印字部]
○:測定値が15以上であり、光沢性が良好である。
△:測定値が10〜15未満であり、所望の光沢性を有しない。
×:測定値が10未満であり、光沢性が乏しい。
表3の結果から、以下のことがわかる。実施例1、2及び比較例1〜3から、調湿建材2に対して平均1次粒子径が300nm以下の前処理液を塗布することで、前処理液の微粒子を建材の表面に定着させることができ、インクジェットにより加飾する印字面の光沢度を向上させることができ、且つ非印字面の色味や光沢度に影響がない程度で、調湿性能を維持したまま調湿建材2の意匠性を向上させることができる。
特に、実施例1と実施例2との対比から、前処理剤の濃度を薄くし、送り速度を半分にした場合であっても、同様な光沢度を得ることができることがわかる。
また、実施例1と比較例1との対比から、前処理剤の濃度を濃くした場合には、非印字部の基材の色が変化して、光沢度の結果が「×」となり、光沢度が劣化してしまうことがわかる。
さらに、実施例2と比較例2との対比から、送り速度を標準設定で2回繰り返した場合には、印字部の光沢度の結果が「×」であり、光沢性が乏しいことがわかる。
また、実施例1と比較例3との対比からノズルからの噴射圧を強めた場合には、印字部の光沢度の結果が「△」であり、所望する光沢度に到達しないことがわかる。
(4)前処理液塗布方法の変形例
なお、本実施形態では、前処理制御部330にてノズル列(複数のノズル31)を一筆書きのようにして一度のみ前処理液を塗布するように制御する例で説明した。すなわち、ノズル列の一端から他端の全てのノズルを使って主走査方向への1回の操作にて前処理液を塗布することができる最大の領域を前処理液塗布領域とすると、この前処理液塗布領域が重ならないように塗布する例にて説明したが、塗布方法はこれに限るものではない。例えば、前処理塗布領域をn分割して、前処理液を塗布する領域を副走査方向にm/nずつずらして、前処理液を塗布する領域の一部が重なるように塗布しても良い。ここで、n,mはともに0を除く整数であり、n>mである。例えば、n=3,m=1とすると1回前の前処理液が塗布される領域と今回の前処理液が塗布される領域とは、1/3が重なるようになる。このように前処理液塗布領域の一部が重なるように塗布していくことで、前処理液を均一にムラなく塗布することができる。
(B)乾燥処理に関する実施例について
<実施例1、及び比較例1〜6>
(1)表4に示す制御によって、前処理液を調湿建材2に塗布し、乾燥装置400で乾燥させた場合の調湿建材2の乾燥状態及び調湿建材2の反り状態を測定した。なお、調湿建材としては、調湿建材判定基準に規定される所定の調湿性及びその他の要件を満たす1級乃至3級のいずれかの調湿建材Aを用意し、実施例1、2及び比較例1〜3では、調湿建材Aをそのまま用いた。また、前処理液としては、上記表2に示す前処理液を、所定の水によって濃度調整して使用するものとする。
なお、表4において、制御方法、制御パラメータの詳細は下記の通りである。
「前処理液量」とは、水を含んだ濃度調整後の前処理液の量であり、ここでは、160g/m2に設定される。
「遠赤外線」とは、補助加熱部416による加熱処理を示しており、「上」とは、調湿建材2の上部に補助加熱部416を配置させた状態を示し、「上>下」とは、調湿建材2の上部及び下部に補助加熱部416を配置させた状態を示している。
「熱風」とは、乾燥処理部410による熱風の吹き付けを示しており、「上」とは、調湿建材2の上部に吹付口415を配置させた状態を示し、「上>下」とは、調湿建材2の上部及び下部に吹付口415を配置させた状態を示している。
「外気」とは、外気を調湿建材の下方から吹き付けて冷却する処理を示しており、「無」は、外気吹き付けを行わないことを示し、「下」は、調湿建材2の塗布面とは反対側の裏面に外気を吹き付けたことを示している。
「ベルト」とは、搬送ベルト201の構成を示しており、「平ベルト」とは、水蒸気を通過させない高い気密性をもったベルトを示し、「メッシュ」とは、チェーン上のベルトなど、気密性の低いベルトを示し、「メッシュ+湿り紙」とは、気密性の低いベルト上に水分を含んだ布等を貼り付けたものを示している。
「温度設定」とは、乾燥炉内の温度を示している。ここでは、120℃に設定される。
「時間」とは、乾燥処理を行う時間である。
ここで、実施例は、前処理剤量を160g/m2とし、遠赤外線及び熱風を上方から与え、外気による冷却は省略した。また、搬送ベルト201は、平ベルトが用いられ、温度設定は120℃で3分間乾燥させた。
比較例1は、実施例1に対し、遠赤外線と熱風とを上下から調湿建材2に施すとともに、下部から外気冷却を吹き付けた。また、搬送ベルト201は、メッシュベルトを用い、乾燥時間を2倍の6分とした。
比較例2は、比較例1に対し、乾燥時間を実施例と同様の3分とした。
比較例3は、比較例2に対し、乾燥時間をさらに短く2分とした。
比較例4は、比較例3に対し、遠赤外線を上方のみから施し、メッシュベルトの上部に濡れた布を敷いた。
比較例5は、比較例3に対し、遠赤外線を上方のみから施し、外気冷却を調湿建材の裏面に吹き付ける処理を省略した。
比較例6は、比較例3に対し、遠赤外線と熱風とを上方のみから施すとともに、外気冷却を調湿建材の裏面に吹き付ける処理を省略し、さらに、搬送ベルトを平ベルトにした。
(2)加飾表面の評価
上記(1)で得られた調湿建材の乾燥状態及び調湿建材2の反り状態を評価した。結果を表4示す。調湿建材の乾燥状態は、(株)ケット科学研究所 水分量計 HI-520-2(商品名)のDモードで測定した。ここで、乾燥状態は、前処理液塗布前の建材の水分量を基準とし、ここでは、常温常湿で180以下(Dモード)であることを目標値とした。また、反り状態は、外縁が上部に向けて反る状態を「凹」で表し、また、外縁が下部に向けて反る状態を「凸」で表し、その反り程度が0.3以下であることを目標値とした。
表4の結果から、以下のことがわかる。
実施例では、遠赤外線と熱風とを上から調湿建材2に施すとともに、搬送ベルト210は平ベルトを用い、3分乾燥させると、乾燥状態が160で良好であるが、反りも凹状に0.3で良好である。
実施例と比較例1との対比から、遠赤外線と熱風とを上下から調湿建材2に施すとともに、下部から外気冷却を吹き付け、さらに搬送ベルト210はメッシュベルトを用い、乾燥時間を2倍の6分とすると、乾燥状態は110で良好であるが、反りが凸状に0.6反ってしまい、画質低下につながる。
比較例1と比較例2との対比から、乾燥時間を実施例と同様の3分とすると、乾燥状態は150で良好であるが、反りが凸状に0.5反ってしまい、画質低下につながる。比較例2と比較例3との対比から、乾燥時間をさらに短く2分しても、乾燥状態は180で良好であるが、反りが凸状に0.4反ってしまい、画質低下につながる。
比較例3と比較例4との対比から、遠赤外線を上方のみから施し、メッシュベルトの上部に濡れた布を敷くと、反りは凹状に0.1に反って良好であるが、乾燥状態は220で乾燥が不十分となる。
比較例3と比較例5との対比から、遠赤外線を上方のみから施し、外気冷却を調湿建材の裏面に吹き付ける処理を省略すると、乾燥状態は160で良好であるが、反りが凸状に0.7反ってしまい、画質低下につながる。
比較例3と比較例6との対比から、遠赤外線と熱風とを上方のみから施すとともに、外気冷却を調湿建材の裏面に吹き付ける処理を省略し、さらに、搬送ベルトを平ベルトにすると、反りは凸状に0.3に反って良好であるが、乾燥状態は190で乾燥が不十分となる。
本発明によれば、調湿建材等の調湿機能を有する多孔質基材を、該多孔質基材の調湿性能や光沢性を損なうことなく加飾できるので、調湿機能の要求される建築材料の分野の他、調湿機能や光沢機能の要求されるその他の物品の分野で加飾の用途に広く利用できる。
A…研磨面
S…削り屑
d1…研磨材の移動方向
d2…調湿機材の搬送方向
1…加飾装置
2…調湿建材
11…サンドペーパー
12…駆動手段
12a…駆動ローラー
12b…ガイドローラー
12c…ゴムローラー
13(13a〜d)…搬送ローラー
14(14a,14b)…予備ローラー
15…プラテン部
16…躯体
17…集塵機
17a…ダクト
18…クリーニングブラシ
19…制御部
20…搬送部
30…前処理液塗布ヘッド
31…ノズル
40…加熱部
50…記録ヘッド部
100…研磨装置
200…搬送部
201…搬送ベルト
202…ローラー
300…前処理液塗布装置
310…ノズルユニット
311…ガイドレール
312…キャリッジ
320…供給ユニット
321…ヘッドタンク
322…加圧ポンプ
324…配管
325…配管
330…前処理制御部
400…乾燥装置
401…乾燥炉
410…乾燥処理部
411…吸引部
412…熱風発生部
413…ダクト
414…下降ダクト
415…吹付口
416…補助加熱部
420…乾燥制御部
441…導入部
442…排出部
443…拭取部
450…排気部
500…印刷装置

Claims (3)

  1. 多孔質基材である調湿建材の表面にインクを吐出して画像を形成するインクジェット印刷を行う工程の前に、水、水分散性樹脂、及び平均1次粒子径が300nm以下の微粒子を少なくとも含む前処理液を、調湿建材の表面に塗布する前処理工程を含み、
    前記前処理液の塗布では、前記前処理液と空気とを混合して噴射するノズルを、前記調湿建材の表面から所定距離に保ちつつ、前記調湿建材に対して相対移動させ、前記ノズルから前記前処理液を噴射するとともに、
    前記ノズルの噴射圧を2.1Paとし、
    前記前処理液の量を12g/m2(dry)とし、
    塗布回数を1回とした
    ことを特徴とする調湿建材の前処理液塗布方法。
  2. 前記前処理工程は、前記ノズルを副走査方向に複数並べて形成されたノズル列を、主走査方向に移動させながら前処理液を噴射させ、前記調湿建材の端部に達した後に副操作方向に所定距離移動させてから再び主走査方向に移動させながら前処理液を噴射させることを繰り返す工程であり、
    前記ノズル列を副走査方向へ移動させる際の前記所定距離は、前記ノズル列の長さよりも短い距離であることを特徴とする請求項1に記載の調湿建材の前処理液塗布方法。
  3. 前記インクには、水分散性樹脂が含まれており、
    前記微粒子は、1次粒子径が40nm以上300nm以下の第一の微粒子と1次粒子径が40nm未満の第二の微粒子との混合物から構成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の調湿建材の前処理液塗布方法。
JP2015038978A 2015-02-27 2015-02-27 調湿建材の前処理液塗布方法 Active JP6417239B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015038978A JP6417239B2 (ja) 2015-02-27 2015-02-27 調湿建材の前処理液塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015038978A JP6417239B2 (ja) 2015-02-27 2015-02-27 調湿建材の前処理液塗布方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016159216A JP2016159216A (ja) 2016-09-05
JP6417239B2 true JP6417239B2 (ja) 2018-10-31

Family

ID=56845994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015038978A Active JP6417239B2 (ja) 2015-02-27 2015-02-27 調湿建材の前処理液塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6417239B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110026312A (zh) * 2019-03-01 2019-07-19 深圳市联天钢结构桥梁工程有限公司 一种钢结构防腐涂料涂装设备

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4604245B2 (ja) * 2005-05-30 2011-01-05 大日本塗料株式会社 建築物の表装仕上げ構造および表装仕上げ層の形成方法
JP5885254B2 (ja) * 2011-03-31 2016-03-15 大日本塗料株式会社 複層塗膜及び該複層塗膜の製造方法
JP2013034934A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Tsubakimoto Chain Co コンピュータプログラム、噴霧制御方法及び噴霧制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016159216A (ja) 2016-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016161187A (ja) 調湿建材の乾燥方法及び乾燥装置
JP6652324B2 (ja) 加飾物品の製造方法及び製造装置、並びに加飾物品
US7942516B2 (en) Image forming method and image forming apparatus
EP2106919B1 (en) Inkjet recording apparatus and inkjet recording method
JP5743398B2 (ja) 画像形成方法および画像形成装置
CN1652939A (zh) 喷墨打印机
US20060284929A1 (en) Inkjet recording method and inkjet printer
US20160297224A1 (en) Removable ultraviolet curable dye sublimation inks
WO2017138436A1 (ja) インクジェット記録装置
CN101607490A (zh) 图像记录用组合物、图像记录用墨水组和记录装置
JP2013176900A (ja) インクジェット記録装置
JP5191417B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
WO2015080246A1 (ja) 加飾物品の製造方法及び製造装置、並びに加飾物品
JP2015205414A (ja) インクジェット印刷装置及びインクジェット印刷方法
JP5072108B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
WO2012029562A1 (ja) インクジェット記録方法
JP2010052284A (ja) インクジェット記録方法
JP6417239B2 (ja) 調湿建材の前処理液塗布方法
JP5962154B2 (ja) インクジェット記録方法および記録装置
JP7196652B2 (ja) インクセット、画像形成装置、及び画像形成方法
JP5276384B2 (ja) インクジェット記録方法及び装置
US11897254B2 (en) Liquid discharge apparatus, printer, and liquid discharge method
JP2021014024A (ja) インク吐出装置、インク乾燥方法、及び記録用水性インク
JP2003205619A (ja) インクジェットプリンタ
KR20130110695A (ko) IR(Infra Red) 저열경화 잉크젯 프린터

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181005

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6417239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250